JP4246376B2 - ホルムアルデヒド含有混合物の処理 - Google Patents

ホルムアルデヒド含有混合物の処理 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒド含有混合物の処理方法、特にホルムアルデヒドを含有するメチルメタクリレート流れの処理方法に関する。
【0002】
一般にメチルメタクリレートは、いわゆるアセトン−シアノヒドリン法によって工業的に製造されている。この方法は資本費用が多くかかり、またメチルメタクリレートの製造費用が比較的高い。
【0003】
メチルメタクリレートを製造する他の方法は、US−3535371号、US−4336403号、GB−A−1107234号、JP−A−63002951号明細書において開示されている。これらの方法では、メタノールの存在下でプロピオン酸とホルムアルデヒド又はメチラールとを縮合させることを必要とする。しかしながらこれらの参考文献は、反応器の生成物流れ中に存在する残留ホルムアルデヒド及び他の成分から、メチルメタクリレート生成物を分離して回収する方法を開示していない。
【0004】
本発明においては、ホルムアルデヒドを初期の縮合プロセスに再循環させることができる様式で、メチルメタクリレート流れから残留ホルムアルデヒドを分離できることを見出した。本発明は、メチルメタクリレート含有流れからホルムアルデヒドを分離するのに特に有益であることが見出されているが、本発明の方法は様々な他の有機混合物からホルムアルデヒド種を除去できることを理解すべきである。
【0005】
従って本発明は、少なくともカルボン酸又はカルボン酸エステル及びホルムアルデヒド種を含み、水と2相混合物を作る液体有機混合物からホルムアルデヒド種を除去する方法を提供する。本発明の方法は、液体有機混合物に少なくとも1段階の液−液抽出段階を行う工程を含む。この液−液抽出段階においては、水を抽出剤として使用して有機相流れと水相流れを作り、それによってこの有機相流れのホルムアルデヒド種濃度が、液体有機混合物のホルムアルデヒド種濃度と比べて有意に低くなるようにする。
【0006】
ホルムアルデヒド種という用語は、液体流れ中のホルムアルデヒドが通常は水又は極性の有機化合物、例えばアルコールとの付加物の形で存在していることを意味している。通常、遊離ホルムアルデヒドは軽いガスの形であり、従って液体混合物の一部となることはない。従って、ホルムアルデヒドとは、液体混合物の成分又は水とホルムアルデヒドの付加物であるホルムアルデヒド種を包含する。
【0007】
水を使用して液体流れからホルムアルデヒドを抽出するが、これは純粋な水を必要としない。使用する水は、水相へのホルムアルデヒド種の抽出に有意な影響を与えない少量の溶解した化合物を含有していてもよい。本発明のホルムアルデヒド除去方法を組み込んだ製造プロセスの操作において、本発明の方法の水抽出剤として、プロセスの他の部分からの水性の流れを使用することが便利であり経済的であることがある。抽出剤として使用する任意の特定の水性流れの適当さは、解析又は実験によって容易に決定することができる。好ましくは、そのような水性流れの含有物は既知であり、また有機流れ中に存在する化合物又は有機流れから容易に除去できる化合物を含んでいる。従って、本発明の明細書において使用する水はそのような水性流れを含み、この水性流れは低濃度の溶解した化合物、例えば微量有機物質を含有していてもよい。
【0008】
液体抽出工程から出る有機相流れ流出物中のホルムアルデヒドの濃度は、処理をしていないホルムアルデヒド含有混合物中のホルムアルデヒド濃度の、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、特に1%未満である。有機流出物中のホルムアルデヒドの濃度は使用する装置及び方法、例えば段数、達成される混合又は分離の程度等にかなり依存している。適当な処理を行うと、開始濃度の1%よりもかなり低い最終的な濃度を達成することができる。
【0009】
液体有機混合物に、少なくとも1段階の液−液抽出段階を行う。好ましくは、1段階よりも多い液−液抽出段階を行う。例えば1〜20段階、好ましくは1〜10段階の液−液抽出段階を行うことができるが、必要とされる段数は混合物中の化合物の性質及び相対的な割合に依存している。本発明においては、分離段階は理論段について言及している。ある種の処理設備、例えば回転ディスク接触塔は1相の連続体を示し、従って明確な物理的な段は現れないが、理論段の存在を計算することができる。
【0010】
