JP4214264B2 - 基質との親和性が向上したクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体、および、クレアチニン測定用試薬組成物 - Google Patents

基質との親和性が向上したクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体、および、クレアチニン測定用試薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、基質との親和性が向上したクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体、該クレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体をコードする遺伝子、該クレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体の製造法及び該クレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体のクレアチニン測定試薬への種々の適用に関する。
クレアチニンは血液または尿中に見出され、その量を迅速かつ正確に検出測定することは、疾病、例えば***、慢性腎炎、急性腎炎、巨人症、強直性筋異栄養症などを診断するのに非常に重要である。
従来から、クレアチニンアミドヒドロラーゼ(EC 3.5.2.10) は、臨床的に筋疾患、腎疾患の診断の指標となっている体液中のクレアチニンの測定用酵素として、他の酵素、例えばクレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼおよびペルオキシダーゼと共に使用されている。クレアチニンアミドヒドロラーゼは、水の存在下にクレアチニンに作用してクレアチンを生成する可逆的反応を触媒する酵素である。
このようなクレアチニンアミドヒドロラーゼは、シュードモナス属(非特許文献1)あるいはアルカリゲネス属(非特許文献2)の細菌が生産することが知られている。さらに、これら以外の細菌としては、フラボバクテリウム属、コリネバクテリウム属、マイクロコッカス属(特許文献1)、ペニシリウム属 (特許文献2) 等の細菌が生産することが知られているにすぎない。このうち、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)PS−7が産生するクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子は既に分離され、アミノ酸配列が公開されている(特許文献3)。
Journal of Biochemistry,Vol.86,1109−1117(1979) Chemical and Pharmaceutical Bulletin,Vol.34,No.1,269−274(1986) 特開昭51−115989号公報 特開昭47−43281号公報 特許第2527035号公報
しかしながら、公知の各種菌体から製造されたクレアチニンアミドヒドロラーゼは臨床検査薬用酵素としてはクレアチニンに対するKm値が大きく、試薬組成中に大量の酵素を添加する必要があった。例えばアルカリゲネス・フェカリスTE3581由来の酵素(特許文献4)は、クレアチニンに対するKm値は約42mMであることが報告されている。さらにアースロバクター・エスピーTE1826由来の酵素は、クレアチニンに対するKm値は約66mMと大きい(特許文献5)。
特開平9−154574号公報 特開平10−215874号公報
クレアチニンの定量法としては、試料中のクレアチニンにクレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼおよびザルコシンオキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を過酸化水素測定手段により測定して、試料中のクレアチニンを定量する方法が知られている。
このような方法を実施するために、試薬を2つ以上の部分に分けてそれぞれを予め決められた添加順で反応セルに添加し、全工程で数分〜20分程度反応させて、その間の吸光度の増減を経時的に測定し、その結果を解析計算することにより目的物質の濃度を求める、汎用の自動分析機がよく用いられる。これらの自動分析機に適用されうるように調製された種々の試薬が公知である。
Medical Technology, Vol.10, No.7, 575−579 (1982)
しかし、従来の方法によれば、反応がエンドポイントに達するまでの時間が長いため、測定に時間がかかり、処理できる検体数が少なかった。一方、短時間で反応を終わらせるには酵素の添加量を増やす必要があり、経済性に問題があった。
本発明の目的は、上述のような公知のクレアチニンアミドヒドロラーゼの欠点を克服し、よりクレアチニンに対する親和性が向上した、すなわちクレアチニンに対するKm値の低下したクレアチニンアミドヒドロラーゼを提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記現状に鑑み、自動分析装置に適合し、正確性・精密性および経済性に優れたクレアチニン測定用試薬組成物を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、シュードモナス・プチダ由来の上記クレアチニンアミノヒドロラーゼ遺伝子を用い、蛋白質工学的手法により、クレアチニンに対するKm値のより小さいクレアチニンアミノヒドロラーゼ改変体を創出することに成功した。そして、クレアチニンアミドヒドロラーゼのKm値を小さくすれば、クレアチニンの定量において、反応がエンドポイントに達するまでの時間が短くなることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
[項1]
改変前のクレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有する蛋白質を構成するアミノ酸配列のうち、基質との結合部位から半径10オングストローム以内の距離にあるアミノ酸であり、かつ、αヘリックス両端から5残基以内のアミノ酸において、1もしくは数個のアミノ酸を欠失、置換もしくは付加することにより、改変前と比較して、基質との親和性が向上したクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項2]
改変前のクレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有する蛋白質を構成するアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸が、野生型と比較して、他のアミノ酸に置換している項1記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項3]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列と50%以上の相同性を有する、項1、2のいずれかに記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項4]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有する、項1、2のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項5]
