JP4250558B2 - Dsrc車載器 - Google Patents
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Description
この車載機器によりユーザ(運転手)は有料道路の料金を支払ったり、道路の渋滞状況に関する情報を受け取るなどのサービスを受けることができる。そして運転手が自分で操作できるよう運転席から手の届く範囲に設置する必要がある。DSRCは最近普及し始めたシステムであるため、車両に後付(車両が製造され使用され始めた後に取り付けられる)されることが多く、取り付けやすいダッシュボードの上に取り付けられる場合が多い。しかし、この装置が視界を妨げては安全性を損なうので、車載器は可能な限り小型化することが要求される。
DSRCの提供サービスの種類が有料道路の料金支払いだけであった当初においては、押しボタンスイッチの数は2個で十分であったが、DSRCシステムで提供可能なサービスの種類が、最近増える一方であるという事情から、押しボタンスイッチの数を増やす必要が生じている。
もちろん、いわゆるファンクションキーを用いることで、一つのスイッチの機能を複数通りにする技術は、電卓や携帯電話などで普通に使われている。しかし、ファンクションキーを用いる方法も、スイッチ面に記載した文字が読めるという前提がなければ使用しづらい点があり、運転しながら使用する機会の多いDSRC車載器では採用が難しい。
昨今、車載器の機能として、音量調整、履歴確認、車載器管理番号、累積履歴などの多機能を要求されるようになり、スイッチを多数準備しなくてはならないが、車載器の小型化に反するため、増やすことができないという課題があった。またスイッチの増加は価格の高騰を招くという課題があった。
路側に設置された情報無線機器との交信を行う無線通信部、情報を音声で告知するスピーカの音量を設定する音量設定部、パネル前面に配置され前記音量設定部に設定レベルを入力する前記音量設定機能を有する押しボタン式の第1スイッチ、
電子情報を記憶したカードを読み込むとともに、前記カードの挿抜にしたがって動作するカードスイッチを有するカード読み込み部、
前記カードスイッチの接/断状況を時間経過とともに検知し、時間経過に対するパターンとして認識するとともに、あらかじめ記憶した複数の前記パターンと比較して、いずれかと一致すれば、一致した前記パターンにあらかじめ割り当てられた機能を前記カードスイッチに割り当てるカードスイッチ判定部、
前記第1スイッチのオン/オフに従って、前記カードスイッチ判定部が割り当てた機能を変更するスイッチトータル判定部とを備えたものである。
このDSRC車載器によって、ひとつのスイッチをカードの挿入の有無で音量設定と利用履歴確認機能に使い分け、ユーザーの感覚にフィットした使い方を実現できるとともに、スイッチの押させる手順を記憶しておく必要がなくなりスイッチ判定部1を簡素化できる。
本発明のDSRC車載器では1個のスイッチを複数(数10)の機能として使用することができるものであるが、理解を助けるため実施の形態1では、単純な3つの機能として利用する形態について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1のDSRC車載器のブロック図、図2は図1の動作を説明するフローチャート、図3は動作を説明するための機能割り振り説明図、図4は外観図である。図1は車載器の機能ブロックを示し、図示されていないDSRC路上機と無線交信をするための無線通信部1、スピーカやブザーなど音を発生させてユーザーへ情報を伝える音源部2、前記音源部2を駆動するため音声アンプ等から構成されている音源駆動部3、前記音源駆動部3を制御して前記音源部2の音量を設定する音量設定部4、車載器のユーザーが手で押すことのできる第1スイッチ5、第1スイッチ5の押され方(詳細は後述するがパターンという)を検知して、第1スイッチ5の用途(機能)を判定するスイッチ判定部6、車載器へ挿入される図示しないカードの情報を読み取るカード読み込み部7、これらを総合的に制御する図示しない演算処理装置やメモリを備えたデータ処理部14とを備えている。
なお、カード読み込み部7の使用法については実施の形態3以降で説明する。
