JP4233693B2 - 化粧紙の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内装用建材、家具等の製造に使用する化粧紙の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅内装材、家具等のための化粧材には塩ビのダブリング、ワイピングコートと呼ばれる表面化粧材が広く使用されてきたが、近年、環境汚染の原因となるおそれのある塩ビを使わずに作られたものが求められるようになった。
【0003】
塩ビを使用しない表面化粧材製造用の化粧紙としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等、塩素を含まないプラスチックフィルムからなる原反に印刷を施したものと、パルプベースの特殊紙からなる原反に印刷と表面保護のためのコーティングを施したものとがある。
【0004】
後者は、接着適性、耐擦過性、耐光性、耐候性等において前者よりも優れているが、原反に伸びが少ないため、たとえば化粧材がVカット加工など曲げ加工を受けるような用途においては、裂け易く、使用しにくいことが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、紙を原反とする化粧紙でありながら従来のこの種の化粧紙よりも伸びが大きく、破断強度も大きくて、Vカット加工など曲げ加工を受ける化粧材の製造にも使用可能な紙ベース化粧紙、およびその製造法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成した本発明の化粧紙製造法は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物を含浸させた原紙に印刷を施し、印刷面に透明な表面保護層形成のためのコーティングを施して化粧紙を製造するに当たり、表面保護層形成のためのコーティングを、最初にポリウレタン系水性樹脂塗料を用いて行い、次いで油性のポリウレタン系樹脂塗料を用いて行うことを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、アクリル樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、水溶性アクリル樹脂溶液、水性ポリウレタン分散液等からなる群から選ばれた熱可塑性樹脂水性分散液と、水性エポキシ樹脂および水分散イソシアネート等からなる群から選ばれた熱硬化性樹脂プレポリマーとの混合物を原紙に含浸してなる含浸紙に印刷と表面保護層形成のためのコーティングを行う。
【0008】
その場合の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との好適併用比率は、50:50ないし95:5である。
【0009】
水性ウレタン樹脂塗料のコーティングは、望ましくは粘度を300〜1000cpに調整した該塗料を用いてグラビア印刷方式により行う。
【0010】
本発明はまた、上記本発明の製造法においてポリウレタン系水性樹脂塗料に微粉末状酸化アルミニウムからなる耐摩耗性向上材を混入することにより化粧紙上に耐摩耗性向上材を均一に分布させ、むらなく補強された化粧紙を製造する方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
最初に本発明の化粧紙製造用の樹脂含浸紙について説明する。含浸紙製造用の原紙としては、原則としてサイズ剤を使用せずに抄造された坪量30〜80g/m程度の紙を使用する。中でも、密度が0.7g/cm以下、透気度(JIS P−8117)が10秒/100cc以下、吸水度(JIS P−8141)が50mm/10分以上のものは、紙間強化用樹脂液の含浸性がよいので好ましい。
【0012】
この原紙に含浸させる樹脂液としては、後述する理由により熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合樹脂液を用いる。
【0013】
その場合、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステルのホモポリマーのエマルジョンまたは酢酸ビニル、スチレン等との共重合体のエマルジョン、スチレンブタジエン共重合体等合成ゴムのラテックス、水溶性アクリル樹脂溶液、ポリウレタン水性分散液等が好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等のプレポリマーのほか、水性エポキシ樹脂、水分散性の変性ポリイソシアネート等が使用できる。熱可塑性樹脂も熱硬化性樹脂も、それぞれ2成分以上を併用してもよい。