改変前のクレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有する蛋白質が配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列を有する、項1、2のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項6]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の44位、122位、179位、180位、181位またはそれらと同等の位置からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸に置換されている項3〜5のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項7]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の179位またはそれと同等の位置のグリシンがセリンに置換されている項3〜5のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項8]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の179位またはそれと同等の位置のグリシンがアラニンに置換されている項3〜5のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項9]
配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の180位またはそれと同等の位置のグリシンがアラニンに置換されている項3〜5のいずれか1項に記載のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項10]
改変後のクレアチニンに対するKm値が、改変前に比べて1/5以下であることを特徴とする項1〜9のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
[項11]
改変後のクレアチニンに対するKm値が、改変前に比べて1/2.5以下であることを特徴とする項1〜9のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。[項12]
項1〜9のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体をコードする遺伝子。
[項13]
項12に記載の遺伝子を含むベクター。
[項14]
項13に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[項15]
項14に記載の形質転換体を培養し、該培養物からクレアチニンアミドヒドロラーゼを採取するクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体の製造法。
[項16]
項1〜11のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を含むクレアチニン測定用試薬。
[項17]
項1〜11のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を用いるクレアチニン測定方法。
本発明により臨床検査薬用酵素として有用な、Km値の小さい新規クレアチニンアミドヒドロラーゼを創出し、工業的に大量に該クレアチニンアミドヒドロラーゼを生産できる。
また、本発明により、クレアチニンの定量において、使用酵素量を従来の1/4に減らすことができ、また従来と同等の使用量であれば反応がエンドポイントに達する時間が短いため、測定時間を短縮でき処理検体数を増加させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
クレアチニンアミドヒドロラーゼは、EC3.5.2.10に分類される酵素である。
本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は、改変前のクレアチニンアミドヒドロラーゼよりも基質に対する親和性が向上したものである。基質との親和性の向上とは、具体的にはクレアチニンに対するKm値の低下を意味する。
本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は、好ましくは、改変後のクレアチニンに対するKm値が、改変前に比べて1/2.5以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体である。さらに好ましくは、改変後のクレアチニンに対するKm値が、改変前に比べて1/5以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体である。
あるいは、本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は、好ましくは、改変後のクレアチニンに対するKm値(以下に示す方法で測定した値)が、70mM以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体である。さらに好ましくは、改変後のクレアチニンに対するKm値が、55mM以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体である。
あるいは、本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は、配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列と50%以上(好ましくは80%以上)の相同性を有する。
Km値は、以下のいずれかの方法を用いて測定する。
実施例1ないし3については、以下のように測定した。
後述のクレアチニンアミドヒドロラーゼの活性測定法において、R2を基質であるクレアチニンの濃度を、反応時に55.6、37.0、22.2、15.9、11.1mMになるよう調製し、それぞれのR2を用いて活性を測定する。得られた測定値を、Lineweaber−Burkプロットを用いてKm値を求める。
また、実施例4および5については、Km値は以下のように測定した。
後述のクレアチニンアミドヒドロラーゼの活性測定法において、第二試薬の基質であるクレアチニンの濃度を、反応時に各50、30、20、15、10mMになるよう調製(±10%以内の誤差は許容されるものとする。)し、それぞれのR2を用いて活性を測定する。得られた測定値を、Lineweaber−Burkプロットを用いてKm値を求める。
本願明細書において、アミノ酸は1文字記号または3文字記号で表す。また、アミノ酸の変異の位置については次のように表記する。例えば「G179S」は、179位のG(Gly)をS(Ser)に置換することを意味する。
本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼの改変の基になるクレアチニンアミドヒドロラーゼは、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、アースロバクター属、フラボバクテリウム属、ミクロコッカス属などの微生物由来のもの等が例示されるが、特に限定されるものではない。
具体的には例えば、シュードモナス・プチダ(PS−7)株に由来するものが挙げられ、そのアミノ酸配列は配列番号2、当該アミノ酸配列をコードする遺伝子は配列番号1でそれぞれ示される。これらはいずれも特許第2527035号公報に記載されている。
なお、配列番号2において、アミノ酸の表記は、メチオニンを1として番号付けされている。
本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼの改変の基になるクレアチニンアミドヒドロラーゼは、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するものであれば、野生型のものに限らず何らかの改変が施されたものであっても良い。改変としては、例えばアミノ酸を欠失、置換もしくは付加されたもの、分子間または分子内架橋が施されたもの、あるいは、糖鎖やその他の官能基により化学修飾されたものなどが含まれるが、特に限定されない。
具体的には例えば、シュードモナス属、アルカリゲネス属由来のもの、あるいは市販品では、東洋紡績製「CNH−311」、キッコーマン製「Creatininase(C1−E)」等に改変を施しても良い。
