〔実施形態1〕
本明細書において、「アプリケーション」とは、電子メールの送受信を行うメーラーや、ホームページを閲覧するwebブラウザなど、ユーザとの間のインターフェイスを備え、電子装置に搭載されて動作するソフトウェアを指す。また、「電子装置」とは、上記アプリケーションに基づいて動作する装置であり、一般的には、例えば、ノートPCやPDA、マイコンを内蔵した家電機器などを含む。「通信装置」とは、データ通信などの通信機能を備えた装置であり、上記電子装置と協同して電子装置に通信機能を付与することができる装置である。「制御プロファイル」とは、ある条件における通信に関わる制御状態を指し、「制御プロファイルテーブル」とは、通信装置に直接または間接に接続されるハードウェア、ソフトウェアから得られる様々な情報に基づいて最適な制御プロファイルを選択するために用いられる表を指す。
図1は、本発明の一実施の形態によるプロファイルコントローラ(制御装置)の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態によるプロファイルコントローラ100は、プロファイル選択部110を中心にして、通信回路電源制御部120と、通信回路動作制御部130と、通信路情報I/F部140と、アプリ要求I/F部150と、アクション指令部160と、機器情報I/F部170と、の6つのインターフェイスがプロファイル選択部110と関連付けされて構成される。プロファイルコントローラ100は、3つの入力部と3つの出力部とを有している。
通信路情報I/F部140と、アプリ要求I/F部150と、機器情報I/F部170との出力信号がプロファイル選択部110に入力し、プロファイル選択部110からの出力信号が、通信回路電源制御部120と、通信回路動作制御部130と、アクション指令部160に入力する。この様子を図2に示す。
図2に示すように、電子機器(情報処理装置)180は、プロファイルコントローラ100と、通信装置200と、電子装置300とを含んで構成されている。尚、接続線121、131、141、151、161、171は、それぞれ図1に示す接続線と同じである。プロファイルコントローラ100に対する3つの入力は、それぞれ、アプリケーション310からの「要求」と、電子装置300内の機器情報320を示す「機器情報報告」と通信装置200内の通信路情報220を示す「通信路情報報告」であり、3つの出力は、アプリケーション310に対する「アプリ制御」と、通信回路210に対する「電源制御」と「動作制御」である。なお、上記機器情報報告には、電子装置300の機器種別を表す機器種別情報が付加されている。
3つの入力信号と3つの出力信号とを伝達する6つの接続線121、131、141、151、161、171は、図1に示す6つのインターフェイス(120、130、140、150、160、170)を介して、プロファイル選択部110と接続されている。プロファイル選択部110は、プロファイルコントローラ100の核心となる部分である。プロファイル選択部110は、アプリ要求I/F部150、機器情報I/F部170、通信路情報I/F部140を通じて入力された3つの入力信号「要求」「機器情報報告」「通信路情報報告」の値によって、適切な制御プロファイルを選択する。
また、プロファイル選択部110は、選択された制御プロファイルに関連付けて記憶されている指示を、通信回路電源制御部120、通信回路動作制御部130、アクション指令部160を通じて、3つの出力信号「電源制御」「動作制御」「アプリ制御」として出力する。この3つの出力信号によって、通信回路210の次の電源制御状態と、動作状態と、アプリケーション310の次の状態と、が明らかになり、通信回路210およびアプリケーション310は、速やかに上記の指示に従って状態を遷移させる。
プロファイルコントローラ100の核心でもあるプロファイル選択部110に用意される制御プロファイルテーブルは、機器の特性・アプリケーションの状態・機器の状況・通信路の状況などの考えられ得る様々な状態の組み合わせの中から、その時に最も低消費電力動作になるように、通信装置200を動作させるために必要な通信回路210の電源状態・通信回路210の動作状態、電子装置300の省電力化にも関連の深いアプリケーションの状態を指示するための制御信号の組み合わせを見つけだす(読み出す)ことができるテーブルである。
従って、アプリケーションからの要求と、通信路情報と、機器情報と、の3項目が揃えば、一意に制御プロファイルを決定できるようにしておくのが好ましいが、3項目の組み合わせ全てに対して異なる制御プロファイルである必要はない。また、電子装置300の種類が異なった場合には制御プロファイルも異なるが、全ての電子装置300に対して異なる制御プロファイルが用意されていなくても良い。プロファイル選択部110が異なる電子装置300に対応した制御プロファイルを選択できるように、制御プロファイルテーブルは、電子装置300の機器種別に対応づけて制御プロファイルを記憶している。
図3は、プロファイルコントローラ100の動作フローの一例を示すフローチャート図である。適宜、図1、図2を参照する。まず、ステップS11において、機器情報I/F部170は、機器情報部320に対して機器情報の有無を確認し機器情報があればステップS12において「機器情報報告」の形で機器情報を取得する。このとき、機器情報に付加された上記機器種別情報も取得する。同様に、ステップS13において、通信路情報I/F部140は通信路情報の有無を確認し、通信路情報があればステップS14において「通信路情報報告」の形で通信路情報を取得する。
ステップS15において、アプリ要求I/F部150に対してアプリケーションからのアクション要求がなければ(S15でNO)、再びステップS11に戻り機器情報から順に監視する。一方、アクション要求がある場合(S15でYES)、ステップS16において、プロファイル選択部110は、アプリ要求I/F部150と通信路情報I/F部140と機器情報I/F部170とが受け取った信号から、制御プロファイルテーブルを参照して制御プロファイルを選択する。
以降、プロファイル選択部110は、選択された制御プロファイルに関連付けされて記憶されている指示を順次実行する。ステップS17において、選択された制御プロファイルで通信回路動作制御が指示されているか否かを確認する。通信回路制御が指示されている場合には、ステップS18において、通信回路動作制御部130から通信回路210に対し「動作制御」信号を出力する。同様に、ステップS19において、選択された制御プロファイルで通信回路電源制御が指示されているか否かを確認する。通信回路電源制御が指示されている場合には、ステップS20において、通信回路電源制御部120から通信回路210に対し「電源制御」信号を出力する。さらに、ステップS21において、選択された制御プロファイルでアプリケーションに対する制御が指示されているか否かを確認する。
アプリケーションに対する制御が指示されている場合には、ステップS22において、アクション指令部160からアプリケーション310に対し「アプリ制御」信号を出力する。ステップS23において、プロファイルコントローラ100の動作終了の制御が、電子装置300の制御系の指示やリセット信号などによって為されていると、プロファイルコントローラ100は終了する。しかしながら、動作終了の制御が為されていない場合には、ステップS11に戻り、再び機器情報の取得から順に処理を実行する。
図4は、本実施の形態によるプロファイルコントローラ100を中心とする機器の接続構造の具体例を示す図である。図4に示すプロファイルコントローラ100内に設けられた6つのブロックは、図1に示す同符号のインターフェイスに該当する。図4の点線の矢印は、通信データの流れを示し、実線の矢印は制御データの流れを示す。例えば、電子装置300においては、その中に設けられているユーザーI/F部330を通じてユーザが入力した機器の動作モード情報と、電子装置300が備える図示しない電源部などから得られる電源部情報と、電子装置300の機器種別を示す機器種別情報と、を機器情報部320において収集し、「機器情報報告」信号をプロファイルコントローラ100内の機器情報I/F部170へ送る。
図4に示す無線通信機器(通信機器)400は、プロファイルコントローラ100と、RF部410と、BB部420と、MAC部430とを備えている。ここで、RF部410、BB部420およびMAC部430は、無線通信回路を構成するものであり、図2に示す通信装置200に相当する。つまり、無線通信機器400は、プロファイルコントローラ100および通信装置200を備える機器である。
また、無線通信機器(通信機器)400内において通信回路を構成するMAC部430内では、受信信号品質や電界強度など通信路に関係する情報を通信路情報部432で収集し、「通信路情報」信号をプロファイルコントローラ100内の通信路情報I/F部140に送る。電子装置300にインストールされているアプリケーション(例えば、アプリ#1、アプリ#2、アプリ#N)311〜313が、アプリ要求I/F部150に対して「要求」信号を出すと、プロファイルコントローラ100は、選択された制御プロファイルに基づいて、3つの出力から信号を出力する。
選択された制御プロファイルが、アプリケーションに対して何かのアクションを指示している場合は、アクション指令部160から、アプリケーション(アプリ#1、アプリ#2、アプリ#N)311〜313のうち該当するアプリケーションに向けて「アプリ制御」信号を出力する。「アプリ制御」信号を受け取ったアプリケーションは、信号に基づいてアプリケーションの動作状態を遷移させることになる。
また、通信回路動作制御部130は「動作制御」信号を、MAC部430内の、動作制御部431に出力する。動作制御部431は、通信回路に対し決められた動作制御を行い、送信動作や受信動作、受信待機など基本的な動作状態を作り出すとともに、基本的な動作状態の遷移パターンを一定期間繰り返す制御等を行う。動作制御部431の制御により、BB部420が変復調動作を、RF部410が無線送受信動作を行う。
制御プロファイルによって、通信回路電源制御部120から「電源制御」信号が出力されると、出力された信号に基づいて無線通信回路を構成するRF部410、BB部420、MAC部430のそれぞれの電源のみならず、RF部410内の回路ブロック(Rx1、Rx2、Tx1、Tx2)411〜414とBB部420内の回路ブロック(Rx1、Rx2、Tx)421〜423の動作電源とが個別に制御され、各回路がON/OFFされる。この回路ブロックを適切に選択することにより余分な電力消費が削減され、省電力化が可能となる。
図4において、プロファイルコントローラ100は、無線通信機器400内に設けられている。図4に示す構成によれば、電子装置300の種別にかかわらず無線通信機器400を用いた場合の低消費電力化が可能となる。プロファイルコントローラ100により対応可能な電子装置300の種別数が多ければ多いほど、利便性(汎用性)が増すとともに、量産効果によるコストダウンが可能となる。すなわち、低消費電力動作が可能である、かつ、低コストで汎用性の高い通信装置を構成することができる。もちろん、図4に示す構成例以外にも種々の構成をとることができる。
プロファイルコントローラ100としては、ソフトウェアのみでも構成可能であり、また、ハードウェアとソフトウェアとの両方によっても構成可能である。ソフトウェアのみで構成した場合には、プロファイルコントローラ100を、無線通信機器400内ではなく電子装置300内に設けることも可能である。電子装置300内にソフトウェアにより構成されたプロファイルコントローラ100を設ける場合には、制御プロファイルの項目である「機器種別」の要素は、プロファイルコントローラ100が設けられる電子装置300だけとすることにより、制御プロファイルを記憶する例えばROMなどのメモリ容量を節約することができる。
また、設計上・製造上の理由などにより、無線通信機器400と電子装置300とのいずれか一方のみではなく、無線通信機器400と電子装置300との両方に跨った形でプロファイルコントローラ100を設けてもよい。例えば、無線通信機器400内にプロファイルコントローラ100のハードウェア部分を設けるとともに、電子装置300内にプロファイルコントローラ100のソフトウェア部分を設けるような機能分担形式でも良い。このような場合には、無線通信機器400と電子装置300とが、お互いを別の機器として意識することなく一体的に機能することにより効果的な低消費電力動作が可能になるように構成するのが好ましい。
図5は、本実施の形態による制御プロファイルテーブルの一構成例を示す図である。図5に示すように、本実施の形態による制御プロファイルテーブルは、電子装置300がいかなる種別の装置であるかに関する情報を示す項目である機器種別(機器種別情報)111と、プロファイルコントローラ100に対する3つの入力である要求112と、機器情報113と、通信路情報114と、の4項目を含んで構成される。図5に示す例では、機器種別111としてノートPCとPDAの2種類の要素が記載されており、アプリ要求112としてブラウザによるダウンロードと、IP電話の受信とが記載されており、機器情報113として電池残量が少ない場合(少量)と多い場合(満充電)とが記載されており、通信路情報114として電界強度が大きい場合と小さい場合とが記載されている。図5に示す例では、総組み合わせ数は16通りであるが、それぞれの組み合わせに対してプロファイル番号115が付されている。図5に示すように、各項目(要素)の組み合わせに対し、一意に制御プロファイルが決定されるが、全てが違う制御プロファイルを有しているわけではなく、この例では、16通りの選択肢に対して制御プロファイルは10通りしか用意されていないことがわかる。尚、機器情報(電池残容量)と通信路情報(電界強度または誤り率)とは、図5に示すように、ある閾値に基づく2値で示しても良いが、数値範囲で示すことにより、一層細かい制御が可能である。
実際の制御プロファイルテーブルに用意される項目の要素は、図5に示したものに限定されるわけではない。機器種別111には、ノートPCとPDAの他に、例えば、テレビやコードレス電話、携帯電話など通信機能と関連がある電子装置300が記載される。アプリ要求112としては、例えば、ブラウザやメール、IP電話、ストリーミングなどのデータ送信やデータ受信処理要求が記載される。機器情報113としては、電池駆動している/していない(AC駆動)、電池残量、ユーザの指示による省電力機能動作中か否かなどが記載される。通信路情報114としては、例えば、キャリアの有無や電界強度の他に、通信データ品質、遅延分散などが記載される。低消費電力動作を行う場合に考慮すべきパラメータの大半が、これらの項目のいずれかに該当するため、これらの項目を充実させる程、効果的な低消費電力化が可能となる。
図6は、制御プロファイルテーブルの他の一例を示す図である。図6に示す例では、機種種別111は、コードレス電話であり、アプリ要求112は、メール(送信、受信)と、IP電話(送信、受信)の4種類の項目が記載されている。機器情報113では、電池少量と電池満充電との2種類の項目が記載されている。通信路情報114としては、誤り率大と小との2種類が記載されている。プロファイル番号は、11から19までの9種類が存在し、組み合わせ総数16通りのうち一部に同じプロファイル番号を有する組み合わせが存在する。例えば、メール送信の場合とIP電話送信の場合で、電池が少量であり誤り率が大であれば、状況としてはほぼ同じであるため同じプロファイル番号16が付与されている。
制御プロファイルテーブルは、以上に説明したように、電子装置300に関するリアルタイム情報と通信装置200に関するリアルタイム情報とを対応付けするテーブルであり、この制御プロファイルテーブルが電子装置300と通信装置200とのやり取りを仲介し消費電力を低減する方向に制御することができる。
次に、図7及び図8を参照して、図5、図6に示した制御プロファイルに基づく実際の動作例について説明する。図7(a)および図8(a)が、それぞれ制御プロファイル1と制御プロファイル7とに基づく指示の例を示す図であり、図7(b)および図8(b)が、上記それぞれの制御プロファイルにおける通信回路への制御例を模式的に示す図であり、図7(c)および図8(c)が、パワーセーブ(PS)時に行う間欠受信の間隔を模式的に示す図である。尚、図7(b)および図8(b)に示す通信回路には、図4に示す通信回路と同じ番号を付している。
図7(a)は、図5における機器種別111がノートPCであり、アプリ要求112がブラウザのダウンロードであり、機器情報113が電池残量少量であり、通信路情報114が電界強度大であった場合の制御プロファイルを示している。図5の組み合わせから得られる制御プロファイルは、プロファイル#1である。図7(a)には、プロファイル#1における3つの出力も示されている。図7(a)によれば、プロファイル#1の時は、「アプリ制御」信号であるアクション指令116は「指示なし」であり、「電源制御」信号である通信電源制御117は「BB−Rx2 off」「RF−Rx1 off」であり、「動作制御」信号である通信動作制御118は「PS期間 X」となる。アクション指令116が「指示なし」であるため、アプリケーションはプロファイルコントローラ100により制御されない。従って、残りの2つの出力信号によって通信回路のみが制御される。
通信回路の制御の様子を図7(b)に示す。通信電源制御117(図7(a))が「BB−Rx2 off」であるため、図4に示すBB部420内のRx2部423に対してOFFとなるように制御信号が出され、Rx2部423が電源停止状態となる。同様に、「RF−Rx1 off」でもあるので、RF部410内のRx1部411に対してもOFFとなるように制御信号が出され、Rx1部411が電源停止状態となる。これにより、アンテナ415、RF部410内のRx1部411、Rx2部412、BB部420内のRx1部421、Rx2部423と経由して復調されていた受信信号は、RF部410内のRx1部411をスルーし、かつ、BB部420内のRx2部423を経由せずに復調される。これにより受信特性は下がるが、復調に必要な受信品質は得られているので、データは受信できる。加えて、受信回路ブロックのうち2つの回路ブロックが電源停止状態に遷移していることにより、通常動作時に比較して省電力化が可能となっている。
また、通信動作制御118が「PS期間 X」であるため、MAC部430内の動作制御部431に対してPS動作を行うと、その時の受信間隔をX秒にすることが指示される。動作制御部431は、上記の指示に従い、今回の通信後の動作をパワーセーブモード(PSM)とし、X秒後に再び通信を開始すべく時間カウンタをスタートさせる。その様子を、図7(c)に示す。図7(c)において、Awakeと記載されている時間には通信状態にあり、PS期間となっている時間は、送信も受信もしない時間である。
尚、PSMは、無線LAN規格であるIEEE802.11にオプションとして用意されている動作モードであり、一定期間毎にビーコンと呼ばれるパケットを受信し、自分宛てのデータが存在すれば通信を開始するが、自分宛てのデータが存在しない場合は再び通信しない状態となり次の受信タイミングまで待つ、という動作を繰り返す。受信動作にない期間は任意に設定でき、図7ではPS期間として示されている。
このように、プロファイルコントローラ100への3つの入力から一意に選択される制御プロファイルによって3つの出力が決定され、3つの出力によって通信回路が細かく制御されることで、容易に低消費電力動作が可能となる。
図7では機器種別111がノートPCであったが、同じ通信装置200がPDAに搭載された場合について図8で説明する。
図8は、図5における機器種別111がPDA、アプリ要求112がブラウザのダウンロード、機器情報113が電池残量少量、通信路情報114が電界強度大であった場合の例を示す図である。図7の例との主な違いは、機器種別111のみであり、その他の3つの項目(112〜114)は同じである。図5の組み合わせから得られる制御プロファイルは、プロファイル#7である。
図8(a)に示すように、プロファイル#7の場合の3つの出力は、アクション指令116が「指示なし」であり、通信電源制御117が「BB−Rx2 off」であり、通信動作制御118が「PS期間 Y」である。携帯して使用することを主目的とするPDAでは、ノートPCの場合と比較して受信が安定化しにくいために、図7(a)に示されていた「RF−Rx1 off」が記載されていない。また、ユーザが通信しながら移動する可能性が高いために、通信動作制御で設定されているPS期間もAPを見失わない程度であり、すなわちX秒より短いY秒に設定される。このように、機器種別111が違うことにより、プロファイルが違うことが十分にあり得る。制御プロファイルが違うと、通信回路が受ける制御も異なる。
図8(b)は、図8(a)に示す3つの出力によって、通信回路が制御される様子を示す図である。通信電源制御117が「BB−Rx2 off」であるため、BB部420内のRx2部423に対してOFFとなるように制御信号が出され、Rx2部423の状態が電源停止状態となる。また、通信動作制御118が「PS期間 Y」である為、MAC部430内の動作制御部431に対して、PS動作を行うこと、その時の受信間隔をY秒にすることが指示される。この指示により、動作制御部431は、RF部410およびBB部420を制御し、図8(c)に示すようにY秒間隔で受信動作を繰り返す動作を行う。
さらに、図5において、これまでの例とは別のプロファイル番号が選択された場合について説明する。例えば、機種種別111がノートPC、アプリ要求112がIP電話、機器情報113が電池少量、通信路情報114が電界強度小である場合、プロファイル選択部110は、プロファイル♯5の制御プロファイルを選択する。
ここで、IP電話は一定間隔で送受信を行う必要があるために、通信電源制御117は、BBのRxとTx、及びRFのRxとTxをオフ状態にする指令を出すことができず、通信電源はPS期間Z(Z<X、ブラウザのダウンロードに比較して1回のデータ送受信時間が短いため)の間、全てオン状態となる。さらに、電界強度が小さい状況下では、通信装置200は、通信相手先が受信可能なレベルまで送信電力を上げる必要があるため、電力消費量は必然的に大きくなる。
しかし、電池残量が少ない状況では、通信装置200に対する電力供給が上がると、電子装置300自体の動作を続けることが難しくなることが予想されるため、電子アプリケーション(IP電話)を長期間使用することはできない。そのため、プロファイルコントローラ100は、アプリケーションに対して、“一定時間経過後に、IP電話のアプリケーションを停止させる”アクション指令を与えることになる。これにより、IP電話のアプリケーションが一定時間経過後に停止し、電子装置300の消費電力が低減される。
以上に説明したように、同じ通信装置200が違う電子装置300に接続されても、プロファイルコントローラ100を介して電子装置300に接続されることで、それぞれの電子装置300にとって最適な制御が行われる。従って、プロファイルコントローラ100を備えることにより、適正動作範囲内において低消費電力動作が可能なきわめて汎用性の高い通信装置200が提供される。
図9は、制御プロファイルを選択する際に参照する優先度(重み付け係数)に関して、アプリケーションの種別と電池残量との関係を例示する図である。
アプリケーションとして、画像伝送(ストリーミング)とIP電話、電子メールが同時に動いている環境を考える時、最も頻繁に通信を行う必要があるのが、途切れる事なく映像を送信または受信する必要のある画像伝送(ストリーミング)であり、次が、通話していない時でも着信に反応できるように定期的に着信の有無を監視しているIP電話である。必要な時にだけ通信を行えば良く最も通信頻度が少ないのは電子メールである。この3つのアプリケーションが消費する電力量は、前記通信頻度に比例して、画像伝送(ストリーミング)、IP電話、メールの順で小さくなる。
図9に示すように、例えば、バッテリーが満充電状態またはAC電源使用可能状態においては、画像伝送(ストリーミング)などの通信頻度の多いアプリケーション即ちいわゆる電力消費の大きいアプリケーションの優先度を大きくする。これに対して、IP電話の受信は中程度の優先度、通信頻度が少ないために電力消費の小さい電子メール受信は優先度を低くする。これにより、バッテリーが満充電状態またはAC電源使用可能状態においては実行が可能なアプリケーションのうち優先度の高いアプリケーションに最適な制御で実行処理する。次いで、電池残量が90%程度まで下がると、画像伝送(ストリーミング)などのいわゆる電力消費の大きいアプリケーションの優先度を徐々に小さくするとともに、IP電話の受信の優先度を高める。電池残量が70%以下になると、画像伝送(ストリーミング)などのいわゆる電力消費の大きいアプリケーションは使用不可とすることで電池の消耗を防ぎ、IP電話の受信の優先度は高めたまま、電力消費の小さい電子メール受信の優先度を高めていく。このような思想に基づいて、アプリに応じた制御プロファイルを選択することにより、目的とする低消費電力動作を効率良く実現することができる。尚、実際には、図5、6に示す機種種別、アプリ要求、機器情報、通信路情報などの各要素毎に重み付け係数を決めておき、要素の組み合わせ等の変化に応じて重み付け係数も変化させることで、よりきめ細かい制御を行うことも可能である。
図10(A)、(B)は、本実施の形態によるプロファイルコントローラ100を搭載した通信装置を用いることにより、高い汎用性が得られることを示す図である。図10(A)が一般的な通信装置、図10(B)が本実施の形態によるプロファイルコントローラ100を搭載した通信装置を示す図である。図10(A)に示すように、一般的な通信装置では、効率的な低消費電力動作を行おうとすると、携帯電話810の場合には携帯電話810に対して最適設計された通信装置811が必要であり、PDA820にはPDA820に対して最適に設計された通信装置821が必要であり、テレビ830にはテレビ830に対して最適設計された通信装置831が必要であった。
一方、図10(B)に示すように、本実施の形態によるプロファイルコントローラ100を搭載した通信機器840は、プロファイルコントローラ100によって、携帯電話810やPDA820、テレビ830の、いずれに対しても最適な低消費電力動作を実現する制御が可能である。このような汎用性の高さは、接続する電子装置の生産台数に依存することなく通信機器の生産が可能であることを意味している。即ち、プロファイルコントローラ100を搭載した通信機器は、量産効果による低コスト化が可能である。また、以上の説明ではプロファイルコントローラ100は通信機器に搭載されているが、電子装置それぞれに搭載されていても良く、この場合でも通信機器は量産効果による低コスト化を見込むことが可能である。
プロファイルコントローラ100は、少なくとも図1で示した3つの入力と3つの出力が必要である。しかし、ユーザーが意図的に動作を限定するために、ユーザーからの要求を入力に加えても良い。この要求は、図4の具体例では、機器情報の一部として位置付けられている。ユーザーからの要求を、プロファイルコントローラに加えた場合は、プロファイル選択部で参照する制御プロファイルテーブルに新たに「ユーザーからの要求」項目を加える必要があるが、本発明の仕組みや目的、効果が、何ら変わらないことは明らかである。
また、プロファイルコントローラ100は、通信装置200から該通信装置200における動作状態を示す動作状態情報を取得してもよい。通信装置200における動作状態を示す動作状態情報とは、例えば、通信装置200に供給される電力を示す情報である。この場合、制御プロファイルテーブルには新たに「通信装置200における動作状態」項目が加えられており、プロファイル選択部110は、取得した動作状態情報を基に、制御プロファイルを選択する。これにより、プロファイルコントローラ100は、通信装置200における動作状態に応じた制御を行うことができる。
