JP4223693B2 - 車両の坂道発進補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキペダルを踏み込んで停止した場合にブレーキペダルを放した後でもブレーキ力を保持し、発進時に保持していたブレーキ力を解放するようにした車両の坂道発進補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の坂道発進補助装置(Hill Start Aid:以下HSAと略称することもある) とは、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を使用しなくとも坂道発進を容易に行えるようにしたものである。かかるHSAをエンジンと変速機との間に流体継手(トルクコンバータを含む)を介設した車両(所謂トルクコンバータ付き車両)に適用する場合、ブレーキペダルを踏み込んで停止したときにブレーキペダルを放した後でもブレーキ力を保持し、爾後、アクセルペダルを踏み込んだとき保持していたブレーキ力を解放するようにする。
【0003】
具体的には、ブレーキペダルにより作動されるマスタシリンダとホイールのブレーキを作動するホイールシリンダとの間の流体圧通路に、通路内を閉じることでそのときのブレーキ力を保持する制動力保持弁を介設し、図5に示すように、ブレーキペダルが踏み込まれたこと及び車両が停止したこと並びにギヤがニュートラルであることを検出したとき、上記制動力保持弁を閉じてブレーキペダルを放した後でもブレーキ力を保持し、爾後、図6に示すようにギヤイン状態でアクセルペダルを踏み込んだとき制動力保持弁を開く(HSAを解除する)ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示すように、ギヤがニュートラル状態で停車したときのみHSAを作動させる(制動力保持弁を閉じる)のでは、ギヤイン状態で停車した場合であってもシフトレバーを動かしてギヤをニュートラルにしなければHSAを作動させることができず、操作が繁雑となる。
【0005】
また、ギヤがニュートラル状態で停車してHSAが作動した後、シフトレバーを動かして発進段にギヤインすると、ギヤインにより生じるクリープ力がHSAの作動によるブレーキ力よりも大きい場合、クリープ力によって車両が運転者の意思(HSAが作動しているのだから車両は停止しているはずという意思)に反して動き出すことになる。
【0006】
これを回避するためには、図7に示すように、「ブレーキ踏込?」のステップの次に「ブレーキ圧>P1 」のステップを設け、流体圧通路内のブレーキ圧が発進段のクリープ力に対抗できる所定の圧力P1 以上となったときのみHSAの作動を許可することが考えられが、装置および制御が複雑化する。
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、車両停止後にギヤをいちいちニュートラルにすることなくギヤイン状態のままHSAを作動でき、その際にブレーキ踏込圧を検出することなくクリープ力による車両の動き出しを防止できる車両の坂道発進補助装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る車両の坂道発進補助装置は、エンジンと変速機との間に介設され変速機のギヤイン時に所定のクリープ力を生じさせる流体継手と、ブレーキの流体圧通路に介設されその通路内を閉じることでそのときのブレーキ力を保持する制動力保持装置と、上記変速機のギヤイン又はニュートラルを検出するギヤインセンサと、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキセンサと、車両の停止を検出する車速センサと、上記制動力保持装置の作動・解除を制御する制御装置とを有する車両の坂道発進補助装置であって、該制御装置は、上記ブレーキセンサが上記ブレーキペダルの踏み込みを検出すると共に上記車速センサが車両の停止を検出したとき、上記制動力保持装置の作動許容をし、その後、上記ブレーキセンサが上記ブレーキペダルの踏み込みを検出すると共に上記ギヤインセンサが上記変速機のニュートラルを検出した後にギヤインを検出したとき、上記制動力保持装置の解除許可をするものである。
【0009】
本発明によれば、制御装置は、ブレーキペダルの踏込と車両の停止とを検出したとき、変速機がギヤインであるかニュートラルであるかを問わず、制動力保持装置の作動を許容する。ここで、ギヤイン状態で車両が停止するということは、クリープ力に勝るフットブレーキ力で停車しているため、そのフットブレーキ踏込圧力を制動力保持装置を作動することで保持すれば、クリープ力による車両を動き出しを防止でき、その際ブレーキ踏込圧力を検出する必要はない。すなわち、本発明によれば、車両停止後にギヤをいちいちニュートラルにすることなくギヤイン状態のままHSAを作動でき、その際にブレーキ踏込圧力を検出することなくクリープ力による車両の動き出しを防止できる。