本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼは、クレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有する蛋白質を構成するアミノ酸配列のうち、基質との結合部位から半径10オングストローム以内の距離にあるアミノ酸配列であり、αヘリックス両端から5残基以内のアミノ酸配列が変換された、野生型と比較して、基質との親和性が向上したものである。なお、基質との結合部位とは、Swiss−Pdb Viewer(SPDBV)を使用してクレアチンとクレアチニンアミドヒドロラーゼが結合した状態の立体構造データより定義される部位である。基質との結合部位からの距離も同ソフトを用いることで、定義できる。

このような改変部位として具体的には、例えば、シュードモナス・プチダ(PS−7)株に由来するクレアチニンアミドヒドロラーゼアミノ酸配列(配列番号2)では、Cys41,Met42,Asn43,Val44,Asp45,His120,Tyr121,Asn123,Ser124,Asp155,Glu177,His178,Gly179,Gly180,Val181が例示できる。
なかでも、44位、122位、179位、180位、及び181位に相当する部位のうち少なくとも1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されてなるものが、本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼとして好ましい。
とりわけ、 配列番号2における44位のアミノ酸はアルギニンまたはグリシンまたはセリンに置換されていることが好ましい。
配列番号2における44位のアミノ酸はアスパラギンに置換されていることが好ましい。
配列番号2における122位のアミノ酸はアスパラギン酸に置換されていることが好ましい。
配列番号2における179位のアミノ酸はセリンまたはアラニンに置換されていることが好ましい。
配列番号2における180位のアミノ酸はセリンまたはアラニンに置換されていることが好ましい。
配列番号2における181位のアミノ酸はイソロイシンに置換されていることが好ましい。
また、44位、122位、179位、180位、及び181位に相当する部位のうち、好ましくは122位、179位、180位、及び181位のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されていることが好ましい。さらに好ましくは179位、180位のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されていることが好ましい。
これらの改変部位は、1もしくは数個が改変されたものであっても良い。また、改変はアミノ酸を欠失、置換もしくは付加のいずれでも良いし、それらの組合せであっても良い。
なお、上記の置換位置は、シュードモナス・プチダ(PS−7)株以外の起源のクレアチニンアミドヒドロラーゼのアミノ酸配列における同等の位置であっても良い。同等の位置かどうかは、一次構造、立体構造の知見を基に判断することができる。
シュードモナス・プチダ由来のクレアチニンアミドヒドロラーゼの立体構造は既に明らかになっていたが、蛋白質工学的手法によりクレアチニンアミドヒドロラーゼのKm値を低下させることを示唆する記載はなかった(非特許文献4、5)。
Journal of Molecular Biology,Vol337,399−416(2004) Journal of Molecular Biology,Vol332,287−301(2004)
発明者らが見出したシュードモナス・プチダ由来のクレアチニンアミドヒドロラーゼの44位、122位、179位、180位、及び181位の変異箇所をこの立体構造に照らし合わせたところ、44位及び122位はαへリックス末端から5残基以内に位置し、179位、180位、及び181位はthe flap regionにあることがわかった。
非特許文献3には、クレアチニンアミドヒドロラーゼの立体構造は7つのαへリックスと4つのβ構造からなりたっており、クレアチニンアミドヒドロラーゼが基質と結合すると、the flap region(α5とα6の間)の配置変化がおきることが記載されている。
この記載と本発明者らが具体的に得た実験結果を合わせて考えると、α5とα6の間の構造を変えることによりthe flap regionの配置に変化がおこり、基質との親和性が向上するものと考えられる。
したがって、当業者であれば、上記44位、122位、179位、180位、及び181位に限らずその周辺を包含する範囲のアミノ酸(具体的には、the flap regionのα5とα6の末端から数えて5残基以内のアミノ酸、さらには、the flap regionだけでなく基質との結合部位から近い、具体的には10オングストローム以内のαヘリックスの末端から数えて5残基以内のアミノ酸)を変異することにより、the flap regionの配置に変化がおこり基質との親和性を向上させる効果を有する改変体を、過度の検討なくして得ることができる。
他の起源のクレアチニンアミドヒドロラーゼについても、一次構造、立体構造の情報を元に、変異すべきアミノ酸位置を推定した上で、基質との親和性を向上させる効果を有する改変体を、過度の検討なくして得ることが可能である。
このように本発明の技術的思想は、具体的に上記で得られた改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼに限定されるものではない。
なお、上記説明において、基質との結合部位とは、Swiss−Pdb Viewer(SPDBV)を使用してクレアチンとクレアチニンアミドヒドロラーゼが結合した状態の立体構造データより定義される部位である。基質との結合部位からの距離も同ソフトを用いることで、定義できる。
また、αヘリックスとは、タンパク質やポリペプチドのとる2次構造の一つで、アミノ酸3.6残基ごとに1回転し、ピッチ5.4オングストロームのらせん構造である。ペプチド結合が平面をなすこと、ペプチド結合の−NH2−、−CO−はすべて水素結合をする。
相同性はGENETYX−WINを使用して、2種類の配列のhomology searchにより一致する配列の割合(%)を計算することができる。
なお、本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼは、クレアチニンに対する作用性が本質的に維持される限り、さらに他のアミノ酸残基の一部が欠失または置換・挿入等されていてもよく、また他のアミノ酸残基が付加または置換等されていてもよい。
さらに、本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼは、クレアチニンに対する作用性が本質的に維持される限り、クレアチニンアミドヒドロラーゼにヒスチジンタグなどのタグを結合または挿入させた態様、クレアチニンアミドヒドロラーゼの少なくとも一方の末端に他のペプチドや他の蛋白質(たとえばストレプトアビジンやシトクロム)を融合させた態様、糖鎖や他の化合物により化学修飾された態様、クレアチニンアミドヒドロラーゼ分子内および/または分子間でジスルフィド結合などにより架橋されたものやリンカーペプチドなどを介して連結されたもの等の態様を含みうる。あるいは、いくつかの由来の野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼの断片を組み合わせて構成したものを含みうる。
本発明はさらに、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含む。