【0014】
含浸用の樹脂液は、上記の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを、固形物比率で50:50ないし95:5になるように混合して調製することが、併用効果を確実なものとするために望ましい。調製された樹脂液の含浸は常法により行うことができるが、樹脂が紙層に均一に浸透するように、且つ、含浸紙全重量の約30〜40重量%が樹脂固形物となるように行うことが望ましい。
【0015】
その後、常法により加熱乾燥して含浸紙を得るが、乾燥工程を原紙の長さ方向に張力をかけながら行うことにより幅方向の収縮を生じさせると、化粧紙の幅方向の伸びを大きくし、曲げ加工性を良くすることができる。
【0016】
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合樹脂液を含浸させた含浸紙は柔軟性と印刷時の寸法安定性に優れたものとなり、特に化粧板に仕上げたときのVカット加工性のよい化粧紙を与える。
【0017】
この含浸紙には、必要ならば、以下に詳述する印刷と表面コーティングに先立って印刷適性の改良、平滑化、接着適性向上、化粧層強化等のためのコーティングを、前記含浸樹脂と同様の樹脂を用いて施してもよい。
【0018】
含浸紙に対する印刷は、たとえばニトロセルロース系印刷インキを用いて、一般的な化粧紙製造の場合と全く同様にして任意の刷数行うことができる。
【0019】
印刷を終えた含浸紙の印刷面上に、透明な表面保護層を形成するためのコーティングを少なくとも2回、重ね刷りする。最初のコーティングは、透明樹脂層を形成可能なポリウレタン系水性樹脂塗料を用いて行う。ポリウレタン系水性樹脂塗料としては任意の市販品を使用することができるが、その好ましい具体例としては、水分散性ポリウレタン(ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等)の水分散液またはこれに架橋剤を添加したもの、ポリエステルポリポールまたはアクリルポリオールの水分散液に水分散性イソシアネートを混合したものなどがある。
【0020】
水性ウレタン樹脂塗料はレベリング性がよく、また水を媒体とするものであるため溶媒蒸発による粘度変化を起こしにくいことから、通常の油性樹脂塗料ならばグラビア印刷方式による塗布が困難な300〜1000cpという高粘度のもの(したがって固形物濃度の高いもの)でもグラビア印刷機を用いて均一に塗布することができ、一回の塗布で厚い塗膜を形成させることができる。
【0021】
この水性樹脂塗料には、化粧紙の表面強度を高めるための耐摩耗性向上材たとえば微粉末状酸化アルミニウムを添加してもよい。このとき、耐摩耗性向上材よりも粒子径の大きい熱硬化性合成樹脂粉末を併せて添加すると、硬い耐摩耗性向上材によるグラビア版の摩耗が抑制される。これは、グラビアドクターによる掻き取り力および被印刷体を介し圧胴から印圧が加わることによりグラビアセル内にあるコーティング液が押し出されるとき硬い耐摩耗性向上材粒子がグラビア版の土手に押圧されるのを、大きい樹脂粒子が阻止するためである。粒子径の大きい樹脂粉末の添加はまた該樹脂粒子に由来する微細な凹凸を製品の表面に生じさせ、天然木に近い好ましい感触のものとする利点がある。
【0022】
耐摩耗性向上材は水性ウレタン樹脂塗料による表面保護層に含有させなくてもその作用を発揮させることができるが、前述のように水性ウレタン樹脂塗料は高粘度のものでもグラビア印刷方式によりコーティング可能であるから、この塗料に耐摩耗性向上材を混入すれば高比重の耐摩耗性向上材が沈降分離を起こしにくい高粘度コーティング液を調製することができ、作業性の点で有利である。また、化粧紙上に耐摩耗性向上材を均一に分布させることができる。
【0023】
水性樹脂塗料には、耐摩耗性向上材のほかにも任意の添加剤たとえば耐候性付与のための紫外線吸収剤を添加することができる。
【0024】
ポリウレタン系水性樹脂塗料を塗布された含浸紙は、塗料の溶媒が水であることにより乾燥工程で過度に低水分率の硬いものになるおそれがなく、柔軟な状態で次工程に送られる。また、破断伸度が大きく、本発明の目的を達成するのに有利である。
【0025】
