JP4266781B2 - ポンプユニット - Google Patents
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Description
該従来の作業車輌は、前記構成を備えることにより、前記一対の駆動車軸間に走行系伝動機構が介在することを防止している点で有効であるが、下記点において不十分である。
従って、斯かる作業車輌において、車輌幅方向中央部に自由空間を確保する為には、走行系伝動機構だけではなくPTO系伝動機構についても考慮する必要がある。
前記従来の作業車輌は、前記構成によって走行系伝動機構が車輌幅方向中央部に位置することを防止しているが、PTO系伝動機構については考慮されていない。
前記ハウジングは、前記第1及び第2油圧ポンプ本体を収容するポンプ収容部であって、前記第1及び第2油圧ポンプ本体が挿通可能な第1開口を介して外方へ連通されたポンプ収容部を有するハウジング本体と、前記第1開口を閉塞するように前記ハウジング本体に連結されるセンターセクションとを有する。
前記センターセクションには、一端部が前記第1油圧ポンプ本体の吐出口及び吸引口にそれぞれ連通され且つ他端部が前記センターセクションの外表面に開口された一対の第1油路と、一端部が前記第2油圧ポンプ本体の吐出口及び吸引口にそれぞれ連通され且つ他端部が前記センターセクションの外表面に開口された一対の第2油路とが形成され、これにより、前記一対の第1油路の他端部と前記第1油圧モータユニットとを流体接続し且つ前記一対の第2油路の他端部と前記第2油圧モータユニットとを流体接続することで、前記ポンプユニットは前記第1及び第2油圧モータユニットとは離間された状態で前記第1及び第2油圧モータユニットと共働して前記走行系伝動機構を形成可能とされている。
前記入力軸、前記第1ポンプ軸、前記第2ポンプ軸及び前記PTO軸が車輌前後方向に沿うように前記ポンプユニットを設置した状態を基準にして、前記入力軸が最も車輌幅方向一方側に配置され且つ前記PTO軸が最も車輌幅方向他方側に配置される。
より好ましくは、前記第1ポンプ軸及び前記第2ポンプ軸は、前記ハウジングから外方へ延在された外方端部を有するものとされる。
前記外方端部には、例えば、冷却ファン及び/又はチャージポンプが支持される。
他態様においては、前記入力軸及び前記第1ポンプ軸は単一軸によって一体形成されることで同心上に配置される。
前記第2開口は、前記第1開口とは車輌前後方向反対側に位置するものとされる。
斯かる態様において、前記ハウジングは、さらに、前記第2開口を液密に閉塞するように前記ハウジング本体に連結される蓋部材を有し得る。
さらに、本発明においては、入力軸、第1ポンプ軸、第2ポンプ軸及びPTO軸が車輌前後方向に沿うように前記ポンプユニットを設置した状態を基準にして、前記入力軸が最も車輌幅方向一方側に配置され且つ前記PTO軸が最も車輌幅方向他方側に配置されており、PTO系伝動機構が機体フレームの幅方向中央に位置することを有効に防止できる。
このように、本発明によれば、走行系伝動機構及びPTO系伝動機構の双方が機体フレームの幅方向中央に位置することを有効の防止できる。従って、機体フレームの幅方向中央に自由空間を確保でき、これにより、車輌の設計自由度を向上させることができる。
本発明に係るポンプユニットは、油圧回路を介して流体的に接続され、該油圧回路における圧油の作用によって駆動される油圧モータユニットと共働して走行系伝動機構を構成すると共に、作業機に向けて動力を出力するPTO系伝動機構をも構成するようになっている。
本実施の形態において、前記作業車輌100は、車輌前後方向に関し、前輪(図示の形態においてはキャスタ130)と後輪(図示の形態においては駆動輪120)との間に対地作業機140を有するミッドマウント型とされている。
前記第1及び第2油圧モータユニット160a,160bは、車輌幅方向に沿って左右に振り分け配置されており、これにより、前記作業車輌100は、車輌幅方向中央に走行系伝動機構が位置することを防止して、機体フレーム110の幅方向中央に自由空間を確保している。
図4及び図5に、それぞれ、図3におけるIV-IV線及びV-V線断面図を示す。
前記ポンプユニット1は、前述の通り、該ポンプユニット1とは離間配置された前記油圧モータユニット160a,160bと油圧回路を介して流体的に接続されており、駆動源150から入力される動力を油圧の作用を利用して前記油圧モータユニット160a,160bから出力して駆動輪120を駆動し得るように構成されている。即ち、該ポンプユニット1は、前記油圧モータユニット160a,160bと共に、主伝動経路となる走行系伝動機構を形成している。