DSRC車載器の音声は、高速道路の料金収受に使われるETCシステム(Electronic Toll Collection System)の場合、料金所入り口では正常に通行できる趣旨の案内や、料金所出口では使用した料金を発声している。通常上記スイッチ1はこれらを発声する音量調整のために使用され、第1スイッチ5を押すたびに音量を段階的に設定できるようになっている。
電源が投入された初期状態では第1スイッチ5は音量設定部4に音量のレベルの変化を指示する音量設定器としての機能(第1用途という)を有している。
DSRC車載器では図示しないカードに通行料金などの利用履歴を記憶させてあり、ユーザーはその利用履歴を読みだして残額などの確認を行う必要がある。その場合、上記スイッチ判定部6にあらかじめ記憶させている第1スイッチ5の押す手順(詳細は後述)どおりに第1スイッチ5を押すことで、第1スイッチ5が音量設定ではなく利用履歴を読みだす(第2用途という)スイッチとして使用できるようになる。
通常、第1スイッチ5を用いてユーザが音量設定を行う場合、スイッチをそれほど長時間押し続けるということはない。長く押し続けると音量が最大または最小でそれ以上変化しないからである。そこでこのスイッチを異なる用途に用いる場合にはユーザーが普通には押さないような特殊な手順(パターンという)を記憶させておく。例えば第1スイッチを3秒以上連続して長押しをする場合、2秒以上の長押しを短い時間を間に置いて2回連続押す場合など、長押しを基本とした押し方を記憶させておき、その手順どおりに押された場合に、第1スイッチ5を音量設定用途以外の用途のスイッチとして使用できるようにする。
このようにした結果、図4に示すように、パネル面に設けた1つの第1スイッチ5により複数の用途の設定を行うことができ車載器の小型化が達成できる。
実施の形態1では、第1スイッチ5の用途が複数とは言え、例として2通り程度を示したにすぎない。スイッチの機能を数十に増やすには実施の形態1で説明した識別すべき押し下げ状態(パターン)を数十種類決定しなければならない。ここでは、その具体的な決定形態について例を示す。
図5は英数字と符号十数点のモールス信号の符号表であり、周知の資料である。
第1スイッチ5からモールス符号が人手により打ち込まれるとき、その速度や、長短点の比率は人により様々に異なるが、速度が異なっても、実施の形態1の図1に示したスイッチ判定部6が図5のモールス符号を識別できるようにすることは公知の技術により可能である。
また、図6は実施の形態3のDSRC車載器のブロック図である。実施の形態1の図1のブロックに加えて、電子情報を記憶したカードをカード読み込み部7に挿入したとき、ユーザーが車載器にカードを挿入すればON、車載器からカードを抜けばOFFになるカードスイッチ8が取り付けられている。また、スイッチ判定部6の判定結果と、カードスイッチ8のオン/オフ状態(時間経過に対するパターンという)とにもとづいて、最終的に割り当てるべき用途を決定するスイッチトータル判定部10を備えている。
図7はカードスイッチ8がオンの場合とオフの場合とで、切り替える用途の判定例を示したものである。図8に動作を説明するためのフローチャートを示す。
第1スイッチ5を、例えば3秒以上の長押しなら(ステップS2yes)、ステップS10でカードが挿入された状態(カードスイッチ8がオンの状態)なら、(ステップS2a)で用途4と判定される。また、ステップS10でカードが挿入されていなければステップS2bで用途3と判定される。
1秒間に3回押されたとき(ステップS4)で、カードが挿入されていればステップS4aで用途8と判定される。カードが未挿入ならステップS4bで用途7と判定される。各用途に具体的にどのような機能を割り当てるかは任意に決定することができる。
以上の説明において、ステップS10の判定によって最終的に用途を確定するのは図6のスイッチトータル判定部10でおこなう。
図9では、カードスイッチ8のオン/オフを行った状態(実施の形態1で説明した第1スイッチ5のオンオフ状態と同じ意味)を検知し、この結果によりカードスイッチ8の用途を判定するカードスイッチ判定部9が設けられている。カードスイッチ判定部9は、実施の形態1で説明したスイッチ判定部6と同じ構成/類似した機能を備えている。即ち、あらかじめカードスイッチ8のオンとオフの状態の変化手順を複数通り記憶させておき(実施の形態1の図3と同じ)、ユーザーがカードの抜き差しをその手順どおりに実施した場合に、どの手順に一致するかを判定して、結果をスイッチトータル判定部10に通知する。
