JP4266496B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口がノズル形成面に配置され、ノズル形成面の端部を覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられたインクジェット式記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して相対移動して、前記ノズル形成面に付着したインクを払拭するワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置に搭載される記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0003】
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、ノズル形成面を清掃するワイピング部材が備えられている。前記したキャッピング手段は、印刷の休止時にノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出させてノズル開口の近傍におけるインクの固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0004】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡混入を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが記録画像の品質が悪化したのを認識してクリーニングスイッチ等を操作した場合に実行される。そして、前記したキャッピング手段によって、記録ヘッドよりインクを負圧により排出させた後に、ワイピング部材により、記録ヘッドのノズル形成面を払拭(ワイピング)することで、ノズル形成面に付着しているインクをワイピング部材によって掻き取る操作が伴われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の記録装置において用いられる記録ヘッドの多くは、積層状態に構成することにより、インク流路や圧力室およびアクチェータ等を内部に組み込んでおり、したがってノズル形成面に直交する各側面部分は構造上において脆弱である。したがって、例えば記録媒体としての用紙が紙送り部材から若干浮いた状態でキャリッジが走査した場合においては、記録ヘッドの端部が記録用紙が引っ掛かる等して、ヘッドの一部を破損させるという問題を抱えている。そこで、前記したような構造上の問題を解決するために、金属性のヘッドカバーによって、ノズル形成面の各端部から記録ヘッドの側面部分を覆うように構成されている。
【0006】
一方、このように構成された記録ヘッドのノズル形成面を払拭する前記ワイピング部材は、一般にシート状に形成されたゴム等の弾性素材を短冊状に切断したものが用いられている。そして、ワイピング動作にあたっては、当該ワイピング部材が記録ヘッドの移動経路上に進出して、短冊状に形成された端部が記録ヘッドのノズル形成面およびノズル形成面より若干突出したヘッドカバー部分に摺接してインクを掻き取るように構成されている。
【0007】
したがって、特に記録ヘッドのノズル形成面とヘッドカバー部分との間に生ずる段差部分において拭き残しが発生し、ここにインクが残留してインクの払拭効果が減退するという問題を抱えている。このような原因により、前記段差部分にインクの固化物が固着し、これを核として除々に固化物が滞積するために、さらにワイピング部材による払拭効果を減退させるという問題を抱えることになる。
【0008】
このような問題を解決するために、ワイピング部材を構成する弾性素材として軟質な性状のものを用い、その変形作用を利用してノズル形成面とヘッドカバー部分との間の段差部分に残留しようとするインクを払拭することが考えられる。しかしながら、前記したように弾性素材として軟質な性状のものを用いた場合には、ワイピング動作においてワイピング部材の全体が過度に変形するために、記録ヘッドのノズル形成面に対して所定の圧接力が得られず、同様にインクの払拭効果が減退するという事態を招来する。
【0009】
本発明は、前記したような技術的課題に着目してなされたものであり、特にヘッドカバーを備えた記録ヘッドに対するインクの払拭効果を向上させることができ、長期にわたって動作の信頼性を保証することができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、
記録媒体に対してインク滴を吐出するノズル開口がノズル形成面に配置され、前記ノズル形成面の端部を覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられたインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して相対移動して、前記ノズル形成面に付着したインクを払拭するワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記ワイピング部材は短冊状に成形された弾性素材により、それぞれ同一幅をもって本体部、前記本体部に続く傾斜面部、前記傾斜面部に続く突起部より構成され、
