JP4230290B2 - 歯科用接着材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯科用接着材に関する。詳しくは、歯科用インプラントと補綴物の接着あるいはインプラントのアバットメント(支台部)とフィクスチャー(歯根部)とのシール材に好適に使用しうる歯科用接着材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ルートフォーム(歯根形態)歯科用インプラントの構造は、一般的にチタン製のフィクスチャーと呼ばれる歯根部と、チタンあるいは金合金などの金属製のアバットメントと呼ばれる歯肉縁部を貫通する支台部から構成される。さらにアバットメントの上に金銀パラジウム合金などの金属がフレームとなる上部構造(人工補綴物)が装着される。
【0003】
アバットメントと上部構造とは、スクリューや歯科用セメント等による接着方式により固定されている。このうち、接着方式においてアバットメントと上部構造との固定は、現状では接着性レジンセメント、グラスアイオノマー、カルボキシレート、リン酸亜鉛などの合着用セメントもしくは仮着用セメントで行われている。しかしながら、アバットメントや上部構造の清掃などために上部構造をはずすことが必要となった場合には、合着用セメントの場合、本来、インレーなどの接着を目的としているために接着強度が大きすぎること、レジン残渣の除去が難しいことが問題となる。さらに、これらはいずれも使用前に粉と液もしくはペーストとペーストの2成分を混和もしくは錬和することが必要であり、操作が煩雑となる問題点も挙げられる。一方、仮着用セメントでの接着では上部構造が脱落しやすいることが問題となっている。また、多くの場合スクリューのみで固定される形態を持つアバットメントとフィクスチャーとの間に存在する間隙へ口内細菌等の侵入を防止するためのシール材にも同様の課題がある。
【0004】
このため、インブラント用金属に対して安定した接着力があり、しかも容易に取り外し可能な歯科用接着材が望まれている。この問題を接着材以外の面から解決すべく、特許文献1には、上部構造が撤去可能な構造を持つ歯科用インプラントと撤去用治具が提案されているが、専用治具やアバットメントの再設計が必要である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−153493号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、歯科用インプラントにおけるアバットメントと上部構造またはフィクスチャーとを接着するために好適に用いられる歯科用接着材を提供することにある。本発明の他の目的は、その接着強度が必要に応じて容易に取り外し可能な程度で、接着および取り外し操作が簡便である歯科用接着材を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、(メタ)アクリル酸エステル(a)と酸性基を有する単量体(b)の共重合体(P)の水性高分子エマルジョン(E)からなり、該共重合体(P)はその100重量部当り、酸性基を有する単量体(b)単位を1〜25重量部含有し、そして該水性高分子エマルジョン(E)は最低造膜温度が35℃以下であることを特徴とする歯科用接着材により達成される。
【0009】
本発明の歯科用接着材の利点は、第一に、水性高分子エマルジョンを使用しているため、従来のレジンセメント、レジンモディファイドグラスアイオノマーあるいはチタンカップリング剤の使用とは異なり、反応性モノマーを口腔内に入れることなく接着を行うことができるので、生体に対する安全性がより高いことが挙げられる。第二に、水性高分子エマルジョンを使用することで、高分子溶液などに見られる糸引きなどが起らず、操作性への悪影響を受けないことが挙げられる。第三に、接着に必要かつ十分な量を操作性良く一度に塗布が可能となる点が挙げられる。以下に本発明を詳述する。
【0010】
水性高分子エマルジョン(E)は、共重合体(P)が水中に乳化または分散されて形成されている。本発明の歯科用接着材は、口腔内の温度において(E)中の水分が蒸発し、エマルジョン粒子が変形・融着してインプラントの微細な金属−金属界面に接着性の連続フィルムを形成することにより接着力およびシール性を発揮する。このため、水性高分子エマルジョン(E)は最低造膜温度(JISK 6828に準拠して測定)が35℃以下であり、好ましくは30℃以下、特に好ましくは10℃以下である。また、本発明において、エマルジョンの安定性、接着強度、製造しやすさの点から水性高分子エマルジョン(E)のエマルジョン粒子の平均粒径は、好ましくは1nm〜600nm、より好ましくは3nm〜400nmである。
【0011】
本発明において、水性高分子エマルジョン(E)は、その100重量部当り、共重合体(P)を、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜55重量部、さらに好ましくは20〜50重量部の範囲で含有する。5重量部未満ではエマルジョンの乾燥・膜形成までの時間が長くなりがちであり、55重量部を超えると粘度の上昇で歯科用接着材の塗布操作が難しくなる傾向がある。
