JP3832272B2 - ヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えたインクジェット式プリンタ - Google Patents

ヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えたインクジェット式プリンタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に対しインク滴を吐出するプリントヘッドのインク吐出特性を一定な状態に維持するヘッド吐出特性維持装置及びそのヘッド吐出特性維持装置を備えたインクジェット式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット式プリンタは、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載されたプリントへッドと、印刷用紙等の記録媒体を副走査方向に間欠的に設定量ずつ送る記録媒体送り手段を備え、記録媒体を副走査方向に送りつつプリントヘッドを主走査方向に移動させ、プリントへッドから記録媒体にインク滴を吐出するように構成されている。
【0003】
通常、モノカラーのインクジェット式プリンタでは、プリントへッドが1つ搭載されている。また、フルカラーのインクジェット式プリンタでは、ブラックインクを吐出するブラックインク用プリントへッドと、イエロー、シアン、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用プリントヘッドとが搭載されている。
【0004】
このような構成のインクジェット式プリンタにおけるプリントヘッドには、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から記録媒体に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。従って、プリントヘッドのノズル開口におけるインク吐出特性が変動すると記録画像の品質に大きく影響するため、インク吐出特性は常に一定に維持される必要がある。
【0005】
このインク吐出特性は、ノズル開口におけるインクの蒸発乾燥による粘度上昇や固化、固形物による目詰まり、更には塵埃の付着や気泡混入等が原因となって変動する。そのため、インクジェット式プリンタには、上記各変動原因を排除してインク吐出特性を一定な状態に維持するためのへッド吐出特性維持装置が備えられている。
【0006】
このへッド吐出特性維持装置は、キャッピング装置、吸引ポンプ、ワイピング装置を備えている。キャッピング装置は、非記録時にプリントヘッドのノズル形成面を封止してノズル開口を外部と隔離するように構成されており、インクの蒸発乾燥を抑制して粘度上昇や固化を抑える機能を有している。また、キャッピング装置でノズル形成面を封止していても、ノズル開口の固形物による目詰まりやインク流路内への気泡の混入等を完全に防止することができないため、それらを完全に防止する目的で吸引ポンプが設けられている。
【0007】
吸引ポンプは、キャッピング装置がノズル形成面を封止している状態でノズル開口に負圧を作用させるように構成されており、インクをノズル開口から強制的に吸引排出させて固形物や気泡を除去する機能を有している。この吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理は、インクジェット式プリンタの長時間の休止後に記録動作を再開する場合や、ユーザーが記録画像の品質が低下したことを認識して操作パネルにある専用スイッチを操作した場含に通常は実行されるようになっている。
【0008】
また、吸引ポンプによるインクの強制的な吸引排出処理を行うと、プリンタへッドのノズル形成面にインクが飛び散って付着することがあると共に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスが乱れる。さらに、プリントへッドのノズル形成面には経時的に異物が付着しやすいため、必要に応じてノズル形成面を払拭するワイピング装置が設けられている。
【0009】
ワイピング装置は、基端側がホルダーで挟持されたゴム等の弾性板からなるワイピング部材を有し、このワイピング部材の先端側の縁部分をノズル形成面に弾性的に押し付けつつ相対的に往動及び復動させてノズル形成面を清掃するように構成されており、ノズル形成面に付着したインクや異物の払拭の他に、各ノズル開口におけるインクのメニスカスを一様に整える、即ち安定させる機能を有している。
【0010】
図33は、従来のへッド吐出特性維持装置の一例を示す側面図である。同図(a)に示すように、へッド吐出特性維持装置は、キャッピング装置1とワイピング装置2が回転及び上下動可能な支持部3に90度ずらして配設された構成となっている。そして、支持部3には欠歯歯車4が固定されており、支持部3は欠歯歯車4が欠歯付きカム5と接触するように配設されている。なお、このへッド吐出特性維持装置は吸引ポンプを備えているが、図示は省略している。
【0011】
このような構成において、非記録時にプリントヘッドのノズル形成面を封止してノズル開口を外部と隔離する場合は、同図(a)に示すように、へッド吐出特性維持装置はキャッピング装置1が上方を向いた状態で支持部3が欠歯付きカム5により最上部に位置するようにセッティングされる。
【0012】
そして、記録後にワイピング部材の先端側の縁部分をノズル形成面に弾性的に押し付けつつ相対的に往動及び復動させてノズル形成面を清掃する場合は、先ず同図(b)に示すように、欠歯付きカム5を回転させて欠歯付きカム5の歯5aを欠歯歯車4の歯4aに噛み合わせ、欠歯歯車4と共に支持部3を回転させる。そして、最終的に同図(c)に示すように、へッド吐出特性維持装置はワイピング装置2が上方を向いた状態で支持部3が欠歯付きカム5により最下部に位置するようにセッティングされる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のへッド吐出特性維持装置は、単純な機構で構成できるので有効である。ところが、キャッピング装置1あるいはワイピング装置2がセッティングされた状態、すなわち支持部3が最上部あるいは最下部に位置した状態では、欠歯付きカム5の歯5aと欠歯歯車4の歯4aが噛み合っていないので、支持部3はフリーな状態にある。
【0014】
