JP4261107B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの製造において、特にフォトリソグラフィ工程において半導体基板上に所望のレジストパターンを形成する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィ工程においては、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)の表面にレジスト膜を形成した後、これを所定のパターンに露光し、さらに現像処理することにより所望のレジストパターンを形成している。
【0003】
このようなフォトリソグラフィ工程は、従来から、ウェハを回転させて遠心力によりレジスト液の塗布を行うレジスト塗布処理ユニットや、ウェハに現像液を供給して現像処理する現像処理ユニット等を有する塗布現像処理装置と、この装置に連続して一体に設けられた露光装置とにより行われている。また、このような塗布現像処理装置は、例えばレジスト膜を形成した後、あるいは現像処理の前後に、ウェハに対し加熱処理や冷却処理等の熱的処理を行う加熱処理ユニットや冷却処理ユニットを有しており、更に、これら各処理ユニット間でウェハの搬送を行う搬送ロボット等を有している。
【0004】
ところで、近年、レジストパターンの微細化はよりいっそう進行しており、例えばレジストパターンの線幅についてはより精密な管理を行うことが要求されている。また、レジスト膜厚はレジストパターンの形状に大きな影響を与えるため、このレジスト膜厚の管理も精密に行うことが要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジストパターンの線幅は、塗布現像処理装置内においてウェハ周囲の環境、例えば、各処理ユニットに搬入されるまでの搬送時間、装置内の温度若しくは湿度、あるいは装置内の気流の流れ等によっても影響を受け得る。また、レジスト膜厚についても同様に、レジスト塗布処理ユニット外における搬送時間や温湿度等、ウェハ周囲の環境が悪影響を及ぼすおそれがある。これまでの塗布現像処理装置では、かかるウェハ周囲の環境については考慮されていなかったため、より精密な線幅やレジスト膜厚の制御が困難となっていた。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、これら基板周囲の環境を考慮した、より精密な線幅制御及びレジスト膜厚制御を行うことができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る基板処理装置は、基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成処理部と、レジスト膜が形成された基板を現像する現像処理部と、基板に熱的処理を施す熱処理部と、前記現像処理前に露光処理を行う露光装置側に対して基板の受け渡しを行う受け渡し部と、少なくとも前記レジスト膜形成処理部、現像処理部及び熱処理部の間で基板の搬送を行う搬送機構とを有した所望のレジストパターンを形成するための基板処理装置において、前記熱処理部は、露光処理終了後現像処理前に第1の熱的処理を行う第1の熱処理部と、前記レジスト膜の形成後露光処理前に第2の熱的処理を行う第2の熱処理部とを含み、当該基板処理装置は、前記レジストパターンを形成する際に関与する複数のパラメータに基づき予め作成された関数モデルを格納する関数モデル格納部と、前記関数モデルのうちレジストパターンの線幅に関するモデル式 線幅モデルCD [ nm ] =ax+by+cz+dw+h(a,b,c,d,hは定数、xは前記露光処理終了後から前記第1の熱的処理が開始されるまでの時間 [ ] 、yは前記第2の熱的処理後の基板の待機時間 [ ] 、zは当該基板処理装置内の温度 [ ] 、wは当該基板処理装置内の気圧 [ hPa ] に基づき得られる前記線幅の値を予測し、前記現像処理条件のうちの、現像時間、現像液の濃度及び現像液の温度のうち少なくとも1つをフィードフォワード制御するフィードフォワード制御手段とを具備する。
【0008】
本発明では、レジストパターンを形成する際に影響を及ぼす上記各処理における基板周囲の環境条件を複数抽出し、これらをパラメータとする関数モデルを予め作成しておく。この関数モデルとしては、例えばレジスト膜厚やパターンの線幅等に関するもの作成しておく。そして、実際の製品ウェハの製造段階においてこの関数モデルに基づきレジスト膜の形成条件、現像処理条件、熱処理条件及び搬送機構における搬送条件のうち少なくとも1つを制御する。これにより、上記関数モデルによって、例えば線幅を予測することによりフィードフォワード制御が可能となる。また、レジスト膜形成時においてレジスト液を基板の回転により塗布する場合に、この基板の回転数をモニターしただけでは精密な制御を行うことができないレジスト膜厚を、上記関数モデルによって予測することによりフィードフォワード制御が可能となる。これによって、パターン微細化の要求に対応して、より精密にパターンの線幅やレジスト膜厚を制御できる。更に、本発明では、関数モデルに基づき熱処理条件や搬送条件をも制御しているので、より高精度な線幅及び膜厚の制御を行うことができる。
また、これらのパラメータのうち、「前記露光処理終了後から前記第1の熱的処理が開始されるまでの時間」及び「前記第2の熱的処理後の基板の待機時間」は、「時間」のパラメータであり、例えば、本基板処理装置内の各処理ユニットが複数あって枚葉処理である場合には、当該「時間」のパラメータは基板1枚ごとに異なるパラメータであるため、この線幅の制御は基板ごとに行うことが好ましい。
特に、最も線幅の変動に影響を及ぼすと考えられる現像時間を制御することにより、容易かつ精密に線幅を制御することができる。
【0015】
特に、最も膜厚の変動に影響を及ぼすと考えられる基板の回転数を制御することにより、容易かつ精密に線幅を制御することができる。
【0016】
