JP4249278B2 - 紙容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙容器に関し、更に詳しくは、優れたバリア−性と低温シ−ル性と低臭性とを有し、主に、ジュ−ス、酒、調味料、その他等の液状飲食品の充填包装に適する紙容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジュ−ス、酒、調味料、その他等の液状飲食品の充填包装に適する紙容器としては、種々の形態のものが開発され、提案されている。
最も、一般的なものとして、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜を有する樹脂フィルム、あるいは、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム等をバリア−性基材として有する積層体を使用して製函してなる紙容器が知られている。
また、近年、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体により最内層を形成し、これをシ−ラント層とする積層体を使用して製函してなる紙容器も知られている。
これらの紙容器は、例えば、前者のものは、酸素ガス等に対するバリア−性に優れている紙容器として有用であり、また、後者のものは、低温シ−ル性、低臭性等に優れている紙容器として有用なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような紙容器においては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜を有する樹脂フィルム、あるいは、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム等のバリア−性基材と、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体によりシ−ラント層とを組み合わせて、紙容器形成用積層体を製造し、これを使用して製函し、酸素ガス等に対するバリア−性、低温シ−ル性、低臭性等に優れた紙容器を容易に想到し得ることである。
しかしなが、上記の紙容器形成用積層体を使用して製函してなる紙容器においては、種々の問題点があり、実際に、酸素ガス等に対するバリア−性、低温シ−ル性、低臭性等に優れた紙容器を製造することは困難であるというのが実状である。
例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜を有する樹脂フィルム等のバリア−性基材を使用するものは、酸素ガス等に対するバリア−性、低温シ−ル性、低臭性等に優れているが、使用後の紙容器を廃棄する場合に、アルミニウムが廃棄適性に欠けるという問題点がある。
また、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム等のバリア−性基材を使用するものは、紙容器形成用積層体を使用してブランク板を製造し、例えば、底部を形成するために、該ブランク板を折り曲げ加工する際に、更には、加熱加圧する際に、無機酸化物の蒸着膜が、ガラス質のものであることから、簡単に亀裂等を生じ、酸素ガス等に対するバリア−性を著しく低下し兼ねないものであるという問題点がある。
そこで本発明は、優れたバリア−性と低温シ−ル性と低臭性とを有し、主に、ジュ−ス、酒、調味料、その他等の液状飲食品の充填包装に適する紙容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、バリア−性基材として、樹脂系からなるバリア−性樹脂層に着目し、これと、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体によるシ−ラント層とを組み合わせて、紙容器形成用積層体を製造し、該紙容器形成用積層体を使用し、製函して紙容器を製造し、而して、該紙容器の中に、ジュ−ス、酒、調味料、その他等の液状飲食品を充填包装したところ、酸素ガス等に対するバリア−性、低温シ−ル性、低臭性等に優れた紙容器を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、少なくとも紙基材を有する積層体であって、該紙基材の一方の面に、少なくとも、バリア−性樹脂層とシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層とを設けた構成からなる紙容器形成用積層体を使用し、これを製函してなることを特徴とする紙容器に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、上記の本発明において、本発明にかかる紙容器の構成について図面を用いて説明すると、図1、図2および図3は、本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体について、その二三例の層構成を示す概略的断面図であり、図4、図5および図6は、上記の図2に示した紙容器形成用積層体を使用して製函してなる本発明にかかる紙容器の一例についてその構成を示す概略的斜視図であり、図7は、上記の図4〜6に示す本発明にかかる紙容器内に内容物を充填包装した包装製品についてその一例の構成を示す概略的斜視図である。
【0007】
まず、本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体としては、例えば、図1に示すように、少なくとも紙基材1を有する積層体であって、該紙基材1の一方の面に、少なくとも、バリア−性樹脂層2とシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層3とを設けた構成からなる紙容器形成用積層体Aを使用することができる。
【0008】
上記の本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体としては、具体的には、図2に示すように、外面側から、ポリエチレン樹脂層4、紙基材1、ポリエチレン樹脂層4a、接着性ポリエチレン樹脂層5、バリア−性樹脂層2、接着性ポリエチレン樹脂層5a、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層3の順に順次に積層した紙容器形成用積層体Bを使用することができる。
【0009】
あるいは、上記の本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体としては、具体的には、図3に示すように、外面側から、ポリエチレン樹脂層4、紙基材1、接着性ポリエチレン樹脂層5、バリア−性樹脂層2、接着性ポリエチレン樹脂層5a、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層3の順に積層した紙容器形成用積層体Cを使用することができる。