【0010】
ところで、このようにブレーキペダルの踏み込み、ギヤインおよび停車でHSAを作動させると、その解除はアクセルペダルの踏み込みのみとなってしまう。これでは、ギヤイン時にブレーキペダルの踏み込みを緩めることでクリープ力で発進することが不可能となり、トルクコンバータ付き車両のメリットであるクリープ発進・走行ができない。特に、下り坂の発進時に、ブレーキペダルを緩めるだけでは発進できずアクセルペダルを踏み込まないと発進できないのでは、従来の従来のトルクコンバータ付き車両の運転に慣れた運転者の意思に反するばかりでなく車両の急発進を招き、好ましくない。
【0011】
そこで、本発明では、ギヤイン状態で停車しHSAを作動した場合に、一旦ギヤをニュートラルに操作してからフットブレーキを踏みながらギヤイン操作を行ったとき、HSAを解除するようにした。これにより、ギヤイン状態でブレーキペダルの踏み込みを緩めることでクリープ力で発進することが可能となり、下り坂発進時の飛出し感の発生も回避できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0014】
図3は、本実施形態に係る車両の坂道発進補助装置のブロック構成図である。図示するように、エンジン1には、クラッチ機構2を介して変速機3が接続されている。クラッチ機構2は、図4に示すように、流体継手4(フルードカップリング:トルクコンバータを含む)と湿式多板クラッチ5(変速クラッチ)とからなる。
【0015】
流体継手4は、エンジン1の出力軸6(クランク軸)に接続されたポンプ部7と、ポンプ部7に対向されクラッチ入力軸8に接続されたタービン部9と、タービン部9とポンプ部7との間に介設されたステータ部10と、ポンプ部7とタービン部9との連結・切離を行うロックアップ部11とを有する。また、湿式多板クラッチ5は、クラッチ入力軸8と変速機3の入力軸12とを断接するものであり、変速機3の変速作動中に断され変速完了後に接される。
【0016】
このクラッチ機構2によれば、エンジン1が運転されてその出力軸6(クランク軸)が回転されているとき、ロックアップ部11が切られていると、流体継手4を介してクラッチ入力軸8が回転され、ロックアップ部11が繋がれていると、クラッチ入力軸8がエンジン出力軸6と一体回転される。また、湿式多板クラッチ5が切られていると、クラッチ入力軸8の回転が変速機3の入力軸12に伝達されず、湿式多板クラッチ5が繋がれていると、クラッチ入力軸8の回転が変速機3の入力軸12に伝達される。
【0017】
変速機3は、入力軸12と、これと同軸に配置された出力軸13と、これらに平行に配置された副軸14とを有する。入力軸12には、入力主ギヤ15が設けられている。出力軸13には、1速主ギヤ16と、2速主ギヤ17と、3速主ギヤ18と、4速主ギヤ19と、リバース主ギヤ20とが夫々軸支されていると共に、6速主ギヤ21が固設されている。副軸14には、入力主ギヤ15に噛合する入力副ギヤ22と、1速主ギヤ16に噛合する1速副ギヤ23と、2速主ギヤ17に噛合する2速副ギヤ24と、3速主ギヤ18に噛合する3速副ギヤ25と、4速主ギヤ19に噛合する4速副ギヤ26と、リバース主ギヤ20にアイドルギヤ27を介して噛合するリバース副ギヤ28とが夫々固設されていると共に、6速主ギヤ21に噛合する6速副ギヤ29が軸支されている。
【0018】
この変速機3によれば、出力軸13に固定されたハブ30にスプライン噛合されたスリーブ31を、リバース主ギヤ20のドグ32にスプライン噛合すると、出力軸13がリバース回転し、上記スリーブ31を1速主ギヤ16のドグ33にスプライン噛合すると、出力軸13が1速相当で回転する。そして、出力軸13に固定されたハブ34にスプライン噛合されたスリーブ35を、2速主ギヤ17のドグ36にスプライン噛合すると、出力軸13が2速相当で回転し、上記スリーブ35を3速主ギヤ18のドグ37にスプライン噛合すると、出力軸13が3速相当で回転する。
【0019】
そして、出力軸13に固定されたハブ38にスプライン噛合されたスリーブ39を、4速主ギヤ19のドグ40にスプライン噛合すると、出力軸13が4速相当で回転し、上記スリーブ39を入力主ギヤ15のドグ41にスプライン噛合すると、出力軸13が5速相当(直結)で回転する。そして、副軸14に固定されたハブ42にスプライン噛合されたスリーブ43を、6速副ギヤ29のドグ44にスプライン噛合すると、出力軸13が6速相当で回転する。
【0020】
