JP4234228B2 - インサートフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加熱した後、真空成形または圧空成形することによって三次元形状を形成するインサートフィルムにおいて、任意の箇所の寸法安定性を向上させたインサートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品の表面を装飾する方法として、インサート成形法がある。インサート成形法とは、基体シート上に図柄層などを形成したインサートフィルムを射出成形用金型内に供給し、三次元形状の成形品を成形すると同時にインサートフィルムを成形品に一体的に貼り付ける方法である。
【0003】
このインサートフィルムを用いて特に深絞りのインサート成形品を得る場合には、インサートフィルムに加熱手段を近づけて、真空または圧空によって三次元形状に予備成形されるが、この際にインサートフィルムが均一に伸ばされるため、成形品の形状によっては、図柄が大きく歪んだりすることがあった(図11〜12参照)。
【0004】
とくに、成形品の形状が2段階に凸部を有するような場合には、2段目の凸部において1段目の凸部よりも大きくインサートフィルムが伸ばされるため図柄の歪みは顕著である(図8〜10参照)。
【0005】
そこで、インサートフィルムの伸びをあらかじめ考慮して図柄層を形成することが行われている。
【0006】
また、小面積の加熱手段を複数個用意し、加熱が必要な箇所のみを選択的に加熱し、インサートフィルムの伸びをコントロールすることも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インサートフィルムの伸びをあらかじめ考慮して図柄層を形成するためには、成形品形状の多数の点において位置データを収集し、位置ずれの程度を解析しながら製版を数回繰り返し行って図柄を成形品形状にきちんと合わせるという手順を採る必要があり、手間も費用もかかるという問題がある。
【0008】
また、小面積の加熱手段を複数個用いる場合には、インサート装置が複雑になり費用がかかるという問題がある。
【0009】
また、インサートフィルムの図柄が変更になるたびに加熱手段を取り替える必要があるという問題もある。
【0010】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、図柄の歪みの生じない部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムは、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0012】
つまり、この発明のインサートフィルムは、基体シート上に、少なくとも図柄層と隠蔽層が形成されたインサートフィルムにおいて、熱吸収性の異なる隠蔽層が2層以上設けられ、各々の隠蔽層が重ならないように構成した。
また、この発明のインサートフィルムは、基体シート上に、少なくとも図柄層と隠蔽層が形成されたインサートフィルムにおいて、熱吸収性の異なる隠蔽層が2層設けられ、熱吸収率の高い隠蔽層が全面に形成された上に熱吸収の低い隠蔽層がさらに重ねて形成されるように構成した。
【0013】
また、上記の発明において、隠蔽層のうち1層が金属粉を分散させたインキからなる層であるように構成してもよい。
【0014】
また、上記の発明において、隠蔽層のうち1層が金属薄膜層であるように構成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0016】
図1は、この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムの一実施例を示す断面図である。図2は、この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムの他の実施例を示す断面図である。図3〜7は、この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【0017】
図中、1は部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム、2は基体シート、3は図柄層、41は熱吸収の低い隠蔽層、42は熱吸収の高い隠蔽層、5は接着層、6はキャビティ型、7は吸引孔、8はクランプ、9は加熱手段、aは文字・記号などの図柄部分、bはべた柄・抽象模様などの図柄部分、cは熱吸収が低い隠蔽部分、dは熱吸収が高い隠蔽部分である。
【0018】
この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1は、基体シート2上に、少なくとも図柄層3と隠蔽層が形成されたインサートフィルム1において、熱吸収性の異なる隠蔽層41・42を2層以上設けるように構成したものである(図1〜2参照)。
【0019】
基体シート2としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、熱可塑性エラストマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンフィルム、アクリロニトリル−スチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリウレタンフィルムなど、あるいはこれらの各シートの複合体など、通常のインサートフィルムの基体シートとして用いるものを使用することができる。特に、成形樹脂の素材に応じて適宜選択するとよい。一般的に、成形樹脂と同種のフィルムであれば、成形樹脂と融着するので好適である。たとえば、成形樹脂がポリプロピレンであれば、基体シート2としてポリプロピレンフィルムを用いるとよい。また、接着層5を形成することにより基体シート2と成形樹脂とを接合してもよい。
【0020】
図柄層3は、インサート成形品の表面を装飾する層であり、具体的には、たとえば文字・記号などの図柄、べた柄、木目模様・石目模様などの模様が挙げられる。図柄層3は、通常は印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。印刷層は、装飾目的に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。
【0021】
また、図柄層3は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。なお、金属薄膜層を設ける際に、他の転写層と金属薄膜層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。前アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂樹脂などを使用するとよい。前アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0022】