同様に、前記第2油圧ポンプ本体30b及び油圧モータユニット160bの少なくとも一方は出力調整部材の操作により吸込/吐出量が変化する可変容積型とされており、該出力調整部材の傾転位置を制御することによって、第2油圧モータユニット160bのモータ軸から無段変速出力を得るようになっている。
なお、本実施の形態においては、油圧ポンプ本体30a,30bを可変容積型とし、油圧モータユニット160a,160bを固定容積型としている。
好ましくは、前記フライホイール155には、ダンパー156を備えることができ(図1参照)、これにより、前記駆動源150の出力軸の角速度変動を抑えた状態で、該駆動源150から前記入力軸10への動力伝達を行うことができる。従って、油圧ポンプ本体30a,30bの耐久性を向上させることができる。さらに、油圧ポンプ本体30a,30bから吐出する油の脈動が抑制されるため、この圧油を受ける油圧モータユニット160a,160bの耐久性も向上させ得ると共に、騒音・振動を軽減させ得る。
なお、本実施の形態においては、前記入力軸10は、単一部材によって前記第1ポンプ軸20aと一体形成されている。
即ち、該入力軸10及び第1ポンプ軸20aは単一軸15とされている。
好ましくは、該第1ポンプ軸20aは一端部が前記ハウジング40から外方(本実施の形態においては、前方)へ延在され、該外方端部によって被駆動部材を駆動し得るように構成し得る。
本実施の形態においては、前記被駆動部材として冷却ファン70が備えられている。
斯かる形態においては、前記単一軸15の伝動方向上流側が前記入力軸10を構成し、且つ、伝動方向後流側が前記第1ポンプ軸20aを構成している。
本実施の形態においては、前記単一軸15は、後端部及び先端部が、それぞれ、前記駆動源150との連結部位及び前記冷却ファン70の支持部位を形成するように、前記ハウジング40から外方へ延在されている。
好ましくは、該第2ポンプ軸20bは、一端部が前記ハウジング40から外方へ延在され、該外方端部によって被駆動部材を駆動し得るように構成し得る。
本実施の形態においては、前記被駆動部材としてチャージポンプ80が備えられている。
該チャージポンプ80は、前記第2ポンプ軸20bの外方端部によって駆動されるチャージポンプ本体81と、該チャージポンプ本体81を囲繞するチャージポンプケース82とを備えている。
具体的には、本実施の形態に係るポンプユニット1は、前記入力軸10の回転動力を前記第1及び第2ポンプ軸20a,20bに伝達する動力伝達機構75を備えている。
本実施の形態においては、前記第1ポンプ軸20aは、前記単一軸15によって前記入力軸10と一体形成されている。
従って、本実施の形態に係るポンプユニット1は、前記動力伝達機構75として、前記単一軸15に相対回転不能に支持された駆動ギヤ76と、該駆動ギヤ76と噛合するように前記第2ポンプ軸20bに相対回転不能に支持された従動ギヤ77とを備えている。
前記駆動ギヤ76及び前記従動ギヤ77は同一ピッチ径とされており、前記第1ポンプ軸20a(単一軸15)及び前記第2ポンプ軸20bが同期回転するようになっている。
なお、本実施の形態においては、前記入力軸10を前記第1ポンプ軸20aと一体形成したが、当然ながら、前記入力軸10と第1ポンプ軸20aとを別体とすることも可能である。
なお、本実施の形態においては、油圧ポンプ本体30a,30bはアキシャルピストン式としたが、ラジアルピストン式でも構わない。
前記PTO軸51は、前記入力軸10に作動連結された状態で、車輌前後方向に沿うように前記ハウジング40に支持されている。
該PTO軸51の外方延在端部は、振動吸収型伝動手段145を介して、対地作業機140の入力部に作動的に連結される。本実施の形態においては、図1に示すように、該振動吸収型伝動手段145として、両端部に自在継手が備えられた伝動軸を用いている。
本実施の形態においては、図3に良く示されるように、該油圧クラッチ55は、前記PTO軸51に相対回転自在且つ軸方向摺動不能に支持された駆動側部材55aであって、前記入力軸10に作動的に連結された駆動側部材55aと、該駆動側部材55aに相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板55bと、前記PTO軸51に相対回転不能に支持された従動側部材55cと、該従動側部材55cに相対回転不能且つ軸方向一定範囲摺動自在に支持された従動側摩擦板55dと、油圧の作用を受けて、前記従動側摩擦板55dと前記駆動側摩擦板55bとを摩擦係合させるクラッチ押動部材55eと、該クラッチ押動部材55eを前記駆動側摩擦板55b及び従動側摩擦板55dから離間させるクラッチ付勢部材55fとを備えている。