【0012】
また、水性高分子エマルジョン(E)は、その100重量部当り、水を、好ましくは95〜40重量部、より好ましくは90〜45重量部、さらに好ましくは80〜50重量部の範囲で含有する。
【0013】
本発明の歯科用接着材において共重合体(P)は吸水性が小さいことが好ましい。共重合体の吸水性が大きいと、口内細菌の増殖が唾液を媒介していると考えられているため、共重合体上で口内細菌が増殖する可能性が高くなる。共重合体(P)の構成単位である(メタ)アクリル酸エステル(a)は重合後に水との親和性が低いものが好適に使用される。かかる単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレート;
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(トリメチルシロキシ)シランなどの(メタ)アクリロイルオキシ基を含むシラン化合物;
テトラフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環を有する(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのモノマーは単独でもしくは組み合わせて使用することができる。上述の最低造膜温度を得るために、モノマーは直鎖、分岐を問わず炭素数が4以上のアルキル基をもつ(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を共重合体(P)100重量部当り、好ましくは5〜90重量部、より好ましくは10〜80重量部含んでいることが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、上述のとおり連続フィルムを形成することによって基体への接着を行うが、(b)酸性基を有する単量体によって、接着性を持たせることが可能となる上に、エマルジョンの安定性を向上させる効果を得ることができる。
【0015】
酸性基としては、例えば、カルボキシル基、少なくとも1個の水酸基がリン原子に結合している基およびスルホン酸基が挙げられる。共重合体中に上記酸性基を導入する方法としては、例えばカルボン酸エステルまたはリン酸エステルを含有するポリマーを加水分解する方法、あるいは上記のラジカル重合性単量体と上記酸性基あるいは上記酸性基に水中で容易に変換し得る官能基を有するラジカル重合性単量体を共重合させる方法が挙げられる。このうち、後者の方法がより好ましい。金属原子と相互作用する酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、以下の化合物を例示することができる。
【0016】
カルボキシル基あるいはカルボキシル基に水中で容易に変換し得る官能基を有するラジカル重合性単量体としては、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸およびこれらの酸無水物を挙げることができる。具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、4−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノ安息香酸、2−または3−または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−または5−(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水マレイン酸または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3−または4−[N−メチル−N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙げることができる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基を有する単量体が好ましく、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)および4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)またはその無水物(4−META)が特に好ましく用いられる。
【0017】
少なくとも1個の水酸基がリン原子に結合している基および水中で容易に該基に変換し得る官能基としては、例えばリン酸エステル基で水酸基を1個または2個を有する基を好ましく例示することができる。このような基を有する重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシドホスフェート、ビス[2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−p−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基を、チオリン酸基に置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0018】
