JP2004214385A - 塗布膜形成装置及びその方法 - Google Patents

塗布膜形成装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004214385A
JP2004214385A JP2002381528A JP2002381528A JP2004214385A JP 2004214385 A JP2004214385 A JP 2004214385A JP 2002381528 A JP2002381528 A JP 2002381528A JP 2002381528 A JP2002381528 A JP 2002381528A JP 2004214385 A JP2004214385 A JP 2004214385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
line width
film thickness
substrate
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002381528A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Omura
和久 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2002381528A priority Critical patent/JP2004214385A/ja
Publication of JP2004214385A publication Critical patent/JP2004214385A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B12/00Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area
    • B05B12/08Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area responsive to condition of liquid or other fluent material to be discharged, of ambient medium or of target ; responsive to condition of spray devices or of supply means, e.g. pipes, pumps or their drive means
    • B05B12/084Arrangements for controlling delivery; Arrangements for controlling the spray area responsive to condition of liquid or other fluent material to be discharged, of ambient medium or of target ; responsive to condition of spray devices or of supply means, e.g. pipes, pumps or their drive means responsive to condition of liquid or other fluent material already sprayed on the target, e.g. coating thickness, weight or pattern

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】基板例えばウエハに対して塗布膜の形成が行われる塗布膜形成装置において、塗布膜の膜厚やパターン線幅を高い精度で制御すること。
【解決手段】ウエハに塗布液(レジスト液)を塗布するための塗布装置4Aと、露光が行われたウエハに現像液を液盛りして現像処理を行うための現像装置4Bとを含む塗布膜形成装置において、レジスト液の粘度を含む、前記レジスト膜の膜厚に関与する膜厚パラメータやレジスト膜のパターン線幅に関与する線幅パラメータに基づいて、膜厚関数モデルや線幅関数モデルにより予測膜厚や予測線幅を計算する。これら予測値と目標値との差を求め、これに基づいて塗布膜形成条件であるウエハの回転数や、現像処理条件であるウエハの現像時間を補正する。このため、実際の処理を行う前に回転数や現像時間の補正を行うことができ、塗布膜の膜厚やパターン線幅について精度の高い制御を行うことができる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハやLCD基板(液晶ディスプレイ用ガラス基板)等の基板上に、例えばレジスト液を塗布して露光した後、現像してレジストパターンを形成する塗布膜形成装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハ(以下ウエハというkm)などの基板にレジスト液を塗布し、フォトマスクを用いてそのレジスト膜を露光し、更に現像することによって所望のレジストパタ−ンを基板上に作製するフォトリソグラフィ技術が用いられている。
【0003】
このフォトリソグラフィは、従来から、図18の概略図に示すように、塗布現像装置1Aに露光装置1Bを接続したパターン形成システムによって行われる。このシステムでは、ウエハWは、キャリアステージ11に載置されたキャリアCから受け渡しアーム12により取り出され、処理部13の塗布ユニット15にてレジスト膜が形成される。その後ウエハWは露光装置1Bにて露光された後、処理部13に戻されて現像ユニット16にて現像処理され、受け渡しアーム12を介してキャリアCに戻される。なお塗布ユニット15の処理の前後や、現像ユニット16の処理の前後にはウエハに対して所定の加熱処理や冷却処理が行われ、これらの処理を行う加熱ユニットや冷却ユニットは棚ユニット17a,17bに設けられている。図中14は、各処理ユニットの間でウエハの搬送を行うための搬送手段、18は処理部13と露光装置1Bとの間でウエハの受け渡しを行うためのインターフェイス部であり、19は受け渡しアームである。
【0004】
ところで近年、レジストパターンの微細化がより一層進行しており、例えばレジスト膜厚やレジストパターンの線幅について影響を与えるパラメータについて精密な管理を行うことが要求されている。
【0005】
このようなパラメータの制御を行う構成としては、露光後のレジスト膜の露光部及び/又は非露光部の線幅を測定し、この測定値に基づいて現像液の温度や現像時間、レジスト塗布厚、露光装置の露光時間、露光焦点、現像前の基板の加熱温度や加熱時間等のパラメータをフィードフォワード制御する構成(例えば、特許文献1)や、レジスト膜厚の制御を行う場合、塗布ユニットが置かれた雰囲気の気圧や、温度、湿度を検出し、これら検出値に基づいて、レジスト液の粘性や、塗布時の基板の回転数の補正を行う構成(例えば、特許文献2)が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−275755号公報(第3,4頁、第13,14頁)
【特許文献2】
特開2001−144010号公報(第8−10頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらレジスト液の粘性はパターン形成システム内においてウエハ周囲の環境、例えばシステム内の温度、湿度、気圧などの変動に影響を受けやすく、このレジスト液の粘性の変化により、レジスト膜厚やレジストパターン線幅の処理状態も異なってくる。従ってレジストパターンの線幅の微細化がさらに進むと、特許文献1や特許文献2の制御を行っても、レジストパターン線幅の精密な制御を行うことが困難になると推察される。
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、塗布膜形成装置において、基板周囲の環境を詳細に分析し、より精密なレジスト膜厚やパターン線幅の制御を行うことができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る塗布膜形成装置は、処理容器内部において基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給することにより、前記基板表面に塗布膜を形成する塗布装置と、
塗布液の粘度を含む、前記塗布膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて予測膜厚を計算するための膜厚関数モデルを含み、この膜厚関数モデルにより求められた予測膜厚と目標膜厚との差を求め、これに基づいて前記塗布装置の塗布膜形成条件を補正する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