具体的には、前記駆動側部材55aは、前記従動側ギヤ77と噛合するように構成されている。
前記ブレーキ押動部材58aは、前記クラッチ押動部材55eが前記駆動側摩擦板55b及び従動側摩擦板55dから離間される際に、前記ブレーキディスク58cを前記固定ディスク58bへ向けて押動するようになっている。
具体的には、該ハウジング40は、前記第1及び第2油圧ポンプ本体30a,30bを収容可能なポンプ収容部42を有するハウジング本体41を備えている。
前記ポンプ収容部42は、前記ハウジング本体41の車輌幅方向一方側に配設されており、前記第1及び第2油圧ポンプ本体30a,30bが挿通可能な第1開口42aを介して外方へ連通されている。
前記PTO収容部43は、前記ハウジング本体41の車輌幅方向他方側に配設されており、前記PTO装置50が挿通可能な第2開口43aを介して外方へ連通されている。
即ち、該ハウジング本体41は、前記第1端壁41a,第2端壁41b及び周壁41cによって画される内部空間のうち車輌幅方向一方側が前記ポンプ収容部42を形成し、且つ、車輌幅方向他方側が前記PTO収容部43を形成するようになっている。
斯かる構成において、前記第1開口42aは、前記ポンプ収容部42に対応するように前記第1端壁41aに形成されており、且つ、前記第2開口43aは、前記PTO収容部43に対応するように前記第2端壁41bに形成されている。
また、ハウジング40は、ハウジング本体41の第2端壁41bにおける前記センターセクション45の内面と対峙する側に凹円弧状の斜板ホルダー49を有している。
即ち、前記センターセクション45は、該斜板ホルダー49との間に前記第1及び第2油圧ポンプ本体30a,30bを狭持し得るように構成されている。
前記斜板ホルダー49は前記第2端壁41bに一体形成しても良いが、本実施の形態においては、前記ポンプ収容部42内に位置するように前記ハウジング本体41に着脱自在に連結されている。
このように、本実施の形態においては、前記斜板ホルダー49をハウジング本体41とは別体としており、これにより、加工精度が要求される斜板ガイド面を容易に形成することができる。
該センターセクションの油路については後述する。
前記蓋部材47と前記第2端壁41bとの間に画される前記収容空間には、前記動力伝達機構75が収容される。
詳しくは、前記ハウジング40は、前記駆動源150に一体的に連結されたフライホイールカバー及びマウントメンバー158を介して、前記駆動源150に連結されている。
このように、前記ハウジング40を機体フレーム110に対してフリーな状態で前記駆動源150に一体的に連結させることにより、該ハウジング40の前記駆動源150に対する相対振動を防止することができる。
従って、前記駆動源150から前記入力軸10への動力伝達を確実に行うことができる。
図6に、図3におけるVI-VI線断面図を示す。又、図7に、図6におけるVII-VII線断面図を示す。
前記吐出油路202は、リリーフ弁220によって所定圧に設定された状態で、作業機作動用油圧回路300と、PTO油圧回路400と、走行系油圧回路500とに分岐されている。
なお、前記リリーフ弁220からのリリーフ油は、前記チャージポンプケース82に設けられた戻し油路203を介して前記吸込油路201に戻されるようになっている(図2及び図6参照)。
該作業機作動用油路301は、シーケンス310を介して前記吐出油路202に接続されている。
本実施の形態においては、前記作業機作動用油路301は、図6に示すように、一端部が前記吐出油路202に連通し且つ他端部が外表面に開口するように、前記チャージポンプケース82に形成されている。
チャージポンプケースの外表面に開口されている(図2及び図6参照)。
なお、図2及び図7に示すように、前記シーケンス310のバネ室は、前記チャージポンプケース及び前記センターセクションに形成された油路302を介して、前記ハウジング40内に開放されるようになっている。
図8及び図9に、それぞれ、図3におけるVIII-VIII線及びIX-IX線断面図を示す。
又、図10に、図8におけるX-X線断面図を示す。
詳しくは、前記PTO軸51は、図10に示すように、前記ハウジング本体41の第1端壁と前記蓋部材47とによって軸線回り回転自在に支持されている。
そして、前記蓋部材47と前記PTO軸51との支持部には、前記第4PTO油路404と前記クラッチ作動油路405とを連通する為に、環状の油分配室を有するシールケース部420が形成されている。
なお、本実施の形態においては、さらに、前記蓋部材47に、一端部が前記シールケース部420に連通し且つ他端部が前記ハウジング40内に開口されたドレン油路408を設けており(図8参照)、これにより、前記シールケース部420内に漏れたリーク油がPTO軸51の背圧として作用しないようにしている。