このため、ユーザが支持部3に触れて支持部3を回転させてしまうことがあり、キャッピング装置1あるいはワイピング装置2を所定の位置に復帰させることが困難になったり、欠歯付きカム5の歯5aと欠歯歯車4の歯4aが噛み合う際に先端同士が衝突して破損するおそれがあった。また、へッド吐出特性維持装置を組み立てる際に欠歯付きカム5と欠歯歯車4の正確な位相合わせが必要となり、手間が掛かるという問題があった。
【0015】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易な構成で常に安定した動作でキャッピング及びワイピングを行うことができるヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えたインクジェット式プリンタを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明のヘッド吐出特性維持装置では、記録媒体にインク滴を吐出するプリントヘッドのインク吐出特性を維持するヘッド吐出特性維持装置であって、キャップと前記キャップを保持するキャップホルダーとを有し、前記キャップホルダーが上下動可能であり、前記プリントヘッドを封止するキャッピング手段と、ワイパーと前記ワイパーを保持するワイパーホルダーとを有し、前記ワイパーホルダーが前記キャップホルダーに設けられた軸を中心に回動可能であり、前記プリントヘッドを払拭するワイピング手段と、ギア部と円弧部とを有し、前記ワイパーホルダーに備えられた第1の欠歯ギアと、ギア部と円弧部とを有する第2の欠歯ギアを備えた第1のカムと、前記第1のカムと同一軸に配設された第2のカムと、前記第2のカムに備えられた欠歯ギアに交互に噛み合って正転または逆転させる正転用ギア及び逆転用ギアとを有し、前記キャッピング手段が下降した状態で前記第1の欠歯ギアと前記第2の欠歯ギアが噛み合うように駆動力を伝達し、前記キャッピング手段が上昇した状態で前記第1の欠歯ギアと前記第2の欠歯ギアが離間する駆動手段とを備え、前記駆動手段は、前記ワイピング手段が前記プリントヘッドを払拭するときは、前記キャップを、前記プリントヘッドをキャッピングしていない位置に前記キャップ手段を下降させて位置決めし、前記カムによって固定した状態で、前記ワイピング手段を上方に回転させ、前記第1の欠歯ギアのギア部と前記第2の欠歯ギアの円弧部とが噛み合うことによって前記ワイパーを前記プリントヘッドと擦れるワイピング位置に位置決めすると同時に固定し、また、前記キャッピング手段が前記プリントヘッドを封止してインクを吸引するときは、前記ワイピング手段を下方に回転させた後で前記キャッピング手段を上昇させ、前記ワイパーを退避位置に位置決めして、前記ワイパーホルダーを誘導する溝によって固定すると同時に前記キャップを前記プリントヘッドを封止する位置に位置決めして前記カムによって固定することを特徴としている。
【0017】
さらに、前記ワイピング手段が前記プリントヘッドを払拭するときは、
前記第1の欠歯ギアの2つのギア部で前記第2の欠歯ギアの円弧部をはさみこんで、前記ワイパーを固定することを特徴としている。これにより、ワイピング手段及びキャッピング手段を一定の位置に保持しておくことができるので、仮にユーザがワイピング手段やキャッピング手段に触れてもワイピング手段やキャッピング手段は位置ズレを起こすようなことはない。したがって、ワイピング手段やキャッピング手段を所定の位置に復帰させるような作業は不必要となり、さらに、ワイピング手段やキャッピング手段等を構成する部品が衝突して破損するような事態も無くなるので、メンテナンスが簡易となる。
【0018】
また、ワイピング手段及びキャッピング手段を常に高精度に位置決めすることができるので、ヘッド吐出特性維持装置を組み立てる際に、ワイピング手段やキャッピング手段等を構成する部品を正確に位相合わせする作業も不必要となる。したがって、ヘッド吐出特性維持装置の製造コストを低減させることができる。
【0019】
また、ワイピング手段とキャッピング手段を切り替えるときは、ワイピング手段のみを回転し、キャッピング手段は回転させる必要が無いので、装置を簡易な機構で構成することができる。したがって、ヘッド吐出特性維持装置の製造コストを低減させることができる。
【0020】
また、キャッピング手段を上下動させる手段とワイピング手段を回転させる手段を単純な機械部品で構成することができるので、各手段の位置決め精度を向上させることができ、また保守コストや製造コストを低減させることができる。そして、欠歯ギアを有するカムにおける正転用の欠歯と逆転用の欠歯をそれぞれ別個に形成することができるので、ワイピング手段を使用する際の位置決め固定とキャッピング手段を使用する際の位置決め固定をより確実なものとすることができる。
【0021】
また、前記プリントヘッドを封止している前記キャッピング手段のキャップ内を吸引するチューブポンプを備え、前記駆動手段が前記チューブポンプを駆動することを特徴としている。これにより、1つの駆動手段でワイピング手段、キャッピング手段及び吸引手段を動作させることができるので、ヘッド吐出特性維持装置自体を小型化することができる。
【0022】
また、前記駆動手段は、前記各手段をそれぞれ単独で駆動することを特徴としている。これにより、駆動手段に掛かる負荷を小さくすることができるので、インクジェット式プリンタの消費電力を抑えることができる。
【0023】
また、前記ワイピング手段及び前記キャッピング手段は、何れの位置からでも検出装置を使用せずに初期的な位置に復帰することができることを特徴としている。
【0024】
これにより、インクジェット式プリンタの動作中に例えばコンセントを誤って抜いてしまったり、予期せぬ停電事故等が生じ、ヘッド吐出特性維持装置が途中で停止してしまった場合でも、その状態からリセットすることができるようになる。
【0025】
また、前記駆動手段における前記ワイピング手段の駆動側及び従動側ともに欠歯ギアを備えていることを特徴としている。これにより、ワイピング手段、キャッピング手段及び吸引手段をそれぞれ単独で駆動する駆動手段の機構を簡易な構造で実現することができる。
【0026】
また、前記ワイピング手段は、前記キャッピング手段に回転自在に取り付けられていることを特徴としている。これにより、キャッピング手段を上下動させる手段とワイピング手段を回転させる手段を同一機構により構成することが容易となる。したがって、ヘッド吐出特性維持装置をコンパクトにすることができる。
【0027】