以上のように、本発明の制御装置(プロファイルコントローラ)は、3つの入力(アプリケーションからの要求、機器情報、通信路情報(例えば、BER、PERなど))から、その時点で最適な制御プロファイルを選択し、選択された制御プロファイルに従って出力される3つの出力(アプリ制御、通信回路電源制御、通信回路動作制御)によって、通信装置およびアプリケーションを制御することで、通信装置および/または通信装置が搭載された機器全体の低消費電力動作を実現することができる。
少なくとも、3つの入力(アプリケーションからの要求、機器情報、通信路情報)と、3つの出力(アプリ制御、通信回路電源制御、通信回路動作制御)を持つプロファイルコントローラを、通信装置とその通信装置が接続される電子装置本体の間に位置させることで、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、アプリケーション・機器状態・通信路などの状況に応じた最適な低消費電力動作が、通信装置が搭載される電子装置を選ぶことなく可能となる。
〔実施形態2〕
次に、通信装置の省電力処理を円滑に行う他の実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、アプリケーションの使用特性とは、省電力処理という観点で考えた場合の、アプリケーションが無線伝送回路(通信装置)を使用する場合に無線伝送回路に対して要求する使用特性(時間、データ量など)である。アプリケーションに与える影響とは、それぞれのアプリケーションによって期待される処理結果に対して及ぼす影響を指す。
本発明の実施の形態による機器制御システムについて説明する前に、本発明の原理について簡単に説明する。図11は、本発明の無線伝送回路(無線通信装置)5における省電力処理の概要について示した図である。図11に示すように、本機器制御システムの機器(情報処理装置)Zは、電力制御決定回路(制御装置)3と、無線伝送回路5と、3つのアプリケーション(アプリケーションD,E,F)を実行するための電子装置2とを備えている。
なお、機器Zは、例えば、携帯型電話機やパソコンである。移動する頻度の高い携帯型の機器、設置場所が通常固定される固定型の機器のいずれでもよい。ただし、本発明は省電力化を目的としているため、通常バッテリーを搭載している携帯型の機器に特に有効である。
電力制御決定回路3には、個々のアプリケーション、例えばアプリケーションD、アプリケーションE、アプリケーションF、…の使用状態、すなわち、現在使用中か否かと、機器の使用環境情報、例えば使用しているエリアの広さ、電波状況、バッテリー残量などの機器の置かれている環境と、電力制御情報および優先度とが入力される。
電力制御情報は、アプリケーションごとに予め設定されている場合と、ユーザにより入力される場合とがある。優先度についても同様である。
ここで、電力制御情報とは、無線伝送回路5における送受信動作を示す制御モードと、送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レートを含む。
電力制御決定回路3は、入力された上記アプリケーションの使用状態と、機器の使用環境と、制御モードおよび優先度とにより、最適な制御方式を決定し、決定した制御方式に対応する制御信号を無線伝送回路5に出力する。無線伝送回路5は、電力制御決定回路3により決定された最適な制御モードにより動作する。ここで、最適な制御方式は、欠落、応答、遅延、品質に有利な制御モードを決定し、その制御モードで無線伝送回路5を制御する。無線伝送回路5からのフィードバック情報(バッテリー残量、電波状況など)は使用環境情報として電力制御決定回路3にフィードバックされる。これにより、最適な制御方式が更新され、より適正な制御を行うことができる。
図12は、本発明の一実施の形態による機器制御システムの機器(情報処理装置)Zの機器構成例を示す図である。
図12に示すように、本実施の形態による機器制御システムの機器Zは、例えば、複数のアプリケーションD、E、Fを実行するアプリケーション実行部2aおよびユーザとの情報のやり取りを行うシステム部2bを含む電子装置2と、電力制御決定回路3と、無線伝送回路5と、前記アプリケーション実行部2aと電力制御決定回路3とを接続するアプリケーションインターフェイス1と、前記システム部2bと電力制御決定回路3とを接続するシステムインターフェイス6と、を有している。さらに、機器Zは、無線伝送回路5に電力を供給するためのバッテリー11が含む。
電子装置2は、アプリケーション実行部2aとシステム部2bとを備えている。アプリケーション実行部2aは、アプリケーションDを実行するためのアプリケーションD実行部2a−1と、アプリケーションEを実行するためのアプリケーションE実行部2a−2と、アプリケーションFを実行するためのアプリケーションF実行部2a−3とを備えている。アプリケーションD,E,Fは、無線伝送回路5を使用して、データの送受信を行う。そのため、アプリケーション実行部2は、アプリケーションインターフェイス1を介して、送信すべき送信データを無線伝送回路5に出力するとともに、無線伝送回路5が受信した受信データを受け取る。また、各アプリケーション実行部2a−1,2a−2,2a−3は、アプリケーションインターフェイス1を介して、電力制御決定回路3に対してアプリケーションパラメータおよびアプリケーションの使用状態を出力する。アプリケーションパラメータは、各アプリケーションの優先度、ユーザからの指示を示すコマンド、無線伝送回路5における電力を制御するため電力制御情報である制御モード,送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レートを含む。
次に、システム部2bについて説明する。図30は、システム部2bの構成を示すブロック図である。システム部2bは、ユーザとの間で情報のやり取りを行う機能を有している。システム部2bは、ユーザからの指示情報を取得するためのユーザ入力部(ユーザ入力手段)2b−1と、バッテリー11からのバッテリー残量情報L−2の表示を行うバッテリー残量情報表示部2b−3と、無線伝送回路5からの受信電波の強弱を示す電波状況情報L−1の表示を行う電波状況情報表示部2b−4とを備えている。
ユーザ入力部2b−1には、ユーザからの情報として、機器Zが使用されているエリアに関するエリア情報(例えば、部屋の広さ)L−3および電力制御決定回路3に対する要求を示すコマンドL−4が入力される。ユーザ入力部2b−1は、ユーザから入力された前記エリア情報L−3およびコマンドL−4を、システムインターフェイス6を介して、電力制御決定回路3に出力する。
バッテリー残量情報表示部2b−3は、バッテリー11からバッテリー残量を示すバッテリー残量情報L−2を受け、該バッテリー残量情報L−2を表示させる。これにより、ユーザは、バッテリー11の残量を確認することができる。なお、バッテリー残量情報表示部2b−3は、音声により、バッテリー残量情報L−2をユーザに通知してもよい。
電波状況情報表示部2b−4は、無線伝送回路5から電波状況情報L−1を受け、該電波状況情報L−1を表示させる。これにより、ユーザは、電波状況を確認することができる。なお、電波状況情報表示部2b−4は、音声により、電波状況情報L−1をユーザに通知してもよい。
図12に示されるように、アプリケーションインターフェイス1は、例えば、アプリケーションDのインターフェイス1−1と、アプリケーションEのインターフェイス1−2と、アプリケーションFのインターフェイス1−3と、を有している。それぞれのインターフェイス1−1〜3は、後述する優先度と、制御モードと、使用状態と、コマンドと、送信周期と、受信周期と、送信レートと、受信レートとを、アプリケーション実行部2aから電力制御決定回路3に送る。さらに、アプリケーションインターフェイス1は、無線伝送回路5との間で送受信すべき送受信データの受け渡しを行う。
システムインターフェイス6は、バッテリー残量情報L-2、電波状況情報(通信路情報)L−1、エリア情報L−3、コマンドL−4を電力制御決定回路3に出力する。
電力制御決定回路3は、これらの入力信号を受けて詳細パラメータ決定信号33を作成し、無線伝送回路5に出力する。この詳細パラメータ決定信号33は、無線伝送回路5の電力を制御するための詳細パラメータを含み、その詳細は後述する。
バッテリー11は、無線伝送回路5に対して電力を供給するとともに、システムインターフェイス6を介して、システム部2bおよび電力制御決定回路3に対しバッテリー残量情報L−2を出力する。
次に、電力制御決定回路3への入力信号について説明する。アプリケーションに関しては、アプリケーションインターフェイス1から優先度と、使用状態と、コマンドと、電力制御情報(制御モード、送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レート)とが電力制御決定回路3へ入力される。また、システムインターフェイス6から、エリア情報L−3と、フィードバック情報であるバッテリー残量L−2と、電波状況情報L−1と、コマンドL−4とが電力制御決定回路3に入力される。
次に、上述した各入力信号について説明する。まず、アプリケーションに関する入力信号としては、前述のように、優先度と制御モードと送信周期と受信周期と送信レートと受信レートと使用状態とコマンドとが含まれる。
優先度は、複数のアプリケーション中で、どのアプリケーションの省電力処理を優先的に行うかを示すものであり、本実施の形態では正の整数で数が小さいほど優先度が大きく、異なるアプリケーションで同じ優先度を持たないようにする。この優先度は、ユーザが設定するものであるが、デフォルト値から適宜変更するようにしても良いし、過去の使用状態に応じてデフォルト値が更新されるようになっていても良い。
制御モードは、アプリケーションに関する電力制御の制御方式を示すものであり、例えば、ユーザが選択することにより設定される。或いは、アプリケーション毎にデフォルト値が決まっていても良い。
さらに、図12に示すように、本実施の形態による機器制御システムの機器Zにおいて、各アプリケーション実行部2a−1,2a−2,2a−3とシステム部2bとは、割り込み的に電力制御を行うためのコマンドを出力することができる。なお、ユーザはこのコマンドをユーザ入力部2b−1に入力することができる。ユーザ入力部2b−1は、入力されたコマンドL−4を出力する。
コマンドの例としては、電源制御コマンド、送信出力レベル制御コマンドおよび受信感度レベル制御コマンドがある。例えば、アプリケーションインターフェイス1から出力されるコマンドは、後述の電力制御方式決定の処理と同じように、優先度、使用状態に基づいて決定される。一方、システムインターフェイス6から出力されるコマンドL−4は、アプリケーションインターフェイス1に関するコマンドより優先され、電力制御決定回路3を経由して、無線伝送回路5に入力される。
送信周期とは、データを送信するときの周期であり、受信周期とは、データを受信するときの周期を示す。たとえば、送信周期が10msである場合、10ms毎にデータを送信することとなる。
送信レートとは、データを送信するときのレート(速度)を示し、受信レートとは、データを受信するときのレートを示す。例えば、レートは64kbpsである。
使用状態とは、アプリケーションが実行されているか否かを示すものである。使用状態は、アプリケーションが実行されている場合「使用中」、実行されていない場合「使用していない」を示す。
次に、電力制御決定回路3の構成について説明する。図31は、図12に示す電力制御決定回路3の構成例を示すブロック図である。本実施形態の電力制御決定回路3は、図31に示されるように、制御モード決定部(制御モード決定手段)3aと、送受信動作パラメータ決定部(低消費電力設定手段,送受信動作パラメータ決定手段)3bと、パラメータテーブル記憶部3cと、電力制御パラメータ決定部(電力供給量決定手段)3dと、電力制御テーブル記憶部3eと、コマンド処理部3fとを備えている。なお、上述したように、電力制御決定回路3は、無線伝送回路5を制御するための詳細パラメータを決定し、決定した詳細パラメータを含む信号(詳細パラメータ決定信号33)を無線伝送回路5に出力する。
制御モード決定部3aは、各アプリケーションの実行部2a−1,2a−2,2a−3から入力された制御モード、優先度、使用状態、送信周期、受信周期、送信レート、受信レートおよびコマンドを基に、実行すべき制御モード(実行制御モード)、実行すべき送信周期及び/又は受信周期(実行送信周期及び/又は実行受信周期)、実行すべき送信レート及び/又は受信レート(実行送信レート及び/又は実行受信レート)および実行すべきコマンド(実行コマンド)を決定するものである。制御モード決定部3aは、決定した実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、および、実行送信レート及び/又は実行受信レートを送受信動作制御パラメータ決定部3bに出力し、決定した実行コマンドをコマンド処理部3fに出力する。
実行モード決定部3aは、実行制御モードを決定する実行制御モード決定部3a−1、実行送信周期及び/又は実行受信周期を決定する実行周期決定部3a−2、実行送信レート及び/又は実行受信レートを決定する実行レート決定部3a−3、および実行コマンドを決定する実行コマンド決定部3a−4を含んでいる。
実行制御モード決定部3a−1は、各アプリケーションの使用状態を確認し、使用中であるアプリケーションの実行部2a−1,2a−2,2a−3から入力された優先度を確認する。そして、実行制御モード決定部3a−1は、最も優先度の高いアプリケーションの実行部から入力された制御モードを実行制御モードと決定する。実行制御モード決定部3a−1は、決定した実行制御モードを送受信動作パラメータ決定部3bに出力する。
実行周期決定部3a−2は、送信周期及び/又は受信周期を出力したアプリケーションの実行部が一つである場合、該アプリケーションの送信周期及び/又は受信周期を実行送信周期及び/又は実行受信周期と決定する。一方、送信周期(又は受信周期)を出力したアプリケーションの実行部が複数である場合、実行周期決定部3a−2は、入力された複数の送信周期(又は受信周期)の最小公約数を実行送信周期(又は実行受信周期)として決定する。例えば、20msと50msとの送信周期が入力された場合、実行周期決定部3a−2は、10msを実行送信周期と決定する。そして、実行周期決定部3a−2は、決定した実行送信周期及び/又は実行受信周期を送受信動作パラメータ決定部3bに出力する。
実行レート決定部3a−3は、送信レート及び/又は受信レートを出力したアプリケーションの実行部が一つである場合、該アプリケーションの送信レート及び/又は受信レートを実行送信レート及び/又は実行受信レートと決定する。一方、送信レート(又は受信レート)を出力したアプリケーションの実行部が複数である場合、実行レート決定部3a−3は、入力された該複数の送信レート(又は受信レート)を合計したレートを実行送信レート(又は実行受信レート)をする。例えば、64kbpsおよび1Mbpsの送信レートを受けた場合、実行レート決定部3a−3は、合計した1.064Mbpsを実行送信レートと決定する。そして、実行周期決定部3a−2は、決定した実行送信レート及び/又は実行受信レートを送受信動作パラメータ決定部3bに出力する。
実行コマンド決定部3a−4は、上記実行制御モード決定部3a−1と同様に、使用中のアプリケーションのうち最も高い優先度のアプリケーションの実行部から入力されたコマンドを実行コマンドと決定する。実行コマンド決定部3a−1は、決定した実行コマンドをコマンド処理部3fに出力する。
送受信動作パラメータ決定部3bは、制御モード決定部3aからの実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、および、実行送信レート及び/又は実行受信レートと、システムインターフェイス6からのバッテリー残量情報L−2とを基に、無線伝送回路5における送受信動作を制御するための送受信動作パラメータ33aを決定する。そして、送受信動作パラメータ決定部3bは、生成した送受信動作パラメータ33aを無線伝送回路5に出力する。なお、この送受信動作パラメータ33aは、上記詳細パラメータ決定信号33に含まれるものである。
また、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モードと、送受信動作パラメータ33aとを対応付けたテーブルを記憶するものである。図32は、パラメータテーブル記憶部3cの一記憶例を示す図である。例えば、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「ビーコン間隔可変」に対応付けて、送受信動作パラメータ33aとして、送受信動作モード「ビーコン間隔可変」,ビーコン間隔「大:5分,小:算出部で計算」,監視期間「3分」を記憶している。また、例えば、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「電源オフ」に対応付けて、送受信動作パラメータ33aとして、送受信動作モード「電源オフ」,監視期間「3分」を記憶している。また、例えば、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「予約受信」に対応付けて、送受信動作パラメータ33aとして、送受信動作モード「予約受信」,ビーコン間隔「100ms」,予約周期「算出部で計算」,予約サイズ「算出部で計算」,監視期間「3分」を記憶している。
送受信動作パラメータ決定部3bは、読み出し部3b−1と算出部3b−2とを含んでいる。
読み出し部3b−1は、パラメータテーブル記憶部3cを参照して、制御モード決定部3a−1から受けた実行制御モードに対応する送受信動作パラメータ33aを読み出す。そして、読み出し部3b−1は、読み出した送受信動作パラメータ33aを詳細パラメータ決定信号33として無線伝送回路5に出力する。ただし、読み出し部3b−1は、バッテリー残量情報L−2が「小」を示している場合、制御モード決定部3a−1からの実行制御モードが「電源オフ」以外のものであっても、実行制御モード「電源オフ」に対応する送受信動作パラメータ33aをパラメータテーブル記憶部3cから読み出すものとする。また、読み出し部3b−1は、送受信動作パラメータ記憶部3cから読み出した送受信動作パラメータ33a中に「算出部で計算」がある場合、該送受信動作パラメータ33aを計算させる計算指示を算出部3b−2に送る。
なお、本実施形態における動作モードとして、通常動作、ビーコン間隔一定動作、ビーコン間隔可変動作、予約受信動作、電源オフの5種類のモードがあるが、これらについては後述する。
算出部3b−2は、読み出し部3b−1から計算指示を受けた場合に、実行送信周期及び実行受信周期からビーコン間隔を、実行受信周期から予約周期を、実行受信周期および実行受信レートから予約サイズを計算する。そして、算出部3b−2は、計算したビーコン間隔、予約周期および予約サイズを送受信動作パラメータ33aとして無線伝送回路5に出力する。
ここで、算出部3b−2における算出方法について説明する。
送受信動作パラメータ「ビーコン間隔」の計算指示を受けた算出部3b−2は、実行送信周期および実行受信周期の小さい値をビーコン間隔とする。例えば、実行送信周期:20ms、実行受信周期:60msの場合、算出部3b−2は、ビーコン間隔を20msとする。
また、送受信動作パラメータ「予約周期」の計算指示を受けた算出部3b−2は、受けた実行受信周期の値を予約周期とする。例えば、実行送信周期:20ms、実行受信周期:20msの場合、算出部3b−2は、予約周期を20msとする。
また、送受信動作パラメータ「予約サイズ」の計算指示を受けた算出部3b−2は、実行受信レート×実行受信周期÷実効レートの値を予約サイズとする。ここで実効レートとは、各通信規格で設定されている物理レートを基に計測される値である。例えば、IEEE802.11bの場合は、実効レートを4Mbps(物理レート:11Mbps)とし、IEEE802.11aの場合は、実効レートを20Mbps(物理レート:24bps)とする。また、例えば、VoIP通信(受信周期20ms、受信レート64kbps)をIEEE802.11b(実効レート4Mbps,物理レート11Mbps)で行う場合は、算出部3b−2は、予約サイズを320μsとし、一方、1EEE802.11a(実効レート20Mbps,物理レート24Mbps)で行う場合は、算出部3b−2は、予約サイズを64μsとする。
このように、送受信動作パラメータ決定部3bは、詳細パラメータ決定信号33として、送受信動作パラメータ33a(動作モード、ビーコン間隔、監視期間、予約周期、予約サイズ)を出力する。
電力制御パラメータ決定部3dは、システムインターフェイス6から入力されたエリア情報および電波状況情報を基に、無線伝送回路5においてデータ送受信を行う構成に対する電力供給量を制御するためのパラメータ(電力制御パラメータ33b)を決定し、詳細パラメータ決定信号33として、決定した電力制御パラメータ33bを出力するものである。
なお、電力制御パラメータ33bには、無線伝送回路5における送信出力のレベルを制御するための信号(送信出力レベル制御信号)、受信感度のレベルを制御するための信号(受信感度レベル制御信号)および送信回路および受信回路に対する電力供給量を決定する信号(電源制御信号)が含まれる。また、該電力制御パラメータ33bは、上記詳細パラメータ決定信号33に含まれる。
また、レベル制御テーブル記憶部3eは、エリア情報L−3および電波状況情報L−1と、送信出力レベル制御信号および受信感度レベル制御信号とを対応付けて記憶するものである。図33は、レベル制御テーブル記憶部3eが記憶するテーブルの一例を示す。図33に示されるように、レベル制御テーブル記憶部3eは、例えば、エリア情報「小」および電波状況情報「強」の入力信号と、送信出力レベル制御信号「小」および受信感度レベル制御信号「小」とを対応付けて記憶している。
電力制御パラメータ決定部3dは、送信出力レベル制御信号と受信感度レベル制御信号を決定するレベル制御決定部3d−1を備えている。
レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eから、システムインターフェイス6から受けたエリア情報L−3および電波状況情報L−1に対応する送信出力レベル制御信号および受信感度レベル制御信号を読み出し、読み出した送信出力レベル制御信号および受信感度レベル制御信号を電力制御パラメータ33bとして出力する。
コマンド処理部3fは、実行コマンド決定部3a−4またはシステムインターフェイス6からのコマンドL−4に応じた送信出力レベル制御信号、受信感度レベル制御信号および電源制御信号を無線伝送回路5に出力する。コマンド処理部3fは、実行コマンド決定部3a−4およびシステムインターフェイス6から同時にコマンドを受けた場合、システムインターフェイス6からのコマンドL−4を優先させる。
図13は、図12に示す無線伝送回路5の構成例を示す機能ブロック図である。無線伝送回路5は、例えば、無線LANを用いて通信を行う無線LAN装置である。図13に示すように、本実施の形態による無線伝送回路5は、アンテナ15と、T/R(送信/受信切り替えスイッチ)17と、パワーアンプPA(送信部,送信信号増幅手段)18と、送信回路(送信部)21と、低雑音アンプLNA(受信部,受信信号増幅手段)23と、受信回路(受信部)25と、電源制御スイッチ(低消費電力実行手段)27〜30と、及び詳細パラメータ実行部(低消費電力実行手段)26とを有している。
詳細パラメータ実行部26は、電力制御決定回路3からの出力信号である詳細パラメータ決定信号33(上記送受信動作パラメータ33aおよび電力制御パラメータ33b)に従って、無線伝送回路5内の各部を制御するものである。なお、上述したように、詳細パラメータ決定信号33は、詳細パラメータである動作モードと、監視時間と、ビーコン間隔と、予約周期と、予約サイズと、電源制御と、送信出力レベル制御と、受信感度レベル制御との値を個々に決定するものである。
詳細パラメータ実行部26は、送信出力レベル制御信号に従って、パワーアンプPA18を電源制御スイッチ28で供給電源を制御することにより、送信出力を抑え、省電力制御する。また、詳細パラメータ実行部26は、受信感度レベル制御信号に従って、低雑音アンプLNA23を電源制御スイッチ29で供給電源を制御することにより、受信感度レベルを抑え、省電力制御する。さらに、詳細パラメータ実行部26は、電源制御信号に従って、送信回路21および受信回路25を電源制御スイッチ27および電源制御スイッチ30でそれぞれの供給電源を制御することにより、省電力制御する。
パワーアンプPA18は、送信回路21から送られる送信データ信号を増幅させて、後段のT/R17に出力するものである。例えば、親機と子機とが近い場合、送信出力を上げる必要がないため、電源制御スイッチ28は、パワーアンプPA18に対する電力供給を停止する。これにより、省電力化が図れる。一方、親機と子機とが遠い場合、電源制御スイッチ28は、パワーアンプPA18に電力を供給して、増幅させた信号を送信出力させる。
低雑音アンプLNA23は、アンテナ15が受信した受信データ信号を増幅させるものである。例えば、親機と子機とが近い場合、受信信号レベルがもともと高く、受信信号を増幅させる必要がないため、電源制御スイッチ29は、低雑音アンプLNA23に対する電力供給を停止する。これにより、省電力化が図れる。一方、親機と子機とが遠い場合、電源制御スイッチ29は、低雑音アンプLNA23に電力を供給して、受信データ信号を増幅させる。
上記送信回路21は、例えば、アプリケーション実行部2aから送信データを受信するためのインターフェイス回路と、該インターフェイス回路を介して入力された送信データに必要な信号処理を行うベースバンド信号処理回路と、ベースバンド信号処理回路によって信号処理された送信データをスペクトラム拡散信号に拡散するための変調回路およびミキサ回路を備えている。同様に、受信回路25は、受信信号をベースバンド信号に復調するミキサ回路および復調回路と、ベースバンド信号処理回路と、受信データをアプリケーション実行部2aに送るためのインターフェイス回路とを備えている。このような回路構成は、例えば、特願2004−028696に記載されている。
動作モードは後述する電力制御方式を示すものであり、監視期間、ビーコン受信間隔、予約周期、予約サイズはそれぞれの動作モードで使用されるものである。送信回路21に入力される送信データ31は、アプリケーションD、E、Fからのデータである。受信回路25から出力される受信データ32は、アプリケーションD,E,Fへ出力されるデータである。電波状況情報L−1は、受信回路25の情報を基に算出される無線伝送回路5の電波状況を示すものである。
この図13で、無線伝送回路5の無線データ伝送の動作を説明する。個々のアプリケーションの送信データ31は、送信回路21、パワーアンプPA18、送信/受信切り替えスイッチ17、アンテナ15を使用して、無線データとして無線ネットワークへ出力される。個々のアプリケーションの受信データ32は、アンテナ15、送信/受信切り替えスイッチ17、低雑音アンプLNA23、受信回路30を介して、無線ネットワークから取り出される。また、本実施例は、送信/受信が交互に切り替わり、処理される無線データ伝送の例とする。
図14は、無線伝送回路5の省電力制御の動作モード、省電力効果、アプリケーションへの影響などの項目を一覧にまとめた結果を示す図である。図14に示すように、動作モードとしては、通常動作、ビーコン間隔一定動作、ビーコン間隔可変動作、予約受信動作、電源オフ動作の5種類の動作モードを有している。各動作モードは、無線伝送回路5への動作、省電力効果、アプリケーションへの影響がそれぞれ異なる。
通常動作は、省電力制御をしない動作であり、省電力効果はない。アプリケーションへの影響は、メールの欠落などはほとんど無く、応答速度も速い。品質(スループット)は、良好である。
ビーコン間隔一定動作は、一定の時間間隔でビーコン信号BSを受信し、データ送受がない場合、省電力状態になる動作である。この場合には、省電力効果は、通常動作に比べて大きくなる。データの欠落、応答、品質のいずれも標準的になる。