上記各スリーブ31、35、39、43は、図示しないシフトフォークおよびシフトロッドを介して、運転室内の図3に示すシフトレバー45によって操作される。このとき、各スリーブ31等の操作中は変速が可能となるように湿式多板クラッチ5が切られ、操作終了後にはエンジン1の動力を車輪58に伝達すべく湿式多板クラッチ5が繋がれるようになっている。また、各スリーブ31、35、39、43とドグ32、33、36、37、40、41、44との間には、図示しないシンクロ機構が設けられている。
【0021】
図3に示すように、変速機3には、シフトロッドの位置に基づいて、ギヤがニュートラル(各スリーブ31、35、39、43がいずれのドグ32、33、36、37、40、41、44にもスプライン噛合していない状態)であることを検出するニュートラルセンサ46が設けられている。このニュートラルセンサ46は、逆をいえば変速機3のギヤインの有無を検出するギヤインセンサ46となる。
【0022】
また、変速機3には、図3および図4に示すように、車速センサ47が設けられている。車速センサ47は、変速機3の出力軸13の回転数(rpm) に基づいて車速を算出するものである。また、エンジン1には、図3に示すように、エンジン1が運転状態にあるか否か検出するエンジンセンサ48が設けられている。エンジンセンサ48は、クランク軸にベルトやギヤを介して駆動されるACG(交流発電機)からの出力に基づいてエンジン1が運転状態にあるか否かを検出する。
【0023】
また、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)には、パーキングブレーキが掛けられているか否かを検出するパーキングブレーキセンサ49が設けられている。パーキングブレーキセンサ49は、例えばパーキングブレーキレバー50が所定角度回動されたときオンされるリミットスイッチ等からなる。
【0024】
また、ブレーキペダル51には、ブレーキペダル51の踏み込みを検出するブレーキセンサ52が設けられている。ブレーキセンサ52は、例えばブレーキペダル51が所定角度踏み込まれたときオンされるリミットスイッチでもよく、あるいは後述するブレーキ流体圧通路60の内部圧力が所定圧力(0.5Kg/cm2 等)以上となったときオンされる圧力スイッチでもよい。ブレーキセンサ52のオンはストップランプの点灯と連動している。
【0025】
また、アクセルペダル53には、アクセルペダル53がアイドル位置であるか否かを検出するアクセルセンサ54が設けられている。アクセルセンサ54は、例えばアクセルペダル53がアイドル位置のときにオンされるリミットスイッチ等からなり、アクセルペダル53の踏み込みを検出するものである。
【0026】
また、運転室内には、車両の坂道発進補助装置(HSA)の作動を解除するHSA解除スイッチ55が設けられている。HSA解除スイッチ55がオンされると、HSAは作動しなくなり、HSAが装備されていない通常の車両を同様の挙動を示すようになる。
【0027】
また、図3に示すように、クラッチ機構2には、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ64が設けられている。エンジン回転センサ64は、図4にも示すように、エンジン1の出力軸6(クランク軸)に連結されたポンプ部7の回転数を検出し、エンジン1の回転数を検出するものである。以上説明した各センサやスイッチ等は、図3に示すように、制御部56(コントローラ)に接続されている。
【0028】
また、ブレーキペダル51には、これにより作動されるマスタシリンダ57が連結され、ホイール(車輪)58のブレーキには、そのブレーキを作動するホイールシリンダ59が連結されている。そして、マスタシリンダ57とホイールシリンダ59とは、流体圧通路60を介して接続されている。流体圧通路60には、通路60内を閉じることでそのときのブレーキ力を保持し、通路60内を開くことでそのブレーキ力を解放する制動力保持弁61が開閉自在に設けられている。
【0029】
制動力保持弁61は、制御部56からの指令に応じて後述のように開閉作動される。制御部56は、本実施形態では図1に示すフローによってHSAの作動すなわち制動力保持弁61の閉弁を許可する。
【0030】
先ず、ステップ1では、車速が0.5Km/h 以下であるか判断する。この判断は、車両が略停止しているか否かを検出するものであり、図3および図4に示す車速センサ47からの出力に基づいてなされる。車速が0.5Km/h 以下でなければ終了に向かい、車速が0.5Km/h 以下ならばステップ2に向かう。HSAの作動は車両停止が前提だからである。
【0031】
