JP4259780B2 - 内挿誤差見積方法および内挿誤差見積装置 - Google Patents

内挿誤差見積方法および内挿誤差見積装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内挿誤差見積方法および内挿誤差見積装置に関するものであり、更に詳しくはエンコーダの内挿誤差の数式によるモデル化に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば位置、角度速度、角速度等の検出を行うエンコーダの二相正弦波状信号をデジタル的に内挿処理して高精度の位相角データを得るために、エンコーダの出力信号処理装置が用いられる。
エンコーダのスケールに形成される格子の間隔には加工限界があるため、スケール格子より細かい間隔を測定するには、エンコーダが出力する正弦波状信号の位相変化の空間周
期を更に細分化して内挿する必要がある。
【0003】
このため、従来より種々の内挿回路が用いられる。例えばデジタル処理による内挿回路は、エンコーダから出力される90度位相が異なるであろう正弦波状及び余弦波状の信号を所定の周波数でサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、ADCと記載することがある)により得られた各デジタルデータに基づいて、各サンプリング点の位相角データを求める。
【0004】
ところで、二相正弦波状信号の内挿は、信号を誤差のない正弦波状信号と仮定しているため、DCオフセットの差や二相間振幅の差による誤差、また本来90度あるべき位相差の誤差などの誤差があり、内挿誤差の原因となっている。これを回避するため、手動または自動の信号調節を行っている。
しかしながら、信号の完全な調節は不可能であるため、調節誤差が生じる。所望の内挿精度を得るため、調節工数や調節部品の精度を最適化したいが、両者の関係が必ずしもこれまで明確でなかったため、計算機による次のようなシミュレーションで推定していた。
(1)誤差を含んだ二相正弦波状信号A=cosx、B=sinxを計算する。
(2)二相間の比(B/A)を演算する。
(3)逆正接演算x’=ATAN(B/A)を計算する。
(4)(1)と(3)で求めた結果の差x’−xを内挿誤差Eとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
二相正弦波状信号の誤差のパラメータは前述のように複数あり、従来はこれらの相互作用が明確でなかった。このため、各パラメータを複数の水準で計算を行い、誤差を求め、その中から最大の誤差を求めるといったような試行錯誤によって、最大の誤差を推定する方法をとっていた。この方法では、シミュレーションの時間を要し、また誤差の推定値が不正確であるといった問題があった。
また従来は、エンコーダ内挿誤差補正の方式として、特開平11−316137号公報に記載されたものがあるが、フーリエ変換が必要で、信号処理が複雑であり、また処理に時間を要するといった問題がある。
このため、従来より、内挿誤差の見積りが、容易にかつ高い精度で行える技術の開発が強く望まれていたものの、従来は、内挿誤差の見積りに関しては適切なモデリング技術が存在しなかった。
【0006】
また前述のように内挿誤差の見積りの適切なモデリング技術が存在しなかったため、内挿誤差の補正も容易にかつ高い精度で行える適切な技術も存在しなかった。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はエンコーダの内挿誤差の見積りが容易にかつ高い精度で行える内挿誤差見積方法及び内挿誤差見積装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかる内挿誤差見積方法は、エンコーダから出力されるA相及びB相正弦波を内挿手段により内挿した時の内挿誤差を見積る内挿誤差見積方法において、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式13で表せるとした時、オフセット検出工程と、演算工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記オフセット検出工程は、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の各オフセットを求める。また前記演算工程は、前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセットを下記数式14に代入し、該オフセットによる内挿誤差Eを求める。
【0009】
【数13】
A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(13)
【数14】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu}…(14)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
【0010】
ここにいう内挿とは、例えば光電式、電磁誘導式、レーザ干渉、その他の装置から二相以上の正弦波状信号を出力し、演算によって二相正弦波状信号を得、さらにそれらの比の逆正接を演算して、最小分解能を向上させることをいう。また、ここにいうオフセットとは、一般的な前記正弦波の振幅の中心値の、基準値からのズレをいう。
【0011】
なお、本発明においては、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式15で表せるとした時、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の振幅比を求める振幅比検出工程を備える。そして、前記演算工程は、前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記振幅比検出工程で求められた振幅比を下記数式16に代入し、該オフセット及び振幅比による内挿誤差Eを求めることが好適である。
【0012】
【数15】
A相正弦波=Assin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(15)
【数16】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu
+(Ac1/As1−1)sinu cosu} …(16)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
Ac1/As1:振幅比検出工程で求められた振幅比
【0013】
また本発明においては、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式17で表せるとした時、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の位相差を求める位相差検出工程を備える。そして、前記演算工程は、前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記位相差検出工程で求められた位相差を下記数式18に代入し、該オフセット及び位相差による内挿誤差Eを求めることが好適である。
【0014】
【数17】
A相正弦波=Assin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Accos(2πx/λ+ε)+Vc …(17)
【数18】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
−εsinu} …(18)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
ε:位相差検出工程で求められた位相差
【0015】
また前記目的を達成するために本発明にかかる内挿誤差見積装置は、エンコーダから出力されるA相及びB相正弦波を内挿手段により内挿した時の内挿誤差を見積る内挿誤差見積装置において、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式19で表せるとした時、オフセット検出手段と、演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