ビーコン間隔可変動作は、所定時間データ送受がなければ、ビーコン信号BSを受信する間隔を広げる動作である。データを送受信したり、コマンドを受けたりすることでビーコン信号BSを受信する間隔が元の間隔に復帰する。この場合には、ビーコン間隔一定動作の場合に比べて省電力効果が大きくなり、データ欠落、品質は標準的であるが、応答速度は復帰までに時間を要するためやや遅くなる。
なお、ビーコン間隔一定動作およびビーコン間隔可変動作は、無線伝送回路5がビーコン信号受信時に受信回路25および低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を上げて通常の状態とし、ビーコン信号受信以外の時に受信回路25および低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を制御して、受信信号レベルを最低限まで下げ、受信機能を休止状態とする。ただし、受信したビーコン信号に無線伝送回路5宛のデータがあることを通知する信号がある場合、無線伝送回路5は、次のビーコン信号受信時まで受信回路25および低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を上げたままの状態とする。
予約受信動作は、予め、データを受信するタイミングを設定しておく動作である。受信するタイミングまで省電力状態を維持する。つまり、無線伝送回路5は、受信の予約期間には、受信回路25、低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を上げて通常の状態とし、予約期間以外のときには、受信回路25、低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を下げ、受信信号レベルを最低限に設定し、受信機能を休止状態とする。この場合も省電力効果は大きく、タイミング設定可能なアプリケーションでは、欠落はほとんど無く、応答速度も速いし、品質も良好である。ただし、タイミング設定に対応していないその他のアプリケーションの場合、そのアプリケーションに与える影響はビーコン間隔一定動作の場合と同様となる。
電源オフ動作は、所定時間データの送受信がなければ、省電力状態にする動作であり、データ送信及び/または電源制御コマンドにより通常状態に復帰する。この場合、省電力状態にするため、省電力効果は非常に大きいが、データの欠落が生じる可能性があり、その他、応答速度も遅くなる。品質は一般的である。このように、各動作モードには、それぞれ長所と短所とが混在することになる。
次に、図15、図16を用いて、無線伝送回路5へ入力される詳細パラメータ決定信号33(すなわち、上記送受信動作パラメータ33aおよび電力制御パラメータ33b)、及びこれを導き出すための予備的な処理情報である中間処理信号(すなわち、上記実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、実行送信レート及び/又は実行受信レート)が、それぞれ電力制御決定回路3にて決定される決定手順を説明する。
図15は、無線伝送回路5の詳細パラメータ決定信号33を決定するための予備的な中間処理情報としての中間処理信号を決定する手順を説明する図である。アプリケーションの使用状態は、タイミング信号に基づいて判定され、タイミング信号が検出された場合が使用中/タイミング信号が検出されない場合が非使用中である。ここでタイミングの検出は、使用中を示すタイミングを出力する信号をアプリケーションが出力してもよいし、機器が管理する情報からタイミング信号を取り出してもよい。使用中/非使用中のタイミング信号とアプリケーションD、E、Fのアプリケーションインターフェイス1−1、1−2、1−3から出力される優先度、使用状態、制御モード、送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レートから中間処理信号である実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、実行送信レート及び/又は実行受信レートが決定される。
図16は、図15で決定した中間処理信号とシステムインターフェイス6とから、無線伝送回路5へ入力される詳細パラメータ決定信号33である送受信動作パラメータ33aおよび電力制御パラメータ33bを決定する手順を説明する図である。システムインターフェイス6は、エリア情報L−3、電波状況L−1、バッテリー残量L−2などを出力する。
エリア情報L−3は、該当する機器を使用する電波環境の大小に関連するものである。例えば、10m四方の狭い部屋での利用の場合に小とし、これよりも広い部屋での使用の場合は大とする。バッテリー残量L−2は、バッテリー11のバッテリー残量を示すものであり、例えば、AC駆動状態、バッテリー残量大状態、バッテリー残量中状態、バッテリー残量小状態とする。電波状況情報L−1は、通信路に関する情報を示すものである。電波状況情報L−1は、例えば、その環境における電波強度を示すものであり、強/弱とする。
引き続き、電力制御決定回路3が、以下の2段階で、無線伝送回路5の動作モード等の詳細パラメータ決定信号33を決定する手順を、より詳細に説明する。
図15に例示的に示されるように、第1のステップは、アプリケーションインターフェイス1から時間毎の実行制御モード(即ち、上述の中間処理信号)を決定するステップである。図16に例示的に示されるように、第2のステップは、第1のステップにおいて決定された実行制御モードと、システムインターフェイス6からのフィードバック情報等により、無線伝送回路5を制御する詳細パラメータ決定信号33(送受信動作パラメータ33aおよび電力制御パラメータ33b)を決定するステップである。
なお、第1ステップにおいて、制御モード決定部3aは、上記実行制御モードの他に、実行送信周期及び/又は実行受信周期,実行送信レート及び/又は実行受信レート、および実行コマンドを決定するが、図15および図16では図示を省略している。同様に、第2ステップにおいて、送受信動作パラメータ決定部3b、電力制御パラメータ決定部3dおよびコマンド処理部3fは、上記動作モード、送信出力レベル制御および受信感度レベル制御の他に、監視期間、予約周期、予約サイズ、電源制御を決定するが、図15および図16では図示を省略している。
先ず、電力制御決定回路3の実行制御モード決定部3a−1は、横軸を時間とし、アプリケーションDからFまでの使用状態に応じて、時間毎の実行制御モード(中間処理信号)を決定する。図15に示すように、実行制御モード決定部3a−1は、アプリケーションDが設定するアプリケーションインターフェイス1−1から、優先度「1」、制御モード「電源オフ」を受け、アプリケーションEが設定するアプリケーションインターフェイス1−2から、優先度「2」、制御モード「予約受信」を受け、アプリケーションFが設定するアプリケーションインターフェイス1−3から、優先度「3」、制御モード「ビーコン間隔可変」を受ける。時間t0から時間t1までの第1の期間は、アプリケーションD、E、Fがいずれも使用中であり、時間t1からt2(t2>t1)までの第2の期間は、アプリケーションE、Fが使用中であり、時間t2からt3(t3>t2)までの第3の期間は、アプリケーションFが使用中である。この場合、第1のステップにおいて、第1の期間では、優先度の高い(優先度「1」)アプリケーションDの制御モードである電力オフ制御モードに決定される。第2の期間では、その期間中において優先度が高い(優先度「2」)アプリケーションEの制御モードである予約受信に決定される。第3の期間では、その期間に動作しているアプリケーションFの制御モードであるビーコン間隔可変に決定される。
このように、電力制御決定回路3の実行制御モード決定部3a−1は、使用中であり、かつ、最も優先度の高いアプリケーションに設定されている制御モードを、その期間の実行制御モードとして決定する。そして、この実行制御モードが中間処理信号として次の第2のステップで使用される。
なお、図15および図16では図示を省略しているが、実行周期決定部3a−2は実行送信周期及び/又は実行受信周期を決定し、実行レート決定部3a−3は実行送信レート及び/又は実行受信レートを決定し、実行コマンド決定部3a−4は実行コマンドを決定する。
次に、電力制御決定回路3は、横軸を時間とし、アプリケーションDからFまでの使用状態から得られた中間処理信号とシステムインターフェイス6からのフィードバック情報等に応じて、無線伝送回路5へ入力される詳細パラメータ決定信号33を決定する。
すなわち、送受信動作パラメータ決定部3bは、実行制御モードおよびバッテリー残量情報L−2を基に、動作モード(送受信動作パラメータ33a)を決定する。またレベル制御決定部3d−1は、システムインターフェイス6からのフィードバック情報を基に、レベル制御テーブル記憶部3eを参照しながら、送信出力レベル制御信号および受信感度レベル制御信号(電力制御パラメータ33b)を決定する。
図16に示すように、第2のステップでは、上述の第1のステップにおいて決定された中間処理信号に加え、システムインターフェイス6のおける、エリア情報L−3と、電波状況情報L−1と、バッテリー残量L−2と、コマンドL−4と、により、詳細パラメータ決定信号33が導かれる。
そして、この詳細パラメータ決定信号33が無線伝送回路5へ入力されて、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、該詳細パラメータに含まれる動作モード、電源制御、送信出力レベル制御、受信感度レベル制御に応じた制御を行う。
即ち、第1のステップで求めた時間毎の実行制御モードである中間処理信号と、システムインターフェイス6からのフィードバック情報等と、に基づいて、電力制御決定回路3の送受信動作パラメータ決定部3bは、パラメータテーブル記憶部3cを参照して、無線伝送回路5に入力する動作時間毎の詳細パラメータ決定信号33を決定する。詳細パラメータ決定動作モードは、時間毎の制御モードである中間処理信号と同じモードに設定されている。但し、バッテリー駆動時に、読み出し部3b−1は、バッテリー残量情報L−2が「小」を示している場合、制御モード決定部3a−1からの実行制御モードが「電源オフ」以外のものであっても、実行制御モード「電源オフ」に対応する送受信動作パラメータ33aをパラメータテーブル記憶部3cから読み出すものとする。これにより、詳細パラメータ決定信号33の動作モードは、強制的に「電源オフ」に移行する。例えば、モバイル環境においては、バッテリーの残量の有無が最も重要であるから、このような動作モードの強制的な移行は有効である。
また、送受信動作パラメータ決定部3bは、動作モードのほかに、ビーコン間隔,予約周期、予約サイズ、監視期間を出力する。なお、ビーコン間隔、予約周期、予約サイズについては、パラメータテーブル記憶部3cに記憶されている場合と、算出部3b−2が算出する場合とがある。
電力制御決定回路3の電力制御パラメータ決定部3dは、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、エリア情報L−3および電波状況情報L−1に対応する送信出力レベル制御信号および受信感度レベル制御信号を決定する。すなわち、電力制御決定回路3は、システムインターフェイス6におけるエリア情報L−3に応じて送信出力レベル制御を決定する。電力制御パラメータ決定部3dは、システムインターフェイス6における、電波状況情報L−1に応じて受信感度レベル制御を決定する。
コマンド処理部3fは、実行コマンド決定部3a−4またはシステムインターフェイス6からのコマンドに応じた送信出力レベル制御信号、受信感度レベル制御信号および電源制御信号を出力する。
尚、システムインターフェイス6におけるエリア情報L−3、コマンドL−4は、自動で設定されてもよく、あるいは、ユーザにより手動で入力されてもよい。
図17は、無線伝送回路5の処理の概要について示す図である。無線伝送回路5は、動作モード、監視期間、ビーコン間隔、予約周期、予約サイズ、送信出力レベル制御、受信感度レベル制御などを含む詳細パラメータ決定信号33の入力に基づいて、各アプリケーションからの送信データを無線伝送ネットワークへ伝送し、無線伝送ネットワークからのデータを受信し、必要に応じて各アプリケーションへ受信データを伝送する。
次に、図18乃至図21を用いて、図14に示した各種動作モード毎の無線伝送回路5の省電力動作について具体的に説明する。
図18は、無線伝送回路5の省電力動作のうちビーコン間隔一定動作における省電力動作例を示す図である。動作モード「ビーコン間隔一定」の場合、無線伝送回路5は、電力制御決定回路3からビーコン間隔(T1)を受けている。
図18に示すように、時間t11において無線伝送回路5がビーコン信号BSを受信すると、自分宛のデータの有無を確認するために、受信可能状態になる。自分宛のデータが無ければ、次のビーコン信号BSがあるまで(ビーコン間隔T1(=t12−t11)中)省電力状態を維持する。次のビーコン信号BSが来ると(時間t12)、自分宛のデータの有無を確認するために、受信可能状態になる。自分宛のデータが有れば、自分宛のデータを受信するまで受信可能状態により待機する。
時間t13からt15までの間において、受信データRTが送られると、ある遅延時間を持って時間t14からt16までの間において、無線伝送回路5において受信される。その後、次のビーコン信号BSを受けるまで、省電力状態を維持する。このように、ビーコン間隔一定制御モードの省電力動作は、一定間隔(T1)で親機APから送られるビーコン信号BSを受け、このビーコン信号BSにより、次のビーコン信号BSを受けるまでに親機APに蓄積された受信データRTがあるか否かを知ることができる。そのため、その時点t12を起点として、或いは、t12からある時間だけのインターバルを有した時間t12’(図示せず)を起点として次のビーコン信号BSが来るまでの間、受信可能状態で待ち受ける。これにより、省電力動作を行うことができる。
図19は、無線伝送回路5の省電力動作にうちビーコン間隔可変動作における省電力動作例を示す図である。動作モード「ビーコン間隔可変」の場合、無線伝送回路5は、電力制御決定回路3からビーコン間隔大(T3’),ビーコン間隔小(T3),監視期間を受けている。
この動作モードにおいて、詳細パラメータ実行部26は、電力制御決定回路3からの入力された監視期間中にデータ送受信がない場合、無線伝送回路5のビーコン受信間隔を電力制御決定回路3からの入力されたビーコン間隔大(T3’)に広げる制御を行って省電力動作を行う。但し、詳細パラメータ実行部26は、ビーコン受信間隔を広げた後にデータ送受信行うと、ビーコン受信間隔を電力制御決定回路3からの入力されたビーコン間隔小(T3)に小さくする制御を行う。図19に示すように、まず、時間t20から監視期間の間、ビーコン間隔T3の間にデータの送受信がない場合には、詳細パラメータ実行部26は、ビーコン受信間隔を変更する設定を行う。この間に送信データなどを受けた場合、次のビーコン受信間隔を元の間隔T3に戻す制御を行う。この際、ビーコン受信間隔T3に対して、ビーコン受信間隔を広げる制御あるいは狭める制御を行うようにしても良い。また、いったん変更した他に、元の状態に復帰するようにしても良い。
図20A、Bを用いて、予約受信動作について説明する。図20Aは、予約受信動作における無線伝送回路5の省電力動作を示す図である。図20Bは、予約受信動作の設定シーケンスを示す図である。動作モード「予約受信」の場合、無線伝送回路5は、電力制御決定回路3からビーコン間隔(T3’),予約周期,予約サイズを受けている。
詳細パラメータ実行部26は、予約周期および予約サイズを基に、予め受信する受信期間を親機APに予約しておき、その期間だけ受信動作を行い、省電力制御を行う。
図20Bに示す予約受信動作の設定シーケンスは、親機APと子機STAとの間の信号のやり取りにより、受信期間の設定を行うものである。ここで、子機STAが上記無線伝送回路5にあたる。
まず、子機STAから親機APに対して予約受信設定要求C1を行う。この際に、子機STA(無線伝送回路5)は、予約受信設定要求C1のパラメータとして、電力制御決定回路3から受けた予約周期(例えば、20ms)および予約サイズ(例えば、5ms)を設定する。次いで、この子機STAからのパラメータを受けた親機APでは、予約受信設定処理を行う。次いで、親機APから子機STAに向けて予約受信設定応答C2を行い、親機APの予約受信設定が完了し、子機STAからの予約受信スタート要求C3待ちにて待機する。
次いで、子機STAの詳細パラメータが予約受信制御モードに決定されたなら、親機APに向けて予約受信スタート要求C3が送られ、親機APから子機STAに向けて予約受信スタート応答C4が返される。その後、親機APでは、予約受信処理が行わる。子機STAの詳細パラメータが予約受信動作以外の電源オフ動作に切り替わると、子機STAから親機APに向けて予約受信エンド要求C5を送られ、親機APから子機STAに向けて予約受信エンド応答C6が送られて、一連の動作が終了する。
以上のように予約受信処理は、親機APがビーコン周期100msを基準にして、20ms毎に時間5msを計数し、該時間5msを子機STAのデータ処理時間として予約する。子機STAは、図20Aに示すように、時間t30においてビーコン信号BSを受け取る。この際、子機STAは、内部タイマーを用いて、ビーコン周期100msを基準にデータを受信するタイミングを計数し、20ms毎に時間5msを受信期間として設定する。その後、無線伝送回路5の電源を省電力状態にする。予約したタイミングt31において受信可能状態になり、受信データをt32〜t33の間において受信する。t30からt31までの期間が省電力状態である。その後、受信または次の予約したタイミングまで省電力状態に入る。
図21は無線伝送回路5の省電力動作のうち電源オフ動作における省電力動作例を示す図である。動作モード「電源オフ」の場合、無線伝送回路5は、電力制御決定回路3から監視期間(T11)を受けている。
電源オフ動作においては、詳細パラメータ実行部26は、電力制御決定回路3から受けた監視期間T11の間(t40〜t43まで)データ送受信がなければ、無線伝送回路5の電源をオフ状態にする制御方法である。その後、例えば、t44において送信データ、電源をオンとする信号、および、詳細パラメータの電源制御をオンとする信号のうち何れか一つを受けると、t44において電源オン状態に復帰してもよいとする。
以上、本発明の実施の形態による機器制御システムについて代表的な動作モードについて説明したが、本願発明は上述の例に限定されるものではなく、また、これらの動作モードを適宜、組み合わせて動作させても良い。
<実施例1>
次に、本実施形態における具体的な実施例について図面を参照しつつ説明を行う。まず、前提条件と設定項目について説明する。本実施例で説明する機器のアプリケーションとして、アプリケーションDはメール受信、アプリケーションEはホームページ閲覧、および、アプリケーションFはVoIP(IP電話)とする。
次に、メール受信に関する処理は、一定間隔(1分間など)で、メールサーバにメールがあるか否かを確認し、メールがあればメール受信をする処理である。この際、アプリケーションD実行部2a−1は、例えば、優先度「3」、制御モード「ビーコン間隔可変」、送信周期「100ms」、受信周期「100ms」を出力するとする。また、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「ビーコン間隔可変制御」と、送受信動作パラメータ33aとしての動作モード「ビーコン間隔可変」,ビーコン間隔「大:5分,小:算出部で計算」,監視期間「3分」とを対応付けて記憶しているとする。
次に、ホームページ閲覧に関する処理は、ユーザがブラウザを使用して、ホームページを閲覧する処理である。この際、アプリケーションE実行部2a−2は、例えば、優先度「2」、制御モード「電源オフ」、送信周期「100ms」および受信周期「100ms」を出力する。また、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「電源オフ」と、送受信動作パラメータ33aとしての動作モード「電源オフ」および監視期間「3分」とを対応付けて記憶しているとする。
次に、VoIPに関する処理は、音声信号をデジタル処理し、一定間隔(例えば20ms)でデジタル音声データを送受信する処理である。この際、アプリケーションF実行部2a−3は、例えば、優先度「1」、制御モード「予約受信」、送信周期「20ms」、受信周期「20ms」、送信レート「64kbps」および受信レート「64kbps」とする。また、パラメータテーブル記憶部3cは、実行制御モード「予約受信」と、送受信動作パラメータ33aとしての動作モード「予約受信」,ビーコン間隔「100ms」,予約周期「算出部で計算」および予約サイズ「算出部で計算」とを対応付けて記憶しているとする。
使用環境としては、ACアダプタ/バッテリー駆動方式での使用であり、外出中の携帯時などの場合にACアダプタを外すと自動的にバッテリー駆動に切り替わるものとする。本機器(子機STA)と本機器の親機APとは近傍に配置するものである(いわゆる無線LAN環境、無線LANのアクセスポイントを関してインターネットに接続する一般的な使用形態を想定している)。本機器の管理システム(OSなど)またはアプリケーション中に開始、終了を示すタイミング信号出力を埋め込む方式により、アプリケーションインターフェイス1は、アプリケーションの使用状態を電力制御決定回路3へ出力するものとする。
図22は、アプリケーションの動作と電力制御との関係を示す図であり、電力制御決定回路3の入力信号と出力信号を示す図である。
図22に示すように、上記設定条件の下で、メール受信と、ホームページ閲覧と、VoIPとを用いるものとする。
図22の横軸は時間であり、縦軸は、アプリケーションインターフェイス1およびシステムインターフェイス6から電力制御決定回路3への入力信号と、電力制御決定回路3からの出力信号(すなわち、電力制御決定回路3が決定する詳細パラメータ決定信号33:送受信動作パラメータ33aおよび電力制御パラメータ33b)とである。
t50からt52まで(期間A)、VoIPが使用中である。この間におけるt51(a)においてホームページ閲覧が開始され、t54まで継続されるとする。
t52からt54の期間を期間Bとする。その間のt53(b)においてメール受信が開始され、t57まで継続されるとする。
≪期間Aにおける中間処理信号の決定手順≫
次に期間A(t50からt52)における中間処理信号(上述のステップ1の電力制御決定回路3の処理における中間処理信号)の決定手順に関して、t50からt51とt51からt52とに分けて説明する。
t50からt51の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがVoIPのみであるので、VoIPのアプリケーションインターフェイス1−3の制御モードを基に、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「予約受信」を決定する。
t51からt52の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがVoIPおよびホームページ閲覧であり、かつ、VoIPのアプリケーションインターフェイス1−3の優先度(1)がホームページ閲覧のアプリケーションインターフェイス1−2の優先度(2)より優先されるので、VoIPのアプリケーションインターフェイス1−3の制御モードを基に、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「予約受信」を決定する。
また、実行周期決定部3a−2は、VoIPのアプリケーションF実行部2a−3から受けた送信周期「20ms」とホームページ閲覧のアプリケーションE実行部2a−2から受けた送信周期「100ms」との最大公約数「20ms」を実行送信周期とする。同様に、実行周期決定部3a−2は、「20ms」を実行受信周期とする。
さらに、実行レート決定部3a−3は、VoIPのアプリケーションF実行部2a−3のみから送信レート「64kbps」および受信レート「64kbps」を受けているので、該「64kbps」をそのまま実行送信レートおよび実行受信レートに決定する。
≪期間Bにおける中間処理信号の決定手順≫
次に期間B(t52からt54)における中間処理信号の決定手順に関して、t52からt53とt53からt54に分けて説明する。
t52からt53の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがホームページ閲覧であるので、ホームページ閲覧のアプリケーションインターフェイス1−2の制御モードから、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「電源オフ」を決定する。
t53からt54の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがホームページ閲覧およびメール受信であり、かつ、ホームページ閲覧のアプリケーションインターフェイス1−2の優先度(2)がメール受信のアプリケーションインターフェイス1−1の優先度(3)より優先されるので、ホームページ閲覧のアプリケーションインターフェイス1−2の制御モードから、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「電源オフ」を決定する。
≪期間Cにおける中間処理信号の決定手順≫
次に期間C(t54からt56)における中間処理信号の決定手順に関して、説明する。
t54からt56の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがメール受信であるので、メール受信のアプリケーションインターフェイス1−1の制御モードから、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「ビーコン間隔可変」を決定する。
また、実行周期決定部3a−2は、メール受信のアプリケーションD実行部2a−1のみから送信周期「100ms」および受信周期「100ms」を受けているので、これらをそのまま実行送信周期および実行受信周期と決定する。
≪期間Dにおける中間処理信号の決定手順≫
次に期間D(t56からt57)における中間処理信号の決定手順に関して、説明する。
t56からt57の期間において、使用状態が使用中のアプリケーションがメール受信であるので、メール受信のアプリケーションインターフェイス1−1の制御モードから、制御モード決定部3aは、中間処理信号である実行制御モードとして、「ビーコン間隔可変」を決定する。
次にシステムインターフェイス6のエリア情報L−3に関して図22で説明する。
タイミングt50からt53の期間は、親機APと本機器との距離が大きい場所の使用で、タイミングt53の時点で、親機APと本機器との距離が小さい場所に移動し、ユーザが該距離の変化を認識して、システム部2bのユーザ入力部2b−1に「小」を示すエリア情報を入力したとする。これにより、システムインターフェイス6は、タイミングt53以降において、「小」のエリア情報L−3を出力する。
次にシステムインターフェイス6の電波状況情報L−1に関して図22で説明する。
電波状況情報L−1は適宜変化しており、例えばt51以前は、電波状況情報L−1「弱」、それ以降t55までが電波状況情報L−1「強」、それ以降が電波状況情報L−1「弱」とする。なお、この電波状況情報L−1は、無線伝送回路5の受信回路25が計数して出力するものである。
次にシステムインターフェイス6のバッテリー残量情報L−2に関して図22で説明する。時間t56以前がバッテリー残量情報L−2「中」、それ以降がバッテリー残量情報L−2「小」とする。なお、このバッテリー残量情報L−2は、バッテリー11の充電電流を基に計数され出力される。
