JP4220590B2 - 微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法 - Google Patents

微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば直径0.1〜0.5mmの穴および/または幅寸法0.1〜0.5mmのスリットのような微小寸法の空隙を有する製品の製造方法に関するものであり、特に打抜加工によって成形した複数個の板状部材を係合一体化させて前記微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、穴またはスリットを有する製品を製造する場合には、ドリルおよび/またはエンドミルを使用する機械加工によるのが最も一般的である。しかしながら、直径が例えば0.1〜0.5mmのような微小寸法の穴を加工する場合には、特に被加工材が硬質材料であるときや、深さ寸法が直径の5倍を超えるものでは、機械加工が極めて困難であるか、極端な場合には加工が不可能となることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上記のような微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品を、薄板材料の部材の積層によって製造する手段がある。この場合には原材料である薄板を予め製品の外形輪郭に対応する形状に打抜成形すると共に、前記の穴および/またはスリットを例えばパンチおよびダイによって打抜き成形し、これらの穴および/またはスリットの位置を合致させた状態で積層一体化すればよい。しかしながら、上記の穴の直径寸法またはスリットの幅寸法は、薄板の厚さ寸法と同一か、あるいは90%程度までに限定されるのが通常であり、これら以下の寸法のものを例えばパンチ・ダイによって打抜加工することは不可能である。従って、例えば0.1〜0.5mmのような微小寸法の穴および/またはスリットを打抜成形するためには、原材料である薄板の厚さ寸法もまた0.1〜0.5mmに限定されることとなり、所定厚さ寸法の製品を積層成形するためには、積層枚数が極めて大となる。この結果製造コストの高騰に加えて、穴および/またはスリットの位置決めが困難となり、寸法精度を低下させる、という問題点がある。
【0004】
一方、上記のような微小寸法の穴またはスリットを加工する手段として、例えばレーザ加工またはワイヤカット放電加工が知られている。しかしながら、これらの加工手段においては、電源および制御手段等の付帯設備を必要とし、装置全体が高価であると共に、加工に要する時間と工数が多大となり、製造コストの高騰を招来するという問題点がある。
【0005】
特にワイヤカット放電加工においては、直径0.05〜0.25mmのようなワイヤ電極を使用することができるため、微小寸法の穴の加工は勿論のこと、複雑な曲線状のスリットの加工も可能であるが、ワイヤ電極を被加工材を貫通させて走行させるために、予め下穴を穿設するか、被加工材の端縁部から所定の加工部位まで導入させる必要がある。従って、被加工材の中央部に独立的に存在する穴またはスリットを加工することは不可能である。
【0006】
更に、上記レーザ加工およびワイヤカット放電加工においては、被加工材を貫通する穴またはスリットの加工は可能であるが、いわゆる有底状の非貫通の穴またはスリットは加工できないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点を解決し、微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品を、高寸法精度でかつ容易に製造できる方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明においては、板状部材の端縁部の一部に穴および/またはスリットの横断面輪郭に対応する形状に形成した成形部と前記端縁部の他の一部に係合部とを形成してなる各々第1の板状部材と第2の板状部材とを、前記各々の係合部を平面への投影輪郭を同一形状にかつ第1の板状部材と第2の板状部材との間において相互に凹凸関係を有するように形成すると共に、第1の板状部材と第2の板状部材とを複数個打抜加工によって形成し、第1の板状部材と第2の板状部材とを成形部を対向させかつ係合部を密着係合させて一体化し、係合部の板状部材を積層するという技術的手段を採用した。
