JP4225800B2 - プラズマディスプレイパネルの電極形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)の電極形成方法に関し、さらに詳しくは、パネル基板に設けられた電極をフォトエッチングの手法で形成するPDPの電極形成方法に関する。PDPは、広視野角をもった薄型表示デバイスとして注目されており、ハイビジョン分野などへの用途拡大に向けて高精細化および大画面化が進められている。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、前面側の基板と背面側の基板とを微少間隔を設けて対向配置し、周辺を封止して放電空間に放電ガスを充填し、放電空間での放電発生時の発光を利用して表示を行う自己発光型の表示パネルである。
【0003】
このPDPでは、一般に、前面側の基板と背面側の基板にガラスを用い、これらのガラス基板の一方、または両方の内側面に帯状の電極を形成する。
通常、この電極は、ガラス基板上に、印刷などの厚膜形成技術や、蒸着、スパッタ等の薄膜形成技術を用いて導電性材料膜を形成し、その導電性材料膜をリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて所望形状の電極パターンに形成し、AC型のPDPの場合には、その電極パターンを誘電体層で覆うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなPDPでは、基板上に形成する電極パターンは、通常、均一な太さの帯状電極であるが、近年、電極間の放電効率を向上させるために、細帯状パターンの一部を太帯状にした電極パターンが出現している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−252338号公報
【特許文献2】
特開2001−126629号公報(図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電極パターンを形成するには、以下のような問題がある。すなわち、導電性材料膜をエッチングする際、太帯状パターンのエッジ角部が剥離し、導電性材料膜が、例えばクロム/銅/クロムの3層構造であるような場合、そのエッジ角部で銅が剥き出しになり、後の工程の誘電体層の被覆工程で、誘電体層となる低融点ガラスペーストを電極パターン上に塗布して焼成する際、剥き出しとなった銅が低融点ガラスペースト中の樹脂成分と反応して泡かみ等が発生することがあり、これにより電極パターンの断線や誘電体層のはじき等が発生することがあった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、電極形成時の現像プロセスやエッチングプロセスでのウエット工程において、現像液やエッチング液の流れる方向を考慮することにより、レジストの剥離や電極の剥離を防止して、後の工程での電極と誘電体層との反応を抑制し、電極の断線や誘電体層のはじき等を防止することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に導電性材料膜を形成し、その導電性材料膜上にレジストを塗布した後、そのレジストを露光し、現像液を用いて現像することで一方向に細幅の帯状部と太幅の帯状部とを繰り返して延長するパターンの電極と同じ形状のレジストパターンを形成し、次にエッチング液を用いて導電性材料膜をレジストパターンに応じた形状にエッチングすることからなるプラズマディスプレイパネルの電極形成方法であって、前記太幅の帯状部の4隅のエッジ角部をなで肩状にするパターンでレジストを露光した後、現像工程及び導電性材料膜のエッチング工程において現像液及びエッチング液をシャワー状に浴びせるとともに、そのシャワーの放出方向を前記電極の延長方向と垂直になる方向にスイングさせることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの電極形成方法である。
【0009】
本発明によれば、電極パターン形成時のウエット工程で、基板に対して現像液またはエッチング液をシャワー状に浴びせるとともに、そのシャワーの放出方向を帯状の電極パターンの延出方向と交差する方向にスイングさせ、それによって現像液またはエッチング液がスイングの方向に流れるようにするので、細帯状パターンの一部が太帯状となった電極パターンを形成する際、レジストおよび電極の太帯状パターンのエッジ角部の剥離が防止される。
【0010】
したがって、導電性材料膜が、例えばクロム/銅/クロムの3層構造であっても、電極パターンの形成時に銅が剥き出しにならず、後の工程の誘電体層の被覆工程で、誘電体層となる低融点ガラスペーストを電極パターン上に塗布して焼成しても、剥き出しとなった銅が低融点ガラスペースト中の樹脂成分と反応して泡かみ等が発生することがなくなり、電極パターンの断線や誘電体層のはじき等が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、基板としては、ガラス、石英、セラミック等の基板や、これらの基板上に、電極、絶縁膜、誘電体層、保護膜等の所望の構成物を形成した基板が含まれる。
【0012】