以上の前述の中間処理信号、システムインターフェイス6から得られるエリア情報L−3、電波状況情報L−1、バッテリー残量情報L−2の入力を基に、電力制御決定回路3の送受信動作パラメータ決定部3b,電源制御パラメータ決定部3dおよびコマンド処理部3fは、詳細パラメータ決定信号33(送受信動作パラメータ33aおよび電源制御パラメータ)を出力する。次にこの送受信動作パラメータ33aおよび電源制御パラメータが決定される手順を図22で説明する。
なお、パラメータテーブル記憶部3cは、図32に示すような送受信動作パラメータ33aを記憶しているとする。また、レベル制御テーブル記憶部3eは、図33に示すようなテーブルを記憶しているとする。
≪期間Aの電力制御決定回路の出力≫
上述したように、期間Aにおいて、送受信動作パラメータ決定部3bは、制御モード決定部3aより、実行制御モード「予約受信」,実行送信周期「20ms」、実行受信周期「20ms」,実行送信レート及び実行受信レート「64kbps」を受ける。
読み出し部3b−1は、パラメータテーブル記憶部3cを参照して、実行制御モード「予約受信」に対応する送受信動作パラメータ33aとして、動作モード「予約受信」,ビーコン間隔「100ms」,予約周期「算出部で計算」,予約サイズ「算出部より計算」を読み出す。そして、読み出し部3b−1は、動作モード「予約受信」およびビーコン間隔「100ms」を無線伝送回路5に出力するとともに、予約周期および予約サイズについての計算指示を算出部3b−2に出力する。
この計算指示を受けた算出部3b−2は、上述の算出方法に従って、実行受信周期「20ms」を予約周期とする。また、算出部3b−2は、上述の算出方法に従って、実効レートが4Mbps(物理レート11Mbps)のとき、「320μs」を予約サイズと決定する。そして、算出部3b−2は、算出した予約周期「20ms」および予約サイズ「320μs」を出力する。
以上のようにして、送受信動作パラメータ決定部3bは、期間Aにおいて、動作モード「予約受信」、ビーコン間隔「100ms」、予約周期「20ms」および予約サイズ「320μs」を出力する。
一方、電力制御パラメータ決定部3dは、t50からt51の期間において、エリア情報L−3「大」および電波状況情報L−1「弱」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「大」および受信感度レベル制御「大」を無線伝送回路5に出力する。
また、電力制御パラメータ決定部3dは、t51からt52の期間において、エリア情報L−3「大」および電波状況情報L−1「強」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「大」および受信感度レベル制御「小」を無線伝送回路5に出力する。
なお、t51からt52までの期間において、ホームページ閲覧のアプリケーションが、送信出力レベルを小さくするため送信出力レベル制御コマンド(コマンド1)と、その後に送信出力レベルを大きくする送信出力レベル制御(コマンド1’)とを設定し、該コマンドを電力制御決定回路3に入力する。この場合、ホームページ閲覧のアプリケーションインターフェイス1−2の優先度(2)よりもVoIPのアプリケーションインターフェイス1−3の優先度(1)が低いため、実行コマンド決定部3a−4は、該コマンドを実行コマンドとして決定しない。そのため、詳細パラメータ決定信号33の送信出力レベル制御に関して何ら変化せず、エリア情報L−3に基づいて決定した送信出力レベル制御「大」が出力される。
≪期間Bの電力制御決定回路の出力≫
上述したように、期間Bにおいて、送受信動作パラメータ決定部3bは、制御モード決定部3aより、実行制御モード「電源オフ」を受ける。
読み出し部3b−1は、パラメータテーブル記憶部3cを参照して、実行制御モード「電源オフ」に対応する送受信動作パラメータ33aとして、動作モード「電源オフ」,監視期間「3分」を読み出す。そして、読み出し部3b−1は、読み出した動作モード「電源オフ」および監視期間「3分」を無線伝送回路5に出力する。
一方、電力制御パラメータ決定部3dは、t52からt53の期間において、エリア情報L−3「大」および電波状況情報L−1「強」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「大」および受信感度レベル制御「小」を無線伝送回路5に出力する。
ただし、期間Bのうち時点bより前のタイミングで、ホームページ閲覧のアプリケーションが、送信出力レベルを小さくするため送信出力レベル制御コマンド(コマンド2)と、その後に送信出力レベルを大きくする送信出力レベル制御コマンド(コマンド2’)とを設定し、該コマンドを電力制御決定回路3に入力する。この場合、実行コマンド決定部3a−4は、ホームページ閲覧のアプリケーションの優先度がこの期間で最も高いため、該コマンドを実行コマンドと決定し、決定した実行コマンドをコマンド処理部3fに出力する。そして、コマンド処理部3fは、このコマンド対に基づいて、コマンド対の期間内において詳細パラメータ決定信号33の送信出力レベル制御を大から小に変化させる。コマンド処理部3fの出力は、上記レベル制御決定部3d−1の出力より優先される。
その結果、電力制御決定回路3は、t52からt53の期間において、送信出力レベル制御を「大」,「小」,「大」と順に変化させる。
このように、アプリケーションに関するアプリケーションインターフェイス1のコマンドは、優先度等に基づいて割り込み的な処理を行うか否かが決定される。一方、システムインターフェイス6のコマンドは、優先度等に関係なく強制的にコマンドに関する処理を行わせるコマンドとなる。これらのコマンドを用いることにより、予め設定したアプリケーションインターフェイス1のモード制御とともに、ユーザからの操作によって出力されるコマンドによっても、所望の電力制御処理を行うことも可能となる。
また、電力制御パラメータ決定部3dは、t53からt54の期間において、エリア情報L−3「小」および電波状況情報L−1「強」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「小」および受信感度レベル制御「小」を無線伝送回路5に出力する。
≪期間Cの電力制御決定回路の出力≫
上述したように、期間Aにおいて、送受信動作パラメータ決定部3bは、制御モード決定部3aより、実行制御モード「ビーコン間隔可変」、実行送信周期「100ms」および実行受信周期「100ms」を受ける。
読み出し部3b−1は、パラメータテーブル記憶部3cを参照して、実行制御モード「ビーコン間隔可変」に対応する送受信動作パラメータ33aとして、動作モード「ビーコン間隔可変」,ビーコン間隔「大:5分,小:算出部で計算」,監視期間「3分」を読み出す。そして、読み出し部3b−1は、動作モード「ビーコン間隔可変」,ビーコン間隔「大:5分」および監視期間「3分」を無線伝送回路5に出力するとともに、ビーコン間隔小についての計算指示を算出部3b−2に出力する。
この計算指示を受けた算出部3b−2は、上述の算出方法に従って、実行受信周期および実行送信周期の最小値「100ms」をビーコン間隔小とする。そして、算出部3b−2は、算出したビーコン間隔「小:100ms」を無線伝送回路5に出力する。
以上のようにして、送受信動作パラメータ決定部3bは、期間Cにおいて、動作モード「ビーコン間隔可変」、ビーコン間隔「大:5分,小:100ms」および監視期間「3分」を出力する。
一方、電力制御パラメータ決定部3dは、t54からt55の期間において、エリア情報L−3「小」および電波状況情報L−1「強」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「小」および受信感度レベル制御「小」を無線伝送回路5に出力する。
また、電力制御パラメータ決定部3dは、t55からt56の期間において、エリア情報L−3「小」および電波状況情報L−1「弱」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「小」および受信感度レベル制御「大」を無線伝送回路5に出力する。
≪期間Dの電力制御決定回路の出力≫
上述したように、期間Dにおいて、送受信動作パラメータ決定部3bは、制御モード決定部3aより実行制御モード「ビーコン間隔可変」、実行送信周期「100ms」および実行受信周期「100ms」を受けるとともに、システムインターフェイス6からバッテリー残量情報L−2「小」を受ける。
バッテリー残量情報L−2が「小」の場合、読み出し部3b−1は、実行制御モードが「電源オフ」以外であっても、強制的に実行制御モード「電源オフ」に対応する送受信動作パラメータ33aをパラメータテーブル記憶部3cから読み出す。そして、読み出し部3b−1は、動作モード「電源オフ」および監視期間「3分」を無線伝送回路5に出力する。
一方、電力制御パラメータ決定部3dは、t55からt56の期間において、エリア情報L−3「小」および電波状況情報L−1「弱」を受ける。これにより、レベル制御決定部3d−1は、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、送信出力レベル制御「小」および受信感度レベル制御「大」を無線伝送回路5に出力する。
次に、図22の各期間における無線伝送回路5の動作について説明する。
≪期間Aの無線伝送回路の動作≫
まず、図22の期間Aの詳細について図23を参照して詳細に説明する。上述したように、期間Aにおいては、無線伝送回路5は、動作モード「予約受信」、予約周期「20ms」、予約サイズ「320μs」、ビーコン間隔「100ms」を受ける。これに基づいて、詳細パラメータ実行部26は、予約受信動作としてデータの送受信を行うタイミングを親機APに登録する。すなわち、親機APから機器Zへのデータ送信期間が、周期20ms、期間320μsに予約される。また、機器Zから親機APへのデータ送信期間も同様に、周期20ms、期間320μsに予約される。なお、図23の上段は、親機APから機器Zへのデータ送信のタイミングを示している。機器Zから親機APへのデータ送信のタイミングは図示していないが、上記親機APから機器Zへのデータ送信のタイミングから所定時間ずれた状態となっている。
図23に示すように、上述のビーコン信号BSが親機APから一定間隔100msで送信される。この場合において、時間aまでは、アプリケーションとしてVoIPのみが起動しているため、親機APの送受信データと機器Z(子機STA)の送受信データとが、交互に送受信される。その間に、間隔100msのビーコン信号が送受信される。この際に、無線伝送回路5の電力制御状態としては、データの送受信時、ビーコン信号BSの受信時に電源供給状態、それ以外の時が省電力状態となる。よって、VoIPの通話中であっても、予約期間以外は送信回路21および受信回路25に電力が供給されず、より一層の省電力化を図ることができる。
タイミングaにおいて、ホームページ閲覧のアプリケーションが起動するため、この時点で、VoIPとホームページ閲覧との2通りのアプリケーションが動作することになる。この際に、省電力状態は解除され、電源供給状態となる。尚、ホームページ閲覧のためのアプリケーションが動作を停止した場合には、再び、予約受信動作における電源供給状態と省電力状態との繰り返しになるようにしても良い。a以降の状態から元に戻る場合には、図示するa以前の期間の動作と同様の動作を行う。
≪期間Bの無線伝送回路の動作≫
次に、図24を参照しつつ、ホームページ閲覧とメール受信とが動作する期間Bの詳細について説明する。無線伝送回路5に入力される詳細パラメータ決定信号33の送受信動作パラメータ33aは、監視期間「3分」、動作モード「電源オフ」である。機器Zにおいてユーザが最初にホームページのURLをクリックすると、親機APを介してホームページのサーバにアクセスしホームページの閲覧が可能になり、ユーザはホームページを閲覧する。ユーザがホームページを閲覧している監視期間3分の間にデータの送受がない場合、無線伝送回路5は送信回路21および受信回路25のスイッチ27およびスイッチ30を制御し、電源オフ状態にする。その間に他のアプリケーションが起動したり、ホームページ閲覧が再開されたりし、データ送信がなされた場合は、無線伝送回路5は送信回路21および受信回路25のスイッチ27およびスイッチ30を制御し、無線伝送回路5を電源供給状態にする。図24においては、監視期間3分の間、他のアプリケーションの起動などがないため、監視期間3分後に電源オフ状態になっている。その後、時点bにおいて、メール受信の動作が起動し、この時点bから、メール受信が始まるため、電源供給状態となる。
≪期間Cの無線伝送回路の動作≫
次に、図25を参照しつつ、メール受信が行われる期間Cについて詳細に説明する。無線伝送回路5に入力される詳細パラメータ決定信号33の送受信動作パラメータ33aとしては、監視期間「3分」、ビーコン間隔「大:5分,小:100ms」、動作モード「ビーコン間隔可変」である。最初の段階において、親機APから子機STAに向けて、受信メールのメールアドレスや認証のためのデータなどが送られ、例えば認証用パスワードなどが子機STAから親機APに向けて返信される。その後、親機APから子機STAに向けてメールの受信データが送られる。この期間は、電源供給状態である。メール受信データの受信が終了し、その後3分間以上データ送受信がないとする。無線伝送回路5は詳細パラメータ決定信号33の監視期間「3分」中にデータの送受信がないと判断し、ビーコン受信間隔を詳細パラメータ決定信号33のビーコン受信間隔大:5分間に広げる。このように、送受信データなどの有無に基づいて、ビーコン受信間隔を広げたり狭めたりすることにより、ビーコン間隔一定の場合に比べてよりきめ細かい電力制御を行うことができる。
≪期間Dの無線伝送回路の動作≫
次に、図26は、期間Dにおける動作の詳細を示す図である。図26に示すように、期間Dにおいて、無線伝送回路5に入力される詳細パラメータ決定信号33の送受信動作パラメータ33aは、監視期間「3分」、動作モード「電源オフ」である。なお、期間Dでは、受信メールのアプリケーションが起動しているが、電子装置2のバッテリー残量情報表示部2b−3は、バッテリー残量が小になった旨を表示し、ユーザに報知する。これにより、ユーザは、機器の充電を行うか、或いは、機器のデータを退避するなどの処理を行ったうえで安全に機器を停止させるかという選択を行う機会を得ることが出来る。ユーザがそれでも気づかない場合、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、監視期間「3分」の間にデータ送受信がないことを確認後、駆動時間を可能な限り大きくするため、強制的に電源オフ制御を行う。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明に関しては、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態においては、モバイルPCを例にして説明したが、その他、無線LAN機能付きの携帯電話、PDAなどに応用可能である。
また、本実施形態では、複数のアプリケーションD,E,Fが備えられている構成として説明した。しかしながら、一つのアプリケーションのみが備えられている構成であってもよい。図22における期間C、期間Dおよびt52からt53までの期間のように、アプリケーションが一つだけであっても、電波状況情報L−1、バッテリー残量情報L−2、エリア情報L−3あるいはコマンドを基に、電力制御決定回路3は、省電力化に適した動作モード、送信出力レベルおよび受信感度レベルを決定することができる。これにより、機器Zの消費電力の低減を図ることができる。
また、本実施形態の情報処理装置は、通信装置として無線で通信を行う無線伝送回路5を備えている。しかしながら、有線で通信を行う通信装置であってもよい。有線で通信を行う場合、電力制御決定回路3は、有線における通信路に関する情報(通信路情報)、バッテリー残量情報の少なくとも一方に応じて、詳細パラメータ決定信号を決定する。
また、上記説明では、アプリケーションの使用状態を、該アプリケーションが起動されているか否かを示すものとした。しかしながら、これに限らず、アプリケーションの使用状態を、該アプリケーションにおいて特定の処理が起動しているか否かを示すものとしてもよい。例えば、アプリケーションがウエブ閲覧ソフトの場合、ホームページのデータをダウンロードしている時が「使用状態」であり、ユーザがダウンロードしたホームページを閲覧している時が「使用状態でない」である。これにより、電力制御決定回路3は、アプリケーションが現在行っている処理内容に応じた詳細パラメータ決定信号を出力することができる。
また、上記機器Zを複数含む情報処理システムが構築されてもよい。該機器Z同士が互いに、無線及び/又は有線で通信可能な状態にある場合に、一方の機器Zが備える無線伝送回路5を制御するために電力制御決定回路3が決定した詳細パラメータに含まれる予約周期及び予約サイズが、他方の機器Zの予約周期及び予約サイズとして設定されてもよい。これにより、両方の機器Zは、同じ予約周期及び予約サイズとなる。例えば、一方の機器Zが子機であり、他方の機器Zがその親機であるとする。この場合、子機は、親機および自身に対して、同じ予約周期及び予約サイズを設定することができる。
また、電力制御パラメータ決定部3dは、送信出力レベル制御および受信感度レベル制御の他のパラメータを決定してもよい。例えば、無線伝送回路5における動作クロック数であってもよい。この場合、レベル制御パラメータ記憶部3eは、電波状況情報およびエリア情報に対応して動作クロック数を記憶する。これにより、無線伝送回路は動作クロック数を変更することで省電力を図ることができる。
なお、上記説明では、実行制御モード決定部3a−1は、アプリケーションインターフェイス1から受けた優先度を基に、実行制御モードを決定する構成とした。しかしながら、この構成に限られない。例えば、制御モード決定部3aが、制御モードと該制御モードに対して予め設定された優先度とを対応付けた優先度テーブルを記憶する優先度テーブル記憶部を備える。そして、実行制御モード決定部3a−1は、該優先度テーブルを参照して、アプリケーションインターフェイス1から受けた制御モードに対応する優先度を読み出し、最も高い優先度に対応する制御モードを実行制御モードとして決定してもよい。この場合、アプリケーションインターフェイス1は、優先度を出力する必要がなくなる。
なお、上記説明では、レベル制御決定部3b−1は、電波状況情報L−1を基に、レベル制御テーブル記憶部3eを参照して、無線伝送回路5における送信出力レベルおよび受信感度レベルを決定する構成とした。しかしながら、レベル制御決定部3b−1は、電波強度を示す電波状況情報L−1を基に、無線伝送回路5に対する電力供給量を決定してもよい。たとえば、レベル制御決定部3b−1は、無線伝送回路5から電波強度の値を示す電波状況情報L−1を取得する。そして、レベル制御決定部3b−1は、取得した値が予め定められた値よりも高い場合(たとえば、RSSI信号のスケールが0〜1Vであるとき、受信した信号のLNAのゲインが低く、且つ、500mV以上の場合)、送信出力レベルや受信感度レベルを下げることができると判断し、無線伝送回路5に対する電力供給量を下げる制御信号を出力してもよい。これにより、電力制御決定回路3は、無線伝送回路5の電波状況に応じて、無線伝送回路5の電力供給量を制御することができる。
また、上記説明において、読み出し部3b−1は、バッテリー残量情報L−2が「小」を示す場合、動作モード「電源オフ」を出力し、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、無線伝送回路5の電源をオフにする構成とした。しかしながら、これに限らず、読み出し部3b−1は、バッテリー残量情報L−2が「中」を示す場合に、無線伝送回路5の電力供給量を下げるか、又は、無線伝送回路5の送信出力レベルを下げる制御信号を無線伝送回路5に出力し、バッテリー残量情報L−2が「小」を示す場合に、無線伝送回路5の電源をオフにする制御信号を出力してもよい。もしくは、読み出し部2b−1は、バッテリー11からバッテリー残量の値を取得し、取得した値が予め定められた閾値Aよりも小さい場合に、無線伝送回路5の電力供給量を下げるか、又は、無線伝送回路5の送信出力レベルを下げる制御信号を無線伝送回路5に出力し、取得した値が予め定められた閾値B(閾値B<閾値Aとする)よりも小さい場合に、無線伝送回路5の電源をオフにする制御信号を出力してもよい。これにより、電力制御決定回路3は、バッテリー残量に応じて、無線伝送回路5の消費電力を複数段階に制御でき、一層の省電力化を図ることができる。
〔実施形態3〕
上記実施形態2では、ビーコン間隔可変動作モードや電源オフ動作モードである場合、無線伝送回路5が監視期間中のデータ送受信の有無によりビーコン間隔を変更したり、電源オフにする構成であった。本実施形態は、監視期間のデータ送受信の有無を電力制御決定回路3で判断する構成である。これにより、無線伝送回路5内の制御が簡略化されるとともに、電力制御決定回路から無線伝送回路への監視期間などの情報転送が不要となる。よって、無線伝送回路を汎用的な回路で構成することができる。
本実施形態について、図34〜図36に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図34は、本実施形態における電力制御決定回路(制御装置)103の構成を示すブロック図である。図34に示されるように、電力制御決定回路103は、上記実施形態2の電力制御決定回路3と比較して、制御モード決定部3aの代わりに制御モード決定部(制御モード決定手段)103aを、送受信動作パラメータ決定部3bの代わりに送受信動作パラメータ決定部(低消費電力設定手段,送受信動作パラメータ決定手段)103bを、パラメータテーブル記憶部3cの代わりにパラメータテーブル記憶部103cを、電力制御パラメータ決定部3dの代わりに電力制御パラメータ決定部(電力供給量決定手段)103dを備えるとともに、さらに、電源制御テーブル記憶部3hと、電源制御出力部3gと、実行制御モード決定テーブル記憶部3sとを備える点で異なる。なお、制御モード決定部103aは実行制御モード決定部103aを備え、送受信動作パラメータ決定部103bは読み出し部103b−1を備え、電力制御パラメータ決定部103dは電源制御決定部3d−2を備える。
実行制御モード決定テーブル記憶部3sは、後述する実行制御モード決定部103a−1に入力される制御モードの組み合わせと、優先すべき制御モードである実行制御モードとを対応付けて記憶するものである。図50は、実行制御モード決定テーブル記憶部3sの一記憶例を示す。図50に示されるように、実行制御モード決定テーブル記憶部3sは、例えば、通常「なし」,予約受信「なし」,ビーコン間隔可変「あり」,ビーコン間隔一定「あり、又はなし」および電源オフ「あり,又はなし」の入力信号と、実行制御モード「ビーコン間隔可変」とを対応付けて記憶している。
本実施形態の制御モード決定部103aは、上記実施形態2と同様に、アプリケーションインターフェイス1より電力制御情報(制御モード、送信周期、受信周期、送信レート、受信レート)、コマンドおよび使用状態を取得する。ただし、制御モード決定部103aは、上記実施形態2と異なり、アプリケーションインターフェイス1より優先度を取得しない。
制御モード決定部103aは、実行制御モード決定部103a−1、実行周期決定部3a−2、実行レート決定部3a−3および実行コマンド決定部3a−4を備える。実行周期決定部3a−2、実行レート決定部3a−3および実行コマンド決定部3a−4については、上述したので説明を省略する。
実行制御モード決定部(制御モード決定手段)103a−1は、実行制御モード決定テーブル記憶部3sを参照して、アプリケーションインターフェイス1から受けた制御モードの組み合わせを基に、優先すべき一つの実行制御モードを決定するものである。
例えば、実行制御モード決定テーブル記憶部3sが図50に示すようなテーブルを記憶しており、かつ、アプリケーションインターフェイス1から制御モード「ビーコン間隔可変」および「電源オフ」を受けた場合について説明する。この場合、実行制御モード決定部103a−1は、アプリケーションインターフェイス1からの制御モードに関する信号が通常「なし」,予約受信「なし」,ビーコン間隔可変「あり」,ビーコン間隔一定「なし」および電源オフ「あり」であると判断し、この組み合わせに対応する実行制御モード「ビーコン間隔可変」を実行制御モード決定テーブル記憶部3sから読み出す。そして、実行制御モード決定部103a−1は、読み出した実行制御モードを後段の送受信動作パラメータ決定部103bに出力する。
パラメータテーブル記憶部103cは、実行制御モードおよびデータ送受信の有無と、送受信動作パラメータおよび電力制御パラメータとを対応付けて記憶している。図35は、パラメータテーブル記憶部103cの一記憶例を示す図である。図35に示されるように、パラメータテーブル記憶部103cは、例えば、実行制御モード「ビーコン間隔可変」および送受信データ「監視期間3分,データ有」に対応付けて、送受信動作パラメータ33aとして動作モード「パワーセーブ」,ビーコン間隔「算出部で計算」を記憶している。また、パラメータテーブル記憶部103cは、例えば、実行制御モード「電源オフ」に対応付けて、送受信動作パラメータ33aとして動作モード「通常」を、電力制御パラメータ33bとして電源制御「電源オフ」を記憶している。
なお、本実施形態において、送受信動作パラメータ33aに含まれる動作モードは、「通常」「パワーセーブ」「予約受信」の3種である。「通常」「予約受信」は上記実施形態と同様である。
「パワーセーブ」は、無線伝送回路5がビーコン信号受信時に受信回路25、低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を上げて通常の状態とし、ビーコン信号受信以外の時に受信回路25、低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を下げ、受信信号レベルを最低限とし、受信機能を休止状態とする。ただし、受信したビーコン信号に無線伝送回路5宛のデータがあることを通知する信号がある場合、無線伝送回路5は、次のビーコン信号受信時まで受信回路25、低雑音アンプLNA23に対する電力供給量を上げたままの状態とする。無線伝送回路5にとっては、上記実施形態における「ビーコン間隔一定」と同様である。
読み出し部103b−1は、制御モード決定部103aから実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、実行送信レート及び/又は実行受信レートを受ける。
さらに、読み出し部103b−1は、アプリケーションインターフェイス1からの送信データと無線伝送回路5からの受信データとの有無を監視している。すなわち、読み出し部103b−1は、アプリケーションインターフェイス1と無線伝送回路5との間の送受信データを中継しており、該送受信データの有無を検知する。また、読み出し部103b−1は、図示しないタイマーを備えており、送受信データがない期間を計測する。
読み出し部103b−1は、実行制御モードおよび送受信データの有無に対応する詳細パラメータを、パラメータテーブル記憶部103cから読み出す。読み出し部103b−1は、読み出した送受信動作パラメータ33aを無線伝送回路5に出力する。一方、読み出し部103b−1は、読み出した電力制御パラメータ33bである電源制御を電源制御出力部3gに出力する。
ただし、読み出し部103b−1は、送受信動作パラメータ記憶部3cから読み出した送受信動作パラメータ33a中に「算出部で計算」がある場合、該送受信動作パラメータ33aを計算させる計算指示を算出部3b−2に送る。
電源制御テーブル記憶部3hは、バッテリー残量情報L−2と、電源制御とを対応付けたテーブルを記憶している。図36は、電源制御テーブル記憶部3hの一記憶例を示す図である。図36のように、電源制御テーブル記憶部3hは、例えば、バッテリー残量情報L−2「小」に対応付けて、電源制御「電源オフ」を記憶している。
電源制御決定部3d−2は、電源制御テーブル記憶部3hを参照して、バッテリー残量情報L−2に対応する電源制御を読み出し、読み出した電源制御を電源制御出力部3gに出力する。
