JP4247324B2 - 脂溶性ビタミン含有液状飲食品および脂溶性ビタミンの安定化方法 - Google Patents

脂溶性ビタミン含有液状飲食品および脂溶性ビタミンの安定化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂溶性ビタミン含有液状飲食品、脂溶性ビタミンの安定化方法、および該方法に用いられる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂溶性ビタミンには光、熱または酸化に対して不安定なものが多く、脂溶性ビタミンを含有する液状飲食品中での脂溶性ビタミンの安定化が課題となっている。
脂溶性ビタミンを安定化させる方法としては、光に敏感な脂溶性物質を添加することによるビタミンKの安定化方法(非特許文献1および非特許文献2参照)、遮光カバーによる安定化方法(非特許文献3参照)、グルタチオンを添加することによる溶液中のビタミンK2の光による分解の抑制方法(非特許文献4参照)、カロテノイドを脂溶性ビタミンと均一に混和することによる脂溶性ビタミンの安定化方法(特許文献1参照)、黄色および赤色の着色剤から選ばれる1種以上の物質を配合することによる光に不安定な脂溶性薬物の安定化方法(特許文献2参照)等が知られている。
【0003】
脂溶性ビタミンを含有する飲食品としては、ビタミンKを含有する飲食品(特許文献3参照)、ビタミンKおよびカルシウムを強化した乳、乳製品(特許文献4参照)、ユビキノンを含有する非アルコール性飲料(特許文献5参照)、ビタミンAまたはビタミンEを含有する飲料組成物(特許文献6参照)等が知られている。
しかし、脂溶性ビタミンの安定化にリボフラビンおよびピリドキシンを組み合わせて用いることに関する報告はない。
【0004】
【非特許文献1】
Japanese Journal of Hospital Pharmacy, 1996年, 第22巻, p.449−456
【0005】
【非特許文献2】
日本薬学会第110年会講演要旨集, 1990年, 第4巻, p.104
【0006】
【非特許文献3】
日本病院薬剤師会雑誌(JJSHP), 1992年, 第28巻, p.47−50
【0007】
【非特許文献4】
Journal of Parenteral Science & Technology, 1989年, 第43巻, p.204−207
【0008】
【特許文献1】
特開平4−26670号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000−7583号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平11−127816号公報
【0011】
【特許文献4】
特開平11−56232号公報
【0012】
【特許文献5】
特表2001−504343号公報
【0013】
【特許文献6】
国際公開第96/04801号パンフレット
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、脂溶性ビタミン含有液状飲食品、脂溶性ビタミンの安定化方法および該安定化方法に用いられる組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(16)に関する。
(1) 脂溶性ビタミンを含有する液状飲食品であって、リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩を該液状飲食品100mlあたり1mg以上含有し、かつピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を該液状飲食品100mlあたり1mg以上含有することを特徴とする液状飲食品。
(2) 脂溶性ビタミンが、ビタミンKまたはユビキノンである、上記(1)の液状飲食品。
【0016】
(3) ビタミンKが、フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)またはメナジオン(ビタミンK3)である、上記(2)の液状飲食品。
(4) ユビキノンがユビデカレノンである、上記(2)の液状飲食品。
(5) リボフラビンの誘導体が、リボフラビン酪酸エステルまたはリボフラビンリン酸エステルである、上記(1)〜(4)いずれか1つの液状飲食品。
(6) ピリドキシンの誘導体が、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステルからなる群より選ばれるピリドキシンの誘導体である、上記(1)〜(4)いずれか1つの液状飲食品。
【0017】
(7) リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩、およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品に添加することを特徴とする、脂溶性ビタミンの安定化方法。
(8) リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品100mlあたりの含有量が1mg以上になるように添加し、ピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品100mlあたりの含有量が1mg以上となるように添加する、上記(7)の安定化方法。
(9) 脂溶性ビタミンが、ビタミンKまたはユビキノンである、上記(7)または(8)の安定化方法。
【0018】
