JP4223216B2 - シート - Google Patents
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Description
本発明は、シートであって、該シートがシート本体を備えており、該シート本体が座面と、該座面に旋回可能に結合された背もたれとを備えており、これらの座面および背もたれが、強制ガイドにおいて長手方向移動可能かつ旋回可能でシート支持体に調節可能かつ固定可能に保持されており、背もたれと座面との間のシート角度が固定された状態で、背もたれの背部傾度が、シート支持体に対するシート本体の旋回によって調節可能であり、シート支持体における座面の枢着点がシート長手方向で固定された状態で、座面の座部傾度が、背もたれに対する座面の旋回によって調節可能である形式のものに関する。
【0002】
座面ならびに該座面に旋回可能に結合された背もたれが、シート本体の姿勢を調節するためにシート支持体に調節可能かつ固定可能に保持されているようなシートは、たとえば事務椅子としても車両用座席としても種々異なる構成で公知である。
【0003】
たとえば後方シート領域において、いわゆる牽引式背もたれ(Schlepplehne)を備えた車両用シートが使用される。このような公知の車両用シートでは、座面がモータ式の調節駆動装置によって前方移動できる。座面が旋回ジョイントを介して背もたれと結合されているので、座部が背もたれを引きずり、背もたれは、背もたれの上位部分における強制ガイドに摺動案内されている。
【0004】
この公知のシートの座部傾度は円形セグメントを介して調節することができ、この円形セグメントは、座面を個別的に、座面の、前方の自由な座部領域において、別の調節駆動装置を用いて昇降させることができる。このような公知のシートでは、背部傾度が、間接的に座面の長手方向運動によってしか変化できないので、背部傾度の大きな変化のためには、比較的長い調節距離が必要である。
【0005】
明細書冒頭で述べたような形式のシートは、既にドイツ連邦共和国特許出願公開第3822877号明細書によって公知であり、このシートは飛行機用シートとして役立つ。背もたれの傾斜姿勢を変化する際に後方に位置する乗客のシート領域を損なわないようにするために、シート皿形部材(Sitzschale)と背もたれとが同時に滑子状の滑りガイドにおいて摺動可能である。シート皿形部材と背もたれとがその上互いに旋回可能に結合されているので、シート調節の際に、座面はその水平位置を維持し、単に前方に摺動されて僅かに持ち上げられ、これに対して背もたれは、後方の乗員を邪魔することなく、大きな傾斜位置を占める。
【0006】
これとは別の、座面と、該座面に旋回可能に結合された背もたれとがシート支持体に調節可能かつ固定可能に保持されているようなシート構造は、同出願人による欧州特許公開第0865960号明細書から公知である。車両用のシートとして役立つこのようなシート構造では、背もたれは、追突の間に、座席利用者による衝撃に基づく力作用によって、所定の開始位置から安全位置へ移動可能である。このために支持体は、くぼんだ領域の、背もたれへの力導入箇所に対して間隔を有して位置する効果的なてこ腕を備えた背もたれのための、座面の上部に配置された支持部を有している。座部は、背もたれから前方に向いた、斜め上方に方向付けられたガイドと結合されているので、正面衝突の際に、座部は元々選択された開始位置からこれに対して高められた安全位置に移動される。
【0007】
このような公知のシートでは、座面と背もたれとの間の調節性が、とりわけスペース節約または車両の安全性の理由から設けられており、これに対して利用者のための座り心地および操作性は、このシート構造の優先的な目的ではない。
【0008】
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式のシートを改良し、利用者にできるだけ快適な座り心地と操作性とを与えるような、比較的大きな調節領域を有するものを提供することである。
【0009】
この課題を解決するための本発明の装置によれば、座部傾度調節のために、調節駆動装置の組み込まれた旋回ジョイントが、座面と背もたれとの間に設けられている。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、背もたれが、座部傾度調節のためにリニア調節駆動装置を介してシート支持部と結合されており、該リニア調節駆動装置が、往復駆動装置として形成されていて、かつ一方の端部領域で、背もたれに配設された強制ガイドにおいて背もたれの枢着点に作用している。