電源制御出力部3gは、電源制御決定部3d−2および読み出し部103b−1の少なくとも一方から「電源オフ」を示す電源制御を受けた場合、電源制御「電源オフ」を出力するものである。
次に、本実施形態における具体的な詳細パラメータ決定信号33の決定手順について説明する。
例えば、ある期間において、制御モード決定部103aが実行制御モード「ビーコン間隔可変」を出力し、3分の監視期間中に送受信データがないものとする。
この場合、読み出し部103b−1は、送受信データが監視期間3分で送受信データがないことを検知する。そして、読み出し部103b−1は、この検知結果「監視期間3分,データ無」と実行制御モード「ビーコン間隔可変」とに対応する詳細パラメータを、パラメータテーブル記憶部103cから読み出す。パラメータテーブル記憶部103cが図35に示すようなテーブルを記憶していたとすると、読み出し部103b−1は、送受信動作パラメータ33aとして、動作モード「パワーセーブ」、ビーコン間隔「1000ms」を出力する。
この結果、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、ビーコン間隔を1000msと比較的大きくした動作モードに移行させる。
このように、本実施形態では、電力制御決定回路3において監視期間における送受信データの有無を検知するため、無線伝送回路5は、送受信データの有無を監視する必要がない。よって、本実施形態では、無線伝送回路5の構成を簡略化することができる。さらに、電力制御決定回路3は、無線伝送回路5にパラメータ「監視期間」を出力する必要がなくなる。
また、他の例として、ある期間において、制御モード決定部103aが実行制御モード「電源オフ」を出力し、3分の監視期間中に送受信データがないものとする。
この場合、読み出し部103b−1は、送受信データが監視期間3分で送受信データがないことを検知する。そして、読み出し部103b−1は、この検知結果と実行制御モード「電源オフ」とに対応する詳細パラメータを、パラメータテーブル記憶部103cから読み出す。パラメータテーブル記憶部103cが図35に示すようなテーブルを記憶しているとすると、読み出し部103b−1は、送受信動作パラメータ33aとして動作モード「通常」を無線伝送回路5に出力し、電源制御「電源オフ」を電源制御出力部3gに出力する。
これを受けて、電源制御出力部3gは、電源制御「電源オフ」を無線伝送回路5に出力する。
この結果、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、送信回路21および受信回路25に対する電源をオフにする。
さらに、他の例として、ある期間において、制御モード決定部103aが実行制御モード「通常」を出力し、システムインターフェイス6が「小」を示すバッテリー残量情報L−2を出力するものとする。
この場合、読み出し部103b−1は、実行制御モード「通常」に対応する送受信動作パラメータ33a(動作モード「通常」)を、パラメータテーブル記憶部103cから読み出し、無線伝送回路5に読み出したパラメータを出力する。
一方、バッテリー残量情報L−2を受けた電源制御決定部3d−2は、図36に示すような電源制御テーブル記憶部3hを参照して、電源制御「電源オフ」を電源制御出力部3gに出力する。
これを受けて、電源制御出力部3gは、電源制御「電源オフ」を無線伝送回路5に出力する。
この結果、無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、動作モードが「通常」であっても、送信回路21および受信回路25に対する電源をオフにする。これにより、無線伝送回路5はより省電力化を実現できる。
なお、上記説明において、電源制御決定部3d−2は、バッテリー残量情報L−2が「小」を示す場合、電源制御「電源オフ」を電源制御出力部3gに出力する構成とした。しかしながら、これに限らず、電源制御決定部3d−2は、バッテリー残量情報L−2が「中」を示す場合に、無線伝送回路5の電力供給量を下げるか、又は、無線伝送回路5の送信出力レベルを下げる制御信号を無線伝送回路5に出力し、バッテリー残量情報L−2が「小」を示す場合に、無線伝送回路5の電源をオフにする制御信号を出力してもよい。もしくは、電源制御決定部3d−2は、バッテリー11からバッテリー残量の値を取得し、取得した値が予め定められた閾値Aよりも小さい場合に、無線伝送回路5の電力供給量を下げるか、又は、無線伝送回路5の送信出力レベルを下げる制御信号を無線伝送回路5に出力し、取得した値が予め定められた閾値B(閾値B<閾値Aとする)よりも小さい場合に、無線伝送回路5の電源をオフにする制御信号を出力してもよい。これにより、電力制御決定回路3は、バッテリー残量と閾値Aおよび閾値Bとの大小関係に応じて、無線伝送回路5の消費電力を段階的に制御できる。
本実施形態によれば、電力制御決定回路103は、送受信データの有無を基に、無線伝送回路5に対する詳細な電力制御が可能となる。以下に、実施例を述べる。
<実施例2(電子メール受信)>
本実施例では、アプリケーションD実行部2a−1が実行するアプリケーションが電子メール受信ソフトであり、アプリケーションD実行部2a−1が制御モード「ビーコン間隔可変」,使用状態「使用中」,送信周期「100ms」,受信周期「100ms」を出力するものとする。さらに、パラメータテーブル記憶部103cは図35に示すようなテーブルを記憶し、実行制御モード決定テーブル記憶部3sは図50に示すようなテーブルを記憶しているとする。
このとき、実行制御モード決定部103a−1は、アプリケーションインターフェイス1から入力された制御モードが「ビーコン間隔可変」のみであるため、ビーコン間隔可変「あり」,その他「なし」に対応する実行制御モード「ビーコン間隔可変」を実行制御モード決定テーブル記憶部3sから読み出す。そして、実行制御モード決定部103a−1は、読み出した実行制御モード「ビーコン間隔可変」を出力する。なお、実行周期決定部3a−2は、実行送信周期「100ms」および実行受信周期「100ms」を出力する。
そして、読み出し部103b−1は、監視期間3分間に無線伝送回路5からの受信データまたはアプリケーションインターフェイス1からの送信データの有無を確認する。送受信データがない場合、読み出し部103b−1は、パラメータテーブル記憶部103cが記憶するパラメータテーブルを参照して、送受信動作パラメータ33aである動作モード「パワーセーブ」、ビーコン間隔「1000ms」を読み出し、読み出した送受信動作パラメータ33aを無線伝送回路5に出力する。
この送受信動作パラメータ33aを受けた無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、1000msごとにビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信しないときには、受信感度レベルを最低限まで下げ、省電力化を図る。これにより、無線伝送回路5は、一層の省電力化を図ることができる。
一方、送受信データがある場合、読み出し部103b−1は、パラメータテーブル記憶部103cが記憶するパラメータテーブルを参照して、送受信動作パラメータ33aである動作モード「パワーセーブ」、ビーコン間隔「算出部で計算」を読み出す。そして、読み出し部103b−1は、動作モード「パワーセーブ」を無線伝送回路5に、ビーコン間隔の計算指示を算出部3b−2に出力する。
算出部3b−2は、上述した算出方法に従って、ビーコン間隔「100ms」を算出し、無線伝送回路5に出力する。
この送受信動作パラメータ33aを受けた無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、100msごとにビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信しないときには、受信感度レベルを最低限まで下げ、受信機能を休止状態とする。これにより、無線伝送回路5は、一層の省電力化を図ることができる。
<実施例3(Web閲覧)>
本実施例では、アプリケーションD実行部2a−1が実行するアプリケーションがWeb閲覧ソフトであり、アプリケーションD実行部2a−1が制御モード「電源オフ」,使用状態「使用中」を出力するものとする。さらに、パラメータテーブル記憶部103cは、図35に示すようなテーブルを記憶し、実行制御モード決定テーブル記憶部3sは図50に示すようなテーブルを記憶しているとする。
このとき、実行制御モード決定部103a−1は、アプリケーションインターフェイス1から入力された制御モードが「電源オフ」のみであるため、電源オフ「あり」,その他「なし」に対応する実行制御モード「電源オフ」を実行制御モード決定テーブル記憶部3sから読み出す。そして、実行制御モード決定部103a−1は、読み出した実行制御モード「電源オフ」を出力する。
そして、読み出し部103b−1は、監視期間3分間に無線伝送回路5からの受信データまたはアプリケーションインターフェイス1からの送信データの有無を確認する。送受信データがない場合、読み出し部103b−1は、パラメータテーブル記憶部103cが記憶するパラメータテーブルを参照して、電力制御パラメータ33bである電源制御「電源オフ」を読み出し、読み出した電力制御パラメータ33bを無線伝送回路5に出力する。
この電力制御パラメータ33bを受けた無線伝送回路5の詳細パラメータ実行部26は、送信回路21、受信回路25に対して電力を供給しない。
これにより、無線伝送回路5は、省電力化を図ることができる。
<実施例4(VoIP)>
本実施例では、アプリケーションD実行部2a−1が実行するアプリケーションがVoIP(IP電話)であり、アプリケーションD実行部2a−1が制御モード「ビーコン間隔可変」,使用状態「使用中」を出力するものとする。さらに、パラメータテーブル記憶部103cは、実行制御モード「ビーコン間隔可変」および送受信データ「送信データ有」に対応して、動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「20ms」を記憶しており、実行制御モード「ビーコン間隔可変」および送受信データ「送信データなし」に対応して、動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「1000ms」を記憶しているとする。また、実行制御モード決定テーブル記憶部3sは図50に示すようなテーブルを記憶しているとする。
このとき、実行制御モード決定部103a−1は、アプリケーションインターフェイス1から入力された制御モードが「ビーコン間隔可変」のみであるため、ビーコン間隔可変「あり」,その他「なし」に対応する実行制御モード「ビーコン間隔可変」を実行制御モード決定テーブル記憶部3sから読み出す。そして、実行制御モード決定部103a−1は、読み出した実行制御モード「ビーコン間隔可変」を出力する。
制御モード決定部103aから実行制御モード「ビーコン間隔可変」を受けた読み出し部103aは、アプリケーション実行部2a−1からの送信データがあるか否かを判断する。
アプリケーション実行部2a−1からの送信データがある場合とは、VoIPが通話中であり、音声データが送信データとしてアプリケーション実行部2a−1から無線伝送回路5に送られている状態を示す。一方、アプリケーション実行部2a−1からの送信データがない場合とは、VoIPが着信待受け状態であることを示す。
読み出し部103aは、送信データがない場合、つまり、VoIPが着信待受け状態である場合、パラメータテーブル記憶部103cを参照して、動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「1000ms」を無線伝送回路5に出力する。
動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「1000ms」を受けた無線伝送回路5は、親機APに対してビーコン間隔を1000msに変更することを要求する。そして、詳細パラメータ実行部26は、ビーコン信号を受信するタイミングになると、低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオンとし、ビーコン信号受信時以外に低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオフとする。
これにより、着信待受け状態では、無線伝送回路5は、1000msごとに、低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオンにすればよいため、省電力化が図れる。
一方、読み出し部103aは、送信データがある場合、つまり、VoIPが通話中である場合、パラメータテーブル記憶部103cを参照して、動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「20ms」を無線伝送回路5に出力する。
動作モード「パワーセーブ」およびビーコン間隔「20ms」を受けた無線伝送回路5は、親機APに対してビーコン間隔を20msに変更することを要求する。そして、詳細パラメータ実行部26は、ビーコン信号を受信するタイミングになると、低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオンとし、ビーコン信号受信時以外に低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオフとする。
これにより、通話中であっても、無線伝送回路5は、20msごとに、低雑音アンプLNA27および受信回路25に対する電源をオンにすればよく、省電力化が図れる。なお、ビーコン間隔は、通話に遅延の影響が出ない値であればよい。
このように、アプリケーションD実行部2a−1のIP電話の音声データがある場合(「データ送信有」)、音声データは、ビーコン信号に続くデータ通信のための信号で送られる。このように、ビーコン信号により、無線伝送回路5から基地局へ送信すべき音声データの有無を知らせることができる。
待受け時には、待受け時のビーコン受信時刻になると、受信回路25の電源をONして、基地局からのビーコン信号を受信するとともに、着信有り場合には着呼信号を受信した後、受信回路25の電源をOFFする動作を繰り返す。また、通話時には、通話時のビーコン受信時刻になると、受信回路25の電源をONして、基地局からのビーコン信号を受信するとともに、音声データを受信した後、受信回路25の電源をオフする動作を繰り返す。このように、無線伝送回路5は、基地局から送信される信号を受信し終えると、次のビーコン信号を受信するタイミングになるまで受信回路25の電力供給をオフする。すなわち、無線伝送回路5は、信号を受信していないとき受信回路25の電源をオフにする。これにより、通話中であっても省電力化が可能となる。
なお、本実施形態3では、制御モード決定部103aがアプリケーションインターフェイス1から優先度を取得しない構成とした。これにより、アプリケーションインターフェイス1は優先度を出力する必要がなくなる。しかしながら、本実施形態3の制御モード決定部103aは、上記制御モード決定部3aで構成してもよい。この場合、電力制御決定回路3は、アプリケーションインターフェイス1から優先度を取得する。
また、本実施形態の実行制御モード決定部103a−1がアプリケーションインターフェイス1から優先度を取得する構成であってもよい。このとき、実行制御モード決定部103a−1は、取得した優先度がすべて異なる場合、該優先度を基に上記実施形態2と同様に実行制御モードを決定し、取得した優先度の中で最も高い同じ優先度のものが複数ある場合、これらの制御モードに対応する実行制御モードを実行制御モード決定テーブル記憶部3sから読み出してもよい。
〔実施形態4〕
さらに、電力制御決定回路の他の実施形態について詳細に説明する。本実施形態について、図37〜図43に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図37は、本実施形態の機器(情報処理装置)Z2の全体構成を示すブロック図である。図37に示されるように、機器Z2は、上記実施形態2の機器Zと比較して、電力制御決定回路3の代わりに電力制御決定回路(制御装置)203を備えている点で異なる。なお、図37では電子装置2の図示を省略しているが、上記実施形態と同様に、機器Z2はアプリケーション実行部2aおよびシステム部2bを備えた電子装置2を備えている。
図37に示されるように、電力制御決定回路203は、上記電力制御決定回路103と同様に、アプリケーションインターフェイス1から送信データを、無線伝送回路5から受信データを受ける。ただし、電力制御決定回路203は、アプリケーションインターフェイス1より送信データのみを受け、制御モード等を受けない。
次に、本実施形態の無線伝送回路5が送受信する送受信データについて説明する。図40は、送信データおよび受信データのフォーマットを示す図である。図40に示されるように、送信データおよび受信データは、アプリケーションIDフィールド、データ長フィールド、データフィールド、CRC(cyclic redundancy check)フィールドの4つのフィールドを含む。
アプリケーションIDフィールドは、送信または受信するデータを用いるアプリケーションを識別するためのアプリケーションID(識別情報)を含む領域である。例えば、アプリケーションが「Web閲覧ソフト」である場合、アプリケーションIDとして「01」が、アプリケーションが「VoIP」である場合、アプリケーションIDとして「02」が設定されている。
データフィールドは、送信または受信すべきデータブロックを含むものである。
データ長フィールドは、上記データフィールドの長さを含む。また、CRCフィールドは、上記データフィールドに含まれるデータブロックの誤りを検出するための誤り検出符号を含む。
図38は、電力制御決定回路203の構成を示すブロック図である。図38に示されるように、電力制御決定回路203は、上記実施形態の電力制御決定回路103と比較して、アプリケーション判別部3jと、アプリケーションパラメータ記憶部(識別情報記憶部)3kとを備えている点で異なる。
アプリケーションパラメータ記憶部3kは、上記アプリケーションIDと、該アプリケーションIDに対応するアプリケーションに関連したアプリケーションパラメータとを対応付けて記憶している。アプリケーションパラメータには、無線伝送回路5における電力制御モード、送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レートとを含んでいる。
図39は、アプリケーションパラメータ記憶部3kにおける一記憶例を示す。図39に示すように、アプリケーションパラメータ記憶部3kは、例えば、アプリケーションID「01」に対応付けて、制御モード「電源オフ」を記憶している。また、アプリケーションパラメータ記憶部3kは、例えば、アプリケーションID「03」に対応付けて、制御モード「ビーコン間隔可変」、受信周期「100ms」および受信レート「384kbps」を記憶している。
図41は、アプリケーション判別部3jの詳細な構成を示すブロック図である。図41に示されるように、アプリケーション判別部3jは、アプリケーションパラメータ出力部(電力制御情報読み出し手段)3pと、タイマー3m−1,3m−2,…と、出力状態保持部3n−1,3n−2,…とを備えている。
アプリケーションパラメータ出力部3pは、送受信データに含まれる上記アプリケーションIDに対応するアプリケーションパラメータをアプリケーションパラメータ記憶部3kから読み出し、読み出したアプリケーションパラメータを制御データ決定部103aに送るものである。このように、アプリケーションパラメータ出力部3pは、送受信データを基に、アプリケーションパラメータを出力する。よって、使用状態にあるアプリケーションに対応するアプリケーションパラメータのみ出力するため、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションパラメータに使用状態「使用中」を付加して出力する。
タイマー3m−1,タイマー3m−2,…は、アプリケーションパラメータの出力時間を計測するものである。タイマー3m−1,タイマー3m−2,…は、アプリケーションパラメータ出力部3pからの指示により、計測開始およびリセットを行う。また、タイマー3m−1,タイマー3m−2,…は、予め定められた時間が経過すると、その旨を示すタイマー満了信号をアプリケーションパラメータ出力部3pに送る。なお、タイマー3m−1,3m−2,…は、それぞれアプリケーションID「01」,「02」,…に対応している。
出力状態保持部3n−1,3n−2,…は、アプリケーションパラメータを出力しているか否かを示すフラグ(スタートフラグ)を有している。スタートフラグは、出力中を示す「1」と、出力していないことを示す「0」とがある。なお、出力状態保持部3n−1,3n−2,…は、それぞれアプリケーションID「01」,「02」,…に対応している。
制御モード決定部103aは、上記実施形態3と同様に、使用状態および実行制御モード決定テーブル記憶部3sを基に、実行制御モード、実行送信周期及び/又は実行受信周期、および、実行送信レート及び/又は実行受信レートを決定する。なお、本実施形態における制御モード決定部103aは、アプリケーション判別部3jより使用状態として「使用中」のみを受ける。
次に、本実施形態におけるアプリケーション判別部3jの処理手順について、図42,図43に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図42は、アプリケーション判別部3jがアプリケーションパラメータを出力開始する手順を示すフローチャートである。
まず、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションインターフェイス1から送信データを受けたか否か、および、無線伝送回路5から受信データを受けたか否かを判断する(S21)。
送信データまたは受信データを受けていない場合(S21でNo)、アプリケーションパラメータ出力部3pは、再度S1の処理を行う。
一方、送信データまたは受信データを受けた場合(S21でYes)、アプリケーションパラメータ出力部3pは、受けた送信データまたは受信データからアプリケーションIDを取り出す(S22)。このとき、複数の送信データおよび受信データを受けた場合、アプリケーションパラメータ出力部3pは、それぞれの送受信データからアプリケーションIDを取り出す。
次に、アプリケーションパラメータ出力部3pは、取り出したアプリケーションIDが「01」であるか否かを判断する(S23)。
アプリケーションIDが「01」である場合(S23でYes)、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションID「01」に対応する出力状態保持部3n−1のスタートフラグが「出力していない」ことを示す「0」であるか否かを判断する(S24)。
スタートフラグが「0」である場合(S24でYes)、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションパラメータ記憶部3kからアプリケーションID「01」に対応するアプリケーションパラメータ(制御モード、送信周期、受信周期、送信レート、受信レート)を読み出す。そして、アプリケーションパラメータ出力部3pは、読み出したアプリケーションパラメータと、該アプリケーションパラメータに対応するアプリケーションが使用中である旨を示す使用状態とを制御モード決定部103aに出力開始する。
このとき、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションID「01」に対応するタイマー3m−1を計測開始させるとともに、アプリケーションID「01」に対応する出力状態保持部3n−1のスタートフラグを「出力中」を示す「1」に設定する(S25)。
一方、スタートフラグが「0」でなく「1」の場合(S24でNo)、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションID「01」に対応するアプリケーションパラメータを出力中であることを認識する。そして、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションID「01」に対応するタイマー3m−1をリセットして、再度計測開始させる(S26)。
アプリケーションIDが「01」でない場合(S23でNo)、S27の処理に移る。また、S25またはS26の処理の後もS27の処理に移る。
S27からS30の処理は、アプリケーションIDが「02」である場合の処理であり、上記S23からS26の処理と同様である。その後、アプリケーション判別部3jは、アプリケーションIDが「03」,・・・である場合の処理を続けて行い、処理を終了する。
次に、アプリケーションパラメータの出力を停止する処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、上記アプリケーションパラメータの出力開始処理において、アプリケーションID「01」に対応するアプリケーションパラメータを出力している場合について説明する。
タイマー3m−1は、計測時間が予め定められた時間を満了したか否かを判断する(S31)。
満了していない場合(S31でNo)、タイマー3m−1は再度S31の処理を行う。
一方、満了した場合(S31でYes)、タイマー3m−1は、タイマー満了信号をアプリケーションパラメータ出力部3pに出力する。タイマー3m−1からタイマー満了信号を受けたアプリケーションパラメータ出力部3pは、該タイマー3m−1に対応するアプリケーションパラメータ(つまり、アプリケーションID「01」に対応するアプリケーションパラメータ)の出力を停止させる。そして、アプリケーションパラメータ出力部3pは、アプリケーションID「01」に対応する出力状態保持部3n−1のスタートフラグを「0」に設定する(S32)。このようにして、アプリケーション判別部3jは、アプリケーションパラメータの出力を停止する。
なお、アプリケーションパラメータ出力部3pは、他のタイマー3m−2,…からタイマー満了信号を受けた場合も同様の処理を行う。
このように、本実施形態の機器Z2は、アプリケーション判別部3jおよびアプリケーションパラメータ記憶部3kを備える電力制御決定回路203を含む。これにより、電力制御決定回路203は、電子装置2から制御モード等の電力制御情報を受けることなく、データ送受信を行っている動作中のアプリケーションに適した電力制御を無線伝送回路5に対して行うことができる。つまり、電子装置2は、電力制御情報を出力する必要がなく、アプリケーション実行部の回路構成を削減できる。
なお、上記説明では、アプリケーション判別部3jは、送受信データを検知してアプリケーションパラメータを出力する際、該アプリケーションパラメータに対応するアプリケーションがデータの送受を行うため、使用中であることを判断し、「使用中」である旨を示す使用状態を出力するとした。そして、制御モード決定部103aは、該使用状態を基に、実行制御モード等を決定する。しかしながら、本実施形態では、制御モード決定部103aは、「使用中」を示す使用状態のみを受ける。そのため、本実施形態の制御モード決定部103aは、アプリケーションパラメータを受けた場合、該アプリケーションパラメータに対応するアプリケーションが使用中であると判断してもよい。この場合、アプリケーション判別部3jは、使用状態を出力する必要がなくなる。
〔実施形態5〕
本実施形態の機器(情報処理装置)は、上記実施形態と比較して、無線伝送回路5の代わりに無線LAN装置75を備える構成である。無線LAN装置75は、無線LANを用いて通信を行うものであり、動作モードが「ビーコン間隔一定」や「パワーセーブ」のときに一層省電力化を行う構成を有している。