本発明の一の形態によれば、前記線幅、レジスト膜厚、又はオーバーレイを検査する検査装置を更に具備し、前記搬送機構は、前記検査装置に対し基板の受け渡し可能に設けられている。これにより、各検査装置による各検査を実際の製品ウェハの製造段階で動的に自動化して行うことができ、例えば、これらの各検査結果に基づきフィードフォワードやフィードバック等の制御が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0018】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る塗布現像処理装置の全体構成を示す図であって、図1は平面図、図2及び図3は正面図及び背面図である。
【0019】
この塗布現像処理装置1は、被処理基板として半導体ウェハWをウェハカセットCRで複数枚たとえば25枚単位で外部から装置1に搬入し又は装置1から搬出したり、ウェハカセットCRに対してウェハWを搬入・搬出したりするための受け入れ部としてのカセットステーション10と、塗布現像工程の中で1枚ずつウェハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理ステーション12と、この処理ステーション12と隣接して設けられる露光装置100との間でウェハWを受け渡しするためのインターフェース部14とを一体に接続した構成を有している。
【0020】
カセットステーション10では、図1に示すように、カセット載置台20上の突起20aの位置に複数、例えば5個のウェハカセットCRがそれぞれのウェハ出入口を処理ステーション12側に向けてX方向一列に載置され、カセット配列方向(X方向)およびウェハカセットCR内に収納されたウェハのウェハ配列方向(Z方向)に移動可能なウェハ搬送体22が各ウェハカセットCRに選択的にアクセスするようになっている。更に、このウェハ搬送体22は、θ方向に回転可能に構成されており、図3に示すように後述する多段構成とされた第3の処理ユニット部G3に属する熱処理系ユニットにもアクセスできるようになっている。
【0021】
また、カセットステーション10における下方部には、図2に示すように、この塗布現像処理装置1の全体を統括的に制御する集中制御部8が組み込まれている。
【0022】
図1に示すように処理ステーション12は、装置背面側(図中上方)において、カセットステーション10側から第3の処理ユニット部G3、第4の処理ユニット部G4及び第5の処理ユニット部G5がそれぞれ配置され、これら第3の処理ユニット部G3と第4の処理ユニット部G4との間には、第1の主ウェハ搬送装置A1が設けられている。この第1の主ウェハ搬送装置A1は、後述するように、この第1の主ウェハ搬送体16が第1の処理ユニット部G1、第3の処理ユニット部G3及び第4の処理ユニット部G4等に選択的にアクセスできるように設置されている。また、第4の処理ユニット部G4と第5の処理ユニット部G5との間には第2の主ウェハ搬送装置A2が設けられ、第2の主ウェハ搬送装置A2は、第1と同様に、第2の主ウェハ搬送体17が第2の処理ユニット部G2、第4の処理ユニット部G4及び第5の処理ユニット部G5等に選択的にアクセスできるように設置されている。
【0023】
また、第1の主ウェハ搬送装置A1の背面側には熱処理ユニットが設置されており、例えばウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョンユニット(AD)110、ウェハWを加熱する加熱ユニット(HP)113が図3に示すように下方から順に2段ずつ重ねられている。なお、アドヒージョンユニット(AD)はウェハWを温調する機構を更に有する構成としてもよい。第2の主ウェハ搬送装置A2の背面側には、ウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)120、パターンの重ね合わせを検査するオーバーレイ検査装置47、ウェハWに塗布されたレジスト膜厚を検査する膜厚検査装置48、レジストパターンの線幅を検査する線幅検査装置49が多段に設けられており、第2の主ウェハ搬送装置A2はこれらの検査装置等に対してウェハの受け渡しが可能となっている。なお、第2の主ウェハ搬送装置A2の背面側は、第1の主ウェハ搬送装置A1の背面側と同様に熱処理ユニット(HP)113が配置構成される場合もある。
【0024】
図3に示すように、第3の処理ユニット部G3では、ウェハWを載置台に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット、例えばウェハWに所定の加熱処理を施す高温度加熱処理ユニット(BAKE)、ウェハWに精度の良い温度管理化で冷却処理を施す冷却処理ユニット(CPL)、ウェハ搬送体22から主ウェハ搬送体16へのウェハWの受け渡し部となるトランジションユニット(TRS)、上下2段にそれぞれ受け渡し部と冷却部とに分かれて配設された受け渡し・受け渡し・冷却処理ユニット(TCP)が上から順に例えば10段に重ねられている。なお、第3の処理ユニット部G3において、本実施形態では下から3段目はスペアの空間として設けられている。
【0025】
第4の処理ユニット部G4でも、例えばポストベーキングユニット(POST)、ウェハ受け渡し部となるトランジションユニット(TRS)、第2の熱的処理としてレジスト膜形成後のウェハWに加熱処理を施すプリベーキングユニット(PAB)、同じく第2の熱的処理としての冷却処理ユニット(CPL)が上から順に例えば10段に重ねられている。更に第5の処理ユニット部G5でも、例えば、第1の熱処理部として露光後のウェハWに加熱処理を施すためのポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)、同じく第1の熱処理部としての冷却処理ユニット(CPL)、ウェハWの受け渡し部となるトランジションユニット(TRS)が例えば上から順に10段に重ねられている。
【0026】
図1において処理ステーション12の装置正面側(図中下方)には、第1の処理ユニット部G1と第2の処理ユニット部G2とがY方向に併設されている。この第1の処理ユニット部G1とカセットステーション10との間及び第2の処理ユニット部G2とインターフェース部14との間には、各処理ユニット部G1及びG2で供給する処理液の温調に使用される液温調ポンプ24,25がそれぞれ設けられており、更に、この塗布現像処理装置1外に設けられた図示しない空調器からの清浄な空気を各処理ユニット部G1〜G5内部に供給するためのダクト31、32が設けられている。