スルホン酸基あるいはスルホン酸基に容易に水中で変換し得る官能基を有する重合性単量体としては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−または1−スルホ−1−または2−プロピル(メタ)アクリレート、1−または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミド、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸などを挙げることができる。
【0019】
本発明において、共重合体(P)は、その100重量部当り、それを構成する酸性基を含有する単量体(b)単位を、1〜25重量部、好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部の範囲で含有する。この範囲をはずれて1重量部未満では金属との接着性能に影響を及ぼし、25重量部を超えるとシール性に影響を与える。
【0020】
また、共重合体(P)は、その100重量部当り、構成する(メタ)アクリル酸エステル(a)単位を、好ましくはは99〜75重量部、より好ましくは98〜80重量部、さらに好ましくは98〜85重量部の範囲で含有する。99重量部を超えると、金属との接着性能が著しく低下し易く、75重量部未満ではエマルジョンの成膜性が悪化してシール性に影響を及ぼす傾向がある。
【0021】
本発明の効果を損なわない限りにおいて、金属との接着性能向上を目的に、共重合体(P)の構成成分として、11−メタアクリロイルオキシウンデシルチオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールに代表されるラジカル重合性メルカプトチアジアゾール誘導体、6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールに代表されるラジカル重合性含硫黄トリアジン誘導体を含有させることができる。
【0022】
また本発明の効果を損なわない限りにおいて、共重合体(P)の構成成分に多官能ラジカル重合性単量体を含有させることができる。かかる多官能ラジカル重合性単量体としては、例えば2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン等の芳香族二官能(メタ)アクリレート系単量体:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の脂肪族二官能(メタ)アクリレート系単量体:N,N’−メチレン(ビス)アクリルアミド等の二官能(メタ)アクリル酸アミド系単量体:ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンダイマー等の二官能スチレン系単量体:ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカーボネートなどの二官能アリル系単量体:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート系単量体:ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレート系単量体等が挙げられる。
【0023】
上記単量体から得られる共重合体の水性高分子エマルジョン(E)の調製方法は、特に制限はなく、例えば従来公知の乳化重合法を用いて調製することができる。具体的には、乳化重合は、ラジカル重合開始剤の存在下、各種単量体を一括して、もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して水中に加えることで行われる。重合温度は、例えば0〜100℃であり、好ましくは30〜90℃である。また、エマルジョン調製に使用する水は、日本薬局方精製水が好ましい。共重合体の分子量は、例えば5,000〜500,000が好ましい。
【0024】
本発明において、接着基体表面への濡れ性の向上および最低造膜温度の制御を目的として、さらに有機溶剤を添加させることができる。かかる有機溶剤としてはエタノール、アセトンなどを挙げることができる。上記有機溶剤は水性高分子エマルジョン(E)100重量部に対して、例えば1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲で用いられる。
【0025】
本発明の歯科用接着材は、その粘度の調整および操作性の向上のために、さらに無機フィラーを含有することができる。これは単独であるいは組み合わせて使用しても差し支えない。かかる無機フィラーとしては、例えばシリカ、シリカアルミナ、アルミナ石英、アルミナ、ガラス(バリウムガラスを含む)、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムなどを挙げることができる。これらの無機フィラーはその1次粒径が50nm以下であることが好ましい。
【0026】