少なくとも1段階の液−液抽出段階から出る水相は廃棄することができるが、好ましくはこの水相には更に少なくとも1段階の液−液抽出段階を行う。この更なる液−液抽出段階では、この水相を適当な有機液体と混合して、ホルムアルデヒド以外の有機化合物をこの水性流れから抽出する(抜き取る)。適当な液体としては、アルカンのように水と非混和性の無極性有機溶媒、例えば液化石油ガス、ヘキサン若しくはヘプタン、他の比較的大きいアルカン類若しくはエーテル類、又は他の有機物がある。好ましくは、この液−液抽出段階は向流流れプロセスを含み、ここでは水に対して有機流れを向流で流し、それによって水相へのホルムアルデヒドの抽出及び水相から有機溶媒への有機物の抜き取りを単一の操作で達成する。この構成を使用する場合、ホルムアルデヒド含有混合物は水供給物と有機流れとの間、好ましくは向流流れを作るこれら2つの供給物のほぼ中央で供給する。好ましい向流流れは、既知の液−液抽出装置、例えば回転ディスク接触装置又は混合機−沈降機のカスケードで便利に達成することができる。
【0011】
上述のように、本発明の処理方法はホルムアルデヒド含有液体有機混合物からホルムアルデヒドを除去するのに特に有益であることが見出されている。ここで、ホルムアルデヒド含有液体有機混合物はアクリル酸のアルキルエステル(例えばメチルメタクリレート)の製造方法の生成物であり、この製造方法においてはアルカノ酸のアルキルエステルを触媒の存在下でメタノール及びホルムアルデヒドと反応させる。特に、本発明の1つの有益な用途は、ホルムアルデヒドが存在するメチルメタクリレート含有流れからのホルムアルデヒドの除去であることが見出された。ここで、メチルメタクリレート含有流れは、例えば適当な触媒上での、メチルプロピオネートとホルムアルデヒド及びメタノールとの縮合反応でメチルメタクリレートを製造する方法によってもたらされる。
【0012】
従って本発明の他の面では、本発明は
(i)プロピオン酸又はそのエステルをホルムアルデヒド又はその先駆物質と、縮合反応段階で反応させて、メチルメタクリレート、残留ホルムアルデヒド、残留プロピオン酸又はそのエステル、及び副生成物を含有する気体生成物流れを作り、
(ii)気体生成物流れの少なくとも一部を液化させて、実質的に全てのメチルメタクリレート、残留ホルムアルデヒド、副生成物、及び残留プロピオン酸又はそのエステルの残部を含有している液体製品流れを作り、そして
(iii)液体生成物流れに少なくとも1段階の液−液抽出段階を行い、この抽出段階において水を抽出剤として使用して、実質的にホルムアルデヒドを含有していない有機相流れと、実質的に全ての残留ホルムアルデヒドを含有している水相流れとを作る、
ことを含むメチルメタクリレートの製造方法を提供する。
【0013】
好ましくはメチルメタクリレートは、メチルプロピオネートとホルムアルデヒド又はその先駆物質、例えばメチラールとの縮合によって、特にメチルプロピオネートとホルムアルデヒドの縮合によって作る。反応副生成物は、水、ジエチルケトン(DEK)、プロピオン酸(PA)、メタクリル酸(MAA)、及びメチルイソブチレート(MIB)を含む。好ましくは反応は、メタノールの存在下で行う。メタノールは副反応の生成物として反応器中でも作られることがある。ここでこの副反応は例えば、メタクリル酸及びプロピオン酸のメチルエステルと供給物中の水との反応である。従って、気体生成物流れは、メタノールも同様に含んでいることがある。
【0014】
縮合反応は、触媒の存在下で行うことが好ましい。適当な触媒は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を含み、これらは随意に適当な支持体に支持された触媒、例えばシリカ支持体に支持されたセシウム触媒である。
【0015】
縮合反応段階は、任意の適当な温度及び圧力で行うことができる。典型的に、縮合反応段階は250〜400℃、好ましくは300〜375℃の温度で行う。また典型的に、縮合反応段階は104 〜106 N・m-2、好ましくは105 〜106 N・m-2の圧力で行う。
【0016】
メチルメタクリレートが液化する程度まで気体生成物流れを冷却して液体生成物流れとして引き出すために、気体生成物流れを、例えばクエンチング、凝縮、又はそのような方法の分野の当業者によって知られる他の手段によって液化する。この流れは純粋な流れではなく、反応器生成物流れ中の他の成分もこの液体生成物流れ中に存在することが一般的である。副生成物に加えて、液体流れは残留反応体、例えばメチルプロピオネート、メタノール、及びホルムアルデヒドを含有していることが多い。特に、ホルムアルデヒドを冷却すると水及びメタノールとの付加物を作り、これらの添加物が液体生成物流れ中にMMAと共に存在することが多い。クエンチ又は凝縮器を配置し、それによってMMAを含有する液体生成物流れと並んで、異なる組成の複数の流れを作ることができる。これらの他の流れを、縮合反応器に再循環させること、更に処理すること、又は適当な場合は流出物として排出することができる。