前記PTO電磁弁411は、前記チャージポンプ80から前記PTO装置50における油圧クラッチ55へ圧油を選択的に供給/遮断可能とする為に備えられる。
本実施の形態においては、前記PTO電磁弁411は、図6に示すように、前記第1PTO油路401中に介挿されるように、前記チャージポンプケース82に配設されている。
本実施の形態においては、前記PTOリリーフ弁412は、図10に示すように、前記第4PTO油路404中に介挿されるように、前記蓋部材47に配設されている。
なお、該PTOリリーフ弁412からのドレン油は、前記蓋部材47に形成されたドレン油路412aを介して、ハウジング41内に戻されるようになっている(図2,図8及び図10参照)。
図11に、図3におけるXI-XI線に沿った端面図であって、第1及び第2油圧ポンプ本体30a,30bを取り外した状態の端面図を示す。
又、図12に、図3におけるXII-XII線断面図を示す。
図3及び図11に示すように、本実施の形態においては、前記アキュームレータ413は、前記ハウジング本体41に付設されたアキュームレータケース413aと、該アキュームレータケース413aに内挿されたアキュームレータ本体413bとを備えている。
そして、前記アキュームレータ油路406の他端部と前記アキュームレータ413とが適宜の配管407(図2参照)によって連通されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、アキュームレータケース413aをハウジング本体41に付設するように構成したが、当然ながら、該ハウジング本体41やチャージポンプケース82又はセンターセクション45にアキュームレータ本体413bを内挿させ、アキュームレータケース413aを不要化することも可能である。更に、ハウジング本体41に配管407に代わる油路を穿孔することも可能である。
例えば、図13に示すように、前記ハウジング本体41に付設される前記アキュームレータケース413aに前記PTOリリーフ弁412を内挿することができる。
斯かる構成を備えることにより、蓋部材47にPTOリリーフ弁412を設置するための加工工程をなくすことができ、該蓋部材47の加工コストを低減することもできる。
ここで、アキュームレータ413とPTOリリーフ弁412とを一体化した場合の構成について説明する。
図13に示すように、PTOリリーフ弁412は、受圧室412cがアキュームレータ本体413bの受圧面に開口するように、該アキュームレータ本体413aに設けられている。そして、前記PTOリリーフ弁412のリリーフ設定バネ412bはアキュームレータ413のバネ413cよりも付勢力が大きく設定されている。
従って、クラッチ作動油路405に油圧が導入されると、まず、アキュームレータ本体413bが図13(a)に示す初期位置からアキュームレータケース413a内をバネ413cに抗してストロークエンドまで移動し(図13(b)参照)、これにより、油圧漸増効果が得られる。
前記クラッチ作動油路405の油圧がさらに上昇すると、アキュームレータ本体413bの受圧面に開口する前記PTOリリーフ弁412の受圧室412cに油圧が作用する。そして、該油圧が前記リリーフ設定バネ412bの付勢力を上回るとリリーフ作動して、ドレン油がアキュームレータ本体413bからアキュームレータケース413aに形成されるドレン油路412aを通じてハウジング本体41内の油溜めに放出される。
図12に、図3におけるXII-XII線断面図を示す。
図2に示すように、該走行系油圧回路500は、前記第1油圧ポンプ本体30a及び前記第1油圧モータユニット160aの間を流体接続する第1油圧回路500aと、前記第2油圧ポンプ本体30b及び前記第2油圧モータユニット160bの間を流体接続する第2油圧回路500bとを備えている。
なお、前記第1油圧回路500a及び前記第2油圧回路500bは実質的に同一構成を有している。従って、図中、前記第1油圧回路500aにおけると同一又は相当部材には同一符号(又は、添え字のみを変更した同一符号)を付して、第2油圧回路500bの詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、該第1油圧回路500aは、前記第1油圧ポンプ本体30a及び前記第1油圧モータユニット160aを接続する一対の第1油圧ライン501aと、該一対の第1油圧ライン501aの間を連通するチャージライン502aとを有している。
該一対の第1油路501a’の一方は、一端部が前記第1油圧ポンプ本体30aの吐出口に連通され且つ他端部が前記センターセクション45の外表面に開口されている。