【0011】
本発明の椅子では、座面傾度調節のための手動の調節移動が回避されており、その代わりに調節駆動装置が設けられており、この調節駆動装置は狭いスペース条件下でも座部傾度調節を許容する。
【0012】
この場合座部傾度と背部傾度との調節は、従来の直接的な背もたれと座面との調節によって行われるのではなく、むしろ座部傾度は、座面と背もたれとによって形成されたシート角度の実際の調節によって個別に所望の程度に調節することができ、背部傾度は、シート長手方向での座面の摺動とシート支持体に対するシート本体の旋回とによって個別に所望の程度に調節することができる。たとえば公知の車両シートと比べて、本発明のシートでは、同じ調節距離では、著しく大きな背部傾度が達成される。
【0013】
この本発明のシートは、事務用椅子またはそれに類する家具調椅子として形成することができ、しかも自動車用シート、飛行機用シートまたはそれに類する車両用シートとして形成することもできる。
【0014】
座面と背もたれとが、それぞれ旋回可能かつ長手方向移動可能にシート支持体の強制ガイドに保持されている。このために座面および背もたれは旋回−摺動−ガイドを介してシート支持体に保持することができる。このような旋回−摺動−ガイドは、背部傾度調節時に、シート支持体における座面と背もたれとの同時の摺動と旋回とを許容する。座部傾度調節時に、座面に配設された旋回−摺動−ガイドは単なる旋回ジョイントとして働き、これに対して旋回ジョイントを介して座面と結合された背もたれは旋回−摺動−ガイドにおいて摺動して、かつシート支持体に対して旋回することができる。
【0015】
したがって背もたれは、座席長手方向でシート支持体における枢着点が固定された状態で、シート角度の変化に基づいて、背もたれに配設された強制ガイドに沿って摺動することができ、これによって座部傾度変化がもたらされる。これに対して座面と背もたれとの間で形成されたシート角度が固定され、座面の枢着点が強制ガイドにおいて摺動されると、背もたれが強制ガイドに追従して、背もたれの強制ガイドにおける独自の枢着点を中心に傾斜され、この傾斜はシート本体全体がシート支持体に対して旋回されるように行われる。
【0016】
有利な実施形態によれば、背部傾度調節と座部傾度調節とのために、調節駆動装置がそれぞれ設けられている。
【0017】
本発明のシートは簡単な形式で事務用椅子またはそれに類する家具調椅子として形成することができる。有利な実施形態によれば、本発明のシートが自動車用シートまたは飛行機用シートとして形成されている。たとえば自動車用シートとして形成されたシートは前部シートまたは後部シートとして形成することができる。
【0018】
本発明のさらなる特徴は、請求の範囲ならびに図面に関連して、以下の本発明の実施例の記載から明らかである。
【0019】
次に本発明の実施例を図示し、詳しく説明する。
【0020】
シート1はシート本体2を備えており、このシート本体2は座面3と、ヘッドレスト5の組み込まれた背もたれ4とを備えている。それぞれ複数のセグメントを備えていてもよい座面3および背もたれ4は、互いに向かい合う側で自由に配置された旋回ジョイント6を介して互いに旋回可能に結合されている。シート本体2を調節するために、座面3および背もたれ4はシート支持体7に調節可能かつ固定可能に保持されている。ここではシート支持体7はフレーム状に形成されていて、シート本体2の両側に配置されている。
【0021】
図面から判るように、座面3および背もたれ4はそれぞれ旋回可能かつ座席長手方向移動可能にシート支持体7に保持されている。座面3および背もたれ4は、旋回−摺動−ガイドとしての強制ガイド8,10を介してシート支持体7と結合されている。
【0022】
背もたれ4の背部傾度は、背もたれ4と座面3との間のシート角度αが固定されている状態では、単にシート支持体7に対するシート本体2の旋回によって調節可能であり、この場合シート本体2の座面3および背もたれ4は、シート角度αを変化させることなく、シート長手方向でシート本体の強制ガイド8,10において摺動される。座面3の座部傾度は、シート支持体7において座面3の枢着点9がシート長手方向で固定されている場合、背もたれ4に対する座面3の旋回によって調節することができる。この場合このようなシート1では、比較的短い調節距離でも大きな背部傾度変化が達成される。