ステップ2では、停車直前の減速度が所定値より小さいか判断される。この判断は、車輪58がブレーキによってロックしているか否かを検出するものであり、車速センサ47からの出力を時間微分して行われる。減速度が小さくなければ即ち減速度が大きいと、ステップ1で車速センサ47が車速が0.5Km/h 以下を検出しても車輪58がロックしている可能性があるので、HSAを作動させずに終了に向かい、減速度が小さければ、ステップ3に向かう。
【0032】
ステップ3では、ブレーキペダル51が踏み込まれたか判断する。この判断は、ブレーキセンサ52(ブレーキペダル51に設けられたリミットスイッチ)や、ブレーキ流体圧通路60に設けられた図示しない圧力スイッチ(設定圧力=0.5Kg/cm2 等)によってなされる。ブレーキペダル51が踏み込まれていなければ終了に向かい、ブレーキペダル51が踏み込まれていればステップ4に向かう。すなわち、HSAはブレーキペダル51が踏み込まれていないと作動しないのである。
【0033】
ステップ4では、パーキングブレーキがオフであるか判断する。この判断は、パーキングブレーキレバー50に設けられたパーキングブレーキセンサ49の出力に基づいてなされる。パーキングブレーキがオフでなければ即ちパーキングブレーキがオンなら終了に向かい、パーキングブレーキがオフならステップ5に向かう。パーキングブレーキがオンならば、HSAを作動させなくとも車両を停止させることができるからである。
【0034】
ステップ5では、HSA解除スイッチ55がオフであるか判断する。この判断は、運転室内に設けられたHSA解除スイッチ55の出力に基づいてなされ、HSA解除スイッチ55がオフでなければ即ちオンならば終了に向かい、HSA解除スイッチ55がオフならばステップ27に向かう。運転者の意思を反映したものである。すなわち、HSAの作動条件が揃っても、運転者がHSAを作動させたくないと思ってHSA解除スイッチ55をオンしたときには、HSAは作動しない。
【0035】
ステップ6では、エンジン1が運転されているか判断する。この判断は、エンジンセンサ48(ACGの出力センサ)によってなされ、エンジン1が運転されてなければ終了に向かい、エンジン1が運転中であればステップ7に向かう。エンジン1が停止していれば、停車後の再発進に備える必要はなく、HSAを作動させる必要がないからである。
【0036】
ステップ7では、本システムの故障診断を行い、システムが正常であるか判断される。この故障診断は、図3に示す各センサ46、47、48、49、52、54、55等が正常であるか否かを夫々検出して行う。そして、異常であれば終了に向かい、正常であればステップ8に向かう。システムの異常時にHSAを作動させようとしても、正常な作動は不可能だからである。
【0037】
ステップ8では、ギヤがニュートラルか判断する。この判断は、変速機3のニュートラルセンサ(ギヤインセンサ)46からの出力によってなされる。ギヤがニュートラルならばステップ9に向かい、ギヤN(ニュートラル)フラグがセットされて、ステップ10にてHSAが作動される(制動力保持弁61が閉じられる)。これにより、そのときブレーキペダル51が踏み込まれて発生したブレーキ力が、ブレーキペダル51から足を放した後も保持され、車両の停止が保持される。
【0038】
ステップ8にて、ギヤがニュートラルでなければ即ちギヤイン状態ならばステップ11に向かう。ステップ11では、アクセルペダル53がアイドル位置か判断される。この判断は、アクセルセンサ54の出力に基づいてなされる。そして、アクセルペダル53がアイドル位置ならば、ステップ10に向かい、HSAが作動される(制動力保持弁61が閉じられる)。これにより、ギヤイン状態であってもアクセルペダル53がアイドル位置ならば、そのときブレーキペダル51が踏み込まれて発生したブレーキ力が、ブレーキペダル51から足を放した後も保持され、車両の停止が保持される。
【0039】
ここで、ギヤイン状態で車両が停止するということは、クリープ力に勝るフットブレーキ力で停車しているため、そのフットブレーキ踏込圧力(ブレーキ流体圧通路60内の圧力)を図3に示す制動力保持弁61を閉弁することで保持すれば、クリープ力による車両を動き出しを防止でき、その際クリープ力に勝るブレーキ踏込圧力を検出する必要はない。すなわち、本実施形態によれば、車両停止後にギヤをいちいちニュートラルにすることなくギヤイン状態のままHSAを作動でき、その際にブレーキ踏込圧力を検出することなくクリープ力による車両の動き出しを防止できる。
【0040】
他方、ステップ11にて、アクセルペダル53がアイドル位置でなければ即ちアクセルペダル53が踏み込まれていれば、HSAを作動することなく終了へ向かう。アクセルペダル53が踏み込まれているということは、運転者に発進の意思があると考えられ、HSAを作動させる必要はないからである。
【0041】