前記本体部は、その肉厚が同一厚さとなるように形成され、前記本体部に続く前記傾斜面部は、前記本体部から前記突起部に向かって除々に肉厚が薄くなるように形成され、前記突起部は前記本体部の肉厚よりも薄肉状にして同一厚さの肉厚に形成されており、
前記突起部に前記ノズル形成面に接する頂端部が幅方向に直線状に形成され、且つ前記記録ヘッドに対してワイピング部材が相対移動した場合に、前記突起部における頂端部が前記ノズル形成面およびノズル形成面より突出したヘッドカバー部分に摺接できる幅をもって形成されることで、前記突起部が前記ノズル形成面に付着したインクを払拭する払拭部を構成しており、
さらに前記傾斜面部は、前記本体部の一方の面につながって第1の角度を持った第1の傾斜面と、前記本体部の他方の面につながって前記第1の角度とは異なる第2の角度を持った第2の傾斜面をもって形成されることで、前記記録ヘッドに対するワイピング部材の相対移動方向によって、前記ノズル形成面に当接する前記突起部の摺接荷重が変わるように構成されている点に特徴を有する。
【0012】
加えて、前記ワイピング部材の前記頂端部は、前記突起部を構成する一方の面から他方の面に向かって円弧状に湾曲された構成も好適に利用することができる。そして、前記したいずれの形態を採用するにあたっても、前記ワイピング部材は、硬度が50度乃至80度の弾性素材により形成されていることが望ましい。
【0013】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置によると、短冊状に形成された弾性素材によるワイピング部材の頂端部に沿って、ワイピング部材の本体に比較して薄肉状になされた幅方向に直線状の突起部が一体に成形されているので、当該突起部においては、ワイピング部材の本体に比較して弾性変形の度合いを向上させることができる。したがって、ヘッドカバーを備えた記録ヘッドに摺接した場合において、前記直線状の突起部が適度に変形してノズル形成面とヘッドカバー部分との間の段差部分に残留しようとするインクを効果的に払拭することができる。
【0014】
この場合、ワイピング動作において受ける作用力によって、ワイピング部材の全体が過度に変形することはなく、このために記録ヘッドのノズル形成面に対して所定の圧接力を得ることができる。したがって、頂端部が幅方向に直線状に形成された突起部によるインクの払拭効果を相乗的に向上させることができる。
【0015】
また、頂端部が幅方向に直線状に形成された突起部とワイピング部材の本体における側面との間に、傾斜面を形成させた構成とすることにより、前記突起部によって掻き取られたインクは、傾斜面に沿って重力方向に速やかに流れ落ちるので、ワイピング動作の終了時において、ワイピング部材の突起部に残留するインクの量を遥かに低減させることに寄与できる。したがって、ワイピング部材の前記突起部の近傍にインクが凝固する度合いを低減させることができ、次のワイピング動作時において、前記凝固物がノズル開口に押し込められて印字障害を引き起こす度合いを低減させることができる。
【0016】
さらに、ワイピング部材の前記突起部における頂端部を、突起部19を構成する一方の面から他方の面に向かって円弧状に湾曲させた構成とした場合には、ノズル形成面に対する突起部の摺接状態が、より線接触に近い状態となり、いわゆるエッジ効果を長期にわたって維持させることができる。これにより、長期にわたって安定したインクの払拭効果を持続させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用された記録装置本体の全体構成を斜視図によって示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ3により駆動されるタイミングベルト2を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。キャリッジ1の記録用紙6に対向する面、すなわちキャリッジの下側面には、図1には示されていないがブラックインク用記録ヘッドおよびカラーインク用記録ヘッドが搭載され、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ9、およびカラーインクカートリッジ10が着脱可能に装填されている。
【0018】
図中符号13は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、このキャッピング手段13には、前記記録ヘッドのノズル形成面をそれぞれ封止することができるキャップ部材14,15がキャリッジの移動方向に沿って並列状態に配置されている。そして、キャリッジ1に搭載された前記記録ヘッドが直上に移動した時に、キャリッジ1側に上昇してキャップ部材14,15によって、それぞれの記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるように構成されている。また、キャッピング手段13の下方には、キャッピング手段13を構成する各キャップ部材14,15の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ16が配置されている。
