JP4256892B2 - 異材接合方法 - Google Patents
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Description
本発明では、異材接合に用いる溶接方法として、アーク溶接の内でも比較的使用電流が低い、交流MIG(ミグ)溶接、または直流逆極性によるMIG溶接を選択して、これら単独にて、あるいは両者を組み合わせて、異材接合を行なう。これによって、フッ化物系混合フラックス自体の飛散を防止して、溶接作業性を改善する。
本発明では、溶接ワイヤ(溶加材)として、後述するフッ化アルミニウムおよびフッ化カリウムの混合フラックスをアルミニウム合金で被覆したフラックス入りワイヤを用いる。図1は本発明で使用するフラックス入りワイヤ3の断面を示す。本発明で使用するフラックス入りワイヤ3は、管状のアルミニウム材外皮2(フープとも言う)の内部に、フラックス1を充填してなる一般的なものが使用可能である。このフラックス入りワイヤはフラックスコアードワイヤ(FCW)とも言う。
但し、本発明では、この常法よりもフラックス入りワイヤの径を細くする、あるいは細いフラックス入りワイヤを用いることが好ましい。これによって、交流MIG溶接法や直流逆極性によるMIG溶接法を行なうに際して、入熱量を低くし、低電流条件とする。この結果、フッ化物系混合フラックス自体の飛散を防止し、溶接作業性が改善でき、また、脆弱な金属間化合物生成抑制できる。このため、フラックス入りワイヤの径は1.6mmφ以下のものを使用する。ワイヤ径が1.6φmmを超えると、安定したアークを得るための電流が過大となって、フッ化物系混合フラックス自体の飛散が大きくなる。また、母材の溶融が過剰気味となり、脆弱な金属間化合物(Fe-Al 系化合物)の生成につながる。より好ましいフラックス入りワイヤの径は1.4mmφ以下である。
本発明では、フラックス入りワイヤに使用する(充填する)フラックス組成を、フッ化物系混合フラックスの中でも。特にフッ化アルミニウムとフッ化カリウムとの二つのフッ化物系フラックスを混合した、特定組成の混合フラックス(以下、ノコロックフラックスとも言う)とする。
但し、ここで、フラックス入りワイヤへのノコロックフラックスの充填率が重要となる。本発明では、このノコロックフラックス(混合フラックス)の充填量を、フラックス入りワイヤの全体質量に対して、0.1質量%以上、24質量%未満と、比較的少なくする。
次に、本発明異材接合方法の交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接の施工態様を説明するが、本発明異材接合方法では、MIG溶接の施工態様自体は常法と同じである。図2に、その一施工態様を示す。図2では、溶融亜鉛めっき鋼材(または裸の鋼材)5の端部5aに、アルミニウム材4の端部4aを上側として重ね合わせて、互いの端部5a、4a同士の重ね継手を形成する。
この溶接施工の際、溶接部(接合部)の接合強度を向上させるための、上記各MIG溶接における好ましい溶接条件について以下に説明する。アルミニウム材と鋼材との界面に生成する金属間化合物の生成を抑制するためには、溶接条件として、母材である鋼材を過剰量溶融させることなく、必要最小限の母材溶融(希釈)量で健全な接合状態が得られるように溶接することが好ましい。
本発明交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接を実施する際、大電流となるほど、フラックス入りワイヤであっても、フラックスが飛散しやすくなり、生成する接合界面の脆い金属間化合物が多くなる。このため、こうしたフラックスの飛散や金属間化合物を抑制する上で、低い電流条件で接合することが推奨される。このような溶接電流としては20A以上、より好ましくは30A以上で、100A以下、より好ましくは80A以下である。
溶接電圧は、溶接電流と同様に、交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接とも、低い電圧条件で接合することが推奨される。この点、溶接電圧は、5V以上、より好ましくは7V以上で、20V以下、より好ましくは18V以下である。
溶接速度は、交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接とも、上記溶接電流および溶接電圧に応じて母材中のFeおよびAlを過剰溶融させない範囲で適当に決めればよい。交流MIG溶接で、溶接能率なども考慮して好ましいのは15cm/min以上、より好ましくは20cm/min以上で、60cm/min以下、より好ましくは50cm/min以下である。
交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接とも、シールドガスは、Arなど汎用されるガスが適宜使用でき、このシールドガス流量も、例えば10〜50L/minの汎用流量が選択でき、特に制限は無い。
溶接トーチ角度:
溶接トーチ(アークトーチ)角度は、特に制約は無く、交流MIG溶接や直流逆極性によるMIG溶接とも、溶接や継手の溶接条件などに応じて、角度θは適宜選択される。
本発明異材接合方法の適用対象部材としては、前記した通り、溶融亜鉛めっき鋼材からなる自動車のメンバ類や大型パネル類と、アルミニウム合金材からなる補強材との、構造部材同士の接合が例示される。この点、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板を成形した矩形中空形状からなるサイドメンバと、アルミニウム合金押出中空形材からなるバンパ補強材あるいはバンパステイなどとの、図2のような直接端部同士を重ね合わせての継手や、互いの端部に設けたフランジ面同士を重ね合わせての継手などの接合が例示される。
鋼材の耐食性確保の観点から、また、本発明の目的からして、元々異材接合が困難であった、合金化を含む溶融亜鉛めっき鋼材が本発明に使用されて特に好ましい。溶融亜鉛めっきを含めた亜鉛めっき鋼材の溶接では、発生する亜鉛蒸気によりアークが不安定になり、スパッタの発生やピット、ブローホール等の気孔欠陥の発生が問題となる。しかし、本発明によれば、フラックスの効果により鋼板表面の清浄効果が発揮され、溶融金属が濡れ性よく鋼板表面を覆うため、亜鉛蒸気の発生も少ない。特に、本発明のフラックス入りワイヤでは吸湿性の高いフッ化セシウムを含有しないため、ブローホールをさらに抑制でき、アークの安定性にも優れる。
本発明で用いるアルミニウム材は、その合金の種類や形状を特に限定するものではなく、各構造用部材としての要求特性に応じて、汎用されている圧延などの板材、押出などの形材、鍛造材、鋳造材などが適宜選択される。ただ、構造部材としての高強度を得るためには、成形性などの要求諸特性も満たすアルミニウム合金として汎用される、Al−Mg系、Al−Mg−Si系あるいはAl−Mg−Zn系の、JIS乃至AA規格で言う、5000系、6000系、7000系などのアルミニウム合金とすることが好ましい。これらのアルミニウム合金を、構造部材毎の必要強度や成形性に応じて調質処理したものが便宜選択される。
4:アルミニウム材、5:鋼材、6:溶接金属、7:溶接線、
10:溶接トーチ
Claims (2)
- アルミニウム材と鋼材とを、フラックス入りワイヤを用いて、交流MIG溶接または直流逆極性によるMIG溶接により接合する異材接合方法であって、アルミニウム材外皮内部にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤを用い、この充填するフラックスをフッ化アルミニウムとフッ化カリウムとの混合フラックスとし、かつ、この混合フラックスの充填量を、フラックス入りワイヤの全体質量に対して0.1質量%以上、24質量%未満とし、前記混合フラックスの融点が560℃から700℃の範囲であり、フラックス入りワイヤの径が1.6mmφ以下であることを特徴とする異材接合方法。
- 前記鋼材が亜鉛めっき鋼材である請求項1に記載の異材接合方法。
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