例えば前記塗布装置は処理容器内部にて基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給すると共に前記基板保持部を回転させてその遠心力により塗布液を広げて基板表面に塗布膜を形成するように構成され、前記塗布膜形成条件は前記塗布装置の基板保持部の回転数であって、前記制御部では前記予測膜厚と目標膜厚との差に基づいて前記回転数を補正するようにしてもよい。また前記膜厚関数モデルは前記複数の膜厚パラメータの関数であり、例えば前記膜厚関数モデルの膜厚パラメータは、塗布膜形成時における気圧と、前記処理容器内の温度と、前記処理容器内の湿度と、塗布液の粘度と、を含むものである。また前記膜厚関数モデルの膜厚パラメータは、塗布液の温度と、ノズルから基板に供給される塗布液の吐出速度と、をさらに含むようにしてもよい。
【0011】
このような塗布膜形成装置では、例えば塗布装置において基板に形成する塗布膜の目標膜厚及び塗布処理時の塗布膜形成条件を設定する工程と、
塗布液の粘度を含む、前記塗布膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて、膜厚関数モデルにより、基板に形成される塗布膜の予測膜厚を計算する工程と、
前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差を求め、これにより塗布装置における塗布膜形成条件を補正する工程と、を含むことを特徴とする塗布膜形成方法が実施される。ここで前記塗布膜形成条件は塗布装置の基板保持部の回転数であり、前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差に基づいて前記基板保持部の回転数を補正するようにしてもよい。また前記基板保持部の回転数を補正する工程は、前記基板保持部の回転数と塗布膜の膜厚との相関関係を求めておき、これに基づいて前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差から前記基板保持部の回転数の補正値を得るものであってもよい。
【0012】
このような発明では、予測膜厚と目標膜厚との差を求め、これに基づいて前記塗布装置にて目標膜厚を得ることができるように、実際の処理を行う前に、塗布膜形成条件を補正しているので、塗布膜の膜厚についてフィードフォワード制御を行うことができ、塗布膜の膜厚についてより精度の高い制御を行うことができる。
【0013】
また他の発明では、処理容器内部において基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給することにより、前記基板表面に塗布膜を形成する塗布装置と、
塗布液が塗布され、露光が行われた基板の表面に現像液を液盛りし、所定時間現像液を液盛りしたままの状態にすることにより当該基板表面を現像し、所定のパターンを形成する現像装置と、
塗布液の粘度を含む、前記塗布膜のパターン線幅に関与する複数の線幅パラメータに基づいて予測線幅を計算するための線幅関数モデルを含み、この線幅関数モデルにより求められた予測線幅と目標線幅との差を求め、これに基づいて前記現像装置の現像処理条件を補正する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
ここで前記現像処理条件は前記現像装置における基板の現像時間であり、制御部では前記予測線幅と目標線幅との差に基づいて前記現像時間を補正するようにしてもよい。また前記線幅関数モデルは前記複数の線幅パラメータの関数である。さらに前記塗布膜形成装置は、前記塗布装置における塗布膜の形成後に、基板に対して第1の加熱処理を行う第1の加熱装置と、前記露光処理後の基板に対して、現像装置にて基板を処理する前に、第2の加熱処理を行う第2の加熱装置と、前記第1の加熱装置及び第2の加熱装置に対して基板の受け渡しを行う搬送機構と、をさらに備え、前記線幅関数モデルの線幅パラメータは、塗布膜形成装置内の温度と、塗布膜形成装置内の気圧と、第1の加熱処理が終わってからこの第1の加熱装置から搬送機構により基板が取り出されるまでの時間と、露光処理が終わってから前記第2の加熱装置にて第2の加熱処理が開始されるまでの時間と、を含むものであってもよい。
【0015】
この際、塗布膜形成装置に、例えば前記塗布液を貯留するための塗布液タンクと、この塗布液タンク内の塗布液をノズルに供給する塗布液供給路と、塗布液タンク内又は塗布液供給路内の塗布液の粘度を測定する粘度測定部と、を備え、膜厚パラメータ及び線幅パラメータの一つである塗布液の粘度は前記粘度測定部で測定された粘度測定値であってもよい。
【0016】
このような塗布膜形成装置では、現像装置において基板に形成する塗布膜の目標線幅及び現像処理時の現像処理条件を設定する工程と、
塗布液の粘度を含む、前記塗布膜のパターン線幅の形成に関与する複数の線幅パラメータに基づいて、線幅関数モデルにより、基板に形成される塗布膜の予測線幅を計算する工程と、
前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差を求め、これにより前記現像装置における現像処理条件を補正する工程と、を含むことを特徴とする塗布膜形成方法が実施される。また前記現像処理条件は、前記現像装置における基板の現像時間であり、前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差に基づいて、前記現像時間を補正するものであってもよい。また前記基板の現像時間を補正する工程は、前記現像時間と塗布膜のパターン線幅との相関関係を求めておき、これに基づいて前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差から前記基板の現像時間の補正値を得るものであってもよい。
【0017】
このような発明では、予測線幅と目標線幅との差を求め、これに基づいて前記塗布装置にて目標線幅を得ることができるように、実際の処理を行う前に現像処理条件を補正しているので、塗布膜のパターン線幅についてフィードフォワード制御を行うことができ、前記パターン線幅についてより精度の高い制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗布膜形成装置ついて説明する。図1は本発明の実施の形態である塗布、現像装置を露光装置に接続してなる塗布膜形成装置を示す平面図であり、図2は同斜視図である。図中B1は被処理体であるウエハWが例えば13枚密閉収納されたキャリアCを搬入出するためのキャリア載置部であり、キャリアCを複数個載置可能な載置台21と、この載置台21から見て前方の壁面に設けられる開閉部22と、開閉部22を介してキャリアCからウエハWを取り出すための受け渡し手段A1とが設けられている。
【0019】
キャリア載置部B1の奥側には筐体23にて周囲を囲まれる処理ブロックB2が接続されており、この処理ブロックB2には手前側から順に加熱・冷却系のユニットを多段化した3個の棚ユニットU1,U2,U3と、後述するその他の各種ユニットを含む各ユニット間のウエハWの受け渡しを行うための、進退及び昇降自在且つ鉛直軸回りに回転自在なメイン搬送機構A2,A3とが交互に配列して設けられている。即ち、棚ユニットU1,U2,U3及びメイン搬送機構A2,A3はキャリア載置部B1側から見て前後一列に配列されており、各々の接続部位には図示しないウエハ搬送用の開口部が形成されていて、ウエハWは処理ブロックB2内を一端側の棚ユニットU1から他端側の棚ユニットU3まで自由に移動できるようになっている。
【0020】
またメイン搬送機構A2,A3は、キャリア載置部B1から見て前後方向に配置される棚ユニットU1,U2,U3側の一面部と、右側の液処理ユニットU4,U5側の一面部と、左側の一面をなす背面部とで構成される区画壁24により囲まれる空間内に置かれている。またメイン搬送機構A3の左側(メイン搬送機構A3を挟んで液処理ユニットU5と対向する位置)には、図3に示すように、ウエハに塗布されたレジストの膜厚を検査するための膜厚検査装置25と、レジストパターンの線幅を検査する線幅検査装置26とが上下に配置されており、上記の各ユニット同様に図示しない開口部を介してメイン搬送機構A3がその内部にアクセスできるようになっている。図中27a,27bは各ユニットで用いられる処理液の温度調節装置や温湿度調節用のダクト等を備えた温湿度調節ユニットである。
【0021】
さらにまた処理ブロックB1には、当該処理ブロックB1内の温度及び気圧を測定するための例えば4個の温度・気圧センサS(S1〜S4)が取り付けられており、例えばこれら温度・気圧センサS1〜S4による測定結果の平均値を採ることにより、より高精度な温度及び気圧の管理を行うことができるようになっている。
【0022】
前記メイン搬送機構A2,A3は、昇降自在、進退自在及び鉛直軸まわりに回転自在に構成され、棚ユニットU1,U2,U3及び液処理ユニットU4,U5の間でウエハWを搬送する役割を持っている。但し図2では便宜上受け渡し手段A1は描いていない。
【0023】
液処理ユニットU4,U5は、例えば図2に示すように塗布液(レジスト液)や現像液といった薬液供給用のスペースをなす収納部28の上に、例えば塗布装置4A(COT)及び現像装置4B(DEV)、反射防止膜形成装置(BARC)を複数段例えば5段に積層した構成とされている。また既述の棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行われる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされている。
【0024】
