JP4231177B2 - 高周波回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる2つの送受信周波数帯の送受信を行う受信回路、送信回路、アンテナに、所定周波数帯の送受信信号を切り換えるスイッチング回路を具備する高周波回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波回路は、デジタル携帯電話などにおいて、受信信号をアンテナから受信回路に供給し、また、送信信号を送信回路からアンテナに供給するように切り換えるスイッチング回路を具備している。
【0003】
しかし、通信システムの複雑化に伴い、2つの通信システムに対応したデュアルバンド対応が希求されている。また、それら通信機器に使用される部品には小型化、軽量化が同時に要求される。
【0004】
図4には、アンテナに接続するアンテナ端子をANT、送信回路と接続する送信端子をTX及び受信回路に接続する受信端子をRXに示したシングルバンドに対応した高周波回路を示している。
【0005】
送信回路に接続する送信端子TXは、コンデンサ36、第1のダイオード35及びコンデンサ31を介して、アンテナ端子ANTに接続されている。即ち、送信回路に形成された所定周波数帯の送信信号(Ft)は、この送信ラインを介してアンテナに導出される。
【0006】
また、アンテナに接続するアンテナ端子ANTは、ストリップライン32、コンデンサ33を介して、受信回路に接続された受信端子RXに接続されている。
【0007】
即ち、受信回路によって処理されるべき所定周波数帯の送信信号(Fr)は、この受信ラインを介して受信回路に供給される。
【0008】
また、送信ライン側において、コンデンサ36と第1のダイオード35のアノードとの中間点には、抵抗37を介して制御端子Vtが接続されている。尚、第1のダイオード35のアノードと抵抗37の中間点はコンデンサ38を介して接地されている。
【0009】
また、受信ライン側において、ストリップライン32とコンデンサ33の中間点、即ちストリップライン32の受信端子TX側には、第2のダイオード34が接続されている。尚、第2のダイオード34のアノードがストリップライン32の受信端子側に接続されており、カソードがグランド電位に接地されている。
【0010】
ここでコンデンサ31、33、36、38は、直流成分カットのコンデンサであり、制御端子Vtから供給された制御電流(送受信切り換え信号)が、送信端子TX、受信端子RX、アンテナ端子ANT及び接地に漏れることを防止するものである。
【0011】
前述のスイッチング回路において、送信周波数Ftを送信する場合、制御端子Vtに正の電圧(バイアス電流)が与えられる。この電圧によって第1のダイオード35および第2のダイオード34がON状態になる。
【0012】
第1のダイオード35がON状態になることにより、送信回路TXからの送信信号Ftがアンテナ端子ANTに送信されることになる。同時に、第2のダイオード34がON状態になることによりストリップライン32の一端が第2のダイオード34を介して接地される。ここで、ストリップライン32の長さを所定送信信号の中心的な周波数、例えばFtに対して1/4波長の長さに設定しておくことにより、送信信号Ftの周波数帯に対してインピーダンスが無限大となるため、受信端子RXには伝達されない。
【0013】
受信周波数Ftを受信する場合は制御端子Vtに負の電圧または0Vが与えられる。これにより、第1のダイオード35および第2のダイオード34にバイアス電流は供給されず、その結果、OFF状態となる。これによりアンテナ端子ANTから受信信号Frは受信端子RXに伝達され、送信端子TXには伝達されない。この場合、ストリップライン32は単なる伝送線路として働く。
【0014】
以上の構成は、1つの周波数帯に対応したシングルモードのスイッチング回路の動作である。
【0015】
このようなシングルモードのスイッチング回路をベースに、異なる送受信周波数帯の2つの通信システムを、1つの通信機器に対応させる、所謂デュアルバンド対応させる時には、図5のブロック図に示すように、2つのスイッチング回路SW1、SW2を、ダイプレクサDで接続して高周波回路を構成していた。
【0016】