同様に、前記一対の第1油路501a’の他方は、一端部が前記第1油圧ポンプ本体30aの吸込口に連通され且つ他端部が前記センターセクション45の外表面に開口されている。
本実施の形態においては、前記チャージライン502aは前記センターセクション45及びハウジング本体41に形成されている。
そして、前記連通溝504には、前記吐出油路202が接続されるようになっている。
詳しくは、図6及び図7に示すように、前記吐出油路202は、前記チャージポンプケース82に形成された第1部位202aと、該第1部位202aと連通するように前記センターセクション45に形成された第2部位202bであって、前記連通溝504に開口する第2部位202bとを有している。
該一対のチェック弁510は、前記吐出油路202から前記一対の第1油路501a’のそれぞれへの油の流れを許容し、且つ、逆向きの油の流れを防止する為に備えられる。
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記チェック弁510は、前記センターセクション45と前記ハウジング本体41との合わせ面に配設されている。
該高圧リリーフ弁511を備えることにより、前記一対の第1油圧ライン501aが過高圧となることを有効に防止できる。
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記一対の高圧リリーフ弁511は、前記連通溝504と前記一対の第1油路501a’のそれぞれとの間に配設されている。
即ち、本実施の形態においては、前記一対の第1油路501a’の油圧が過高圧となると、該一対の第1油路501a’からのリリーフ油を前記連通溝504へ吐出し得るようになっている。
斯かるオリフィス512を設けることにより、前記第1油圧ポンプ本体30aのニュートラル状態を確実に得ることが可能となる。
本実施の形態においては、前記オリフィス512は、前記第1油路501a’の一方(好ましくは、車輌後進時に高圧となる第1油路501a’)と前記連通溝504との間に配設されている。
車輌後進時に高圧となる第1油路501a’を外部ライン又は外方へ連通するように前記オリフィス512を設けることにより、運転時間が長く、且つ、高い効率が要求される車輌前進時における伝動効率の悪化を有効に防止できる。
斯かる構成を備えることにより、車輌を強制的に牽引する際等において、一対の第1油圧ライン501a間に圧力差が生じることを防止できる。
本実施の形態においては、図12に示すように、前記バイパスライン508aは、前記一対の第1油路501aの間を連通するように、前記センターセクション45に形成されている。
該フリーホイール防止用チェック弁530は、前記一対の第1油圧ライン501a及び前記一対の第2油圧ライン501b内の油量が何らかの原因によって減少した場合に、該一対の第1及び第2油圧ライン501a,501bに油を自然補給し得るようになっている。
斯かるフリーホイール防止用チェック弁530を備えることにより、駐車ブレーキを掛けずに車輌を坂道等に停車させた際に、前記第1及び第2油圧ポンプ本体30a,30bを中立状態に操作しているにも拘わらず、駆動車軸が制御不能に回転することを有効に防止できる。
即ち、前記ポンプユニット1は、前述の通り、車輌幅方向に振り分け配置された一対の油圧モータユニット160a,160bと流体的に接続されることで、走行系伝動機構を構成している。
従って、該ポンプユニット1は、機体フレーム110の幅方向中央部に走行系伝動機構が存在することを有効に防止できる。
ところで、通常、駆動源150は、車輌バランス等を考慮して機体フレーム110の幅方向略中央に配設される(図1(b)参照)。従って、前記駆動源150との作動連結を簡単な構成で行う為には、前記入力軸10が機体フレーム110の幅方向略中央に位置するように、前記ハウジング40を配設するのが好ましい。
本実施の形態に係るポンプユニット1は前記構成を備えており、従って、前記入力軸10が機体フレーム110の車輌幅方向略中央に位置するように前記ハウジング40を配設すれば、前記PTO軸51は機体フレームの車輌幅方向他方側へ変位配置される。
従って、前記入力軸10と前記PTO軸51との軸間距離を確保しつつ、前記入力軸10から第1ポンプ軸20a,第2ポンプ軸20b及びPTO軸51への動力伝達を簡単な構造で行うことができる。
又、前記入力軸10及び前記第1ポンプ軸20aが別体の軸によって形成される態様においては、前記入力軸10を他の何れの軸よりも最もハウジング40の車輌幅方向一方側に位置させ、且つ、前記PTO軸51を他の何れの軸よりも最もハウジング40の車輌幅方向他方側に位置させることができる。
10 入力軸