同様の効果はポリウレタン系以外の水性樹脂塗料を用いても期待できるが、たとえば水性ポリアクリル樹脂塗料を用いたのでは、その塗膜が有機溶剤によって膨潤したり水によって白化したりすることがあり、耐溶剤性や耐水性に劣るものとなりやすい。
【0026】
ポリウレタン系水性樹脂塗料による塗膜形成に次いで、表面の光沢その他の性状の調整および物性向上等のため、油性樹脂塗料による1層または2層以上の塗膜形成を行う。たとえば、グロスマットと呼ばれるオプチカルエンボス表現のための、光沢の異なる2種類のポリウレタン系塗料の塗布等を行うが、これらは、従来の化粧紙製造における表面保護層形成のためのものと特に異なるものではないので、本発明の目的達成を妨げるものでなければ、用途に応じて任意に実施することができる。
【0027】
上述のようにして得られた化粧紙は、任意の基材を用いる化粧板製造に一般的な化粧紙と同様に使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明を説明する。なお、各例における耐摩耗性はJAS規格A試験によるものである。Vカット加工など曲げ加工を受ける化粧材の製造にも使用可能であるためには、180度折曲げ試験で割れず、かつ伸度(JIS P−8113による幅方向伸度)が8%以上であることが望ましい。
【0029】
実施例1
下記▲1▼〜▲3▼を混合し、樹脂固形物が35重量%の含浸樹脂液を用意する。
▲1▼ ポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 45部
粒子径 0.1mμ,TG−20℃
▲2▼ 酢酸ビニル/アクリル酸エステルエマルジョン 45部
粒子径 0.1mμ,TG18℃
▲3▼ ポリエチレングリシジルエーテル(水性エポキシ樹脂) 10部
【0030】
45g/mのノーサイズ原紙に上記樹脂を含浸、乾燥後の全重量の35%が含浸樹脂になるようにスクイズロールを調整して、印刷用含浸紙を得た。次いでこの含浸紙にニトロセルロース系インキによるベタ印刷を施し、次いで柄印刷を施してから、グラビア印刷方式でポリウレタン系水性樹脂塗料(ウレタン樹脂のコロイド状分散液;粘度550cp)を1m当たり12g塗布した。
【0031】
さらに、その上に、マット剤を含有させた油性のポリウレタン系樹脂塗料によるマットコート層(4g/m)、前記マットコート層よりも光沢の強いポリウレタン系樹脂塗料による木目導管のネガ版コート(3g/m)および低光沢ポリウレタン系樹脂塗料による木目導管の印刷を施し、その後、70℃・48時間の養生を行い、いわゆるグロスマット化粧紙を製造した。
【0032】
得られた化粧紙の仕上がりは良好で、グラビアインキとしては高粘度の水性樹脂塗料を用いたにもかかわらず艶むらや筋むらは認められなかった。性能試験を行なった結果は次のとおりであった。
【0033】
耐摩耗性:終点(絵柄1/2消失まで)は100回であった。
耐候性:Wether−O−Meterによる照射試験で、終点(褪色、白化等が生じるまで)は1000時間であった。
耐水性:常温水浸漬1週間で異常なし
耐溶剤性:JAS耐シンナー試験合格
柔軟性:180度折り曲げ試験で割れは生じなかった。
伸度:10%
【0034】
比較例1
ポリウレタン系水性樹脂塗料を塗布しないほかは実施例1と同様にして化粧紙を製造した。
得られた化粧紙について性能試験を行なった結果は次のとおりであった。
【0035】
耐摩耗性:終点(絵柄1/2消失まで)は40回であった。
耐候性:Wether−O−Meterによる照射試験で、終点(褪色、白化等が生じるまで)は500時間であった。
耐水性:常温水浸漬1週間で異常なし
耐溶剤性:JAS耐シンナー試験合格
柔軟性:180度折り曲げ試験で割れを生じた。
伸度:6%
【0036】
比較例2
含浸樹脂が熱可塑性樹脂のみである市販の含浸紙を用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。
得られた化粧紙について性能試験を行なった結果は次のとおりであった。
【0037】
耐摩耗性:終点(絵柄1/2消失まで)は100回であった。
耐候性:Wether−O−Meterによる照射試験で、終点(褪色、白化等が生じるまで)は1000時間であった。
耐水性:常温水浸漬1週間で異常なし
耐溶剤性:JAS耐シンナー試験合格
柔軟性:180度折り曲げ試験で割れを生じた。
伸度:7%
【0038】
比較例3
