JP2001347679A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2001347679A
JP2001347679A JP2000175318A JP2000175318A JP2001347679A JP 2001347679 A JP2001347679 A JP 2001347679A JP 2000175318 A JP2000175318 A JP 2000175318A JP 2000175318 A JP2000175318 A JP 2000175318A JP 2001347679 A JP2001347679 A JP 2001347679A
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優 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドカバーを備えた記録ヘッドに対するイ
ンクの払拭効果を向上させることができるインクジェッ
ト式記録装置を提供すること。 【解決手段】 ワイピング部材19は、弾性素材を短冊
状に成形し、その本体19aに比較して薄肉状になされ
た直状の突起部19bがワイピング部材の頂端部に沿っ
て一体に成形されている。そして、記録ヘッド25に対
して相対移動した場合に、突起部19bがノズル形成面
およびノズル形成面より突出したヘッドカバー部分25
cに摺接できる幅をもって形成されている。この構成に
より、突起部19bが適度に変形してノズル形成面とヘ
ッドカバー部分との間の段差部分に残留しようとするイ
ンクを効果的に払拭することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口がノズル形成面に配置され、ノズル形成面
の端部を覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられた
インクジェット式記録ヘッドと、この記録ヘッドに対し
て相対移動して、前記ノズル形成面に付着したインクを
払拭するワイピング部材とを備えたインクジェット式記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置に搭載される
記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開
口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う
関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク
粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、
さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすとい
う問題を抱えている。
【0003】このために、インクジェット式記録装置に
は、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するため
のキャッピング手段と、ノズル形成面を清掃するワイピ
ング部材が備えられている。前記したキャッピング手段
は、印刷の休止時にノズル開口のインクの乾燥を防止す
る蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰ま
りが生じた場合には、キャッピング手段によりノズル形
成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開
口からインクを吸引排出させてノズル開口の近傍におけ
るインクの固化による目詰まりや、インク流路内への気
泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えて
いる。
【0004】記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内へ
の気泡混入を解消させるために行うインクの強制的な吸
引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時
間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが記録画像
の品質が悪化したのを認識してクリーニングスイッチ等
を操作した場合に実行される。そして、前記したキャッ
ピング手段によって、記録ヘッドよりインクを負圧によ
り排出させた後に、ワイピング部材により、記録ヘッド
のノズル形成面を払拭(ワイピング)することで、ノズ
ル形成面に付着しているインクをワイピング部材によっ
て掻き取る操作が伴われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の記
録装置において用いられる記録ヘッドの多くは、積層状
態に構成することにより、インク流路や圧力室およびア
