JP4236319B2 - 走行装置の連結機構および走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員が乗る走行板を4輪で支持し、乗員の体重移動により操舵できる走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ローラーに支持されたボード上に乗員が乗り、バランスを取りながら適当な方向に移動できるスケートボードに対し、径の大きな車輪を用いてボードを支持し、凹凸のある荒れ地などを安定して走行できるようになった走行装置が開発されている。この走行装置は、走行板、マウンテンボード、あるいは4輪ボードなどと称されており、レジャーあるいはスポーツに用いられている。
【0003】
図5および図6に、そのような走行装置の一例を示してある。この走行装置1は、前後に配置された2組の車輪2aおよび2b、3aおよび3bと、これらの車輪をそれぞれ接続するパイプ状のシャフト4および5と、これらのシャフト4および5を接続するパイプ状のフレーム6とを備えている。2本のシャフト4および5は、その中央でフレーム6とほぼH字型に組み合わされている。後方のシャフト5には、30〜50cc程度の小型のガソリンエンジン30が搭載されており、このエンジン30の回転力が駆動ベルト40を介して後方の車輪3bに伝達され、エンジン30の駆動力によって走行装置1は自走できるようになっている。エンジン30の上方には、フレキシブルチューブなどによってフレキシブルに動く支持部材50が延びており、その先端に制御用のレバー51が取り付けられ、ユーザーがフレーム6に立ち乗った状態でエンジン30の操作ができるようになっている。さらに、エンジン30の側方にはディスクブレーキ35も設けられており、制御レバー51によってエンジン30と連動して制御できるようになっている。
【0004】
フレーム6は、中央部6aが水平に延びたパイプ状の部材で形成され、その前方の端6bおよび後方の端6cが水平な中央部6aからほぼ45度の角度で鉛直上方に向かって傾き、シャフト4および5に繋がる接続部分となっている。フレーム6の中央部6aにはユーザ(乗員)を搭載するための足載板10aおよび10bが取り付けられている。したがって、ユーザ55は、これらの足載板10aおよび10bに脚部56を載せたり、あるいはホルダー12によって固定することにより走行装置1に搭乗し、操作することができる。
【0005】
この走行装置1は、フレーム6はシャフト4および5に対し下方に位置して重心が低く安定した状態でユーザを載せることができる。さらに、フレーム6の前後6bおよび6cが傾斜しているので、フレーム6に対し左右に乗員が加重するとフレーム6に対するシャフト4および5の角度が変わり、加重された方向に旋回する。また、フレーム6に対しシャフト4および5を上方にセットできるので、重心を高くせずに径の大きな車輪を装着することが可能であり、凹凸の乗り越え性が良く、細かな凹凸にそれほど左右されずに悪路でも走行できるなどの利点を備えている。
【0006】
したがって、ユーザーは、走行装置に立ち乗った状態で、左右あるいはその他の適当な方向に自己の体重を移動(シフト)してバランスを調整することにより、適当な方向に走行装置1の進行方向を向けることができる。また、エンジン30とブレーキ35を制御レバー51で制御することにより、斜面を下るのみならず、平地の走行を楽しんだり、斜面を登ることも可能な走行装置である。
【0007】
図7に、フレーム6を各々のシャフト4および5に接続し、フレーム6の動きを弾性的に伝達する連結機構20aおよび20bの詳しい構造を示してある。図7に示したものは、前方のシャフト4とフレーム6の接続機構20aであるが、後方のシャフト5とフレーム6の接続機構20bも同様の構成である。この接続機構20aは、フレーム6の接続部分6bを挿入し、フレーム6を回転可能な状態で支持する支持パイプ23を備えており、支持パイプ23が受け板28aおよび28bによりシャフト4に固定されている。一方、フレームの接続部分6bには接続部分6bと共に旋回するように支持金具24が取付けられており、その両側でフレーム6の左右となる位置にサスペンションとなるコイルバネ21aおよび21bが取付けられている。バネ21aおよび21bは、一方の端が支持金具24に対し調整用のボルト25を介して接続され、他方の端がシャフト4の中央部分に取り付けられた受け金具29に接続されている。
【0008】