【0009】
本発明において、板状部材に同軸的にダボおよびダボ穴を複数対成形し、隣接する板状部材間において前記ダボとダボ穴とを係合させて複数個の板状部材を積層一体化することができる。
【0010】
また本発明において、板状部材にダボまたはダボ穴を複数個成形し、これらのダボまたはダボ穴をベース部材に成形した複数個のダボ穴またはダボと係合させて1層の板状部材をベース部材上に一体化することができる。
【0011】
さらに本発明において、最下層の板状部材のダボまたはダボ穴をベース部材に成形した複数個のダボ穴またはダボと係合させて複数層の板状部材をベース部材上に一体化することができる。
【0012】
次に本発明において、フープ状の被加工材を長手方向に順送りすると共に、複数個のステージにおいて複数個の板状部材を打抜き成形し、打抜いた板状部材をプッシュバックにより被加工材の打抜穴に係止させ、被加工材の順送り最終ステージにおいて板状部材を順次押抜いて一体化することができる。
【0013】
なお本発明において、フープ状の被加工材を長手方向に順送りすると共に、複数個のステージにおいてベース部材および複数個の板状部材を打抜き成形し、打抜いたベース部材および板状部材をプッシュバックにより被加工材の打抜穴に係止させ、被加工材の順送り最終ステージにおいてベース部材および板状部材を順次押抜いて一体化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるA−A線断面、(c)は(a)におけるB−B線要部拡大断面、(d)は(a)におけるC部拡大平面を示す。図1において、1,2は各々板状部材であり、例えば厚さ1mmの鉄板の打抜成形により、各々擬似U字形および擬似H形に成形する。
【0015】
30は成形部であり、板状部材1,2の端縁部の一部に、例えば直径0.5mmの穴3に対応する半円形に形成して設けられる。次に4は係合部であり、板状部材1,2の他の端縁部の一部に、平面への投影輪郭が相互に同一形状となるように、例えばジグザグ状に成形する。なお板状部材1,2の残余の端縁部は、製品の外周縁に対応する形状に形成する。
【0016】
5,6は各々ダボおよびダボ穴であり、板状部材1,2の角隅部に例えば2個宛設けられる。このようなダボ5およびダボ穴6を形成するには、例えば横断面が円形のパンチおよびダイを使用し、パンチ先端部のダイへの進入深さ寸法dを、板状部材2の厚さ寸法tより小に形成することによって可能である。なお上記ダボ5およびダボ穴6は、板状部材1,2の打抜成形と同時に形成してもよく、または板状部材1,2の打抜成形と別個の工程で成形してもよい。なお最下層を形成する板状部材1,2においては、ダボ5を打抜いて、ダボ穴6を貫通した状態に形成することが好ましい。
【0017】
図2は図1における製品の積層状態を示す要部斜視図であり、同一部分は図1と同一の参照符号で示す。図2において、板状部材1,2を、各々の成形部30を対向させ、かつ係合部4を係合させて一体化する。これにより成形部30は、例えば直径0.5mmの穴3(図1参照)に形成されると共に、ジグザグ状の係合部4の係合により、板状部材1,2は平面内における相互移動が拘束されて、隙間なく密着一体化される。
【0018】
次に他の板状部材1,2を、前記板状部材1,2上に載置してダボ穴6にダボ5を係合させて圧着すれば、両者の対向面を隙間なく密着一体化させることができ、所定枚数を積層すれば、所定厚さの製品を製造することができる。この場合、積層された板状部材1,2は何れもダボ5およびダボ穴6に対する成形部30および係合部4の相対位置が同一に形成されているため、成形部30によって形成される穴3の内面は、積層方向において同一面に形成され、高寸法精度が確保され得る。
【0019】
上記のようにして積層一体化した製品を、真空または保護雰囲気中において、製品の上下方向の圧力を印加し、板状部材1,2を形成する材料の固相線以下の温度に加熱することにより、板状部材1,2の夫々の積層相互間に拡散を行なわせる、いわゆる拡散溶接を行なうと、積層製品の固着一体化を更に向上させ得る。
【0020】