次に、図2にHSA解除条件(制動力保持弁61の開弁条件)を示す。
【0042】
先ず、ステップ21では、パーキングブレーキがオンか判断される。この判断は、パーキングブレーキセンサ49の出力に基づいてなされる。そして、パーキングブレーキがオンなら、ステップ27へ向かい、HSAが解除(制動力保持弁61が開弁)される。パーキングブレーキがオンならば、HSAを解除しても車両を停止させることができるからである。他方、パーキングブレーキがオンでなければステップ22に向かう。
【0043】
ステップ22では、車速が4.5Km/h 以上であるか判断する。この判断は、車速センサ47からの出力に基づいてなされる。そして、車速が4.5Km/h 以上であれば、ステップ27へ向かい、HSAが解除(制動力保持弁61が開弁)される。車速が4.5Km/h 以上ならば、HSAによるブレーキ力を発生させる必要がないからである。他方、車速が4.5Km/h より低ければステップ23に向かう。
【0044】
ステップ23では、HSA解除スイッチ55がオンか判断する。この判断は、運転室内に設けられたHSA解除スイッチ55の出力に基づいてなされる。そして、HSA解除スイッチ55がオンなら、ステップ27へ向かい、HSAが解除(制動力保持弁61が開弁)される。運転者の意思を反映したものである。他方、HSA解除スイッチ55がオフならばステップ24に向かう。
【0045】
ステップ24では、ギヤがニュートラルか判断する。この判断は、変速機3のニュートラルセンサ(ギヤインセンサ)46からの出力に基づいてなされる。そして、ギヤがニュートラルであれば、ステップ28にてギヤNフラグをセットして終了に向かい、HSAを解除しない。ギヤがニュートラルであるということは運転者に車両発進の意思はなく、HSAの作動を保持(制動力保持弁61の閉弁を保持)すべきだからである。
【0046】
他方、ギヤがニュートラルでなければ即ちギヤイン状態ならステップ25に向かう。ステップ25では、ギヤNフラグがセットされているか否か判断する。そして、ギヤNフラグがセットされていなければ、ステップ29に向かう。ステップ29では、アクセルペダル53が踏み込まれたかアクセルセンサ54によって判断される。そして、アクセルペダル53がある程度以上(例えば3%以上)踏み込まれていれば、ステップ27に向かいHSAが解除され、さもなければHSAを解除することなく終了に向かう。
【0047】
また、ステップ25にて、ギヤNフラグがセットされていれば、ステップ26に向かう。ステップ26では、ブレーキペダル51が踏み込まれたか判断される。この判断は、ブレーキセンサ52(ブレーキペダル51に設けられたリミットスイッチ)や、ブレーキ流体圧通路60に設けられた図示しない圧力スイッチ(設定圧力=0.5Kg/cm2 等)によってなされる。そして、ブレーキペダル51が踏み込まれていれば、ステップ27に向かいHSAが解除され、さもなければステップ29に向かう。
【0048】
ステップ29では、既述のように、アクセルペダル53が踏み込まれたかアクセルセンサ54によって判断される。そして、アクセルペダル53がある程度以上(例えば3%以上)踏み込まれていれば、ステップ27に向かいHSAが解除され、さもなければHSAを解除することなく終了に向かう。
【0049】
かかるHSA解除制御を採用した理由を述べる。
【0050】
図1に示すように、ブレーキペダル51の踏み込み(ステップ3)、ギヤイン(ステップ8、11)および停車(ステップ1)でHSAを作動させると、その解除はアクセルペダル53の踏み込みのみとならざるを得ない。何故なら、仮にブレーキペダル51の踏み込みによりHSAを解除するようにすると、その他にギヤインおよび停車がHSA解除の条件となるため、HSA解除条件がHSA作動条件と重なってしまい、制御干渉するからである。
【0051】
しかしながら、HSAの解除をアクセルペダル53の踏み込みによって行うとすると、ギヤイン時にブレーキペダル51の踏み込みを緩めることでクリープ力で発進することが不可能となり、トルクコンバータ付き車両のメリットであるクリープ発進・走行ができない。特に、下り坂の発進時に、ブレーキペダル51を緩めるだけでは発進できずアクセルペダル53を踏み込まないと発進できないのでは、従来の従来のトルクコンバータ付き車両の運転に慣れた運転者の意思に反するばかりでなく車両の急発進を招き、好ましくない。
【0052】
そこで、図1に示すギヤイン状態で停車しHSAを作動した場合(ステップ8、11、10)には、図2にステップ24、25、29に示すようにそのまま(ギヤインのまま)アクセルペダル53を踏み込むか、またはステップ24、25、26に示すように一旦ギヤをニュートラルに操作してからフットブレーキ51を踏みながらギヤイン操作を行ったとき、HSAを解除するようにした。これにより、ギヤイン状態でブレーキペダル51の踏み込みを緩めることでクリープ力で発進することが可能となり、下り坂発進時の飛出し感の発生も回避できる。