ここで、前記オフセット検出手段は、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の各オフセットを求める。また前記演算手段は、前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセットを下記数式20に代入し、該オフセットによる内挿誤差Eを求める。
【0017】
【数19】
A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(19)
【数20】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu}…(20)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
【0018】
なお、本発明においては、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式21で表せるとした時、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の振幅比を求める振幅比検出手段を備える。そして、前記演算手段は、前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記振幅比検出手段で求められた振幅比を下記数式22に代入し、該オフセット及び振幅比による内挿誤差Eを求めることが好適である。
【0019】
【数21】
A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(21)
【数22】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu
+(Ac1/As1−1)sinu cosu} …(22)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
Ac1/As1:振幅比検出手段で求められた振幅比
【0020】
また本発明においては、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式23で表せるとした時、前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の位相差を求める位相差検出手段を備える。そして、前記演算手段は、前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記位相差検出手段で求められた位相差を下記数式24に代入し該オフセット及び位相差による内挿誤差Eを求めることが好適である。
【0021】
【数23】
A相正弦波=Assin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Accos(2πx/λ+ε)+Vc …(23)
【数24】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
−εsinu} …(24)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
ε:位相差検出手段で求められた位相差
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明者がエンコーダの内挿誤差のモデリングについて鋭意検討を重ねた結果、エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波が、例えばオフセット、振幅比及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式25で表せるとした時、オフセット、振幅比及び位相差によるエンコーダの内挿誤差が、下記数式26よりなる近似式でモデル化することができること、これによりオフセット等の単独パラメータによる内挿誤差、及び各パラメータの相互作用による内挿誤差の見積りが、容易にかつ高い精度で行えることを見出して本発明を完成するに至った。
【0028】
【数25】
A相正弦波=As sin(2πx/λ)+Vs
B相正弦波=Ac cos(2πx/λ+ε)+Vc …(25)
【数26】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
+(Ac/As−1)sinu cosu−εsinu} …(26)
ここで、 λ:正弦波の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダの位置
As1,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
Vs,Vc:求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
Ac1/As1:求められたA相及びB相正弦波の振幅比
ε:求められたA相及びB相正弦波の位相差
それをまとめると、下記表1のようになる。
【0029】
【表1】
Figure 0004259780
【0030】
前記表1より明らかなように、入力信号内挿誤差パラメータによって波長が異なる。同じ波長のもの同士でベクトル和(関数が直交しているsinuとcosuとは自乗和の平方根)をとり、次いでそれぞれのベクトル和の単純和をとって、内挿誤差の全体の量とする(注;後述の数式27を参照)。
本実施形態にかかる内挿誤差の見積方法により、誤差の全体の大きさがわかると共に、個々の入力信号誤差の寄与率も求まる。表1における入力信号と内挿誤差の関係を下記表2に示す。
【0031】
【表2】
______________________________________________________________________
入力誤差のパラメータ 内挿誤差の大きさ
______________________________________________________________________
正弦波DCオフセットによる内挿誤差 Evs=±(Vs/As)(λ/2π)
_____________________________________________________________________
余弦波DCオフセットによる内挿誤差 Evc=±(Vc/Ac)(λ/2π)
______________________________________________________________________
振幅比による内挿誤差 Edr=±((As/Ac)−1)(λ/4π)
______________________________________________________________________
位相差による内挿誤差 Eε=±ε(λ/4π)
______________________________________________________________________
そして、より正確な見積りは、前記数式26で行えるが、下記数式27では、内挿誤差の全体と入力信号のパラメータ毎の大きさを見積ることができる。
【0032】
【数27】
全体の内挿誤差≦±{√(Evs2+Evc2)+√(Edr2+Eε2)} …(27)
また、パラメータの寄与率が小さいとすれば、そのパラメータは省略してもよい。
以下、図面に基づいて本発明の好適な一実施形態についてパラメータ毎に詳細に説明する。
【0033】
第一実施形態
図1には第一の内挿誤差見積装置14を採用した、エンコーダ10の出力信号処理装置の概略構成が示されている。なお、本実施形態では、パラメータとしてDCオフセットを想定し、検出されたDCオフセットを基に内挿誤差を見積る例について説明する。
同図に示すエンコーダ10の出力信号処理装置は、内挿回路(内挿手段)12と、本実施形態において特徴的な内挿誤差見積装置14を備える。ここで、前記エンコーダ10は該エンコーダ10の位置の検出を行う正弦波(A相正弦波)SA1、及び余弦波(B相正弦波)SB1を出力する。
【0034】