ポリウレタン系水性樹脂塗料にかえて油性のウレタン樹脂塗料(粘度550cp)を塗布したほかは実施例1と同様にして化粧紙を製造したが、高粘度の油性ウレタン樹脂塗料は均一な塗布が困難で、艶むら、筋むら等を生じたほか、乾燥工程で発泡したりしたため、製品は外観検査で不良と判定されるものであった。
【0039】
上記油性ウレタン樹脂塗料をグラビアインキとしては普通の粘度である100cp程度のものにして用いた場合は、若干の艶むらと筋むらが認められた。性能試験の結果は下記のとおりで、割れやすく、伸度不足のものであった。
【0040】
耐摩耗性:終点(絵柄1/2消失まで)は80回であった。
耐候性:Wether−O−Meterによる照射試験で、終点(褪色、白化等が生じるまで)は600時間であった。
耐水性:常温水浸漬1週間で異常なし
耐溶剤性:JAS耐シンナー試験合格
柔軟性:180度折り曲げ試験で割れを生じた。
伸度:5%
【0041】
比較例4
ウレタン系水性樹脂塗料に代えてスチレンアクリルエマルジョン(粘度550cp)を用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。得られた化粧紙の性能は下記のとおりで、耐水性と耐溶剤性において劣るものであった。
【0042】
耐摩耗性:終点(絵柄1/2消失まで)は100回であった。
耐候性:Wether−O−Meterによる照射試験で、終点(褪色、白化等が生じるまで)は1000時間であった。
耐水性:常温水浸漬1週間で白化
耐溶剤性:JAS耐シンナー試験で不合格
柔軟性:180度折り曲げ試験で割れは生じなかった。
伸度:10%
【0043】
実施例2
下記▲1▼〜▲3▼を混合し、樹脂固形物が35重量%の含浸樹脂液を用意する。
▲1▼ ポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョン 45部
粒子径 0.1mμ,TG−20℃
▲2▼ 酢酸ビニル/アクリル酸エステルエマルジョン 45部
粒子径 0.1mμ,TG18℃
▲3▼ イソシアネート(水分散タイプ) 10部
【0044】
含浸樹脂液を上記のものに変えたほかは実施例1と同様にして化粧紙を製造した。得られた化粧紙の品質は、実施例1のものと同等であった。
【0045】
実施例3
下記▲1▼〜▲3▼を混合し、樹脂固形物が35重量%の含浸樹脂液を用意する。
▲1▼ スチレンブタジエン共重合体ラテックス 90部
粒子径 0.1mμ,TG−20℃
▲2▼ イソシアネート(水分散タイプ) 10部
【0046】
含浸樹脂液を上記のものに変えたほかは実施例1と同様にして化粧紙を製造した。得られた化粧紙の品質は、実施例1のものと同等であった。
【0047】
実施例4
ウレタン樹脂のコロイド状分散液にエポキシ系架橋剤を添加し、粘度を550cpに調整したもの(ウレタン樹脂固形物/エポキシ系架橋剤固形物=100/5)をウレタン系水性樹脂塗料として用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。得られた化粧紙の品質は実施例1のものと同等であった。
【0048】
実施例5
ウレタン樹脂のコロイド状分散液にメラミン系架橋剤を添加し、粘度を550cpに調整したもの(ウレタン樹脂固形物/メラミン系架橋剤固形物=100/5)をウレタン系水性樹脂塗料として用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。得られた化粧紙の品質は実施例1のものと同等であった。
【0049】
実施例6
ポリオールのコロイド状分散液に水分散イソシアネートを混合したのち粘度を550cpに調整したもの(ポリオール固形物/イソシアネート固形物=100/40)をウレタン系水性樹脂塗料として用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。得られた化粧紙の品質は実施例1のものと同等であった。
【0050】
実施例7
実施例1で用いたのと同じポリウレタン系水性樹脂塗料に耐摩耗性向上材として樹脂固形物の25重量%の微粉末状酸化アルミニウム(平均粒径9μm)を混合してよく分散させた後、希釈剤を用いて粘度を550cpに調整した。
【0051】
印刷層の上に塗布するポリウレタン系水性樹脂塗料にかえて上記酸化アルミニウム入りポリウレタン系水性樹脂塗料を用いたほかは実施例1と同様にして、化粧紙を製造した。高比重の酸化アルミニウムは塗料中で沈降しやすいが、高粘度のポリウレタン系水性樹脂塗料に分散させたこの例では酸化アルミニウムが沈降することはなく、化粧紙上に均一に分布させることができた。