図3は本発明の第1の実施の形態における被加工材の加工態様を示す要部平面図であり、同一部分は前記図1および図2と同一の参照符号で示す。図3において、7は被加工材であり、長尺状のフープ材を使用し、パンチおよびダイを備えた打抜加工装置を直列的に複数個配設してなる順送り加工装置(図示せず)内を矢印方向に定ピッチP宛間欠的にピッチ送りされる。上記打抜加工装置は、少なくともダボ穴6およびダボおよび板状部材1,2を打抜加工するパンチおよびダイを備えると共に、被加工材7の送り方向にnP(nは任意の正の整数)のピッチにて配設され、被加工材7に板状部材1,2をピッチP宛交互に打抜加工し得るように、それらの作動状態が制御されている。
【0021】
次に8はパイロット穴であり、前記打抜加工装置の被加工材7の送り方向最上流側に設けられたものにより、被加工材7に定ピッチPの間隔で規則的に加工され、以後の加工工程における位置決めの基準穴となるものである。
【0022】
上記のパイロット穴8の加工後、またはパイロット穴8の加工と共に、ダボ穴6およびダボ(図示せず。図1(c)における符号5参照)の成形を行ない、次に必要に応じて最下層を形成する板状部材1,2に対応するダボ穴6のダボ抜き加工を行なう。
【0023】
更に被加工材7を順次ピッチP宛送りながら、板状部材1,2の外形形状に対応する横断面形状を有するパンチおよびダイを備えた打抜加工装置により、図3に示すように被加工材7から板状部材1,2を交互に打抜成形し、かつ打抜いた板状部材1,2をプッシュバックにより被加工材7の打抜穴に係止させる。そして最終ステージにおいて、被加工材7にプッシュバックされて送られた板状部材1,2を順次押抜いて、前記図1および図2に示すように係合させかつ積層するのである。
【0024】
図4は本発明の第2の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるD−O−D線断面を示し、同一部分は前記図1ないし図3と同一の参照符号で示す。図4において、板状部材1は前記図1に示すものと同様の材料により、中空円板状に打抜成形し、内周端縁部に四分円弧状の例えば幅寸法0.5mmのスリット9,10を外縁を形成する成形部31,32と、直線状の係合部4を設ける。
【0025】
次に板状部材2は前記板状部材1と同様の等厚の板材により、平面への投影輪郭を鼓状に打抜成形し、外周端縁部に前記スリット9,10の内縁を形成する成形部31,32と、直線状の係合部4とを設け、中央部に穴11を設ける。なお板状部材1には等軸的に形成したダボ穴6およびダボ5を、中心から等距離に対向させて設ける。
【0026】
図5は図4における製品の積層状態を示す要部斜視図であり、同一部分は図4と同一の参照符号で示す。図5において、板状部材1,2を、各々成形部31,32を対向させ、かつ係合部4を係合させて一体化する。これにより成形部31,32により、例えば幅寸法が0.5mmの四分円弧状のスリット9,10が形成されると共に、直交的に形成された係合部4の係合により、板状部材1,2は平面内における相対移動が拘束されて一体化される。板状部材1,2の積層の態様は前記図1および図2に示すものと同様であり、例えば幅寸法0.5mm、深さ寸法10mmのスリット9,10が高精度かつ容易に形成され得るのである。
【0027】
図6は本発明の第2の実施の形態における被加工材の加工態様を示す要部平面図であり、同一部分は前記図3ないし図5と同一の参照符号で示す。図6において、ダボ穴6およびダボ(図示せず)は、被加工材7に2P宛成形される。なお図6に示すものにおける板状部材1,2の成形加工および積層態様は、前記図3を参照して記述したものと同様である。
【0028】
図7および図8は各々本発明の第3の実施の形態における製品の例を示す平面図および板状部材の係合状態を示す斜視図であり、同一部分は前記図1および図2と同一の参照符号で示す。図7および図8に示すものは、板状部材1,2を係合部4を介して係合一体化させることにより、板状部材1,2の1枚の厚さ寸法(例えば1mm)に相当する軸方向寸法を有する例えば0.5mmの微小直径の穴3を形成する手段であり、必要に応じて係合部4を例えばレーザ溶接等によって接合し、固着一体化を向上させることができる。なお12は貫通穴であり、板状部材1,2の取付用穴を形成し、板状部材1,2と共に、または別個に成形される。
【0029】
図9および図10は各々本発明の第4の実施の形態における製品の例を示す平面図および板状部材の係合状態を示す斜視図であり、同一部分は前記図4ないし図8と同一の参照符号で示す。図9および図10に示すものは、板状部材1,2の形状が異なるものの、前記図7および図8に示すものと基本的には同一の構成および作用である。