上述の前処理及び後処理を行うための各種ユニットの中には、例えば図3に示すように、レジスト液の塗布前にウエハWに所定の加熱処理を行うためのベークユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(BAKE)、ウエハWをレジスト液の塗布後に所定温度に調整するための温調ユニットである冷却ユニット(CPL1)、レジスト液の塗布後にウエハの加熱処理を行うためのプリベーキングユニットなどと呼ばれている第1の加熱装置をなす加熱ユニット(PAB)、露光前にウエハを所定温度に調整するための高精度温調ユニットである冷却ユニット(CPL2)、露光後のウエハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニットなどと呼ばれている第2の加熱装置をなす加熱ユニット(PEB)、現像処理後のウエハWを加熱処理するポストベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(POST)、現像処理後のウエハを所定温度に調整するための高精度温調ユニットである冷却ユニット(CPL3)が含まれている。
【0025】
図3はこれらユニットのレイアウトの一例を示しているが、これに限られるものではない。また棚ユニットU1及びU3は例えば図3に示すようにウエハWの受け渡しを行うための受け渡し台を有する受け渡しユニット(TRS1),(TRS2)を夫々備えている。前記加熱ユニット(BAKE),(PAB),(PEB),(POST)はいずれも加熱プレートを備え、棚ユニットU1に設けられた加熱ユニット(BAKE)はメイン搬送機構A2より、棚ユニットU3に設けられた加熱ユニット(PEB)はメイン搬送機構A3より、棚ユニットU2に設けられた加熱ユニット(PAB,POST)はメイン搬送機構A2、A3の双方から、夫々アクセスできるように構成されている。
【0026】
処理ブロックB2における第3の棚ユニットU3の奥側には、例えば第1の搬送室3A及び第2の搬送室3Bからなるインターフェイス部B3を介して露光部B4が接続されている。インターフェイス部B3の内部には処理ブロックB2と露光部B4との間でウエハWの受け渡しを行うための2つの受け渡し手段A4,A5の他、複数例えば25枚のウエハWを一時的に収容するバッファカセット(SBU)や、ウエハWのエッジ部のみを選択的に露光するための周縁露光装置(WEE)、例えば冷却プレートを備えた高精度温調ユニット(CPL)等を備えた棚ユニットU6と、前記受け渡し手段A4,A5同士の間でウエハの受け渡しを行うための受け渡しユニット(TRS3)31とが設けられている。
【0027】
このような液処理ユニットU4,U5の近傍には、これら液処理ユニットU4,U5に供給される処理液の温度調整を行うための液温調ポンプ(図示せず)と、この塗布・現像装置の外部に設けられた図示しない空調器からの清浄な空気を液処理ユニットや棚ユニットの内部に供給するためのダクト(図示せず)が、夫々設けられている。
【0028】
ここで上述の装置におけるウエハWの流れについて図4を参照して述べておく。先ず外部からウエハWが収納されたカセットCが載置台21に載置されると、開閉部22と共にカセットCの蓋体が外されて受け渡し手段A1によりウエハWが取り出される。次いでウエハWは第1の棚ユニットU1の一段をなす受け渡しユニット(TRS1)を介してメイン搬送機構A2へと受け渡され、棚ユニットU1〜U3内の一の棚にて、塗布処理の前処理として例えば反射防止膜形成装置にて、ウエハ表面に露光時の光の反射を防止するための膜である反射防止膜の形成が行われる(ステップS1)。次にウエハWは、加熱ユニット(BAKE)にて例えば120℃にて所定の加熱処理が行われ(ステップS2)、冷却ユニット(CPL1)にて所定の冷却処理が行われた後(ステップS3)、塗布装置4A(COT)にて設定された回転数によりレジスト液が塗布され、所定のレジスト膜が形成される(ステップS4)。
【0029】
ウエハW表面にレジスト膜が形成されると、次いでウエハWは棚ユニットU1〜U3の一の棚をなす加熱ユニット(PAB)にて例えば100℃前後の温度で所定の第1の加熱処理が行われ(ステップS5)、この後ウエハWは、冷却ユニット(CPL2)で所定の温度で冷却処理される(ステップS6)。
【0030】
そしてウエハWは、第2の受け渡しユニットTRS2を介してインターフェイス部B3に受け渡され、ここで例えば周縁露光装置(WEE)→高精度温調ユニット(CPL)に順次搬送された後、受け渡しユニット(TRS3)31を介して露光装置B4に受け渡され、ここで所定の露光処理が行われる(ステップS7)。
【0031】
露光処理後のウエハWはインターフェイス部B3を介して例えば受け渡し手段A4により処理ブロックB2の第2の加熱ユニット(PEB)に搬送され、ここでプリベーキングユニットにおける動作と同一の動作より、所定の第2の加熱処理及び温調処理が行われる(ステップS8)。次にウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送されて所定の現像処理が行われ(ステップS9)、続いてウエハWはメイン搬送機構A3により取り出される。
【0032】
この後ウエハWはメイン搬送機構A2、A3により加熱ユニット(POST)に搬送されて所定の加熱処理が行われ(ステップS10)、次いで冷却ユニット(CPL3)にて所定の温度に調整される(ステップS11)。この後ウエハWは、第1の棚ユニットU1の受け渡しユニットTRS1を介してキャリア載置部B1における例えば元のキャリアCに戻される。
【0033】
続いて前記塗布装置(COT)4Aの一例について図5を参照しながら説明すると、ウエハの搬出入口40aを備えた処理容器40の内部には、基板保持部であるスピンチャック41が設けられており、ウエハWはこのスピンチャック41により真空吸着により略水平に保持されるように構成されている。前記スピンチャック41はモータ及び昇降部を含む駆動部42により鉛直軸まわりに回転でき、且つ昇降できるようになっている。またスピンチャック41の周囲にはウエハWからスピンチャック41に跨る側方部分を囲い、且つ下方側全周に亘って凹部が形成された液受けカップ43が設けられ、当該液受けカップ43の底面には排気管44a及びドレイン管44bが接続されている。
【0034】
液受けカップ43の上方側には、例えばウエハWのほぼ回転中心位置に塗布液であるレジスト液を供給するためのノズルである供給ノズル45が設けられており、このノズル45はバルブV1,温度調整部45a、流量調整部45bを備えた塗布液供給路45cを介して、例えばケミカル室28に配置され、レジスト液を貯留するための塗布液タンクT1に接続されている。前記供給ノズル45はウエハWの中央部上方と前記液受けカップ43の外側との間で移動できるように構成されている。
【0035】
前記塗布液タンクT1について説明すると、タンクT1内には塗布液供給路45cが、先端が塗布液であるレジスト液に突入されるように設けられており、塗布液供給路45cの途中には、レジスト液の粘度を測定するための粘度測定部である粘度計46が、例えば前記塗布液供給路45cの内部を通流するレジスト液の粘度を測定できるように設けられている。この粘度計46は塗布液タンクT1内のレジスト液の粘度を測定するように設けてもよい。
【0036】
前記粘度計46としては、細管式動粘度計や、超音波式粘度計、回転式粘度計、振動式粘度計等、種々の構成を用いることができ、例えば粘度計46のプローブ46aが塗布液供給路45c内に露出し、当該供給路45b内を通流するレジスト液と接触するように設けられている。前記粘度計46により塗布液タンクT1内のレジスト液の粘度が常時検出されており、検出データは後述する制御部7に出力されている。
【0037】
また塗布装置4Aには、処理容器40内の気圧A[hPa]を計側する気圧センサSaと、処理容器40内の湿度B[%]を計側する湿度センサSbと、処理容器40内部例えば液受けカップ43の温度C[℃]を計測するカップ温度センサScとが設けられている。これらセンサでは夫々のデータが常時検出されており、検出データは後述する制御部7に出力されている。
【0038】
このような塗布装置4Aでは、塗布液タンクT1から塗布液供給路45cを介して供給ノズル45にレジスト液供給し、スピンチャック41上のウエハWの表面に供給ノズル45からレジスト液を滴下すると共に、予め設定された回転数でスピンチャック41を回転させると、レジスト液はその遠心力によりウエハWの径方向に広がってウエハW表面にレジスト液の液膜が形成され、振り切られた分は液受けカップ43へと流れ落ちるようになっている。この際、スピンチャック41の駆動部42、温度調整部45a、流量調整部45b、バルブV1の動作は後述の制御部7によりコントローラCT1を介して制御される。これによりウエハの回転数が制御部7を介して制御されるようになっている。
【0039】
また現像装置4Bの一例について図6を参照しながら説明するが、現像装置4Bは上記塗布装置4Aと類似の構成を有しているので、図6において、塗布装置4Aと同一の構成については同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
【0040】