理解を助けるため図9では第1スイッチは単純な1機能のスイッチとして用いており、スイッチ判定部6は用いていない。
カードスイッチ8の押し方により、決定されるカードスイッチ8の決定例は実施の形態1の図3と同じである。
図10において、スイッチ判定部6とカードスイッチ判定部9との判定結果をもとに第1スイッチ5の機能を判定するスイッチトータル判定部10を設けている。スイッチトータル判定部10は前記2つのスイッチのオン/オフと、挿入手順との組合せを記憶させておき、そのとおりの入力がなされたときに第1スイッチ5の機能を変更する。
上記組み合わせの例を図11に示す。たとえば、カード挿入のパターンをX2のようなパターンで挿入し、次に第1スイッチ5をスイッチ判定部6でパターンY1と判定されるように操作すると、スイッチトータル判定部10では、第1スイッチ1を用途2の機能のスイッチとして使用できるようにする。また、カードの挿入をカードスイッチ判定部9でパターンX3と判定されるように挿入した後、第1スイッチ5をパターンY3のように操作すると、スイッチトータル判定部10では、第1スイッチ5を用途23と判定する。
即ち、第1スイッチ5の機能を判定する際に、その前(または直前)に実行されたカードの挿入パターンに基づいて判定されるのである。第1スイッチ5の操作パターンだけで多数の機能に対応させると、操作者がパターンを覚えきれなくなるという問題があるが、図11の組み合わせを用いることにより少ないパターン数で多数の用途を決めることができるようになる。
以上に説明した各実施の形態において、第1スイッチの用途を基本機能(例えば音量設定)から、他の用途に切り替えた後、しばらく操作をしないと、第1スイッチがどんな用途に設定されていたか忘れてしまう可能性がある。もちろん用途の決定時に決定した用途を表示部に表示すればよいが、運転中にはほとんど確認する余裕はない。
そこで、図1においてスイッチ判定部6によって第1スイッチ5の機能を決めたあと、その機能を使用できる時間を規定するタイマ11を設けている。実施の形態1、2、3または4で前記スイッチの機能を基本機能である音量設定機能から、パターンによって決定された用途、例えば利用履歴確認機能や車載器管理番号の呼び出し機能などとして使用する場合に、スイッチ操作をしない時間があらかじめタイマ11によって決められた時間経過すると、自動的に本来の音量設定機能に復帰させる。
また、カードスイッチ判定部9の判定結果からガードが抜かれたことを検知してからタイマ11によって決められた時間経過すると、本来の音量設定機能に復帰させてもよい。
図1において12は音量設定時に前記音量設定部へ設定する音量設定値と前記音源部からその音量と関連づけた発声をさせるための発声内容とを記憶しておく音量調整部であり、前記スイッチを音量設定機能として使用した場合に、例えば一回押すと現在の音量、二回押すと次の音量、3回押すとその次の音量と音量設定値を段階的に上げて行き、最大音量に設定した次に最小音量に戻す。このときに、音量調整部は、設定する音量の大きさを音量設定部に設定するとともに、さらにそのときの音量のレベルを表す例えば番号など音量に関連した情報を発声させるように音源駆動部にデータを設定する。
たとえは、音量調整が3段階ある場合は、1段目は小音量で「一番」、2段目は中音量で「2番」、3段目は大音量で「3番」と発生させるように音量調整部から音量設定部と音源駆動部へデータを設定する。
これによって、ユーザーは自分の設定したい音量レベルを、番号アナウンスと実際の音量との両方から確認でき、確実に最適な音量に設定することができる。
また、発声内容を「一番、二番・・」ではなく、「ピー」音(音量レベルにあわせて周波数が高くなる)のようなブザー音に設定してもよいし、その他の発声にしても良い。
