JP4242626B2 - 偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光フィルムと保護フィルムとの間の耐湿熱接着性に優れた偏光板に関し、更に詳しくは高温・高湿下での偏光度の低下が小さく、端部の色抜けが少ない偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、卓上電子計算機、電子時計、自動車や機械類の計器類、テレビ、ノートパソコン、携帯電話等に液晶表示装置が用いられ、それに伴い偏光板の需要も増大している。
かかる偏光板は、一般に偏光能を有する偏光フィルムの両面あるいは片面に接着剤層を介して保護フィルムが接着されて構成されている。現在、知られている代表的なポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)系偏光フィルムは、PVA系フィルムにヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色・吸着させたもので、これはPVAの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色、あるいは染色した後一軸延伸した後に、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられる。また、保護フィルムとしては、酢酸セルロース系フィルムが光学的透明性、無配向性等に優れているため汎用されている。
【0003】
また、偏光フィルムと保護フィルムとを接着させる接着剤としては、PVA系フィルムも酢酸セルロース系フィルムのいずれも親水性であるため、親水性の接着剤を用いて貼合するのが一般的である。しかし、携帯電話やノートパソコンなどに代表されるモバイル用途の拡大に従って、偏光板にも高温高湿条件での耐久性が求められるようになり、上記のような親水性の接着剤では偏光板の吸湿によって接着力が低下し寸法変化による偏光度低下などの問題が生じる場合がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、本出願人も偏光板の耐湿熱性を向上させるため、PVA系偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルムの接着剤として、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール(以下、AA化PVAと略記する)と架橋剤を含む樹脂溶液を使用することを提案した(例えば、特許文献1。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−198945号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に開示の接着剤は、偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れており、湿熱環境下で長期間放置した場合の偏光度変化も改善されているものの、さらに過酷な条件(例えば、70℃,95%RHで1000時間)においては耐湿熱性は充分ではなく、偏光度の低下や接着力低下による切断端部での色抜けが発生する恐れがあることが判明した。
すなわち、偏光板の使用環境がさらに過酷になっている今日、従来の偏光板を更に上回る耐湿熱性を持った偏光板が望まれているのが実状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、AA化PVA(A)および下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)を含む樹脂溶液を接着剤として用いて、偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルムを接着してなる偏光板が上記の目的に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
R−〔CH 2 ―NH 2 2 ・・・(1)
[ここで、Rは芳香環、脂環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基を表す]
また、本発明においては、上記の一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)がメタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンまたはノルボルナンジアミンのいずれかである時、本発明の作用効果を顕著に得ることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の偏光フィルムは、PVA系フィルムの一軸延伸フィルムである。
かかるPVAは、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、さらには酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
【0009】
かかる単量体としは、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0010】
かかるPVAのケン化度は特に限定されないが、ケン化度85モル%以上(さらには90モル%以上、特には98モル%以上)が好ましく、かかるケン化度が85モル%未満では、充分な偏光性能が得られないことがあり好ましくない。
また、該PVAの平均重合度(JIS K6726に準拠)も特に限定されないが、1500以上(さらには2600以上、特には3000以上)が好ましく、かかる重合度が1500以下では、充分な強度が得られなくなるため好ましくない。
【0011】
本発明の偏光フィルムの製造法としては、PVAを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して未延伸フィルムとし、該フィルムを延伸した後ヨウ素や有機染料などの水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時に行うか、ヨウ素あるいは有機染料により染色した後延伸して染色延伸フィルムとし、これをホウ素化合物処理する方法が挙げられる。
【0012】
原液調製に際して使用される溶媒としては、例えば水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。上記有機溶媒中には、少量、例えば5〜30重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のPVAの濃度は5〜20重量%が実用的である。
【0013】
未延伸フィルムの膜厚は30〜100μm、さらには50〜90μmが好ましく、かかる膜厚が30μm未満では延伸不能となり、逆に100μmを越えると膜厚精度が低下して好ましくない。
【0014】
また、延伸にあたっては、一軸方向に3.5〜10倍、さらには4.5〜7倍延伸することが好ましく、この際に、一軸延伸方向と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望ましい。さらに、偏光フィルムの延伸倍率は最終的に上記の範囲に設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の段階に実施すれば良い。
【0015】
フィルムへの染色、つまり偏光素子の吸着はフィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることによって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カリの濃度は10〜50g/lで、ヨウ化カリ/ヨウ素の重量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は30〜80℃が好ましい。水溶媒以外にも水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