また、前記ワイピング手段は、前記プリントヘッドを払拭する回転可能なワイパーと、前記ワイパーが回転するときに前記ワイパーと擦れ合って前記ワイパーに付着している付着物を掻き取るワイパークリーナーとを備えたことを特徴としている。これにより、ワイパーをメンテナンスフリーとすることができるので、ヘッド吐出特性維持装置の保守作業が容易となる。
【0028】
また、記録媒体にインク滴を吐出するプリントヘッドを有するインクジェット式プリンタにおいて、上記各ヘッド吐出特性維持装置を備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用を奏するインクジェット式プリンタを提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係るユニット化されたへッド吐出特性維持装置の構成例を示す斜視図であり、図3は、そのへッド吐出特性維持装置を反対側から見た斜視図であり、図4は、そのへッド吐出特性維持装置の分解斜視図である。図1に示すインクジェット式プリンタは、例えば用紙幅が594mm(JIS規格のA1判)や728mm(JIS規格のB1判)といった比較的大型のサイズの印刷用紙にまで印刷できる大型のプリンタである。
【0031】
このインクジェット式プリンタは、上から斜め下の手前に向かって給紙部11、記録部12及び排紙部13と配置されている。印刷用紙は、給紙部11から記録部12、そして排紙部13に送られる過程で所定の印刷が実行されて外部に排出される。印刷時の用紙搬送路14は、水平面に対して65度の傾斜をもって形成されている。駆動ベルト15によりガイド軸16に沿って主走査方向に往復移動するキャリッジ17に搭載されたプリントへッド18のノズル形成面も、用紙搬送路14に平行となるように65度に傾斜して配設されている。
【0032】
キャリッジ17のホームポジションとなる部分には、プリントへッド18のインク吐出特性を一定な状態に維持するためのヘッド吐出特性維持装置100が配設されている。そして、キャリッジ17がホームポジションに位置している状態のときにへッド吐出特性維持装置100によって、プリントへッド18のインク吐出特性を維持する処理が行われるようになっている。
【0033】
ヘッド吐出特性維持装置100は、図2、図3及び図4に示すように、ワイピング手段110、キャッピング手段130、吸引手段150及びそれらを駆動する駆動手段170を備えている。なお、図2では内部構造を見せるために図4に示す一方のサイドフレーム101の記載を省略し、図3では内部構造を見せるために図4に示す他方のサイドフレーム102の記載を省略し、また、図4では図を簡略化するために吸引手段150の記載を省略している。
【0034】
このヘッド吐出特性維持装置100は、必要に応じてノズル形成面を図2及び図3の矢印aで示すプリントへッド18の主走査方向、いわゆる横方向に払拭するワイピング手段110、非記録時にプリントへッド18のノズル形成面に押し付けられてノズル開口を封止するキャッピング手段130、ノズル開口の目詰まりや混入した気泡を除去するためにインクを強制的に吸引排出する吸引手段150及びワイピング手段110とキャッピング手段130を所定位置に位置決めするために駆動し、また吸引手段150を駆動する駆動手段170が2枚のサイドフレーム101、102の間に配設され、ほぼ箱形にユニット化されている。
【0035】
ワイピング手段110とキャッピング手段130はプリントへッド18の主走査方向に並設されており、吸引手段150はワイピング手段110とキャッピング手段130に対して図2及び図3の矢印bで示す副走査方向に並設されている。そして、ワイピング手段110とキャッピング手段130と吸引手段150が連動可能なように駆動手段170が配設されている。すなわち、駆動手段170は、ワイピング手段110を副走査方向に回転させ、ワイピング手段110と共にキャッピング手段130を図2及び図3の矢印cで示す上下方向に移動させ、吸引手段150を動作させるように構成されている。
【0036】
ワイピング手段110は、図2、図3及び図4に示すように、ワイパー111、ワイパーホルダー112及びワイパークリーナー113を備えている。ワイパー111は、ゴムにより略矩形平板状に形成されている。そして、先端部がプリントへッド18のノズル形成面に対して擦れるようになっている。これにより、ワイパー111はノズル形成面に付着しているインクを払拭することができる。なお、インクの種類によってはワイパー111をフェルトあるいはプラスチック等により形成してもよい。
【0037】
ワイパーホルダー112は、プラスチックにより略矩形平板状に形成されている。そして、上端部からワイパー111の先端部が突き出る形でワイパー111を保持しながら、下端部に設けられ、後述するキャッピング手段130の第2キャップホルダー133に軸支持されている欠歯ギア112aを中心に副走査方向に回転するようになっている。これにより、ワイパーホルダー112はワイパー111を使用時には上方に配置し、未使用時には下方に配置することができる。
【0038】
ワイパークリーナー113は、プラスチックによりブレード状に形成されている。そして、一端部に設けられているガイドピン113aがワイパーホルダー112に設けられているガイド溝112bに案内されつつ、サイドフレーム101に軸支持されている他端部を中心に回転しながら、一端部に設けられている断面がU字状のインク掻き113bがワイパー111を挟んで擦れるようになっている。これにより、ワイパークリーナー113はワイパー111に付着しているインクを掻き取ることができる。
【0039】
キャッピング手段130は、図2、図3及び図4に示すように、キャップ131、第1キャップホルダー132及び第2キャップホルダー133を備えている。キャップ131は、ゴムにより略直方体状に形成されている。そして、上部に設けられている窪み131aがプリントへッド18のノズル形成面に押し付けられるようになっている。これにより、キャッピング手段130はノズル開口を封止することができる。
【0040】
第1キャップホルダー132は、プラスチックにより略直方体状に形成されている。そして、上面からキャップ131の上縁部が突き出る形でキャップ131を保持しながら、図示しないバネが第2キャップホルダー133との間に介され、側面に設けられている突起132aが第2キャップホルダー133の爪133aに係止され、全方向に微動できるようになっている。これにより、第1キャップホルダー132はキャップ131の上縁部をプリントへッド18のノズル形成面に合わせて押し付けることができ、両者を確実に密着させることができる。
【0041】