【0027】
図2に示すように、第1の処理ユニット部G1では、カップCP内でウェハWをスピンチャックに載せて所定の処理を行う5台のスピナ型処理ユニット、例えば、レジスト膜形成部としてのレジスト塗布処理ユニット(COT)が3段及び露光時の光の反射を防止するために反射防止膜を形成するボトムコーティングユニット(BARC)が2段、下方から順に5段に重ねられている。また第2の処理ユニット部G2でも同様に、5台のスピナ型処理ユニット、例えば現像処理部としての現像処理ユニット(DEV)が5段に重ねられている。レジスト塗布処理ユニット(COT)ではレジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であることから、このように下段に配置するのが好ましい。しかし、必要に応じて上段に配置することも可能である。
【0028】
また、第1及び第2の処理ユニット部G1及びG2の最下段には、各処理ユニット部G1及びG2に上述した所定の処理液を供給するケミカル室(CHM)26,27がそれぞれ設けられている。
【0029】
更に、処理ステーション12には、この処理ステーション12内の温度及び気圧を測定する例えば4つの温度・気圧センサSa,Sb,Sc,Sdが備えられている。例えば、この4つの温度・気圧センサSa,Sb,Sc,Sdによる測定結果の例えば平均値を採ることにより、より高精度な温度及び気圧の管理を行うことができる。
【0030】
インターフェース部14の正面部には可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、中央部にはウェハ搬送体27が設けられている。このウェハ搬送体27は、X,Z方向に移動して両カセットCR,BRにアクセスするようになっている。また、ウェハ搬送体27は、θ方向に回転可能に構成され、第5の処理ユニット部G5にもアクセスできるようになっている。更に、図3に示すようにインターフェース部14の背面部には、高精度冷却処理ユニット(CPL)が複数設けられ、例えば上下2段とされている。ウェハ搬送体27はこの冷却処理ユニット(CPL)にもアクセス可能になっている。
【0031】
図4は本発明の一実施形態に係る第1の主ウェハ搬送装置A1を示す斜視図である。なお、第2の主ウェハ搬送装置A2は第1の主ウェハ搬送装置A1と同一であるのでその説明を省略する。
【0032】
図1に示すように、主ウェハ搬送装置A1は筐体41に囲繞されており、パーティクルの侵入を防止している。図4において説明をわかりやすくするため、筐体41の図示を省略している。
【0033】
図4に示すように、この主ウェハ搬送装置A1の両端にはポール33が垂設されており、主ウェハ搬送体16(17)がこのポール33に沿って垂直方向(Z方向)に移動可能に配置されている。主ウェハ搬送体16における搬送基台55にはウェハWを保持する3つのピンセット7a〜7cが備えられており、これらピンセット7a〜7cは搬送基台55に内蔵された図示しない駆動機構により、水平方向に移動可能に構成されている。搬送基台55の下部には、この搬送基台55を支持する支持部45が、θ方向に回転可能な回転部材46を介して接続されている。これにより、ウェハ搬送体16はθ方向に回転可能となっている。支持部45にはフランジ部45aが形成され、このフランジ部45aがポール33に設けられた溝33aに摺動可能に係合しており、このポール33に内蔵されたベルト駆動機構によりスライド可能に設けられている。これにより、主ウェハ搬送体16がこのポール33に沿って垂直方向に移動可能となっている。
【0034】
なお、主ウェハ搬送装置A1の底部には、この搬送装置A1内部の気圧及び温湿度をコントロールするファン36が例えば4つ設けられている。
【0035】
図5は、この塗布現像処理装置1の清浄空気の流れを示している。図5において、カセットステーション10,処理ステーション12およびインターフェース部14の上方にはエア供給室10a,12a,14aが設けられており、エア供給室10a,12a,14aの下面に防塵機能付きフィルタ例えばULPAフィルタ101,102,103が取り付けられている。各エア供給室のULPAフィルタ101,102,103より清浄な空気がダウンフローで各部10,12,14に供給され、これらエア供給室から処理ユニットへダウンフローで供給されるようになっている。このダウンフローの空気は上述したダクト31及び32から矢印方向(上向き)に供給される。
【0036】
また、液供給系ユニット部(G1、G2)のそれぞれ各ユニット全てにおいてこれらの上方にそれぞれファン・フィルタユニットFが取り付けられ、それぞれ気圧を計測する気圧センサS1が設けられている。このファン・フィルタユニットFは、例えばULPAフィルタと図示しない小型のファンとを有している。一方、第3〜第5の処理ユニット部G3〜G5における各ユニット、第1、第2の主ウェハ搬送装置A1,A2にも図示しないが同様のセンサが設けられている。
【0037】
図6及び図7は、本発明の一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニット(COT)を示す平面図及び断面図である。
【0038】
このユニットでは、前述したように筐体41’の上方にファン・フィルタユニットFが取り付けられており、下方においては筐体41’のY方向の幅より小さいユニット底板151の中央付近に環状のカップCPが配設され、その内側にスピンチャック142が配置されている。このスピンチャック142は真空吸着によってウェハWを固定保持した状態で、駆動モータ143の回転駆動力で回転するように構成されている。駆動モータ143は回転数コントローラ34の制御によりその回転数が制御されるようになっている。
【0039】