連結機構20aの動きを説明する。ユーザが体重をシフトしてフレーム6が旋回すると、シャフト4にフレームを接続する部分6bが中央部分6aに対して傾いているので、その傾きに応じてシャフト4とフレーム6の角度が変わり進行方向が変わる。また、フレーム6が旋回すると平衡な状態となっていたばね21aおよび21bの一方が縮み、他方が延びるのでフレーム6の旋回に対し逆らう方向に力が発生し抵抗となる。したがって、体重をかけても急激にフレーム6が旋回することはなく旋回量を微調整でき、また、体重をシフトして加えた力に対し適度な抵抗感が得られるので深い弧を描くのが容易となる。さらに、逆方向に体重をシフトするときの反発力が得られる。したがって、バネ21aおよび21bを介してフレーム6の旋回力をシャフト4に伝達することにより操作性能が非常良く、乗り心地の良い走行装置を提供することができる。このため、山の斜面に位置するゲレンデを夏期に走行して冬期のスノーボードのような感覚を楽しんだり、マウンテンサイクルのように凹凸の多い斜面を滑り下る感覚を楽しむことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この走行装置1はエンジンを搭載しているので、斜面に加えて水平な場所でも走行を楽しむことができる。多少の凹凸のある荒れ地などのいろいろな走行条件のもとで様々な走行が楽しめ、例えば、スラロームのように、体重移動を繰り返して所定のコースにしたがって走行し、そのときの時間を競ったり、あるいは、多少の凹凸のあるところを直線的に走行してスピードを競うことなどが考えられている。
【0010】
しかしながら、この走行装置は、道路の凹凸に車輪が取られてシャフトがフレームに対して旋回すると、フレームの上で加重を急激に加えたのと同じ状態となって急激に走行方向が変わってしまう可能性がある。また、それほど大きくない凹凸が続くような路面でも、それぞれの凹凸を通過するたびに足元が動くので体重のバランスが変わりやすく走行方向を安定させることが難しい。すなわち、直進状態においては連結装置20aおよび20bの左右のバネ21aおよび21bが平衡状態なので、ほとんど力を加えなくてもフレーム6が左右に旋回する。このため、凹凸があってシャフトとフレームの角度が変わったり、体重が微妙にシフトしただけでも走行装置の舵が切れてしまう。スラローム走行では、常に体重をある方向に移動した状態で乗っているので走行方向が安定しやすいのに対し、凹凸のある路面では所定の方向に安定して直進走行させるために十分な熟練が必要となる。
【0011】
そこで、本発明においては、多少の凹凸があっても安定して走行方向を維持することができる、直進安定性の良い走行装置を提供することを目的としている。また、直進安定性をよくすると、逆にスラロームを行うときの操舵性能が犠牲になることが多いが、直進安定性と共に操舵性能も良い走行装置を提供することも本発明の目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、前後に配置された2組の車輪がそれぞれ回転可能に取り付けられた2本のシャフトをそれらの略中央でフレームにより連結し、このフレームに搭乗した乗員の左右の加重により操舵可能な走行装置において、シャフトとフレームを連結する連結機構を改善することにより直進安定性の良い走行装置が提供できるようにしている。すなわち、本発明の連結機構は、フレームとともに左右旋回する能動プレートと、フレームの左右に配置された一対の伝達部材とを有し、それぞれの伝達部材は、フレームとシャフトとを弾性的に接続する弾性部材と、弾性部材を支持する受動プレートであって、フレームの回りに、他方の伝達部材の受動プレートに対して独立して旋回可能な受動プレートとを備え、フレームが一方に旋回すると、能動プレートが一方の伝達部材の受動プレートを押してその方向加重を伝達する弾性部材が変位しフレームからシャフトに加重が伝達されるとともに、他方の伝達部材の受動プレートは押されずに他方の伝達部材の弾性部材は変位しないようにしている。そして、2本のシャフトの少なくとも一方に本発明の連結機構によりフレームが取付けられた走行装置を提供するようにしている。
【0013】
本発明の連結機構を用いた走行装置においては、連結機構の左右に加重を伝達する弾性部材が連動して動かないので、直進走行するときでも左右それぞれの弾性部材による抵抗力が独立して得られる。したがって、路面に凹凸などがあってもフレームが極めて容易に回転してしまうことはなく、走行方向は大きく変化しない。このため、直進安定性が改善される。特に、凹凸が小さい場合は、シャフトとフレームの角度がほとんど変化しなくなるので凹凸によるばたつきを抑えることができ、安定して走行できる。
【0014】