クチェータ等を内部に組み込んでおり、したがってノズ
ル形成面に直交する各側面部分は構造上において脆弱で
ある。したがって、例えば記録媒体としての用紙が紙送
り部材から若干浮いた状態でキャリッジが走査した場合
においては、記録ヘッドの端部が記録用紙が引っ掛かる
等して、ヘッドの一部を破損させるという問題を抱えて
いる。そこで、前記したような構造上の問題を解決する
ために、金属性のヘッドカバーによって、ノズル形成面
の各端部から記録ヘッドの側面部分を覆うように構成さ
れている。
【0006】一方、このように構成された記録ヘッドの
ノズル形成面を払拭する前記ワイピング部材は、一般に
シート状に形成されたゴム等の弾性素材を短冊状に切断
したものが用いられている。そして、ワイピング動作に
あたっては、当該ワイピング部材が記録ヘッドの移動経
路上に進出して、短冊状に形成された端部が記録ヘッド
のノズル形成面およびノズル形成面より若干突出したヘ
ッドカバー部分に摺接してインクを掻き取るように構成
されている。
【0007】したがって、特に記録ヘッドのノズル形成
面とヘッドカバー部分との間に生ずる段差部分において
拭き残しが発生し、ここにインクが残留してインクの払
拭効果が減退するという問題を抱えている。このような
原因により、前記段差部分にインクの固化物が固着し、
これを核として除々に固化物が滞積するために、さらに
ワイピング部材による払拭効果を減退させるという問題
を抱えることになる。
【0008】このような問題を解決するために、ワイピ
ング部材を構成する弾性素材として軟質な性状のものを
用い、その変形作用を利用してノズル形成面とヘッドカ
バー部分との間の段差部分に残留しようとするインクを
払拭することが考えられる。しかしながら、前記したよ
うに弾性素材として軟質な性状のものを用いた場合に
は、ワイピング動作においてワイピング部材の全体が過
度に変形するために、記録ヘッドのノズル形成面に対し
て所定の圧接力が得られず、同様にインクの払拭効果が
減退するという事態を招来する。
【0009】本発明は、前記したような技術的課題に着
目してなされたものであり、特にヘッドカバーを備えた
記録ヘッドに対するインクの払拭効果を向上させること
ができ、長期にわたって動作の信頼性を保証することが
できるインクジェット式記録装置を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために成された本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、記録媒体に対してインク滴を吐出するノズル開口
がノズル形成面に配置され、前記ノズル形成面の端部を
覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられたインクジ
ェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して相対移
動して、前記ノズル形成面に付着したインクを払拭する
ワイピング部材とを備えたインクジェット式記録装置で
あって、前記ワイピング部材は弾性素材を短冊状に成形
すると共に、頂端部に沿ってワイピング部材の本体に比
較して薄肉状になされた直状の突起部が一体に成形さ
れ、且つ記録ヘッドに対して相対移動した場合に、前記
突起部がノズル形成面およびノズル形成面より突出した
ヘッドカバー部分に摺接できる幅をもって形成されてい
る点に特徴を有する。
【0011】この場合、前記直状の突起部とワイピング
部材の本体における側面との間に、好ましくは傾斜面が
形成される。そして、好ましい実施の形態においては、
前記傾斜面が、インクを払拭する状態における記録ヘッ
ドに対する摺接面側に形成される。また、前記直状の突
起部とワイピング部材の本体における両側面との間にそ
れぞれ傾斜面が形成されると共に、両傾斜面におけるワ
イピング部材の側面に対する傾斜角が、それぞれ異なる
ように構成される場合もある。
【0012】加えて、ワイピング部材の幅方向に直交す
る前記突起部における先端部分を、円弧状にした構成も
好適に利用することができる。そして、前記したいずれ
の形態を採用するにあたっても、前記ワイピング部材
は、硬度が50度乃至80度の弾性素材により形成され
ていることが望ましい。
【0013】以上のように構成されたインクジェット式
記録装置によると、短冊状に形成された弾性素材による
ワイピング部材の頂端部に沿って、ワイピング部材の本
体に比較して薄肉状になされた直状の突起部が一体に成
形されているので、当該突起部においては、ワイピング
部材の本体に比較して弾性変形の度合いを向上させるこ
とができる。したがって、ヘッドカバーを備えた記録ヘ
ッドに摺接した場合において、前記直状の突起部が適度
に変形してノズル形成面とヘッドカバー部分との間の段
差部分に残留しようとするインクを効果的に払拭するこ
とができる。
【0014】この場合、ワイピング動作において受ける