本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子は、例えば、微生物など種々の起源(由来)より得られる野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片を改変することにより得ることができる。具体的には、例えばアルカリゲネス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)、アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、フラボバクテリウム・エスピー(Flavobacterium sp.)、コリネバクテリウム・ウレアファシエンス(Corinebacterium ureafaciens)、コリネバクテリウム・クレアチノボランス(Corinebacterium creatinovorans)、マイクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等の細菌を挙げることができる。
本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子は、好ましくは、配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつクレアチニンアミドヒドロラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAである。
本発明の遺伝子は、さらに、野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子の改変により得られた改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子について、クレアチニンアミドヒドロラーゼの発現を向上させるように、さらにコドンユーセージ(Codon usage)を変更したものを含みうる。
野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を改変する方法としては、通常行われる遺伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有するDNAの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩基を挿入または欠失させることにより、改変蛋白質の遺伝情報を有するDNAが作成される。DNA中の塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(Transformer Site−Directed Mutagenesis Kit;Clonetech製,QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit;Stratagene製など)の使用、或いはポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)の利用が挙げられる。
本発明はさらに、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含むベクター、さらには該ベクターで形質転換された形質転換体を含む。
作製された改変タンパク質の遺伝情報を有するDNAは、プラスミドと連結された状態にて宿主微生物中に移入され、改変タンパク質を生産する形質転換体となる。
ベクターとしてプラスミドを用いる場合、例えば、エシェリヒア・コリー(Escherichia coli)を宿主微生物とする場合にはpBluescript,pUC18などが使用できる。宿主微生物としては、例えば、エシェリヒア・コリー W3110、エシェリヒア・コリーC600、エシェリヒア・コリーJM109、エシェリヒア・コリーDH5αなどが利用できる。宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア属に属する微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組換えDNAの移入を行なう方法などを採用することができ、更にエレクトロポレーション法を用いても良い。更には、市販のコンピテントセル(例えば、コンピテントハイJM109;東洋紡績製)を用いても良い。
このような遺伝子はこれらの菌株より抽出してもよく、また化学的に合成することもできる。さらに、PCR法の利用により、クレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子を含むDNA断片を得ることも可能である。
本発明において、クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を得る方法としては、次のような方法が挙げられる。例えばシュードモナス・プチダ(PS−7)株由来の染色体を分離、精製した後、超音波処理、制限酵素処理等を用いてDNAを切断したものと、リニアーな発現ベクターと両DNAの平滑末端または付着末端においてDNAリガーゼなどにより結合閉鎖させて組換えベクターを構築する。該組換えベクターを複製可能な宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーと酵素活性の発現を指標としてスクリーニングして、クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含有する組換えベクターを保持する微生物を得る。
次いで、上記組換えベクターを保持する微生物を培養して、該培養微生物の菌体から該組換えベクターを分離、精製し、該発現ベクターからクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を採取することができる。例えば、遺伝子供与体であるシュードモナス・プチダ(PS−7)の染色体DNAは、具体的には以下のようにして採取される。
該遺伝子供与微生物を例えば1〜3日間攪拌培養して得られた培養液を遠心分離により集菌し、次いで、これを溶菌させることによりクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子の含有溶菌物を調製することができる。溶菌の方法としては、例えばリゾチーム等の溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテアーゼや他の酵素やドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤が併用される。さらに、凍結融解やフレンチプレス処理のような物理的破砕方法と組み合わせてもよい。
上記のようにして得られた溶菌物からDNAを分離精製するには、常法に従って、例えばフェノール処理やプロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌクレアーゼ処理、アルコール沈殿処理などの方法を適宜組み合わせることにより行うことができる。
微生物から分離、精製されたDNAを切断する方法は、例えば超音波処理、制限酵素処理などにより行うことができる。好ましくは特定のヌクレオチド配列に作用するII型制限酵素が適している。
クローニングする際のベクターとしては、宿主微生物内で自律的に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。ファージとしては、例えばエシェリヒア・コリを宿主微生物とする場合にはLambda gt10 、Lambda gt11 などが例示される。また、プラスミドとしては、例えば、エシェリヒア・コリを宿主微生物とする場合には、pBR322、pUC19 、pBluescript などが例示される。
クローニングの際、上記のようなベクターを、上述したクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子供与体である微生物DNAの切断に使用した制限酵素で切断してベクター断片を得ることができるが、必ずしも該微生物DNAの切断に使用した制限酵素と同一の制限酵素を用いる必要はない。微生物DNA断片とベクターDNA断片とを結合させる方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であればよく、例えば微生物DNA断片の付着末端とベクター断片の付着末端とのアニーリングの後、適当なDNAリガーゼの使用により微生物DNA断片とベクターDNA断片との組換えベクターを作製する。必要に応じて、アニーリングの後、宿主微生物に移入して生体内のDNAリガーゼを利用し組換えベクターを作製することもできる。