第2キャップホルダー133は、プラスチックにより略直方体状に形成されている。そして、上端面に第1キャップホルダー132を保持しながら、側面に設けられているガイドピン133bが両サイドフレーム101、102に設けられているガイド溝101a、102aに案内されつつ、ワイパー111及びワイパーホルダー112と共に上下動するようになっている。これにより、第2キャップホルダー133はキャップ131を使用時には上方に位置決め固定し、未使用時には下方に位置決め固定することができる。
【0042】
吸引手段150は、一般的な脈動ポンプであり、回転方向に一定間隔で取り付けられた複数のローラでキャップ131に接続されたチューブTの一定範囲を連続的に押すことにより、チューブ内の空気を送り出してプリントへッド18のインクを強制的に吸引排出するようになっている。これにより、吸引手段150はノズル開口の目詰まりや混入した気泡を除去することができる。
【0043】
駆動手段170は、図2、図3及び図4に示すように、駆動力伝達手段171、正逆転切替手段172及び回転・上下動手段173を備えている。駆動力伝達手段171は、サイドフレーム101の外側に出るように配設される第1ギア171aと、この第1ギア171aと同軸で一体的に配設されると共に、両サイドフレーム101、102間に配置される第2ギア171bを備えている。第1ギア171aは、サイドフレーム101の外側に配設された図示しないモータに連結されている。第2ギア171bは、図2に示す吸引手段150のギア151と噛み合わされている。
【0044】
正逆転切替手段172は、略L字状に形成された切替アーム172aと、その各端部に回転可能に取り付けられた正転用ギア172b及び逆転用ギア172cを備えている。切替アーム172aは、中央部が第2ギア171bの軸にはめ込まれ、図示しないバネを介して第2ギア171bに押し付けられている。第2ギア171bの回転方向により正転用ギア172b及び逆転用ギア172cのどちらかが第2ギア171bと噛み合い、さらに後述する回転・上下動手段173のギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaに対して交互に噛み合うように配置されている。
【0045】
回転・上下動手段173は、同一軸の両端に配設された2つのギア付きカム173a、173bを備えている。各ギア付きカム173a、173bは、欠歯ギア部173aa、173baとカム部173ab、173bbが一体化された構成となっている。欠歯ギア部173aaは、上述したように正逆転切替手段172の正転用ギア172b及び逆転用ギア172cと交互に噛み合うように配置されており、欠歯ギア部173baは、ワイパーホルダー112の欠歯ギア112aと噛み合うように配置されている。そして、カム部173ab、173bbは、第2キャップホルダー133の下部両側に配設された2つのガイドピン133bの下部にそれぞれ接触するように配置されている。
【0046】
そして、モータの駆動力は、第1ギア171a及び第2ギア171bを経て、切替アーム172aの回転による正転用ギア172bまたは逆転用ギア172cからギア付きカム173aの欠歯ギア部173aa及びギア付きカム173bの欠歯ギア部173baを介してワイピング手段110に伝達され、さらにギア付きカム173aのカム部173ab及びギア付きカム173bのカム部173bbを介してワイピング手段110及びキャッピング手段130に伝達され、またギア151を介して吸引手段150に伝達されるようになっている。これにより、ワイピング手段110を回転させ、ワイピング手段110と共にキャッピング手段130を上下動させ、吸引手段150を動作させることができる。
【0047】
以上のような構成のワイピング手段110の主要部とキャッピング手段130とギア付きカム173bの配設関係の詳細を図5を参照して説明し、その後に各手段110、130の動作を図6〜図21を参照して説明する。図5に示すように、ワイピング手段110のワイパーホルダー112に設けられている欠歯ギア112aの軸穴には、キャッピング手段130の第2キャップホルダー133に設けられているガイドピン133bが挿入されている。
【0048】
そして、ギア付きカム173bは、欠歯ギア部173baがワイパーホルダー112に設けられている欠歯ギア112aと噛み合い、カム部173bbが第2キャップホルダー133に設けられているガイドピン133bと接触するように配設されている。これにより、ワイピング手段110は図示矢印a方向に回転し、キャッピング手段130はワイピング手段110と共に図示矢印b方向に上下動することができる。
【0049】
次に、ワイピング手段110の動作を図6〜図17を参照して説明するが、各図のうち図6〜図9、図10〜図11、図12〜図14、図15〜図17はそれぞれ同一動作状態を視点を変えて示した図である。すなわち、図6〜図9はワイパー111によるワイピングが可能な状態を示し、図10〜図11はワイパー111の収納途中の状態を示し、図12〜図14はワイパー111の収納完了の状態を示し、図15〜図17はワイピング手段110がキャッピング手段130と共に上昇したときの状態を示す図である。
【0050】
先ず、ワイパー111によるワイピングが可能な状態では、図6に示すように、ワイパー111は上方を向いて位置決め固定され、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112の一端部側に位置決め固定されている。これらの位置決め固定は以下の作用による。
【0051】
すなわち、図6及び図8に示すように、ワイパーホルダー112に設けられている欠歯ギア112aの歯形成部の両側から所定部分は、厚さが歯厚の半分以下であって、半径が歯先円半径以上の円弧形状112aa、112abに形成されている。また、ギア付きカム173bに設けられている欠歯ギア部173baの歯形成部の両側から所定部分は、上記円弧形状112aa、112abの形成側とは逆側に、厚さが歯厚の半分以下であって、半径が歯先円半径以上の円弧形状173bc、173bdに形成されている。
【0052】
そして、図6及び図8に示すように、欠歯ギア112aの一方の円弧形状112aaと欠歯ギア部173baの一方の円弧形状173bc同士が噛み合わされることにより、円弧形状112aaの両端部分、すなわち欠歯ギア112aの端部の歯112acと円弧形状112aaの壁部112adが円弧形状173bcを挟み込む。これにより、ワイパーホルダー112はギア付きカム173bに対して位置決めされることになるので、ワイパー111を上方に向けて位置決め固定することができる。