作用力によって、ワイピング部材の全体が過度に変形す
ることはなく、このために記録ヘッドのノズル形成面に
対して所定の圧接力を得ることができる。したがって、
直状の突起部によるインクの払拭効果を相乗的に向上さ
せることができる。
【0015】また、直状の突起部とワイピング部材の本
体における側面との間に、傾斜面を形成させた構成とす
ることにより、前記突起部によって掻き取られたインク
は、傾斜面に沿って重力方向に速やかに流れ落ちるの
で、ワイピング動作の終了時において、ワイピング部材
の突起部に残留するインクの量を遥かに低減させること
に寄与できる。したがって、ワイピング部材の前記突起
部の近傍にインクが凝固する度合いを低減させることが
でき、次のワイピング動作時において、前記凝固物がノ
ズル開口に押し込められて印字障害を引き起こす度合い
を低減させることができる。
【0016】さらに、ワイピング部材の幅方向に直交す
る前記突起部における先端部分を、円弧状に構成した場
合には、ノズル形成面に対する突起部の摺接状態が、よ
り線接触に近い状態となり、いわゆるエッジ効果を長期
にわたって維持させることができる。これにより、長期
にわたって安定したインクの払拭効果を持続させること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。図1は本発明が適用された記録装置本体の
全体構成を斜視図によって示したものである。図1にお
いて符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキ
ャリッジモータ3により駆動されるタイミングベルト2
を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向
に往復移動されるように構成されている。キャリッジ1
の記録用紙6に対向する面、すなわちキャリッジの下側
面には、図1には示されていないがブラックインク用記
録ヘッドおよびカラーインク用記録ヘッドが搭載され、
またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブ
ラックインクカートリッジ9、およびカラーインクカー
トリッジ10が着脱可能に装填されている。
【0018】図中符号13は、非印字領域(ホームポジ
ション)に配置されたキャッピング手段であって、この
キャッピング手段13には、前記記録ヘッドのノズル形
成面をそれぞれ封止することができるキャップ部材1
4,15がキャリッジの移動方向に沿って並列状態に配
置されている。そして、キャリッジ1に搭載された前記
記録ヘッドが直上に移動した時に、キャリッジ1側に上
昇してキャップ部材14,15によって、それぞれの記
録ヘッドのノズル形成面を封止することができるように
構成されている。また、キャッピング手段13の下方に
は、キャッピング手段13を構成する各キャップ部材1
4,15の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ1
6が配置されている。
【0019】前記キャッピング手段13は、記録装置の
休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防
止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関
係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフ
ラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前
記吸引ポンプ16からの負圧を記録ヘッドに作用させ
て、ノズル開口からインクを吸引排出させるクリーニン
グ操作を実行する機能も備えている。
【0020】また、キャッピング手段13に隣接する印
字領域側には、後で詳細に説明するワイピング部材19
が、水平方向に進退可能となるように配置されていて、
キャリッジ1がキャッピング手段13側に往復移動する
際に、記録ヘッドの移動経路上にワイピング部材19が
進出できるように構成されている。
【0021】図2は、前記した吸引ポンプ16およびワ
イピング部材19の駆動機構の一例を分解斜視図によっ
て示したものである。まず、吸引ポンプ16には、その
両外側にそれぞれ円筒部16a,16bが形成されたポ
ンプフレーム16cが具備されており、この円筒部16
a,16bにはそれぞれポンプホイル16d,16e
が、図示せぬモータの駆動力を得て、正転および逆転可
能となるように配置されている。
【0022】各ポンプホイル16d,16eのそれぞれ
には、一端が軸芯方向に、他端が外周方向に向けて伸び
る一対の支軸孔16fが設けられていて、ポンプホイル
16d,16eの回転方向に応じて、これらの支軸孔1
6fに軸支されたローラ16gを、軸芯方向に片寄らせ
るか、または外周方向に片寄らせるかができるように構
成されている。
【0023】これにより、ローラ16gによりチューブ