導電性材料膜としては、当該分野で公知の各種の材料を適用することができる。具体的には、例えば、ITO、SnO2などの透明な導電性材料や、Ag、Au、Al、Cu、Crなどの金属の導電性材料が挙げられる。
【0013】
導電性材料膜を形成する場合、導電率の高い金属を用いることが望ましいが、例えば銅のような金属は樹脂との反応性が高い。このため、そのような金属を用いる場合には、導電性材料膜として、樹脂との反応性が低い金属の間に反応性が高い金属を挟んだ積層構造の金属膜、例えばクロム/銅/クロムの3層構造の金属膜などを適用することが望ましい。
【0014】
導電性材料膜の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。たとえば、この導電性材料膜は、印刷などの厚膜形成技術を用いて形成してもよいし、物理的堆積法または化学的堆積法からなる薄膜形成技術を用いて形成してもよい。厚膜形成技術としては、スクリーン印刷法などが挙げられる。薄膜形成技術の内、物理的堆積法としては、蒸着法やスパッタ法などが挙げられる。化学的堆積方法としては、熱CVD法や光CVD法、あるいはプラズマCVD法などが挙げられる。
【0015】
レジストは、導電性材料膜上に塗布できるものであればよく、当該分野で公知の各種の材料をいずれも適用することができる。また、レジストの露光プロセス、および現像液を用いた現像プロセスとしては、当該分野で公知のフォトリソグラフィー技術を適用することができる。
【0016】
このレジストの露光プロセスでは、フォトマスクを用い、このフォトマスクを介してレジストに紫外線を照射するようにしてもよいが、望ましくは、レジストにレーザ光を直接照射して、所望パターンの描画を行う、いわゆるレーザ露光を行うようにする。レーザ露光で、細帯状パターンの一部が太帯状パターン(膨大したパターン)となったレジストパターンを形成する際には、太帯状パターンのエッジ角部近傍のレーザ露光量を調整し、それによって太帯状パターンのエッジ角部のレジストが剥離しないようにすることが望ましい。
【0017】
この場合、レーザ露光量の調整は、レーザ強度の調整またはレーザ走査速度の調整、あるいはそれらの両方を調整することで行うことができる。
【0018】
レジストの現像プロセスで用いる現像液としては、当該分野で公知の各種の現像液を適用することができる。また、導電性材料膜のエッチングプロセスで用いるエッチング液も、当該分野で公知の各種のエッチング液を適用することができる。
【0019】
本発明においては、形成するべき帯状の電極パターンが、細帯状パターンの一部が太帯状パターンとなった電極パターンである場合、ウエット工程で、基板に対して現像液またはエッチング液をシャワー状に浴びせるとともに、そのシャワーの放出方向を帯状の電極パターンの延出方向と交差する方向にスイングさせ、それによって現像液またはエッチング液がスイングの方向に流れるようにする。
【0020】
上記において、基板に対して現像液またはエッチング液をシャワー状に浴びせる方法としては、たとえば、基板の一端から他端に渡したホースに多数のノズル孔を設け、このノズル孔から現像液またはエッチング液を基板に向けて放出するなどの方法を適用することができる。その際の液の放出量および放出距離などは状況により適宜設定する。
【0021】
そして、その際の、シャワーの放出方向を帯状の電極パターンの延出方向と交差する方向にスイングさせる具体的方法としては、たとえば、基板の一端から他端に渡したホースを、帯状の電極パターンの延出方向と交差する方向にスイングさせればよい。この際のスイング量およびスイング周期などは状況により適宜設定する。
【0022】
このようにして、現像液またはエッチング液が帯状の電極パターンの延出方向と交差する方向に流れるようにすることで、細帯状パターンの一部が太帯状となったレジストパターンを形成する際、現像液によるレジストの太帯状パターンのエッジ角部の剥離、およびエッチング液による電極の太帯状パターンのエッジ角部の剥離を防止することができる。
【0023】
本発明において、細帯状パターンの一部が太帯状パターンとなったレジストパターンを形成する際には、太帯状パターンのエッジ角部を円滑にすることが望ましい。この太帯状パターンのエッジ角部とは、細帯状パターンと太帯状パターンとの切り替わり部分における、太帯状パターンの角部である。この部分の肩の角をとり、なで肩にする。なで肩の形状は、角部が円滑になればよく、ほぼ90度で張り出した肩の部分を45度に削り落としたり、円弧状に形成したり、各種の形状を選択することができる。
【0024】
以上の工程に加えて、さらに、エッチングを行った帯状の電極パターン上に樹脂成分を含む低融点ガラスペーストを塗布し、それを焼成することで帯状の電極パターン上に誘電体層を形成する工程を実施してもよい。
【0025】
本発明は、また、上記に記載のプラズマディスプレイパネルの電極形成方法によって電極が形成された基板を備えたプラズマディスプレイパネルである。
【0026】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
【0027】
図1は本発明の電極形成方法を用いてアドレス電極を形成したPDPの構成を示す部分分解斜視図である。このPDPはカラー表示用のAC型3電極面放電形式のPDPである。
