JP4220794B2 - 絶縁基板用材料、プリント基板、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、tab用フィルム及びプリプレグ - Google Patents

絶縁基板用材料、プリント基板、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、tab用フィルム及びプリプレグ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に燃焼時の形状保持効果によって優れた難燃効果を発現する絶縁基板用材料、プリント基板、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、TAB用フィルム及びプリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子機器に用いられる多層プリント基板は、複数層の絶縁基板により構成されており、この層間絶縁基板としては、熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸させた熱硬化性樹脂プリプレグや、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂からなるフィルムが用いられている。
【0003】
近年、多層プリント基板の高密度化、薄型化に伴い、層間を極めて薄くすることが望まれており、薄型のガラスクロスを用いたり、全くガラスクロスを用いない層間絶縁基板が必要とされている。そのような層間絶縁基板としては、例えば、ゴム(エラストマー)類、アクリル系樹脂等で変性した熱硬化性樹脂材料、無機充填剤を大量に配合した熱可塑性樹脂材料等からなるものが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、「二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を重合させて得た平均分子量が5万以上の高分子量エポキシ重合体、多官能エポキシ樹脂、硬化剤及び架橋剤を主成分とするワニスに、平均粒径が0.8〜5μmの非繊維状の無機充填剤を配合し、支持体の片面又は両面に塗布して得られたエポキシ接着フィルムを絶縁層として使用する多層絶縁基板の製造方法」が開示されている。
【0005】
しかしながら、この製造方法による多層絶縁基板では、機械的強度等の力学的物性の向上に必要な無機充填剤と高分子量エポキシ重合体や多官能エポキシ樹脂との界面面積が限られているため、多量の無機充填剤を配合する必要があり、層間を薄くすることが困難であったり、加工時に工程の増加等の不具合が生じたりするという問題点があった。
【0006】
また、薄型のガラスクロスを用いたり、又は、全くガラスクロスを用いない層間絶縁基板には、耐熱性や寸法安定性等が不充分であるという問題点や、脆く割れ易いために、製造工程中に折れる等の不具合が生じることが多い等の問題点があった。
【0007】
また、多層プリント基板は、層上での回路形成、積層を繰り返すことで多層板を得るビルドアップ法や、回路形成した層を一括積層する一括積層法などにより製作されるが、メッキ工程や硬化工程、ハンダリフロー工程などの、耐溶剤性や耐水性、耐熱性、高温での寸法安定性を材料に要求する工程が含まれている。更に工程数が多いため、材料の品質が歩留まりに大きく影響することになる。
【0008】
したがって、これらの材料に求められる品質としては、酸、アルカリ、有機溶剤への耐性、電気特性にも影響する吸湿性が低いこと、上下層間の高精度な回路接続に影響する高温時及び加熱後の寸法安定性、鉛フリーハンダに対応する260℃での耐熱性、接続信頼性に影響する銅のマイグレーション性が低いこと等が挙げられる。
【0009】
特許文献1では、耐熱性の高いエポキシ樹脂を使用すること、及び無機化合物を併用することで高温物性を改善しようとしているが、ガラス転移点以下の物性は改善されるものの、その効果は小さい。更にガラス転移点以上では改善効果は殆どない。また、吸湿性や耐溶剤性に対しての改善効果は期待できない。
【0010】
一方、工業用途に用いられる高分子材料は、近年、廃プラスチックの処理や環境ホルモンの問題から、環境に優しい材料であることが求められており、環境適応型材料への転換が望まれている。具体的には、例えば、燃焼時のダイオキシン発生等の問題に対処するために、含ハロゲン型難燃剤からノンハロゲン型難燃剤への転換が検討されている。また、含ハロゲン型難燃剤は、難燃化の効果が高く、成形性の低下や成形品の力学的物性の低下等も比較的少ないが、これを使用した場合、成形加工時や燃焼時に多量のハロゲン系ガスを発生する恐れがあり、発生したハロゲン系ガスにより機器が腐食したり、人体への好ましくない影響があるため、安全性の面からも含ハロゲン型難燃剤を使用しない、いわゆるノンハロゲン難燃化処理技術や処理方法の確立が強く望まれている。
【0011】
このため、近年、絶縁基板用材料に関しても、環境適応型材料への転換のために、ノンハロゲン型難燃剤を使用した材料の開発がなされている。しかし、ノンハロゲン型難燃剤の場合、必要な難燃性を発現させるためには大量の難燃剤を配合する必要があるため、耐熱性や寸法安定性等の点で、含ハロゲン型難燃剤を使用した従来の絶縁基板用材料に及ばないという問題点があった。
【0012】
以上より、従来の絶縁基板用材料の問題点は、例えば、薄型の絶縁基板とすると耐熱性、寸法安定性及び力学的物性の維持が困難であるということや、ノンハロゲン型難燃剤により必要な難燃性を発現させるためには大量の難燃剤を配合しなくてはならないため、製造工程中等で必要とされる力学的物性や耐熱性等が得にくいということ等である。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−183539号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に燃焼時の形状保持効果によって優れた難燃効果を発現する絶縁基板用材料、プリント基板、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、TAB用フィルム及びプリプレグを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁基板に用いる材料であって、少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の混合物100重量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部、実質的にハロゲン系組成物を含有しない難燃剤0.1〜100重量部、及び、難燃助剤0.1〜50重量部を含有する絶縁基板用材料である。
以下に本発明を詳述する。
【0016】
本発明の絶縁基板用材料は、少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の混合物を含有するものである。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂等のポリフェニレンエーテル系樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂と相溶し得る熱可塑性樹脂との混合物;脂環式炭化水素系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂等が挙げられる。なかでもポリフェニレンエーテル系樹脂、官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物、脂環式炭化水素系樹脂及び熱可塑性ポリイミド系樹脂等が好適に用いられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
【0017】
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリフェニレンエーテル単独重合体又はポリフェニレンエーテル共重合体である。
【0018】
【化1】
Figure 0004220794
【0019】
式中、R1、R2、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルコキシル基を表す。これらのアルキル基、アラルキル基、アリール基及びアルコキシル基は、それぞれ官能基で置換されていても良い。
【0020】
上記ポリフェニレンエーテル単独重合体としては特に限定されず、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
【0021】