Tを円筒部16a,16bとの間で加圧してしごく作用
を行うポンプ作用と、チューブTを加圧しないレリース
作用とが選定できるように構成されている。なお、前記
各チューブTのそれぞれ一端は、前記したキャップ部材
14,15の下底部に形成された吸引口(図示せず)に
接続されている。この構成によって、クリーニング指令
を受けた場合に吸引ポンプ16の駆動によって発生する
負圧が、キャップ部材14,15の内部空間に印加され
るように作用する。
【0024】一方、ワイパー駆動ユニット21において
は、ポンプホイル16dの駆動軸にクラッチ板21aを
介してカム部材21bが遊嵌されており、圧縮バネ21
cによってカム部材21bがクラッチ板21aに圧接さ
れるように構成されている。そして、上部にワイピング
部材19を配置したスライド部材21dがフレーム21
eに対して水平方向に摺動できるように取り付けられて
おり、このスライド部材21dの一部に形成された凸部
(図示せず)が、前記カム部材21bに形成された台形
状の窓孔21f内に挿入されている。
【0025】前記カム部材21bは、ポンプホイル16
dの一方向の回転により、クラッチ板21aを介して同
方向に引きずられ、前記スライドレバー21dを一方の
水平方向に移動させるように作用する。またカム部材2
1bは、ポンプホイル16dの他方向の回転により、ク
ラッチ板21aを介して他方向に引きずられ、前記スラ
イド部材21dを他方の水平方向に移動させるように作
用する。
【0026】したがって、スライド部材21dの上部に
取り付けられた前記ワイピング部材19は、吸引ポンプ
16を駆動するモータの正転および逆転駆動により、記
録ヘッドの移動経路に対して進入または退避されるよう
に作用し、ワイピング部材19のクリーニング位置への
進入状態において記録ヘッドのノズル形成面を払拭する
ようになされる。これにより、クリーニング動作の実行
によって、ノズル形成面に付着したインクをワイピング
部材19によって掻き取ることができ、印字領域に移動
した記録ヘッドよりインクがぼた落ちするなどして記録
用紙等を汚染させる障害の発生を防ぐようになされてい
る。
【0027】図3は前記した記録装置におけるキャリッ
ジ1の下側面に搭載された記録ヘッド(カラーインク用
記録ヘッド)の外観構成を示したものである。この記録
ヘッド25のノズル形成面25aは面一状に構成されて
おり、この実施の形態においては、イエロー、マゼン
タ、シアンの各カラーインクをインク滴として吐出させ
るための多数のノズル開口からなるノズル列25bがそ
れぞれ平行状態に配列されている。
【0028】この記録ヘッド25内には、周知のように
インク流路や圧力室およびアクチェータ等が各ノズル開
口に対応してそれぞれ組み込まれており、これらを構成
するために記録ヘッド25は積層状態に形成されてい
る。したがって、ノズル形成面25aに直交する各側面
部分は構造上において脆弱であり、例えば記録用紙がプ
ラテン5から若干浮いた状態でキャリッジが走査した場
合においては、記録用紙の端部に記録ヘッドの側面部分
が引っ掛かる等して、ヘッドの一部を破損させるという
問題を抱えている。そこで、前記したような構造上の問
題を解決するために、ノズル形成面25aの各四端部か
ら記録ヘッドの側面部分にわたって、金属性のヘッドカ
バー25cによって覆った構成とされている。
【0029】したがって、前記したように記録ヘッドの
ノズル形成面25aとヘッドカバー25cとの間には若
干の段差が発生している。それ故、ワイピング部材19
によって記録ヘッドを払拭する場合において、この段差
部分において拭き残しが発生し、ここにインクが残留し
てインクの払拭効果が減退するという問題を抱えてい
る。
【0030】図4は、前記したような構成の記録ヘッド
に対し、インクの払拭効果が向上できるようになされた
ワイピング部材の各形態を、それぞれ側面方向から視た
状態で示している。いずれにおいても、ワイピング部材
19は天然ゴムまたは合成ゴム(エラストマー)を短冊
状に成形すると共に、その頂端部に沿ってワイピング部
材の本体19aに比較して薄肉状になされた直状の突起
部19bが一体に成形されている。そして、記録ヘッド
25に対して相対移動した場合に、前記直状の突起部1
9bがノズル形成面25aおよびノズル形成面より突出
したヘッドカバー25c部分に摺接できる幅をもって形
成されている。
【0031】ここで、図4(A)に示す形態は、矩形状
になされた突起部19bが頂端部の中央部分に沿って形
成されている。また、図4(B)に示す形態は、突起部
19bが頂端部の中央部分に沿って形成されると共に、
ワイピング部材の本体19aにおける両側面との間に、
それぞれ傾斜面19cが形成されている。さらに図4
(C)に示す形態は、前記傾斜面19cが、インクを払
拭する状態における記録ヘッドに対する摺接面側のみに
形成されている。
【0032】また図4(D)に示す形態は、突起部19
bが頂端部の中央部分に沿って形成されると共に、当該