【0010】
次に、本発明において、上記のような紙容器形成用積層体を使用して製造する本発明にかかる紙容器の構成について説明すると、図4に示すように、上記の図2に示す紙容器形成用積層体Bを使用した例を示して説明すると、まず、上記の図2に示す紙容器形成用積層体Bから所定の折罫(点線で示している)l、胴部を構成する貼着部6等を有する紙容器形成用ブランク板Dを打ち抜き加工して製造し、次に、図5に示すように、該紙容器形成用ブランク板Dの貼着部6を他方の側端部7(図4に示す)に重ね合わせてその重合部分をヒ−トシ−ルして側端シ−ル部8(6、7)を形成して紙容器形成用胴部Eを製造し、しかる後 図6に示すように、上記で製造した紙容器形成用胴部Eの下方部分の折り込み片を、通常の製函方法に従って、折り込んでヒ−トシ−ルして底部9を形成して、本発明にかかる紙容器Fを製造する。
而して、本発明においては、図7に示すように、上記のように製造した紙容器Fの上方部分の開口部から内容物10を充填し、次いで、その開口部にあたる上方部分の折り込み片を、通常の製函方法に従って、折り込んでヒ−トシ−ルして、例えば、屋根型シ−ル部11を形成して、本発明にかかる内容物を充填包装した包装製品Gを製造することができる。
【0011】
本発明において、上記に図示して例示した紙容器形成用積層体、紙容器等は、その二三例であり、本発明は、これにより限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、種々の形態の紙容器形成用積層体、紙容器等を製造することができ、例えば、上記のようなゲ−ベルトップ型に代えて、例えば、ブリック型、フラットトップ型等の種々の形態の紙容器等を製造することができる。
また、本発明においては、上記のような紙容器において、必要に応じて、ワンピ−スタイプあるいはツ−ピ−スタイプの注出口等を設けることもできる。
【0012】
また、上記において、本発明にかかる紙容器形成用積層体、紙容器等を製造する際に、積層体から打ち抜いた紙容器形成用ブランク板の両端縁部を重ね合わせてその重合部を貼着した紙容器形成用胴部を製造する場合、その貼着するときに、フレ−ムシ−ル、あるいはホットエア−シ−ル等のシ−ル方式を採用し得ることは言うまでもない。
更にまた、上記の貼着に際しては、必要に応じて、ブランク板の端部の端面を保護すべく、例えば、端部を単に折り込むだけの折り込みヘミング方式、端部の一部を切削して折り込み加工するスカイブヘミング方式、端部にプラスチックフィルム等を貼り合わせるテ−プ貼り方式等の種々の端面処理法を採用して、ブランク板の端部の端面が露出しないように端面処理を行うことができる。
【0013】
更にまた、本発明において、紙容器形成用積層体から紙容器形成用ブランク板を製造する打ち抜き加工法、該紙容器形成用ブランク板から紙容器成形用胴部を製造する方法、更には、該紙容器成形用胴部を製函して紙容器を製造する方法等は、従来と同様な、折罫付与方式、ブランク板の打ち抜き加工方式、製函方式等を採用して行なうことができる。
【0014】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる紙容器形成用積層体、紙容器等を構成する材料、その製造法等について説明すると、かかる材料、方法等としては、種々のものを使用することができる。
まず、本発明において、紙基材としては、容器を構成する基材となるものであり、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
なお、本発明においては、上記のような紙基材には、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で施されていてもよい。
【0015】
次に、本発明において、バリア−性樹脂層を構成するバリア−性樹脂としては、酸素ガス、水蒸気等の透過を防止する性質を有する樹脂を使用することができ具体的には、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、または、ポリアクリロニトリル系樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂を使用し、そのフィルムないしシ−ト、コ−ティング膜、あるいは、押し出し膜等を形成することによって、バリア−性樹脂層を形成することができる。
上記において、バリア−性樹脂層の厚さとしては、0.5μmないし30μm位、好ましくは、3μmないし20μm位が望ましい。
【0016】
ところで、本発明において、バリア−性樹脂層としては、更に具体的には、上記のようなバリア−性樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を使用し、例えば、ポリエチレン系樹脂層、接着剤層、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、または、ポリアクリロニトリル系樹脂のいずれかの樹脂によるバリア−性樹脂層、接着剤層、および、ポリエチレン系樹脂層の5層共押し出し樹脂層等からなるバリア−性樹脂層を使用することが好ましいものである。
上記のような、5層共押し出し樹脂層を形成する方法としては、Tダイ共押し出し方式、あるいは、共押し出しインフレ−ション方式等によって製造することができ、また、その層構成は、7層等の共押し出し樹脂層であってもよく、更にまた、その各樹脂層の厚さとしては、2〜20μm位の範囲内で任意に調整することが望ましい。
【0017】
上記において、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンとブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、若しくは、メチルペンテン等のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、若しくは、メタクリル酸メチル等との共重合体、アイオノマ−樹脂、ポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン、若しくは、ヘキセン等との共重合体、その他等のポリオレンフィン系樹脂を使用することができる。
上記のようなポリオレフィン系樹脂の中から、その目的に合った樹脂を選択し、それらとバリア−性樹脂とを組み合わせて共押し出しすることにより、3層、5層、7層、あるいは、それ以上からなる共押し出し樹脂層を形成することができる。
【0018】
次に、本発明において、最内層を構成するシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体の樹脂層としては、そのフィルムないしシ−ト、あるいはその共重合体を含む組成物によるコ−ティング膜等の状態で使用することができ、それによって、最内層を構成するヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとして機能するものである。
その膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、3μmないし300μm位、好ましくは、5μmないし100μm位が望ましい。
【0019】
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体について更に詳述すると、具体的には、例えば、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒(いわゆるカミンスキ−触媒を含む)を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
なお、上記のメタロセン触媒は、無機物に担持されて使用されることもある。上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基またと置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アセチルアセトナ−ト基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。
また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。
ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。
例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。
次にまた、上記において、メタロセン触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
【0020】
次に、上記において、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等の各種の重合方法で行なうことができる。
また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。
上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300Kg/cm2 位である。
更に、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマ−であるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。
上記のα−オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上記のα−オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。
而して、本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量、5×103 〜5×106 、密度、0.890〜0.930g/cm3 、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.1〜50g/10分位である。
なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
【0021】
更に、本発明においては、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層としては、上記のようなシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン系樹脂と、前述のポリエチレン系樹脂との共押し出し樹脂層からなり、更に、該共押し出し樹脂層を構成するシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン系樹脂層を最内層とする共押し出し樹脂層を使用することがてきる。
上記において、共押し出し樹脂層を形成する方法としては、Tダイ共押し出し方式、あるいは、共押し出しインフレ−ション方式等によって製造することができ、また、その層構成は、2層あるいはそれ以上の層からなる共押し出し樹脂層からなり、更にまた、その各樹脂層の厚さとしては、2〜20μm位の範囲内で任意に調整することが望ましい。
【0022】
次にまた、本発明において、紙基材の他方の片面には、紙容器を製函する際に接着性の役目を奏することが必要であることから、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルムないしシ−トを設けることが好ましく、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、エチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記のフィルムないしシ−トは、その樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用することができる。
本発明において、最外層の厚さとしては、10μmないし50μm位が好ましくは、更には、15μmないし30μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような最外層を構成する樹脂層表面には、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で施されていてもよい。
【0023】
次にまた、本発明において、必要ならば、種々の中間基材を積層することができ、而して、かかる中間基材としては、例えば、例えば、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0024】
また、本発明においては、通常、紙容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、紙容器を構成する包装材料には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、耐水性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0025】
本発明においては、上記のような材料を使用する際に、その材料中に、例えば、顔料、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加して使用することができる。
【0026】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して紙容器形成用積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の積層法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理を紙基材、フィルム等に施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0027】