【0053】
また、図6に示すように、ワイパークリーナー113のガイドピン113aは、図6及び図7に示すワイパーホルダー112に設けられているガイド溝112bにはめ込まれている。これにより、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112に対して位置決めされることになるので、ワイパークリーナー113をワイパーホルダー112の端部側に位置決め固定することができる。
【0054】
なお、図9は、ワイパーホルダー112が回転する際の案内となるワイパーホルダー112に設けられているガイドピン112cと、サイドフレーム102に設けられているガイド溝102bとの配置関係を示す図であるが、このときの状態、すなわちワイパー111によるワイピングが可能な状態においては、両者は離れており、機能していない。
【0055】
次に、ワイパー111の収納途中の状態では、図10に示すように、ワイパーホルダー112が傾いてワイパー111がワイパークリーナー113のインク掻き113bに挟み込まれている。これは、図10及び図11に示すように、ギア付きカム173bが回転し、ギア付きカム173bの欠歯ギア部173baがワイパーホルダー112の欠歯ギア112aに噛み合うことにより、ワイパーホルダー112自体が回転し、同時にワイパークリーナー113のガイドピン113aがワイパーホルダー112のガイド溝112bに案内されたためである。これにより、ワイパークリーナー113のインク掻き113bはワイパー111を挟んで擦ることになるので、ワイパー111に付着しているインクを掻き取りつつワイパー111を収納することができる。
【0056】
次に、ワイパー111の収納完了の状態では、図12に示すように、ワイパー111は斜め下方を向いて位置決め固定され、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112の他端部側に位置決め固定されている。これらの位置決め固定は以下の作用による。
【0057】
すなわち、図12及び図13に示すように、ワイパー111をセット方向に動かそうとした場合、欠歯ギア112aの端部の歯112aeがギア付きカム173bの欠歯ギア部173baの他方の円弧形状173bdに当たるため、ワイパー111をセット方向に動かすことができない。
【0058】
一方、図14に示すように、ワイパー111をリセット方向に動かそうとした場合、ホルダー112のガイドピン112cがサイドフレーム102のガイド溝102aの左壁に当たるため、ワイパー111をリセット方向に動かすことができない。これにより、ワイパーホルダー112はギア付きカム173bとサイドフレーム102に対して位置決めされることになるので、ワイパー111を斜め下方に向けて位置決め固定することができる。
【0059】
また、図12に示すように、ワイパークリーナー113のガイドピン113aは、ワイパーホルダー112のガイド溝112bに沿ってワイパーホルダー112の他端部側まで相対移動している。これにより、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112に対して位置決めされることになるので、ワイパークリーナー113をワイパーホルダー112の他端部側の最端に寄った位置に位置決め固定することができる。
【0060】
最後に、ワイピング手段110がキャッピング手段130と共に上昇したときの状態では、図15及び図16に示すように、ワイパー111は斜め下方を向いたままギア付きカム173bから離れて位置決め固定され、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112の他端部側に位置決め固定されている。これらの位置決め固定は以下の作用による。
【0061】
すなわち、図17に示すように、ギア付きカム173a、173bが回転することにより、ギア付きカム173a、173bのカム部173ab、173bbが、第2キャップホルダー133のガイドピン133bを両サイドフレーム101、102のガイド溝101a、102aに沿って押し上げる。
【0062】
さらに、図17に示すように、ワイパーホルダー112のガイドピン112cがサイドフレーム102のガイド溝102aの垂直部に入り込む。これにより、ワイパーホルダー112はギア付きカム173a、173bとサイドフレーム102に対して位置決めされることになるので、ワイパー111を斜め下方に向けたままギア付きカム173a、173bから離して位置決め固定することができる。
【0063】
また、図15に示すように、ワイパークリーナー113のガイドピン113aは、ワイパーホルダー112のガイド溝112bに沿ってワイパーホルダー112の他端部側の最端に寄った位置まで相対移動している。これにより、ワイパークリーナー113はワイパーホルダー112に対して位置決めされることになるので、ワイパークリーナー113をワイパーホルダー112の他端部側の最端に寄った位置に位置決め固定することができる。
【0064】
次に、キャッピング手段130の動作を図18〜図21を参照して説明するが、各図のうち図18〜図19、図20〜図21はそれぞれ同一動作状態を視点を変えて示した図である。すなわち、図18〜図19はキャップ131が収納完了した状態を示し、図20〜図21はキャップ131によるキャッピングが可能な状態を示す図である。
【0065】
先ず、キャップ131が収納完了した状態では、図18及び図19に示すように、キャッピング手段130は最下端に位置決め固定されている。この位置決め固定は以下の作用による。すなわち、図18に示すように、ギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaは、切替アーム172aの回転により正転用ギア172bと逆転用ギア172cが、欠歯ギア部173aaにおける幅方向にずれた位置にて交互に噛み合うように配設されている。そして、この欠歯ギア部173aaには、2箇所の欠歯部173ac、173adが周方向及び幅方向にずれた位置に形成されている。
【0066】
また、図18及び図19に示すように、ギア付きカム173a、173bのカム部173ab、173bbは、略長円形状に形成されており、外周途中には第2キャップホルダー133の下部両側の2つのガイドピン133b、133bと接触可能なストッパ173ae、173beが設けられ、側面部には第2キャップホルダー133に設けられている別の2つのガイドピン133c、133cを外周に沿って案内するガイド溝173af、173bfが設けられている。