カップCPの中には、ウェハWを受け渡しする際のピン148が駆動装置147により昇降可能に設けられている。これにより、開閉可能に設けられたシャッタ43が開いている間に、開口部41'aを介してピンセット7aとの間でウェハの受け渡しが可能となる。またカップCP底部には、廃液用のドレイン口145が設けられている。このドレイン口145に廃液管141が接続され、この廃液管141はユニット底板151と筐体41’との間の空間Nを利用して下方の図示しない廃液口へ通じている。
【0040】
図6に示すように、ウェハWの表面にレジストを供給するためのノズル135は、供給管134を介してケミカル室(CHM)26(図2)内の液供給機構(図示せず)に接続されている。ノズル135は、カップCPの外側に配設されたノズル待機部146でノズルスキャンアーム136の先端部に着脱可能に取り付けられ、スピンチャック142の上方に設定された所定のレジスト吐出位置まで移送されるようになっている。ノズルスキャンアーム136は、ユニット底板151の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール144上で水平移動可能な垂直支持部材149の上端部に取り付けられており、図示しないY方向駆動機構によって垂直支持部材149と一体にY方向で移動するようになっている。
【0041】
ノズルスキャンアーム136は、ノズル待機部146でノズル135をレジストの種類に応じて選択的に取り付けるためにY方向と直角なX方向にも移動可能であり、図示しないX方向駆動機構によってX方向にも移動するようになっている。ここで、レジストの種類については、例えばレジストの濃度や粘度等の相違により種類が異なる。
【0042】
更にカップCPとノズル待機部146との間には、ドレインカップ138が設けられており、この位置においてウェハWに対するレジストの供給に先立ちノズル135の洗浄が行われるようになっている。
【0043】
ガイドレール144上には、上記したノズルスキャンアーム136を支持する垂直支持部材149だけでなく、リンスノズルスキャンアーム139を支持しY方向に移動可能な垂直支持部材も設けられている。リンスノズルスキャンアーム139の先端部にはサイドリンス用のリンスノズル140が取り付けられている。Y方向駆動機構(図示せず)によってリンスノズルスキャンアーム139及びリンスノズル140は、カップCPの側方に設定されたノズル待機位置と、スピンチャック142に載置されているウェハWの周縁部真上に設定されたリンス液吐出位置との間で移動するようになっている。
【0044】
このレジスト塗布処理ユニット(COT)内には、前述したように気圧p[hPa]を計測する気圧センサS1が設けられており、また、カップの温度q[℃]を計測するカップ温度センサS2及びユニット内の湿度r[%]を計測する湿度センサS3が設けられている(図16参照)。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態に係る現像処理ユニット(DEV)を示す断面図である。この現像処理ユニット(DEV)は、上記レジスト塗布処理ユニット(COT)と類似の構成を有しているので、図8において、上記レジスト塗布処理ユニット(COT)における構成と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
【0046】
ウェハWの表面に現像液を供給するためのノズル153は、ウェハWの直径とほぼ同一長さを有しており、図示しないが現像液を吐出する孔が複数形成されている。あるいはスリット状の吐出口が形成されているものノズルでもよい。また、図示しないリンスノズルもウェハW上へ移動可能に設けられている。
【0047】
図9及び図10は、本発明の一実施形態に係り、ウェハWに熱的処理を施すためのプリベーキングユニット(PAB)、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)の平面図及び断面図である。これら各ベーキングユニットは処理温度等のプロセスが相違するだけである。
【0048】
これらのユニットは筐体75に囲繞されており、処理室30内において背面側には、温度コントローラ32による制御の下、ウェハWを載置させて例えば100℃前後で加熱処理するための加熱板86が設けられ、正面側には、ウェハWを載置させて温調する温調プレート71が設けられている。加熱板86は支持体88に支持されており、この支持体88の下方部からウェハWを支持するための昇降ピン85が昇降シリンダ82により昇降可能に設けられている。また、加熱板86の上部には、加熱処理の際に加熱板86を覆う図示しないカバー部材が配置されている。
【0049】
温調プレート71の温度調整機構としては例えば冷却水やペルチェ素子等を使用してウェハWの温度を所定の温度、例えば40℃前後に調整して温度制御が行われるようになっている。この温調プレート71は、図9に示すように切欠き71aが形成されており、この温調プレート71の下方に埋没している昇降ピン84が、昇降シリンダ81によって温調プレート表面から出没可能になっている。また、この温調プレート71には、例えばモータ79aによりレール77に沿って移動可能となっており、これにより、ウェハの温調を行いながら加熱板86に対してウェハの受け渡しが行われるようになっている。
【0050】
また、このプリベーキングユニット(PAB)、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)には、気圧コントロールのためのエアの流路75cが形成されており、この流路75cからのエアはファン87aを介して処理室30に流入されるようになっている。また、処理室30内のエアは両壁面に設けられたファン87bにより排気口75dから排気されるようになっている。
【0051】
更にこの筐体75の温調プレート71側の一方の側面部分には、例えば第4の処理ユニット部G4に関しては、第1の主ウェハ搬送装置A1との間でウェハWの受け渡しを行うために、開口部75aが設けられており、他方の側面部分には、第2の主ウェハ搬送装置A2側の開口部に対向するように開口部75bが設けられている。これら開口部75a、75bにはそれぞれ図示しない駆動部により開閉自在とされたシャッタ76a、76bが設けられている。