一方、乗員が左右の方向に加重したときは、左右それぞれの弾性部材による力が働き、他方の弾性部材による反発力は作用しない。このため、左右の弾性部材の設定を独立して変えられるので、左右それぞれの操作感(抵抗力)を個々に設定できる。このため、乗員の技量あるいは個性などに合わせて左右の操舵特性を変えることができる。したがって、各々の伝達部材の受動プレートに取り付けられた弾性部材の長さを調整可能な第1の設定部を設け、自由に設定できるようにすることがさらに望ましい。
【0015】
また、左右の弾性部材が連動しないようにしてあるので、フレームの旋回に対しシャフトがすぐに反応しないような遊びを設けることも可能となる。すなわち、各々の伝達部材の受動プレートが能動プレートにより押されていない状態における受動プレートの角度を調整することにより、フレームが旋回したときの、各々の弾性部材の応答性を調整可能な第2の設定部を設けることにより左右の遊びを自由に調整できるようにすることがさらに望ましい。
【0016】
このように本発明の走行装置により、直進走行性能を向上でき、また、スラローム時の操舵感も向上できる。したがって、斜面を直線的に滑走したり、スラロームをさらに良い条件で楽しむことができる。このため、自走する能力のない走行装置においても有用であるが、車輪のうち、少なくとも1つの車輪を駆動する駆動装置を備えた自走可能な走行装置は直線的に走行することが多いので本発明は特に有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明に係る走行装置の連結機構の部分を正面から見た様子を示し、図2に、上方から見た様子を示してある。さらに、図3に、連結機構の部分の断面を示してある。この連結機構60は、先に図5および図6に基づき説明した走行装置1の連結機構20aおよび20bに代えて用いられるものであり、走行装置1の全体的な構成については説明を省略する。
【0018】
以下においては、連結機構60により前方のシャフト4とフレーム6を連結しているとして説明する。連結装置60は、フレーム6の接続部分6bを挿入し、回転支持することができる支持パイプ63を備えており、この支持パイプ63が受け板68aおよび68bにより前方のシャフト4に固定されている。シャフト4の中央部分に受け金具69が取り付けられており、受け板68aおよび68bが受け金具69に溶接されている。したがって、本例の連結機構60により、フレーム6はシャフト4に対し回転可能な状態で固定される。
【0019】
支持パイプ63には、さらに、左右一対の加重伝達部材70aおよび70bが回転可能に取り付けられている。各々の伝達部材70aおよび70bは、フレーム6に加えられた左右の力を弾性的にシャフト4に伝達するためのコイルバネ71と、このコイルバネ71を支持すると共にフレーム6の旋回力を受ける受動プレート72と、この受動プレート72から支持パイプ63に向かって伸びたアーム73とを備えており、アーム73が支持パイプ63に対し回転可能に取り付けられている。各々の伝達部材70aおよび70bのコイルバネ71は一端71aが受動プレート72に取り付けられ、他端71bがシャフト4に固定された受け金具69に取り付けられている。また、各々のコイルバネ71は受動プレート72が旋回することを考慮して旋回方向と逆方向に傾いて取り付けられている。
【0020】
一方、フレーム6bには能動プレート61が溶接により固定されており、この能動プレート61が左右の伝達部材70aおよび70bの受動プレート72の間に位置するようになっている。
【0021】
本例の連結機構60を採用した走行装置においては、図4に示すように、フレーム6に乗ったユーザが体重をシフトして、フレーム6がたとえば右側に旋回すると、ほぼ45度に曲がったフレームの先端6bがシャフト4に対し旋回する。このため、旋回量に応じた角度でフレーム6とシャフト4の角度が変わり、走行装置の進行方向が変わり舵をきることができる。また、フレーム6と共に能動プレート61も右側に旋回するので、能動プレート61が右側の伝達部材70aの受動プレート72を押し、右側の伝達部材70aのコイルバネ71が縮む。したがって、フレーム6に加えられた力がシャフト4に伝達されると共に、コイルバネ71の反発力によりフレーム6に加えられた体重を支持する抵抗感が得られる。
【0022】