上記ポリフェニレンエーテル共重合体としては特に限定されず、例えば、上記ポリフェニレンエーテル繰り返し単位中に2,3,6−トリメチルフェノール等のアルキル三置換フェノール等を一部含有する共重合体や、これらのポリフェニレンエーテル共重合体に更にスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーの1種類又は2種類以上がグラフト共重合された共重合体等が挙げられる。これらのポリフェニレンエーテル系樹脂は、それぞれ単独で用いられても良いし、組成や成分又は分子量等の異なるものが2種類以上併用されても良い。
【0022】
上記官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂としては特に限定されず、例えば、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂が無水マレイン酸基、グリシジル基、アミノ基、アリル基等の官能基の1種類又は2種類以上で変性されたもの等が挙げられる。これらの官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
熱可塑性樹脂として上記官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂を用いると、絶縁基板用材料は架橋反応を起こすことが可能となり、力学的物性、耐熱性、寸法安定性等をより向上させることができる。
【0024】
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物としては特に限定されず、例えば、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂又は上記官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂と、スチレン単独重合体;スチレンとα−メチルスチレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーの1種類又は2種類以上との共重合体;スチレン系エラストマー等のポリスチレン系樹脂との混合物等が挙げられる。上記ポリスチレン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。これらのポリフェニレンエーテル系樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】
上記脂環式炭化水素系樹脂としては、高分子鎖中に環状の炭化水素基を有する炭化水素系樹脂であれば特に限定されず、例えば、環状オレフィンの単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの脂環式炭化水素系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
上記環状オレフィンとはノルボルネン系モノマーのことであり、例えば、ノルボルネン、メタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノドデカヒドロアントラセン、ジメタノデカヒドロアントラセン、トリメタノドデカヒドロアントラセン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロベンゾインデン、ジメタノオクタヒドロベンゾインデン、メタノデカヒドロベンゾインデン、ジメタノデカヒドロベンゾインデン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロフルオレン等やこれらの置換体等が挙げられる。
これらの環状オレフィンは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
上記ノルボルネン等の置換体における置換基としては特に限定されず、例えば、アルキル基、アルキリデン基、アリール基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、ハロゲン原子等の公知の炭化水素基や極性基が挙げられる。これらの置換基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】
上記ノルボルネン等の置換体としては特に限定されず、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン等が挙げられる。これらのノルボルネン等の置換体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】
上記脂環式炭化水素系樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ジェイエスアール(JSR)社製の商品名「アートン」シリーズや日本ゼオン社製の商品名「ゼオノア」シリーズ等が挙げられる。
【0030】
上記熱可塑性ポリイミド系樹脂としては特に限定されず、例えば、分子主鎖中にイミド結合とエーテル結合とを有するポリエーテルイミド樹脂、分子主鎖中にイミド結合とアミド結合とを有するポリアミドイミド樹脂、分子主鎖中にイミド結合とエステル結合とを有するポリエステルイミド樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性ポリイミド系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
上記ポリエーテルエーテルケトン樹脂としては特に限定されず、例えば、ジハロゲノベンゾフェノンとヒドロキノンとを重縮合して得られるもの等が挙げられる。
【0032】
上記熱硬化性樹脂とは、樹脂原料が常温で液状、半固形状、固形状等の比較的低分子量物質からなり常温下又は加熱下では流動性を示すが、硬化剤や触媒又は熱の作用によって硬化反応や架橋反応等の化学反応を起こし、分子量の増大と共に網目状の三次元構造を形成して、不溶不融性となる樹脂である。
【0033】
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フラン系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アニリン系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、アリル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂等が挙げられる。なかでもエポキシ系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂が好適に用いられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
上記エポキシ樹脂とは、少なくとも1個のオキシラン環(エポキシ基)を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂中のエポキシ基の数は、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで、1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算して求められる。
【0035】
上記エポキシ樹脂としては特に限定されず従来公知の各種エポキシ樹脂を用いることができ、例えば、以下に示したエポキシ樹脂(1)〜エポキシ樹脂(11)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0036】
エポキシ樹脂(1)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂及びこれらの水添化物や臭素化物等が挙げられる。
【0037】
エポキシ樹脂(2)としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等の脂環族エポキシ樹脂等が挙げられる。かかるエポキシ樹脂(2)のうち市販されているものとしては、例えば、商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)が挙げられる。
【0038】
エポキシ樹脂(3)としては、例えば、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0039】
エポキシ樹脂(4)としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。
【0040】
エポキシ樹脂(5)としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物等が挙げられる。
【0041】
エポキシ樹脂(6)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0042】