更に、本発明において、上記のような積層法において、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等の押し出し用のポリオレフィン系樹脂、あるいはオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂を使用してラミネ−トすることができる。
【0028】
本発明において、上記のような材料を使用して製造した本発明にかかる紙容器等は、種々の物品の充填包装に適し、例えば、乳製品、ジュ−ス、調味料、その他等の液体食品、更には、接着剤、粘着剤等の化学品、医薬品、化粧品、洗剤等の雑貨品、その他等の液状物品の充填包装に使用することができるものである。
【0029】
【実施例】
上記の本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
坪量340g/m2 の紙基材の片面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを押し出しコ−ティングして、厚さ20μmの低密度ポリエチレン樹脂層を積層し、更に、該低密度ポリエチレン樹脂層面に、コロナ放電処理後、上記の低密度ポリエチレン樹脂層の表面に、所定の印刷模様を形成した。
他方、低密度ポリエチレン(密度、0.923g/cc、メルトインデックス、MI=3.7、融点、111℃)と、無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン(密度、0.91g/cc、メルトインデックス、MI=9.5)と、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂(エチレン含有率、32モル%、密度、1.19g/cc、融点181℃)とを使用し、インフレ−ション法にて5層共押し出しして、下記の層構成からなるバリア−性樹脂層を形成した。
厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層
次に、上記の紙基材を第1給紙側から供給し、該紙基材の面にコロナ放電処理を施し、次に、該コロナ処理面に、低密度ポリエチレンを押し出しながら、同時に、上記のバリア−性樹脂層を第2給紙側から供給し、その両者をサンドイッチラミネ−ションして積層した。
他方、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンが、1−ヘキセンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)を使用し、Tダイ法により、厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルムを製造した。
次いで、上記で製造した積層体を先に供給し、低密度ポリエチレンを押し出ししながら、同時に、上記のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルムを供給し、その両者をサンドイッチラミネ−ションして積層して、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
なお、上記の2回目のサンドイッチラミネ−ションの工程は、上記の1回目のサンドイッチラミネ−ションの工程に引き続き、同じ装置内で行った。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0030】
実施例2
バリア−性樹脂として、ナイロンMXD6樹脂(密度、1.22g/cc、メルトインデックス、MI=7.0、融点、243℃、三菱瓦斯化学工業株式会社製)を使用し、また、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂として、α−オレフィンが、1−オクテンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(メタロセンLL、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)を使用し、それ以外は、上記の実施例1と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのナイロンMXD6樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0031】
実施例3
バリア−性樹脂として、ポリ塩化ビニリデン樹脂を使用し、それ以外は、上記の実施例1と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのポリ塩化ビニリデン樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0032】
実施例4
バリア−性樹脂として、ポリアクリロニトリル樹脂〔密度、1.15g/cc、メルトインデックス、MI=3.0(200℃)〕を使用し、それ以外は、上記の実施例1と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのポリアクリロニトリル樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0033】
実施例5
坪量340g/m2 の紙基材の片面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを押し出しコ−ティングして、厚さ20μmの低密度ポリエチレン樹脂層を積層し、更に、該低密度ポリエチレン樹脂面に、コロナ放電処理後、該低密度ポリエチレン樹脂層の表面に、所定の印刷模様を形成した。
次に、上記の紙基材を含む積層体を第1給紙側から供給し、該積層体の紙基材の面にコロナ放電処理を施し、次に、該コロナ処理面に、低密度ポリエチレンを押し出しながら、低密度ポリエチレン(密度、0.923g/cc、メルトインデックス、MI=3.7、融点、111℃)と、無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン(密度、0.91g/cc、メルトインデックス、MI=9.5)と、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂(エチレン含有率、32モル%、密度、1.19g/cc、融点181℃)と、無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン(密度、0.91g/cc、メルトインデックス、MI=9.5)と、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンが、1−ヘキセンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)とを使用し、この順序で、Tダイ法により、5層共押し出しして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0034】