【0052】
得られた化粧紙の仕上がりは良好で、耐摩耗性試験における終点は150回となり、耐摩耗性が実施例1のものに比べて顕著に向上した。その他の性能は実施例1のものと同等であった。
【0053】
実施例8
微粉末状酸化アルミニウムと共に樹脂固形物の1重量%の粉末状ポリウレタン(平均粒径25μm)を混合したポリウレタン系水性樹脂塗料を用いたほかは実施例7と同様にして、化粧紙を製造した。
【0054】
得られた化粧紙の仕上がりは良好で、混入された粉末状ポリウレタンによる微細な凹凸を有する表面は天然木に近い感触のものであった。性能試験の結果は実施例7の場合と同等であった。
【0055】
酸化アルミニウムを混入した樹脂塗料を塗布するとグラビア版の摩耗が早くなるが、酸化アルミニウムよりも粒径の大きい粉末状ポリウレタンを混在させたこの場合は、酸化アルミニウムだけを混入した実施例2の場合と比べてグラビア版の摩耗速度は約1/2になった。
【0056】
【発明の効果】
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂が含浸されている含浸紙は、長さ方向に引っ張られながら樹脂含浸と乾燥を受ける過程で幅方向には若干収縮している。この幅方向収縮の復元による伸びを、含浸された熱可塑性樹脂が可能にする。また、印刷層の上に施されるウレタン系水性樹脂塗料による表面保護層も伸びの大きいものである。したがって、本発明の製造法による化粧紙を用いて製造された化粧板は、従来の紙ベース化粧紙を用いて製造された化粧板よりも化粧紙層の伸度が大きくしかも強度が大であるから、曲げ加工性に優れており、Vカット加工にも十分耐えるものである。
【0057】
ウレタン系水性樹脂塗料は伸度の大きい化粧紙を与えるだけでなく、固形物濃度の高い高粘度溶液でもグラビア印刷方式によるコーティングを高速で行うことができ、均一かつ厚い塗膜を高能率で形成させることができる利点がある。また、耐摩耗性向上のための酸化アルミニウムを配合しても比重差による沈降分離を起こしにくいから、多量の酸化アルミニウムを含有させて高率かつ均一にアルミニウムを含有する塗膜を形成させることができる。
【0058】
したがって、本発明によれば曲げ加工性、表面特性、耐水性、耐溶剤性、耐摩耗性等に優れた紙ベース化粧紙を生産性よく製造することが可能になる。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物を含浸させた原紙に印刷を施し、印刷面に透明な表面保護層形成のためのコーティングを施して化粧紙を製造するに当たり、表面保護層形成のためのコーティングを、最初にポリウレタン系水性樹脂塗料を用いて行い、次いで油性のポリウレタン系樹脂塗料を用いて行うことを特徴とする化粧紙の製造法。
  2. アクリル樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、水溶性アクリル樹脂溶液、および水性ポリウレタン分散液からなる群から選ばれた熱可塑性樹脂水性分散液と、水性エポキシ樹脂および水分散イソシアネートからなる群から選ばれた熱硬化性樹脂プレポリマーとの混合物を含浸させて強化した原紙を用いる請求項1に記載の化粧紙の製造法。
  3. 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を50:50ないし95:5の比率で含浸させた原紙を使用する請求項1又は請求項2に記載の化粧紙の製造法。
  4. 粘度を300〜1000cpに調整したポリウレタン系水性樹脂塗料をグラビア印刷方式によりコーティングすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化粧紙の製造法。
  5. ポリウレタン系水性樹脂塗料に微粉末状酸化アルミニウムからなる耐摩耗性向上材を混入することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化粧紙の製造法。
  6. ポリウレタン系水性樹脂塗料に微粉末状酸化アルミニウムからなる耐摩耗性向上材と共に該酸化アルミニウムよりも粒子径の大きい熱硬化性樹脂粉末を混入することを特徴とする請求項5記載の化粧紙の製造法。
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