エポキシ樹脂(7)としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン等の共役ジエン化合物を主体とする重合体又はその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。
【0043】
エポキシ樹脂(8)としては、例えば、エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック又はその部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの等が挙げられる。
【0044】
エポキシ樹脂(9)としては、例えば、1分子当たり1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0045】
エポキシ樹脂(10)としては、例えば、上記各種エポキシ樹脂の構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入した、ウレタン変成エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0046】
エポキシ樹脂(11)としては、例えば、上記各種エポキシ樹脂にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0047】
上記エポキシ樹脂に用いる硬化剤としては特に限定されず、従来公知の各種エポキシ樹脂用の硬化剤を用いることができ、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、ジシアンアミド及びその誘導体、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0048】
上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の鎖状脂肪族アミン及びその誘導体;メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の環状脂肪族アミン及びその誘導体;m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族アミン及びその誘導体等が挙げられる。
【0049】
上記アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物としては、例えば、上記の各種アミン化合物と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のカルボン酸化合物とから合成されるポリアミノアミド化合物及びその誘導体;上記の各種アミン化合物と、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミド等のマレイミド化合物とから合成されるポリアミノイミド化合物及びその誘導体;上記の各種アミン化合物とケトン化合物とから合成されるケチミン化合物及びその誘導体;上記の各種アミン化合物と、エポキシ化合物、尿素、チオ尿素、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル系化合物等の化合物とから合成されるポリアミノ化合物及びその誘導体等が挙げられる。
【0050】
上記3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1及びその誘導体等が挙げられる。
【0051】
上記イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
【0052】
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びその誘導体等が挙げられる。
上記メラミン化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン及びその誘導体等が挙げられる。
【0053】
上記酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物及びその誘導体等が挙げられる。
【0054】
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール及びその誘導体等が挙げられる。
【0055】
上記熱潜在性カチオン重合触媒としては、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ベンジルホスホニウム塩等のイオン性熱潜在性カチオン重合触媒;N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステル等の非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
【0056】
上記光潜在性カチオン重合開始剤としては、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素等を対アニオンとした、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等のイオン性光潜在性カチオン重合開始剤;ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等の非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
【0057】
上記熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては特に限定されず、例えば、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂をグリシジル基、イソシアネート基、アミノ基等の熱硬化性を有する官能基で変性して得られる樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0058】
上記熱硬化性ポリイミド系樹脂とは、分子主鎖中にイミド結合を有する樹脂であり、その具体例としては特に限定されず、例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との縮合重合体、芳香族ジアミンとビスマレイミドとの付加重合体であるビスマレイミド樹脂、アミノ安息香酸ヒドラジドとビスマレイミドとの付加重合体であるポリアミノビスマレイミド樹脂、ジシアネート化合物とビスマレイミド樹脂とからなるビスマレイミドトリアジン樹脂等が挙げられる。なかでもビスマレイミドトリアジン樹脂が好適に用いられる。これらの熱硬化性ポリイミド系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0059】
上記ユリア樹脂としては、尿素とホルムアルデヒドとの付加縮合反応で得られる熱硬化性樹脂であれば特に限定されない。上記ユリア樹脂の硬化反応に用いられる硬化剤としては特に限定されず、例えば、無機酸、有機酸、酸性硫酸ナトリウムのような酸性塩からなる顕在性硬化剤;カルボン酸エステル、酸無水物、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の塩類のような潜在性硬化剤が挙げられる。なかでも、貯蔵寿命等から潜在性硬化剤が好適である。
【0060】
上記アリル樹脂としては、ジアリルフタレートモノマーの重合及び硬化反応によって得られるものであれば特に限定されない。上記ジアリルフタレートモノマーとしては、例えば、オルソ体、イソ体、テレ体が挙げられる。また、硬化時の硬化触媒としては、例えば、t−ブチルパーベンゾエートとジ−t−ブチルパーオキシドが併用される。
【0061】
上記ケイ素樹脂は、分子鎖中にケイ素−ケイ素結合、ケイ素−炭素結合、シロキサン結合、ケイ素−窒素結合を含むものであり、例えば、ポリシロキサン、ポリカルボシラン、ポリシラザンが挙げられる。
【0062】
上記ベンゾオキサジン樹脂は、ベンゾオキサジンモノマーのオキサジン環の開環重合によって得られるものである。上記ベンゾオキサジンモノマーとしては特に限定されず、例えば、オキサジン環の窒素にフェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等の官能基が結合したもの等が挙げられる。
【0063】
上記熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、樹脂の特性を改質するために、熱可塑性エラストマー類、架橋ゴム、オリゴマー類等が配合されても良い。また、これらはそれぞれ単独で用いられても良いし、併用して用いられても良い。
【0064】
上記熱可塑性エラストマー類としては特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。樹脂との相容性を高めるために、これらの熱可塑性エラストマーを官能基変性したものも用いることができる。これらの熱可塑性エラストマー類は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0065】