【0017】
液−液抽出段階は好ましくは、水と有機液体の向流流れが達成される装置で行って、水性抽出剤にホルムアルデヒド以外の有機成分が失われることを避ける。上述の有機液体を使用することができるが、この目的のための好ましい有機液体は、既にこのプロセス中に存在し且つメチルメタクリレート製造方法において再使用することができるメチルプロピオネートである。
【0018】
抽出機から出る水性流れは有機物に飽和しており、抽出機から出る有機流れは水に飽和している。従って、好ましくはこれら両方の流れを蒸留してそれぞれの流れから有機物と水を除去する。これらの流れは抽出機に再び供給することができる。蒸留の後で、水性流れを流出物として排出することもできるが、これは有意の量のホルムアルデヒド付加物を含有していることがあるので、好ましくはこの流れは更に処理して縮合反応段階にホルムアルデヒドを再循環させる。
【0019】
我々は、有機相と水相との間のホルムアルデヒドの分配は、分離する液体流れのメタノール濃度が比較的低い場合に促進されることを見出した。つまり、液体生成物流れ中のメタノールが少量であると、水相へのホルムアルデヒドの移動が促進される。すなわち、ホルムアルデヒドの分配係数(水相中におけるホルムアルデヒドの濃度に対する有機相中におけるホルムアルデヒドの濃度の比)が比較的小さくなることを見出した。好ましくは、液体生成物流れ中のメタノールの濃度は5重量%未満、より好ましくは2.5重量%未満、特に1重量%未満である。従って、液体生成物流れ中の過剰なメタノールの少なくとも一部は、たとえ存在するにしても除去することが好ましい。これは例えば、液−液抽出処理の前に、蒸留によって、又は反応器の気体生成物流れを液化する条件を変えることによって、又は他の手段によって行う。過剰なメタノールは、いくらかの過剰なメチルプロピオネートと共に、メチルプロピオネートとメタノールとの共沸混合物を蒸留して反応器に戻すことによって、便利に除去することができる。
【0020】
本発明を図1の例示によって説明する。この図1は、液−液抽出を使用して、ホルムアルデヒドと他の化合物をメチルメタクリレートと分離するためのフローシートを示している。
【0021】
図1においては、メチルプロピオネート(MeP)、メタノール、及びホルムアルデヒドの縮合反応によってメチルメタクリレート(MMA)を製造する反応器(図示せず)からの気体流れをクエンチして、MMA、ホルムアルデヒド、メタノール、MeP、水、メチルイソブチレート(MIB)、プロピオン酸(PA)、メタクリル酸(MAA)、及びジエチルケトン(DEK)を含有する液体生成物流れ(1)を作る。この流れを液−液抽出機(4)に通し、そこに水の流れ(2)とMePの流れ(3)も供給する。この液−液抽出機は、入ってくる流れを有機流れ(5)と水性流れ(10)とに分離する。この有機流れ(5)は、この抽出機に供給されたMeP、MMA、PA、MIB、及びDEKの大部分を含有しており、また平衡量の水を含有している。水性流れ(10)は、水及びホルムアルデヒド(水及びメタノールとの付加物の形で)の大部分を含有しており、また平衡量の比較的極性の低い分子、主にMePも含有している。この系においては、メタノールは有機流れと水性流れとで分配されており、有機相によりも水相に比較的可溶性である傾向がある。
【0022】
有機流れ(5)は、水を除去するために蒸留塔(6)に通す。(6)からの塔頂生成物を凝縮させて、2液相を作り、これをデカンタ(21)で分ける。水性層(8)は抽出機の頂部に再循環させ、有機層(9)は(6)に還流させる。(6)からの塔底流れは、蒸留塔(16)に送り、そこでMePを塔頂生成物(14)として取り出す。この流れの一部を抽出機に再循環させて有機供給物(3)として使用し、残部を縮合反応器に再供給することができる。
【0023】
蒸留塔(16)からの塔底生成物は蒸留塔(19)に供給する。流れ(17)は(19)からの塔頂生成物であり、MMAと沸点がMMAに近い成分、例えばDEK及びMIBを含有している。この生成物は、例えば蒸留によって更に純化して、MMAの純度を高めることができる。(19)からの塔底生成物は、流れ(18)であり、この流れ(18)はMMAよりも重い分子、例えばPA及びMAAを含有している。これらは縮合反応装置に再び供給することができる。
【0024】
水性流れ(10)は蒸留塔(12)の塔頂部に供給し、この塔の還流として機能させる。流れ(11)は、(12)からの凝縮した塔頂生成物であり、これは抽出機(4)の底部に供給する。(12)からの塔底生成物は、水とホルムアルデヒド付加物を含有しており、廃棄すること、又は更に処理して水を除去しホルムアルデヒド付加物を縮合反応器に再循環させることができる。
【0025】
以下の例を参照して本発明を更に説明する。
【0026】