ダイプレクサDは、異なる送受信周波数帯の送受信信号を2つのスイッチング回路SW1、SW2のいずれかに分けて供給するものである。そして、ダイプレクサDは、アンテナに接続される第1の端子D1、スイッチング回路SW1のアンテナ端子ANTに接続される第2の端子D2、スイッチング回路SW2のアンテナ端子ANTに接続される第3の端子D3を有している。
【0017】
そして、このような2つのスイッチング回路SW1、SW2及びダイプレクサDからなる高周波回路は、通信機器などの小型化に伴って、1つのモジュールとして取り扱われるようにして、通信機器全体の小型化を図っていた。即ち、この高周波回路を多層構造の回路基板に一体的に配置していた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように2つのスイッチング回路SW1、SW2、ダイプレクサDを多層構造の回路基板に配置すると、2つのスイッチング回路SW1、SW2に必要なストリップライン、ダイオードやコンデンサなどの部品を実装し、また、多層構造の回路基板にビアホール導体、内部配線導体を配置しなくてはならない。
【0019】
さらに、回路基板の形状を物理的に小型化しようとすると、2つのスイッチング回路の間隔が狭くなる。その結果、アイソレーションが充分に取れないという問題があった。
【0020】
例えば、2つのスイッチング回路一方がGSM通信システム(送受信信号の周波数帯域が約900MHz)に、他方がDCS通信システム(送受信信号の周波数帯域が1.8GHz)に対応する高周波回路では、特にGSM通信システムでの送受信時、GSM通信システム(900MHz)以外の信号、例えば、約2倍の周波数であるDCS通信システムの受信信号Fr2(周波数 Fr1×2)が通過してしまうという問題があった。
【0021】
即ち、一方のスイッチング回路SW1で処理する通信システムの送受信周波数帯(Ft1、Fr1)と、他方のスイッチング回路SW2で処理する通信システムの送受信周波数帯(Ft2、Fr2)との関係が2倍程度の関係である場合、ストリップライン32の漏れが発生してしまい、減衰特性等を悪化させるという問題が生じた。
【0022】
このような問題を解決するためには、アンテナANTとスイッチング回路SW1、2との間や、各送受信端子TX、RXと送受信回路との間に周波数選別のフィルタ装置を設けることが考えられる。
【0023】
しかし、フィルタ装置を回路基板に実装する場合もあれば、外側からフィルタを接続する場合もある。いずれにしても、フィルタ装置を付加すると部品点数が増大してしまい、その結果として、高周波回路が大型化してしまうという問題があった。
【0024】
本発明は上述の問題点に鑑みて案出したものであり、その目的は受信時の通過特性を悪化させることなく、小型で、且つ他の通信システムに用いる周波数帯による漏れを防止することができ、高い品質の送受信が可能な高周波回路を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アンテナと送受信回路との接続を切り換えるスイッチング回路を2つ準備するとともに、各々のスイッチング回路をダイプレクサを介してアンテナに接続して成り、前記各々スイッチング回路の送受信周波数帯が異なる高周波回路であって、
前記各スイッチング回路は、送信回路に接続される送信端子と、受信回路に接続される受信端子と、ダイプレクサに接続されるアンテナ端子とを有するとともに、
前記送信端子とアンテナ端子との間に配置され、且つアノードが送信端子側に接続される第1のダイオードと、
前記アンテナ端子と前記受信端子との間に配置されたストリップラインと、アノードが前記ストリップラインの前記受信端子側に接続され、且つカソードがグランド電位に接続される第2のダイオードと、
前記第1及び第2のダイオードのON−OFF制御を行う制御電圧を供給する制御端子とから成り、
且つ前記低い送受信周波数帯の送受信信号の切り換える一方のスイッチング回路の前記ストリップラインに、その長さの全部または一部部分に、容量素子を並列接続させたことを特徴とする高周波回路である。
【0026】
また、前記一方のスイッチング回路のストリップ線路及び該ストリップ線路に並列接続された容量素子は、その所定送受信周波数帯よりも高い周波数帯域に減衰極を形成するように設定した高周波回路である。
【0027】
【作用】