隠蔽層41・42は、樹脂色によって図柄層3の発色が影響を受けないようにすることに加え、成形時に加熱手段9からの熱を受容するための層である。文字・記号などの図柄部分aは、インサートフィルム1の伸びによって歪むと目立つが、べた柄や木目模様、石目模様などの抽象柄部分bは歪みが出てもあまり目立たない。したがって、文字・記号などの図柄を伸ばしたくない部分aには、熱を加えてもあまり吸熱しないように熱吸収の低い隠蔽層41を設け、べた柄や抽象柄などの図柄が伸びてもよい部分bには熱吸収の高い隠蔽層42を設ける。具体的には、文字・記号などの図柄部分aには白色・黄色などの明るい色の隠蔽層を設け、べた柄・抽象柄などの図柄部分bには黒色・茶色などの暗い色の隠蔽層を設けるとよい。このようにすることにより、インサートフィルム1の文字・記号などの図柄部分aは図柄の歪みはなく、他方、べた柄・抽象柄などの図柄部分bはインサートフィルム1の成形性を阻害しない程度に伸びる。
【0023】
なお、文字・記号などの図柄部分aに金属色の隠蔽層を設けた場合は極めて吸熱しにくいため、べた柄・抽象柄などの図柄部分bは、黒色などの暗い色に限らず、白色などの明るい色の隠蔽層であってもよい。
【0024】
また、隠蔽層41・42の急激な色調変化を避けるため、熱吸収性の異なる隠蔽層41・42の間に、これらの中間色からなる隠蔽層を設けてもよい。また、異なる隠蔽層41・42間を、グラデーションによって連続的に色相を変化させてもよい。
【0025】
2層以上の隠蔽層41・42を形成するには、各々の隠蔽層41・42が重ならないように構成することができる(図1参照)。また、熱吸収の高い隠蔽層42を全面的に形成し、この上に熱吸収の低い隠蔽層41をさらに重ねて形成することもできる(図2参照)。また、熱吸収の低い隠蔽層41を全面的に形成し、この上に熱吸収の高い隠蔽層42をさらに重ねて形成してもよい。これらの場合は、隠蔽層の色の違いによる色相の違いが目立ちにくくなる。
【0026】
熱吸収の低い隠蔽層41は、文字・記号などの図柄部分aが歪むのを防ぐため、これらの図柄を覆うような形状で形成するとよい。また、図1〜2では、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1の中央部を文字・記号などの図柄部分aとし、周辺部をべた柄・抽象柄などの図柄部分bとしたが、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1の周辺部を文字・記号などの図柄部分aとし、中央部をべた柄・抽象柄などの図柄部分bとしてもよい。
【0027】
また、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1に文字・記号などの図柄部分aがなく、全体的にべた柄・抽象柄などの図柄部分bである場合であっても、2層以上の隠蔽層41・42を設けることにより、インサートフィルム1の伸びを部分的にコントロールできるため、成形品の全体にわたって均一にインサートフィルム1を伸ばすことができ、部分的に図柄の伸びが異なって歪むような外観上の問題を解決できる。
【0028】
隠蔽層41・42の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。金属色を得たい場合は、金属粉を顔料として用いるとよい。隠蔽層の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。また、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。
【0029】
また、隠蔽層41・42は、金属薄膜層からなるものでもよい。金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。また、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法がある。また、金属薄膜層を設ける際に、金属薄膜層の密着性を向上させるために、前アンカー層や後アンカー層を設けてもよい。
【0030】
また、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1には接着層5が形成されていてもよい。接着層5は、成形樹脂に部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1を接着するものであり、必要に応じて形成するとよい。接着層5は、隠蔽層41・42の吸熱を妨げないようにするため、透明または半透明のものを用いる。また、隠蔽層41・42が接着性を有する場合は、隠蔽層41・42を接着層5として機能させてもよい。
【0031】
接着層5としては、成形樹脂の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。接着層5の乾燥膜厚は、0.5〜10μmとするのが一般的である。
【0032】
このような層構成の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1を用い、インサート成形品を得るには、次のようにするとよい。
【0033】
まず、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1をキャビティ型6に配置する(図3、図5参照)。部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1を金型の所定の位置に固定するためには、クランプ8や真空吸引などの手段を用いるとよい。部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1をキャビティ型6に密着させるために、加熱手段9により部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1を加熱する。部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1は隠蔽層41・42が熱吸収することにより加熱される。熱吸収が高い隠蔽部分dは熱吸収が低い隠蔽部分cに比べて加熱される程度が高くなるため、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1がキャビティ型6に密着するように伸ばされる際に、他の部分より大きく伸ばされることになる(図4、図6〜7参照)。
【0034】
次いで、型締めし、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルム1とコア型との間に成形樹脂を充填して空隙を埋める。成形樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いるとよい。
【0035】
次いで、型開きしてインサート成形品を得ることができる。
【0036】
【実施例】
実施例1