【0030】
図11は本発明の第5の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるE−E線断面を示し、同一部分は前記図9および図10と同一の参照符号で示す。図11において、13は欠円状のスリットであり、板状部材1,2に設けられた成形部33の対向によって形成される。係合部4は例えばT字状に形成されている。14はベース部材であり、円板状に形成され、このベース部材14上にダボ穴6およびダボ5を介して板状部材1,2が載置一体化され、スリット13の下方がベース部材14によって閉塞されるのである。
【0031】
図12は図11における板状部材1,2およびベース部材14を係合一体化させる状態を示す斜視図であり、同一部分は前記図11と同一の参照符号で示す。図12において、まずベース部材14上に板状部材1をダボ穴6およびダボ5(図示せず、図11(b)参照)を介して載置一体化し、次に板状部材2を板状部材1およびベース部材14に係合一体化する。この場合、板状部材2は係合部4およびダボ穴6とダボ5とにより、板状部材1およびベース部材14と係合一体化され、成形部33により下方が閉塞された欠円状のスリット13が形成されるのである。なお板状部材1,2を予め係合させた後、ベース部材14上に係合させてもよい。
【0032】
図11および図12においては、ベース部材14上に1層の板状部材1,2を載置係合させた例について記述したが、板状部材1,2を前記図4および図5に示すような多層構造に形成することもできる。
【0033】
図13は本発明の第5の実施の形態における被加工材の加工態様を示す説明図であり、(a)(b)は各々被加工材の要部平面、(c)は加工に使用する金型の要部平面を示し、同一部分は前記図11および図12と同一の参照符号で示す。図13(a)(b)において、長尺状のフープ材からなる被加工材7は、矢印方向に所定ピッチP宛間欠的にピッチ送りされ、ダボ出しパイロット穴抜き工程S1、ダボ抜き工程S2、内形抜き工程S3、外形抜き工程S4および積層工程S5を順次経由する間に所定の加工が施されて、前記図11に示す製品が製造されるのである。なお紙面の都合で被加工材7は2本に分断した状態で示されているが、連続した長尺状のフープ材であり、内形抜き工程S3の部分を重複して示してある。
【0034】
図13(c)において、D1〜D6は夫々金型であり、順送り加工装置(図示せず)内に、被加工材7の送り方向にnP(nは任意の正の整数)のピッチにて配設されて、前記の夫々の工程における所定の加工を行なうものである。まず金型D1にはパイロット穴8および貫通穴12を加工するパンチ15,16およびダボ穴6とダボ(図示せず)を加工するパンチ17ならびにこれらのパンチに対応するダイ(図示せず)が設けられている。金型D2には前記金型D1のパンチ17に対応する位置にパンチ18とダイ(図示せず、以下同じ)が設けられ、前記図12に示すベース部材14のダボ穴6を貫通させる加工を行なう。
【0035】
次に金型D3には図12に示す板状部材1の成形部33および係合部4を打抜加工するパンチ19およびダイが設けられる。更に金型D4およびD5には、夫々前記図12に示す板状部材2ならびに板状部材1およびベース部材14の外形を打抜き、かつプッシュバックするためのパンチ20,21およびこれらのパンチに対応するダイが設けられている。金型D6には押抜き積層用のパンチ22,23と平滑な平面を有するダイとが設けられており、パンチ22,23の下死点位置を調整可能とし、必要あれば両者が各々独立して作動可能とするのが好ましい。なお図13(a)(b)における符号D1〜D6は、(c)の夫々金型D1〜D6の作動位置を示している。
【0036】
上記の構成により、まずダボ出しパイロット穴抜き工程S1において金型D1により、2個のパイロット穴8、2個の貫通穴12および5個のダボ穴6およびダボ(図示せず、図11(b)における符号5参照)が、ピッチP毎に被加工材7に加工される。このパイロット穴8は以後の加工工程において金型に設けられたパイロットピンの係合により、加工位置の基準穴となるものである。
【0037】
次にダボ抜き工程S2においては、金型D2により被加工材7の送りピッチ3P毎に5個のダボ穴6が貫通加工される。このダボ穴6は図12におけるベース部材14に対するものであり、その下面にダボが突出するのを防止するためのものである。このダボ抜き工程S2においては、被加工材7の送りピッチ3P毎に金型D2を選択的に作動させて行なう。