【0016】
染色処理されたフィルムは、次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物としては、ホウ酸やホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが、勿論塗布法、噴霧法等も実施可能である。処理時の温度は50〜70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、また、必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0017】
このようにして得られたPVAの偏光フィルムは、その両面あるいは片面に光学的透明度と機械的強度に優れた保護フィルムが貼り合わされる。
かかる保護フィルムとしては特に限定されず、酢酸セルロース系フィルム、アクリル系フィルム、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン系共重合体等のフッ素系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム等が挙げられるが、透明性および強度の点で、酢酸セルロース系フィルムが好ましく、かかる酢酸セルロース系フィルムとしては、具体的に二酢酸セルロースフィルム、三酢酸セルロースフィルム等を挙げることができる。また、該保護フィルムの表面をアルカリでケン化処理したり、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処理等を行うとも接着性向上の点で好ましい。
【0018】
本発明では、上記の如く得られたPVA系偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルムとの接着に際して、AA化PVA(A)と下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)を含む樹脂溶液を接着剤として用いることを最大の特徴とするものである。
R−〔CH 2 ―NH 2 2 ・・・(1)
[ここで、Rは芳香環、脂環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基を表す]
【0019】
上記の樹脂溶液に用いるAA化PVA(A)は、後述するようにポリビニルアルコールにジケテンを反応させたり、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換したりして、ポリビニルアルコールにアセト酢酸エステル基を導入させたもので、かかるポリビニルアルコールとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
【0020】
かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0021】
かかるAA化PVA(A)の原料となるポリビニルアルコールは、特に限定されないが、ケン化度は70モル%以上(さらには75モル%以上、特には80モル%以上)が好ましく、かかるケン化度が70モル%未満では、水溶性に乏しくて好ましくない。
また、該ポリビニルアルコールの平均重合度(JIS K6726に準拠)も特に限定されないが、100〜5000(さらには200〜4500、特には300〜4000)が好ましく、かかる平均重合度が100未満では、接着層の耐水性が十分ではい場合があり、逆に5000を越えると水溶液にしたときの粘度が高くなりすぎて作業性等が低下して好ましくない。
【0022】
AA化PVA(A)を得るには、上記の如きポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点から、ポリビニルアルコール(粉末)とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法としては、ポリビニルアルコールとガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状またはガス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはポリビニルアルコールに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
【0023】
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる
【0024】
かくして得られたAA化PVA(A)中のアセト酢酸エステル基の含有量は特に限定はされないが、0.1〜40モル%(さらには0.3〜30モル%、特には0.5〜20モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満および40モル%以上では、接着層の耐水性が充分に得られない場合があり好ましくない。
【0025】
上記の樹脂溶液に用いられるアミノ基含有化合物(B)は、下記の一般式(1)で表されるもので、該一般式(1)において、Rは芳香環、脂環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基を表すものである。
R−〔CH 2 ―NH 2 2 ・・・(1)
【0026】
かかるアルキルアミノ基含有化合物(B)としては、メタキシリレンジアミン、ノルボルナンジアミン等を挙げることができるが、水溶性或いは水分散性のものが特に好ましい。
【0027】
上記の樹脂溶液中のAA化PVA(A)とアミノ基含有化合物(B)の含有割合(A/B)は特に限定されないが、含有割合(A/B)を100/0.1〜100/30(さらには100/0.3〜100/25、特には100/0.5〜100/20)(重量比)とすることが好ましく、かかる含有割合が100/0.1を越えるときは充分な耐水性が得られない場合があり、逆に100/30未満では樹脂溶液の安定性が低下して好ましくない。
【0028】
かくして上記AA化PVA(A)とアミノ基含有化合物(B)とを含む樹脂溶液が調製されるのであるが、かかる樹脂溶液は、水溶液とすることができ、上記のAA化PVA(A)とアミノ基含有化合物(B)を水に溶解させることに水溶液を調製することができ、このときの水溶液濃度(樹脂分)は特に限定されないが、各フィルムへの塗工性や放置安定性等を考慮すれば、0.1〜15重量%(さらには0.5〜10重量%)が好ましい。
【0029】
該樹脂(水)溶液の塗工にあたっては、偏光フィルムあるいは保護フィルム上に均一な膜を形成するように塗布されるのが有利であり、塗工に際しては、乾燥後の厚みが0.01〜20μm(さらには0.01〜10μm)となるようにするのが実用的であり、該厚みが0.01μm未満では接着力が充分に発揮することができず、逆に20μmを超えても塗工量の割には接着力は増加せず、外観性の悪化につながるだけで実用的ではない。塗工方法については、必ずしも限定されるものではなく、ロールコート法、噴霧法、浸漬法等の任意の手段で行えば良い。また、かかる樹脂溶液には、他のポリビニルアルコール等の水溶性高分子を併用してもよく、また、該樹脂溶液の増粘を抑制するために、酸(有機酸、無機酸)、β−ジケトン化合物(アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等)を添加することも有用である。
【0030】
PVA系偏光フィルムあるいは保護フィルムの少なくとも一方に上記樹脂溶液を塗工した後は、両者を貼り合わせて、5〜150℃(好ましくは30℃〜120℃)で10秒間以上熱処理を行うことにより、偏光フィルムと保護フィルムが強固に接着した偏光板が得られる。なお、保護フィルムは偏光フィルムの片面でも良いが、通常は、偏光フィルムの両面に貼合されることが多い。