上記フィラーは、好ましくは操作性、接着性の点から、水性高分子エマルジョン(E)100重量部当り、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは3〜15重量部の範囲で用いることができる。1重量部未満では添加による操作性の向上が認め難く、また25重量部を超えると粘度が著しく上昇し、材料の操作が難しくなるとともに、接着性に影響を及ぼすようになる。
【0027】
本発明において、歯科用接着材中に微生物の発生を防ぐため、あるいは接着材表面で細菌の増殖を防ぐため、防腐剤および/または抗菌剤成分を使用することができる。ここで、防腐剤は防ばい剤を含む概念である。使用しうる防腐剤および/または抗菌剤成分としては、工業的に使用しうる一般的な防腐剤を挙げることができる。しかしながら、本発明の目的に好適な防腐剤としては人体に対して毒性が低く、衛生的なものであり、エマルジョン粒子および歯科用接着材を短期的、長期的に著しく凝集させないものを選択すべきである。エマルジョン粒子の凝集性は防腐剤の化学構造や使用量によって強く影響を受ける。一方、防腐剤の防腐効果はエマルジョンを構成する共重合体の成分や組成、エマルジョン中の種々のカチオンやアニオンなどの溶解性成分の濃度およびエマルジョンのpHなどによって強く影響を受ける。従って人体に対する毒性・衛生、エマルジョン粒子および歯科用接着材の非凝集性および防腐効果の3要素を満たす組み合わせを選定するのが好ましい。
【0028】
本発明の歯科用接着材に好適に使用しうる防腐剤および/または抗菌剤成分としては、例えば歯科用抗菌剤として知られている塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、キシリトール、クルコン酸クロルヘキシジン、グリチルリチン酸ジカリウムなど、さらには、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール;クロロブタノールや2−ブロモ−2−ニトロプロパノール−1,3−ジオール(以下、ブロノポールと略記する)などのハロゲン化脂肪族アルコール;2,4−ジクロロベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、フェノキシイロプロパノール、フェニルエチルアルコール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールなどの芳香族アルコール;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどのアルデヒドおよびヘキサメチレンテトラミン、モノメチロールジメチルヒダントイン、ジメチロールメチルヒダントインなどの酸性条件下でアルデヒドを生成させうるアルデヒド徐放剤;クロロアセトアミドなどのアミド類;N,N’−メチレンビス(N’−(1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)ウレア、N−(ヒドロキシメチル)−N−(1,3−ジヒドロキシメチル−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)−N’−(ヒドロオキシメチル)ウレアなどのウレア;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどの無機亜硫酸塩類、重亜硫酸塩類およびピロ亜硫酸塩;ホウ酸などの無機酸;ギ酸、プロピオン酸、10−ウンデセン酸、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸、2−アセチル−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4−ヘキサン酸−d−ラクトンなどの有機酸化合物;2,6−ジアセチル−7,9−ジヒドロキシ−8,9b−ジメチル−1,3−(2H,9bH)−ジベンゾフランジオンなどの抗生物質;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルならびにイソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチルまたはイソブチルまたはt−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルなどのp−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物;
【0029】
4−クロル−3−メチルフェノール、4−クロル−3,5−キシレノール、3,4,5,6−テトラブロモ−o−クレゾール、2,4−ジクロロ−3,5−キシレノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、3,3’−ジブロモ−5,5’−ジクロロ−2,2’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリクロロフェノール)などのハロゲン化フェノール化合物;
【0030】