供給ノズル47は例えばウエハWの直径方向に配列された多数の供給孔を備えており、このノズル47にはバルブV2,温度調整部47aを介して現像液供給路47bにより、現像液を貯留するための現像液タンクT2が接続されている。図中48はウエハWの表面に洗浄液を供給するための洗浄液ノズルであり、このノズル48はバルブV3を介して供給路48aにより洗浄液を貯留するための洗浄液タンクT3と接続されている。これらノズル47,48はウエハWの中央部上方と前記液受けカップ43の外側との間で移動できるように構成されている。
【0041】
このように構成された現像装置4Bにおいては、前記メイン搬送機構A2、A3によりウエハWが搬入されてスピンチャック41に受け渡される。そしてバルブV2を開いてノズル47からウエハWの中央部に、所定の温度に調整された現像液を供給すると共に、予め設定された回転数及び加速度でスピンチャック41を半回転させることにより、ウエハW上に現像液が液盛りされる。
【0042】
こうしてウエハW上に現像液を所定時間液盛りしたままの状態にして現像を行った後、バルブV3を開いて洗浄ノズル48によりウエハW上に洗浄液を供給して、現像液を洗い流すようにしている。ここで現像時間とはウエハW表面に現像液が液盛りされている時間をいい、この例ではウエハWの洗浄のタイミングにより現像時間の制御が行われる。この際駆動部42やバルブV2,V3、温度調整部47aの動作は後述の制御部7によりコントローラCT2を介して制御されるようになっている。
【0043】
図7及び図8は、第1の加熱装置であるプリベーキングユニット(PAB)、第2の加熱装置であるポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)の平面図及び断面図である。これら各ベーキングユニットは処理温度が相違するだけである。
【0044】
図中51は筐体であり、この筐体51の内部にはステージ52が設けられ、このステージ52の正面側(図中右側)には、ファン53を介して連通する通気室54が設けられている。通気室54は例えば棚ユニット内を上下に貫通し、図示しない温調用エアーの供給部と接続する構成とされている。筐体51における左右の側壁55のうち、ステージ52を挟む部分には、前方側にウエハWの搬入出を行うための開口部50(50a,50b)が形成され、背面側には冷媒流路56、通気口57が上下に貫通して形成されている。開口部50(50a,50b)はシャッタ58により開閉自在とされており、棚ユニットU3に設けられた加熱ユニット(PEB)では、メイン搬送機構A3と受け渡し手段A4とから筐体51内にアクセスされ、棚ユニットU2に設けられた加熱ユニット(PAB)では、メイン搬送機構A2,A3から筐体51内にアクセスできるようになっている。また通気口57はファン59を介して筐体51内と連通する構成とされている。
【0045】
ステージ52の上面には、その前方側に冷却プレート61が、後方側にヒータ62aを備えた加熱プレート62が夫々設けられている。図中62bはヒータ62aへの電力供給部であり、制御部7によりコントローラCT3を介して電力供給部62bからヒータ62aへの電力供給量が制御され、こうして加熱プレート62の温度が制御されるようになっている。
【0046】
冷却プレート61は、筐体41内に開口部50(50a,50b)を介して進入してくるメイン搬送機構A2,A3または受け渡し手段A4と、加熱プレート62との間でウエハWの受け渡しを行うと共に、搬送時においては加熱されたウエハWを粗冷却する(粗熱取りを行う)役割を有するものである。このため図7に示すように脚部61aが、ステージ52に設けられるガイド手段61b(図6参照)に沿ってY方向に進退可能に構成されており、これにより冷却プレート61が開口部50(50a,50b)の側方位置から加熱プレート62の上方位置まで移動できるようになっている。また冷却プレート61の裏面側には、例えば温度調節水を流すための図示しない冷却流路が設けられている。
【0047】
ステージ52におけるメイン搬送機構A2,A3または受け渡し手段A4と冷却プレート61とのウエハWの受け渡し位置、及び加熱プレート62と冷却プレート61とのウエハWの受け渡し位置の夫々には、孔部63を介して突没するように支持ピン64が3本ずつ設けられており、冷却プレート61には、これら支持ピン64が上昇したときに当該冷却プレート61を突き抜けてウエハWを持ち上げることができるようにスリット65が形成されている。
【0048】
このような加熱ユニットでは、ウエハWはメイン搬送機構A2,A3から冷却プレート61上に受け渡され、次いで冷却プレート61により加熱プレート62上に受け渡され、ここで所定の加熱処理が行われる。加熱処理後のウエハは、加熱プレート62から再び冷却プレート61に受け取られ、ここで粗冷却された後、メイン搬送機構A2,A3,受け渡し手段A4に受け取られて、次工程に搬送される。
【0049】
また加熱ユニットの内、ベークユニット(BAKE)やポストベーキングユニット(POST)は、図示しないが、例えばウエハWを載置させ、ウエハに対し、所定温度で加熱処理を施す加熱プレートを有している。さらに冷却ユニット(CPL)は、図示しないが、例えばウエハWを載置させ、各加熱処理が施されたウエハに対し、23℃前後で冷却処理を施す冷却板を有している。冷却機構としては、ペルチェ素子を用いている。
【0050】
ところで上記の塗布膜形成装置は、各処理ユニットやメイン搬送機構A2,A3等の搬送機構の駆動制御やその他各処理ユニットの制御を行う制御部7を備えている。図9はこの制御部7の構成を示すものであり、実際にはCPU(中央処理ユニット)、プログラム及びメモリなどにより構成されるが、ここでは構成要素の一部をブロック化して説明するものとする。
【0051】
また制御部7は本装置における各ユニット毎の処理や処理の手順等を記録したレシピの管理を行うものであるが、本発明は、後述する予測膜厚と目標膜厚との差に基づいて塗布膜形成条件を補正してレジスト膜厚のフィードフォワード制御を行ったり、後述する予測線幅と目標線幅との差に基づいて現像処理条件を補正してパターン線幅のフィードフォワード制御を行うものであるため、この部位に重点をおいて説明を行うものとする。ここでは、塗布膜形成条件として塗布装置4Aのウエハの回転数を補正する場合、現像処理条件として現像装置4Bのウエハの現像時間を補正する場合を例にして説明する。
【0052】
図9中70はバスであり、このバス70にレシピ格納部71、レシピ選択部72、各センサからの計測データ格納部73、ウエハデータ格納部74、膜厚モデル格納部75、線幅モデル格納部76、回転数−膜厚モデル格納部77、現像時間−線幅モデル格納部78、塗布装置4AのコントローラCT1、現像装置4BのコントローラCT2、加熱ユニット5のコントローラCT3、搬送系、各温度・気圧センサS1〜S4、気圧センサSa、湿度センサSb、温度センサSc、粘度計46、が夫々接続されている。
【0053】
レシピ格納部71は例えばウエハWの搬送経路が記録されている搬送レシピや、ウエハWに対して行う処理条件、目標膜厚や目標線幅などが記録された複数のレシピが格納される部位である。レシピ選択部72はレシピ格納部71に格納されたレシピから適当なものを選択する部位であり、例えばウエハの処理枚数やレジストの種類などの入力もできるようになっている。
【0054】
計測データ格納部73は、温度・気圧センサS1〜S4、気圧センサSa、湿度センサSb、温度センサSc、粘度計46からの計測結果を記憶する。ウエハデータ格納部74は、例えばウエハ1枚毎に付与された識別子を記憶し、これらウエハが塗布膜形成装置内においていずれのユニットにあるか、またどのような処理がどれだけの時間で行われたかをウエハごとに記憶する。この識別子は、例えばウエハキャリアCに多段に収容されたウエハ順、例えばキャリアC内の上から順に付すようにすることができる。
【0055】
ここでレジスト膜厚やパターン線幅は、レシピに従った処理条件で処理を行った場合であっても目標としている膜厚や線幅と異なることがある。これはレジスト膜厚やパターン線幅が、処理時の気圧や温度、湿度等の環境要因により影響を受け、これにより目標値が得られない場合があるからである。そこで本実施の形態では、レシピに従った処理条件と前記レジスト膜厚やパターン線幅への環境要因の影響とを考慮して予測膜厚と予測線幅を計算している。ここで予測膜厚は、そのときの環境条件においてレシピの処理条件にて塗布処理を行ったときに、得られるであろうレジスト膜厚であり、予測線幅はそのときの環境条件においてレシピの処理条件にて現像処理を行ったときに、得られるであろうパターン線幅をいう。
【0056】
前記膜厚モデル格納部75は、レジスト膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて、前記予測膜厚を計算するための膜厚関数モデルを記憶している。この膜厚関数モデルは複数の膜厚パラメータの関数であり、所望のレジスト膜厚を得るために収集された複数のデータを数式にしたものである。膜厚パラメータとしては、レシピの処理条件に従って処理を行った場合であってもレジスト膜の膜厚に影響を与える要因が選択され、この例では、「塗布装置4Aの処理容器40内の気圧A[hPa]」、「前記処理容器40内の湿度B[%]」と、「処理容器40内例えば液受けカップ43の温度C[℃]」と、「レジスト液の粘度D[mPa・s]」とが膜厚パラメータとして設定されている。
【0057】