本発明の高周波回路では、一方のスイッチング回路を構成するストリップラインに容量素子を並列に接続している。これより、ストリップラインの伝送特性に減衰極を形成している。尚、容量素子の接続点はストリップラインの両端部との間、該ストリップラインのある2点の間、一方端部とある中間点との間などに接続される。
【0028】
また、この一方のスイッチング回路は、この回路側で処理する送信信号の中心的な周波数Ft1に応じて、その波長の1/4相当の長さを有している。同時に、このストリップラインに並列接続する容量素子は、この回路側で処理される受信信号の周波数Fr1の伝送特性をそのまま(良好)にして、その周波数Fr1よりも高い周波数でラインを介して供給される信号を減衰させるような容量成分を有するものを用いる。
【0029】
尚、このストリップ線路に容量素子を並列接続する高周波回路は、2つの通信システムのうち、低い周波数帯の通信システムを処理するスイッチング回路に用いられることが望ましい。
【0030】
これにより、容量素子を並列接続したストリップラインの伝送特性は、伝送特性に対して、ある周波数帯に減衰極を形成している。即ち、受信信号の周波数帯Fr1よりも高い周波数帯域でラインを介して供給される信号を減衰させることができる。
【0031】
即ち、一方のスイッチング回路で受信ラインに、他方のスイッチング回路で処理される送信信号や受信信号などがノイズ(ノイズ信号)としてのったとしても、このストリップラインの伝送特性上、ノイズ信号が充分に減衰されることにより、ノイズ信号が一方のスイッチング回路の受信端子に現れることがない。これより、高い品質の送受信が可能な高周波回路となる。
【0032】
また、一方のスイッチング回路のストリップラインに容量素子を並列配置されるだけなので、部品点数が大幅に増えることがなく、また、フィルタ装置を付加する必要もなく、高周波回路を内装した回路基板の形状が大型化することなく、また、両スイッチング回路を近接配置しても、充分なアイソレーションが得られ高周波回路となる。
【0033】
その作用を図で説明すると、図6に従来のストリップラインの構成及びその伝送特性を示す。即ち、従来においてストリップラインは、受信処理の周波数帯Fr1を含む広い周波数範囲帯で減衰量が約0である(通過損失が約0である)。
【0034】
これにより、アンテナ端子から供給される受信信号は、ストリップラインを介して、損失なく受信端子に供給されることになる。この時、他方のスイッチング回路で送受信処理をおこなうべき送信信号や受信信号がノイズとして、この受信ラインにのると、受信端子に導出され、通信混線などが発生してしまう。
【0035】
これに対して、図2のように、ストリップライン12に並列となる容量素子19を配置する。これにより、このスイッチング回路の受信処理の周波数帯Fr1の近傍及びそれよりも低い周波数帯域では減衰量が約0である(通過損失が約0である)。そして、周波数帯Fr1よりも高い周波数領域で、減衰極が形成され,周波数帯Fr1よりも高い周波数の信号(ノイズ)では、所定減衰量で減衰する。例えば、減衰量が−20dB以上とできる。
【0036】
以上のように、本発明によれば、同じ回路基板で取り扱う周波数帯の異なる2つ以上のスイッチング回路を内層化する場合でも、受信時の通過特性を悪化させることなく、送信周波数の2倍の周波数帯域の減衰特性を改善し、部品を基板に内層化して小型化しても高い品質の送受信が可能な高周波回路を提供することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高周波回路を図面に基づいて詳説する。尚、実施例には、2つの通信システム、例えばGSM通信システム(送受信周波数帯900MHz)、DCS通信システム(送受信周波数帯1.8GHz)に対応する2つのスイッチング回路を具備した高周波回路を例に説明する。なお従来例と同一の部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図1は、本発明の高周波回路の回路図を示す。
【0039】
図において、高周波回路は、アンテナに接続されるダイプレクサD、ダイプレクサDを介してアンテナと受信回路または送信回路との接続状態を切り換える2つのスイッチング回路SW1、SW2とから構成されている。
【0040】