4−クロル−5−メチル−2−(1−メチルエチル)フェノール、1−メチル−2−ヒドロキシ−4−イソプロピルベンゼン、2−フェニルフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノールなどのフェノール化合物;2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルなどのジフェニルエーテル化合物;
【0031】
3,4,4’−トリクロロカルバニリド、4,4’−ジクロロ−3−(3−フルオロメチル)カルバニリドなどのカルバニリド化合物;4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンイセチオネート、4,4’−(トリメチレンジオキサン)−ビス−(3−プロモベンザミジン)ジイセチオネート(以下、ジブロモプロパミジンと略記する)、1,6−ジ(4−アミジノフェノキシ)−n−ヘキサン(以下、ヘキサミジンイセチオネートと略記する)などのベンザミジン化合物;
【0032】
ピリジン−1−オキサイド−2−チオール−ナトリウム塩、ジンクビス−(2−ピリジンチオール−1−オキサイド)ビス−(2−ピリジルチオ)ジンク−1,1’−ジオキサイド(ジンクピリジオン)などの環状チオヒドロキサム酸またはその塩;5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチルヘキサヒドロピリミジン(ヘイセチジン)、トリス−ヒドロキシエチルヘキサヒドロトリアジンなどのN−アセタール化合物;N−(トリクロロメチルチオ)−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシミド(カプタン)などのフタルイミド誘導体;6−アセトキシ−2,4−ジメチル−m−ジオキサン(ジメトキサン)などのo−アセタール化合物;
【0033】
4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン(オキサジンA)などのオキサゾリジン化合物;8−ヒドロキシキノリンなどのキノリン化合物;ビス(p−クロロフェニルジグアナイド)ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩などの陽イオン性物質;アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、N−ドデシル−N,N−ジメチルベンジルアンモニウム、N,N−ジメチル−N−(2−(2−(4−(1,1,3,4−テトラメチルブチル)フェノキシ)エトキシ)エチル)ベンゼンメタンアンモニウムクロライドなどの4級塩化合物;エチルマーキュリーチオサリシレート、酢酸フェニル水銀などの有機水銀化合物;よう素酸ナトリウムなどのよう素化合物;グリセリルモノラウレート;1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリドンエタノールアミン塩などのピリドン誘導体などを挙げることができる。これらの防腐剤は使用するエマルジョンの著しい凝集を引き起こさないものを選択して使用することが好ましい。
【0034】
本発明における(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなるエマルジョンに特に好適に組合わせて用いられる防腐剤としては、2−フェノキシエタノール、安息香酸およびフェネチルアルコールを挙げることができる。これらの防腐剤・防ばい剤についての毒性については、安息香酸が香粧品用に最終的に認可されており、2−フェニルアルコールおよびフェネチルアルコールは、香粧品用に暫定的に認可を受けている化合物である(香粧品・医薬品、防腐殺菌剤の科学、ジョン・J・カバラ編、フレグランスジャーナル社参照)。
【0035】
防腐剤および/または抗菌剤成分は、水性高分子エマルジョン(E)100重量部当り、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.02〜40重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部の範囲で用いられる。
【0036】
本発明の歯科用接着材は、容易に取り外し可能という特性を発現するため、チタンや金合金などのインプラント金属材料との接着力が、好ましくは1〜8MPa、より好ましくは2〜7MPaを示すものである。
【0037】
本発明の歯科用接着材の使用の形態としては、1液性であるため、ニードルチップ付きシリンジやチューブ型保存容器から直接絞り出して使用する方法などを挙げることができる。本発明の歯科用接着材の具体的な使用方法としては、フィクスチャーとアバットメントあるいはアバットメントと上部構造の双方の接着面に容器から直接適量の接着材を塗布した直後に口腔内にセットする方法を例示することができる。上部構造の圧接あるいはスクリューの押し込みにより生じた余剰の歯科用接着材については綿球でふき取る方法あるいはエアーガンによって水分を蒸発させ、硬化させた後にバキュームで吸引しながらエキスプローラーで除去する方法を例示することができる。
【0038】