【0067】
そして、キャッピング手段130が最上端から最下端に達したときは、ギア付きカム173a、173bのカム部173ab、173bbのガイド溝173af、173bfが、第2キャップホルダー133の2つのガイドピン133c、133cを移動させ、第2キャップホルダー133の下部両側の2つのガイドピン133b、133bを両サイドフレーム101、102のガイド溝101a、102aに沿って最下端に押し下げている。
【0068】
さらに、逆転用ギア172cがギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaの欠歯部173adに掛かって空回りしている。これにより、第2キャップホルダー133はギア付きカム173a、173bと両サイドフレーム101、102に対して位置決めされることになるので、キャッピング手段130を最下端に位置決め固定することができる。
【0069】
次に、キャップ131によるキャッピングが可能な状態では、図20及び図21に示すように、キャッピング手段130は最上端に位置決め固定されている。この位置決め固定は以下の作用による。すなわち、キャッピング手段130が最下端から最上端に達したときは、ギア付きカム173a、173bのカム部173ab、173bbが、第2キャップホルダー133の2つのガイドピン133d、133eを移動させ、第2キャップホルダー133の下部両側の2つのガイドピン133b、133bを両サイドフレーム101、102のガイド溝101a、102bに沿って最上端に押し上げてストッパ173ae、173beに接触させている。
【0070】
さらに、正転用ギア172bがギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaの欠歯部173acに掛かって空回りしている。これにより、第2キャップホルダー133はギア付きカム173a、173bと両サイドフレーム101、102に対して位置決めされることになるので、キャッピング手段130を最上端に位置決め固定することができる。
【0071】
以上のような構成のワイピング手段110、キャッピング手段130、吸引手段150及び駆動手段170を備えたヘッド吐出特性維持装置100の全体動作を図22〜図31を参照して説明するが、各図のうち図22はヘッド吐出特性維持装置100の動作例を示すタイムチャート、図23〜図25、図26〜図28、図29〜図31はそれぞれ同一動作状態を視点を変えて示した図である。すなわち、図23〜図25はワイパー111によるワイピングが可能な状態を示し、図26〜図28はワイパー111の収納完了の状態を示し、図29〜図31はキャップ131によるキャッピングが可能な状態を示す図である。
【0072】
図22に示す正転の場合では、図23〜図25に示すように、キャッピング手段130は最下端に位置しており、キャップ131は「開」の状態、すなわちキャッピングしていない状態にある。また、ワイピング手段110は上方に位置しており、ワイパー111は「セット」の状態、すなわちワイピング可能な状態にある。また、吸引手段150であるポンプのローラはチューブに対し「レリース」の状態、すなわち吸引していない状態にある(開始時点t1)。
【0073】
この状態から、モータが正転方向に駆動して第1ギア171aと共に第2ギア171bを回転させると、切替アーム172aが回転して正転用ギア172bがギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaに噛み合う。そして、第2ギア171bの回転力が正転用ギア172bからギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaに伝達され、ギア付きカム173a、173bが回転する。続いて、ギア付きカム173bの欠歯ギア部173baがワイパーホルダー112の欠歯ギア112aと噛み合い、ワイパーホルダー112が回転開始する(時点t4)。
【0074】
そして、ギア付きカム173bの欠歯ギア部173baとワイパーホルダー112の欠歯ギア112aとの噛み合いが外れると、ワイパーホルダー112の回転が停止し、図26〜図28に示すように、ワイピング手段110は下方に位置しており、ワイパー111は「リセット下」の状態、すなわちワイパー111が収納された状態にある(時点t5)。
【0075】
さらに、ギア付きカム173a、173bが回転すると、ギア付きカム173a、173bのカム部173ab、173bbの作用によりキャッピング手段130はワイピング手段110と共に上昇開始する(時点t6)。そして、正転用ギア172bがギア付きカム173aの欠歯ギア部173aaの欠歯部173acに達すると、正転用ギア172bは空転するので、キャッピング手段130とワイピング手段110の上昇は停止する。
【0076】
この状態は、図29〜図31に示すように、キャッピング手段130は最上端に位置しており、キャップ131は「閉」の状態、すなわちキャッピングしている状態にある。また、ワイピング手段110は先程よりは上方に位置しており、ワイパー111は「リセット上」の状態、すなわちワイパー111は収納されたまま上昇している状態にある(時点t7)。
【0077】
この状態から、モータが正転方向にさらに駆動して第1ギア171aと共に第2ギア171bを回転させると、吸引手段150が作動する。このときはポンプのローラはチューブに対し「噛み込み」の状態、すなわち吸引している状態にある(時点t8、t9)。なお、ワイピング手段110及びキャッピング手段130が動作中はポンプに動力が伝達されないようになっている。
【0078】
一方、図22に示す逆転の場合では、逆転用ギア172cによりキャッピング手段130及びワイピング手段110は上記動作とは逆動作をする。図2に示すギア151が半回転するとギア151の爪が円盤152の爪を押して円盤152が回転し始める。その間にワイピング手段110及びキャッピング手段130は動作を終了している。ただし、吸引手段150は時点t3、t4で「レリース」の状態に戻る。
【0079】
以上のように、本実施形態のヘッド吐出特性維持装置100によれば、ワイピング手段110を位置決めする際に位置決め案内及び位置決め固定する手段112a、112b、113a、173a、173b、112c、102b及びキャッピング手段130を位置決めする際に位置決め案内及び位置決め固定する手段133b、101a、102a、173a、173bがそれぞれ設けられている。