[例1]
ホルムアルデヒド13.4重量%、メタノール19.56重量%、メチルプロピオネート28.42重量%、メチルメタクリレート18.33重量%、水20.29重量%を含有する貯蔵溶液を調製した。100mlのこの貯蔵溶液を、無機成分を除去した100mlの水と混合した。得られた混合物をその後、相分離させて第1の有機相と第1の水相とにした。この第1の有機相の一部を回収し、無機成分を除去した等しい量の水で更に抽出を行って第2の有機相と第2の水相とを作った。同様に、第1の水相の一部を回収し、貯蔵溶液で更に抽出を行って第3の有機相と第3の水相とを作った。有機相と水相の組成を測定した。この組成は表1に表す。
【0027】
【表1】
Figure 0004246376
【0028】
[例2]
ホルムアルデヒド、メタノール、メチルプロピオネート、水及び他の不純物を含有している3つのメチルメタクリレート貯蔵溶液を作った。これらの溶液はそれぞれ約15重量%、7.5重量%、及び2重量%のメタノールを含有している。これらの溶液の組成は以下の表2に示している。メタノールの量の変化に合わせて、メチルプロピオネートの量を調節し、共沸混合物としてメタノールと共に除去されるメチルプロピオネートを模擬実験した。
【0029】
【表2】
Figure 0004246376
【0030】
【表3】
Figure 0004246376
【0031】
供給混合物は、供給物と洗浄水の比を3つの異なる値にして1段階の混合機−沈降機装置を使用して、水の中で洗浄した。この結果は表3に示している。この結果は、供給混合物中のメタノールの割合が減少すると、有機相と水相とでのホルムアルデヒドの分配係数(水相中のホルムアルデヒドの濃度に対する有機相中のホルムアルデヒド濃度の比として定義される)は減少する。従ってメタノール濃度が低下すると、より多くのホルムアルデヒドが水相に入る。対照的に、メチルメタクリレートの有機相への分配は、メタノール濃度が低下すると多くなる。従って、ホルムアルデヒドからのメチルメタクリレートの分離は、メタノールの濃度が比較的低い場合にかなり改良される。
【0032】
[例3]
重い相でセルを半分満たし、そしてセルがちょうどオーバーフローするまで軽い相で満たすことによって、5段階の混合機−沈降機の溶媒抽出装置を用意した。この軽い相と重い相のポンプを稼働させ、その後、混合機−沈降機の撹拌器/インペラーを稼働させた。それぞれの相の流量は、等しく且つ混合機−沈降機全体での滞留時間が60分になるように調節した。この実験においては、この重い相は水でありセル1に供給し、また軽い相はメチルプロピオネートでありセル5に供給した。混合機−沈降機は約60分間にわたって平衡にした。
【0033】
プロピオン酸が約4.4重量%の水溶液を、プロピオン酸と水から調製し、0.0095NのNaOH(aq)を使用する滴定によって正確な濃度を測定した。約35重量%のホルマリン溶液をメチルプロピオネート中に抽出することによって、メチルプロピオネート中の4重量%のホルムアルデヒド溶液を調製した。混合機−沈降機が安定なとき、この混合機−沈降機への蒸留水供給物は前記のプロピオン酸溶液を交換し、また、混合機−沈降機へのメチルプロピオネート供給物は、ホルムアルデヒドを含有している前記のメチルプロピオネートを交換した。セル5からの水性流出物及びセル1からのメチルプロピオネートの最終的な試料を、J.F.Walkerによる「Formaldehyde」(Reinhold/Chapman&Hall 1964−ACS monograph series 159)に記載されているような亜硫酸ナトリウムを使用する滴定によってホルムアルデヒドに関する測定を行い、且つNaOH滴定によってプロピオン酸に関する測定を行った。結果は重量%に関して表4に示している。
【0034】
【表4】
Figure 0004246376
【0035】
* を付けられた結果は、使用した滴定方法によるホルムアルデヒドの検出限界が0.01%であったことを示している。この結果は、水相中に有機酸を失うことなく、有機流れから水の中にホルムアルデヒドを抽出できることを示している。
【0036】
[例4]
例3において使用した混合機−沈降機抽出装置を、例3で説明したようにしてメチルプロピオネートと水が向流になるようにして調節し、これらの流れのそれぞれを3ml/分の供給速度で供給して定常状態にした。表5に挙げる成分を含有している有機混合物を調製して、6ml/分の供給速度で混合機−沈降機の3段目に供給した。セル1〜5で試料を取って、ガスクロマトグラフィーで解析した。ホルムアルデヒドの濃度は、例3のようにして亜硫酸滴定によっても測定した。この結果は表5に挙げる。ホルムアルデヒドに関する結果は、滴定によるものである。混合有機流れからのホルムアルデヒドは、有機混合物から他の有機成分を実質的に失わないで、水性流れ中に抽出できることをこの結果は示している。