また前記内挿回路12は、例えばアナログ/デジタル変換器(図示省略)と、ルックアップテーブルメモリ(図示省略)等を含み、例えばエンコーダ10から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を所定の周波数でサンプリングし、アナログ/デジタル変換器(ADC)によりデジタルデータに変換する。ルックアップテーブルメモリは、このデジタルデータに基づいて各サンプリング点の位相角データを求めるルックアップテーブル(以下、LUTと記載することがある)を記憶しており、エンコーダ10から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を内挿処理し、高精度の位相角データを得る。
【0035】
本実施形態において特徴的なことは、内挿誤差見積装置14を備えたことであり、エンコーダ10から内挿回路12に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばDCオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が、下記数式28で表せるとした時、該内挿誤差見積装置14によりオフセットによる内挿誤差を見積る。
本実施形態において、内挿誤差見積装置14は、オフセット検出手段16と、演算手段18を備える。
【0036】
そして、エンコーダ10から内挿回路12に正弦波SA1及び余弦波SB1を送る各信号線11a,11bに、内挿誤差見積装置14の入力側が信号線13a,13bを介して接続されている。内挿誤差見積装置14の出力側は信号線15により内挿誤差補正装置20に接続されている。
このため、前記オフセット検出手段16は、エンコーダ10から内挿回路12に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出して、その平均値をそれぞれの振幅の中心値とし、それら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0037】
また本実施形態において、エンコーダ10から内挿回路12に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As1,2Ac1)としている。このため、内挿誤差見積装置14は、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As1,Ac1)を求める。
前記演算手段18は、前記オフセット検出手段16で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1の各オフセット値を下記数式29に代入して、オフセットによる内挿誤差Eを求める。
【0038】
【数28】
正弦波SA1=As1 sin(2πx/λ)+Vs
余弦波SB1=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(28)
【数29】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu}…(29)
ここで、 λ:正弦波SA1及び余弦波SB1の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダ10の位置
As1,Ac1:正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段16で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の各オフセット
【0039】
なお、本実施形態において、内挿誤差見積装置14で求めれた内挿誤差Eの演算結果S2は、内挿誤差補正装置20に送られる。内挿誤差補正装置20では、内挿回路12からの入力SA3,SB3を、内挿誤差見積装置14で求めれた内挿誤差Eで調節し、これを調節済みデータSA4,SB4として出力する。
本実施形態にかかる内挿誤差見積装置14を採用した、エンコーダ10の出力信号処理装置は、概略以上のように構成され。以下にその作用について図1、図2を参照しつつ説明する。
【0040】
図1において、エンコーダ10から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1は、内挿回路12及び内挿誤差見積装置14に入力される。内挿誤差見積装置14では、まず検出工程を行う。すなわち、検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の検出を、例えば下記の何れかに記載の方法で行う。
(1)サンプリングした点と現在格納している最大値を比較し、もし格納されている最大値がサンプリングした点より小さければ、格納されている最大値をサンプリングした点の値に置換える。
(2)特開平10−311741号公報に記載された方法により、正弦波のゼロクロスで余弦波をサンプリングし、余弦波のゼロクロスで正弦波をサンプリングしオフセット誤差のフィードバック制御を繰り返し、収束されることによる誤差の小さい最大値及び最小値を得る。
【0041】
前述のようにして正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値が求まると、オフセット検出工程(s10)を行う。すなわち、オフセット検出工程では、オフセット検出手段16が正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出して、その平均値をそれぞれの振幅の中心値としそれら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0042】
また本実施形態では、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求める。そして、前記オフセットの検出後、内挿誤差Eの演算工程(s12)を行う。
【0043】
ここで、従来は、エンコーダの内挿誤差のモデリングに関しては適切な技術が存在せず、前記従来のシミュレーションを用いたのでは、時間を要し、また誤差の推定値が不正確であるといった問題があった。
そこで、本実施形態において特徴的なことは、オフセットによる内挿誤差を数式でモデル化したことである。
【0044】
すなわち、本実施形態では、エンコーダから内挿回路に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が前記数式28で表せるとする。
このとき、本実施形態演算工程では、演算手段18が、前記オフセット検出手段16で求められた正弦波DCオフセット値及び余弦波DCオフセット値を、本実施形態において特徴的な、オフセットによる内挿誤差の近似式である前記数式29に代入して内挿誤差を求める。
【0045】
このように本実施形態では、DCオフセットによる内挿誤差のモデル化に成功したので、DCオフセットを検出し、これを本実施形態において特徴的な内挿誤差Eの近似式である前記数式29に代入して、内挿誤差Eを精度高くかつ容易に求めることができる。
そして、本実施形態では、このようにして推定された内挿誤差Eの演算結果S2を、内挿誤差補正装置20において、内挿回路12よりの入力SA3,SB3から減算する等の調節を行うことにより、エンコーダ10の内挿誤差が補正されることとなる。
【0046】
以上のように本実施形態にかかる内挿誤差見積装置14を採用したエンコーダ10の出力信号処理装置によれば、オフセットによるエンコーダ10の内挿誤差を、前記数式29でモデル化することに成功した結果、本実施形態では、オフセットによる内挿誤差の見積りが、容易にかつ高い精度で行える。
【0047】
なお、本実施形態では、内挿回路12として、ADCと、LUTを用いた例について説明したが、そのほか、ADCと、ATAN演算DSP等の任意のものを用いることもできる。
また、本実施形態において、前記数式29には、三角関数sinおよびcosが含まれるが、この演算には、これらをテーラ展開した多項式による方法がある。この多項式は積和演算の形式となるため、その演算の高速化が図られたデジタル信号プロセッサ(DSP)を利用するのが好ましい。