図44は、本実施形態の無線伝送回路(無線LAN端末)75の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、本実施の形態に係る無線LAN端末75の受信部751は、無線周波信号処理部752と、信号検出部754と、中間周波信号処理部753と、デジタル復調部755(復調部)と、利得制御部756と、作動状態制御部(低消費電力実行手段)757とを備えるダブルヘテロダイン構成である。
ここで、無線周波信号処理部752と、中間周波信号処理部753と、信号検出部754の一部(RSSI回路7541)とでアナログ部751aを構成しており、信号検出部754の一部(ADC7542・受信開始判定部7543)と、デジタル復調部755と、利得制御部756と、作動状態制御部757とでデジタル部751bを構成している。
無線周波信号処理部752は、アンテナ7521と、ローノイズアンプ(LNA)7522と、無線周波用発振器(RFOSC)7523と、無線周波用ミキサ(RFミキサ)7524と、バンドパスフィルタ(BPF)7525とを備える。アンテナ7521は、無線LAN端末75が(無線)接続されているLAN(ロカールエリアネットワーク)からの無線周波信号を受信する。ローノイズアンプ7522はアンテナ7521で受信した無線信号を低雑音にて増幅する。無線周波用発振器7523は、無線周波信号をより低周波数の信号(中間周波信号)にダウンコンバートするための信号を発振する。無線周波用ミキサ7524は、ローノイズアンプ7522から出力された無線周波数信号と、無線周波用発振器7523からの発振信号とを混合し、無線周波信号より低周波数の中間周波信号を出力する。バンドパスフィルタ7525は、無線周波用ミキサ7524から出力された中間周波信号から不要な信号を取り除き、目的の周波数信号を取り出す。
中間周波信号処理部753は、中間周波用発振器(IFOSC)7531(発振器)と、AGC回路(オートゲインコントロール回路)7532(利得調整回路)と、2個の中間周波用ミキサ回路(IFミキサ回路)7533a・7533b(ミキサ)と、2個のローパスフィルタ回路(LPF回路)7535a・7535bと、2個の増幅回路(AMP回路)7536a・7536bとを備える。中間周波用発振器7531は、中間周波信号をより低周波数の信号(ベースバンド信号)にダウンコンバートするための信号を発振する。中間周波用ミキサ回路7533aは、AGC回路7532から出力された中間周波信号と、中間周波用発振器7531の発振信号とを混合し、ベースバンド信号(同相成分)を出力する。中間周波用ミキサ回路7533bは、AGC回路7532から出力された中間周波信号と、中間周波用発振器7531の発振信号をπ/2シフトさせた信号とを混合し、ベースバンド信号(直交成分)を出力する。ローパスフィルタ回路7535aは中間周波用ミキサ回路7533aから出力されたベースバンド信号(同相成分)から不要な信号を取り除き、目的の周波数信号を取り出す。同様に、ローパスフィルタ回路7535bは、中間周波用ミキサ回路7533bから出力されたベースバンド信号(直交成分)から不要な信号を取り除く。増幅回路7536aは、ローパスフィルタ回路7535aから出力され、不要な信号が除去されたベースバンド信号(同相成分)を増幅する。増幅回路7536bは、ローパスフィルタ回路7535bから出力され、不要な信号が除去されたベースバンド信号(直交成分)を増幅する。
信号検出部754は、アナログ部751aに属するRSSI回路(受信信号強度指標回路)7541(受信強度検知部)と、デジタル部751bに属する、A/D変換器(ADC)7542および受信開始判定部7543とを備える。RSSI回路7541は、バンドパスフィルタ7525から出力された中間周波信号からRSSI信号を算出し、A/D変換器7542へ出力する。A/D変換器7542は、RSSI回路7541で検知されたRSSI信号をデジタル化し、受信開始判定部7543へ出力する。
受信開始判定部7543では、以下のように受信開始の適否が判定される。図46は受信開始判定部7543の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、受信開始判定部7543は、遅延回路81と、減算回路82と、比較回路83とを備える。当該構成においては、まず、遅延回路81が、デジタル化されたRSSI信号のうち、時間的に先行するRSSI信号のサンプル値を遅延させ、これをRSSI値の増加量を求めるための基準値とする。ついで、減算回路82が後続して入力されたRSSI信号のサンプル値から遅延回路81の上記基準値を減算してRSSI値の増加量(受信強度検知部の検知結果)を求める。ついで、比較回路83が上記RSSI値の増加量と設定された増加量閾値とを比較し、上記RSSI値の増加量が増加量閾値を超えた(所定条件)場合に、信号を検出したと判断し、受信開始信号を作動状態制御部757に送信する。さらに、受信開始判定部7543は、このときのRSSI値を受信レベルとして利得制御部756のAGC制御回路7561に出力する。このように、サンプル値の増加量が閾値を超えたことにより受信開始を判断することで、受信すべき信号と干渉信号とが混合して受信された場合でも、受信すべき信号を見落とすことがなくなり、受信開始を正確に判定することができる。これにより、本無線LAN端末75の省電力効果を一層高めることができる。
なお、上記基準値の作成回路は遅延回路81に限定されず、あるタイミングでRSSI信号のサンプル値を保持するようなサンプルホールド回路であっても構わない。また、受信開始判定部7543は、A/D変換器7542から出力された受信レベルが閾値(所定のレベル)以上であるか否かを判定し、閾値以上であれば受信開始信号を作動状態制御部757に出力するような簡易な構成であっても構わない。
デジタル復調部755は、2個のA/D変換器(ADC)7551a・7551bと、ベースバンド復調回路(BB復調回路)7552とを備える。A/D変換器7551aは、増幅回路7536aからのベースバンド信号をAD変換する。同様に、A/D変換器7551bは、増幅回路7536bからのベースバンド信号をAD変換する。ベースバンド復調回路7552は、A/D変換器7551aおよび7551bから出力されたデジタル信号から元のデータ(送信情報)を復調し、この復調データを上位層に出力する。また、ベースバンド復調回路7552は、信号(パケットデータ)の復調が完了すると、パケット終了信号を作動状態制御部757に送信する。
利得制御部756は、AGC制御回路7561と、D/A変換器(DAC)7562とを備える。AGC制御回路7561は、受信開始判定部7543から出力された受信レベルに基づいて、AGC回路7532を制御する。また、AGC制御回路7561は、AGC回路7532の制御が完了すると、AGC制御完了信号を作動状態制御部757に送信する。
作動状態制御部757は、詳細パラメータ実行部26から動作モード「ビーコン間隔一定」「ビーコン間隔可変」「パワーセーブ」を実行する旨の指示を受けて作動するものである。
作動状態制御部757は、動作クロック制御回路7571(デジタル作動制御部)と通電制御回路7572(通電制御部)とを備える。動作クロック制御回路7571は、受信開始判定部7543からの受信開始信号を受けて、デジタル復調部755および利得制御部756へ動作クロックを供給し、これら各部を作動させる。通電制御回路7572は、受信開始判定部7543の受信開始信号を受けて、中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、および増幅回路7536a・7536b)に通電し、これらの回路を作動させる。
また、通電制御回路7572は、上位層(物理層より上位の層)に設けられ、無線周波信号処理部752のデータ受信状態(受信間隔)を監視する受信状況監視部からのOSC制御信号に従って、中間周波用発振器(IFOSC)7531の通電(作動開始および停止)を制御する。
また、作動状態制御部757は、AGC制御回路7561からのAGC制御完了信号を受けて、信号検出部754(RSSI回路7541、ADC7542および受信開始判定部7543)の作動を制御する。すなわち、通電制御回路7572は、AGC制御完了信号を受けて、RSSI回路7541の通電を停止し、その作動を停止させる。また、動作クロック制御回路7571は、AGC制御完了信号を受けて、ADC7542および受信開始判定部7543への動作クロックの供給を停止し、これら各部の作動を停止させる。
さらに、作動状態制御部757は、ベースバンド復調回路7552からのパケット終了信号を受けて、中間周波信号処理部753の各回路、信号検出部754、デジタル復調部755および利得制御部756の動作を制御する。すなわち、動作クロック制御回路7571は、パケット終了信号を受けて、デジタル復調部755および利得制御部756への動作クロックの供給を停止し、これら各部の作動を停止させるとともに、ADC7542および受信開始判定部7543の動作クロックの供給を開始し、これらの作動を開始させる。また、通電制御回路7572は、パケット終了信号を受けて、中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、および増幅回路7536a・7536b)への通電を停止し、これらの回路の作動を停止させるとともに、RSSI回路7541への通電を開始し、これを作動させる。
以下に、本無線LAN端末75における受信部751各部の作動状態の制御工程を図45のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、本無線LAN端末75においては、データの受信を行っていない受信待機時に、無線周波信号処理部752、信号検出部754および作動状態制御部(低消費電力実行手段)757(動作クロック制御回路7571および通電制御回路7572)のみが動作し、アナログ部751aの中間周波信号処理部753、並びに、デジタル部751bの利得制御部756およびデジタル復調部755は動作していない。なお、アナログ部751aの中間周波用発振器7531は選択するモードによる。
すなわち、受信待機時には、通電制御回路7572が中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、および増幅回路7536a・7536b)への通電を停止しており、また、動作クロック制御回路7571がデジタル復調部755および利得制御部756への動作クロックの供給を停止している。このように、受信待機時に中間周波信号処理部753の各回路への通電を止めることで省電力化が可能となる。特に無線LAN端末においては受信待機状態が長いため、この省電力化の効果は大である。
なお、受信待機中にも無線周波信号処理部752および信号検出部754は動作しているため、無線LAN端末75は自装置への送信データ(パケット)を常時認識できる状態にある。
本無線LAN端末75では、この受信待機時に、IFOSC(中間周波用発振器)省電力モードを選択することができる(S1参照)。このIFOSC省電力モードは、(中間周波信号処理部753内の)中間周波用発振器7531を動作させないモードである。ここでは、通電制御回路7572が、受信状況監視部66(上位層)からのOSC制御信号に基づいて、中間周波用発振器7531への通電を停止させ、該中間周波用発振器7531の動作を停止させている。
以上から、受信待機時にIFOSC省電力モードを選択した場合、中間周波用発振器7531を含む中間周波信号処理部753全体、デジタル復調部755および利得制御部756がOFF(非作動)状態となり、無線周波信号処理部752および信号検出部754のみがON状態となる(S2参照)。このように、受信待機時に、電力消費の大きなIFOSC(中間周波用発振器)7531への通電を適宜停止することで、一層の省電力化が可能となる。
受信待機時に、IFOSC省電力モードを選択しなかった場合あるいはこれを終了(S3)した場合、中間周波用発振器7531以外の中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、および増幅回路7536a・7536b)、デジタル復調部755および利得制御部756がOFF(非作動)状態となり、中間周波用発振器7531並びに無線周波信号処理部752および信号検出部754がON(作動)状態となる(S4参照)。
ここで、無線周波信号処理部752を経て信号検出部754にて信号が検出される(S5)と、無線LAN端末75は、受信待機状態から受信状態に移行し、受信を開始する(S6)。このときの信号処理の流れ(S4〜S6)をより詳細に説明すると以下のとおりである。
アンテナ7521で受信された信号(無線周波信号)は、ローノイズアンプ7522によって増幅される。ローノイズアンプ(LNA)7522から出力された信号は、無線周波用ミキサ(RFミキサ)7524にて、無線周波用発振器(RFOSC)7523からの発振信号と混合される。これによって、ローノイズアンプ7522からの信号が中間周波信号にダウンコンバートされる。無線周波用ミキサ7524から出力された信号はバンドパスフィルタ7525に入力される。バンドパスフィルタ7525では無線周波用ミキサ7524からの信号に含まれる不要信号が除去される。
バンドパスフィルタ7525から出力された信号は受信強度検知部(RSSI回路)7541に入力される。RSSI回路7541は入力された信号のRSSI値(受信レベル)を検知する。A/D変換器7542は、RSSI回路7541で検知されたRSSI値をデジタル化し、受信開始判定部7543に出力する。ここで、RSSI値の増加量(先行RSSI値との差)が増加量閾値を超えた場合に、受信開始判定部7543は信号を検出したと判断し、(S5でyes)、受信開始信号を作動状態制御部757に出力する。これにより受信が開始される(S6)。
受信開始判定部7543からの受信開始信号を受けて、作動状態制御部757の通電制御回路7572は中間周波信号処理部753の各回路へ通電を開始し、動作クロック制御回路7571はデジタル復調部755および利得制御部756への動作クロックの供給を開始する。
これにより、それまでOFF(非動作)状態だった中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、増幅回路7536a・7536b)、デジタル復調部755および利得制御部756がON(作動)状態となる(S7参照)。なお、それまでON(作動)状態だった、無線周波信号処理部752、中間周波用発振器7531および信号検出部754は引き続きON(作動)状態のままである(S7参照)。
利得制御部756が通電(ON)状態になると、受信開始判定部7543は、(ADC7542から入力された)受信レベルをAGC制御回路7561に出力する。AGC制御回路7561はこの受信レベルに基づいて、DAC60を介してAGC回路7532を制御する。AGC回路7532の制御が完了すると(S8)、AGC制御回路7561は、AGC制御完了信号を作動状態制御部757に送信する。
これにより、受信時省電力モードに移行する(S9)。すなわち、AGC制御完了信号を受けて、動作クロック制御回路7571はADC7542および受信開始判定部7543の動作クロックの供給を停止する。また、通電制御回路7572は、RSSI回路7541の通電を停止する。これにより、信号検出部754の動作が停止し、無線周波信号処理部752、中間周波信号処理部753、デジタル復調部755および利得制御部756は動作を継続する。このように、信号受信中に(受信開始から受信終了までの間)、信号検出部754の動作を停止させておく(特に、RSSI回路7541の通電を止めておく)ことで、一層の省電力化が可能となる。
なお、この受信時省電力モードをデフォルトとすることが好ましいが、当該モードを選択しないことも可能である(S9)。この場合には、信号検出部754、無線周波信号処理部752、中間周波信号処理部753、デジタル復調部755および利得制御部756すべてがON状態となり、S7と同じ作動状態を継続する(S11)。
S10あるいはS11についで、パケットデータの復調が行われる(S12)。このS12における信号処理手順を説明すれば以下のとおりである。
S8でAGC制御回路7561によるAGC回路7532の制御が完了すると、バンドパスフィルタ7525から出力された信号はAGC回路7532で適切に利得(ゲイン)調整され、中間周波用ミキサ回路7533aと中間周波用ミキサ回路7533bとに分波出力される。
AGC回路7532から出力された一方の信号は、中間周波用ミキサ回路7533aにて、中間周波用発振器7531からの発振信号と混合される。これにより、中間周波用ミキサ回路7533aからベースバンド信号(同相成分)がLPF回路7535aへ出力される。LPF回路7535aでは不要な信号が除去される。LPF回路7535aからの信号は増幅回路7536aに入力され、増幅される。増幅回路7536aからの信号はデジタル復調部755のADC7551aに入力される。
また、AGC回路7532から出力された他方の信号は、中間周波用ミキサ回路7533bにて、中間周波用発振器7531からの発振信号をπ/2シフトさせた信号と混合される。これにより、中間周波用ミキサ回路7533bからのベースバンド信号(直交成分)がLPF回路7535bへ出力される。LPF回路7535bでは不要な信号が除去される。LPF回路7535bからの信号は増幅回路7536bに入力され、増幅される。増幅回路7536bからの信号はデジタル復調部755のADC7551bに入力される。
デジタル復調部755のベースバンド復調回路(BB復調回路)7552では、A/D変換器7551aおよびA/D変換器7551bからの信号に基づいて、無線LAN端末75に送信された信号(パケットデータ)が復調される。この復調されたデータ(復調データ)は上位層へ送信される。信号の復調が完了すると(S13)、ベースバンド復調回路7552は、パケット復調終了信号を作動状態制御部757に送信する。これにより無線LAN端末75は再び受信待機状態に移行する(S14)。
すなわち、ベースバンド復調回路7552からのパケット復調終了信号を受けて、作動状態制御部757の通電制御回路7572は、中間周波信号処理部753の各回路(AGC回路7532、IFミキサ回路7533a・7533b、LPF回路7535a・7535b、および増幅回路7536a・7536b)の通電を停止するとともに、信号検出部754のRSSI回路7541への通電を開始する。また、動作クロック制御回路7571はデジタル復調部755および利得制御部756への動作クロックの供給を停止するとともに、信号検出部754のADC7542および受信開始判定部7543の通電を開始する。
〔実施形態6〕
さらに、無線LAN端末(無線通信装置)の他の実施形態を図49に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態の無線LAN装置90は、上記実施形態と同様に、無線LANを用いて通信を行うものであり、動作モードが「ビーコン間隔一定」や「パワーセーブ」のときに一層省電力化を行う構成を有している。
同図に示されるように、本実施の形態に係る無線LAN端末90の受信部910は、無線周波信号処理部911(第1信号処理部)と、信号検出部913と、利得調整部912(第2信号処理部)と、デジタル復調部914(復調部)と、利得制御部915と、作動状態制御部916(低消費電力実行手段)とを備えるダイレクトコンバージョン構成である。
ここで、無線周波信号処理部911と、利得調整部912と、信号検出部913の一部(RSSI回路9131)とでアナログ部910aを構成しており、信号検出部913の一部(ADC9132・受信開始判定部9133)と、デジタル復調部914と、利得制御部915と、作動状態制御部916とでデジタル部910bを構成している。
無線周波信号処理部911は、アンテナ9111と、ローノイズアンプ(LNA)9112と、無線周波用発振器(RFOSC)9113と、2個の無線周波用ミキサ(RFミキサ)9114a・9114bと、2個のローパスフィルタ(LPF)9115a・9115bとを備える。アンテナ9111は、無線LAN端末90が(無線)接続されているLAN(ロカールエリアネットワーク)からの無線周波信号(RF信号)を受信する。ローノイズアンプ9112はアンテナ9111で受信した無線信号を低雑音にて増幅し、無線周波用ミキサ(RFミキサ)9114a・9114bに分波出力する。無線周波用発振器9113は、無線周波信号をベースバンド信号にダウンコンバートするための信号を発振する。無線周波用ミキサ9114aは、ローノイズアンプ9112から出力された一方の信号と、無線周波用発振器9113からの発振信号とを混合し、ベースバンド信号(同相成分)を出力する。無線周波用ミキサ9114bは、ローノイズアンプ9112から出力された他方の信号と、無線周波用発振器9113からの発振信号をπ/2シフトさせた信号とを混合し、ベースバンド信号(直交成分)を出力する。ローパスフィルタ9115aは、無線周波用ミキサ9114aから出力されたベースバンド信号(同相成分)から不要な信号を取り除き、目的の周波数信号を取り出す。ローパスフィルタ9115bは、無線周波用ミキサ9114bから出力されたベースバンド信号(直交成分)から不要な信号を取り除き、目的の周波数信号を取り出す。
利得調整部912は、AGC回路(オートゲインコントロール回路)9122(利得調整回路)と、2個の増幅回路(AMP回路)9126a・9126bとを備える。増幅回路9126aは、ローパスフィルタ回路9115aから出力され、不要な信号が除去されたベースバンド信号(同相成分)を増幅する。増幅回路9126bは、ローパスフィルタ回路9115bから出力され、不要な信号が除去されたベースバンド信号(直交成分)を増幅する。
信号検出部913は、アナログ部910aに属するRSSI回路9131(受信信号強度指標回路、受信強度検知部)と、デジタル部910bに属する、A/D変換器(ADC)9132および受信開始判定部9133とを備える。RSSI回路9131は、バンドパスフィルタ9115から出力された中間周波信号からRSSI信号を算出し、A/D変換器9132へ出力する。A/D変換器9132は、RSSI回路9131で検知されたRSSI信号をデジタル化し、受信開始判定部9133へ出力する。受信開始判定部9133の構成および受信開始の適否の判定は実施形態5と同様である(図46参照)。すなわち、RSSI回路9131からのRSSI値の増加量(受信強度検知部の検知結果)が増加量閾値を超えた(所定条件)場合に、信号を検出したと判断し、受信開始信号を作動状態制御部916に送信する。さらに、受信開始判定部9133は、このときのRSSI値を受信レベルとして利得制御部915に出力する。このように、サンプル値の増加量が閾値を超えたことにより受信開始を判断することにより、受信すべき信号と干渉信号とが混合して受信された場合でも、受信すべき信号を見落とすことはなくなり、受信開始を正確に判定することができる。
なお、上記基準値の作成回路は遅延回路に限定されず、あるタイミングでRSSI信号のサンプル値を保持するようなサンプルホールド回路であっても構わない。また、受信開始判定部9133は、A/D変換器9132から出力された受信レベルが閾値(所定のレベル)以上であるか否かを判定し、閾値以上であれば受信開始信号を作動状態制御部916に出力するような簡易な構成であっても構わない。
デジタル復調部914は、2個のA/D変換器(ADC)9141a・9141bと、ベースバンド復調回路(BB復調回路)9142とを備える。A/D変換器9141aは、増幅回路9126aからのベースバンド信号をAD変換する。同様に、A/D変換器9141bは、増幅回路9126bからのベースバンド信号をAD変換する。ベースバンド復調回路9142は、A/D変換器9141aおよび9141bから出力されたデジタル信号から元のデータ(送信情報)を復調し、この復調データを上位層に出力する。また、ベースバンド復調回路9142は、信号(パケットデータ)の復調が完了すると、パケット終了信号を作動状態制御部916に送信する。
利得制御部915は、AGC制御回路9151と、D/A変換器(DAC)9152とを備える。AGC制御回路9151は、受信開始判定部9133から出力された受信レベルに基づいて、AGC回路9122を制御する。また、AGC制御回路9151は、AGC回路9122の制御が完了すると、AGC制御完了信号を作動状態制御部916に送信する。
作動状態制御部916は、詳細パラメータ実行部26から動作モード「ビーコン間隔一定」「ビーコン間隔可変」「パワーセーブ」を実行する旨の指示を受けて作動するものである。
作動状態制御部916は、動作クロック制御回路9161(デジタル作動制御部)と通電制御回路9162(通電制御部)とを備える。動作クロック制御回路9161は、受信開始判定部9133からの受信開始信号を受けて、デジタル復調部914および利得制御部915へ動作クロックを供給し、これら各部を作動させる。通電制御回路9162は、受信開始判定部9133の受信開始信号を受けて、利得調整部912に通電し、これを作動させる。
また、作動状態制御部916は、AGC制御回路9151からのAGC制御完了信号を受けて、信号検出部913(RSSI回路9131、ADC9132および受信開始判定部9133)の動作を制御する。すなわち、通電制御回路9162は、AGC制御完了信号を受けて、RSSI回路9131の通電を停止し、その作動を停止させる。また、動作クロック制御回路9161は、AGC制御完了信号を受けて、ADC9132および受信開始判定部9133への動作クロックの供給を停止し、これらの作動を停止させる。
さらに、作動状態制御部916は、ベースバンド復調回路9142からのパケット終了信号を受けて、利得調整部912、信号検出部913、デジタル復調部914および利得制御部915の動作を制御する。すなわち、動作クロック制御回路9161は、パケット終了信号を受けて、デジタル復調部914および利得制御部915への動作クロックの供給を停止し、これら各部の作動を停止させるとともに、ADC9132および受信開始判定部9133の動作クロックの供給を開始し、これらの作動を開始させる。また、通電制御回路9162は、パケット終了信号を受けて、利得調整部912への通電を停止し、その作動を停止させるとともに、RSSI回路9131への通電を開始し、これを作動させる。
〔実施形態7〕
上記実施形態2〜4では、機器(情報処理装置)が電子装置、電力制御決定回路および無線伝送回路を全て備える構成とした。しかしながら、本発明はこの構成に限られない。
図47は、本実施形態の電子装置2、電力制御決定回路103および無線伝送回路5の組合せ構成を示すブロック図である。本実施形態では、アプリケーション実行部2a、システム部2bおよびバッテリー11を含む電子装置2と、電力制御決定回路103及び無線伝送回路5を含む無線モジュール8とが着脱可能に構成されている。すなわち、電子装置2および無線モジュール8は、それぞれ互いに接続するためのモジュールインターフェイス2Iおよび8Iを備えている。これらモジュールインターフェイス2Iおよび8Iを接続することで、電子装置2および無線モジュール8は、モジュール間インターフェイス信号を介して、送受信データ、エリア情報、バッテリー残量情報のやり取りを行うことができる。
なお、上記実施形態2において、バッテリー残量情報L−2および電波状況情報L−1は、システム部2bを介して、電力制御決定回路3に入力される構成であった。これに限らず、バッテリー残量情報L−2は、本実施形態のように、システムインターフェイス6を介さずバッテリー11から電力制御決定回路103に入力されてもよい。また、電波状況情報L−1は、本実施形態のように、システムインターフェイス6を介さず無線伝送回路5から電力制御決定回路103に入力されてもよい。この場合、システム部2bは、バッテリー残量や電波状況を表示しない。
また、本実施形態の無線モジュール8は、電力制御決定回路103の代わりに、電力制御決定回路3または203を備える構成であってもよい。また、無線伝送回路5の代わりに無線LAN端末75または無線LAN端末90を備えてもよい。
〔実施形態8〕
本実施形態は、電子装置2、電力制御決定回路103および無線伝送回路5の他の組合せ構成を有するものである。