【0028】
本PDPは、前面側(表示面側)の基板11を含む前面側のパネルアセンブリと、背面側の基板21を含む背面側のパネルアセンブリから構成されている。前面側の基板11と背面側の基板21としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板等を使用することができる。
【0029】
前面側の基板11の内側面には、水平方向に複数の対となる表示電極Xと表示電極Yが等間隔に形成されている。各表示電極X,Yは、ITO、SnO2などの幅の広い透明電極12と、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等からなる金属製の幅の狭いバス電極13から構成されている。表示電極X、Yは、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。
【0030】
表示電極X、Yの上には、表示電極X、Yを覆うように交流(AC)駆動用の誘電体層17が形成されている。誘電体層17は、低融点ガラスペーストを、前面側の基板11上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより形成している。
【0031】
誘電体層17の上には、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するための保護膜18が形成されている。この保護膜は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO等からなる。
【0032】
背面側の基板21の内側面には、平面的にみて表示電極X、Yと交差する方向に複数のアドレス電極(信号電極やデータ電極などとも呼ばれる)Aが形成され、そのアドレス電極Aを覆って誘電体層24が形成されている。アドレス電極Aは、スキャン用の表示電極との交差部で発光セルを選択するためのアドレス放電を発生させるものであり、Cr/Cu/Crの3層構造で形成されている。このアドレス電極Aは、その他に、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr等で形成することもできる。アドレス電極Aも、表示電極X、Yと同様に、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。誘電体層24は、誘電体層17と同じ材料、同じ方法を用いて形成することができる。
【0033】
隣接するアドレス電極Aとアドレス電極Aとの間の誘電体層24上には、複数の隔壁29が形成されている。隔壁29は、サンドブラスト法、印刷法、フォトエッチング法等により形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒等からなるガラスペーストを誘電体層24上に塗布して乾燥させた後、そのガラスペースト層上に隔壁パターンの開口を有する切削マスクを設けた状態で切削粒子を吹きつけて、マスクの開口に露出したガラスペースト層を切削し、さらに焼成することにより形成する。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光及び現像の後、焼成することにより形成する。
【0034】
隔壁29の側面及び隔壁間の誘電体層24上には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体層28R、28G、28Bが形成されている。蛍光体層28R、28G、28Bは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストを隔壁29間の凹溝状の放電空間内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布し、これを各色毎に繰り返した後、焼成することにより形成している。この蛍光体層28R、28G、28Bは、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所望の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色毎に繰り返すことで、対応する隔壁間に各色の蛍光体層を形成することができる。
【0035】
PDPは、上記した前面側のパネルアセンブリと背面側のパネルアセンブリとを、表示電極X、Yとアドレス電極Aとが交差するように対向配置し、周囲を封止し、隔壁29で囲まれた放電空間30に放電ガスを充填することにより作製されている。このPDPでは、表示電極X、Yとアドレス電極Aとの交差部の放電空間30が表示の最小単位である1つのセル領域(単位発光領域)となる。1画素はR、G、Bの3つのセルで構成される。
【0036】
表示は、まず、Y側の表示電極群をスキャン電極として用いて、それら各表示電極Yに順次スキャン電圧を印加してゆき、その間に所望のアドレス電極Aにアドレス電圧を印加し、選択されたアドレス電極Aと表示電極Yとの間でアドレス放電を発生させることで発光すべきセルを選択する。この発光セル対応の誘電体層上には壁電荷が形成されるので、次に、Y側の表示電極群とX側の表示電極群との間に交互にサスティン電圧を印加して、当該壁電荷の蓄積されたセルにおいて再び放電(維持放電または表示放電と呼称)を発生させることで、セルを発光させる。このセルの発光は、表示放電によって発生された紫外線で蛍光体層中の蛍光体を励起して、蛍光体から所望の色の可視光を発生させることにより行われる。