本発明の歯科用接着材は上述のごとく歯科用インプラント金属に対して再治療のための取り外しが可能な接着強度を持つ。歯科用インプラントにはその構造上、歯周靭帯は存在し得ないが、本発明の歯科用接着材でフィクスチャーとアバットメントの間隙を封鎖することにより、副次的に人工歯周靭帯としての機能をもつ可能性も考えられることから、本発明の歯科用接着材は、その目的のために使用することもできる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<<歯科用接着材の調製>>
【0040】
実施例1
撹拌装置を取り付けたガラス製反応容器中に日本薬局方精製水540g、ドデシル硫酸ナトリウム0.015g、過硫酸カリウム2gを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら75℃に昇温した。これとは別に2−エチルヘキシルメタアクリレート240g、メチルメタアクリレート140g、4−メタアクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物20gを十分に混合した(以下これを単量体混合物と呼ぶ)。単量体混合物2gを反応器中にゆっくりと投下し、20分間温度を保持した。さらに単量体混合物398g、水60gをドデシル硫酸ナトリウム2.985gを使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間かけて反応器中に滴下し、その後、さらに3時間保持して重合反応を完結させた。次いで室温に冷却後、2.5重量%の炭酸水素ナトリウム水溶液18gを添加し、水性高分子エマルジョンを得た。得られた水性高分子エマルジョンの固形分は40重量%、光散乱測定による平均粒子径は240nmであった。また最低造膜温度は10℃以下であった。
【0041】
実施例2
実施例1で得られた水性高分子エマルジョン100gにシリカフィラーAerosil200 4.7g、酸化アルミニウムフィラーAminium oxide C 1.9g(ともに日本アエロジル製)を添加、自動乳鉢(日陶科学製)で180分間錬和し、フィラー入り水性高分子エマルジョンである歯科用接着材を得た。
【0042】
比較例1
実施例1のうち、単量体混合物の組成を2−エチルヘキシルメタアクリレート253g、メチルメタアクリレート147gに変更した以外は同様に操作した。得られた水性高分子エマルジョンの固形分は40重量%、光散乱法による平均粒径は220nmであった。また、最低造膜温度は10℃以下であった。
【0043】
比較例2
実施例1のうち、単量体混合物の組成をメチルメタアクリレート380g、4−メタアクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物20gに変更した以外は同様に操作した。得られた水性高分子エマルジョンの固形分は40重量%、光散乱法による平均粒径は241nmであった。また、最低造膜温度は50℃を超えていた。
【0044】
<<歯科用接着材としての評価(接着強度試験)>>
直径6mm、高さ20mmの円柱状のJIS3種純チタン(歯科用純チタン、モリタ製)の底面を#600シリコンカーバイド紙(三共理化学製)で平滑に研磨した後、歯科用アルミナサンドブラスト処理し、残存アルミナ粒子を洗浄、乾燥させた。さらに1.2cm角平板の歯科用純チタンあるいは歯科用金銀パラジウム合金(キャストウェルMC12、ジーシー製)の表面を、同様に#600シリコンカーバイド紙(三共理化学製)で研磨の後、歯科用アルミナサンドブラスト処理し、残存アルミナ粒子を洗浄、乾燥させた。前記のサンドブラスト処理したチタン円柱および歯科用純チタンあるいは歯科用金銀パラジウム合金の平板表面に水性高分子エマルジョン111mg/cm2ずつを塗布、直後に両者を接着し、37℃、100%湿潤条件で2時間および4週間放置した。放置後、精密万能試験機(オートグラフAGS−100D、島津製作所製)を用い、クロスヘッドスピード2mm/minで接着強度を試験した。各接着強度は5個の試験片の測定値の平均値で示した。2時間の放置によって、口腔内における上部構造セット直後の接着を、4週間の放置によって、口腔内でセットした上部構造の接着安定性(口腔内での脱落が不意に起こらない)を評価することが可能となるとともに、フィクスチャーとアバットメント間のシール性の評価も可能となる。
【0045】
<<歯科用接着材としての評価(アバットメントから上部構造の取り外し試験)>>
純チタン製アバットメント(φ4.4コニカルアバットメント、ジーシー製)と適合する上部構造として、通法に従って、金銀パラジウム合金(キャストウェルMC12、ジーシー製)を用いてメタルフレームを作製し、硬質レジン(ニューメタカラーインフィス、サンメディカル(株)製)を築盛した、下顎右側6番の前装冠を作製した。作製した前装冠の内部を歯科用アルミナサンドブラスト処理し、残存アルミナ粒子を洗浄、乾燥させた。アバットメント表面および前装冠の内部に、水性高分子エマルジョン10mgずつを塗布し、接着させた後に、37℃、100%湿潤条件で4週間放置した。放置後、アバットメントを万力で固定し、抜歯用鉗子を用いてアバットメントから前装冠を取り外した。この際、非常に容易に取り外せたものを◎、容易に取り外せたものを○、取り外しができなかったものを×と評価した。これにより、アバットメントと上部構造の接着が取り外し可能かを評価することができる。