20a 第1ポンプ軸
20b 第2ポンプ軸
30a 第1油圧ポンプ本体
30b 第2油圧ポンプ本体
40 ハウジング
41 ハウジング本体
42 ポンプ収容部
42a ハウジング本体の第1開口
43 PTO収容部
43a ハウジング本体の第2開口
45 センターセクション
47 蓋部材
50 PTO装置
51 PTO軸
55 油圧クラッチ
70 冷却ファン
80 チャージポンプ
100 作業車輌
110 機体フレーム
120 駆動車輪
150 駆動源
Claims (6)
- 左右一対の駆動車輪にそれぞれ回転動力を出力し得るように車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置された第1及び第2油圧モータユニットと共働して走行系伝動機構を形成するポンプユニットであって、
駆動源に作動的に連結される入力軸と、
前記入力軸と同心上又は前記入力軸に平行に配設された状態で前記入力軸に作動的に連結された第1ポンプ軸と、
前記第1ポンプ軸に平行に配設された状態で前記第1ポンプ軸に作動連結された第2ポンプ軸と、
前記第1及び第2ポンプ軸によってそれぞれ駆動される第1及び第2油圧ポンプ本体と、
前記入力軸,第1ポンプ軸及び第2ポンプ軸を支持すると共に、前記第1及び第2油圧ポンプ本体を収容するハウジングと、
前記入力軸と略平行となるように前記ハウジングに支持されたPTO軸及び前記入力軸から前記PTO軸への動力伝達を選択的に係合又は解除し得るように前記ハウジングに収容された油圧クラッチを有するPTO装置とを備え、
前記ハウジングは、前記第1及び第2油圧ポンプ本体を収容するポンプ収容部であって、前記第1及び第2油圧ポンプ本体が挿通可能な第1開口を介して外方へ連通されたポンプ収容部を有するハウジング本体と、前記第1開口を閉塞するように前記ハウジング本体に連結されるセンターセクションとを有し、
前記センターセクションには、一端部が前記第1油圧ポンプ本体の吐出口及び吸引口にそれぞれ連通され且つ他端部が前記センターセクションの外表面に開口された一対の第1油路と、一端部が前記第2油圧ポンプ本体の吐出口及び吸引口にそれぞれ連通され且つ他端部が前記センターセクションの外表面に開口された一対の第2油路とが形成され、これにより、前記一対の第1油路の他端部と前記第1油圧モータユニットとを流体接続し且つ前記一対の第2油路の他端部と前記第2油圧モータユニットとを流体接続することで、前記ポンプユニットは前記第1及び第2油圧モータユニットとは離間された状態で前記第1及び第2油圧モータユニットと共働して前記走行系伝動機構を形成可能とされ、
前記入力軸、前記第1ポンプ軸、前記第2ポンプ軸及び前記PTO軸が車輌前後方向に沿うように前記ポンプユニットを設置した状態を基準にして、前記入力軸が最も車輌幅方向一方側に配置され且つ前記PTO軸が最も車輌幅方向他方側に配置されることを特徴とするポンプユニット。 - 前記第1ポンプ軸及び前記第2ポンプ軸のうちの少なくとも一つの軸は、前記ハウジングから外方へ延在された外方端部を有し、
該外方端部には被駆動部材が支持されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプユニット。 - 前記第1ポンプ軸及び前記第2ポンプ軸は、前記ハウジングから外方へ延在された外方端部を有し、
該外方端部にはそれぞれ冷却ファン及びチャージポンプが支持されていることを特徴とする請求項2に記載のポンプユニット。 - 前記第1ポンプ軸は、前記入力軸と平行に配設され、
前記ポンプユニットの設置状態を基準にして、前記入力軸、前記第1ポンプ軸、前記第2ポンプ軸及び前記PTO軸が車輌幅方向一方側から他方側へ順に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のポンプユニット。 - 前記入力軸及び前記第1ポンプ軸は単一軸によって一体形成されることで同心上に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のポンプユニット。
- 前記ハウジング本体は、前記油圧クラッチを収容するPTO収容部であって、該油圧クラッチが挿通可能な第2開口を介して外方へ連通されたPTO収容部を有し、
前記第2開口は、前記第1開口とは車輌前後方向反対側に位置しており、
前記ハウジングは、さらに、前記第2開口を液密に閉塞するように前記ハウジング本体に連結される蓋部材を有していることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のポンプユニット。
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