【0052】
なお、冷却処理ユニット(CPL)は、図示しないが例えばウェハWを載置させ、各加熱処理が施されたウェハに対し23℃前後で冷却処理を施す冷却板を有している。冷却機構としてはペルチェ素子等を用いている。
【0053】
図11は、塗布現像処理装置1の制御系を示す構成図である。塗布現像処理装置1には、既述のレジスト塗布処理ユニット(COT)、現像処理ユニット(DEV)、プリベーキングユニット(PAB)、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)、主ウェハ搬送装置A1等の搬送系の装置及びセンサSa〜Sdがバス5に接続されている。図示は省略するが、ポストベーキングユニット(POST)や冷却処理ユニット(CPL)等の他のユニット全て同様にバス5に接続されている。
【0054】
またバス5には上記集中制御部8が接続され、この集中制御部8には、例えば各センサ計測データ格納部61、ウェハデータ格納部62、プロセスレシピデータ格納部63、線幅モデル格納部64、膜厚モデル格納部65、現像時間−線幅モデル格納部56、加熱温度−線幅モデル格納部57及び回転数−膜厚モデル格納部58がそれぞれ接続されている。
【0055】
各センサ計測データ格納部61は、上記レジスト塗布処理ユニット(COT)内におけるセンサS1〜S3、またセンサSa〜Sdによる計測結果を記憶する。ウェハデータ格納部62は、例えばウェハ1枚ごとに付与された識別子を記憶し、これらウェハが塗布現像処理装置1内においていずれのユニットにあるか、また、どのような処理がどれだけの時間で行われたかをウェハごとに記憶する。この識別子は、例えばウェハカセットCRに多段に収容されたウェハ順、例えばカセットCR内の上から順に付すようにすることができる。プロセスレシピデータ格納部63はホストが要求した処理プロセスを記憶する。線幅モデル格納部64は、所望のレジストパターンの線幅を得るために収集された複数のデータを数式にして記憶している。膜厚モデル格納部65も同様に所望のレジスト膜厚を得るために収集された複数のデータを数式にして記憶している。
【0056】
現像時間−線幅モデル格納部56は、現像時間とパターンの線幅との相関関係を例えば数式にして記憶している。加熱温度−線幅モデル格納部57も同様に、それぞれポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)による加熱温度と線幅との相関関係を数式にして記憶している。また、回転数−膜厚モデル格納部59も同様に、レジスト膜形成時におけるウェハの回転数とレジスト膜厚との相関関係を例えば数式にして記憶している。
【0057】
次に、以上説明した塗布現像処理装置1の一連の処理工程について、図12に示すフローを参照しながら説明する。
【0058】
先ず、カセットステーション10において、ウェハ搬送体22がカセット載置台20上の処理前のウェハWを収容しているカセットCRにアクセスして、そのカセットCRから1枚のウェハWを取り出す。そして、次にウェハWは、受け渡し・冷却処理ユニット(TCP)を介して第1の主搬送装置A1に受け渡され、ボトムコーティングユニット(BARC)へ搬送される。そしてここで、露光時においてウェハからの露光光の反射を防止するために反射防止膜が形成される(ステップ12−1)。次に、ウェハWは、第3の処理ユニット部G3におけるベーキング処理ユニットに搬送され、例えば120℃で所定の加熱処理が行われ(ステップ12−2)、冷却処理ユニット(CPL)で所定の冷却処理が行われた後(ステップ12−3)、ウェハWは、レジスト塗布処理ユニット(COT)において、所望のレジスト膜が形成される(ステップ12−4)。
【0059】
このレジスト塗布処理ユニット(COT)では、ウェハWがカップCPの直上位置まで搬送されてくると、先ず、ピン148が上昇してウェハWを受け取った後下降して、ウェハWはスピンチャック142上に載置されて真空吸着される。そしてノズル待機部に待機していたノズル135がウェハWの中心位置の上方まで移動する。そしてウェハW中心に所定のレジスト液の吐出が行われた後に、駆動モータ143により例えば100rpm〜5000rpmで回転させて、その遠心力でレジスト液をウェハW全面に拡散させることによりレジスト膜の塗布が完了する。
【0060】
このレジスト膜形成時におけるウェハWの回転数とレジスト膜厚との関係には相関があり、例えば図17に示すように、回転数が大きいほど膜厚が小さくなるような関係にある。
【0061】
レジスト膜が形成されると、第1の主搬送装置A1によりウェハWはプリベーキングユニット(PAB)に搬送される。ここでは先ず、図9に示した温調プレート71にウェハWが載置され、ウェハWは温調されながら加熱板86側へ移動される。そしてウェハWは加熱板86に載置され、例えば100℃前後で所定の加熱処理が行われる。この加熱処理が終了すると、再び温調プレート71が加熱板86側にアクセスしてウェハWが温調プレート71に受け渡され、温調プレート71は図9に示すような元の位置まで移動し、第1の主搬送装置A1により取り出されるまでウェハWは待機する(ステップ12−5)。この加熱板86による加熱処理が終了してから第1の主搬送装置A1により取り出されるまでの時間を、プリベーキングユニット(PAB)における待機時間y[秒]とする。この待機時間yは、本実施形態に係る塗布現像処理装置1の枚葉処理の下においては、ウェハWごとに異なる値となるため、それぞれ識別子が付されたウェハごとに、ウェハデータ格納部62に逐次記憶される。
【0062】
次に、ウェハWは冷却処理ユニット(CPL)で所定の温度で冷却処理される(ステップ12−6)。この後、ウェハWは第2の主搬送装置A2により取り出され、膜厚検査装置119へ搬送され、所定のレジスト膜厚の測定が行われる場合もある。そしてウェハWは、第5の処理ユニット部G5におけるトランジションユニット(TRS)及びインターフェース部14を介して露光装置100に受け渡されここで露光処理される(ステップ12−7)。