ダイプレクサDは、その第1の端子D1を介して、アンテナに接続されている。また、一方のスイッチング回路SW1(例えばGSM通信システムに対応したスイッチング回路)のアンテナ側端子は、ダイプレクサDの第2の端子D2に接続され、他方のスイッチング回路SW2(例えばDCS通信システムに対応したスイッチング回路)のアンテナ側端子は、ダイプレクサDの第3の端子D3に接続される。また、一方のスイッチング回路SW1及び他方のスイッチング回路SW2の構成は、従来のスイッチング回路SWの構成をベースにしており、一方のスイッチング回路SW1は、コンデンサ11、ストリップライン12、コンデンサ13、第2のダイオード14、第1のダイオード15、コンデンサ16、抵抗17、コンデンサ18から構成されている。そして、受信端子RX1は受信回路に接続されて、送信端子TX1は送信回路に接続されている。また、制御端子Vt1は、一方のスイッチング回路SW1内において、送受信を切り換えるための制御電圧が供給される。
【0041】
また、他方のスイッチング回路SW2は、コンデンサ21、ストリップライン22、コンデンサ23、第2のダイオード24、第1のダイオード25、コンデンサ26、抵抗27、コンデンサ28から構成されている。そして、受信端子RX2は受信回路に接続されて、送信端子TX2は送信回路に接続されている。また、制御端子Vt2は、一方のスイッチング回路SW2内において、送受信を切り換えるための制御電圧が供給される。尚、受信端子RX1、RX2は両者の受信信号の周波数帯が相違するため、受信端子RX1と受信回路RXとの間には、例えば900MHz帯の受信信号を受信回路RXで処理可能な周波数に変換する周波数変換回路(ミキサーやフィルタなど)を具備しており、受信端子RX2と受信回路RXとの間にも、例えば1.8GHz帯の受信信号を受信回路RXで処理可能な周波数に変換する周波数変換回路が具備されている。
【0042】
また、一方のスイッチング回路SW1においては、ストリップライン12の線路長は、このスイッチング回路SW1で処理される送信信号Ft1の中心的な周波数の1/4波長に相当する長さとなっている。他方のスイッチング回路SW2のストリップライン22の線路長は、このスイッチング回路SW2で処理される送信信号Ft2の中心的な周波数の1/4波長に相当する長さとなっている。また、低い周波数(Fr1、Ft1(総じて、F1という)、例えば約900MHz)の処理を行うスイッチング回路SW1のストリップライン12は、スイッチング回路SW1よりも高い周波数(Fr2、Ft2(総じて、F2という)約1.8GHz)の処理を行うスイッチング回路SW2のストリップライン22の長さの2倍となっている。
【0043】
また、本発明では、低い周波数帯F1の処理を行うスイッチング回路SW1側のストリップライン12に、容量素子19が並列接続されている。
【0044】
これより、伝送路として動作するストリップライン12には、容量素子19が並列接続されるため、周波数帯F1よりも高い周波数帯域で2つの減衰極を形成することができ、全体としてローパスフィルタとして動作させることができる。
【0045】
このような構成の高周波回路において、GSM通信システムにおける送信処理を行う場合には、スイッチング回路SW1の制御端子Vt1に正の電圧(第1のダイオード15、第2のダイオード14に順バイアス電流を与える信号)を供給する。そして、スイッチング回路SW1の第1のダイオード15及び第2のダイオード14はON状態となる。
【0046】
ここで、第2のダイオード14がON状態となるため、ストリップライン12の受信端子RX1側の端部はGND電位に接地されることになる。そしてストリップライン12を送信信号Ft1(実際の送信周波数としてはF1は880〜915MHz)に対して、ショートスタブ(インピーダンス無限大)となり、送信信号がストリップライン12で遮断され、受信端子RX1に漏れることなく、ダイプレクサDに導出されることになる。
【0047】
また、GSM通信システムにおける受信処理に行う場合には、スイッチング回路SW1の制御端子Vt1に0または負の電圧(第1のダイオード15、第2のダイオード14には無印加)を供給する。このため、第1のダイオード15及び第2のダイオード14はOFF状態となる。
【0048】