【0031】
さらに、上記で得られた偏光板には必要に応じて、透明な感圧性接着層を通常知られている方法で設けることができる。該感圧性接着層としてはアクリル酸エステル、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノアレフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重合物(アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビニル単量体を添加したものも含む)を主体とするものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ましいが、これに限定されることなく、透明性を有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルアルコール系やゴム系であってもよい。
【0032】
かくして得られた偏光板は、PVA系偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れ、特に過酷な湿熱環境下での偏光度変化および端部色抜けが少ないという特性を持ち、かかる特性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特にノートパソコン、携帯電話、などのモバイル製品、車輌用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示部などに有用である。
【0033】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、例中「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また、本発明でいう偏光度とは、
偏光度(%)=[(H−H)/(H+H)]1/2×100
で示され、Hは2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向になるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透過率(%)、Hは2枚のサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直行する方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率(%)である。
【0034】
実施例1
平均重合度3800、ケン化度99.5モル%、厚さ80μmのPVA系フィルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ60g/lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリ30g/lよりなる水溶液に浸漬すると同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行い、30℃で24時間乾燥して偏光フィルムを得た。
【0035】
ついで、アルカリで表面処理した三酢酸セルロースフィルム(厚み80μm)に、平均重合度1200、ケン化度99.1モル%、アセト酢酸エステル基4.8モル%含有のAA化PVA(A)100部とメタキシレンジアミン〔三菱ガス化学社製『MXDA』〕(B)5部を含む樹脂溶液(濃度を5%に調整した水溶液)を乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、上記の偏光フィルムの両面に貼り合わせ、50℃、5分間、熱風乾燥機中で熱処理を行い偏光板を得た。
【0036】
上記で得られた偏光板を30mm角に切断し、これを70℃、95%RHの条件下に1000時間放置した後、該偏光板の放置前後の偏光度変化(%)および偏光板端部からの色抜け距離(最大値)を測定した。
【0037】
実施例2
実施例1において、AA化PVA(A)として、平均重合度1700、ケン化度95モル%、アセト酢酸エステル基3モル%含有のAA化PVAを用いた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0038】
実施例3
実施例1において、メタキシレンジアミン(B)の配合量を3部に変えた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0039】
実施例4
実施例1において、メタキシレンジアミン(B)に変えてノルボルナンジアミン(B)を用いた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0040】
実施例5
実施例1において、メタキシレンジアミン(B)に変えて、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(B)を用いた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0041】
比較例1
実施例1において、メタキシレンジアミン(B)に変えて、ヘキサメチレンジアミンを10部用いた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0042】
比較例2
実施例1において、メタキシレンジアミン(B)に変えて、グリオキザールを5部用いた以外は実施例1と同様に偏光板を得て、同様に評価を行った。
【0043】
実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
【0044】
Figure 0004242626
【0045】
【発明の効果】
本発明の偏光板は、耐湿熱性に優れ、高温・高湿環境下での偏光度変化が小さく、端部色抜けが少ないため、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の表示部、あるいは車輌用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示部などに有用である。

Claims (3)

  1. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール(A)及び下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)を含む樹脂組成物を接着剤として用いて、偏光フィルムと保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板。
    R−〔CH 2 ―NH 2 2 ・・・(1)
    (ここで、Rは芳香環、脂環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基を表す)
  2. 上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)がメタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンまたはノルボルナンジアミンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール(A)と上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物(B)の含有割合(A/B)が100/0.1〜100/30(重量比)であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板。
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