【0048】
第二実施形態
図3には第二の内挿誤差見積装置114を採用した、エンコーダ110の出力信号処理装置の概略構成が示されている。なお、本実施形態では、パラメータとしてオフセット及び振幅比を想定し、検出されたオフセット及び振幅比を基に、内挿誤差を見積る例について説明する。また本実施形態では、前記第一実施形態と対応する部分には符号100を加えて示す。
同図に示すエンコーダ110の出力信号処理装置は、内挿回路(内挿手段)112と、本実施形態において特徴的な内挿誤差見積装置114を備える。
【0049】
ここで、前記エンコーダ110は、該エンコーダ110の位置の検出を行う正弦波(A相正弦波)SA1、及び余弦波(B相正弦波)SB1を出力する。
また前記内挿回路112は、例えばアナログ/デジタル変換器(図示省略)と、ルックアップテーブルメモリ(図示省略)等を含み、例えばエンコーダ110から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を所定の周波数でサンプリングし、アナログ/デジタル変換器(ADC)によりデジタルデータに変換する。ルックアップテーブルメモリは、このデジタルデータに基づいて各サンプリング点の位相角データを求めるルックアップテーブル(LUT)を記憶しており、エンコーダ110から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を内挿処理し、高精度の位相角データを得る。
【0050】
本実施形態において特徴的なことは、内挿誤差見積装置114を備えたことであり、エンコーダ110から内挿回路112に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が、下記数式30で表せるとした時、該内挿誤差見積装置114により、オフセット及び振幅比による内挿誤差を見積る。
本実施形態において、内挿誤差見積装置114は、オフセット検出手段116と、振幅比検出手段122と、演算手段118を備える。
【0051】
そして、エンコーダ110から内挿回路112に正弦波SA1及び余弦波SB1を送る各信号線111a,111bに、内挿誤差見積装置114の入力側が信号線113a,113bを介して接続されている。内挿誤差見積装置114の出力側は信号線115により内挿誤差補正装置120に接続されている。
このため、前記オフセット検出手段116は、エンコーダ110から内挿回路112に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出し、その平均をそれぞれの振幅の中心値としそれら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0052】
また振幅比検出手段122は、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求め、正弦波SA1及び余弦波SB1の振幅比( c /A s )を求める。
前記演算手段118は、前記オフセット検出手段116で求められた正弦波DCオフセット値及び余弦波DCオフセット値、並びに前記振幅比検出手段122で求められた振幅比を下記数式31に代入して、オフセット及び振幅比による内挿誤差Eを求める。
【0053】
【数30】
正弦波SA1=As1 sin(2πx/λ)+Vs
余弦波SB1=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(30)
【数31】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu
+(Ac1/As1−1)sinu cosu} …(31)
ここで、 λ:正弦波SA1及び余弦波SB1の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダ110の位置
As1,Ac1:正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段116で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の各オフセット
Ac1/As1:振幅比検出手段122で求められた振幅比
【0054】
なお、本実施形態において、内挿誤差見積装置114で求めれた内挿誤差Eの演算結果S2は内挿誤差補正装置120に送られる。内挿誤差補正装置120では、内挿回路112からの入力SA3,SB3を、内挿誤差見積装置114で求めれた内挿誤差Eで調節し、これを調節済みデータSA4,SB4として出力する。
本実施形態にかかる内挿誤差見積装置114を採用した、エンコーダ110の出力信号処理装置は、概略以上のように構成され。以下にその作用について図3、図4を参照しつつ説明する。
【0055】
図3において、エンコーダ110から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1は、内挿回路112及び内挿誤差見積装置114に入力される。内挿誤差見積装置114では、まず検出工程を行う。すなわち、検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の検出を、例えば下記の何れかに記載の方法で行う。
【0056】
(1)サンプリングした点と現在格納している最大値を比較し、もし格納されている最大値がサンプリングした点より小さければ、格納されている最大値をサンプリングした点の値に置換える。
(2)特開平10−311741号公報に記載された方法により、正弦波のゼロクロスで余弦波をサンプリングし、余弦波のゼロクロスで正弦波をサンプリングしオフセット 誤差のフィードバック制御を繰り返し、収束されることによる誤差の小さい最大値及び最小値を得る。
【0057】
前述のようにして正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値が求まると、オフセット検出工程、振幅比検出工程(s110)を行う。
すなわち、オフセット検出工程では、オフセット検出手段116が、正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出して、その平均値をそれぞれの振幅の中心値としそれら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0058】
また振幅比検出工程では、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求め、正弦波SA1及び余弦波SB1の振幅比( c /A s )を求める。そして、前記オフセット及び振幅比の検出後、内挿誤差Eの演算工程(s112)を行う。
【0059】
エンコーダから出力され、内挿回路に入力される二相正弦波の誤差のパラメータは、前述のように複数あり、これらの相互作用が明確でなかった。このため、各パラメータを複数の水準で計算を行い、誤差を求める。その中から最大の誤差を求めるといったように、試行錯誤によって最大の誤差を推定する方法をとっていた。このような方法であると、シミュレーションの時間を要し、また誤差の推定値が不正確であるといった問題があった。
【0060】
そこで、本実施形態において特的なことは、オフセット及び振幅比の相互作用による内挿誤差を数式でモデル化したことである。
すなわち、本実施形態では、エンコーダ110から内挿回路112に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が前記数式30で表せるとする。
このとき、本実施形態演算工程では、演算手段118が、前記オフセット検出手段116で求められた正弦波DCオフセット値、余弦波DCオフセット値、及び振幅比検出手段122で求められた振幅比を、本実施形態において特徴的な、オフセット及び振幅比による内挿誤差の近似式である前記数式31に代入し、DCオフセット及び振幅比の相互作用による内挿誤差を求める。
【0061】
このように本実施形態では、DCオフセット及び振幅比の相互作用による内挿誤差のモデル化に成功したので、DCオフセット及び振幅比を検出し、これを本実施形態において特徴的な内挿誤差Eの近似式である前記数式31に代入することにより、DCオフセット及び振幅比の相互作用による内挿誤差Eを精度高くかつ容易に求めることができる。