【0063】
次に、ウェハWはインターフェース部14及び第5の処理ユニット部G5におけるトランジションユニット(TRS)を介して第2の主搬送装置A2に受け渡された後、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)に搬送される。露光処理終了後、ウェハWはインターフェース部14において一旦バッファカセットBRに収容される場合もある。
【0064】
ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)では、上記プリベーキングユニット(PAB)における動作と同一の動作により所定の加熱処理及び温調処理が行われる(ステップ12−8)。ここで、露光処理終了後からポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)に搬入されて加熱処理が開始されるまでの時間をx[秒]とする。この時間xは、本実施形態に係る塗布現像処理装置1の枚葉処理の下においては、ウェハWごとに異なる値となるため、それぞれ識別子が付されたウェハごとに、ウェハデータ格納部62に逐次記憶される。
【0065】
次に、ウェハWは現像処理ユニット(DEV)に搬送され現像処理が行われる(ステップ12−9)。この現像処理ユニット(DEV)では、ウェハWがカップCPの直上位置まで搬送されてくると、まず、ピン148が上昇してウェハWを受け取った後下降して、ウェハWはスピンチャック142上に載置されて真空吸着される。そしてノズル待機部に待機していたノズル135がウェハWの周辺位置の上方まで移動する。続いて駆動モータ143によりウェハWが例えば10rpm〜100rpmで回転し、そしてノズル135はウェハW周辺からY方向に移動しながら、回転の遠心力により所定の現像液の塗布が行われ、所定時間だけ放置することにより現像処理を進行させる。この現像処理における現像時間tと線幅との関係には相関があり、例えば図14に示すように、現像時間が長いほど線幅が小さくなるような関係にある。その後、ウェハ上にリンス液を供給し現像液を洗い流し、ウェハを回転させることにより振り切り乾燥処理を行う。
【0066】
この後、冷却処理ユニット(CPL)により所定の冷却処理が行われる(ステップ12−10)。
【0067】
次に、ウェハWは第2の主搬送装置A2により取り出され、第4の処理ユニット部G4におけるトランジションユニット(TRS)、第1の主搬送装置A1、第3の処理ユニット部におけるトランジションユニット(TRS)及びウェハ搬送体22を介してカセットステーション10におけるウェハカセットCRに戻される。
【0068】
なお、現像処理の後、ポストベーキングユニット(POST)により所定の加熱処理が行われる場合もある。また、現像処理の後、線幅検査装置49、又はオーバレイ検査装置47においてそれぞれ線幅の検査、又はオーバーレイ検査を行う場合もある。
【0069】
図13は、図11に示した線幅モデル格納部64に格納されるデータを示している。また、図14は、目標の線幅にするために現像時間を補正する場合のモデル式である。更に、図15は、現像時間目標の線幅にするために行う補正工程を示すフロー図である。図13に示す線幅モデルは、上記時間x及びyと、塗布現像処理装置内の温度z[℃]及び塗布現像処理装置内の気圧w[hPa](温度z及び気圧wは、上述したように、図1に示す各センサSa〜Sdにより得られる。)とを用いて、
線幅モデルCD[nm]=ax+by+cz+dw+h(a,b,c,d,hは定数)
と表され、例えば、
線幅モデルCD[nm]=0.02x+0.03y+0,54z+0.65w
−466.608
というモデル式で表すことができる。このモデル式は実験により作成したものである。
【0070】
そして、図15を参照して、先ず1枚又は複数の検査用ウェハを、例えば図12に示すフローで処理し、実際に現像処理まで行い、この処理されたウェハに関するセンサデータや時間データ等をウェハごとに収集する(ステップ15−1)。次に、これらのデータを解析し(ステップ15−2)、上記線幅モデル式で実際に形成されるであろう線幅を現像処理前に求める。すなわち、このモデル式を予め作成しておくことにより、現像処理前に、当該現像処理後の線幅を予測することができる。
【0071】
線幅が予測されると、この線幅値が所定の範囲内(例えば、±5nmの範囲内)にあるか否かの判断を行う(ステップ15−3)。線幅値が所定の範囲内にあればそのまま実際の製品ウェハで処理を続行し(ステップ15−4)、現像処理を行う。これにより、実際に所望の線幅を有するレジストパターンが得られる。
【0072】
一方、所定の範囲内になければ、次のように現像時間を補正する(ステップ15−5)。現像時間tと線幅との関係は予め実験により求められており、例えば図14に示すような関係で表されるので、このような相関関係を利用する。
【0073】
実際に現像時間を補正する場合には、例えば目標となる線幅(所望の線幅)を入力し、図14で表された式
Figure 0004261107
に上記計算により得られたCD値を代入することにより補正現像時間が決定される。このように求められた現像時間で上記のように現像処理することにより、所望の線幅のレジストパターンを現像することができる。
【0074】
このように、レジストパターンを形成する際に影響を及ぼす、「露光処理終了後からポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)における加熱処理が開始されるまでの時間x」と、「プリベーキングユニット(PAB)における待機時間y」と、「塗布現像処理装置内の温度z」と、「塗布現像処理装置内の気圧w」とをパラメータとする線幅モデルを予め作成しておき、この線幅モデルに基づいて、現像処理条件の1つである現像時間tを制御することにより線幅を予測することができる。また、一旦、上記線幅モデルを作成しておくことにより、これに基づいて解析を行えば、実際の製品ウェハを製造する場合においても動的にフィードフォワード制御が可能となる。これにより精密な線幅の制御を行うことができ、歩留まりの向上が図れる。