【0023】
このために背もたれ4が強制ガイド10において摺動され、これに対して座面3が、座面3と背もたれ4との間に形成されたシート角度αを変化させながら、シート長手方向で固定されたシート支持体7における枢着点9を中心に回動される。
【0024】
座部傾度調節は調節駆動装置を介して行われ、この調節駆動装置は座面3と背もたれ4との間の旋回ジョイント6に組み込まれている。しかも図示のシート1では、座部傾度調節はリニア調節駆動装置によって行われ、この調節駆動装置は往復駆動装置11として形成されていて、同時に強制ガイドとして役立つ。ここではシート支持体7に保持された調節駆動装置は、一方の端部領域で背もたれ4の枢着点12に作用し、したがって往復調節とは無関係にそれぞれ底部またはこれに類する載設面に対してシート支持体7の最高位の部分領域を形成する。
【0025】
これに対して背部傾度調節のために、ラック式駆動装置が設けられており、ラック式駆動装置のここではほぼ円形のラック13は同時にラック上に位置する座面3のための強制ガイドとしても役立つ。
【0026】
シート1は自由に位置する運転席または助手席として形成されており、そのシート支持体7は、車両底部と堅固に結合されている。しかしながらシート1はたとえば後部シートとして形成してもよい。そのように車両用後部シートとして形成されたシートでは、たとえば車両後壁の部分領域が、背もたれのためのリニア調節駆動装置またはそれに類する強制ガイドと堅固に結合されたシート支持体として役立つ。
【0027】
図1に示されたシート1は、簡単な形式で、同出願人の、ドイツ連邦共和国特許出願第19853156.7号明細書に記載されているような自動式のシート調節装置と組み合わせることもできる。このようなシート調節装置は、少なくとも1つの人***置通報器を介して調節駆動装置の、人体に同調するような調節を許容する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 運転席または助手席として形成されたシートを示す図である。
【符号の説明】
1 シート
2 本体
3 座面
4 背もたれ
5 ヘッドレスト
6 旋回ジョイント
7 シート支持体
8,10 強制ガイド
9 枢着点
11 往復駆動装置
12 枢着点
13 ラック
Claims (5)
- シート(1)であって、該シートがシート本体(2)を備えており、該シート本体が座面(3)と、該座面に旋回可能に結合された背もたれ(4)とを備えており、これらの座面(3)および背もたれ(4)が、それぞれ強制ガイドにおいて長手方向移動可能かつ旋回可能でシート支持体(7)に調節可能かつ固定可能に保持されており、背もたれ(4)と座面(3)との間のシート角度(α)が固定された状態で、背もたれ(4)の背部傾度が、シート支持体(7)に対するシート本体(2)の旋回によって調節可能であり、シート支持体(7)における座面(3)の枢着点(9)がシート長手方向で固定された状態で、座面(3)の座部傾度が、背もたれ(4)に対する座面(3)の旋回によって調節可能である形式のものにおいて、
座部傾度調節のために、調節駆動装置の組み込まれた旋回ジョイント(6)が座面(3)と背もたれ(4)との間に設けられていることを特徴とするシート。 - 背もたれが、座部傾度調節のためにリニア調節駆動装置を介してシート支持部(7)と結合されており、該リニア調節駆動装置が往復駆動装置(11)として形成されていて、かつ一方の端部領域で、背もたれ(4)に配設された強制ガイドにおいて背もたれ(4)の枢着点(12)に作用している、請求項1記載のシート。
- 背部傾度調節と座部傾度調節とのために、調節駆動装置がそれぞれ設けられている、請求項1または2記載のシート。
- 当該シート(1)が自動車用シートまたは飛行機用シートとして形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のシート。
- 当該シート(1)が前部シートまたは後部シートとして形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のシート。
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