そして、本実施形態では、このようにして推定された内挿誤差Eの演算結果S2を、内挿誤差補正装置120において、内挿回路112よりの入力SA3,SB3から減算する等の調節を行うことにより、エンコーダ110の内挿誤差が補正されることとなる。
【0062】
以上のように本実施形態にかかる内挿誤差見積装置114を採用した、エンコーダ110の出力信号処理装置によれば、オフセット及び振幅比の相互作用によるエンコーダ110の内挿誤差を、前記数式31でモデル化することに成功した結果、本実施形態では、オフセット及び振幅比の相互作用による内挿誤差Eの見積りが、容易にかつ高い精度で行える。
【0063】
なお、本実施形態では、内挿回路112として、ADCと、LUTを用いた例について説明したが、そのほか、ADCと、ATAN演算DSP等の任意のものを用いることもできる。また、本実施形態において、前記数式31には、三角関数sinおよびcosが含まれるが、この演算には、これらをテーラ展開した多項式による方法がある。この多項式は積和演算の形式となるため、その演算の高速化が図られたデジタル信号プロセッサ(DSP)を利用するのが好ましい。
前記数式31において、
a=−λ/2π・Vs/As1
b=+λ/2π・Vc/Ac
c=+λ/4π・{(Ac/As)−1}
とおき、n=12次までテーラ展開すると、下記数式32を得る。
【0064】
【数32】
内挿誤差E = a + (b+2c)u + (-a/2)u2 + (-b/6-4c/3)u3 + (a/24)u4
+ (b/120+ 4c/15)u5 + (-a/720)u6 + (-b/5040-8c/315)u7
+ (a/40320)u8 + (b/362880+ 4c/2835)u9 + (-a/3628800)u10
+ (-b/39916800 - 8c/155925)u11+ (a/479001600)u12 …(32)
【0065】
第三実施形態
図5には第三の内挿誤差見積装置214を採用した、エンコーダ210出力信号処理装置の概略構成が示されている。本実施形態では、パラメータとしてオフセット及び位相差を想定し、検出されたオフセット及び位相差を基に、内挿誤差を見積る例について説明する。また、本実施形態では、前記第一実施形態と対応する部分には符号200を加えて示す。
【0066】
同図に示すエンコーダ210の出力信号処理装置は、内挿回路(内挿手段)212と、本実施形態において特徴的な内挿誤差見積装置214を備える。ここで、前記エンコーダ210は、該エンコーダ210の位置の検出を行う正弦波(A相正弦波)SA1、及び余弦波(B相正弦波)SB1を出力する。
また前記内挿回路212は、例えばアナログ/デジタル変換器(図示省略)と、ルックアップテーブルメモリ(図示省略)等を含み、例えばエンコーダ210から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を所定の周波数でサンプリングし、アナログ/デジタル変換器(ADC)によりデジタルデータに変換する。ルックアップテーブルメモリは、このデジタルデータに基づいて各サンプリング点の位相角データを求めるルックアップテーブル(LUT)を記憶しており、エンコーダ210から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を内挿処理し、高精度の位相角データを得る。
【0067】
本実施形態において特徴的なことは、内挿誤差見積装置214を備えたことであり、エンコーダ210から内挿回路212に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が、下記数式33で表せるとした時、該内挿誤差見積装置214により、オフセット及び位相差の相互作用による内挿誤差を見積る。
本実施形態において、内挿誤差見積装置214は、オフセット検出手段216と、位相差検出手段224と、演算手段218を備える。そして、エンコーダ210から内挿回路212に正弦波SA1及び余弦波SB1を送る各信号線211a,211bに、内挿誤差見積装置214の入力側が信号線213a,213bを介して接続されている。内挿誤差見積装置214の出力側は信号線215により内挿誤差補正装置220に接続されている。
【0068】
このため、前記オフセット検出手段216は、エンコーダ210から内挿回路212に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出し、その平均をそれぞれの振幅の中心値としそれら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0069】
また本実施形態では、エンコーダ210から内挿回路212に入力される前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求める。
前記位相差検出手段224は、正弦波SA1及び余弦波SB1の座標軸を例えば45度回転させて、長軸の長さb、短軸の長さaの比(k=b/a)より位相差(ε=sin−1((1−k)/(1+k))を求める。
前記演算手段218は、前記オフセット検出手段216で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1の各オフセット値を下記数式34に代入し、オフセットによる内挿誤差Eを求める。
【0070】
【数33】
正弦波SA1=As sin(2πx/λ)+Vs
余弦波SB1=Ac cos(2πx/λ+ε)+Vc …(33)
【数34】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
−εsinu} …(34)
ここで、 λ:正弦波SA1及び余弦波SB1の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダ210の位置
As1 ,Ac1:正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段216で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の各オフセット
ε:位相差検出手段224で求められた位相差
【0071】
なお、本実施形態において、内挿誤差見積装置214で求めれた内挿誤差Eの演算結果S2は、内挿誤差補正装置220に送られる。内挿誤差補正装置220では、内挿回路212からの入力SA3,SB3を、内挿誤差見積装置214で求めれた内挿誤差Eで調節し、これを調節済みデータSA4,SB4として出力する。
本実施形態にかかる内挿誤差見積装置214を採用したエンコーダ210の出力信号処理装置は、概略以上のように構成され。以下にその作用について図5、図6を参照しつつ説明する。
【0072】
図5において、エンコーダ210から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1は、内挿回路212及び内挿誤差見積装置214に入力される。内挿誤差見積装置214では、まず検出工程を行う。すなわち、検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の検出を、例えば下記の何れかに記載の方法で行う。
【0073】
(1)サンプリングした点と現在格納している最大値を比較し、もし格納されている最大値がサンプリングした点より小さければ、格納されている最大値をサンプリングした点の値に置換える。
(2)特開平10−311741号公報に記載された方法により、正弦波のゼロクロスで余弦波をサンプリングし、余弦波のゼロクロスで正弦波をサンプリングして、オフセット誤差のフィードバック制御を繰り返し、収束されることによる誤差の小さい最大値及び最小値を得る。
前述のようにして正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値が求まると、オフセット検出工程、位相差検出工程(s210)を行う。
【0074】