【0037】
図2は図1のPDPを平面的に見た状態を示す説明図である。
アドレス電極Aは、幅の狭い細帯部A1と、幅の広い太帯部A2とで構成されており、スキャン電極として用いられるY側の表示電極に対応する部分が太帯部A2となっている。
【0038】
図3(a)〜図3(e)はアドレス電極の形成方法を示す説明図である。
アドレス電極Aの形成は、まず、背面側の基板21の全面にCr/Cu/Crの3層構造の電極層Dをスパッタ法を3回繰り返すことにより形成した後、その電極層D上にフォトレジストRを塗布し、乾燥させる(図3(a)参照)。このフォトレジストRとしては、市販のネガ型のものを用いる。
【0039】
次に、フォトレジストRのレーザ露光を行う。すなわち、レーザ照射装置Sを用いて、レーザ光LをフォトレジストRに直接照射し、このレーザ光Lでアドレス電極Aのパターンの描画を行うことにより、フォトレジストRの露光を行う(図3(b)参照)。そして、この際、電極の場所ごとに露光量を変える。つまり、形成しようとする電極パターンの場所により、レーザ光Lの露光量を変える。これについては後述する。
【0040】
次に、フォトレジストRの現像を行う。この現像は、背面側の基板21を、アドレス電極パターンの延出方向に沿って搬送しながら、フォトレジストRに対し、ホースHに設けたノズルから現像液をシャワー状に降りかけることにより行う(図3(c)参照)。そして、この際、ホースHを、アドレス電極パターンの延出方向と垂直な方向にスイングさせて、現像液がアドレス電極パターンの延出方向と垂直な方向に流れるようにする。この際のスイング量およびスイング周期などは状況により適宜設定する。現像液は市販のものを用いる。その後、洗浄水で基板を洗浄するが、その際にも同様に洗浄水をシャワー状に降りかけてスイングさせる。
【0041】
次に、電極層Dのエッチングを行う。このエッチングは、背面側の基板21を、アドレス電極パターンの延出方向に沿って搬送しながら、電極層Dに対し、ホースHに設けたノズルからエッチャント(エッチング液)をシャワー状に降りかけることにより行う(図3(d)参照)。そして、この際、ホースHを、アドレス電極パターンの延出方向と垂直な方向にスイングさせて、エッチャントがアドレス電極パターンの延出方向と垂直な方向に流れるようにする。この際のスイング量およびスイング周期などは状況により適宜設定する。エッチャントは当該分野で公知の市販のものを用いる。その後、洗浄水で基板を洗浄するが、その際にも同様に洗浄水をシャワー状に降りかけてスイングさせる。
【0042】
最後に、フォトレジストRを除去して、洗浄水で基板を洗浄するが、その際にも同様に洗浄水をシャワー状に降りかけてスイングさせる。これにより、背面側の基板21上に所望パターンのアドレス電極Aを形成する(図3(e)参照)。
【0043】
図4はアドレス電極を形成する際のレジストパターンの形状を示す説明図である。
アドレス電極は、上述したように、背面側の基板上にベタ膜として形成した電極層をエッチングすることにより形成するのであるが、このエッチングの際には、図2で示したアドレス電極Aに細帯部A1と太帯部A2が形成されるように、フォトレジストRのパターンを形成する。
【0044】
そのため、図4に示すように、フォトレジストRを、細帯状パターンR1と太帯状パターンR2に形成する。細帯状パターンR1の部分が、図2で示したアドレス電極Aの細帯部A1に対応し、太帯状パターンR2の部分が、アドレス電極Aの太帯部A2に対応している。
【0045】
そして、太帯状パターンR2のエッジ角部を円滑にする。つまり、太帯状パターンR2のエッジの角部Kを斜めにカットし、なで肩状にする。
【0046】
また、レーザ露光を行う際には、露光領域を作りたい電極パターンの形状と同じにし、形成しようとする電極パターンの場所により、レーザ光Lの露光量を変える。この露光量の変化は、レーザ光Lの露光強度を変えてもよいし、照射時間を変えてもよい。あるいはそれらの両方を変えてもよい。
【0047】
具体的には、太帯状パターンR2のエッジ角部K近傍のレーザ露光量を多くする。このレーザ露光量の調整は、レーザ光Lの露光強度を強めるようにしてもよいし、レーザ光Lの描画の走査スピードを遅くして、照射時間を多くしてもよい。あるいはこれらを同時に調整してもよい。これにより、太帯状パターンR2のエッジ角部K近傍を他の部分より固く硬化させ、太帯状パターンR2のエッジ角部K近傍のレジストが剥離しないようにする。
【0048】
また、現像プロセス、エッチングプロセスおよび洗浄プロセスでのウエット工程において、ノズルを設けたホースHをアドレス電極パターンの延出方向(図中yで示す)と垂直な方向(図中xで示す)にスイングさせ、液の流れがアドレス電極パターンの延出方向と垂直方向になるようにする。つまり、液の流れが帯状の電極パターンと垂直方向になるようにする。これにより、ウエット工程におけるレジストおよび電極の太帯状パターンのエッジ角部のダメージをなくす。