つまり塗布処理時の気圧や温度、湿度、レジスト液の粘度が異なると、ウエハ表面に供給されたレジスト液の広がり方が異なり、結果としてレジスト膜厚に影響を与えるからである。またレジスト液の粘度自体、塗布処理時の気圧や温度、湿度により変化してしまうので、膜厚パラメータとして加えることにより、より精密な膜厚の制御を行うことができる。
【0058】
例えば膜厚関数モデルは、上述の膜厚パラメータの関数式により表され、例えば次式の通りである。
【0059】
膜厚関数モデル=a1・A+a2・B+a3・C+a4・D+a5(a1,a2,a3,a4,a5は定数)…(1)
ここで前記定数は、レジスト液の粘度やレジスト液の濃度などのレジスト種類によって異なり、予め実験より求められるものである。従って膜厚関数モデルは、レジスト液の塗布処理のレシピ毎に用意される。一例として膜厚4000オングストロームを得るための膜厚関数モデルは、次式の通りである。
【0060】
膜厚関数モデル=−0.62A−8.20B+232.49C+1500D−18357.97…(2)
この(2)式に、各膜厚パラメータの条件、A:1000hPa、B:45%、C:23℃、D:12cp(mPa・s)を入れると、膜厚関数モデルは4000.3オングストロームとなり、約4000オングストロームの膜厚を得ることができる。
【0061】
線幅モデル格納部76は、レジストパターンの線幅に関与する複数の線幅パラメータに基づいて、前記予測線幅を計算するための線幅関数モデルを記憶している。この線幅関数モデルは複数の線幅パラメータの関数であり、所望のパターン線幅を得るために収集された複数のデータを数式にしたものである。線幅パラメータとしては、レシピの処理条件に従って処理を行った場合であってもパターン線幅に影響を与える要因が選択され、この例では、「第1の加熱装置(PAB)における加熱処理終了後、搬送機構がウエハを取り出すまでのウエハの待機時間X[sec]」、「露光処理終了後から第2の加熱装置(PEB)における加熱処理が開始されるまでの時間Y[sec]」、「塗布現像装置内の温度Z[℃]」、「塗布現像装置内の気圧P[hPa)」、「レジスト液の粘度D[mPa・s]」とが線幅パラメータとして設定されている。ここで時間X,Yは、本実施の形態に係る装置の枚葉処理の下においてはウエハW毎に異なる値になるため、夫々識別子が付されたウエハごとにウエハデータ格納部74に逐次記憶される。
【0062】
上述の線幅パラメータを選択したのは、現像処理時の気圧や温度、時間X,Yや、レジスト液の粘度が異なると、現像処理の進行の程度が異なり、結果としてパターン線幅に影響を与えるからである。この際既述のようにレジスト液の粘度は、処理時の気圧や温度、湿度により変化してしまうので、線幅パラメータとして加えることにより、より精密な線幅の制御を行うことができる。
【0063】
例えば線幅関数モデルは、上述の線幅パラメータの関数式により表され、例えば次式の通りである。
【0064】
線幅関数モデル[nm]=b1・X+b2・Y+b3・Z+b4・P+b5・D+b6(b1,b2,b3,b4,b5,b6は定数)…(3)
ここで前記定数は、レジスト液の粘度やレジスト液の濃度などのレジスト種類によって異なり、予め実験より求められるものである。従って線幅関数モデルは、レジスト液の塗布処理のレシピ毎に用意され、一例をあげると、線幅150mmを得る場合、次式の通りである。
【0065】
線幅関数モデル[nm]=0.03X+0.02Y+0.54Z+0.65P+150D−2266.608…(4)
回転数−膜厚モデル格納部77は、レジスト膜形成時におけるウエハの回転数とレジスト膜厚との相関関係を例えば数式にして記憶している。つまりレジスト膜形成時におけるウエハの回転数とレジスト膜厚との間には相関関係があり、例えば図10に示すように、回転数が大きいほど膜厚が小さくなるような関係にある。また膜厚モデル格納部75にて求められた予測膜厚と、目標膜厚との差を求め、この差に相当する回転数を前記数式に基づいて計算し、回転数の補正量を算出する機能を有する。
【0066】
つまり図12(a)に示すように、例えば目標膜厚をT(このときの回転数R)、予測膜厚をT0(このときの回転数R0)とし、目標膜厚Tよりも予測膜厚T0が大きい場合には、回転数を(R−R0)分大きくする補正を行うことにより、目標膜厚Tになるまで膜厚を薄くする制御を行う。また図12(b)に示すように、目標膜厚Tよりも予測膜厚T0が小さい場合には、回転数を(R0−R)分小さくする補正を行うことにより、目標膜厚Tになるまで膜厚を厚くする制御を行う。
【0067】
現像時間−線幅モデル格納部77は、現像時間とパターンの線幅との相関関係を例えば数式にして記憶している。そして線幅モデル格納部76にて求められた予測線幅と目標線幅との差を求め、この差に相当する現像時間を前記数式に基づいて計算し、補正現像時間を算出する機能を有する。
【0068】
つまり現像時間とパターンの線幅との間には、図11に示す相関関係があり、現像時間が長くなるほど線幅が小さくなるような逆比例関係にある。従って図13(a)に示すように、例えば目標線幅をW(このときの現像時間t)、予測線幅をW0(このときの現像時間t0)とし、目標線幅Wよりも予測線幅W0が大きい場合には、現像時間を(t−t0)分長くする補正を行うことにより、目標線幅Wになるまで線幅を小さくする制御を行う。また図13(b)に示すように、目標線幅Wよりも予測線幅W0が小さい場合には、現像時間を(t0−t)分短くする補正を行うことにより、目標線幅Wになるまで線幅を大きくする制御を行う。
【0069】
次に上述した装置によりウエハW上にレジストパターンを形成する場合を例に、本実施の形態の作用説明を行う。先ず塗布装置4AにおけるウエハWの回転数を補正する場合を例にして図14により説明するが、ウエハWに対する処理を開始するのに先立ち、オペレータがレシピの選択を行う(ステップS1)。レシピを選択すると、選択されたレシピに基づいて目標膜厚Tが決定され、この目標膜厚Tに対応して塗布装置4Aのスピンチャック41の回転数の設定値が決定される(ステップS2)。
【0070】
一方制御部7では選択されたレシピに基づいて対応する膜厚関数モデルが選択される。ここで塗布装置4Aでは、気圧センサSa、湿度センサSb、温度センサSc、粘度計46により、処理容器40内の気圧A[hPa]、処理容器40内の湿度B[%]、処理容器40内の温度C[℃]、レジスト液の粘度D[mPa・s]が常時検出されて制御部7に出力されている。これにより膜厚モデル格納部75では前記センサからの検出値に基づいて膜厚関数モデルにより予測膜厚T0が計算される(ステップS3)。この予測膜厚T0とは、上述の処理条件で実際に得られるであろう膜厚である。つまりこの例では実際にウエハに対して塗布処理が行われる前に、上述の処理条件で得られる膜厚が予測される。
【0071】
そして回転数−膜厚モデル格納部77により、この予測膜厚T0と目標膜厚Tの差を算出し、この差に基づいて塗布装置4Aにおけるウエハの回転数の補正量を求める(ステップS4)。制御部7では求められた補正量を塗布装置4AのコントローラCT1に出力して塗布装置4Aではスピンチャック41の回転数の補正が行われ(ステップS5)、以降はこの補正された回転数によりレジスト液の塗布処理が行われる。
【0072】
続いて現像装置4Bにおける現像時間を補正する場合を例にして図15により説明する。先ずオペレータがレシピの選択を行うと(ステップS1)、選択されたレシピに基づいて目標線幅Wが決定され、この目標線幅Wに対応して現像装置4Bの現像時間の設定値が決定される(ステップS2)。
【0073】
一方制御部7では選択されたレシピに基づいて対応する線幅関数モデルが選択される。ここで塗布膜形成装置では、「第1の加熱装置(PAB)における加熱処理終了後、搬送機構がウエハを取り出すまでのウエハの待機時間X」、「露光処理終了後から第2の加熱装置(PEB)における加熱処理が開始されるまでの時間Y」、「塗布現像装置内の温度Z(℃)」、「塗布現像装置内の気圧P(hPa)」、「レジスト液の粘度D」の夫々が常時検出されて制御部7に出力される。
【0074】
これにより線幅モデル格納部76では前記センサからの検出値に基づいて線幅関数モデルにより予測線幅W0が計算される(ステップS3)。この予測線幅W0とは、上述の処理条件で実際に得られるであろう線幅であり、つまりこの例では実際にウエハに対して現像処理が行われる前に、上述の処理条件で得られる線幅を予測することができる。
【0075】
そして現像時間−線幅モデル格納部77により、この予測線幅W0と目標線幅Wの差を算出し、この差に基づいて既述のように現像装置4Bにおける現像時間の補正量を求める(ステップS4)。制御部7では求められた補正量を現像装置4BのコントローラCT2に出力し、これにより現像装置4Bでは現像時間の補正が行われ(ステップS5)、以降はこの補正された現像時間によりウエハの現像処理が行われる。
【0076】
つまりこれら回転数や現像時間の補正作業は、実際にウエハに対して塗布処理や現像処理を行う前に、上述の処理条件で得られるレジスト膜厚やパターン線幅を予測し、この予測された値と目標値とを比較して、前記回転数等の塗布膜形成条件や現像時間等の現像処理条件の補正量を求めることにより、レジスト膜厚やパターン線幅のフィードフォワード制御を行うものである。