図12において、音量設定値を確定させるための第2タイマー13を設けている。 動作を図13のフローを用いて説明する。実施の形態7で説明した音量設定を実施する際に、第1スイッチ5を押して(ステップS21)、「一番」「二番」のように設定のための発声を実施(ステップS22)したあと、この第2タイマー13に設定された時間を経過したかどうかをチェックする(ステップS23)。そして時間経過後には、設定値を今後発声時に使用する音量を確定するために、図示していない記憶媒体に記憶させる(ステップS24)。
この際に、決定した音量がどの音量なのかを再度通知するために「2番に決定しました」などの発声をしてもよい。
5 第1スイッチ、 6 スイッチ判定部、 7 カード読み込み部、
8 カードスイッチ、 9 カードスイッチ判定部、
10 スイッチトータル判定部、 11 第1タイマ、 12 音量調整部、
13 第2タイマ、 14 データ処理部。
Claims (6)
- 道路を走行する車両に搭載され、
路側に設置された情報無線機器との交信を行う無線通信部、
情報を音声で告知するスピーカの音量を設定する音量設定部、
パネル前面に配置され前記音量設定部に設定レベルを入力する前記音量設定機能を有する押しボタン式の第1スイッチ、
電子情報を記憶したカードを読み込むとともに、前記カードの挿抜にしたがって動作するカードスイッチを有するカード読み込み部、
前記カードスイッチの接/断状況を時間経過とともに検知し、時間経過に対するパターンとして認識するとともに、あらかじめ記憶した複数の前記パターンと比較して、いずれかと一致すれば、一致した前記パターンにあらかじめ割り当てられた機能を前記カードスイッチに割り当てるカードスイッチ判定部、
前記第1スイッチのオン/オフに従って、前記カードスイッチ判定部が割り当てた機能を変更するスイッチトータル判定部とを備えたことを特徴とする高度道路交通システムの狭域通信システムに使用されるDSRC車載器。 - 道路を走行する車両に搭載され、
路側に設置された情報無線機器との交信を行う無線通信部、
情報を音声で告知するスピーカの音量を設定する音量設定部、
パネル前面に配置され前記音量設定部に設定レベルを入力する前記音量設定機能を有する押しボタン式の第1スイッチ、
前記第1スイッチの接/断状況を時間経過とともに検知し、時間経過に対する接触パターンとして認識するとともに、あらかじめ記憶した複数の前記接触パターンと比較して、いずれかと一致すれば、一致した前記接触パターンにあらかじめ割り当てられた機能を前記第1スイッチに割り当てるスイッチ判定部、
電子情報を記憶したカードを読み込むとともに、前記カードの挿抜にしたがって動作するカードスイッチを有するカード読み込み部、
前記カードスイッチの接/断状況を時間経過とともに検知し、時間経過に対する接触パターンとして認識するとともに、あらかじめ記憶した複数の前記接触パターンと比較して、いずれかと一致すれば、一致した前記接触パターンにあらかじめ割り当てられた機能を前記カードスイッチに割り当てるカードスイッチ判定部、
前記スイッチ判定部が割り当てた機能と、前記カードスイッチ判定部が割り当てた機能とが一致した機能を割り当てるスイッチトータル判定部を備えたことを特徴とする高度道路交通システムの狭域通信システムに使用されるDSRC車載器。 - 前記スイッチトータル判定部が割り当てた機能が有効となる時間長さを設定する第1タイマを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のDSRC車載器。
- 前記第1スイッチまたは前記カードスイッチに前記機能が割り当てられたとき、該機能を前記スピーカから音声で告知する音信号を発生する音源部と、前記音源部からその音量と関連づけた発声をさせるための発声内容を記憶しておく調整部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のDSRC車載器。
- 音量設定値を確定させるための第2タイマーを有することを特徴とする請求項4に記載のDSRC車載器。
- 前記パターンの少なくとも一つはモールス符号に相当するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のDSRC車載器。
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