図48は、本実施形態の電子装置2、電力制御決定回路103および無線伝送回路5の組合せ構成を示すブロック図である。本実施形態では、電子装置2、バッテリー11および電力制御決定回路103を含む電子制御装置9と、無線伝送回路5を含む無線モジュール8’とが着脱可能に構成されている。すなわち、電子制御装置9および無線モジュール8’は、それぞれ互いに接続するためのモジュールインターフェイス9Iおよび8Iを備えている。これらモジュールインターフェイス9Iおよび8Iを接続することで、電子制御装置9および無線モジュール8’は、モジュール間インターフェイス信号を介して、送受信データ、電波状況情報、電源のやり取りを行うことができる。
なお、本実施形態の電子制御装置9は、電力制御決定回路103の代わりに、電力制御決定回路3または203を備える構成であってもよい。また、無線モジュール8’は、無線伝送回路5の代わりに無線LAN端末75または無線LAN端末90を備えてもよい。
以上のように、本発明の一観点によれば、無線伝送回路と、一つ以上のアプリケーションと、前記無線伝送回路の使用環境から得られる情報に応じて、前記無線伝送回路に入力する制御信号を決定する電力制御決定回路と、を備えたことを特徴とする情報処理装置が提供される。
また、無線伝送回路と、一つ以上のアプリケーションと、前記アプリケーションの使用状態またはアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードから得られる情報のうち少なくとも一方に応じて、前記無線伝送回路に入力する制御信号を決定する電力制御決定回路と、を備えたことを特徴とする情報処理装置が提供される。これにより、使用環境を規定する複数の要素がある場合でも、電力制御に関する調整が可能になる。制御は、省電力かつアプリケーションにとって特に重要な問題が生じないように行われるのが好ましい。
前記アプリケーションが複数動作する期間において、各々のアプリケーションは、電力制御に関する、各々の優先度情報を備えることを特徴とする。これにより、複数のアプリケーションが動作する環境においても、省電力制御が可能となる。
前記電力供給情報がバッテリー駆動時のバッテリー残量を含み、予め決められたバッテリー残量より、その残量が少なくなった場合に、前記無線伝送回路に入力する制御信号は、この電力供給情報を最も優先して決定されることを特徴とする。
前記詳細パラメータの送信出力レベル制御から発生する信号によって、前記無線伝送回路の内部に配置された、パワーアンプを制御することを特徴とする。また、前記詳細パラメータの受信感度レベル制御から発生する信号によって、前記無線伝送回路の内部に配置された、低雑音アンプを制御することを特徴とする。送信パワーアンプまたは低雑音アンプにより、送信出力レベルまたは受信感度レベルの変化に対応可能である。また、前記アプリケーションは、そのアプリケーションの使用状態、そのアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードといった情報以外に、割り込み的に電力制御実行のタイミングを決定するコマンドを有することを特徴とする。前記コマンドは、前記無線伝送回路に関する送信回路及び/または受信回路への電源供給の切り替えに関連するコマンドと、送信出力レベル及び/または受信感度レベルの切り換えに関連するコマンドと、の少なくともいずれかを有していることを特徴とする。
コマンドを用いることにより、予め設定する制御モードと同様の処理を、ユーザの操作に応じて適宜行うことができる。制御モードとコマンドとの両者を使い分けることにより、より詳細に電力制御を行うことができる。
本発明の他の観点によれば、無線伝送回路と、複数のアプリケーションと、前記無線伝送回路への入力インターフェイスとして、複数のアプリケーションインターフェイスと、システムインターフェイスと、を有する電力制御決定回路を備えた情報処理装置であって、前記電力制御決定回路は、前記アプリケーションインターフェイスからの入力に基づいて、前記無線伝送回路の時間毎の制御モードを決定し、該制御モード及びシステムインターフェイスからの入力に基づいて、前記無線伝送回路の詳細パラメータ決定信号を決定することを特徴とする情報処理装置が提供される。
本発明の情報処理装置によれば、一つの機器、或いは相互に接続された複数の機器間で、一つまたはそれ以上のアプリケーションが動作する場合でも、適切な電力制御に関する調整を行うことが可能になる。制御モードは、アプリケーションが通信に対して要求する電力消費に関連する特性に応じて選択されるため、アプリケーションと通信との関係に応じて、省電力かつアプリケーションにとって特に重要な問題、例えばメールの欠落などが生じないように制御することができる。
本発明の他の観点によれば、情報処理装置は、通信装置と、一つ以上のアプリケーションを実行する電子装置と、前記電子装置からの第1の情報に応じて、前記通信装置に入力する制御信号を決定する制御装置と、を備える。
上記の構成によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。また、通信装置は、前記電子装置からの第1の情報(例えば、アプリケーションが起動しているか否かを示す情報)に応じて制御装置により制御されるため、異なる電子装置にも対応できるように高い汎用性を保つことができる。これにより、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、その使用環境に応じた最適な低消費の電力動作を実現することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御装置は、更に、前記通信装置からの第2の情報に応じて、前記通信装置に入力する制御信号を決定する。
上記の構成によれば、制御装置は、通信装置からの第2の情報(例えば、通信路の状態を示す情報)に応じた最適の制御を通信装置に対して行うことができる。
また、本発明の情報処理装置は、通信装置と、一つ以上のアプリケーションを実行する電子装置と、前記通信装置からの第2の情報に応じて、前記通信装置に入力する制御信号を決定する制御装置と、を備えた。
上記の構成によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。また、通信装置は、第2の情報(例えば、通信路の状態を示す情報)に応じて制御装置により制御される。これにより、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、その使用環境に応じた最適な低消費の電力動作を実現することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御装置は、更に、前記電子装置からの第1の情報に応じて、前記通信装置に入力する制御信号を決定する。
上記の構成によれば、制御装置は、電子装置からの第1の情報(例えば、アプリケーションが起動しているか否かを示す情報)に応じた最適の制御を通信装置に対して行うことができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記第1の情報は、アプリケーションの使用状態またはアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードの少なくとも一方から得られる情報を含む。
ここで、アプリケーションの使用状態とは、例えば、該アプリケーションが起動されているか否かを示すものや、該アプリケーションにおいて特定の処理が起動しているか否かを示すものである。該アプリケーションにおいて特定の処理が起動しているか否かを示すものとしては、例えば、アプリケーションがウエブ閲覧ソフトの場合、ホームページのデータをダウンロードしている時が「使用状態」であり、ユーザがダウンロードしたホームページを閲覧している時が「使用状態でない」である。
また、制御モードとは、電力制御に関する制御動作を示すものであり、例えば、予めデータを受信するタイミングを設定し、該タイミングまで省電力状態を維持する予約受信制御モード、所定時間データの送受信がない場合、省電力状態に移行する電源オフモード、所定時間データの送受信がない場合、ビーコン信号を受信する間隔を広げるビーコン間隔可変モードなどである。
上記の構成によれば、アプリケーションの使用状態または制御モードに応じて、通信装置を制御することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記第2の情報は、通信装置の使用環境から得られる情報を含む。
通信装置の使用環境から得られる情報とは、例えば、通信路の状態を示す情報や、通信装置における電力供給量を示す情報である。
上記の構成によれば、通信装置の使用環境から得られる情報に応じて、通信装置を制御することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置の使用環境から得られる情報は、前記通信装置に供給する電力を示す電力供給情報、現在の通信路状態を示す通信路情報の少なくとも一つから選択される情報である。
上記の構成によれば、電力供給情報または通信路情報に応じて、該通信装置を制御することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置が無線通信装置である。無線通信装置は電力消費量が比較的多い。そのため、制御装置による省電力効果が大きくなる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置の使用環境から得られる情報は、前記通信装置に供給する電力を示す電力供給情報、現在の通信路状態を示す通信路情報、前記通信装置における電波環境を示すエリア情報の少なくとも一つから選択される情報である。
上記の構成によれば、電力供給情報、通信路情報またはエリア情報に応じて、該通信装置を制御することができる。なお、通信路情報は、通信装置が無線通信装置であるため、例えば、電波の状況を示す電波状況情報である。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記アプリケーションが複数あり、前記アプリケーションが複数動作する期間において、前記制御装置は、各々のアプリケーションから電力制御に関する優先度情報を取得し、取得した優先度情報を基に前記通信装置に対する制御信号を決定する。
上記の構成によれば、複数のアプリケーションが動作する環境においても、省電力制御が可能となる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置の使用環境から得られる情報は、その変化に伴って、前記制御装置にフィードバックされ、前記制御装置は、このフィードバックされた情報に基づいて、前記通信装置に対する制御信号を更新する。
上記の構成によれば、通信装置の使用環境から得られる情報は、その変化に伴って、制御装置にフィードバックされる。そのため、制御装置は、通信装置における最新の使用環境に応じた省電力制御を行うことができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記電力供給情報がバッテリー駆動時のバッテリー残量を含み、予め決められたバッテリー残量より、その残量が少なくなった場合に、前記通信装置に入力する制御信号は、この電力供給情報を最も優先して決定される。
上記の構成によれば、予め決められたバッテリー残量より、その残量が少なくなった場合、バッテリー残量に合わせた最適の省電力制御を行うことができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御モードは、そのアプリケーションが前記通信装置に対して要求する電力制御に関する情報に応じて選択される。
上記の構成によれば、アプリケーションが前記通信装置に対して要求する電力制御に応じて、該通信装置を制御することができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置に入力する制御信号は、当該通信装置の、少なくとも、送信出力レベル制御、受信感度レベル制御、及び電源制御を含む詳細パラメータを決定する信号である。
上記の構成によれば、制御装置は、通信装置における送信出力レベル制御、受信感度レベル制御、及び電源制御を行うことができる。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記詳細パラメータの電源制御から発生する信号によって、前記通信装置の内部に配置された、送信回路及または受信回路のうち少なくともいずれか一方の供給電源を制御する。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記詳細パラメータの送信出力レベル制御から発生する信号によって、前記通信装置の内部に配置された、パワーアンプを制御する。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記詳細パラメータの受信感度レベル制御から発生する信号によって、前記通信装置の内部に配置された、低雑音アンプを制御することを特徴としている。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記アプリケーションは、そのアプリケーションの使用状態、そのアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードといった情報以外に、割り込み的に電力制御実行のタイミングを決定するコマンドを有し、前記制御装置は、前記コマンドを基に、前記詳細パラメータを決定する。
さらに、本発明の情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記コマンドは、前記通信装置に関する電源のオン/オフに関するコマンドと、送信出力レベル及び/または受信感度レベルの切り換えに関連するコマンドと、の少なくともいずれかを有している。
上記の構成によれば、コマンドを用いることにより、予め設定する制御モードと同様の処理を、ユーザの操作に応じて適宜行うことができる。したがって、制御モードとコマンドとの両者を使い分けることにより、より詳細に省電力制御を行うことができる。
また、本発明の情報処理装置は、通信装置と、該通信装置を用いて通信を行う一つ以上のアプリケーションを実行する電子装置と、前記通信装置を制御する制御装置とを有する情報処理装置であって、さらに、前記制御装置に対して、前記アプリケーションの使用状態またはアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードから得られる情報のうち少なくとも一方を入力するアプリケーションインターフェイスと、前記制御装置に対して、前記通信装置の使用環境から得られる情報を入力するシステムインターフェイスとを備え、前記制御装置は、前記アプリケーションインターフェイスからの入力に基づいて、前記通信装置の時間毎の制御方式を示す中間処理信号を決定し、該中間処理信号及びシステムインターフェイスからの入力に基づいて、前記通信装置を制御するための詳細パラメータを決定する。
また、本発明の電力制御方法は、通信装置と、該通信装置を用いて通信を行う一つ以上のアプリケーションを実行する電子装置とを有する情報処理装置における電力制御方法であって、前記アプリケーションの使用状態またはアプリケーション毎に決められた電力制御に関する制御モードから得られる情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記通信装置の時間毎の制御方式を示す中間処理信号を決定するステップと、該中間処理信号及び前記通信装置の使用環境から得られる情報に基づいて、前記通信装置を制御するステップとを有する。
上記の構成または方法によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。また、通信装置は、通信装置の使用環境、アプリケーションの使用状態または制御モードに応じて、制御装置により制御される。これにより、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、その使用環境に応じた最適な低消費の電力動作を実現することができる。
また、本発明の電力制御方法は、通信装置を搭載するとともに、一つ以上のアプリケーションを実行することができる情報処理装置における電力制御方法であって、動作中のアプリケーションの中で、設定された優先度が最も高いアプリケーションの動作モードをその動作期間における前記通信装置の制御方式として決定する第1ステップと、該第1ステップにおいて決定された前記制御方式と、少なくとも通信路状態を含む情報とを基に、前記制御方式に対応する動作モードと、送信出力レベルと、受信感度レベルと、を含む詳細パラメータを前記通信装置に出力する第2ステップとを有する。
上記の方法によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。また、通信装置は、動作中のアプリケーションにおける設定された優先度、および、通信路状態を基に、動作モードと送信出力レベルと受信感度レベルとが決定される。これにより、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、その使用環境に応じた最適な低消費の電力動作を実現することができる。
また、本発明の情報処理システムは、上記情報処理装置を複数含み、該情報処理装置同士が互いに通信可能な状態にある場合に、第1の情報処理装置が備える通信装置を制御するために制御装置が決定した詳細パラメータに含まれる予約周期及び予約サイズが、第1と異なる第2の情報処理装置の予約周期及び予約サイズを決定してなる。
上記の構成によれば、第1の情報処理装置が備える通信装置を制御するために制御装置は、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との予約周期及び予約サイズを決定する。よって、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とは、同じ予約周期及び予約サイズとなる。例えば、第1の情報処理装置が子機であり、第2の情報処理装置がその親機であるとする。この場合、子機は、親機および自身に対して、同じ予約周期及び予約サイズを設定することができる。
なお、上記各ステップを、電力制御プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記電力制御プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記電力制御プログラムを実行させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記実施形態のプロファイルコントローラ100または電力制御決定回路3・103・203の各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェイス回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のプロファイルコントローラ100または電力制御決定回路3の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
以下、本発明の制御装置を備えた情報処理装置、当該情報処理装置に備えられる電子装置、通信装置などについて説明する。
上記情報処理装置は、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、前記電子装置から前記アプリケーションの使用状態および前記アプリケーション毎に予め決められた電力制御情報を取得し、取得した使用状態および電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段を備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
ここで、電力制御情報とは、例えば、無線通信装置における送受信動作を示す制御モード、送信周期、受信周期、送信レートおよび受信レートである。
上記の構成によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。
また、低消費電力設定手段が、電子装置から取得した使用状態および電力制御情報を基に、低消費電力設定を決定する。そして、無線通信装置の低消費電力実行手段は、該低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う。そのため、無線通信装置は、動作中のアプリケーションに適した低消費電力制御を行うことができる。これにより、アプリケーションの動作に支障を起こさない範囲で最大の省電力化を図ることができる。
なお、情報処理装置は、移動される頻度の高い携帯型の情報処理装置(携帯端末)および設置場所が通常固定されている固定型の情報処理装置のいずれも含む。ただし、携帯型の装置は、バッテリーを搭載しているものが多く、より省電力化する必要性が高い。そのため、本発明は、携帯型の情報処理装置により有用である。
また、電子装置が実行するアプリケーションの数は特に限定されない。一つでもよく、複数でもよい。ただし、上記低消費電力設定手段は、アプリケーションの使用状態を基に低消費電力設定を決定するため、アプリケーションが複数であっても、そのうちの動作中のアプリケーションのみに応じた低消費電力設定を決定することができる。
また、上記情報処理装置は、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、(a)前記電子装置が前記無線通信装置を用いて送受信する送受信データに含まれるアプリケーションの識別情報と該アプリケーションに予め決められた電力制御情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶部と、(b)前記無線通信装置で送受信されている送受信データの前記識別情報に対応する電力制御情報を識別情報記憶部から読み出す電力制御情報読み出し手段と、(c)前記電力制御情報読み出し手段が読み出した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段とを備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、アプリケーションは、通信装置の電力制御をするためのプログラムを特別に備える必要がなくなる。
また、電力制御情報読み出し手段は、無線通信装置で送受信されている送受信データの識別情報に対応する電力制御情報を識別情報記憶部から読み出す。よって、電力制御情報読み出し手段は、データ送受信を行っている起動中のアプリケーションに対応する電力制御情報を読み出すこととなる。そして、低消費電力設定手段が電力制御情報読み出し手段が読み出した電力制御情報を基に低消費電力設定を決定し、無線通信装置の低消費電力実行手段が該低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う。そのため、無線通信装置は、動作中のアプリケーションに適した低消費電力制御を行うことができる。これにより、アプリケーションの動作に支障を起こさない範囲で最大の省電力化を図ることができる。
なお、情報処理装置は、移動される頻度の高い携帯型の情報処理装置(携帯端末)および設置場所が通常固定されている固定型の情報処理装置のいずれも含む。ただし、携帯型の装置は、バッテリーを搭載しているものが多く、より省電力化する必要性が高い。そのため、本発明は、携帯型の情報処理装置により有用である。
また、電子装置が実行するアプリケーションの数は特に限定されない。一つでもよく、複数でもよい。ただし、上記低消費電力設定指示手段は、アプリケーションの使用状態を基に低消費電力設定を決定するため、アプリケーションが複数であっても、そのうちの動作中のアプリケーションのみに応じた低消費電力設定を決定することができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記低消費電力設定手段が決定する低消費電力設定は、前記無線通信装置におけるデータの送受信動作を制御するための送受信動作パラメータを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、無線通信装置は、送受信動作パラメータに従って、データの送受信動作を行う。データの送受信動作とは、例えば、所定の周期でビーコン信号を受信する動作や、データ受信の期間を予め設定しておく動作である。これにより、無線通信装置は、動作中のアプリケーションに最低限必要な送受信動作を行うだけでよく、一層の省電力化をことができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記送受信動作パラメータは、前記無線通信装置における送受信動作モード、ビーコン受信間隔、データ送受信期間のうち少なくとも一つを含むことを特徴としている。
ここで、送受信動作モードとは、例えば、所定の期間だけデータ送受信を行うモードであり、データ送受信に関する動作モードである。
また、データ送受信期間とは、データを送受信する期間である。例えば、ある周期に所定の期間だけデータ送受信を行う場合、データ送受信期間は、予約周期および予約サイズにより設定される。
上記の構成によれば、無線通信装置は、動作中のアプリケーションに適しており、かつ、低消費電力である、送受信動作モード、ビーコン受信間隔、データ送受信期間に従って、データ送受信を行う。これにより、アプリケーションの動作に影響を与えることなく、省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記無線通信装置は、データ送信を行う送信部と、データ受信を行う受信部とを備え、前記制御装置は、無線通信装置の使用環境に関する使用環境情報を基に、前記送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を決定する電力供給量決定手段を備え、前記低消費電力実行手段は、前記電力供給量決定手段が決定した設定電力供給量に従って、前記送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を制御することを特徴としている。
ここで、無線通信装置の使用環境とは、例えば、無線通信装置が受信する電波状況や無線通信装置に対する電力供給量である。
上記の構成によれば、電力供給量決定手段は、無線通信装置の使用環境に応じた送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を設定することができる。これにより、無線通信装置は、自身の使用環境に応じた省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記無線通信装置は、データ送信を行う送信部と、データ受信を行う受信部とを備え、低消費電力設定手段は、前記送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を決定し、前記低消費電力実行手段は、前記低消費電力設定手段が決定した設定電力供給量に従って、前記送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、低消費電力設定手段は、動作中のアプリケーションに応じた送信部および前記受信部の少なくとも一方に対する電力供給量を設定することができる。これにより、無線通信装置は、動作中のアプリケーションに省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記送信部が、送信データの信号を増幅させる送信信号増幅手段を備えており、前記設定電力供給量が前記送信信号増幅手段に対して設定された電力供給量であることを特徴としている。
上記の構成によれば、動作中のアプリケーション、または、無線通信装置の使用環境に応じて送信信号増幅手段に対する必要最小限の電力供給量を提供することができ、省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記受信部が、受信データの信号を増幅させる受信信号増幅手段を備えており、前記設定電力供給量が前記受信信号増幅手段に対して設定された電力供給量であることを特徴としている。