【0038】
内形抜き工程S3においては、金型D3により図11および図12における板状部材1の内形部分の穴抜きを行なう。すなわち金型D3のパンチ19およびダイにより、成形部33および係合部4が打抜加工され打抜かれた部分1aは、ダイを経て下方に落下し系外に排出される。なおこの内形抜き工程S3においても、打抜き加工は金型D3の選択的作動によって被加工材7の送りピッチ3P毎に行なわれる。
【0039】
更に外形抜き工程S4においては、金型D4,D5により、図12における板状部材1,2およびベース部材14の外形部分の打抜きおよびこれらの打抜部分の被加工材7へのプッシュバックが行なわれる。すなわち、金型D4により図11および図12における板状部材2の外形部分である成形部33および係合部4が加工されて打抜かれ、その後被加工材7の打抜穴にプッシュバックされて係止される。
【0040】
次に金型D5により、被加工材7の打抜かれた部分1aに相当する位置において、図11および図12における板状部材1の外形部分の打抜きとプッシュバック、および被加工材7のダボ抜きが行なわれた部分に相当する位置において、図11および図12におけるベース部材14の外形部分の打抜きとプッシュバックが行なわれる。なお金型D4の作動は被加工材7の送りピッチ3P毎に行なわれ、金型D5の作動は、被加工材7の送りピッチ3P毎に1回停止する。
【0041】
そして最終の積層工程S5においては、まず金型D6のパンチ23によってベース部材14に相当する部分が押抜かれ、次に同じパンチ23によって板状部材1に相当する部分が押抜かれて、ベース部材14上に積層され、図11(b)に示すようにベース部材14のダボ穴6に板状部材1のダボ5が係合して一体化される。次に金型D6のパンチ22によって板状部材2が押抜かれ、前記図11に示すように板状部材2と係合部4を介し、またベース部材14とダボ5およびダボ穴6を介して一体に係合されるのである。この場合押抜き用のパンチ22,23の外形寸法は、図12に示す板状部材2の外形寸法、ならびに板状部材1およびベース部材14の外形寸法より若干小さく形成しておくことが好ましい。
【0042】
図14は本発明の第6の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるF−F線断面を示し、同一部分は前記図11と同一の参照符号で示す。図14において、24はカバー部材であり、ベース部材14と同様に、中央部に穴25を有する中空円板状に形成され、相互に係合一体化された板状部材1,2をカバー部材24とベース部材14とによって上下方向から挟着積層一体化し、穴25内にスリット13が臨むように形成したものであり、基本的には前記図11に示すものと同様の構成のものである。
【0043】
図15は図14における夫々の部材を係合一体化させる状態を示す斜視図であり、同一部分は図14と同一の参照符号で示す。図15において、まずベース部材14上に板状部材1をダボ穴6とダボ5(図示せず、図14(b)参照)とを介して載置一体化し、次に板状部材2を板状部材1に係合部4を介して係合一体化し、更にカバー部材24を板状部材1,2上に載置一体化する。これにより、板状部材1,2の係合部4はベース部材14とカバー部材24とによって上下面を挟着されるから、板状部材2の自由端が上下に相対移動することなく、成形部33によって形成されるスリット13の微小幅寸法が高精度に確保され得るのである。なお夫々の部材の係合に際して、板状部材1,2を予め係合一体化させておいてもよいことは勿論である。
【0044】
図16は本発明の第6の実施の形態における被加工材の加工態様を示す説明図であり、(a)(b)は各々被加工材の要部平面、(c)は加工に使用する金型の要部平面を示し、同一部分は前記図13ないし図15と同一の参照符号で示す。図16において、金型D7はベース部材14およびカバー部材24の穴25を打抜くためのパンチ26およびこれと対をなすダイを備えている。なお金型D5は板状部材1、ベース部材14およびカバー部材24の外形の打抜きおよびプッシュバックを行なうためのものである。
【0045】