ここで、第1のダイオード15 がOFF状態となるため、ダイプレクサDと送信回路TX1との間が遮断されて、受信信号Fr1が送信端子RX1に漏れることがない。これにより、ダイプレクサDから分離された受信信号Fr1は、ストリップライン12を介して受信端子Rx1に導出されることになる。この時、ストリップライン12は単に伝送路として動作し、且つ容量素子19とにより、ローパスフィルタとして動作するものの、所定受信信号Rx1を含む約900MHzの周波数帯よりも高い周波数帯域で減衰極が形成されているので、この所定受信信号Rx1が減衰することない。
【0049】
また、DCS通信システムにおいては、他方のスイッチング回路SW2において同様の動作をおこなう。
【0050】
ここで、2つのスイッチング回路SW1、スイッチング回路SW2を有するデュアルバンド対応の高周波回路において、特に、スイッチング回路SW1のストリップライン12に、周波数帯F1の信号のみを通過させて、その2倍の周波数2×F1の信号、即ち、スイッチング回路SW2で送受信処理する周波数帯を、減衰させるようになっている。これは、この高周波回路を、小型、高密度化のために同一基板内にスイッチング回路SW1とSW2とを近接配置すると、スイッチング回路SW2からスイッチング回路SW1側に、スイッチング回路SW2で処理する送受信信号Ft2、Fr2が、ノイズとしてのってくることがあるからである。
【0051】
即ち、スイッチング回路SW1が動作していない時や、スイッチング回路SW1のストリップライン12が単なる伝送路として機能する時において、ラインを介して供給される高い周波数の不要なノイズを除去することが重要となる。
【0052】
本発明では、低い周波数処理を行うスイッチング回路SW1のストリップライン12に対して、容量素子(コンデンサ)19を接続している。このため、ストリップライン12は、単体ではローパスフィルタのような特性を示す。これより、スイッチング回路SW2で処理する送受信信号(送受信周波数F2:1710〜1910MHzで、F2と2×F1は近い周波数帯)が、不要なノイズとしてスイッチング回路SW1の受信ラインにのったとしても、この高い周波数の信号(ノイズ)を充分に減衰させることができ、結果として、スイッチング回路SW1の受信端子RX1に導出されないことになる。
【0053】
これにより、高品質の送受信信号の処理が可能となる。
【0054】
同時に、この2つのスイッチング回路SW1、SW2を、同一の多層基板に内装して、しかも、両スイッチング回路を近接しても、そこから漏れる信号成分(ノイズ)はストリップライン12自身で充分減衰され、周波数帯2×F1の減衰特性を悪化させることがない。
【0055】
以上、図2(a)に示すように、ストリップライン12に容量素子19を並列配置させることにより、全般として図2(b)に示すように、所定周波数帯F1よりも高い周波数帯域に減衰極が形成される。その結果、ストリップライン12の伝送特性上の周波数帯F1よりも高い周波数帯域で通過損失が大きくなる。これより、例えば、一方のスイッチング回路SW1で処理する送受信信号の周波数帯F1よりも高い周波数帯に存在する他方のスイッチング回路SW2で処理する送受信周波数F2の信号(スイッチング回路SW1ではノイズとなる)が、スイッチング回路SW1の受信端子RX1に導出されることがない。
【0056】
減衰極の制御は、容量素子19の容量値、この容量素子19が並列接続されるストリップライン12の所定接続長さ(インダクタンス)によって行うことができる。
【0057】
例えば、容量素子19の容量を小さくすると、2つの減衰極の間隔が狭くなるようになり、逆に、容量素子19の容量を大きくすると、2つの減衰極の間隔が拡がるようになる。
【0058】
例えば、2つの減衰極の間隔が狭くなりすぎると、減衰極間の減衰量が充分に得られず、ノイズ信号の損失が小さくなってしまう。
【0059】
また、2つの減衰極が広く成り過ぎると、通過すべき受信信号Fr1の近傍での周波数に対する減衰量が減少してしまう。
【0060】
また、本発明者は、ストリップライン12の減衰極(極位置)と2倍のF1(F1を880〜915MHz)における減衰特性の関係を調べた。
【0061】
その結果を図3に示す。図3から理解できるように、ストリップライン12の減衰極位置と2×F1における減衰特性には関係があり、この周波数帯域(実際には、スイッチング回路SW2で送受信処理される周波数帯)に対応する減衰特性を−30dB以下に確保するためには、マージンも考えて減衰極位置を2300MHz以下にしておく必要がある。
【0062】