【0037】
【表5】
Figure 0004246376

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、液−液抽出を使用して、ホルムアルデヒドと他の化合物をメチルメタクリレートと分離するためのフローシートを示している。

Claims (14)

  1. 少なくともカルボン酸又はカルボン酸エステルとホルムアルデヒド種とを含有し、且つ水と2相混合物を作る液体有機混合物から前記ホルムアルデヒド種を除去する方法であって、前記液体有機混合物に少なくとも1つの液−液抽出段階を行い、この液−液抽出段階において、抽出剤として水を使用して有機相流れと水相流れを作り、それによって前記有機相流れのホルムアルデヒド濃度が、前記液体有機混合物のホルムアルデヒド濃度に比べて有意に低下するようにするアルデヒド種の除去方法。
  2. 前記有機相流れが、2.5重量%未満のホルムアルデヒドを含有している請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機相流れのホルムアルデヒド濃度が、前記液体有機混合物のホルムアルデヒド濃度の10%未満である請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機相流れが0.5重量%未満のホルムアルデヒドを含有している請求項3に記載の方法。
  5. 1〜20段階の連続した液−液抽出段階を行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記水相流れを、水と混合したときに別個の相を作る有機溶媒と接触させる工程を含む請求項1〜5のうちのいずれかに記載の方法。
  7. 前記液−液抽出段階が向流プロセスを含み、このプロセスにおいて、前記有機溶媒の流れを前記水に対して向流で流し、且つ液体の前記カルボン酸又はカルボン酸エステルの流れを、前記有機溶媒流れ供給と前記水性流れ供給との間の段階でプロセスに供給する請求項6に記載の方法。
  8. 前記有機溶媒がメチルプロピオネートを含有している請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記液体のカルボン酸又はカルボン酸エステルの流れが、メタノールを含有し、このメタノールの少なくともいくらかを、液−液抽出処理の前に、前記液体生成物流れから除去する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記液体のカルボン酸又はカルボン酸エステルの流れが、少なくとも5重量%のメチルメタクリレートを含有している請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記液体のカルボン酸又はカルボン酸エステルの流れが、少なくとも20%のメチルプロピオネートを含有している請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. ホルムアルデヒドを含有している液体のカルボン酸又はカルボン酸エステルの前記流れが、アクリル酸のアルキルエステルを製造するプロセスの生成物であり、このプロセスにおいてはアルカノ酸のアルキルエステルを、触媒の存在下でメタノール及びホルムアルデヒドと反応させる請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. ホルムアルデヒドを含有している液体のカルボン酸又はカルボン酸エステルの前記流れが、触媒の存在下でメチルプロピオネートをホルムアルデヒド及びメタノールと反応させることによってメチルメタクリレートを製造する方法の生成物である請求項12に記載の方法。
  14. (i)プロピオン酸又はそのエステルを、縮合反応段階においてホルムアルデヒド又はその先駆物質と反応させ、メチルメタクリレート、残留ホルムアルデヒド、残留プロピオン酸又はそのエステル、及び副生成物を含有している気体生成物流れを作り、
    (ii)前記気体生成物流れの少なくとも一部を液化して、実質的に全てのメチルメタクリレート、残留ホルムアルデヒド、副生成物、及び残留プロピオン酸又はそのエステルの残部を含有する液体生成物流れを作り、
    (iii)前記液体生成物流れに、少なくとも1つの液−液抽出段階を行い、この抽出段階において抽出剤として水を使用して、実質的にホルムアルデヒドを含有していない有機相流れと、実質的に全ての前記残留ホルムアルデヒドを含有している水相流れとを作る、
    工程を含むメチルメタクリレートの製造方法。
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