【0077】
このような構成では、レジスト膜厚やパターン線幅に影響を与える要素を膜厚パラメータや線幅パラメータに設定し、これらパラメータに基づく膜厚関数モデルや線幅関数モデルを作成しているので、正確な「予測膜厚」、「予測線幅」を求めることができる。従って膜厚と塗布膜形成条件との関係式や、線幅と現像処理条件との関係式を求めることにより、これら関係式から、前記予測した値と目標値との差に基づいて、前記塗布膜形成条件や現像処理条件の補正量を精度よく算出することができる。このため実際の処理を行う前に、目標膜厚や目標線幅を確保するために処理条件が制御されるので、これにより実際の処理では、確実に目標膜厚や目標線幅を確保することができ、レジスト膜厚やパターン線幅の精密なフィードフォワード制御を行うことができ、パターンの微細化の要求に対応した精度の高い制御を行うことが可能となる。またこれによりスループットの向上を図ることができる。
【0078】
また上述の例では、膜厚パラメータや線幅パラメータを常時検出し、これらパラメータに基づいて膜厚モデルや線幅モデルを計算しているため、リアルタイムの情報に基づいて回転数や現像時間の補正が行われ、より精度の高い制御を行うことができる。
【0079】
さらに膜厚パラメータの一つのレジスト液の粘度は、粘度が小さくなるとレジスト液が広がりやすくなり、粘度が大きくなるとレジスト液が広がりにくくなることから、レジスト膜厚に大きな影響を与えるパラメータである。通常、レジスト液はレジスト液製造メーカーからの購入品であり、メーカー側において調整した各レジスト液の粘度が示してある。しかしながらこの表示通りの粘度では正確な膜厚の制御が困難である。これはレジスト液の粘度は処理容器40内の気圧や湿度、温度の変化により影響を受けやすいからである。従って膜厚パラメータとして、処理容器40内の気圧や湿度、温度と共にレジスト液の粘度を含めると、回転数のより正確な補正が行われ、より精度の高い制御を行うことができる。
【0080】
さらにまた線幅パラメータとしてもレジスト液の粘度が含まれているが、レジスト膜厚の精度がパターン線幅に影響を与えることから、塗布膜形成装置内の気圧や温度と共にレジスト液の粘度を線幅パラメータとして設定すると、現像時間についてより精度の高い制御を行うことができる。
【0081】
上述の実施の形態では、レジスト液の粘度は粘度計46により常時検出されるようにしたが、例えばオペレータが所定のタイミングでレジスト液の粘度を測定し、この測定値を制御部7に入力して、塗布膜形成条件や現像処理条件の補正量を求めるようにしてもよい。
【0082】
続いて上述のレジスト膜厚やパターン線幅のフィードフォワード制御にフィードバック制御を組み合わせた例について説明する。このフィードバック制御はレジスト膜厚やパターン線幅の確認のために行うものであり、例えば製品ウエハを一定枚数処理するごとにレジスト膜厚やパターン線幅を測定し、その測定データに基づいて行われる。
【0083】
先ずレジスト膜厚については、検査対象となるウエハWは、例えば冷却ユニット(CPL2)で所定の冷却処理が行われた後、メイン搬送機構A3により膜厚検査装置25へ搬送され、ここでレジスト膜厚が測定される。この測定結果は制御部7に出力され、ここで膜厚に異常があるか否かが判断される。異常がない場合には処理が続行され、異常がある場合であって塗布膜形成条件の補正により目標膜厚が確保される場合には、前記条件の補正量が決定され、以降は補正された条件で処理が行われる。また異常がある場合であって塗布膜形成条件の補正を行っても目標膜厚が確保できない場合には、例えばアラームを出力し、処理を停止する。
【0084】
パターン線幅については、検査対象となるウエハWは、例えば現像装置4Bにて所定の現像処理が行われた後、メイン搬送機構A3により線幅検査装置26へ搬送され、ここでパターン線幅が測定される。この測定結果は制御部7に出力され、ここで線幅に異常があるか否かが判断される。異常がない場合には処理が続行され、異常がある場合であって現像処理条件の補正により目標線幅が確保される場合には、現像処理条件の補正量が決定され、以降は補正された現像処理条件にて処理が行われる。また異常がある場合であって現像処理条件の補正を行っても目標線幅が確保できない場合には、例えばアラームを出力し、処理を停止する。
【0085】
このようにフィードフォワード制御にフィードバック制御を組み合わせると、ミスオペレーションが防止され、より高い精度でレジスト膜厚やパターン線幅の制御を行うことができる。ここでこの実施の形態では、膜厚検査装置25や線幅検査装置26を塗布膜形成装置の内部に設ける構成としたが、これら検査装置25,26は塗布膜形成装置の外部に設けるようにしてもよい。
【0086】
以上において、塗布膜形成条件として、ウエハの回転数の他に、レジスト液の温度や、レジスト液の供給量、レジスト液の吐出速度を制御することにより、所定のレジスト膜厚を確保するようにしてもよい。つまりレジスト液の温度とレジスト液の粘性との間には関係があり、これにより回転数が同じ場合にはレジスト膜厚が異なるからである。このためレジスト液の種類によりレジスト液の温度と膜厚との間に所定の関数式が得られ、これに基づいて予測膜厚と目標膜厚との差からレジスト液の温度の補正量を求めることができる。
【0087】
また回転数が同じ場合には、レジスト液の供給量が少なかったり、レジスト液の吐出速度が小さかったりするとレジスト膜厚が小さく、レジスト液の供給量が多かったり、レジスト液の吐出速度が大きかったりするとレジスト膜厚が大きくなることから、レジスト膜厚とレジスト液の供給量やレジスト液の吐出速度との間には所定の関数式が得られ、これに基づいて予測膜厚と目標膜厚との差からレジスト液の供給量や吐出速度の補正量を求めることができる。
【0088】
さらに膜厚パラメータとして、レジスト液の温度とレジスト液の吐出速度とを含めるようにしてもよい。既述のようにこれらのパラメータもレジスト膜厚に大きな影響を与えるからである。この場合、膜厚関数モデルは次式のように表される。ここで「レジスト液の温度E[℃]」、「レジスト液の吐出速度F[リットル/sec]とする。
【0089】
例えば膜厚関数モデルは、上述の膜厚パラメータの関数式により表され、例えば次式の通りである。
【0090】
膜厚関数モデル=a1・A+a2・B+a3・C+a4・D+a6・E+a7・F+a5(a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7は定数)…(5)
さらに塗布装置としては、例えば図16に示すような構成の装置を用いることができる。この装置では、塗布装置の処理容器内において、図示しない基板保持部により水平に保持されたウエハWの表面側に対向するように設定された塗布液80の供給ノズル81を一方向(図中X方向)に往復させながら塗布液をウエハWに供給する。この場合予定とする塗布領域外に塗布液Rが供給されないようにプレート82が設けられている。また供給ノズル81がウエハの一端面から他端面に移動すると、そのタイミングに合わせて図示しない移動機構によりウエハWがそれに交差する方向に間欠送りされる。このような動作を繰り返すことにより、いわゆる一筆書きの要領で塗布液R80がウエハWに塗布される。この場合には、レジスト液の温度や、レジスト液の供給量、レジスト液の吐出速度、供給hノズル81の移動速度、ウエハWの移動速度を制御することにより、所定のレジスト膜厚が確保される。
【0091】
また現像処理条件として、現像時間の代わりに、現像液の濃度や現像液の温度のいずれかを制御するようにしてもよい。つまり現像液の濃度が高い場合や現像液の温度が高い場合には現像処理が進行しやすく、現像液の濃度が低い場合や現像液の温度が低い場合には現像処理の進行の程度が遅くなることから、現像液の濃度や現像液の温度と現像線幅とは所定の関数式により表される関係にあり、この関数式に基づいて現像液の濃度や温度の補正量を求めることができる。
【0092】
また第2の加熱装置(PEB)における加熱温度と、レジストパターンの線幅との間には、図17に示すように、前記加熱温度が高いほど、線幅が細くなる傾向がある。従ってこの関係式により、線幅モデルにより求められた予測線幅W0と目標線幅Wとの差に基づいて前記加熱温度の補正量を求めることができ、このように第2の加熱装置の加熱温度を制御することにより、線幅を高精度でフィードフォワード制御することができる。
【0093】
従って本発明では、塗布膜形成条件のウエハの回転数、レジスト液の温度、レジスト液の吐出速度、現像処理条件の現像時間、現像液の濃度、現像液の温度、第2の加熱装置の加熱温度のいずれかの条件を補正して所定のレジスト膜厚やパターン線幅を確保するようにしてもよいし、これらの条件を組み合わせて補正をしてレジスト膜厚やパターン線幅の制御を行うようにしてもよい。
【0094】