(10) ビタミンKが、フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)またはメナジオン(ビタミンK3)である、上記(9)の安定化方法。
(11) ユビキノンがユビデカレノンである、上記(9)の安定化方法。
(12) リボフラビンの誘導体が、リボフラビン酪酸エステルまたはリボフラビンリン酸エステルである、上記(7)〜(11)いずれか1つの安定化方法。
(13) ピリドキシンの誘導体が、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステルからなる群より選ばれるピリドキシンの誘導体である、上記(7)〜(11)いずれか1つの安定化方法。
【0019】
(14) リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩、およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩からなる組成物。
(15) リボフラビンまたはその誘導体が、リボフラビン酪酸エステル、またはリボフラビンリン酸エステルである、上記(14)の組成物。
(16) ピリドキシンの誘導体が、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステルからなる群より選ばれるピリドキシンの誘導体である、上記(14)の組成物。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明における脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンK、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンA、プロビタミンA、ユビキノン等をあげることができる。
これらの脂溶性ビタミンは、天然物より公知の方法で抽出精製して得たものであっても、公知の方法で化学合成して得たものであっても、微生物等を用いる発酵法によって得たものであっても、いずれのものも用いることができる。市販のものを用いることもできる。
【0021】
ビタミンKとしては、例えば、フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)等をあげることができる。
メナキノンとしては、メナキノン−4、メナキノン−5、メナキノン−6、メナキノン−7、メナキノン−8、メナキノン−9等があげられるが、メナキノン−4およびメナキノン−7が好ましく用いられる。
【0022】
ビタミンDとしては、例えば、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、これらの硫酸エステル等の誘導体等をあげることができる。
ビタミンEとしては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、これらの酢酸エステル、ニコチン酸エステル、リン酸エステル等の誘導体等をあげることができる。また、これらの塩をあげることができる。例えば、α−トコフェロール二ナトリウムをあげることができる。
【0023】
ビタミンAとしては、レチノール(ビタミンA1)、3−デヒドロレチノール(ビタミンA2)、レチナール、3−デヒドロレチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノイン酸、これらの酢酸エステル、パルミチン酸エステル等の誘導体をあげることができる。
プロビタミンAとしては、α−カロテン、β―カロテン、γ―カロテン、クリプトキサンチン、エキネノン等をあげることができる。
【0024】
ユビキノンとしては、ユビキノンの有するイソプレン残基数が1〜12のものが好適に用いられ、6〜12のものがさらに好適に用いられ、残基数が10のもの(以下、ユビデカレノンという)が特に好適に用いられる。
リボフラビンの誘導体としては、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル等をあげることができる。リボフラビンまたはその誘導体の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等をあげることができる。具体的には、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウムをあげることができる。
【0025】
ピリドキシンの誘導体としては、例えば、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステル等をあげることができる。ピリドキシンまたはその誘導体の塩としては、例えば、塩酸塩、ナトリウム塩等をあげることができる。具体的には、ピリドキシン塩酸塩をあげることができる。
【0026】
リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品に添加することにより、脂溶性ビタミンの光に対する安定性を向上させることができる。
脂溶性ビタミンを含有する溶液としては、脂溶性ビタミンを、水、精製水、脱イオン水、蒸留水等の水性媒体、またはエタノール等の有機溶媒等に添加して得られる溶液をあげることができる。
【0027】