突起部における先端部分が、円弧状に構成されている。
さらに図4(E)に示す形態は、突起部19bが頂端部
の中央部分に沿って形成されると共に、ワイピング部材
の本体19aにおける両側面との間に、それぞれ傾斜面
19cが形成されており、しかも、両傾斜面19cにお
けるワイピング部材の側面に対する傾斜角が、それぞれ
異なるように構成されている。
【0033】図5は、図4における(C)で示した形態
のワイピング部材を用いた場合における記録ヘッドの払
拭作用を示したものであり、また図6は、払拭動作状態
を示す図5(A)において矢印X−X方向に視た状態を
一部断面図で示したものである。図5に示されたよう
に、記録ヘッド25が印字領域側に移動した場合には、
記録ヘッド25の移動軌跡に進出しているワイピング部
材19は、記録ヘッドのノズル形成面25aおよびヘッ
ドカバー25cに摺接して湾曲状態になされる。この場
合、直状の突起部19bは本体19aに比較して薄肉状
に構成されているので、突起部19bはより柔軟性が高
く、圧接力を受けた場合の弾性変形の度合いが十分に大
きい。
【0034】したがって、図6に示されたように直状の
突起部19bが適度に変形して、ノズル形成面25aと
ヘッドカバー25cとの間の段差部分に入り込み、当該
箇所に残留しようとするインクを効果的に払拭すること
ができる。この場合、ワイピング部材の本体19aは比
較的硬度が高いため、ワイピング動作において受ける作
用力によって過度に変形することはない。換言すれば、
記録ヘッドのノズル形成面25aに対して所定の圧接力
を得ることができ、直状の突起部19bによるインクの
払拭効果を相乗的に向上させることができる。なお、こ
のような作用効果は、図4に示された全ての形態のワイ
ピング部材において得ることができる。
【0035】そして、記録ヘッド25がさらに印字領域
側に移動することにより、図5(B)に示したようにワ
イピング部材19は記録ヘッドからの当接から外れ、元
の状態に復帰する。この場合、ワイピング部材19は図
4(C)に拡大して示されているように、傾斜面19c
が、インクを払拭する状態における記録ヘッドに対する
摺接面側に形成されており、したがってワイピング部材
19によって掻き取られたインクは、傾斜面19cに沿
って重力方向に速やかに流れ落ち、ワイピング部材の突
起部に残留するインクの量を遥かに低減させることに寄
与できる。
【0036】なお、前記した図4(B)および図4
(E)に示す形態においても、傾斜面19cが形成され
ており、これらの形態における傾斜面19cにおいて
も、前記と同様な作用効果を得ることができる。一方、
図4(E)に示す2つの傾斜面はワイピング部材の側面
に対する傾斜角が、それぞれ異なるように構成されてお
り、したがって、このような構成によると、ワイピング
方向によってノズル形成面に当接する突起部19bの摺
接加重を変えることができる。したがって、このような
形態によるとクリーニングモードに応じて摺接加重を選
択することが可能となる。
【0037】さらに、図4(D)に示したように突起部
19bにおける先端部分を、円弧状に構成した場合にお
いては、ノズル形成面25aに対する突起部19bの摺
接状態が、より線接触に近い状態となり、いわゆるエッ
ジ効果を長期にわたって維持させることができる。これ
により、長期にわたって安定したインクの払拭効果を持
続させることができる。
【0038】加えて、前記したように直状の突起部19
aを備えた形態のワイピング部材は、天然ゴムまたは合
成ゴム(エラストマー)により成形されており、この場
合、硬度が50度乃至80度の素材を用いることが望ま
しい。その理由は、例えば硬度が50度未満の素材を用
いた場合には、ワイピング部材が記録ヘッドのノズル形
成面に当接する際に、ヘッドの幅方向で、ワイピング部
材の形状を保つ力が弱く、波打ちなどして変形した部分
でインク廃液の拭き残しを発生させるという問題が発生
する。
【0039】また硬度が80度を超える場合において
は、ワイピング部材が記録ヘッドのノズル形成面に当接
する際、ヘッドカバーとの段差に対して柔軟に追従(変
形)することができず、前記段差部においてインク廃液
の拭き残しを発生させる。また、ワイピング部材自体の
変形に大きな力を必要とし、記録ヘッドを往復走査させ
るキャリッジモータに大きな負荷を与えるという問題が
発生するからである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインクジェット式記録装置によると、ワイピング
部材の本体に比較して薄肉状になされた直状の突起部を
ワイピング部材の頂端部に沿って一体に成形すると共
に、記録ヘッドに対して相対移動した場合に、直状の突
起部がノズル形成面およびノズル形成面より突出したヘ
ッドカバー部分に摺接できる幅をもって形成されている
ので、ヘッドカバーを備えた記録ヘッドに対するインク
の払拭効果を向上させることができ、長期にわたって動