クローニングに使用する宿主微生物としては、組換えベクターが安定であり、かつ自律増殖可能で外来性遺伝子の形質発現できるものであれば特に制限されない。一般的には、エシェリヒア・コリW3110 、エシェリヒア・コリC600、エシェリヒア・コリHB101 、エシェリヒア・コリJM109 、エシェリヒア・コリDH5αなどを用いることができる。
宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア・コリの場合には、カルシウム処理によるコンピテントセル法やエレクトロポーレーション法などを用いることができる。
上記のように得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量のクレアチニンアミドヒドロラーゼを安定に生産し得る。宿主微生物への目的組換えベクターの移入の有無についての選択は、目的とするDNAを保持するベクターの薬剤耐性マーカー発現する微生物を検索すればよい。
上記の方法により得られたクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子の塩基配列は、Science ,第214巻,1205(1981)に記載されたジデオキシ法により解読した。また、クレアチニンアミドヒドロラーゼのアミノ酸配列は上記のように決定された塩基配列より推定した。
上記のようにして、一度選択されたクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子を保有する組換えベクターより、クレアチニンアミドヒドロラーゼ生産能を有する微生物にて複製できる組換えベクターへの移入は、クレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子を保持する組換えベクターから制限酵素やPCR法によりクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子であるDNAを回収し、他のベクター断片と結合させることにより容易に実施できる。また、これらのベクターによるクレアチニンアミドヒドロラーゼ生産能を有する微生物の形質転換は、カルシウム処理によるコンピテントセル法やエレクトロポーレーション法などを用いることができる。
本発明はさらに、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする遺伝子を含むベクターで形質転換された形質転換体を培養することを含む改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼの製造法に関する。
また、本発明のさらに別の一つの態様は、クレアチニンアミドヒドロラーゼに請求項1〜9のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行うことを含む、クレアチニンに対するKm値を、対応する野生型酵素と比較して低下させたクレアチニンアミドヒドロラーゼを製造する方法を含む。
こうしてできた形質転換体を培養することにより、本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼを製造することができる。
例えば上記のようにして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量の改変タンパク質を安定して生産し得る。形質転換体である宿主微生物の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよく、多くの場合は液体培養で行う。工業的には通気攪拌培養を行うのが有利である。
培地の栄養源としては,微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グルコース、シュークロース、ラクトース、マルトース、ラクトース、糖蜜、ピルビン酸などが使用される。また、窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよく、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。
培養温度は菌が成育し、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを生産する範囲で適宜変更し得るが、上記のようなクレアチニンアミドヒドロラーゼ生産能を有する微生物の場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条件によって多少異なるが、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼが最高収量に達する時期を見計らって適当時期に培養を完了すればよく、通常は6〜48時間程度である。培地のpHは菌が発育し、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを生産する範囲で適宜変更し得るが、好ましくはpH6.0〜9.0程度の範囲である。
培養物中の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し、利用することもできるが、一般には、常法に従って、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼが培養液中に存在する場合はろ過、遠心分離などにより、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼ含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼが菌体内に存在する場合には、得られた培養物からろ過または遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いで、この菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また、必要に応じて、EDTA等のキレート剤及び界面活性剤を添加してクレアチニンアミドヒドロラーゼを可溶化し、水溶液として分離採取する。
上記のようにして得られたクレアチニンアミドヒドロラーゼ含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、さらに硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。その後、吸着剤あるいはゲルろ過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーを行うことにより、精製されたクレアチニンアミドヒドロラーゼを得ることができる。
例えば、セファデックス(Sephadex)ゲル(GEヘルスケアバイオサイエンス)などによるゲルろ過、DEAEセファロースCL−6B(GEヘルスケアバイオサイエンス)、オクチルセファロースCL−6B(GEヘルスケアバイオサイエンス)等のカラムクロマトグラフィーにより分離、精製し、精製酵素標品を得ることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的に単一のバンドを示す程度に純化されていることが好ましい。
上記のようにして得られた精製酵素を、例えば凍結乾燥、真空乾燥やスプレードライなどにより粉末化して流通させることが可能である。その際、精製酵素はリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液やGOODの緩衝液に溶解しているものを用いることができる。好適なものはGOODの緩衝液であり、なかでも、PIPES、MESもしくはMOPS緩衝液が特に好ましい。また、グルタミン酸、グルタミン、リジン等のアミノ酸類、さらに血清アルブミン等を添加することによりクレアチニンアミドヒドロラーゼをより安定化することができる。