上記の構成によれば、動作中のアプリケーション、または、無線通信装置の使用環境に応じて受信信号増幅手段に対する必要最小限の電力供給量を提供することができ、省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記送信部が、アンテナを介して送信データを出力する送信回路を備えており、前記受信部が、アンテナを介して受信データを受ける受信回路を備えており、前記設定電力供給量が、前記送信回路および前記受信回路に対して設定された電力供給量であることを特徴としている。
上記の構成によれば、動作中のアプリケーション、または、無線通信装置の使用環境に応じて送信回路および前記受信回路に対する必要最小限の電力供給量を提供することができ、省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御装置は、前記無線通信装置の電波状況を示す電波状況情報を取得し、取得した電波状況情報が予め定められた値より高い場合、前記無線通信装置への電力供給量を下げることを特徴としている。
上記の構成によれば、無線通信装置の電波状況に応じて、無線通信回路の電力供給量を下げることができ、一層の省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御装置は、前記無線通信装置に対するバッテリー残量を示すバッテリー残量情報を取得し、取得したバッテリー残量情報が予め定められた閾値Aより小さい場合、前記無線通信装置への電力供給量を下げるか、又は、前記無線通信装置の送信出力レベルを下げることを特徴としている。
上記の構成によれば、無線通信装置のバッテリー残量に応じて、無線通信回路の電力供給量を下げるか、又は、前記無線通信装置の送信出力レベルを下げることができ、一層の省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記制御装置は、前記閾値Aより小さく定められた閾値Bよりも前記バッテリー残量情報が小さい場合、前記無線通信装置の電源をオフにすることを特徴としている。
上記の構成によれば、バッテリー残量と閾値Aおよび閾値Bとの大小関係に応じて、段階的に無線通信装置の消費電力を制御できる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記アプリケーションが複数であり、前記電力制御情報には、各アプリケーションの優先度が付加されており、
前記制御装置は、複数のアプリケーションの各々に対応する前記電力制御情報を取得し、取得した電力制御情報の中で最も優先度の高い電力制御情報を選択する制御モード決定手段を備え、
前記低消費電力設定手段は、前記制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、前記低消費電力設定を決定することを特徴としている。
上記の構成によれば、低消費電力設定手段は、複数のアプリケーションの中で、優先度の高いアプリケーションに応じた低消費電力設定を決定することができる。これにより、優先度の高いアプリケーションの動作に影響を与えることなく省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記無線通信装置は、受信した無線周波信号をより低周波の信号に変換する第1信号処理部と、上記無線周波信号の信号強度を検知する受信強度検知部と、上記第1信号処理部からの信号に復調精度を高める処理を施す第2信号処理部と、該第2信号処理部からの信号を復調する復調部とを備え、前記低消費電力実行手段は、上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、第2信号処理部の各回路の通電を制御することを特徴としている。
上記構成によれば、第1信号処理部で受信された無線周波信号は、該第1信号処理部にてより低周波の信号(例えば、ベースバンド信号)に変換される。一方、受信強度検知部は受信された無線周波信号の信号強度を検知する。
第1信号処理部から出力された信号には、第2信号処理部にて復調精度を高める処理(例えば、AGC制御や増幅)がなされる。そして、第2信号処理部から出力された信号は、復調部にて送信された情報に復調される。
ここで、低消費電力実行手段は上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、第2信号処理部の各回路の通電を制御する。例えば、受信強度検知部の検知結果が所定の条件をクリアするまで第2信号処理部に通電を止めておく。この結果、受信すべき(復調可能な)信号が来るまでの間(受信待機時)の第2信号処理部での電力浪費を大幅に低減させることができる。これにより、無線通信装置の省電力化を実現することができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、上記第2信号処理部は、第1信号処理部からの信号に利得調整を行う利得調整回路と、該利得調整回路からの信号を増幅する増幅回路とを備え、前記低消費電力実行手段は、上記検知結果が所定条件を満たさない状態では利得調整回路および増幅回路への通電を止めておき、上記検知結果が所定条件を満たせば利得調整回路および増幅回路への通電を開始することを特徴としている。
上記構成によれば、第1信号処理部からの信号には、第2信号処理部の利得調整回路および増幅回路により、利得調整処理(例えば、オートゲインコントロール)および増幅処理がなされる。ここで、低消費電力実行手段は上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、利得調整回路および増幅回路の通電を制御する。すなわち、受信強度検知部の検知結果が所定の条件をクリアするまで利得調整回路および増幅回路の通電を止めておく。この結果、受信すべき(復調可能な)信号が来るまでの間(受信待機時)の利得調整回路および増幅回路での電力浪費をなくすことができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記無線通信装置は、受信した無線周波信号をより低周波の信号に変換する無線周波信号処理部と、上記無線周波信号の信号強度を検知する受信強度検知部と、上記無線周波信号処理部からの信号をさらに低周波の信号に変換する中間周波信号処理部と、該中間周波信号処理部からの信号を復調する復調部とを備え、前記低消費電力実行手段は、上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、中間周波信号処理部の各回路の通電を制御することを特徴としている。
上記構成によれば、無線周波信号処理部で受信された無線周波信号は、該無線周波信号処理部にてより低周波の信号(例えば、中間周波数信号)に変換される。さらに、無線周波信号処理部からの信号は、中間周波信号処理部にてより低周波の信号(例えば、ベースバンド信号)に変換される。一方、受信強度検知部は受信された無線周波信号の信号強度を検知する。中間周波信号処理部から出力された信号は、復調部に入力され、送信された情報に復調される。
ここで、低消費電力実行手段は上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、中間周波信号処理部の各回路の通電を制御する。例えば、受信強度検知部の検知結果が所定の条件をクリアするまで中間周波信号処理部に通電を止めておく。この結果、受信すべき(復調可能な)信号が来るまでの間(受信待機時)の中間周波信号処理部での電力浪費を大幅に低減させることができる。これにより、無線通信装置の省電力化を実現することができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、上記中間周波信号処理部は、発振器と、該発振器からの信号および上記無線周波信号処理部からの信号を混合するミキサ回路とをさらに備えており、前記低消費電力実行手段は、上記検知結果が所定条件を満たさない状態では上記ミキサ回路への通電を止めておき、上記検知結果が所定条件を満たせばミキサ回路への通電を開始することを特徴としている。
上記構成によれば、無線周波信号処理部からの信号は、中間周波信号処理部のミキサ回路にて発振器からの信号と混合され、より低周波の信号(例えば、ベースバンド信号)に変換される。ここで、上記低消費電力実行手段は上記受信強度検知部の検知結果に基づいて、ミキサ回路への通電を制御する。すなわち、受信強度検知部の検知結果が所定の条件をクリアするまでミキサ回路への通電を止めておく。この結果、受信すべき(復調可能な)信号が来るまでの間(受信待機時)のミキサ回路での電力浪費をなくすことができる。
また、上記情報処理装置は、上記の課題を解決するために、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記電子装置は、ユーザからの指示を取得するユーザ入力手段を備え、
前記無線通信装置は、データ送信を行う送信部と、データ受信を行う受信部とを備え、
前記制御装置は、(a)前記アプリケーションの使用状態、および、前記アプリケーション毎に予め決められ、優先度が付加された電力制御情報を前記電子装置から取得し、前記使用状態が使用中であり、かつ、最も優先度の高いアプリケーションに対応する電力制御情報を選択する制御モード決定手段と、(b)前記制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における送受信動作を制御するための送受信動作パラメータを決定する送受信動作パラメータ決定手段と、(c)前記無線通信装置の使用環境に関する使用環境情報、前記ユーザ入力手段が取得した指示、および前記送受信動作パラメータ決定手段が決定した送受信動作パラメータのうち少なくとも一つを基に、前記送信部および前記受信部の少なくとも一つに対する電力供給量を制御するための電力制御パラメータを決定する電力制御パラメータ決定手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、送受信動作パラメータ決定手段は、制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、無線通信装置における送受信動作を制御するための送受信動作パラメータを決定する。そのため、動作中であり、かつ、優先度の高いアプリケーションに応じた送受信動作パラメータを決定することができる。
また、電力制御パラメータ決定手段は、使用環境情報、ユーザからの指示および送受信動作パラメータのうち少なくとも一つを基に、電力制御パラメータを決定する。そのため、使用環境情報、指示および送受信動作パラメータのいずれかに応じた電力制御パラメータを決定することができる。
また、上記情報処理装置は、上記の課題を解決するために、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記電子装置は、ユーザからの指示を取得するユーザ入力手段を備え、
前記無線通信装置は、データ送信を行う送信部と、データ受信を行う受信部とを備え、
前記制御装置は、(a)前記アプリケーションの使用状態、および、前記アプリケーション毎に予め決められた電力制御情報を前記電子装置から取得し、前記使用状態が使用中であるアプリケーションから取得した電力制御情報の組み合わせを基に、優先すべき一つの電力制御情報を選択する制御モード決定手段と、(b)前記制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における送受信動作を制御するための送受信動作パラメータを決定する送受信動作パラメータ決定手段と、(c)前記無線通信装置の使用環境に関する使用環境情報、前記ユーザ入力手段が取得した指示、および前記送受信動作パラメータ決定手段が決定した送受信動作パラメータのうち少なくとも一つを基に、前記送信部および前記受信部の少なくとも一つに対する電力供給量を制御するための電力制御パラメータを決定する電力制御パラメータ決定手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、電子装置が電力制御情報に優先度を付加する必要がないとともに、動作中であり、かつ、優先すべきアプリケーションに応じた送受信動作パラメータを決定することができる。
また、上記情報処理装置は、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記電子装置は、ユーザからの指示を取得するユーザ入力手段を備え、
前記無線通信装置は、データ送信を行う送信部と、データ受信を行う受信部とを備え、
前記制御装置は、(a)前記電子装置が前記無線通信装置を用いて送受信する送受信データに含まれるアプリケーションの識別情報と、該アプリケーションに対して予め決められた電力制御情報および優先度とを対応付けて記憶する識別情報記憶部と、(b)前記無線通信装置で送受信されている送受信データの前記識別情報に対応する電力制御情報および優先度を読み出す電力制御情報読み出し手段と、(c)前記電力制御情報読み出し手段が読み出した電力制御情報の組み合わせを基に、優先すべき一つの電力制御情報を選択する制御モード決定手段と、(d)前記制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における送受信動作に関する送受信動作パラメータを決定する送受信動作パラメータ決定手段と、(e)前記無線通信装置の使用環境に関する使用環境情報、前記ユーザ入力手段が取得した指示情報および前記送受信動作パラメータ決定手段が決定した送受信動作パラメータのうち少なくとも一つを基に、前記送信部および前記受信部の少なくとも一つに対する電力供給量を制御するための電力制御パラメータを決定する電力制御パラメータ決定手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、電力制御情報読み出し手段は、無線通信装置で送受信されている送受信データの識別情報に対応する電力制御情報および優先度を識別情報記憶部から読み出す。よって、電力制御情報読み出し手段は、データ送受信を行っている起動中のアプリケーションに対応する電力制御情報を読み出すこととなる。
そして、制御モード決定手段が優先すべき電力制御情報を選択し、送受信動作パラメータ決定手段は、制御モード決定手段が選択した電力制御情報を基に、無線通信装置における送受信動作を制御するための送受信動作パラメータを決定する。そのため、動作中であり、かつ、優先すべきアプリケーションに応じた送受信動作パラメータを決定することができる。これにより、アプリケーションの動作に支障を起こさない範囲で最大の省電力化を図ることができる。
また、電力制御パラメータ決定手段は、使用環境情報、ユーザからの指示および送受信動作パラメータのうち少なくとも一つを基に、電力制御パラメータを決定する。そのため、使用環境情報、指示および送受信動作パラメータのいずれかに応じた電力制御パラメータを決定することができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記アプリケーションが、電子メールの受信を行うメール受信アプリケーション、インターネットプロトコルを用いて通話するIP電話アプリケーション、ウェブ閲覧アプリケーションの少なくとも一つを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、メール受信アプリケーション、インターネットプロトコルを用いて通話するIP電話アプリケーションおよびウェブ閲覧アプリケーションに適した無線通信装置の省電力化を図ることができる。
また、上記情報処理装置は、無線通信装置と、該無線通信装置を介して、音声データの送受信を行うIP電話アプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、前記IP電話アプリケーションが実行中であるときに、音声データを送受信するデータ送受信期間を予め設定し、
前記無線通信装置は、前記制御装置が設定したデータ送受信期間を除く期間に、データ送信を行う送信部およびデータ受信を行う受信部に対する電力供給量を下げることを特徴としている。
上記の構成によれば、通話中であっても、データ送受信期間以外の期間において消費電力を下げることができ、一層の省電力化を図ることができる。
さらに、上記情報処理装置は、上記の構成に加えて、前記無線通信装置が無線LANを用いて通信を行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、制御装置は、無線LANに適した電力制御を行うことができる。
また、上記情報処理装置は、無線LANを用いて通信を行う無線通信装置と、該無線通信装置を介して電子メールの受信を行う電子メールアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、前記電子メールアプリケーションが実行中であるときに、電子メールの有無を確認する期間を設定し、
前記無線通信装置は、前記制御装置が設定した期間に自身に対する電子メールの有無を確認し、電子メールがない場合、電子メールの受信を行う受信部に対する電力供給量を下げ、電子メールがある場合には電子メールの受信後に、前記受信部に対する電力供給量を下げることを特徴としている。
上記の構成によれば、電子メールを有無の確認時および電子メールの受信時以外の期間において消費電力を下げることができ、一層の省電力化を図ることができる。
また、上記情報処理装置は、無線LANを用いて通信を行う無線通信装置と、該無線通信装置を介してWebページの閲覧を行うWeb閲覧アプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、前記Web閲覧アプリケーションが実行中であり、かつ、前記無線通信装置がデータの送受信をしていない場合、前記無線通信装置に対する電力供給量を下げることを特徴としている。
上記の構成によれば、単にWebページを閲覧しているだけであり、データ送受信をしていない場合、消費電力を下げることができ、一層の省電力化を図ることができる。
また、本発明の無線モジュールは、無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置に装着され、かつ、該無線通信装置と、無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた無線モジュールであって、
前記制御装置は、前記アプリケーションの使用状態および前記アプリケーション毎に決められた電力制御情報を基に、動作中のアプリケーションに応じた低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段を備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の無線モジュールは、無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置に装着され、かつ、該無線通信装置と、無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた無線モジュールであって、
前記制御装置は、(a)前記電子装置が前記無線通信装置を用いて送受信する送受信データに含まれるアプリケーションの識別情報と該アプリケーションに予め決められた電力制御情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶部と、(b)前記無線通信装置で送受信されている送受信データの前記識別情報に対応する電力制御情報を識別情報記憶部から読み出す電力制御情報読み出し手段と、(c)前記電力制御情報読み出し手段が読み出した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段とを備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、動作中のアプリケーションに応じた省電力化を図ることができる無線モジュールを提供することができる。
また、本発明の電子制御装置は、無線通信装置が着脱可能であり、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備える電子制御装置であって、
前記制御装置は、前記アプリケーションの使用状態および前記アプリケーション毎に決められた電力制御情報を基に、動作中のアプリケーションに応じた低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段を備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の電子制御装置は、無線通信装置が着脱可能であり、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備える電子制御装置であって、
前記制御装置は、(a)前記電子装置が前記無線通信装置を用いて送受信する送受信データに含まれるアプリケーションの識別情報と該アプリケーションに予め決められた電力制御情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶部と、(b)前記無線通信装置で送受信されている送受信データの前記識別情報に対応する電力制御情報を識別情報記憶部から読み出す電力制御情報読み出し手段と、(c)前記電力制御情報読み出し手段が読み出した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する低消費電力設定手段とを備え、
前記無線通信装置は、前記低消費電力設定手段により決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う低消費電力実行手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、動作中のアプリケーションに応じた省電力化を図ることができる電子制御装置を提供することができる。
また、本発明の電力制御方法は、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置の電力制御方法であって、
前記制御装置が前記電子装置から前記アプリケーションの使用状態および前記アプリケーション毎に予め決められた電力制御情報を取得する取得ステップと、
前記制御装置が前記取得ステップで取得した使用状態および電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する決定ステップと、
前記無線通信装置が前記決定ステップで決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う制御ステップとを有することを特徴としている。
また、本発明の電力制御方法は、無線通信装置と、該無線通信装置を用いてデータの送受信を行うアプリケーションを実行する電子装置と、前記無線通信装置における消費電力を制御する制御装置とを備えた情報処理装置の電力制御方法であって、
前記制御装置は、前記電子装置が前記無線通信装置を用いて送受信する送受信データに含まれるアプリケーションの識別情報と該アプリケーションに予め決められた電力制御情報とを対応付けて記憶する識別情報記憶部を備え、
前記制御装置が前記無線通信装置で送受信されている送受信データの前記識別情報に対応する電力制御情報を識別情報記憶部から読み出す読み出しステップと、
前記制御装置が前記読み出しステップで読み出した電力制御情報を基に、前記無線通信装置における低消費電力設定を決定する決定ステップと、
前記無線通信装置が前記決定ステップで決定された低消費電力設定に従って低消費電力制御を行う制御ステップとを有することを特徴としている。
上記の方法によれば、動作中のアプリケーションに応じた省電力化を図ることができる。
また、本発明の情報処理装置の電力制御プログラムは、上記電力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴としている。
また、本発明の記録媒体は、上記電力制御プログラムがコンピュータに読み取り可能に格納されていることを特徴としている。
本発明の制御装置は、上記の課題を解決するために、通信装置と、該通信装置を用いて通信を行う電子装置と、を制御する制御装置であって、前記電子装置からの第1の情報と前記通信装置からの第2の情報とを取得し、前記第1の情報と前記第2の情報とのうち少なくとも一方に基づいて、前記通信装置を制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、通信装置と電子装置とは別に、通信装置を制御する制御装置を設けることとなる。そのため、電子装置は、通信装置の電力制御をするための手段を特別に備える必要がなくなり、その回路構成を比較的簡略化できる。また、通信装置は、異なる電子装置にも対応できるように高い汎用性を保ちながら、制御装置により電子装置からの第1の情報または通信装置からの第2の情報のうち少なくとも一方に基づいて、制御される。これにより、量産効果によるコスト低減が見込まれる汎用的な通信装置であっても、電子装置からの第1の情報または通信装置からの第2の情報に応じた最適な低消費の電力動作を実現することができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第1の情報及び前記第2の情報のうち少なくとも一方は、随時更新されるリアルタイム情報であることを特徴としている。
上記の構成によれば、制御装置は、現在の状況に応じた最適な制御を通信装置にたいして行うことができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第1の情報は、前記電子装置を動作させるアプリケーションからの要求を含むことを特徴としている。上記の構成によれば、制御装置は、アプリケーションにおける様々な処理の実行要求に応じた最適な低消費電力化のための制御を通信装置に対して行うことができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第1の情報は、前記電子装置の現在の動作状態を示す機器情報を含むことを特徴としている。上記の構成によれば、制御装置は、機器情報(例えば、電子装置における電池の充電量)に応じた最適な低消費電力化のための制御を通信装置に対して行うことができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第2の情報は、前記通信装置の現在の動作状態を示す情報を含むことを特徴としている。上記の構成によれば、制御装置は、通信装置の現在の動作状態を示す情報(例えば、通信装置における電力供給量)に応じた最適な低消費電力化のための制御を通信装置に対して行うことができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第2の情報は、現在の通信路状態を示す通信路情報を含むことを特徴としている。上記の構成によれば、制御装置は、通信路情報に応じた最適な低消費電力化のための制御を通信装置に対して行うことができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記第1の情報または前記第2の情報の少なくとも一方に基づいて、前記電子装置と前記通信装置との少なくとも一方の電力消費を略最小にする方向に制御することを特徴としている。これにより、電子装置または通信装置の消費電力を低減することができる。
さらに、本発明の制御装置は、上記の構成に加えて、前記電子装置を動作させるアプリケーションの要求を満たすことを前提として、前記第1の情報と前記第2の情報との少なくとも一方に基づいて、前記電子装置または前記通信装置の少なくとも一方の電力消費を略最小にする方向に制御することを特徴としている。これにより、アプリケーションの要求を満たした状態で、電子装置または通信装置の消費電力を低減することができる。