上記の構成により、図14および図15に示す4種の部材を順送り加工により被加工材7から打抜加工し、プッシュバックによって被加工材7の打抜穴に係止させ、最終工程においてこれらの部材を順次押抜いて積層一体化させるのである。すなわち、前記図13におけると同様にして、まずダボ出しパイロット穴抜き工程S1において、金型D1により2個のパイロット穴8、2個の穴12および3個のダボ穴6とこれらに対応する3個のダボ(図示せず)が、ピッチP毎に被加工材7に加工される。
【0046】
次にダボ抜き工程S2においては、金型D2の選択的作動により、被加工材7の4Pピッチ送り毎に3個のダボ穴6が貫通加工される。内形抜き工程S3においては、金型D7によりベース部材14およびカバー部材24の穴25が、貫通ダボ穴6を加工した位置に相当する位置およびその1P下流側の位置に連続して、被加工材7の送りピッチ4Pの間に選択的に加工される。また内形抜き工程S3において、金型D3の選択的作動により、板状部材1の内形の部分1aが、被加工材7の送りピッチ4P毎に打抜かれる。
【0047】
更に外形抜き工程S4においては、金型D5によりベース部材14の外形部分、同じく金型D5により板状部材1の外形部分、金型D4により板状部材2の外形部分、および金型D5によりカバー部材24の外形部分が、夫々金型D4,D5の選択的作動によって打抜加工され、かつ被加工材7の打抜穴にプッシュバックにより係止されて矢印方向に順送りされる。
【0048】
最終の積層工程S5においては、まず金型D6のパンチ23によってベース部材14、次いで板状部材1が順に押抜かれて積層され、金型D6のパンチ22によって板状部材2が押抜かれて、前記板状部材1と係合一体化され、最後に金型D6のパンチ23によってカバー部材24が押抜かれて、板状部材1,2上に積層一体化されるのである。
【0049】
上記の発明の実施の形態においては、円形の微小寸法の穴を有する製品の例について記述したが、これに限定されず、角形、星形、楕円その他の幾何学的形状の穴を有するものであってもよく、またスリットの平面への投影輪郭形状についても、円弧状、欠円状のものに限らず、他の曲線状のもの、または直線の組合せ、あるいはこれらの組合せ形状のものでもよく、更にはその内形寸法が位置によって異なるものでもよく、要するに板状部材の端縁部の一部に形成された成形部の対向によって形成され得るものであればよい。
【0050】
なお、上記の穴および/またはスリットが板状部材の表面に対してそれらの内形輪郭が直交するものについて記述したが、これらのほかに厚さ方向に例えばくの字状またはS字状に傾斜するものであってもよく、また穴および/またはスリットの内形寸法が、厚さ方向の位置によって異なるものであっても、本発明の適用が可能である。
【0051】
また板状部材を構成する材料としては、金属材料が最も一般的であるが、非金属材料であっても、いわゆる打抜き、穴抜き等の加工によって成形され得るものであれば本発明の適用が可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上記述のような構成および作用であるから、下記の効果を奏することができる。
(1)板状部材の成形部の対向によって微小寸法の間隙を形成できるため、寸法精度の向上が可能であると共に、製造コストの低減が可能である。
(2)成形部の形状を選定することにより、間隙寸法が位置によって異なるようなスリットであっても、また異形の穴であっても容易に形成できる。
(3)従来のパンチ・ダイを使用する打抜加工におけるような板状部材に対する厚さ寸法の制限がないため、厚さ寸法の比較的大なる製品であっても、積層枚数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるA−A線断面、(c)は(a)におけるB−B線要部拡大断面、(d)は(a)におけるC部拡大平面を示す。
【図2】図1における製品の積層状態を示す要部斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における被加工材の加工態様を示す要部平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるD−O−D線断面を示す。