【0075】
また、複数ある現像処理条件、例えば現像時間、現像液の濃度又は現像液の温度等のうち最も制御しやすい現像時間を制御することにより、容易に線幅を制御できる。
【0076】
また、これらパラメータのうちx及びyは時間に関するパラメータであるため、このような線幅の制御はウェハごとに行うことは、本実施形態に係る枚葉処理の装置にとってはウェハごとに当該時間が異なることを考慮すると効果的である。
【0077】
また、本実施形態においては、オーバーレイ検査装置47、膜厚検査装置48及び線幅検査装置49をインラインとして主ウェハ搬送装置A2により基板を搬送可能としたので、これら各検査を実際の製品ウェハの製造段階で動的に自動化して行うことができる。これにより、例えば、これらの各検査結果に基づきフィードフォワードやフィードバック等の制御が可能となる。
【0078】
更に、上記線幅モデルは、レジストの種類、又は目標膜厚に応じて作成することにより、例えばレジストの濃度や粘度等の違いに応じて線幅モデルを作成することができるので、これらレジストの種類、又は目標膜厚に応じて現像処理条件を制御することができる。これは、次に説明する膜厚制御の場合も同様である。
【0079】
図16は、図11に示した膜厚モデル格納部65に格納されるデータを示している。この膜厚モデルは、上記気圧pと、カップ温度qと、湿度rとを用いて、上記線幅モデルと同様に、
膜厚モデルT=ep+fq+gr+i(e,f,g,iは定数)
と表すことができる。このようなモデル式で実際に形成されるであろう膜厚を求め、予測することができる。そして、レジスト膜形成時におけるウェハの回転数と膜厚との関係は予め実験により求められており、例えば図17に示すような関係で表される。これにより所望のウェハの回転数が得られる。一例として、T=4050Å(405nm)であって、目標膜厚が4000Å(400nm)である場合に、3500rpmであったウェハの回転数を3700rpmとすることにより目標膜厚4000Å(400nm)を達成できる。
【0080】
このように、レジスト膜を形成する際に影響を及ぼす、「気圧p」と、「カップCPの温度q」と、「ユニット内の湿度r」とをパラメータとする膜厚モデルを予め作成しておき、この膜厚モデルに基づいて、レジスト膜形成条件の1つであるウェハの回転数を制御することにより、フィードフォワード制御が可能となる。すなわち、従来においては、気圧、カップCPの温度及び湿度等のデータは膜厚制御には用いられていなかったが、本実施形態ではこれらのパラメータを用いて膜厚を予測することにより、精密な膜厚の制御を行うことができる。これにより歩留まりの向上にも寄与する。
【0081】
また、複数あるレジスト膜形成条件、例えばウェハ回転数、レジスト液の温度、レジスト液の供給量又はレジストの吐出速度等のうち最も制御しやすいウェハの回転数を制御することにより、容易に膜厚を制御できる。
【0082】
また、これらのパラメータp,q,rには時間に関するものはないので、ウェハごとに膜厚を管理する必要はなく、例えばロット単位で最初にダミーウェハを処理する、いわゆるロット先行処理でよい。
【0083】
図18は、ポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)における加熱温度と、レジストパターンの線幅との関係を示している。これにより、加熱温度が高いほど線幅が細くなる傾向にあることがわかる。これによって、図14に示す場合と同様に、現像処理条件を制御する代わりに、上記線幅モデルを用いてポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)における加熱温度を制御することにより、線幅をフィードフォワードで精密に制御できる。また、このような加熱温度の制御と現像時間の制御とを両方行うことにより、更に高精度に線幅を制御することができる。
【0084】
図19も同様に、プリベーキングユニット(PAB)における加熱温度と、レジスト膜厚との関係を示している。これにより、加熱温度が高いほど膜厚が小さくなる傾向にあることがわかる。これによって、図17に示す場合と同様に、ウェハの回転数を制御する代わりに、上記膜厚モデルを用いプリベーキングユニット(PAB)における加熱温度を制御することにより、膜厚をフィードフォワードで精密に制御できる。また、このような加熱温度の制御とウェハ回転数の制御とを両方行うことにより、更に高精度に線幅を制御することができる。
【0085】
更に本実施形態においては、線幅と膜厚との関連性については述べなかったが、この関連性が分かれば、更にこの関連性に基づいて線幅及び膜厚の制御を精密に行うことができる。
【0086】
本発明は以上説明した実施形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0087】
例えば、上記実施形態では、線幅制御では現像時間及び加熱温度のうち少なくとも一方を制御するようにし、膜厚制御ではウェハ回転数及び加熱温度のうち少なくとも一方を制御するようにしたが、これに限らず、ベーキングユニット(BAKE)、加熱ユニット(HP)113等における加熱処理温度、あるいは冷却処理ユニット(CPL)、受け渡し・冷却処理ユニット(TCP)における冷却温度等をも制御することにより更に高精度な線幅制御を行うことができる。
【0088】
また、線幅を制御する場合に現像処理条件として現像時間を制御するだけでなく、現像液の濃度及び温度等を制御するようにしてもよい。あるいは、膜厚を制御する場合にレジスト膜形成条件としてウェハの回転数を制御するだけでなく、レジストの温度やノズルからのレジストの吐出速度等を制御するようにしてもよい。
【0089】
更には、現像時間、ウェハ回転数及び加熱処理温度を補正する代わりに、線幅に関しては、図13における時間x,yや装置1内の温度z、気圧wを補正するようにして所望の線幅が得られるようにしてもよいし、膜厚に関しては図16に示す気圧p,カップ温度q,湿度r等を補正するようにして所望の膜厚のレジスト膜を形成できるようにしてもよい。
【0090】