一方、左右の伝達部材70aおよび70bは独立しているので、左側の伝達部材70bは右側の伝達部材70aと連動して動かない。したがって、右側の伝達部材70aのバネ71が変位しても、左側の伝達部材70bは旋回せずコイルバネ71は伸びも縮みもしない(変位しない)。このため、フレーム6に加えられた力は右側の伝達部材70aにのみ伝達され、右側のコイルバネ71の弾性力がフレーム6に作用する。フレーム6が左側に旋回したときは上記と逆に左側の伝達部材70bのみが旋回し、右側の伝達部材70aは旋回しない。したがって、右側の伝達部材70aのコイルバネ71は変位せず、左側の伝達部材70bのコイルバネ71のみが変位しその弾性力がフレーム6に作用する。
【0023】
このように、本例の連結機構60においては、左右の伝達部材70aおよび70bが独立して動き、それぞれの伝達部材70aおよび70bにおいてシャフト4に力を伝達するための弾性部材であるコイルバネ71がフレーム6の回転方向に応じて一方が変位し、他方は変位しないようになっている。したがって、フレーム6に固定された能動プレート61は、左右の伝達部材70aおよび70bの中間にある直進状態の位置から左右いずれかに旋回するときに、左右のコイルバネ71により独立して支持される。したがって、直進安定性の高い走行装置を提供できる。
【0024】
すなわち、先に図7において説明した従来の連結機構20aにおいては、支持金具24により左右のバネ21aおよび21bが連結されており、さらに支持金具24とシャフト4との間にコイルバネ21aおよび21bを挟み込むためにバネ21aおよび21bは両方ともある程度縮んだ状態になっている。したがって、フレーム6が直進状態のときは左右のコイルバネ21aおよび21bから均等な力を受けてバランスのとれた中立状態で支持されている。このため、フレーム6が中立な状態から若干回転する初期は、左右のコイルバネ21aおよび21bの力がキャンセルされているので、ほとんど力を受けずにフレーム6が回転する。このため、直進走行時に路面に凹凸があるとシャフト4に対しフレーム6が簡単に旋回してしまい走行方向を安定させることが難しくなる。
【0025】
これに対し、本例の連結機構60においては、左右の伝達部材70aおよび70bが独立して旋回する。このため、各々の伝達部材70aおよび70bのバネ71の力はキャンセルされていない。したがって、直進走行するときは、フレーム6に固定された能動プレート61が伝達部材70aおよび70bの中間の位置から左右いずれかに旋回すると、各々のバネ71の力を受ける。このため、フレーム6が旋回する初期からいずれかの伝達部材70aおよび70bからの力が抵抗として作用し、フレーム6に加えられた加重を支持できる。この結果、直進走行時に路面に凹凸があってもシャフト4に対しフレーム6が容易に旋回することはなく、各々の伝達部材70aおよび70bのバネ71により得られる適度な抵抗力により進行方向が安定する。したがって、凹凸のある路面においても走行方向を保持することが容易となり、初心者であっても乗りやすい走行装置を提供できる。
【0026】
また、本例の連結機構60においては、左右の伝達部材70aおよび70bが独立して回転する。このため、従来の連結装置20aでは体重をシフトすることによりフレーム6を旋回し、一方のバネがほとんど伸びきった状態にならないと抵抗感が得られなかったのに対し、体重をシフトさせた初期から伝達部材70aあるいは70bにより適度な抵抗感が得られる。したがって、初心者であっても安心して体重をシフトさせることができ、非常に乗りやすい走行装置を提供できる。
【0027】
さらに、本例の連結機構60においては、左右の伝達部材70aおよび70bのコイルバネ71の長さ(初期変位)を調整できるボルト65が設けられている。したがって、バネ71の反発力を調整することが可能であり、ユーザの体重あるいは技量に応じて適当な力が得られるように調整できる。さらに、左右の伝達部材70aおよび70bが独立しているので、左右に体重をシフトしたときに得られる抵抗感を独立して調整することが可能である。したがって、左右に体重をシフトしたときの反発力を個々に調整することができ、ユーザの技量あるいは好みに合ったものに調整できる。もちろん、左右均等な抵抗感を得ることも可能である。
【0028】