上記架橋ゴムとしては特に限定されず、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。樹脂との相容性を高めるために、これらの架橋ゴムを官能基変性したものを用いることが好ましい。これらの架橋ゴム類は単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0066】
官能基変性した架橋ゴムとしては、エポキシ変性ブタジエンゴムやエポキシ変性ニトリルゴム等が挙げられる。
【0067】
上記オリゴマー類としては特に限定されず、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレンオリゴマー等が挙げられる。これらのオリゴマー類は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0068】
更に、上記熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、物性を均一化する補助手段として結晶を微細化するための結晶核となり得る造核剤や、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種添加剤の1種又は2種以上が配合されても良い。
【0069】
本発明の絶縁基板用材料は、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂、並びに、層状珪酸塩を含有するものである。上記層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。
上記層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。なかでもモンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカ及び/又はヘクトライトが好適に用いられる。上記層状珪酸塩は、天然物であっても良いし、合成物であっても良い。又、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0070】
上記層状珪酸塩としては、下記式(2)で定義される形状異方性効果の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明の絶縁基板用材料はより優れた力学的物性を有するものとなる。
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶表面(B)の面積 (2)
式中、結晶表面(A)は層表面を意味し、結晶表面(B)は層側面を意味する。
【0071】
上記層状珪酸塩の形状としては特に限定されるものではないが、平均長さの好ましい下限は0.01μm、上限は3μm、厚さの好ましい下限は0.001μm、上限は1μm、アスペクト比の好ましい下限は20、上限は500であり、平均長さのより好ましい下限は0.05μm、上限は2μm、厚さのより好ましい下限は0.01μm、上限は0.5μm、アスペクト比のより好ましい下限は50、上限は200である。
【0072】
上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンのことであり、これらの金属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
【0073】
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量は、特に限定されるものではないが、好ましい下限が50ミリ等量/100g、上限が200ミリ等量/100gである。層状珪酸塩のカチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間にインターカレートされるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがあり、200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
【0074】
本発明において、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂として例えばポリフェニレンエーテル系樹脂等の低極性樹脂を用いる場合には、予め層状珪酸塩の層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、疎水化しておくことが好ましい。予め層状珪酸塩の層間を疎水化しておくことにより、層状珪酸塩と低極性の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂との親和性が高まり、層状珪酸塩を低極性の熱可塑性樹脂中及び/又は熱硬化性樹脂中により均一に微分散させることができる。
【0075】
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に非極性化(疎水化)し得ることから、炭素数6以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウム塩)が好適に用いられる。
【0076】
上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩、芳香環を有する4級アンモニウム塩、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を二つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を二つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩が挙げられる。この中でも特にラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0077】
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0078】
本発明で用いられる層状珪酸塩は、上述のような化学処理によって熱可塑性樹脂中及び/又は熱硬化性樹脂中への分散性を向上させることができる。
上記化学処理は、カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法(以下、化学修飾(1)法ともいう)に限定されるものではなく、例えば、以下に示す化学修飾(2)〜化学修飾(6)法の各種化学処理法によっても実施することができる。これらの化学修飾法は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。なお、化学修飾(1)法を含め、以下に示す各種化学処理法によって熱可塑性樹脂中及び/又は熱硬化性樹脂中への分散性を向上させた層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」ともいう。
【0079】
化学修飾(2)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
【0080】
化学修飾(3)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基及び反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
【0081】
化学修飾(4)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法である。
【0082】
化学修飾(5)法は、化学修飾(4)法において、アニオン性界面活性を有する化合物の分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
【0083】
化学修飾(6)法は、上記化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル系樹脂のような層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法である。
【0084】
上記化学修飾(2)法における、水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基としては特に限定されず、例えば、アルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も包含する)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等の官能基や、水酸基との化学的親和性が高いその他の官能基等が挙げられる。また、上記水酸基と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記に例示した官能基を有するシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0085】