【図5】図4における製品の積層状態を示す要部斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における被加工材の加工態様を示す要部平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における製品の例を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における板状部材の係合状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における製品の例を示す平面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における板状部材の係合状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるE−E線断面を示す。
【図12】図11における板状部材1,2およびベース部材14を係合一体化させる状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における被加工材の加工態様を示す説明図であり、(a)(b)は各々被加工材の要部平面、(c)は加工に使用する金型の要部平面を示す。
【図14】本発明の第6の実施の形態における製品の例を示す説明図であり、(a)は平面、(b)は(a)におけるF−F線断面を示す。
【図15】図14における夫々の部材を係合一体化させる状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態における被加工材の加工態様を示す説明図であり、(a)(b)は各々被加工材の要部平面、(c)は加工に使用する金型の要部平面を示す。
【符号の説明】
1,2:板状部材
3:穴
4:係合部
10,13:スリット
30,31,32,33:成形部

Claims (6)

  1. 板状部材の端縁部の一部に穴および/またはスリットの横断面輪郭に対応する形状に形成した成形部と前記端縁部の他の一部に係合部とを形成してなる各々第1の板状部材と第2の板状部材とを、前記各々の係合部を平面への投影輪郭を同一形状にかつ第1の板状部材と第2の板状部材との間において相互に凹凸関係を有するように形成すると共に、第1の板状部材と第2の板状部材とを複数個打抜加工によって形成し、第1の板状部材と第2の板状部材とを成形部を対向させかつ係合部を密着係合させて一体化し、
    係合部の板状部材を積層することを特徴とする微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
  2. 板状部材に同軸的にダボおよびダボ穴を複数対成形し、隣接する板状部材間において前記ダボとダボ穴とを係合させて複数個の板状部材を積層一体化することを特徴とする請求項1記載の微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
  3. 板状部材にダボまたはダボ穴を複数個成形し、これらのダボまたはダボ穴をベース部材に成形した複数個のダボ穴またはダボと係合させて1層の板状部材をベース部材上に一体化することを特徴とする請求項1記載の微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
  4. 最下層の板状部材のダボまたはダボ穴をベース部材に成形した複数個のダボ穴またはダボと係合させて複数層の板状部材をベース部材上に一体化することを特徴とする請求項2記載の微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
  5. フープ状の被加工材を長手方向に順送りすると共に、複数個のステージにおいて複数個の板状部材を打抜き成形し、打抜いた板状部材をプッシュバックにより被加工材の打抜穴に係止させ、被加工材の順送り最終ステージにおいて板状部材を順次押抜いて一体化することを特徴とする請求項1または2記載の微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
  6. フープ状の被加工材を長手方向に順送りすると共に、複数個のステージにおいてベース部材および複数個の板状部材を打抜き成形し、打抜いたベース部材および板状部材をプッシュバックにより被加工材の打抜穴に係止させ、被加工材の順送り最終ステージにおいてベース部材および板状部材を順次押抜いて一体化することを特徴とする請求項3または4記載の微小寸法の穴および/またはスリットを有する製品の製造方法。
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