本発明の改変タンパク質の製造方法は、特に限定されないが、以下に示すような手順で製造することが可能である。タンパク質を構成するアミノ酸配列を改変する方法としては、通常行われる遺伝情報を改変する手法が用いられる。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有するDNAの特定の塩基を変換することにより、或いは特定の塩基を挿入または欠失させることにより、改変蛋白質の遺伝情報を有するDNAが作製される。DNA中の塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(TransformerMutagenesis Kit;Clonetech製,EXOIII/Mung Bean Deletion Kit;Stratagene製,QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit;Stratagene製など)の使用、或いはポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)の利用が挙げられる。
本発明では、配列番号2に示されるクレアチニンアミドヒドロラーゼの44位、122位、179位、180位、及び181位に着目し、これらのアミノ酸部位へ上記変異導入キットを用いてランダムに変異を導入したライブラリーを作製し、基質特異性の変化を指標にスクリーニングしたところ、クレアチニンに対するKm値が低減したクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を得ることができた。
本発明の別の一形態は、クレアチニンに対するKm値が55mM以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、過酸化水素の検出用試薬を含むクレアチニン測定試薬である。
過酸化水素の検出用試薬としては、例えば、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、トリンダー試薬を含む。
上記クレアチニン測定試薬の一形態は、請求項1〜13のうちいずれかに記載の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを含むクレアチニン測定用組成物を含む。
上記クレアチニン測定試薬の一形態は、請求項1〜13のうちいずれかに記載の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを含むクレアチニン測定キットを含む。
本発明の測定法は、下記反応を利用するものである。
(a)クレアチニンと水から、クレアチニンアミドヒドロラーゼによりクレアチンを生成する反応
(クレアチニンアミドヒドロラーゼ)
クレアチニン+HO→クレアチン

(b)(a)で得られたクレアチンと水から、クレアチンアミジノヒドロラーゼによりザルコシンと尿素を生成する反応
(クレアチンアミジノヒドロラーゼ)
クレアチン+HO→ザルコシン+尿素

(c)(b)で得られたザルコシンと水と酸素から、ザルコシンオキシダーゼによりグリシンとホルムアルデヒドと過酸化水素を生成する反応
(ザルコシンオキシダーゼ)
ザルコシン+HO+O → グリシン+ホルムアルデヒド+過酸化水素

(d)(c)で得られた過酸化水素を検出する反応
例えば、(c)で得られた過酸化水素と4−アミノアンチピリンとトリンダー試薬から、ペルオキシダーゼによりキノン色素と水を生成する反応
(ペルオキシダーゼ)
過酸化水素+4−アミノアンチピリン+トリンダー試薬 → キノン色素+4H
本発明の測定法には、クレアチニンに対するKm値が55mM以下であるクレアチニンアミドヒドロラーゼを用いる。
そのようなクレアチニンアミドヒドロラーゼの起源は、シュードモナス属、アルカリゲネス属、コリネバクテリウム属、アースロバクター属、フラボバクテリウム属、ミクロコッカス属などの微生物由来のもの等が例示されるが、特に限定されるものではないが、本願明細書の[0012]〜[0055]および参考例に後述するものが好適に使用できる。
本発明におけるクレアチニン測定の対象となる試料としては、血清、尿、血漿などの生体試料が挙げられるが、これに特定されない。
本発明の試薬において、組成物は、液状(水溶液、懸濁液等)、粉末、凍結乾燥など種々の形態をとることができる。凍結乾燥法としては、特に制限されるものではなく常法に従って行えばよい。本発明の酵素を含む組成物は凍結乾燥物に限られず、凍結乾燥物を再溶解した溶液状態であってもよい。
さらに上記各形態において、本発明の試薬組成物は、その形態や使用方法に応じて、精製された状態であっても良いし、必要により他の成分、例えば界面活性剤、安定化剤、賦形剤など種々の添加物が加えられていても良い。
本発明の試薬へのそれらの添加物の配合法は特に制限されるものではない。例えばクレアチニンアミドヒドロラーゼを含む緩衝液に安定化剤を配合する方法、安定化剤を含む緩衝液にクレアチニンアミドヒドロラーゼを配合する方法、あるいはクレアチニンアミドヒドロラーゼと安定化剤を緩衝液に同時に配合する方法などが挙げられる。
本発明に使用するクレアチンアミジノヒドロラーゼの起源は特に限定されるものではない。例えば、アースロバクター由来、アルカリゲネス由来のものを用いることができる。市販品では、東洋紡績製「CRH−221」、キッコーマン製「Creatinase(C2−AT)」等を用いることができる。
本発明に使用するザルコシンオキシダーゼの起源は特に限定されるものではない。例えば、コリネバクテリウム由来、アースロバクター由来のものを用いることができる。市販品では、東洋紡績製「SAO−341」、キッコーマン製「Sarcosine Oxidase(SOD−TE)」等を用いることができる。
本発明に使用するクレアチニンアミドヒドロラーゼの酵素濃度は、測定に適した濃度であれば特に限定するものではないが、好ましくは1−1000U/mLの範囲で好適に用いられる。
クレアチニンアミジノヒドロラーゼの酵素濃度は、測定に適した濃度であれば特に限定するものではないが、好ましくは1−1000U/mLの範囲で好適に用いられる。
ザルコシンオキシダーゼの酵素濃度は、測定に適した濃度であれば特に限定するものではないが、好ましくは1−1000U/mLの範囲で好適に用いられる。
本発明に使用するペルオキシダーゼの起源は特に限定されるものではない。例えば、西洋ワサビ由来のものを用いることができる。市販品では、東洋紡績製「PEO−301」等を用いることができる。
本発明のクレアチニン測定試薬は、上記以外に、リン酸塩やGOODバッファー、トリスバッファーなどの緩衝剤を含有する。更には、酵素反応を妨害するイオンを捕捉するEDTAやO−ジアニシジンなどのキレート試薬や、過酸化水素の定量の妨害物質であるアスコルビン酸を消去するアスコルビン酸オキシダーゼ、トリトンX−100やNP−40などの各種界面活性剤、ストレプトマイシンやアジ化ナトリウムなどの各種抗菌剤や防腐剤などを含んでもよい。これらは、種々の市販の試薬を入手できる。
これらの試薬は、単一試薬でも2種類以上の試薬からなるものであってもよいが、本発明の利点を活かすためには簡便な単一試薬がより好ましい。また、本発明の利点を活かすためには取扱いの簡便な液状試薬が好ましい。
含有される緩衝液としては特に限定されるものではないが、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液などが挙げられる。該緩衝液のpHは5.0〜10.0程度の範囲で使用目的に応じて調整される。凍結乾燥物中においては緩衝剤の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1%(重量比)以上、特に好ましくは0.1〜30%(重量比)の範囲で使用される。