上記シラン化合物としては特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0086】
化学修飾(4)法及び化学修飾(5)法における、アニオン性界面活性を有する化合物、アニオン性界面活性を有し分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0087】
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している層状珪酸塩であることが好ましく、より好ましくは、上記平均層間距離が3nm以上、5nm以下であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している層状珪酸塩である。なお、本明細書において層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影、即ち、広角X線回折測定法により算出することができる。
【0088】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であるということは、層状珪酸塩の層間が3nm以上に開裂していることを意味しており、また、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、層状珪酸塩の積層体の一部又は全部が分散していることを意味する。これらはいずれも層状珪酸塩の層間の相互作用が弱まっていることを意味する。
【0089】
層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散していると、層状珪酸塩を熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂中に配合し分散させて得られる本発明の絶縁基板用材料は、優れた難燃性、力学的物性、高温物性、耐熱性、寸法安定性等の諸性能を発現するものとなる。平均層間距離が3nm未満であると層状珪酸塩のナノメートルスケールでの分散による効果が充分に得られず、力学物性、難燃性の改善は通常の無機充填材を複合した場合と同じ範囲に留まる。平均層間距離のより好ましい下限は3nm、上限は5nmである。平均層間距離が5nmを超えると、層状珪酸塩の結晶薄片が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用が無視できるほど弱まるので、燃焼時の被膜形成速度が遅くなり、難燃性の向上が充分に得られないことがある。
【0090】
層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、具体的には、層状珪酸塩の10%以上が5層以下に分散している状態にあることが好ましいことを意味し、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下に分散している状態である。
なお、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡を用いて5万〜10万倍で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の全層数(X)のうち5層以下で分散している積層集合体の層数(Y)を計測し下記式(3)により算出することができる。
5層以下に分散している層状珪酸塩の割合(%)=(Y/X)×100 (3)
【0091】
層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分層していることが好ましく、そのことにより、上記効果を得ることができるが、より好ましくは3層以下に分層していることであり、特に好ましくは単層状に薄片化していることである。
【0092】
本発明の絶縁基板用材料において、層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散している状態、即ち、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂中に層状珪酸塩が高分散している状態であれば、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大し、層状珪酸塩の結晶薄片間の平均距離が小さくなる。
【0093】
熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の拘束の度合いが高まり、弾性率等の力学的物性が向上する。また、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の拘束の度合いが高まると、溶融粘度が高まり、成形性も向上する。更に、ポリマー中では無機物に比べてガス分子の方がはるかに拡散しやすいので、熱可塑性樹脂中及び/又は熱硬化性樹脂中をガス分子が拡散する際には、無機物を迂回しながら拡散するため、ガスバリア性の発現も可能となる。
【0094】
さらに詳しくは、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の拘束の度合いが高まると、常温から高温までの広い温度領域で力学物性が向上する。驚くべき事には、樹脂のガラス転移点、融点以上の高温領域でも力学物性を保持することができる。このことにより、高温時の線膨張率も低く抑えることができる。かかる理由は明らかではないが、ガラス転移点又は融点以上の領域においても、微分散状態の層状珪酸塩が1種の疑似架橋点として作用しているためにこれら物性が発現していると考えられる。
【0095】
また、ガスバリア性に関しては、耐溶剤性、吸湿性、吸水性が向上するばかりか、ガス分子以外の物質のバリア性も発現する。多層プリント配線板では、銅回路からの銅のマイグレーションが問題となることがあるが、これも抑制される。さらに、これら材料では、材料に添加された微量添加物でも、表面にブリードアウトすることで、メッキ不良などの不具合を発生することがあるが、添加物のブリードアウトも起こりにくい。
【0096】
一方、層状珪酸塩の結晶薄片間の平均距離が小さくなると、燃焼時において、層状珪酸塩の結晶薄片の移動による焼結体を形成し易くなる。即ち、上記平均層間距離が3nm以上となるように層状珪酸塩の結晶薄片が分散した絶縁基板用材料は、難燃被膜となり得る焼結体を形成し易くなる。この焼結体は、燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスをも遮断することができ、絶縁基板用材料は優れた難燃性を発現する。
【0097】
本発明の絶縁基板用材料において、上記熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂との混合物100重量部に対する上記層状珪酸塩の配合量の下限は0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、難燃性や力学物性の改善効果が小さくなり、100重量部を超えると、絶縁基板用材料の密度(比重)が高くなり、また、機械的強度も低下することから実用性に乏しくなる。好ましい下限は1重量部、上限は50重量部である。1重量部未満であると、絶縁基板用材料を薄く成形する際に充分な難燃効果が得られないことがあり、50重量部を超えると、成形性が低下することがある。より好ましい下限は5重量部、上限は20重量部である。この範囲内であると、機械物性、工程適性に問題となる領域はなく、充分な難燃効果が得られる。
【0098】
熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂中に上記層状珪酸塩を分散させる方法としては特に限定されず、例えば、上記有機化層状珪酸塩を用いる方法;熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に発泡させる方法;分散剤を用いる方法等が挙げられる。これらの分散方法を用いることにより、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂中に層状珪酸塩をより均一かつ微細に分散させることができる。
【0099】
上記の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に発泡させる方法は、発泡剤を用いて熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を発泡させ、その発泡エネルギーを層状珪酸塩の分散エネルギーに転換する方法である。