また、図18及び図19に示したポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)及びプリベーキングユニット(PAB)における加熱温度の制御のみに限らず、加熱時間や昇温速度等をも制御することも可能であり、また冷却処理ユニット(CPL)における冷却温度や冷却時間、あるいは降温速度等を制御することも可能である。
【0091】
また、露光装置100(図1参照)における露光処理条件をも塗布現像処理装置1側の集中制御部8で制御するようにしてもよい。この場合、例えば、露光量と線幅との関係については逆比例的な相関関係があることがわかっているので、この露光量をフィードフォワードで制御することにより、所望の線幅を有するレジストパターンを得ることができる。また、露光量だけでなく、露光フォーカス値をも制御するようにしてもよい。
【0092】
また、例えばエッチング装置を塗布現像処理装置1に対してインライン化し、このエッチング処理条件をも集中制御部8で制御するようにしてもよい。この場合、例えば、エッチング時間と線幅との関係については逆比例的な相関関係があることがわかっているので、このエッチング時間をフィードフォワードで制御することにより、所望の線幅を有するパターンを得ることができる。
【0093】
更に、上記実施形態では半導体ウェハを用いた場合について説明したが、これに限らず液晶ディスプレイ等に使用されるガラス基板についても本発明は適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板周囲の環境を考慮した、より精密な線幅制御及びレジスト膜厚制御を行うことができる。これにより、歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布現像処理装置の平面図である。
【図2】図1に示す塗布現像処理装置の正面図である。
【図3】図1に示す塗布現像処理装置の背面図である。
【図4】一実施形態に係る主ウェハ搬送装置を示す斜視図である。
【図5】図1に示す塗布現像処理装置の清浄空気の流れを説明するための正面図である。
【図6】一実施形態に係るレジスト塗布処理ユニットを示す平面図である。
【図7】図6に示すレジスト塗布処理ユニットを示す断面図である。
【図8】一実施形態に係る現像処理ユニットを示す断面図である。
【図9】一実施形態に係るプリベーキングユニット又はポストエクスポージャーベーキングユニットを示す平面図である。
【図10】図9に示すユニットの断面図である。
【図11】本発明に係る塗布現像処理装置を制御する制御系を示す構成図である
【図12】本発明に係る塗布現像処理装置の一連の処理工程を示すフロー図である。
【図13】線幅モデル及びその各パラメータを示す図である。
【図14】現像時間と線幅との相関関係を示す図である。
【図15】所望の線幅又は膜厚を得るために現像時間又は基板回転数を補正する場合のフロー図である。
【図16】膜厚モデル及びその各パラメータを示す図である。
【図17】ウェハの回転数と膜厚との関係を示す図である。
【図18】ポストエクスポージャーベーキングユニットにおける加熱温度と、線幅との関係を示す図である。
【図19】プリベーキングユニットにおける加熱温度と、膜厚との関係を示す図である。
【符号の説明】
W...半導体ウェハ
A1…第1の主ウェハ搬送装置
A2…第2の主ウェハ搬送装置
Sa,Sb,Sc,Sd…温度・気圧センサ
S1…気圧センサ
S2…カップ温度センサ
S3…湿度センサ
p,q,r…膜厚モデルの各パラメータ
x,y,z…線幅モデルの各パラメータ
1…塗布現像処理装置
8…集中制御部
28…線幅モデル格納部
29…膜厚モデル格納部
32…温度コントローラ
34…回転数コントローラ
35…制御部
61…センサ計測データ格納部
62…ウェハデータ格納部
63…プロセスレシピデータ格納部
64…線幅モデル格納部
65…膜厚モデル格納部
100...露光装置

Claims (3)

  1. 基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成処理部と、レジスト膜が形成された基板を現像する現像処理部と、基板に熱的処理を施す熱処理部と、前記現像処理前に露光処理を行う露光装置側に対して基板の受け渡しを行う受け渡し部と、少なくとも前記レジスト膜形成処理部、現像処理部及び熱処理部の間で基板の搬送を行う搬送機構とを有した所望のレジストパターンを形成するための基板処理装置において、
    前記熱処理部は、露光処理終了後現像処理前に第1の熱的処理を行う第1の熱処理部と、前記レジスト膜の形成後露光処理前に第2の熱的処理を行う第2の熱処理部とを含み、
    当該基板処理装置は、
    前記レジストパターンを形成する際に関与する複数のパラメータに基づき予め作成された関数モデルを格納する関数モデル格納部と、
    前記関数モデルのうちレジストパターンの線幅に関するモデル式
    線幅モデルCD[nm]=ax+by+cz+dw+h
    (a,b,c,d,hは定数、xは前記露光処理終了後から前記第1の熱的処理が開始されるまでの時間[s]、yは前記第2の熱的処理後の基板の待機時間[s]、zは当該基板処理装置内の温度[°C]、wは当該基板処理装置内の気圧[hPa])
    に基づき得られる前記線幅の値を予測し、前記現像処理条件のうちの、現像時間、現像液の濃度及び現像液の温度のうち少なくとも1つをフィードフォワード制御するフィードフォワード制御手段と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記関数モデルは、前記レジストの種類又は目標膜厚ごとに作成する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記線幅、レジスト膜厚、又はオーバーレイを検査する検査装置を更に具備し、
    前記搬送機構は、前記検査装置に対し基板の受け渡しが可能に設けられている
    ことを特徴とする基板処理装置。
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