【0046】
<<歯科用接着材としての評価(フィクスチャーからのアバットメントの取り外し試験)>>
万力に固定した純チタン製フィクスチャー(φ4.4セティオフィクスチャー、ジーシー製)の内部、および純チタン製アバットメント(φ4.4コニカルアバットメント、ジーシー製)の表面に水性高分子エマルジョン10mgずつを塗布し、トルクレンチを用い、20N・cmの力で締め付け固定した。これを37℃、100%湿潤条件で4週間放置した。放置後、ラチェットレンチを用い、フィクスチャーよりアバットメントを取り外した。
この際、非常に容易に取り外せたものを◎、容易に取り外せたものを○、取り外しができなかったものを×と評価した。これにより、フィクスチャーとアバットメントが取り外し可能かを評価することができる。
【0047】
実施例3および4
上述の接着強度試験において、平板に歯科用純チタンを、歯科用接着材に実施例1〜2で得られた水性高分子エマルジョンを使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0048】
実施例5および6
上述の接着強度試験において、平板に歯科用金銀パラジウム合金を、歯科用接着材に実施例1〜2で得られた水性高分子エマルジョンを使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0049】
比較例3〜4
上述の接着強度試験において、平板に歯科用純チタンを、歯科用接着材に比較例1〜2で得られた水性高分子エマルジョンを使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0050】
比較例5
上述の接着強度試験において、平板に歯科用純チタンを、歯科用接着材に歯科用合着用グラスアイオノマーセメント(ビトレマールーティングセメント、3M製)を使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0051】
比較例6〜7
上述の接着強度試験において、平板に歯科用金銀パラジウム合金を、歯科用接着材に比較例1〜2で得られた水性高分子エマルジョンを使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0052】
比較例8
上述の接着強度試験において、平板に歯科用金銀パラジウム合金を、歯科用接着材に歯科用合着用グラスアイオノマーセメント(ビトレマールーティングセメント、3M製)を使用した。結果をまとめて表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004230290
【0054】
実施例7〜10
上述の「アバットメントからの上部構造の取り外し試験」および「フィクスチャーからのアバットメントの取り外し試験」において、歯科用接着材として実施例1〜2で得られた水性高分子エマルジョンを用いて試験した。結果を表2にまとめて示す。
【0055】
比較例9〜14
上述の「アバットメントからの上部構造の取り外し試験」および「フィクスチャーからのアバットメントの取り外し試験」において、歯科用接着材として比較例1〜2で得られた水性高分子エマルジョン、歯科用合着用グラスアイオノマーセメント(ビトレマールーティングセメント、3M製)のいずれかを用いて試験した。結果を表2にまとめて示す。
【0056】
【表2】
Figure 0004230290
【0057】
【発明の効果】
本発明の歯科用接着材は、1液系なので接着操作が容易であり、歯科用インプラントのアバットメントと上部構造の接着部を、容易に取り外し可能な強度で接着する効果を持つ。さらにフィクスチャーとアバットメントに存在する間隙を封鎖することが可能となる。このため本発明の歯科用接着材を使用すれば、歯科用インプラントの分解・清掃が容易となり、耐細菌汚染性が向上するという大きな利点がある。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸エステル(a)と酸性基を有する単量体(b)の共重合体(P)の水性高分子エマルジョン(E)からなり、該共重合体(P)はその100重量部当り、酸性基を有する単量体(b)単位を1〜25重量部含有し、そして該水性高分子エマルジョン(E)は最低造膜温度が35℃以下であることを特徴とする歯科インプラント用接着材。
  2. 抗菌剤および/または防腐剤をさらに含有する請求項1に記載の歯科インプラント用接着材。
  3. 水性高分子エマルジョン(E)がその100重量部当り共重合体(P)を5〜60重量部、水を95〜40重量部含有する請求項1〜2のいずれかに記載の歯科インプラント用接着材。
  4. 歯科用金属との接着強度が1〜8MPaである請求項1〜3のいずれかに記載の歯科インプラント用接着材。
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