脂溶性ビタミンは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂溶性ビタミンを水性媒体に添加する場合、脂溶性ビタミンは水に不溶であるため、脂溶性ビタミンに水、グリセロール、またはプロピレングリコール、および乳化剤(ソルビタン、アラビアガム、ショ糖の脂肪酸エステル、レシチン等)を添加して混合し、高速攪拌乳化機、超音波ホモゲナイザー、高圧ホモゲナイザー、超高圧ホモゲナイザー等を用いて常法によって乳化した脂溶性ビタミンを含有する乳化液を用いるか、市販の乳化された脂溶性ビタミンの製剤を用いることが好ましい。
【0028】
また、脂溶性ビタミンを水性媒体または有機溶媒に添加した後に、上記乳化剤を添加して、同様に乳化して得られる溶液を脂溶性ビタミンを含有する溶液として用いてもよい。
脂溶性ビタミンを含有する液状飲食品としては、オレンジジュース等の果汁飲料もしくは果肉飲料、コーラ等の清涼飲料、牛乳等の乳飲料、乳酸菌飲料、豆乳飲料、茶飲料、紅茶飲料、コーヒー飲料、ワイン等のアルコール飲料、栄養ドリンク、トマトジュース等の野菜ジュース、めんつゆ、ラーメンスープ、液体ドレッシング、スープ、味噌汁等、液体の形態をとるものがあげられるが、飲用可能であればこれらに限定されるものではない。
【0029】
脂溶性ビタミンを含有する液状飲食品は、脂溶性ビタミンを添加する以外は一般的な液状飲食品の製造方法を用いることにより製造することができる。
脂溶性ビタミンは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、あらかじめ脂溶性ビタミンを含有している液状飲食品には、脂溶性ビタミンは必ずしも添加しなくてもよい。
【0030】
脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品にリボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を添加して得られる溶液または液状飲食品は、本発明の液状飲食品として用いることができる。本発明の液状飲食品は、脂溶性ビタミンを含有する健康食品として好適に用いることができる。本発明の液状飲食品中には、特に本発明の液状飲食品を健康食品として用いる場合は、脂溶性ビタミンが高濃度含有されていることが好ましい。
【0031】
例えば、本発明の液状飲食品100ml中の脂溶性ビタミンの含有量は、ビタミンKの場合、8μg以上であることが好ましく、10μg以上であることがより好ましく、50μg以上であることがさらに好ましい。同様に、ビタミンDの場合、0.1μg以上であることが好ましく、0.5μg以上であることがさらに好ましい。ビタミンEの場合、1mg以上であることが好ましく、5mg以上であることがさらに好ましい。ビタミンAおよびプロビタミンAの場合、0.1mg以上であることが好ましく、0.5mg以上であることがさらに好ましい。ユビキノンの場合、1mg以上であることが好ましく、10mg以上であることがより好ましく、30mg以上であることがさらに好ましい。
【0032】
本発明において、脂溶性ビタミンの安定性は、例えば、本発明の液状飲食品20mlに、白色蛍光灯で2000ルクスの光を照射した後の脂溶性ビタミンの濃度を測定し、光照射前の濃度に対する、光照射後の脂溶性ビタミンの濃度の百分率(以下、残存率という)として求めることができる。
脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品へのリボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩は、本発明の液状飲食品100ml中、いずれも1mg以上、好ましくは3mg以上、さらに好ましくは5mg以上となるように添加される。
【0033】
なお、本発明の液状飲食品には、一般的に飲食品に用いられる食品添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色料、漂白料、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が含有されていてもよい。
リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を混合して得られる組成物は、脂溶性ビタミンの安定化剤として用いることができる。
【0034】
該組成物は、粉末のまま用いてもよいし、脂溶性ビタミンが溶解される水性媒体、有機溶媒と同様の水性媒体、有機溶媒等に溶解して、溶液として用いてもよい。
また、該組成物には、必要に応じて、調味料、香辛料、無機塩、酸、アミノ酸類、核酸、糖類等の飲食品に使用可能な各種添加物を添加して使用してもよい。
【0035】
無機塩としては、食塩、塩化カリウム、塩化アンモニウム、酸化マグネシウム、ドロマイト等があげられる。酸としては、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、脂肪酸等のカルボン酸およびそれらの塩等があげられる。該塩としては、ナトリウムおよびカリウム塩があげられる。アミノ酸としては、グルタミン酸ナトリウム、グリシン等があげられる。核酸としてはイノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等があげられる。糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等があげられる。調味料としては醤油、味噌、エキス等の天然調味料、香辛料としては各種の香辛料があげられる。
【0036】
これらの物質の添加量は、使用目的に応じて適宜設定することができるが、上記リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩からなる組成物100重量部に対して0.1〜500重量部であることが好ましい。