【0019】
前記キャッピング手段13は、記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ16からの負圧を記録ヘッドに作用させて、ノズル開口からインクを吸引排出させるクリーニング操作を実行する機能も備えている。
【0020】
また、キャッピング手段13に隣接する印字領域側には、後で詳細に説明するワイピング部材19が、水平方向に進退可能となるように配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段13側に往復移動する際に、記録ヘッドの移動経路上にワイピング部材19が進出できるように構成されている。
【0021】
図2は、前記した吸引ポンプ16およびワイピング部材19の駆動機構の一例を分解斜視図によって示したものである。まず、吸引ポンプ16には、その両外側にそれぞれ円筒部16a,16bが形成されたポンプフレーム16cが具備されており、この円筒部16a,16bにはそれぞれポンプホイル16d,16eが、図示せぬモータの駆動力を得て、正転および逆転可能となるように配置されている。
【0022】
各ポンプホイル16d,16eのそれぞれには、一端が軸芯方向に、他端が外周方向に向けて伸びる一対の支軸孔16fが設けられていて、ポンプホイル16d,16eの回転方向に応じて、これらの支軸孔16fに軸支されたローラ16gを、軸芯方向に片寄らせるか、または外周方向に片寄らせるかができるように構成されている。
【0023】
これにより、ローラ16gによりチューブTを円筒部16a,16bとの間で加圧してしごく作用を行うポンプ作用と、チューブTを加圧しないレリース作用とが選定できるように構成されている。なお、前記各チューブTのそれぞれ一端は、前記したキャップ部材14,15の下底部に形成された吸引口(図示せず)に接続されている。この構成によって、クリーニング指令を受けた場合に吸引ポンプ16の駆動によって発生する負圧が、キャップ部材14,15の内部空間に印加されるように作用する。
【0024】
一方、ワイパー駆動ユニット21においては、ポンプホイル16dの駆動軸にクラッチ板21aを介してカム部材21bが遊嵌されており、圧縮バネ21cによってカム部材21bがクラッチ板21aに圧接されるように構成されている。そして、上部にワイピング部材19を配置したスライド部材21dがフレーム21eに対して水平方向に摺動できるように取り付けられており、このスライド部材21dの一部に形成された凸部(図示せず)が、前記カム部材21bに形成された台形状の窓孔21f内に挿入されている。
【0025】
前記カム部材21bは、ポンプホイル16dの一方向の回転により、クラッチ板21aを介して同方向に引きずられ、前記スライドレバー21dを一方の水平方向に移動させるように作用する。またカム部材21bは、ポンプホイル16dの他方向の回転により、クラッチ板21aを介して他方向に引きずられ、前記スライド部材21dを他方の水平方向に移動させるように作用する。
【0026】
したがって、スライド部材21dの上部に取り付けられた前記ワイピング部材19は、吸引ポンプ16を駆動するモータの正転および逆転駆動により、記録ヘッドの移動経路に対して進入または退避されるように作用し、ワイピング部材19のクリーニング位置への進入状態において記録ヘッドのノズル形成面を払拭するようになされる。これにより、クリーニング動作の実行によって、ノズル形成面に付着したインクをワイピング部材19によって掻き取ることができ、印字領域に移動した記録ヘッドよりインクがぼた落ちするなどして記録用紙等を汚染させる障害の発生を防ぐようになされている。
【0027】
図3は前記した記録装置におけるキャリッジ1の下側面に搭載された記録ヘッド(カラーインク用記録ヘッド)の外観構成を示したものである。この記録ヘッド25のノズル形成面25aは面一状に構成されており、この実施の形態においては、イエロー、マゼンタ、シアンの各カラーインクをインク滴として吐出させるための多数のノズル開口からなるノズル列25bがそれぞれ平行状態に配列されている。
【0028】
この記録ヘッド25内には、周知のようにインク流路や圧力室およびアクチェータ等が各ノズル開口に対応してそれぞれ組み込まれており、これらを構成するために記録ヘッド25は積層状態に形成されている。したがって、ノズル形成面25aに直交する各側面部分は構造上において脆弱であり、例えば記録用紙がプラテン5から若干浮いた状態でキャリッジが走査した場合においては、記録用紙の端部に記録ヘッドの側面部分が引っ掛かる等して、ヘッドの一部を破損させるという問題を抱えている。そこで、前記したような構造上の問題を解決するために、ノズル形成面25aの各四端部から記録ヘッドの側面部分にわたって、金属性のヘッドカバー25cによって覆った構成とされている。
【0029】
したがって、前記したように記録ヘッドのノズル形成面25aとヘッドカバー25cとの間には若干の段差が発生している。それ故、ワイピング部材19によって記録ヘッドを払拭する場合において、この段差部分において拭き残しが発生し、ここにインクが残留してインクの払拭効果が減退するという問題を抱えている。
【0030】