すなわち、オフセット検出工程では、オフセット検出手段216が正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出して、その平均値をそれぞれの振幅の中心値とし、それら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
また本実施形態では、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求める。
【0075】
また、位相差検出工程を行う。前記位相差検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の座標軸を例えば45度回転させて、長軸の長さb、短軸の長さaの比(k=b/a)より位相差(ε=sin−1((1−k)/(1+k))を求める。そして、前記オフセット及び位相差の検出後、内挿誤差Eの演算工程(s212)を行う。
【0076】
ここで、エンコーダから出力され、内挿回路に入力される二相正弦波の誤差のパラメータは、前述のように複数あり、これらの相互作用が明確でなかった。このため、各パラメータを複数の水準で計算を行い、誤差を求める。その中から最大の誤差を求めるといったように、試行錯誤によって最大の誤差を推定する方法をとっていた。このような方法であると、シミュレーションの時間を要し、また誤差の推定値が不正確であるといった問題があった。
【0077】
そこで、本実施形態において特徴的なことは、オフセット及び位相差の相互作用による内挿誤差を数式でモデル化したことである。すなわち、本実施形態では、エンコーダから内挿回路に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が前記数式33で表せるとする。
【0078】
このとき、本実施形態演算工程では、演算手段218が前記オフセット検出手段216で求められた正弦波DCオフセット値及び余弦波DCオフセット値、並びに前記位相差検出手段224で求められた位相差を、本実施形態において特徴的な、オフセット及び位相差による内挿誤差の近似式である前記数式34に代入し内挿誤差を求める。
【0079】
このように本実施形態では、DCオフセット及び位相差の相互作用による内挿誤差のモデル化に成功したので、DCオフセット値及び位相差を検出し、これを本実施形態において特徴的な内挿誤差Eの近似式に代入、つまり前記数式34に代入することにより、内挿誤差Eを精度高くかつ容易に求めることができる。
そして、本実施形態では、このようにして推定された内挿誤差Eの演算結果S2を、内挿誤差補正装置220において内挿回路212よりの入力SA3,SB3から減算する等の調節を行うことにより、エンコーダ210の内挿誤差が補正されることとなる。
【0080】
以上のように本実施形態にかかる内挿誤差見積装置214を採用した、エンコーダ210の出力信号処理装置によれば、オフセット及び位相差によるエンコーダ210の内挿誤差を、前記数式34でモデル化することに成功した結果、本実施形態では、オフセット及び位相差による内挿誤差の見積りが、容易にかつ高い精度で行える。
【0081】
なお、本実施形態では、内挿回路212として、ADCと、LUTを用いた例について説明したが、そのほか、ADCと、ATAN演算DSP等の任意のものを用いることもできる。また、本実施形態において、前記数式34には、三角関数sinおよびcosが含まれるが、この演算には、これらをテーラ展開した多項式による方法がある。この多項式は積和演算の形式となるため、その演算の高速化が図られたデジタル信号プロセッサ(DSP)を利用するのが好ましい。
【0082】
第四実施形態
図7には第四の内挿誤差見積装置314を採用した、エンコーダ310の出力信号処理装置の概略構成が示されている。なお、本実施形態では、パラメータとしてオフセット、振幅比及び位相差を想定し、検出されたオフセット、振幅比及び位相差を基に、内挿誤差を見積る例について説明する。また、本実施形態では、前記第一実施形態と対応する部分には符号300を加えて示し説明を省略する。
【0083】
同図に示すエンコーダ310の出力信号処理装置は、内挿回路(内挿手段)312と、本実施形態において特徴的な内挿誤差見積装置314を備える。ここで、前記エンコーダ310は、該エンコーダ310の位置の検出を行う正弦波(A相正弦波)SA1、及び余弦波(B相正弦波)SB1を出力する。
また前記内挿回路312は、例えばアナログ/デジタル変換器(図示省略)と、ルックアップテーブルメモリ(図示省略)等を含み、例えばエンコーダ310から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を所定の周波数でサンプリングし、アナログ/デジタル変換器(ADC)によりデジタルデータに変換する。ルックアップテーブルメモリは、このデジタルデータに基づいて各サンプリング点の位相角データを求めるルックアップテーブル(LUT)を記憶しており、エンコーダ310から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1を内挿処理し、高精度の位相角データを得る。
【0084】
本実施形態において特徴的なことは、内挿誤差見積装置314を備えたことであり、エンコーダ310から内挿回路312に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット、振幅比及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が、下記数式35で表せるとした時、該内挿誤差見積装置314により、オフセットによる内挿誤差を見積る。
【0085】
本実施形態において、内挿誤差見積装置314は、オフセット検出手段316と、振幅比検出手段322と、位相差検出手段324と、演算手段318を備える。
そして、エンコーダ310から内挿回路312に正弦波SA1及び余弦波SB1を送る各信号線311a,311bに、内挿誤差見積装置314の入力側が信号線313a,313bを介して接続されている。内挿誤差見積装置314の出力側は信号線315により内挿誤差補正装置320に接続されている。
このため、前記オフセット検出手段316は、エンコーダ310から内挿回路312に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出し、その平均それぞれの振幅の中心値とし、それら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0086】
また、前記振幅比検出手段322では、前記エンコーダ310から内挿回路312に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求め、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の振幅比( c /A s )を求める。
【0087】
前記位相差検出手段324は、正弦波SA1及び余弦波SB1の座標軸を例えば45度回転させて、長軸の長さb、短軸の長さaの比(k=b/a)より位相差(ε=sin−1((1−k)/(1+k))を求める。
前記演算手段318は、前記オフセット検出手段316で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1の各オフセット値、前記振幅比検出手段322で求められた振幅比、及び前記位相差検出手段324で求められた位相差を、下記数式36に代入し、オフセット、振幅比及び位相差による内挿誤差Eを求める。
【0088】
【数35】
正弦波SA1=As sin(2πx/λ)+Vs
余弦波SB1=Ac cos(2πx/λ+ε)+Vc …(35)
【数36】
内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
+(Ac/As−1)sinu cosu−εsinu} …(36)
ここで、 λ:正弦波SA1及び余弦波SB1の波長
u:2πx/λ
x:エンコーダ310の位置
As1,Ac1:正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅
Vs,Vc:オフセット検出手段316で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の各オフセット
Ac1/As1:振幅比検出手段322で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の振幅比
ε:前記位相差検出手段324で求められた正弦波SA1及び余弦波SB1
の位相差
【0089】
なお、本実施形態において、内挿誤差見積装置314で求めれた内挿誤差Eの演算結果S2は、内挿誤差補正装置320に送られる。内挿誤差補正装置320では、内挿回路312からの入力SA3,SB3を、内挿誤差見積装置314で求めれた内挿誤差Eで調節し、これを調節済みデータSA4,SB4として出力する。
本実施形態にかかる内挿誤差見積装置314を採用した、エンコーダ310の出力信号処理装置は、概略以上のように構成され。以下にその作用について図7、図8を参照しつつ説明する。
【0090】
図7において、エンコーダ310から出力される正弦波SA1及び余弦波SB1は、内挿回路312及び内挿誤差見積装置314に入力される。内挿誤差見積装置314では、まず検出工程を行う。すなわち、検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の検出を、例えば下記の何れかに記載の方法で行う。
【0091】
(1)サンプリングした点と現在格納している最大値を比較し、もし格納されている最大値がサンプリングした点より小さければ、格納されている最大値をサンプリングした点の値に置換える。
(2)特開平10−311741号公報に記載された方法により、正弦波のゼロクロスで余弦波をサンプリングし、余弦波のゼロクロスで正弦波をサンプリングして、オフセット誤差のフィードバック制御を繰り返し、収束されることによる誤差の小さい最大値及び最小値を得る。
【0092】
前述のようにして正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値が求まると、オフセット検出工程、振幅比検出工程、及び位相差検出工程(s310)を行う。すなわち、オフセット検出工程では、オフセット検出手段316が、エンコーダ310から内挿回路312に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値を検出して、その平均値をそれぞれの振幅の中心値とし、それら中心値の基準値からのズレを正弦波DCオフセット及び余弦波DCオフセットとして求める。
【0093】
また振幅比検出工程では、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差を、それぞれ正弦波SA1及び余弦波SB1の2倍の振幅(2As,2Ac)としている。このため、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の最大値及び最小値の差より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)を求め、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の各振幅(As,Ac)より、前記正弦波SA1及び余弦波SB1の振幅比( c /A s )を求める。また、位相差検出工程を行う。
【0094】
前記位相差検出工程は、正弦波SA1及び余弦波SB1の座標軸を例えば45度回転させて、長軸の長さb、短軸の長さaの比(k=b/a)より位相差(ε=sin−1((1−k)/(1+k))を求める。そして、前記オフセット、振幅比及び位相差の検出後、挿誤差Eの演算工程(s312)を行う。
【0095】
ここで、エンコーダから出力され、内挿回路に入力される二相正弦波の誤差のパラメータは、前述のように複数あり、これらの相互作用が明確でなかった。このため、各パラメータを複数の水準で計算を行い、誤差を求める。その中から最大の誤差を求めるといったように、試行錯誤によって最大の誤差を推定する方法をとっていた。このような方法であると、シミュレーションの時間を要し、また誤差の推定値が不正確であるといった問題があった。
【0096】
そこで、本実施形態において特的なことは、オフセット、振幅比、及び位相差の相互作用による内挿誤差を数式でモデル化したことである。
すなわち、本実施形態では、エンコーダから内挿回路に入力される正弦波SA1及び余弦波SB1が、例えばオフセット、振幅比及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波SA1及び余弦波SB1が前記数式35で表せるとする。
【0097】
このとき、本実施形態の演算工程では、演算手段318が、前記オフセット検出手段316で求められた各DCオフセット値、前記振幅比検出手段322で求められた振幅比、及び前記位相差検出手段324で求められた位相差を、本実施形態において特徴的な、オフセット、振幅比及び位相差による内挿誤差の近似式である前記数式36に代入し、内挿誤差を求める。
【0098】
このように本実施形態では、オフセット、振幅比、及び位相差の相互作用による内挿誤差のモデル化に成功したので、オフセット値、振幅比、及び位相差を検出し、これを本実施形態において特徴的な内挿誤差Eの近似式である前記数式36に代入することにより、内挿誤差Eを精度高くかつ容易に求めることができる。
そして、本実施形態では、このようにして推定された内挿誤差Eの演算結果S2を、内挿誤差補正装置320において、内挿回路312よりの入力SA3,SB3から減算する等の調節を行うことにより、エンコーダ310の内挿誤差が補正されることとなる。
【0099】
以上のように本実施形態の第四の内挿誤差見積装置314を採用した、エンコーダ310の出力信号処理装置によれば、オフセット、振幅比及び位相差によるエンコーダ310の内挿誤差を、前記数式36でモデル化することに成功した結果、本実施形態では、オフセット、振幅比及び位相差による内挿誤差の見積りが容易にかつ高い精度で行える。
【0100】
なお、本実施形態では、内挿回路312として、ADCと、LUTを用いた例について説明したが、そのほか、ADCと、ATAN演算DSP等の任意のものを用いることもできる。
また、本実施形態において、前記数式36には、三角関数sinおよびcosが含まれるが、この演算には、これらをテーラ展開した多項式による方法がある。この多項式は積和演算の形式となるため、その演算の高速化が図られたデジタル信号プロセッサ(DSP)を利用するのが好ましい。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる内挿誤差見積方法によれば、複数のパラメータによる内挿誤差を近似式でモデル化することができる演算工程を採用することにしたので、複数のパラメータの相互作用によるエンコーダの内挿誤差の見積りを、容易にかつ高い精度で行うことができる。
また本発明にかかる内挿誤差見積装置によれば、複数のパラメータによる内挿誤差を似式でモデル化することができる演算手段を備えているので、複数のパラメータの相互作用によるエンコーダの内挿誤差の容易かつ高精度な見積りが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のエンコーダの出力信号処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】同上出力信号処理装置の内挿誤差見積装置による見積手順を示すフローチャートである。
【図3】第二実施形態のエンコーダの出力信号処理装置の概略構成を示す図である。
【図4】同上出力信号処理装置の内挿誤差見積装置による見積手順を示すフローチャートである。
【図5】第三実施形態のエンコーダの出力信号処理装置の概略構成を示す図である。
【図6】同上出力信号処理装置の内挿誤差見積装置による見積手順を示すフローチャートである。
【図7】第四実施形態のエンコーダの出力信号処理装置の概略構成を示す図である。