その極位置に設定するためには、コンデンサ19の容量値をたとえば2pFとすれば、ストリップライン12とコンデンサ19の接続点同士の距離は6〜7mmにすれば良い。ストリップライン12の線路長は、スイッチング回路SW1で処理される送信信号F1の中心的な周波数の1/4波長に相当する長さとなるように設定すれば良い。この場合は約18mmである。
【0063】
尚、上述の実施例では、ストリップライン12に対して容量素子19を並列接続している。そして、図2(a)に示す回路図では、ストリップライン11の両端に容量素子19が接続されているが、容量素子19が接続されるストリップライン12の2点を、ストリップライン12の一方端部と所定位置の中間点部分としたり、また、2点をストリップライン12の所定の2つの中間点部分としても構わない。
【0064】
また、上述の実施例では、一方のスイッチング回路SW1(スイッチング回路SW2で処理される送受信信号の周波数帯F2よりも、低い側の周波数の送受信処理を行う側のスイッチング回路)のストリップライン12に、容量素子19を形成したが、例えば、他方のストリップライン22の側にも同様の容量素子を用いても構わない。この場合、特定周波数以上の外来高周波ノイズ成分を、他方のスイッチング回路SW2の受信ラインに伝送されることがないため、その安定性が向上する。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、同じ基板に2つのスイッチング回路SW、ダイプレクサを具備する高周波回路を形成しても、一方の受信信号の周波数Fr1を伝送するストリップラインに、その周波数Fr1よりも高い周波数でラインを介して供給される信号がノイズとしてのったとしても、高い周波数の信号は、ストリップラインによって十分減衰されるため、スイッチング回路全体としての減衰特性を悪化させず、同時に、受信時の通過特性は良いままに保たれ、高い品質のスイッチング処理ができる。
【0066】
また、2つのスイッチング回路を同じ基板に内層化し小型化しても受信時の通過特性を悪化させることなく、送信時の送信周波数の2倍の周波数帯域の減衰特性を改善し、高い品質の送受信を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波回路の回路図である。
【図2】本発明のストリップラインに容量素子を並列接続した場合の通過特性を示すものであり(a)はその接続図、(b)は特性図である。
【図3】容量素子を並列接続したストリップラインの減衰極位置と2倍の周波数帯における減衰特性の関係を示す図である。
【図4】従来のシングルモードのスイッチング回路の回路図である。
【図5】従来のデュアルモードのスイッチング回路(高周波回路)のブロック図である。
【図6】従来のストリップラインの通過特性を示すものであり(a)はその形状(b)は特性図である。
【符号の説明】
2、12、22・・ストリップライン
4、14、24・・第2のダイオード
5、15、25・・第1のダイオード
RX、RX1、RX2・・受信端子
TX、TX1、TX2・・送信端子
ANT・・アンテナ端子
Claims (1)
- アンテナと送受信回路との接続を切り換えるスイッチング回路2つを、各々ダイプレクサを介してアンテナに接続して成り、各スイッチング回路の送受信周波数帯が異なる高周波回路であって、
前記各スイッチング回路は、送信回路に接続される送信端子と、受信回路に接続される受信端子と、前記ダイプレクサに接続されるアンテナ端子とを有するとともに、
前記送信端子と前記アンテナ端子との間に配置され、且つアノードが前記送信端子側に接続される第1のダイオードと、
前記アンテナ端子と前記受信端子との間に配置されたストリップラインと、アノードが前記ストリップラインの前記受信端子側に接続され、且つカソードがグランド電位に接続される第2のダイオードと、
前記第1及び第2のダイオードのON−OFF制御を行う制御電圧を供給する制御端子とから成り、
且つ低い前記送受信周波数帯の処理を行う一方のスイッチング回路の前記ストリップラインに、その長さの全部または一部に、容量素子を並列接続し、前記ストリップラインの伝送特性に、前記一方のスイッチング回路の送受信周波数帯よりも高い周波数帯域に減衰極を形成するように設定したことを特徴とする高周波回路。
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