また、さらに血清アルブミンを含有させてもよい。前記の水性組成物に血清アルブミンを添加する場合、その含有量は0.05〜0.5重量%であることが好ましい。
使用できるアルブミンとしては、牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)などが挙げられる。特にBSAが好ましい。該アルブミンの含有量は、好ましくは1〜80%(重量比)、より好ましくは5〜70%(重量比)の範囲で使用される。
一方、上記各形態において、本発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチニン測定用組成物ならびにクレアチニン測定用キットは、宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分を含有しない構成とすることもできる。
宿主由来のタンパク質成分以外のタンパク質成分としては、例えばBSA等の生体由来物質が挙げられる。
このような構成にすることにより、クレアチニン測定系における非特異反応が低減する可能性が考えられる。
緩衝剤としては、一般的に使用されるものであれば良く、通常、組成物のpHを5〜10とするものが好ましい。緩衝剤としてさらに好ましくは、ホウ酸や酢酸といった緩衝剤や、BES、Bicine、Bis−Tris、CHES、EPPS、HEPES、HEPPSO、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、POPSO、TAPS、TAPSO、TES、Tricineといったグッド緩衝剤が挙げられる。
また、粉末組成物において、緩衝剤の含有量(W/W)は、1.0%〜50%であることが望ましい。
また、改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼと緩衝剤から基本的に成る組成物に、アミノ酸、あるいは有機酸をさらに加えてもかまわない。また、これらを含有するものであれば、水性組成物、凍結乾燥物を問わない。
本発明に使用する緩衝剤として特に好ましくは、6.5−8.5のpH範囲において充分な緩衝能力を有する任意の緩衝剤を使用することができる。このpH範囲の緩衝剤は、リン酸塩、トリス、ビス−トリスプロパン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、および3−〔N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)を含む。低価格および高い安定性のため、好ましい緩衝剤はリン酸塩である。好ましい濃度範囲は、20−200mMのリン酸塩であり、pH7〜8である。
本発明においてクレアチニンに由来する過酸化水素の検出用試薬とは、クレアチニンに由来する過酸化水素を検出するための試薬であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、ペルオキシダーゼおよび過酸化水素発色試薬をいう。使用するペルオキシダーゼおよび過酸化水素発色試薬は何ら制限されるものではない。好ましい指示薬は溶液において安定であり、かつビリルビン干渉が低いものである。
過酸化水素発色試薬としては、例えば
(1)4−アミノアンチピリンまたは3−メチル−2−ベンゾチアゾリンヒドラゾン(MBTH)と、
(2)フェノールまたはその誘導体、もしくは、アニリンまたはその誘導体
を組み合わせて使用する。
フェノール誘導体としては、2−クロロフェノール、4−クロロフェノール、1,2−ジクロロフェノール等が挙げられる。
アニリン誘導体としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−m−アニシジン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−N−スルホプロピル)−m−アニシジン等が挙げられる。
また、10−X−メチルカルバモイル−3,7−ジメチルアミノ−10H−フェノチアジン、ビス〔8−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン、1,4−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニル−(2,7−ジヒドロキシ−4−ナフチル)メタン等のロイコ色素を使用してもよい。
これらは、種々の市販の試薬を入手できる。
本発明においてクレアチニンに由来する過酸化水素を検出する際の好ましい指示薬は、ベンジジン類、ロイコ染料類、4−アミノアンチピリン、フェノール類、ナフトール類およびアニリン誘導体類を含む。より好ましい指示薬は、4−アミノアンチピリンおよびN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルフォプロピル)−m−トルイジン(TOOS)である。好ましい濃度範囲は、4−アミノアンチピリンについては、0.05−10mM、TOOSでは0.05−10mMである。
本発明においてクレアチニンに由来する過酸化水素を検出する際に用いるペルオキシダーゼは、高純度かつ低価格のものが商業的に入手可能であることから西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼが好ましい。酵素濃度は、迅速かつ完全な反応のために充分高くなければならず、好ましくは、1,000−50,000U/Lである。
ビリルビンの干渉を最少とするためにフェロシアニドを試薬に添加してもよい。しかしながら、フェロシアニド等の金属イオンの存在は、指示薬および酵素を不安定化することもある。本発明の試薬の安定性は、フェロシアニドの添加を許容する程に充分高い。フェロシアニドの好ましい濃度範囲は、1−400μMであり、最大濃度は、酵素活性を阻害する濃度である。
不活性タンパク質を、更に安定性を増すために添加してもよい。不活性タンパク質は、血清アルブミン類、グロブリン類および繊維性タンパク質類を含む。好ましいタンパク質は、ウシ血清アルブミンであり、wt/volにおける好ましい濃度は、0.05−1%である。より低い濃度が有用であり得る。好ましい不活性タンパク質は、酵素分解を起こすであろうプロテアーゼ不純物を含まないものである。
クレアチニン濃度の測定は、試料の特定体積および試薬の特定体積を用いて行われる。吸光度測定は、試料ブランクを測定するために、混合後、かつクレアチニンの代謝による有意な吸光度変化が起こる前にできるだけ速やかに行われる。0.5〜5秒後の第1の吸光度測定が適当である。第2の吸光度測定は、吸光度が定常的になった後、典型的には5mg/dLのクレアチニン濃度において37℃にて3〜5分間である。典型的には、該試薬は既知のクレアチニン濃度を有する水性または血清溶液にて標準化される。
本発明のクレアチニン測定用試薬組成物を用いて、クレアチニンを測定する方法は、試料をクレアチニンアミドヒドロラーゼ、クレアチンアミジノヒドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、トリンダー試薬を含有する該試薬と反応させて、生成するキノン色素の発色量を測定する方法である。
本発明の別の一形態は、請求項1〜13のうちいずれかに記載の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼを含むクレアチニン測定方法を含む。
本願発明は、また、クレアチニンアミドヒドロラーゼを用いるクレアチニン測定系において、請求項1〜13のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行ったクレアチニンアミドヒドロラーゼを含有することを含む、クレアチニン測定系における、測定の反応性を向上させる方法を含む。
本願発明は、また、クレアチニンアミドヒドロラーゼを用いるクレアチニン測定系において、請求項1〜13のうちいずれかに記載のアミノ酸変異を行ったクレアチニンアミドヒドロラーゼを含有させることを含む、測定の反応性が向上したクレアチニン測定用組成物を、製造する方法を含む。