【0100】
上記発泡剤としては特に限定されず、例えば、気体状発泡剤、易揮発性液状発泡剤、加熱分解型固体状発泡剤等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0101】
層状珪酸塩の存在下で熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を発泡させることにより層状珪酸塩を熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂中に分散せしめる具体的な方法としては特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂100重量部及び層状珪酸塩0.1〜100重量部とからなる樹脂組成物に対し、気体状発泡剤を高圧下で含浸させた後、この気体状発泡剤を上記樹脂組成物内で気化させることにより、発泡体を形成せしめることによる方法;層状珪酸塩の層間に予め加熱分解型発泡剤を含有させ、その加熱分解型発泡剤を加熱により分解させて、発泡体を形成せしめることによる方法等が挙げられる。
【0102】
本発明の絶縁基板用材料は、実質的にハロゲン系組成物を含有しない難燃剤を含有する。なお、実質的にハロゲン系組成物を含有しないとは、難燃剤の製造工程上の都合等により微量のハロゲンが混入することはかまわないということを意味する。
【0103】
上記難燃剤としては特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;赤リンやポリリン酸アンモニウム等のリン系化合物;メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面処理が施されたもののようなメラミン誘導体等の窒素系化合物、ハイドロタルサイト等の層状複水和物等が挙げられる。なかでも金属水酸化物及びメラミン誘導体が好適に用いられる。
【0104】
上記金属水酸化物のなかでも、特に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましく、これらは各種の表面処理剤により表面処理が施されているものであってもよい。上記表面処理剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、PVA系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0105】
上記難燃剤の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂100重量部に対する好ましい含有量の下限は0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、これらを含有することによる難燃化効果が充分には得られず、100重量部を超えると、絶縁基板用材料の密度(比重)が高くなりすぎて、実用性が乏しくなり、柔軟性や伸度が極端に低下してしまう。好ましい下限は5重量部、上限は80重量部である。5重量部未満であると、絶縁基板を薄くすると充分な難燃化効果が得られないことがあり、80重量部を超えると、高温での工程中に膨れ等による不良率が高くなることがある。より好ましい下限は10重量部、上限は70重量部である。この範囲であると、機械物性、電気物性、工程適性に問題となる領域がなく、充分な難燃性を発現するので好適である。
【0106】
本発明の絶縁基板材料は、難燃助剤を含有する。上記難燃助剤とは、難燃剤とともに添加して材料の難燃性を向上させるものである。
上記難燃助剤としては特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル;アルミナ、酸化銅等の金属酸化物;酸化珪素、フッ素樹脂、シリコーンアクリル複合ゴム等の珪素化合物;カーボンブラック等が好適である。
【0107】
上記難燃助剤としては、各種の表面処理剤により表面処理が施されているものであってもよい。上記表面処理剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、PVA系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。
これらの難燃助剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0108】
上記難燃助剤の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂100重量部に対する含有量の下限は0.1重量部、上限は50重量部である。0.1重量部未満であると、難燃効果が顕著ではなく、50重量部を超えると、機械物性、成形性が損なわれ、また高比重となり実用的でない。好ましい下限は0.5重量部、上限は45重量部である。
【0109】
本発明の絶縁基板用材料には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、充填剤、軟化剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤の1種類又は2種類以上が配合されていても良い。
【0110】
本発明の絶縁基板用材料の製造方法としては特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と層状珪酸塩の各所定量と、必要に応じて配合される各種添加剤の1種類又は2種類以上の各所定量とを、常温下又は加熱下で、直接配合して混練する方法(以下、直接混練法ともいう)や溶媒中で混合した後、溶媒を除去する方法がある。また、予め熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に所定量以上の層状珪酸塩を配合して混練したマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチと熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の所定量の残部(残量)と必要に応じて配合される各種添加剤の1種類又は2種類以上の各所定量とを、常温下又は加熱下で混練するか、溶媒中で混合する方法(マスターバッチ法)等が挙げられる。
【0111】
上記マスターバッチにおける層状珪酸塩の濃度は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が1重量部、上限が500重量部であり、より好ましい下限が5重量部、上限が300重量部である。1重量部未満であると、任意の濃度に希釈可能なマスターバッチとしての利便性が失われることがあり、500重量部を超えると、マスターバッチ自体の分散性や、特に熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂によって所定の配合量に希釈する際の層状珪酸塩の分散性が悪くなることがある。
【0112】
また、上記マスターバッチ法においては、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂に層状珪酸塩を配合した樹脂組成物(A)(マスターバッチ)と、マスターバッチを希釈して所定の層状珪酸塩濃度とする際に用いる熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂からなる樹脂組成物(B)は同一の組成であっても、異なる組成であっても構わない。上記樹脂組成物(A)としては、層状珪酸塩の分散が容易であるポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましく、上記樹脂組成物(B)としては、安価で、かつ、電気特性、高温物性に優れるエポキシ系樹脂を含有することが好ましい。
【0113】
また、樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、例えば、遷移金属錯体類のような重合触媒(重合開始剤)を含有する層状珪酸塩を用いて、熱可塑性樹脂を構成するモノマーと上記層状珪酸塩とを混練し、上記モノマーを重合させることにより、熱可塑性樹脂の重合と絶縁基板用材料の製造とを同時に一括して行う方法を採っても良い。
【0114】
更に、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、アミン類のような硬化剤(架橋剤)を含有する層状珪酸塩を用いて、熱硬化性樹脂を構成する樹脂原料と上記層状珪酸塩とを混練し、上記樹脂原料を硬化(架橋)させることにより、熱硬化性樹脂の硬化(架橋)と絶縁基板用材料の製造とを同時に一括して行う方法を採っても良い。
【0115】