以上において本実施の形態で用いられる基板は、液晶装置に使用されるLCD基板であってもよい。また本発明は、塗布液としてレジスト液の他に、BARC(Buttom−AR)、TARC、保護膜等を形成するために用いられるポリイミド(PI)や、層間絶縁膜を形成するために用いられるSOG(Spin On Glass)液や、SOG(Spin On Dielectric)液等を用いる処理についても適用できる。さらに本発明の塗布膜形成装置で実施される処理は、上述の処理工程に限らず、例えば疎水化ユニット等の他のユニットを設けるようにしてもよい。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布液の粘度を含む、塗布膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて予測膜厚を計算し、この予測値と目標値との差に基づいて塗布装置の塗布膜形成条件を補正しているので、塗布膜の膜厚の精度の高い制御を行うことができる。また本発明の他の発明によれば、塗布液の粘度を含む、塗布膜の線幅に関与する複数の線幅パラメータに基づいて予測線幅を計算し、これら予測値と目標値との差に基づいて現像装置の現像処理条件を補正しているので、パターン線幅の精度の高い制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる塗布膜形成装置の一実施の形態の全体構成を示す平面図である。
【図2】前記塗布膜形成装置の概観を示す斜視図である。
【図3】前記塗布膜形成装置に設けられる棚ユニットの一例を示す縦断側面図である。
【図4】前記塗布膜形成装置におけるウエハの流れを説明するための工程図である。
【図5】前記塗布膜形成装置に設けられる塗布装置の主要部を示す縦断側面図である。
【図6】前記塗布膜形成装置に設けられる現像装置の主要部を示す縦断側面図である。
【図7】前記塗布膜形成装置に設けられる加熱ユニットの主要部を示す平面図である。
【図8】前記加熱ユニットの主要部を示す縦断側面図である。
【図9】前記塗布膜形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図10】塗布処理時のウエハの回転数とレジスト膜厚との関係を示す特性図である。
【図11】現像処理時間とパターン線幅との関係を示す特性図である。
【図12】レジスト膜厚に対応して行われる、塗布処理時のウエハの回転数の補正作業を説明するための図である。
【図13】パターン線幅に対応して行われる、現像処理時の現像時間の補正作業を説明するための図である。
【図14】レジスト膜厚に対応して行われる、塗布処理時のウエハの回転数の補正作業を説明するための工程図である。
【図15】パターン線幅に対応して行われる、現像処理時の現像時間の補正作業を説明するための工程図である。
【図16】塗布装置の他の例を示す斜視図である。
【図17】加熱温度とパターン線幅との関係を示す特性図である。
【図18】従来の塗布現像装置を示す平面図である。
【符号の説明】
B1 キャリア載置部
B2 処理部
B3 インターフェイス部
B4 露光装置
W 半導体ウエハ
A2,A3 メイン搬送機構
S1〜S4 温度・気圧センサ
Sa 気圧センサ
Sb 湿度センサ
Sc 温度センサ
4A 塗布装置
45 供給ノズル
T1 塗布液タンク
45c 塗布液供給路
46 粘度計
4B 現像装置
5 加熱ユニット
7 制御部

Claims (16)

  1. 処理容器内部において基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給することにより、前記基板表面に塗布膜を形成する塗布装置と、
    塗布液の粘度を含む、前記塗布膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて予測膜厚を計算するための膜厚関数モデルを含み、この膜厚関数モデルにより求められた予測膜厚と目標膜厚との差を求め、これに基づいて前記塗布装置の塗布膜形成条件を補正する制御部と、を備えることを特徴とする塗布膜形成装置。
  2. 前記塗布装置は、処理容器内部において基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給すると共に前記基板保持部を回転させてその遠心力により塗布液を広げて基板表面に塗布膜を形成するように構成され、
    前記塗布膜形成条件は、前記塗布装置の基板保持部の回転数であり、制御部では前記予測膜厚と目標膜厚との差に基づいて前記回転数を補正することを特徴とする請求項1記載の塗布膜形成装置。
  3. 前記膜厚関数モデルは、前記複数の膜厚パラメータの関数であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布膜形成装置。
  4. 前記膜厚関数モデルの膜厚パラメータは、塗布膜形成時における気圧と、前記処理容器内の温度と、前記処理容器内の湿度と、塗布液の粘度と、を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の塗布膜形成装置。
  5. 前記膜厚関数モデルの膜厚パラメータは、塗布液の温度と、ノズルから基板に供給される塗布液の吐出速度と、をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布膜形成装置。
  6. 処理容器内部において基板を基板保持部にて略水平に保持し、この基板にノズルから塗布液を供給することにより、前記基板表面に塗布膜を形成する塗布装置と、
    塗布液が塗布され、露光が行われた基板の表面に現像液を液盛りし、所定時間現像液を液盛りしたままの状態にすることにより当該基板表面を現像し、所定のパターンを形成する現像装置と、
    塗布液の粘度を含む、前記塗布膜のパターン線幅に関与する複数の線幅パラメータに基づいて予測線幅を計算するための線幅関数モデルを含み、この線幅関数モデルにより求められた予測線幅と目標線幅との差を求め、これに基づいて前記現像装置の現像処理条件を補正する制御部と、を備えることを特徴とする塗布膜形成装置。
  7. 前記現像処理条件は前記現像装置における基板の現像時間であり、制御部では前記予測線幅と目標線幅との差に基づいて前記現像時間を補正することを特徴とする請求項6記載の塗布膜形成装置。
  8. 前記線幅関数モデルは前記複数の線幅パラメータの関数であることを特徴とする請求項7記載の塗布膜形成装置。
  9. 前記塗布膜形成装置は、前記塗布装置における塗布膜の形成後に基板に対して第1の加熱処理を行う第1の加熱装置と、
    前記露光処理後の基板に対して、現像装置にて基板を処理する前に第2の加熱処理を行う第2の加熱装置と、
    前記第1の加熱装置及び第2の加熱装置に対して基板の受け渡しを行う搬送機構と、をさらに備え、
    前記線幅関数モデルの線幅パラメータは、塗布膜形成装置内の温度と、塗布膜形成装置内の気圧と、第1の加熱処理が終わってからこの第1の加熱装置から搬送機構により基板が取り出されるまでの時間と、露光処理が終わってから前記第2の加熱装置にて第2の加熱処理が開始されるまでの時間と、を含むことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の塗布膜形成装置。
  10. 前記塗布液を貯留するための塗布液タンクと、この塗布液タンク内の塗布液をノズルに供給する塗布液供給路と、塗布液タンク内又は塗布液供給路内の塗布液の粘度を測定する粘度測定部と、を備え、膜厚パラメータ及び線幅パラメータの一つである塗布液の粘度は前記粘度測定部で測定された粘度測定値であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の塗布膜形成装置。
  11. 塗布装置において基板に形成する塗布膜の目標膜厚及び塗布処理時の塗布膜形成条件を設定する工程と、
    塗布液の粘度を含む、前記塗布膜の膜厚に関与する複数の膜厚パラメータに基づいて、膜厚関数モデルにより基板に形成される塗布膜の予測膜厚を計算する工程と、
    前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差を求め、これにより塗布装置における塗布膜形成条件を補正する工程と、を含むことを特徴とする塗布膜形成方法。
  12. 前記塗布膜形成条件は塗布装置の基板保持部の回転数であり、前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差に基づいて前記基板保持部の回転数を補正することを特徴とする請求項11記載の塗布膜形成方法。
  13. 前記基板保持部の回転数を補正する工程は、前記基板保持部の回転数と塗布膜の膜厚との相関関係を求めておき、これに基づいて前記塗布膜の予測膜厚と目標膜厚との差から前記基板保持部の回転数の補正量を得るものであることを特徴とする請求項12記載の塗布膜形成方法。
  14. 現像装置において基板に形成する塗布膜の目標線幅及び現像処理時の現像処理条件を設定する工程と、
    塗布液の粘度を含む、前記塗布膜のパターン線幅の形成に関与する複数の線幅パラメータに基づいて、線幅関数モデルにより、基板に形成される塗布膜の予測線幅を計算する工程と、
    前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差を求め、これにより前記現像装置における現像処理条件を補正する工程と、を含むことを特徴とする塗布膜形成方法。
  15. 前記現像処理条件は前記現像装置における基板の現像時間であり、前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差に基づいて前記現像時間を補正することを特徴とする請求項14記載の塗布膜形成方法。