【0053】
すなわち、図3に示す制御部56は、ギヤインセンサ46が変速機3のギヤインを検出しアクセルペダルセンサ54がアクセルペダル53の踏み込みを検出したとき(ステップ24、25、29、27)、またはブレーキセンサ52がブレーキペダル51の踏み込みを検出しギヤインセンサ46が変速機3のニュートラルを検出した後にギヤインを検出したとき(ステップ24、25、26、27)、制動力保持弁61の開弁を許容する。
【0054】
こうすれば、HSA解除条件がHSA作動条件と重なり合って干渉することはなく、トルクコンバータ付き車両のメリットであるブレーキペダル51を緩めることによるクリープ発進・走行が可能となる。すなわち、本実施形態によれば、HSAの作動後(制動力保持弁61の閉弁後)にアクセルペダル53を踏み込んでもブレーキペダル51を踏み込んでもクリープ力で発進することができ、その際にHSAの作動と解除とが制御干渉することはない。
【0055】
なお、本実施形態では、変速機3に図4に示すような2軸式のマニュアルトランスミッションを用い、クラッチ機構2に湿式多板クラッチ5と流体継手4とを用いたものを採用したが、これに限らず変速機3に2軸式マニュアルトランスミッションの代わりに遊星歯車式のオートマチックトランスミッションを用い、クラッチ機構2には湿式多板クラッチ5を省略して流体継手4のみを採用してもよい。要は、本発明は、流体継手4を用いたことによるクリープ力の問題についてのものであり、流体継手4を有していれば変速機3はどのような機構(ベルト式CVTやハーフトロイドCVT等)でも構わない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車両の坂道発進補助装置によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)変速機のギヤイン時に所定のクリープ力を生じさせる流体継手を備えた車両において、車両停止後にギヤをいちいちニュートラルにすることなくギヤイン状態のままHSAを作動でき、その際にブレーキ踏込圧を検出することなくクリープ力による車両の動き出しを防止できる。
(2)HSAの作動後(制動力保持弁の閉弁後)に、ブレーキペダルを踏み込み、変速機をニュートラルからギヤインすることで、クリープ力で発進することができ、その際にHSAの作動と解除との制御干渉を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の坂道発進補助装置(HSA)の作動条件を示すフロー図である。
【図2】上記HSAの解除条件を示すフロー図である。
【図3】上記HSAのシステムを示す概要図である。
【図4】上記HSAの変速機とクラッチ機構とを示す説明図である。
【図5】本発明者が開発中のHSAの作動条件を示すフロー図である。
【図6】本発明者が開発中のHSAの解除条件を示すフロー図である。
【図7】本発明者が開発中の別のHSAの作動条件を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 変速機
4 流体継手
46 ギヤインセンサ(ニュートラルセンサ)
47 速度センサ
51 ブレーキペダル
52 ブレーキセンサ
53 アクセルペダル
54 アクセルセンサ
56 制御部
60 流体圧通路
61 制動力保持弁

Claims (1)

  1. エンジンと変速機との間に介設され変速機のギヤイン時に所定のクリープ力を生じさせる流体継手と、ブレーキの流体圧通路に介設されその通路内を閉じることでそのときのブレーキ力を保持する制動力保持装置と、上記変速機のギヤイン又はニュートラルを検出するギヤインセンサと、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキセンサと、車両の停止を検出する車速センサと、上記制動力保持装置の作動・解除を制御する制御装置とを有する車両の坂道発進補助装置であって、
    該制御装置は、上記ブレーキセンサが上記ブレーキペダルの踏み込みを検出すると共に上記車速センサが車両の停止を検出したとき、上記制動力保持装置の作動許容をし、その後、上記ブレーキセンサが上記ブレーキペダルの踏み込みを検出すると共に上記ギヤインセンサが上記変速機のニュートラルを検出した後にギヤインを検出したとき、上記制動力保持装置の解除許可をするものであることを特徴とする車両の坂道発進補助装置。
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