作の信頼性を保証することができるインクジェット式記
録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
本体部分を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載された吸引ポンプお
よびワイピング部材の駆動機構の一例を示した分解斜視
図である。
【図3】図1に示す記録装置に搭載された記録ヘッドの
外観構成を示した斜視図である。
【図4】本発明にかかる記録装置に利用できるワイピン
グ部材の各形態を示した側面図である。
【図5】図4における(C)で示した形態のワイピング
部材を用いた場合における記録ヘッドの払拭作用を示し
た側面図である。
【図6】払拭動作状態を示す図5(A)において矢印X
−X方向に視た状態を示した一部断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 3 キャリッジモータ 6 記録用紙 9 ブラックインクカートリッジ 10 カラーインクカートリッジ 13 キャッピング手段 14 キャップ部材 15 キャップ部材 16 吸引ポンプ 19 ワイピング部材 19a 部材本体 19b 突起部 19c 傾斜面 21 ワイパー駆動ユニット 21d スライド部材 25 記録ヘッド 25a ノズル形成面 25b ノズル列(ノズル開口) 25c ヘッドカバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 敦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA14 EA16 FA10 HA03 HA23 JA13 JB02 JB04 JB08 JC08 JC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対してインク滴を吐出するノ
    ズル開口がノズル形成面に配置され、前記ノズル形成面
    の端部を覆うようにしてヘッドカバーが取り付けられた
    インクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対し
    て相対移動して、前記ノズル形成面に付着したインクを
    払拭するワイピング部材とを備えたインクジェット式記
    録装置であって、 前記ワイピング部材は弾性素材を短冊状に成形すると共
    に、頂端部に沿ってワイピング部材の本体に比較して薄
    肉状になされた直状の突起部が一体に成形され、且つ記
    録ヘッドに対して相対移動した場合に、前記突起部がノ
    ズル形成面およびノズル形成面より突出したヘッドカバ
    ー部分に摺接できる幅をもって形成されていることを特
    徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記直状の突起部とワイピング部材の本
    体における側面との間に、傾斜面が形成されてなる請求
    項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜面を、インクを払拭する状態に
    おける記録ヘッドに対する摺接面側に形成してなる請求
    項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記直状の突起部とワイピング部材の本
    体における両側面との間にそれぞれ傾斜面が形成される
    と共に、両傾斜面におけるワイピング部材の側面に対す
    る傾斜角が、それぞれ異なるように構成された請求項2
    に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 ワイピング部材の幅方向に直交する前記
    突起部における先端部分が、円弧状に構成された請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記ワイピング部材を、硬度が50度乃
    至80度の弾性素材により形成した請求項1乃至請求項
    5のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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JP2016168716A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
JP2016175319A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
JP2016182823A (ja) * 2016-05-03 2016-10-20 エックスジェット エルティーディー. インクジェットヘッドの保管及びクリーニング

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