【0080】
これにより、ワイピング手段110及びキャッピング手段130を一定の位置に保持しておくことができるので、仮にユーザがワイピング手段110やキャッピング手段130に触れてもワイピング手段110やキャッピング手段130は位置ズレを起こすようなことはない。したがって、ワイピング手段110やキャッピング手段130を所定の位置に復帰させるような作業は不必要となり、さらに、ワイピング手段110やキャッピング手段130等を構成する部品が衝突して破損するような事態も無くなるので、メンテナンスが簡易となる。
【0081】
また、ワイピング手段110及びキャッピング手段130を常に高精度に位置決めすることができるので、ヘッド吐出特性維持装置100を組み立てる際に、ワイピング手段110やキャッピング手段130等を構成する部品を正確に位相合わせする作業も不必要となる。したがって、ヘッド吐出特性維持装置100の製造コストを低減させることができる。
【0082】
なお、上述した実施形態では、キャッピング手段130及び吸引手段150を1つ備えたヘッド吐出特性維持装置100について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図32に示すように2つのキャッピング手段130及び吸引手段150を備えたヘッド吐出特性維持装置200であっても同様に構成することができ、同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、本実施形態のインクジェット式プリンタのように、プリントヘッド18がワイパー111の回転方向に傾斜して取り付けられている場合、ワイパー111も傾斜して配設されることになる。このため、このワイパー111でプリントヘッド18をワイピングしたときは、インクはワイパー111の全面に付着してはおらず、ワイパー111の傾斜下端に垂れて溜まっている。
【0084】
したがって、ワイピング後にワイパー111を回転させると、その勢いでワイパー111の傾斜下端に垂れて溜まっているインクは全てワイパー111から落下してしまうことになる。よって、プリントヘッド18がワイパー111の回転方向に傾斜して取り付けられているインクジェット式プリンタに対しては、ワイパー111に付着しているインクを掻き取るワイパークリーナー113が配設されていないヘッド吐出特性維持装置であっても適用することができる。
【0085】
なお、ワイパー111の傾斜下端から落下するインクによりインクジェット式プリンタが汚染されないように、例えば図14に示すように、回転後のワイパー111の下方にインク吸収体180を設けるようにしてもよい。このインク吸収体180としては、例えば合成樹脂製の連続発泡体や不織布等の繊維質の集合体が用いられる。このようなインク吸収体180によれば、ワイパー111から垂れ落ちたインクを漏洩させずに安定して貯留しておくことができると共に、取り出し交換作業も容易に行うことができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るヘッド吐出特性維持装置及びそれを備えたインクジェット式プリンタによれば、ワイピング手段及びキャッピング手段を一定の位置に保持しておくことができる。このため、仮にユーザがワイピング手段やキャッピング手段に触れてもワイピング手段やキャッピング手段は位置ズレを起こすようなことはなく、ワイピング手段やキャッピング手段を所定の位置に復帰させるような作業は不必要となり、さらに、ワイピング手段やキャッピング手段等を構成する部品が衝突して破損するような事態も無くなる。したがって、メンテナンスが簡易となる。
【0087】
また、ワイピング手段及びキャッピング手段を常に高精度に位置決めすることができるので、ヘッド吐出特性維持装置を組み立てる際に、ワイピング手段やキャッピング手段等を構成する部品を正確に位相合わせする作業も不必要となる。したがって、ヘッド吐出特性維持装置の製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るユニット化されたへッド吐出特性維持装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】図2のへッド吐出特性維持装置を反対側から見た斜視図である。
【図4】図2のへッド吐出特性維持装置の分解斜視図である。
【図5】図2のへッド吐出特性維持装置のワイピング手段の主要部とキャッピング手段とギア付きカムの配設関係の詳細を示す斜視図である。
【図6】図5のワイピング手段の動作を示す第1の図である。
【図7】図5のワイピング手段の動作を示す第2の図である。
【図8】図5のワイピング手段の動作を示す第3の図である。
【図9】図5のワイピング手段の動作を示す第4の図である。
【図10】図5のワイピング手段の動作を示す第5の図である。
【図11】図5のワイピング手段の動作を示す第6の図である。
【図12】図5のワイピング手段の動作を示す第7の図である。
【図13】図5のワイピング手段の動作を示す第8の図である。
【図14】図5のワイピング手段の動作を示す第9の図である。
【図15】図5のワイピング手段の動作を示す第10の図である。
【図16】図5のワイピング手段の動作を示す第11の図である。
【図17】図5のワイピング手段の動作を示す第12の図である。
【図18】図5のキャッピング手段の動作を示す第1の図である。
【図19】図5のキャッピング手段の動作を示す第2の図である。
【図20】図5のキャッピング手段の動作を示す第3の図である。
【図21】図5のキャッピング手段の動作を示す第4の図である。
【図22】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作例を示すタイムチャートである。
【図23】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第1の図である。
【図24】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第2の図である。
【図25】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第3の図である。
【図26】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第4の図である。