図4は、前記したような構成の記録ヘッドに対し、インクの払拭効果が向上できるようになされたワイピング部材の各形態を、それぞれ側面方向から視た状態で示している。いずれにおいても、ワイピング部材19は天然ゴムまたは合成ゴム(エラストマー)を短冊状に成形すると共に、その頂端部に沿ってワイピング部材の本体19aに比較して薄肉状になされた幅方向に直線状の突起部19bが一体に成形されている。そして、図4にそれぞれ示されているように、前記薄肉状の突起部19bの肉厚は同一の厚さとなるように形成されており、前記した記録ヘッド25に対して相対移動した場合に、幅方向に直線状に形成された突起部19bがノズル形成面25aおよびノズル形成面より突出したヘッドカバー25c部分に摺接できる幅をもって形成されている。これにより、前記突起部19bが前記ノズル形成面に付着したインクを払拭する払拭部を構成している。
【0031】
ここで、図4(A)に示す形態は、矩形状になされた突起部19bが頂端部の中央部分に沿って形成されている。また、図4(B)に示す形態は、突起部19bが頂端部の中央部分に沿って形成されると共に、ワイピング部材の本体19aにおける両側面との間に、それぞれ傾斜面19cが形成されている。さらに図4(C)に示す形態は、前記傾斜面19cが、インクを払拭する状態における記録ヘッドに対する摺接面側のみに形成されている。
【0032】
また図4(D)に示す形態は、突起部19bが頂端部の中央部分に沿って形成されると共に、当該突起部における頂端部が、円弧状に構成されている。すなわち、前記ワイピング部材19の前記頂端部は、前記突起部19を構成する一方の面から他方の面に向かって円弧状に湾曲されている。さらに図4(E)に示す形態は、突起部19bが頂端部の中央部分に沿って形成されると共に、ワイピング部材の本体19aにおける両側面との間に、それぞれ傾斜面19cが形成されており、しかも、両傾斜面19cにおけるワイピング部材の側面に対する傾斜角が、それぞれ異なるように構成されている。すなわち、前記傾斜面部は、前記本体部の一方の面につながって第1の角度を持った第1の傾斜面と、前記本体部の他方の面につながって前記第1の角度とは異なる第2の角度を持った第2の傾斜面をもって形成されている。
【0033】
図5は、図4における(C)で示した形態のワイピング部材を用いた場合における記録ヘッドの払拭作用を示したものであり、また図6は、払拭動作状態を示す図5(A)において矢印X−X方向に視た状態を一部断面図で示したものである。図5に示されたように、記録ヘッド25が印字領域側に移動した場合には、記録ヘッド25の移動軌跡に進出しているワイピング部材19は、記録ヘッドのノズル形成面25aおよびヘッドカバー25cに摺接して湾曲状態になされる。この場合、幅方向に直線状の突起部19bは本体19aに比較して薄肉状に構成されているので、突起部19bはより柔軟性が高く、圧接力を受けた場合の弾性変形の度合いが十分に大きい。
【0034】
したがって、図6に示されたように頂端部が幅方向に直線状の突起部19bが適度に変形して、ノズル形成面25aとヘッドカバー25cとの間の段差部分に入り込み、当該箇所に残留しようとするインクを効果的に払拭することができる。この場合、ワイピング部材の本体19aは比較的硬度が高いため、ワイピング動作において受ける作用力によって過度に変形することはない。換言すれば、記録ヘッドのノズル形成面25aに対して所定の圧接力を得ることができ、頂端部が幅方向に直線状の突起部19bによるインクの払拭効果を相乗的に向上させることができる。なお、このような作用効果は、図4に示された全ての形態のワイピング部材において得ることができる。
【0035】
そして、記録ヘッド25がさらに印字領域側に移動することにより、図5(B)に示したようにワイピング部材19は記録ヘッドからの当接から外れ、元の状態に復帰する。この場合、ワイピング部材19は図4(C)に拡大して示されているように、傾斜面19cが、インクを払拭する状態における記録ヘッドに対する摺接面側に形成されており、したがってワイピング部材19によって掻き取られたインクは、傾斜面19cに沿って重力方向に速やかに流れ落ち、ワイピング部材の突起部に残留するインクの量を遥かに低減させることに寄与できる。
【0036】
なお、前記した図4(B)および図4(E)に示す形態においても、傾斜面19cが形成されており、これらの形態における傾斜面19cにおいても、前記と同様な作用効果を得ることができる。一方、図4(E)に示す2つの傾斜面はワイピング部材の側面に対する傾斜角が、それぞれ異なるように構成されており、したがって、このような構成によると、ワイピング方向によってノズル形成面に当接する突起部19bの摺接加重を変えることができる。したがって、このような形態によるとクリーニングモードに応じて摺接加重を選択することが可能となる。
【0037】
さらに、図4(D)に示したように突起部19bにおける頂端部を、円弧状に構成した場合においては、ノズル形成面25aに対する突起部19bの摺接状態が、より線接触に近い状態となり、いわゆるエッジ効果を長期にわたって維持させることができる。これにより、長期にわたって安定したインクの払拭効果を持続させることができる。
【0038】