厚さ125μmのアクリルフィルムの片面に、アクリル樹脂を顔料で着色したインキを用い、文字柄と木目模様をグラビア印刷にて設けて図柄層を形成した。さらに、文字柄の上には白色の隠蔽層を設け、木目模様の上には黒色の隠蔽層を設け、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを得た。また、比較例として、文字柄および木目模様の双方にわたって黒色の隠蔽層を全面的に設け、インサートフィルムを得た。
【0037】
このようにして得た部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを、隠蔽層側がヒーター側に面するようキャビティ型にクランプで固定し(図3参照)、300℃に設定したプレートヒーターを部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムから20mm離れた位置に設置し、ヒーターを近づけてから8秒後にキャビティ型内の空気を吸引孔から減圧して、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムをキャビティ型に密着させるように吸引成形した(図4参照)。次いで型締めし、成形樹脂を射出してインサート成形を行ってインサート成形品を得た。
【0038】
実施例の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムは、文字柄は、あまり伸ばされなかったため、デザイン上非常に優れたインサート成形品を得ることができた。なお、比較例のインサートフィルムは、フィルム全体が一様に伸ばされたため、文字柄が大きく歪んだものとなった。
【0039】
実施例2
厚さ125μmのアクリルフィルムの片面に、アクリル樹脂を顔料で着色したインキを用い、木目模様をグラビア印刷にて設けて図柄層を形成した。さらに、成形後の形状の深い箇所に相当する部分には白色の隠蔽層を設け、成形後の形状の浅い箇所に相当する部分には黒色の隠蔽層を設け、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを得た。
【0040】
このようにして得た部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを、形状の深い箇所と形状の浅い箇所があるキャビティ型にクランプで固定し(図5参照)、300℃に設定したプレートヒーターをフィルムから20mm離れた位置に設置し、ヒーターを近づけてから8秒後にキャビティ型内の空気を吸引孔から減圧して、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムをキャビティ型に密着させるように吸引成形した(図6〜7参照)。次いで型締めし、成形樹脂を射出してインサート成形を行ってインサート成形品を得た。
【0041】
このようにして得られたインサート成形品の形状の深い箇所は、あまり部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムが伸ばされなかったため、均一に伸ばされた木目模様を得ることができ、デザイン上非常に優れたものであった。
【0042】
【発明の効果】
この発明の部分的寸法安定性の優れたインサートフィルムは、基体シート上に、少なくとも図柄層と隠蔽層が形成されたインサートフィルムにおいて、熱吸収性の異なる隠蔽層が2層以上設けられているので、次の効果を有する。
【0043】
隠蔽層の選択により、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムの伸びをコントロールできるので、成形性を阻害しない程度に伸びるインサートフィルムでありながら、部分的には伸びずに図柄の歪みを生じさせることがない。
【0044】
また、部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを加熱軟化させる手段は通常のもので足りるため、生産性にも優れたものである。
【0045】
さらに、図柄の変更のたびに加熱手段を取り替える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムの一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムの他の実施例を示す断面図である。
【図3】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図4】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図5】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図6】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図7】この発明の部分的寸法安定性に優れたインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図8】従来のインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図9】従来のインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図10】従来のインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図11】従来のインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【図12】従来のインサートフィルムを用いた成形方法の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インサートフィルム
2 基体シート
3 図柄層
4 隠蔽層
41 熱吸収の低い隠蔽層
42 熱吸収の高い隠蔽層
5 接着層
6 キャビティ型
7 吸引孔
8 クランプ
9 加熱手段
a 文字・記号などの図柄部分
b べた柄・抽象柄などの図柄部分
c 熱吸収が低い隠蔽部分
d 熱吸収が高い隠蔽部分

Claims (4)

  1. 基体シート上に、少なくとも図柄層と隠蔽層が形成されたインサートフィルムにおいて、熱吸収性の異なる隠蔽層が2層以上設けられ、各々の隠蔽層が重ならないことを特徴とするインサートフィルム
  2. 基体シート上に、少なくとも図柄層と隠蔽層が形成されたインサートフィルムにおいて、熱吸収性の異なる隠蔽層が2層設けられ、熱吸収率の高い隠蔽層が全面に形成された上に熱吸収の低い隠蔽層がさらに重ねて形成されたことを特徴とするインサートフィルム
  3. 隠蔽層のうち1層が金属粉を分散させたインキからなる層である請求項1または2に記載のインサートフィルム
  4. 隠蔽層のうち1層が金属薄膜層である請求項1または2に記載のインサートフィルム
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