  16. 前記基板の現像時間を補正する工程は、前記現像時間と塗布膜のパターン線幅との相関関係を求めておき、これに基づいて前記塗布膜の予測線幅と目標線幅との差から前記基板の現像時間の補正量を得るものであることを特徴とする請求項15記載の塗布膜形成方法。
JP2002381528A 2002-12-27 2002-12-27 塗布膜形成装置及びその方法 Pending JP2004214385A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002381528A JP2004214385A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 塗布膜形成装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002381528A JP2004214385A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 塗布膜形成装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004214385A true JP2004214385A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32817421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002381528A Pending JP2004214385A (ja) 2002-12-27 2002-12-27 塗布膜形成装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004214385A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011147053A1 (zh) * 2010-05-28 2011-12-01 Yan Tak Kin Andrew 主动前瞻式流体薄膜智能监控方法及装置
CN102343710A (zh) * 2010-05-28 2012-02-08 任德坚 前瞻式流体印刷色膜智能控制方法及装置
JP2012061387A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Japancreate Co Ltd スピンコータ
JP2014217805A (ja) * 2013-05-08 2014-11-20 株式会社ディスコ 液状樹脂被覆装置
JP2021510628A (ja) * 2018-01-15 2021-04-30 東京エレクトロン株式会社 流体分配及びカバレージ制御のためのシステム及び方法
US20210262781A1 (en) * 2020-02-21 2021-08-26 Tokyo Electron Limited Information processing apparatus, information processing method and computer-readable recording medium
JP2022137290A (ja) * 2018-09-12 2022-09-21 株式会社 日立産業制御ソリューションズ 塗布装置
CN117230416A (zh) * 2023-07-12 2023-12-15 中国科学院上海光学精密机械研究所 磁控溅射元件镀膜膜厚分布修正的挡板设计方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011147053A1 (zh) * 2010-05-28 2011-12-01 Yan Tak Kin Andrew 主动前瞻式流体薄膜智能监控方法及装置
CN102343710A (zh) * 2010-05-28 2012-02-08 任德坚 前瞻式流体印刷色膜智能控制方法及装置
CN102343710B (zh) * 2010-05-28 2013-10-09 任德坚 前瞻式流体印刷色膜智能控制方法及装置
JP2012061387A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Japancreate Co Ltd スピンコータ
JP2014217805A (ja) * 2013-05-08 2014-11-20 株式会社ディスコ 液状樹脂被覆装置
JP7357844B2 (ja) 2018-01-15 2023-10-10 東京エレクトロン株式会社 流体分配及びカバレージ制御のためのシステム及び方法
JP2021510628A (ja) * 2018-01-15 2021-04-30 東京エレクトロン株式会社 流体分配及びカバレージ制御のためのシステム及び方法
JP2022137290A (ja) * 2018-09-12 2022-09-21 株式会社 日立産業制御ソリューションズ 塗布装置
JP7424670B2 (ja) 2018-09-12 2024-01-30 Aiメカテック株式会社 塗布装置
US20210262781A1 (en) * 2020-02-21 2021-08-26 Tokyo Electron Limited Information processing apparatus, information processing method and computer-readable recording medium
JP2021132183A (ja) * 2020-02-21 2021-09-09 東京エレクトロン株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN117230416A (zh) * 2023-07-12 2023-12-15 中国科学院上海光学精密机械研究所 磁控溅射元件镀膜膜厚分布修正的挡板设计方法
CN117230416B (zh) * 2023-07-12 2024-03-01 中国科学院上海光学精密机械研究所 磁控溅射元件镀膜膜厚分布修正的挡板设计方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1308783B1 (en) Resist coating-developing apparatus
US8308381B2 (en) Substrate processing method, computer-readable storage medium, and substrate processing system
JP4494332B2 (ja) リンス処理方法、現像処理装置、および制御プログラム
JP5056582B2 (ja) 塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体
US7938587B2 (en) Substrate processing method, computer storage medium and substrate processing system
KR100451963B1 (ko) 도포막 형성 장치 및 그 방법
WO2006107523A1 (en) Wafer curvature estimation, monitoring, and compensation
JP2002190446A (ja) レジストパターン形成装置及びその方法
JPH1043666A (ja) 塗布膜形成方法及びその装置
JP4448082B2 (ja) 基板処理装置
KR101072282B1 (ko) 기판 처리 장치, 기판 처리 방법, 기판 처리 프로그램 및 그 프로그램을 기록한 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
JP2005294460A (ja) 塗布、現像装置
JPH10275755A (ja) レジスト塗布現像装置とレジスト塗布現像方法
JP4666380B2 (ja) 基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4342921B2 (ja) 基板処理装置の制御方法及び基板処理装置
JP2004214385A (ja) 塗布膜形成装置及びその方法
WO2007032369A1 (ja) 基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2007088485A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
JP3481499B2 (ja) レジスト処理方法及びレジスト処理装置
JP4261107B2 (ja) 基板処理装置
JP2003158056A (ja) パターン形成システム
JP6706696B2 (ja) 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP2006128572A (ja) 露光条件補正方法、基板処理装置およびコンピュータプログラム
JP3878907B2 (ja) 基板処理装置及び基板処理方法
JP2010087212A (ja) 熱処理装置および基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071106