【図8】同上出力信号処理装置の内挿誤差見積装置による見積手順を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. エンコーダから出力されるA相及びB相正弦波を内挿手段により内挿した時の内挿誤差を見積る内挿誤差見積方法において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式1で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の各オフセットを求めるオフセット検出工程と、
    前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセットを下記数式2に代入し、該オフセットによる内挿誤差Eを求める演算工程と、
    を備えたことを特徴とする内挿誤差見積方法。
    【数1】
    A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(1)
    【数2】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu}…(2)
    ここで、 λ:正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
  2. 請求項1記載の内挿誤差見積方法において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式3で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の振幅比を求める振幅比検出工程を備え、
    前記演算工程は、前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記振幅比検出工程で求められた振幅比を下記数式4に代入し、該オフセット及び振幅比による内挿誤差Eを求めることを特徴とする内挿誤差見積方法。
    【数3】
    A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(3)
    【数4】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu
    +(Ac1/As1−1)sinu cosu} …(4)
    ここで、 λ:正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
    Ac1/As1:振幅比検出工程で求められた振幅比
  3. 請求項1記載の内挿誤差見積方法において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式5で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の位相差を求める位相差検出工程を備え、
    前記演算工程は、前記オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記位相差検出工程で求められた位相差を下記数式6に代入し、該オフセット及び位相差による内挿誤差Eを求めることを特徴とする内挿誤差見積方法。
    【数5】
    A相正弦波=Assin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Accos(2πx/λ+ε)+Vc …(5)
    【数6】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
    −εsinu} …(6)
    ここで、 λ:正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出工程で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
    ε:位相差検出工程で求められた位相差
  4. エンコーダから出力されるA相及びB相正弦波を内挿手段により内挿した時の内挿誤差を見積る内挿誤差見積装置において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセットの誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式7で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の各オフセットを求めるオフセット検出手段と、
    前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセットを下記数式8に代入し、該オフセットによる内挿誤差Eを求める演算手段と、
    を備えたことを特徴とする内挿誤差見積装置。
    【数7】
    A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(7)
    【数8】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu}…(8)
    ここで、 λ:前記正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
  5. 請求項4記載の内挿誤差見積装置において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び振幅比の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式9で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の振幅比を求める振幅比検出手段を備え、
    前記演算手段は、前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記振幅比検出手段で求められた振幅比を下記数式10に代入し、該オフセット及び振幅比による内挿誤差Eを求めることを特徴とする内挿誤差見積装置。
    【数9】
    A相正弦波=As1 sin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Ac1 cos(2πx/λ)+Vc …(9)
    【数10】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As1)cosu+(Vc/Ac1)sinu
    +(Ac1/As1−1)sinu cosu} …(10)
    ここで、 λ:正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
    Ac1/As1:振幅比検出手段で求められた振幅比
  6. 請求項4記載の内挿誤差見積装置において、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波はオフセット及び位相差の誤差を含み、該誤差を含む正弦波が下記数式11で表せるとした時、
    前記エンコーダから内挿手段に入力されるA相及びB相正弦波の位相差を求める位相差検出手段を備え、
    前記演算手段は、前記オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット、及び前記位相差検出手段で求められた位相差を下記数式12に代入し、該オフセット及び位相差による内挿誤差Eを求めることを特徴とする内挿誤差見積装置。
    【数11】
    A相正弦波=Assin(2πx/λ)+Vs
    B相正弦波=Accos(2πx/λ+ε)+Vc …(11)
    【数12】
    内挿誤差E=(λ/2π){(−Vs/As)cosu+(Vc/Ac)sinu
    −εsinu} …(12)
    ここで、 λ:正弦波の波長
    u:2πx/λ
    x:エンコーダの位置
    As1 ,Ac1:A相及びB相正弦波の各振幅
    Vs,Vc:オフセット検出手段で求められたA相及びB相正弦波の各オフセット
    ε:位相差検出手段で求められた位相差
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