一方、本例の連結機構60を採用すると、フレーム6が微小回転したときからバネ71の抵抗感を得ることができ安定するという反面、バネ71の抵抗力に見合うように体重のシフトを行わないと走行方向が変わりにくいという特性が現れる。したがって、直進走行性は向上するが、応答性が低下したと感ずるユーザがある。すなわち、クイックな操舵感は得られにくくなり、スラロームを中心にした走行を行うときや、バランス感覚の優れたベテランのユーザにとっては旋回性能に不満が生ずる可能性がある。そこで、本例の連結機構60においては、左右の伝達部材70aおよび70bの応答性を制御できるアジャストボルト66を設けてある。このアジャストボルト66は、左右の伝達部材70aおよび70bが能動プレート61により押圧されていないフリーな状態における受動プレート72とシャフト4との角度が調整できるようになっている。このため、能動プレート61が左右の伝達部材70aおよび70bに当たらずに旋回できる角度(遊び角)を調整できる。アジャストボルト66によって設定された遊び角の範囲内では、力を入れなくてもフレーム6を旋回できるので応答性を向上でき鋭い操舵感を得ることができる。また、遊び角を適当に設定することにより操舵に影響をそれほど与えない程度の路面の凹凸を遊び角の中で吸収することが可能であり、さらに乗り心地の良い走行装置を提供できる。
【0029】
このように、本例の連結機構60は、左右の伝達部材70aおよび70bが独立して旋回し、それぞれの伝達部材70aおよび70bのコイルバネ71の弾性力と、伝達部材70aおよび70bの遊びをそれぞれ自由に設定できる。したがって、図5に示した走行装置1において、本例の連結機構60によりフレーム6とシャフト4あるいは5とを連結することにより、多少の凹凸がある路面でも安定した直進性能を得るように調整したり、また、クイックな操舵感を得るように調整することも可能である。このため、ユーザの体重および熟練度はもとより、走行環境、さらには走行目的などに応じてユーザの思い通りの特性を得ることができる。
【0030】
なお、以上では、前方のシャフト4とフレーム6を連結する場合を例に説明しているが、同様に後方のシャフト5とフレーム6を本例の連結機構で連結しても良いことはもちろんである。前方あるいは後方のシャフト4または5のいずれか一方とフレーム6との連結を本例の連結機構60により行うことにより、上記で説明したような効果を得ることができる。しかしながら、両方のシャフト4および5とフレーム6とを本例の連結機構60により連結することによりいっそう調整の幅が広くユーザにマッチした走行特性を得ることができる走行装置を提供できる。
【0031】
また、上記では、シャフトの上方にコイルバネを配置した連結装置を例に説明しているが、コイルバネはシャフトの下方に配置することも可能であり、また、水平方向に伸ばして配置することも可能である。さらに、本例では能動プレートがフレームと共に回転し、左右の伝達部材を独立して動かす機構で本発明の連結機構を説明しているが、このような構造に限定されないことはもちろんである。フレームが一方に旋回するときにその方向に力を伝達する弾性部材が変位し、他方の弾性部材が変位しないような機構であれば上記において説明した本発明の効果を得ることができ、直進安定性に優れた走行装置を提供することができる。もちろん、弾性部材はコイルバネに限定されることはなく、板バネ、ゴムなどの他の弾性部材であってもよい。しかしながら、弾性力を制御しやすく、連結機構に組み込みやすいという面ではコイルバネが最も優れていると思われる。
【0032】
さらに、本例では先に図5および図6に基づき説明したエンジン付きの走行装置を例に説明しているが、電気モータなどの他の駆動装置であっても良い。さらに、自走用の駆動装置が設置されていない走行装置においても本発明は有効であり、傾斜した砂利路などを滑走する際に走行方向をきわめて安定して維持できる。しかしながら、自走用の走行装置の方が道路などを直線的に走行する機会が多いので、自走用の走行装置において本発明はさらに有効である。
【0033】
また、本例ではパイプ状のフレームおよびシャフトを採用した走行装置を例に説明しているが、これらの部材はパイプに限定されることはなく、他の構造部材であっても良いことはもちろんである。さらに、フレームに取付けられる足載板は2枚にかぎらず、両足が乗る1枚のものであっても良く、あるいは、複数の人数が乗れるように3枚以上のボードを装着することももちろん可能である。また、足載板に脚部をセットするホルダーのタイプは本例に限定されず、さらに、ホルダーを省いたり、ユーザが座って乗れる走行装置においても本発明を適用できることはもちろんである。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の連結機構は、前輪および後輪がそれぞれ接続されたシャフトにフレームを連結し、そのフレームに登場した乗員(ユーザ)の左右の加重により操舵可能な走行装置においてシャフトとフレームを連結する機構である。そして、本発明の連結機構においては、フレームの加重をシャフトに伝達可能なようにフレームの左右の旋回方向に配置されたコイルバネなどの弾性部材を、フレームが一方に旋回するときその方向の弾性部材が変位し、他方の弾性部材は変位しないようにしている。したがって、本発明の連結機構を採用した走行装置においては、フレームが左右に旋回するときに、弾性部材の応力が独立して作用し、加重に対する抵抗になる。このため、路面の凹凸によるばたつきを抑えることができ、それによって直進安定性の良い走行装置を提供することができる。特に、エンジンなどの駆動装置が搭載された自走式の走行装置においては、路上を直線的に走行する機会が多くなるので、本発明の連結機構を採用することにより乗り心地が良く、操作しやすい走行装置を実現することができる。