加えて、前記したように頂端部が幅方向に直線状の突起部19aを備えた形態のワイピング部材は、天然ゴムまたは合成ゴム(エラストマー)により成形されており、この場合、硬度が50度乃至80度の素材を用いることが望ましい。その理由は、例えば硬度が50度未満の素材を用いた場合には、ワイピング部材が記録ヘッドのノズル形成面に当接する際に、ヘッドの幅方向で、ワイピング部材の形状を保つ力が弱く、波打ちなどして変形した部分でインク廃液の拭き残しを発生させるという問題が発生する。
【0039】
また硬度が80度を超える場合においては、ワイピング部材が記録ヘッドのノズル形成面に当接する際、ヘッドカバーとの段差に対して柔軟に追従(変形)することができず、前記段差部においてインク廃液の拭き残しを発生させる。また、ワイピング部材自体の変形に大きな力を必要とし、記録ヘッドを往復走査させるキャリッジモータに大きな負荷を与えるという問題が発生するからである。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、ワイピング部材の本体に比較して薄肉状になされた幅方向に直線状の突起部をワイピング部材の本体と一体に成形すると共に、記録ヘッドに対して相対移動した場合に、頂端部が幅方向に直線状の突起部がノズル形成面およびノズル形成面より突出したヘッドカバー部分に摺接できる幅をもって形成されているので、ヘッドカバーを備えた記録ヘッドに対するインクの払拭効果を向上させることができ、長期にわたって動作の信頼性を保証することができるインクジェット式記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の本体部分を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載された吸引ポンプおよびワイピング部材の駆動機構の一例を示した分解斜視図である。
【図3】図1に示す記録装置に搭載された記録ヘッドの外観構成を示した斜視図である。
【図4】本発明にかかる記録装置に利用できるワイピング部材の各形態を示した側面図である。
【図5】図4における(C)で示した形態のワイピング部材を用いた場合における記録ヘッドの払拭作用を示した側面図である。
【図6】払拭動作状態を示す図5(A)において矢印X−X方向に視た状態を示した一部断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
3 キャリッジモータ
6 記録用紙
9 ブラックインクカートリッジ
10 カラーインクカートリッジ
13 キャッピング手段
14 キャップ部材
15 キャップ部材
16 吸引ポンプ
19 ワイピング部材
19a 部材本体
19b 突起部
19c 傾斜面
21 ワイパー駆動ユニット
21d スライド部材
25 記録ヘッド
25a ノズル形成面
25b ノズル列(ノズル開口)
25c ヘッドカバー

Claims (2)

  1. 記録媒体に対してインク滴を吐出するノズル開口がノズル形成面に配置され、前記ノズル形成面の端部を覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられたインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して相対移動して、前記ノズル形成面に付着したインクを払拭するワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置であって、 前記ワイピング部材は短冊状に成形された弾性素材により、それぞれ同一幅をもって本体部、前記本体部に続く傾斜面部、前記傾斜面部に続く突起部より構成され、
    前記本体部は、その肉厚が同一厚さとなるように形成され、前記本体部に続く前記傾斜面部は、前記本体部から前記突起部に向かって除々に肉厚が薄くなるように形成され、前記突起部は前記本体部の肉厚よりも薄肉状にして同一厚さの肉厚に形成されており、
    前記突起部に前記ノズル形成面に接する頂端部が幅方向に直線状に形成され、且つ前記記録ヘッドに対してワイピング部材が相対移動した場合に、前記突起部における頂端部が前記ノズル形成面およびノズル形成面より突出したヘッドカバー部分に摺接できる幅をもって形成されることで、前記突起部が前記ノズル形成面に付着したインクを払拭する払拭部を構成しており、
    さらに前記傾斜面部は、前記本体部の一方の面につながって第1の角度を持った第1の傾斜面と、前記本体部の他方の面につながって前記第1の角度とは異なる第2の角度を持った第2の傾斜面をもって形成されることで、前記記録ヘッドに対するワイピング部材の相対移動方向によって、前記ノズル形成面に当接する前記突起部の摺接荷重が変わるように構成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記ワイピング部材の前記頂端部は、前記突起部を構成する一方の面から他方の面に向かって円弧状に湾曲されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
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