【0049】
この後、アドレス電極Aの上に低融点ガラスペーストを塗布して乾燥させ、それを焼成することで、アドレス電極Aの上に誘電体層を形成する。
【0050】
図5は比較例であり、レジストの太帯状パターンのエッジ角部が鋭角である場合を示す説明図である。
このように、フォトレジストRの太帯状パターンのエッジ角部Kが鋭角になっている場合には、エッジ角部Kが、現像やエッチング、洗浄の際のウエット工程でダメージを受けやすいが、エッジ角部Kを斜めにカットすることでダメージを防止することができる。
【0051】
以上述べたように、ウエット工程において、シャワーノズルをアドレス電極パターンの延出方向と垂直な方向にスイングさせ、液の流れがアドレス電極パターンの延出方向と垂直方向になるようにすることにより、ウエット工程におけるレジストおよび電極の太帯状パターンのエッジ角部のダメージをなくすことができる。
【0052】
また、レーザ露光を行う際に、レジストの太帯パターンのエッジ角部の露光量を多くすることにより、レジストのエッジ角部の剥離を防止し、エッジ角部のダメージをなくすことができる。
【0053】
さらに、形成しようとするアドレス電極のパターン形状を、太帯状パターンのエッジ角部を斜めにカットした形状にして、電極のエッジ部分をウエット工程でダメージを受けにくい形状とすることにより、レジストおよび電極のエッジ角部の剥離を防止し、エッジ角部のダメージをなくすことができる。
【0054】
そして、これらの方法の少なくとも1つを採用することにより、電極形成後の工程で、誘電体層を形成する際の、電極のエッジ部分と誘電体層との反応を抑制し、電極の断線や誘電体層のはじき等の不具合を防止して、歩留まりを向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、一方向に細幅の帯状部と太幅の帯状部とを繰り返して延長するパターンの電極を形成する際の露光工程で太幅の帯状部の4隅のエッジ角部をなで肩状にするパターンでレジストを露光し、かつ露光後の現像プロセスとエッチングプロセスのウエット工程で、基板に対して現像液またはエッチング液をシャワー状に浴びせるとともに、そのシャワーの放出方向を帯状の電極パターンの延長方向と垂直になる方向にスイングさせて現像液またはエッチング液がスイングの方向に流れるようにするので、一方向に細幅の帯状部と太幅の帯状部とを繰り返して延長するパターンの電極を形成する際、レジストおよび電極の太幅の帯状部のエッジ角部のダメージを抑制し、当該レジスト及び電極(導電性材料膜)の剥離を防止することができる。したがって、導電性材料膜が、例えばクロム/銅/クロムの3層構造であっても、電極パターンの形成時に銅が剥き出しにならず、後の工程の誘電体層の被覆工程で、誘電体層となる低融点ガラスペーストを電極パターン上に塗布して焼成しても、剥き出しとなった銅が低融点ガラスペースト中の樹脂成分と反応して泡かみ等が発生することがなくなり、電極パターンの断線や誘電体層のはじき等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極形成方法を用いてアドレス電極を形成したPDPの構成を示す部分分解斜視図である。
【図2】図1のPDPを平面的に見た状態を示す説明図である。
【図3】アドレス電極の形成方法を示す説明図である。
【図4】アドレス電極を形成する際のレジストパターンの形状を示す説明図である。
【図5】レジストの太帯状パターンのエッジ角部を円滑にしていない場合の比較例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 前面側の基板
12 透明電極
13 バス電極
17,24 誘電体層
21 背面側の基板
28,28R、28G、28B 蛍光体層
29 隔壁
30 放電空間
A アドレス電極
A1 細帯部
A2 太帯部
D 電極層
H ホース
L レーザ光
R フォトレジスト
R1 細帯状パターン
R2 太帯状パターン
S レーザ照射装置
X、Y 表示電極
Claims (2)
- 基板上に導電性材料膜を形成し、その導電性材料膜上にレジストを塗布した後、そのレジストを露光し、現像液を用いて現像することで一方向に細幅の帯状部と太幅の帯状部とを繰り返して延長するパターンの電極と同じ形状のレジストパターンを形成し、次にエッチング液を用いて導電性材料膜をレジストパターンに応じた形状にエッチングすることからなるプラズマディスプレイパネルの電極形成方法であって、
前記太幅の帯状部の4隅のエッジ角部をなで肩状にするパターンでレジストを露光した後、現像工程及び導電性材料膜のエッチング工程において現像液及びエッチング液をシャワー状に浴びせるとともに、そのシャワーの放出方向を前記電極の延長方向と垂直になる方向にスイングさせることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの電極形成方法。 - 導電性材料膜が、クロム/銅/クロムの3層構造の金属膜からなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの電極形成方法。
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