【0035】
さらに、弾性部材の初期変位を調整し、また、応答性を調整することにより左右の操舵感を独立して設定することができる。このため、本発明の連結機構を採用することにより、走行装置の特性をユーザの技量、身体条件、走行条件あるいは走行目的などに合わせて自由に調整することができる。したがって、本発明により、ユーザの好みに合うように制御し、乗り心地良く設定できる走行装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる走行装置に用いられる連結機構の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す連結機構の平面図である。
【図3】図1に示す連結機構のフレームの長手方向に沿った断面図である。
【図4】図1に示す連結機構においてフレームが右方向に旋回した状態を示す図である。
【図5】ユーザが立ち乗りし、左右の体重のシフトにより操舵できる走行装置の概要を示す図である。
【図6】図1に示す走行装置にユーザが搭乗した状態を示す図である。
【図7】従来の連結機構を示す正面図である。
【符号の説明】
1 走行装置
2、3 車輪
4、5 シャフト
6 フレーム
10 足載台(ボード)
20 従来の連結機構
21 コイルバネ
30 エンジン
35 ブレーキ
40 駆動ベルト
50 制御レバーを支持するフレキシブル部材
51 制御レバー
60 連結機構
61 能動プレート
63 支持パイプ
65 コイルバネの長さ調整ボルト
66 伝達部材と能動プレートとの遊びの調整ナット
70 伝達部材
71 コイルバネ

Claims (5)

  1. 前後に配置された2組の車輪がそれぞれ回転可能に取り付けられた2本のシャフトをそれらの略中央でフレームにより連結し、このフレームに搭乗した乗員の左右の加重により操舵可能な走行装置において前記シャフトとフレームを連結する連結機構であって、
    前記フレームとともに左右旋回する能動プレートと、
    前記フレームの左右に配置された一対の伝達部材とを有し、
    それぞれの前記伝達部材は、前記フレームと前記シャフトとを弾性的に接続する弾性部材と、前記弾性部材を支持する受動プレートであって、前記フレームの回りに、他方の伝達部材の受動プレートに対して独立して旋回可能な受動プレートとを備え、
    前記フレームが一方に旋回すると、前記能動プレートが一方の前記伝達部材の受動プレートを押してその方向加重を伝達する弾性部材が変位し前記フレームから前記シャフトに加重が伝達されるとともに、他方の前記伝達部材の受動プレートは押されずに前記他方の伝達部材の弾性部材は変位しないことを特徴とする走行装置の連結機構。
  2. 請求項1において、各々の前記伝達部材の前記受動プレートに取り付けられた前記弾性部材の長さを調整可能な第1の設定部を備えていることを特徴とする走行装置の連結機構。
  3. 請求項1または2において、各々の前記伝達部材の前記受動プレートが前記能動プレートにより押されていない状態における前記受動プレートの角度を調整することにより、前記フレームが旋回したときの前記弾性部材の応答性を調整可能な第2の設定部を備えていることを特徴とする走行装置の連結機構。
  4. 前後に配置された2組の車輪と、これらの車輪が回転可能に取り付けられた2本のシャフトと、これらのシャフトの略中央を連結するフレームとを有し、このフレームに搭乗した乗員の左右の加重により操舵可能な走行装置において、
    前記シャフトの少なくとも一方に対し前記フレームが、前記請求項1ないし3のいずれかに記載の連結機構により連結されていることを特徴とする走行装置。
  5. 請求項4において、前記車輪のうち、少なくとも1つの車輪を駆動する駆動装置を有することを特徴とする走行装置。
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