【図27】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第5の図である。
【図28】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第6の図である。
【図29】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第7の図である。
【図30】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第8の図である。
【図31】図2のヘッド吐出特性維持装置の動作を示す第9の図である。
【図32】本発明の実施の形態に係るユニット化されたへッド吐出特性維持装置の別の構成例を示す斜視図である。
【図33】従来のへッド吐出特性維持装置の動作例を示す平面図である。
【符号の説明】
100 へッド吐出特性維持装置
101 サイドフレーム
101a ガイド溝
102 サイドフレーム
102a ガイド溝
110 ワイピング手段
111 ワイパー
112 ワイパーホルダー
112a 欠歯ギア
112aa 円弧形状
112ab 円弧形状
112b ガイド溝
113 ワイパークリーナー
113a ガイドピン
113b インク掻き
130 キャッピング手段
131 キャップ
131a 窪み
132 第1キャップホルダー
132a 突起
133 第2キャップホルダー
133a 爪
133b ガイドピン
133c ガイドピン
150 吸引手段
170 駆動手段
171 駆動力伝達手段
171a 第1ギア
171b 第2ギア
172 正逆転切替手段
172a 切替アーム
172b 正転用ギア
172c 逆転用ギア
173 回転・上下動手段
173a ギア付きカム
173aa 欠歯ギア部
173ab カム部
173ac 欠歯部
173ad 欠歯部
173ae ストッパ
173af ガイド溝
173b ギア付きカム
173ba 欠歯ギア部
173bb カム部
173bc 円弧形状
173bd 円弧形状
173be ストッパ
173bf ガイド溝
180 インク吸収体
200 へッド吐出特性維持装置

Claims (9)

  1. 記録媒体にインク滴を吐出するプリントヘッドのインク吐出特性を維持するヘッド吐出特性維持装置であって、
    キャップと前記キャップを保持するキャップホルダーとを有し、前記キャップホルダーが上下動可能であり、前記プリントヘッドを封止するキャッピング手段と、
    ワイパーと前記ワイパーを保持するワイパーホルダーとを有し、前記ワイパーホルダーが前記キャップホルダーに設けられた軸を中心に回動可能であり、前記プリントヘッドを払拭するワイピング手段と、
    ギア部と円弧部とを有し、前記ワイパーホルダーに備えられた第1の欠歯ギアと、ギア部と円弧部とを有する第2の欠歯ギアを備えた第1のカムと、
    前記第1のカムと同一軸に配設された第2のカムと、
    前記第2のカムに備えられた欠歯ギアに交互に噛み合って正転または逆転させる正転用ギア及び逆転用ギアとを有し、
    前記キャッピング手段が下降した状態で前記第1の欠歯ギアと前記第2の欠歯ギアが噛み合うように駆動力を伝達し、前記キャッピング手段が上昇した状態で前記第1の欠歯ギアと前記第2の欠歯ギアが離間する駆動手段とを備え、
    前記駆動手段は、
    前記ワイピング手段が前記プリントヘッドを払拭するときは、
    前記キャップを、前記プリントヘッドをキャッピングしていない位置に前記キャップ手段を下降させて位置決めし、前記カムによって固定した状態で、前記ワイピング手段を上方に回転させ、
    前記第1の欠歯ギアのギア部と前記第2の欠歯ギアの円弧部とが噛み合うことによって前記ワイパーを前記プリントヘッドと擦れるワイピング位置に位置決めすると同時に固定し、
    また、前記キャッピング手段が前記プリントヘッドを封止してインクを吸引するときは、
    前記ワイピング手段を下方に回転させた後で前記キャッピング手段を上昇させ、
    前記ワイパーを退避位置に位置決めして、前記ワイパーホルダーを誘導する溝によって固定すると同時に前記キャップを前記プリントヘッドを封止する位置に位置決めして前記カムによって固定することを特徴とするヘッド吐出特性維持装置。
  2. 前記ワイピング手段が前記プリントヘッドを払拭するときは、
    前記第1の欠歯ギアの2つのギア部で前記第2の欠歯ギアの円弧部をはさみこんで、前記ワイパーを固定することを特徴とする請求項1に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  3. 前記プリントヘッドを封止している前記キャッピング手段のキャップ内を吸引するチューブポンプを備え、前記駆動手段が前記チューブポンプを駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  4. 前記駆動手段は、前記各手段をそれぞれ単独で駆動することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  5. 前記ワイピング手段及び前記キャッピング手段は、何れの位置からでも検出装置を使用せずに初期的な位置に復帰することができることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  6. 前記駆動手段における前記ワイピング手段の駆動側及び従動側ともに欠歯ギアを備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  7. 前記ワイピング手段は、前記キャッピング手段に回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  8. 前記ワイピング手段は、前記プリントヘッドを払拭する回転可能なワイパーと、前記ワイパーが回転するときに前記ワイパーと擦れ合って前記ワイパーに付着している付着物を掻き取るワイパークリーナーとを備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置。
  9. 記録媒体にインク滴を吐出するプリントヘッドを有するインクジェット式プリンタにおいて、
    請求項1〜8の何れか一項に記載のヘッド吐出特性維持装置を備えたことを特徴とするインクジェット式プリンタ。
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