上記直接混練法やマスターバッチ法等による本発明の絶縁基板用材料の製造方法において混合物を混練する方法としては特に限定されず、例えば、押出機、2本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練する方法等が挙げられる。
【0116】
こうして得られる本発明の絶縁基板用材料は、ASTM E 1354に準拠した燃焼試験において、50kW/m2の輻射加熱条件下で30分間加熱することにより燃焼させた燃焼残渣を速度0.1cm/sで圧縮した際の降伏点応力が4.9kPa以上であることが好ましい。4.9kPa未満であると、微小な力で燃焼残渣の崩壊が起こり易くなって、難燃性が不充分となることがある。即ち、本発明の絶縁基板材料及び積層板の焼結体が難燃被膜としての機能を充分に発現するためには、燃焼終了時まで焼結体がその形状を保持していることが好ましい。より好ましくは15.0kPa以上である。
【0117】
本発明の絶縁基板用材料は、成形して絶縁基板としたり、又は、適当な溶媒に溶解する等により含浸、塗工用のワニスとしたりするのに好適に用いられる。更に、積層板、プリント基板、多層基板のコア層やビルドアップ層、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、TAB用フィルム、これらに用いられるプリプレグ等に好適に用いられるが、本発明の絶縁基板用材料の用途はこれらに限定されるものではない。
【0118】
本発明の絶縁基板用材料の成形方法としては特に限定されず、例えば、押出機にて溶融混練した後、押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形する方法(押出成形法);有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形する方法(キャスティング成形法);有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散して得たワニス中に、ガラス等の無機材料や有機ポリマーからなるクロス状、不織布状の基材をディッピングしてフィルム状に成形する方法(ディッピング成形法)等が挙げられる。なかでも、多層基板の薄型化を図るためには、押出成形法やキャスティング成形法が好適である。また、上記ディッピング成形法において用いられる基材としては特に限定されず、ガラスクロス、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維等が挙げられる。
【0119】
本発明の絶縁基板用材料は、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂、並びに、層状珪酸塩を含有するので、優れた力学的物性や透明性を有する。また、層状珪酸塩は通常の無機充填剤のように多量に配合しなくとも優れた力学的物性が得られることから、薄い絶縁基板とすることができ、多層プリント基板の高密度化、薄型化に対応することが可能である。また、本発明の絶縁基板用材料は、分子鎖の拘束によるガラス転移点温度、耐熱変形温度の上昇に基づく耐熱性の向上や熱線膨張率の低減、結晶形成の際の層状珪酸塩による造核剤効果に基づく寸法安定性の向上等も図られている。更に、本発明の絶縁基板用材料は、層状珪酸塩の添加により吸水、吸湿、それに伴う膨張等寸法安定性の低下を防ぐ作用を有する。このように材料の品質が向上するために、多工程を通じて製造される多層プリント配線板の歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0120】
本発明の絶縁基板用材料は、燃焼時に層状珪酸塩による焼結体が形成され、燃焼残渣の形状が保持される。これにより燃焼後も形状崩壊が起こらず、延焼を防止することができる。したがって、本発明の絶縁基板用材料は、優れた難燃性を発現する。更に、金属水酸化物、メラミン誘導体等のノンハロゲン難燃剤と組み合わせることで、環境にも配慮しつつ、高い力学的物性と高い難燃性とを両立することができる。
【0121】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0122】
(実施例1)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、固形エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート1007)90重量部、層状珪酸塩としてジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理が施された膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)10重量部、難燃助剤として合成シリカ(三菱マテリアル社製、エルシル(球状品))45重量部、及び、難燃剤として水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、キスマ5J)70重量部をフィードし、100℃で溶融混練してストランド状に押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化した。
【0123】
このペレットをメチルエチルケトンに溶解し、硬化剤としてジシアンジアミド(ビィ・ティ・アイ・ジャパン社製、CG−1200)を固形エポキシ分90重量部に対して3重量部、硬化触媒(四国化成社製、キュアゾール2E4HZ)を固形エポキシ分90重量部に対して3重量部この溶液に加え充分に撹拌した後、脱泡して、絶縁樹脂組成物溶液を作製した。次いで、得られた絶縁樹脂組成物溶液を鋳型に入れた状態又はポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、110℃で3時間加熱し、更に160℃で3時間加熱して硬化させることにより、絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0124】
(実施例2)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、固形エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート1007)80重量部、ゴム成分としてエポキシ変性ブタジエンゴム(ナガセケムテックス社製、デナレックスR−45EPT)10重量部、層状珪酸塩としてジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理が施された天然モンモリロナイト(豊順洋行社製、New S−Ben D)10重量部、難燃助剤として合成シリカ(三菱マテリアル社製、エルシル(球状品))40重量部、及び、難燃剤として水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、キスマ5J)70重量部をフィードし、100℃で溶融混練してストランド状に押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化した。
【0125】
このペレットをメチルエチルケトンに溶解し、硬化剤としてジシアンジアミド(ビィ・ティ・アイ・ジャパン社製、CG−1200)を固形エポキシ分90重量部に対して3重量部、硬化触媒(四国化成社製、キュアゾール2E4HZ)を固形エポキシ分90重量部に対して3重量部この溶液に加え充分に撹拌した後、脱泡して、絶縁樹脂組成物溶液を作製した。次いで、得られた絶縁樹脂組成物溶液を鋳型に入れた状態又はポリエチレンテレフタレートのシート上に塗布した状態で溶媒を除去した後、110℃で3時間加熱し、更に160℃で3時間加熱して硬化させることにより、絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0126】
(比較例1)
膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)7.7重量部の代わりに、平均粒子径50μmの炭酸カルシウム7.7重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0127】
(比較例2)
天然モンモリロナイト(豊順洋行社製、New S−Ben D)を配合しなかったこと以外は実施例2と同様にして、絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0128】
(比較例3)
水酸化マグネシウムの添加量を0.05重量部とした以外は、実施例1と同様にして絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0129】
(比較例4)
水酸化マグネシウムの添加量を120重量部としたこと以外は実施例2と同様にして絶縁基板用材料からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
【0130】
<評価>