実施例6
バリア−性樹脂として、ナイロンMXD6樹脂(密度、1.22g/cc、メルトインデックス、MI=7.0、融点、243℃)を使用し、それ以外は、上記の実施例5と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのナイロンMXD6樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0035】
実施例7
坪量340g/m2 の紙基材の片面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを押し出しコ−ティングして、厚さ20μmの低密度ポリエチレン樹脂層を積層し、更に、該低密度ポリエチレン樹脂面に、コロナ放電処理後、該低密度ポリエチレン樹脂層の表面に、所定の印刷模様を形成した。
次に、上記の紙基材を含む積層体を第1給紙側から供給し、該積層体の紙基材の面にコロナ放電処理を施し、次に、該コロナ処理面に、低密度ポリエチレンを押し出しながら、無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン(密度、0.91g/cc、メルトインデックス、MI=9.5)と、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂(エチレン含有率、32モル%、密度、1.19g/cc、融点181℃)と、無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン(密度、0.91g/cc、メルトインデックス、MI=9.5)と、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンが、1−ヘキセンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)とを使用し、この順序で、Tダイ法により、4層共押し出しして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0036】
実施例8
バリア−性樹脂として、ナイロンMXD6樹脂(密度、1.22g/cc、メルトインデックス、MI=7.0、融点、243℃)を使用し、それ以外は、上記の実施例7と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのナイロンMXD6樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0037】
比較例1
坪量340g/m2 の紙基材の片面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを押し出しコ−ティングして、厚さ20μmの低密度ポリエチレン樹脂層を積層し、更に、該低密度ポリエチレン樹脂層面に、コロナ放電処理後、上記の低密度ポリエチレン樹脂層の表面に、所定の印刷模様を形成した。
他方、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンが、1−ヘキセンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)を使用し、Tダイ法により、厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルムを製造した。
次に、上記の紙基材を第1給紙側から供給し、該紙基材の面に、低密度ポリエチレンを押し出しながら、同時に、上記のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルムを供給し、その両者をサンドイッチラミネ−ションして積層して、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルム層
【0038】
比較例2
上記の実施例1における厚さ40μmのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂フィルムの代わりに、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度、0.923g/cc、メルトインデック、MI=3.7、融点、111℃)を使用し、それ以外は、上記の実施例1と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
なお、上記の2回目のサンドイッチラミネ−ションの工程は、上記の1回目のサンドイッチラミネ−ションの工程に引き続き、同じ装置内で行った。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmの低密度ポリエチレン層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム層
【0039】
比較例3
上記の実施例7におけるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(α−オレフィンが、1−ヘキセンからなるシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、メタロセンLL、密度、0.918g/cc、メルトインデックス、MI=4.0)の代わりに、低密度ポリエチレン樹脂(密度、0.923g/cc、メルトインデック、MI=3.7、融点、111℃)を使用し、それ以外は、上記の実施例7と同様にして、下記の層構成からなる紙容器形成用積層体を製造した。
(外側から)印刷層/厚さ20μmの低密度ポリエチレン層/坪量340g/m2 の紙基材/コロナ処理面/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ10μmのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂層/厚さ5μmの無水マレイン酸変性の接着性ポリエチレン層/厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム層
【0040】
実験例
次に、上記の実施例1〜8、および、比較例1〜3において製造した紙容器形成用積層体を使用し、周知の方法にて、1000ml容量の底部形状70mm角のゲ−ベルトップ容器を形成し得るブランク板を打ち抜き、次いで、該ブランク板の胴部をスカイブ法、スカイブ・ヘミング法、テ−プ貼り法にて各々端面処理を行い、しかる後胴部を熱融着して、ブランクを製造した。
なお、以下の評価には、スカイブ・ヘミング法にて端面処理を行ったブランクを使用した。