以下に、本発明の実施例を示す。
【0037】
【実施例】
【0038】
実施例1
ビタミンK2乳化粉末(協和発酵工業社製;メナキノン−4を0.2%含有)を水1Lに対して2000mg溶解し、ビタミンK2を4mg/L含有する水溶液を調製した。
該水溶液に、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム(日本ロシュ社製)およびピリドキシン塩酸塩(キシダ化学社製)を第1表に示す量添加して攪拌混合し、ビタミンK2含有水溶液を調製した。
【0039】
透明ガラスビンに、該ビタミンK2含有水溶液を20mL充填し、白色蛍光灯(15ワット、HITACHI社製)を用いて、照度2,000ルクスで、24時間光を照射した。
24時間後、ガラスビンから回収したビタミンK2含有水溶液5mlにシクロヘキサン10mlを加え、混合後、エタノール20mlを4回に分けて加え、攪拌混合した。該混合液を3000rpmで5分間遠心分離し、上清を分離した。残りの画分にシクロヘキサンを5ml加え、攪拌混合後、該混合液を3000rpmで5分間遠心分離し、上清を分離した。さらに同様の操作を2回繰り返して得られた上清画分をまとめ、シクロヘキサンを加えて20mlとした後に濾過し、ろ液を試料溶液とした。
【0040】
該試料溶液を、下記の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供し、ビタミンK2の含量を測定し、光照射後のビタミンK2の濃度とした。
HPLC分析条件
分離カラム:L-column ODS(4.6×150mm)(財団法人 化学品検査協会製)
触媒カラム:白金カラムIRICA RC・10-1(4×10mm)(医理化機器社製)
カラム温度:40℃
移動層:メタノール
流量 :0.8ml/分
検出 :蛍光検出器(Ex.320nm Em.430nm)
注入量:10μl
標準液:50mg/l
【0041】
以下の式によりビタミンK2の残存率を求めた。
ビタミンK2の残存率(%)=光照射後のビタミンK2の濃度/光照射前のビタミンK2の濃度(4mg/l)×100
第1表に、溶液100ml中のリボフラビン5’−リン酸エステルナトリウムおよびピリドキシン塩酸塩の含有量およびビタミンK2の残存率を示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004247324
【0043】
実施例2
ドロマイトFM(協和発酵工業製)1000mgを約70mlの水に懸濁し、これに90%乳酸を2.8g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化する。該可溶化されたドロマイトにリンゴ酸0.28gを加え、70℃で約1時間攪拌した後、室温に戻し、濾紙(アドバンテック東洋社製No.5C)で濾過する。この可溶化液に、ビタミンK2乳化粉末(メナキノン−4を0.2%含有;協和発酵工業社製)30mg、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム(日本ロシュ社製) 3mg、ピリドキシン塩酸塩(キシダ化学社製) 3mg、コラーゲンペプチドPA(協和発酵工業社製)1000mg、ブドウ糖果糖液糖(参松工業社製) 9g、ウメフレーバー(小川香料社製)0.2mlおよび水 60mlを添加し混合する。無水クエン酸、リンゴ酸を加えてpHを3.9に調整し、さらに水を適量加えて全量が100mlとなるように調製する。ガラスビン中で90℃、3分間加熱して殺菌し、100ml中にビタミンK260μgを含有する液状飲食品を得る。
【0044】
実施例3
ビタミンK2乳化粉末(協和発酵工業製)30mg、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム 3mg、ピリドキシン塩酸塩 3mg、水溶性マルチカロテノイド1.2(協和発酵工業社製) 250mg、ビタミンB1(日本ロシュ社製:チアミン塩酸塩)1.0mg、ビタミンB12(日本ロシュ社製;シアノコバラミンを0.1%含有)2.4mg、ナイアシン(日本ロシュ社製;ニコチン酸アミド)8.45mg、パントテン酸カルシウム(日本ロシュ社製)5mg、ビタミンC(日本ロシュ社製;アスコルビン酸)9mg、りんご濃縮果汁(サンヨーフーズ社製)5g、ブドウ糖果糖液糖(参松工業社製)15g、およびアップルフレーバー(小川香料社製)0.4mlに、水60mlを添加し混合する。
無水クエン酸、リンゴ酸を加えてpHを2.85に調整し、さらに水を適量加えて全量が100mlとなるように調製する。ガラスビン中で90℃、3分間加熱して殺菌し、100ml中にビタミンK260μgを含有するマルチビタミン液状飲食品を得る。
【0045】
実施例4
ドロマイトFM(協和発酵工業製)1000mgを約70mlの水に懸濁し、これに90%乳酸を2.8g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化する。該可溶化されたドロマイトにリンゴ酸0.28gを加え、70℃で約1時間攪拌した後、室温に戻し、濾紙(アドバンテック東洋社製No.5C)で濾過する。この可溶化液に、ドライビタミンA(三共社製)4mg、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム 3mg、ピリドキシン塩酸塩 3mg、コラーゲンペプチドPA(協和発酵工業社製)1000mg、ブドウ糖果糖液糖(参松工業社製) 9g、ウメフレーバー(小川香料社製)0.2mlおよび水 60mlを添加し混合する。無水クエン酸、リンゴ酸を加えてpHを3.9に調整し、さらに水を適量加えて全量が100mlとなるように調製する。ガラスビン中で90℃、3分間加熱して殺菌し、100ml中にビタミンA 210μgを含有する液状飲食品を得る。