実施例1〜2、及び、比較例1〜4で得られた板状成形体の性能(層状珪酸塩の平均層間距離、5層以下に分散している層状珪酸塩の割合、ビア加工性、燃焼時形状保持性、燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度))を以下の方法で評価した。結果は表1に示した。
【0131】
(1)層状珪酸塩の平均層間距離
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)を用いて、厚さ2mmの板状成形体中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記式(4)のブラックの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔(d)を算出し、得られたdを平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ (4)
式中、λは0.154であり、dは層状珪酸塩の面間隔を表し、θは回折角を表す。
【0132】
(2)5層以下に分散している層状珪酸塩の割合
透過型電子顕微鏡を用いて5万〜10万倍で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の全層数(X)のうち5層以下で分散している層状珪酸塩の層数(Y)を計測し、下記式(3)により5層以下に分散している層状珪酸塩の割合(%)を算出した。
5層以下に分散している層状珪酸塩の割合(%)=(Y/X)×100 (3)
【0133】
(3)ビア加工性
高ピーク短パルス発振型炭酸ガスレーザー加工機(三菱電機社製、ML605GTX−5100U)を用いて、厚さ100μmの板状成形体にマイクロビアを形成させた。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、上記ビア表面を観察し、下記判定基準によりビア加工性を評価した。
○:炭化物の発生が少なく、ビア形状やビア開径の差が小さかった。
×:炭化物の発生が多く、ビア形状やビア開径の差が大きかった。
【0134】
(4)燃焼時形状保持性
ASTM E 1354「建築材料の燃焼性試験方法」に準拠して、100mm×100mmに裁断した厚さ2mmの板状成形体にコーンカロリーメーターによって50kW/m2の熱線を照射して燃焼させた。このとき燃焼前後の板状成形体の形状の変化を目視で観察し、下記判定基準により燃焼時形状保持性を評価した。
○:形状変化は微少であった。
×:形状変化が激しかった。
【0135】
(5)最大発熱速度及び燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度)
ASTM E 1354「建築材料の燃焼性試験方法」に準拠して、100mm×100mmに裁断した厚さ2mmの板状成形体にコーンカロリーメーターによって50kW/m2の熱線を照射して燃焼させた。このときの最大発熱速度(kW/m2)を測定した。また、強度測定装置を用いて、燃焼残渣を速度0.1cm/sで圧縮し、燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度)(kPa)を測定した。
【0136】
【表1】
Figure 0004220794
【0137】
表1より、実施例1〜2で得られた絶縁基板用材料からなる板状成形体中では、いずれも層状珪酸塩の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、5層以下に分散している層状珪酸塩の割合が10%以上であったので、燃焼時形状保持性及びビア加工性に優れていた。また、難燃被膜となり得る焼結体を形成しやすいことから、最大発熱速度が遅く、燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度)も4.9kPa以上であった。
【0138】
これに対し、膨潤性フッ素マイカ(層状珪酸塩)の代わりに炭酸カルシウムを用いた比較例1で得られた絶縁基板用材料からなる板状成形体中においては炭酸カルシウムが層状に分散していなかったので、燃焼時形状保持性が悪く、難燃被膜となり得る焼結体を形成しにくいことから、最大発熱速度がかなり速く、燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度)が極端に低かった。
【0139】
また、層状珪酸塩を加えなかった比較例2で得られた絶縁基板用材料からなる板状成形体は、燃焼時形状保持性が悪く、難燃被膜となり得る焼結体を形成しにくいことから、最大発熱速度がかなり速く、燃焼残渣の降伏点応力(被膜強度)が極端に低かった。
【0140】
また、難燃剤の配合量が少ない比較例3で得られた絶縁基板用材料からなる板状成形体は最大発熱速度が速かった。難燃剤の配合量が多い比較例4で得られた絶縁基板用材料からなる板状成形体は、ビア加工性が悪いという問題があった。
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に燃焼時の形状保持効果によって優れた難燃効果を発現する絶縁基板用材料、プリント基板、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、ポリイミドフィルム、TAB用フィルム及びプリプレグを提供できる。

Claims (13)

  1. 絶縁基板に用いる材料であって、少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の混合物100重量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部、実質的にハロゲン系組成物を含有しない難燃剤0.1〜100重量部、及び、難燃助剤0.1〜50重量部を含有するものであり、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ケイ素樹脂及びベンゾオキサジン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記難燃剤は、金属水酸化物及び/又はメラミン誘導体であることを特徴とする絶縁基板用材料。
  2. 難燃助剤は、シリコーンオイル、金属酸化物、酸化珪素、フッ素樹脂及びシリコーンアクリル複合ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の絶縁基板用材料。
  3. 層状珪酸塩は、モンモリロナイト、膨潤性マイカ及びヘクトライトからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁基板用材料。
  4. 層状珪酸塩は、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオンを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の絶縁基板用材料。
  5. 層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散していることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の絶縁基板用材料。
  6. ASTM E 1354に準拠した燃焼試験において、50kW/mの輻射加熱条件下で30分間加熱することにより燃焼させた燃焼残渣を速度0.1cm/sで圧縮した際の降伏点応力が4.9kPa以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の絶縁基板用材料。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とする積層板。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とするプリント基板。
  9. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とする樹脂付き銅箔。
  10. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とする銅張積層板。
  11. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とするポリイミドフィルム。
  12. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とするTAB用フィルム。
  13. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の絶縁基板用材料からなることを特徴とするプリプレグ。
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