次に、上記で製造した各ブランクを使用し、また、充填・成形機(株式会社ディ−・エヌ・ケ−製、機種名、DR−10)を用いて、製函する際に、漏れのない紙容器を形成するに適する最低加熱温度の設定を行った。
なお、製函後、各10箇ずつに内容物を充填し、1個も漏れのでなくなる温度を最低温度とした。
その結果を下記の表1に示す。
次に、製函後、ミネラルウォ−タ−を1000g充填し、10℃にて2週間保存後、臭味の官能評価を行った。
パネラ−は、5名とした。
その結果を下記の表2に示す。
更に、製函後、空容器を用いて、各容器の酸素透過率を測定した。
上記において、測定は、米国、モコン社(MOCON社)の酸素透過率測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕を使用し、測定温度23℃とした。
その結果を下記の表3に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
上記の表2において、○は、紙臭、樹脂臭等がないもの、×は、紙臭、樹脂臭等があるものを表す。
【0043】
【表3】
【0044】
上記の表1〜3に示すように、実施例1〜8のものは、バリア−性、低温シ−ル性、低臭性等を兼ね備えた紙容器であった。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、バリア−性基材として、樹脂系からなるバリア−性樹脂層に着目し、これと、シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体によるシ−ラント層とを組み合わせて、紙容器形成用積層体を製造し、該紙容器形成用積層体を使用し、製函して紙容器を製造し、而して、該紙容器の中に、ジュ−ス、酒、調味料、その他等の液状飲食品を充填包装して、酸素ガス等に対するバリア−性、低温シ−ル性、低臭性等に優れた紙容器を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体について、その一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体について、その一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかる紙容器を構成する紙容器形成用積層体について、その一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】上記の図2に示した紙容器形成用積層体を使用して製函してなる本発明にかかる紙容器の一例についてその構成を示す概略的斜視図である。
【図5】上記の図2に示した紙容器形成用積層体を使用して製函してなる本発明にかかる紙容器の一例についてその構成を示す概略的斜視図である。
【図6】上記の図2に示した紙容器形成用積層体を使用して製函してなる本発明にかかる紙容器の一例についてその構成を示す概略的斜視図である。
【図7】上記の図4〜6に示す本発明にかかる紙容器内に内容物を充填包装した包装製品についてその一例の構成を示す概略的斜視図である。
【符号の説明】
1 紙基材
2 バリア−性樹脂層
3 シングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体による最内層
4 ポリエチレン樹脂層
4a ポリエチレン樹脂層
5 接着性ポリエチレン樹脂層
5a 接着性ポリエチレン樹脂層
6 貼着部
7 側端部
8 側端シ−ル部
9 底部
10 内容物
11 屋根型シ−ル部
A 紙容器形成用積層体
B 紙容器形成用積層体
C 紙容器形成用積層体
D 紙容器形成用ブランク板
E 紙容器形成用胴部
F 紙容器
G 包装製品
l 折罫
Claims (3)
- 少なくとも紙基材を有する積層体であって、該紙基材の一方の面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を積層し、更に、該押し出しポリエチレン系樹脂層の表面に、印刷層を設け、他方、上記の紙基材の他方の面に、コロナ処理面を設け、更に、該コロナ処理面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を介して、ポリエチレン系樹脂層、接着剤層、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体またはナイロンMXD6樹脂からなるバリア−性樹脂層、接着剤層、および、ポリエチレン系樹脂層の5層共押し出しバリア−樹脂層を積層し、更にまた、上記の5層共押し出しバリア−性樹脂層の面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を介して、最内層としてのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体層を積層した構成からなる紙容器形成用積層体を使用し、これを製函してなることを特徴とする紙容器。
- 少なくとも紙基材を有する積層体であって、該紙基材の一方の面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を積層し、更に、該押し出しポリエチレン系樹脂層の表面に、印刷層を設け、他方、上記の紙基材の他方の面に、コロナ処理面を設け、更に、該コロナ処理面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を介して、ポリエチレン系樹脂層、接着剤層、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体またはナイロンMXD6樹脂からなるバリア−性樹脂層、接着剤層、および、最内層としてのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体層の5層共押し出し樹脂層を積層した構成からなる紙容器形成用積層体を使用し、これを製函してなることを特徴とする紙容器。
- 少なくとも紙基材を有する積層体であって、該紙基材の一方の面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を積層し、更に、該押し出しポリエチレン系樹脂層の表面に、印刷層を設け、他方、上記の紙基材の他方の面に、コロナ処理面を設け、更に、該コロナ処理面に、押し出しポリエチレン系樹脂層を介して、接着剤層、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体またはナイロンMXD6樹脂からなるバリア−性樹脂層、接着剤層、および、最内層としてのシングルサイト触媒により重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体層の4層共押し出し樹脂層を積層した構成からなる紙容器形成用積層体を使用し、これを製函してなることを特徴とする紙容器。
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