【0046】
実施例5
ドロマイトFM(協和発酵工業製)1000mgを約70mlの水に懸濁し、これに90%乳酸を2.8g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化する。該可溶化されたドロマイトにリンゴ酸0.28gを加え、70℃で約1時間攪拌した後、室温に戻し、濾紙(アドバンテック東洋社製No.5C)で濾過する。この可溶化液に、ドライビタミンD3(三共社製)0.5mg、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム 3mg、ピリドキシン塩酸塩 3mg、コラーゲンペプチドPA(協和発酵工業社製)1000mg、ブドウ糖果糖液糖(参松工業社製) 9g、ウメフレーバー(小川香料社製)0.2mlおよび水 60mlを添加し混合する。無水クエン酸、リンゴ酸を加えてpHを3.9に調整し、さらに水を適量加えて全量が100mlとなるように調製する。ガラスビン中で90℃、3分間加熱して殺菌し、100ml中にビタミンD32.5μgを含有する液状飲食品を得る。
【0047】
実施例6
ドロマイトFM(協和発酵工業製)1000mgを約70mlの水に懸濁し、これに90%乳酸を2.8g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化する。該可溶化されたドロマイトにリンゴ酸0.28gを加え、70℃で約1時間攪拌した後、室温に戻し、濾紙(アドバンテック東洋社製No.5C)で濾過する。この可溶化液に、コエンザイムQ10(AQUANOVA社製;水可溶性ユビデカレノンを3%含有)333mg、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム 3mg、ピリドキシン塩酸塩 3mg、コラーゲンペプチドPA(協和発酵工業社製)1000mg、ブドウ糖果糖液糖(参松工業社製) 9g、ウメフレーバー(小川香料社製)0.2mlおよび水 60mlを添加し混合する。無水クエン酸、リンゴ酸を加えてpHを3.9に調整し、さらに水を適量加えて全量が100mlとなるように調製する。ガラスビン中で90℃、3分間加熱して殺菌し、100ml中にユビデカレノン 10mgを含有する液状飲食品を得る。
【0048】
実施例7
リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム10mg、およびピリドキシン塩酸塩10mgを水1000mlに溶解し、本発明の安定化剤の水溶液を調製する。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、脂溶性ビタミンを含有する液状飲食品、脂溶性ビタミンの安定化方法、該安定化方法に用いられる組成物を提供することができる。

Claims (10)

  1. リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩、およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品に添加することを特徴とする、脂溶性ビタミンの安定化方法。
  2. リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品100mlあたりの含有量が1mg以上になるように添加し、ピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩を、脂溶性ビタミンを含有する溶液または液状飲食品100mlあたりの含有量が1mg以上になるように添加する、請求項記載の安定化方法。
  3. 脂溶性ビタミンが、ビタミンKまたはユビキノンである、請求項または記載の安定化方法。
  4. ビタミンKが、フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)またはメナジオン(ビタミンK3)である、請求項記載の安定化方法。
  5. ユビキノンがユビデカレノンである、請求項記載の安定化方法。
  6. リボフラビンの誘導体が、リボフラビン酪酸エステルまたはリボフラビンリン酸エステルである、請求項いずれか1項に記載の安定化方法。
  7. ピリドキシンの誘導体が、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステルからなる群より選ばれるピリドキシンの誘導体である、請求項いずれか1項に記載の安定化方法。
  8. リボフラビンもしくはその誘導体またはこれらの塩、およびピリドキシンもしくはその誘導体またはこれらの塩からなる脂溶性ビタミンの安定化用組成物。
  9. リボフラビンまたはその誘導体が、リボフラビン酪酸エステル、またはリボフラビンリン酸エステルである、請求項記載の組成物。
  10. ピリドキシンの誘導体が、ピリドキサール、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキサミン、ピリドキサミンリン酸エステルからなる群より選ばれるピリドキシンの誘導体である、請求項記載の組成物。
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