後述の実施例にも記載されているように、本願発明の改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼではクレアチニンに対するKm値が野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼに対して著しく低下している。このことは、例えば、臨床サンプルにおけるクレアチニン測定においてクレアチニンアミドヒドロラーゼ量を著しく低下させることができ、低コスト化が見込める。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子の作製
特許第2527035号、および、Biosci. Biotech. Biochem., 59巻7号、1331−1332ページ(1995)に記載の方法を参照して、シュードモナス・プチダPS−7株の染色体DNAを調製し、次いで、該株由来のクレアチニンアミドヒドロラーゼ遺伝子を含む発現プラスミドpCNH5−13を調製した。
野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼの発現プラスミドpCNH5−13は、ベクターpBluescript SK(−)のマルチクローニング部位にシュードモナス・プチダPS−7株由来のクレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする構造遺伝子を挿入したものである。その塩基配列は配列表の配列番号2に、また該塩基配列から推定されるクレアチニンアミドヒドロラーゼのアミノ酸配列は配列表の配列番号1に示される。
次に、pCNH5−13と、配列表の配列番号3記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いてQuickChangeTM Site−Directed Mutagenesis Kit(商標 STRATAGENE製)を用いて、そのプロトコールに従って変異処理操作を行い、更に塩基配列を決定して、配列番号2記載のアミノ酸配列の179番目のグリシンがセリンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM1)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号4記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、QuickChangeTM Site−Directed Mutagenesis Kit(STRATAGENE製)を用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の179番目のグリシンがアラニンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM2)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号5記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の180番目のグリシンがアラニンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM3)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号6記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の180番目のグリシンがセリンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM4)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号7記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の181番目のバリンがイソロイシンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM5)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号8記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の44番目のバリンがプロリンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM6)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号9記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の44番目のバリンがアラニンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM7)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号10記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の44番目のバリンがイソロイシンに置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM8)を取得した。
pCNH5−13と、配列表の配列番号12記載の合成オリゴヌクレオチドおよびこれと相補的な合成オリゴヌクレオチドを用いて、上記と同様の操作により、配列番号2記載のアミノ酸配列の122番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換された変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼをコードする組換えプラスミド(pCNHM9)を取得した。
実施例2 改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼの作製
pCNHM1、pCNHM2、pCNHM3、pCNHM4、pCNHM5、pCNHM6、pCNHM7、pCNHM8、pCNHM9、の各組み換えプラスミドでエシェリヒアコリーDH5αのコンピテントセルを形質転換し、該形質転換体をそれぞれ取得した。
5mlのCNH生産培地(1%ポリペプトン、2%酵母エキス、1%塩化ナトリウム、5mM塩化マンガン)を試験管に分注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌濾過したアンピシリンを100μl/mlになるように添加した。この培地に100μl/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地で予め37℃、16時間培養したエシェリヒアコリーDH5α(pCNHM1)のシングルコロニーを接種し、37℃で22時間通気攪拌培養した。
上記菌体を遠心分離により集菌し、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁した後、超音波処理により破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。また、この変異体をCNHM1と命名した。
pCNHM2、pCNHM3、pCNHM4、pCNHM5、pCNHM6、pCNHM7、pCNHM8、pCNHM9、pCNHM10の各組み換えプラスミドによるエシェリヒアコリーDH5α形質転換体についても上記方法と同様にして精製酵素標品を取得した。得られた酵素標品をそれぞれCNHM2、CNHM3、CNHM4、CNHM5、CNHM6、CNHM7、CNHM8、CNHM9と命名した。
比較例1 野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼの作製
比較例として、pCNH5−13によるエシェリヒアコリーDH5α形質転換体について、上記方法と同様にして、改変前の精製酵素標品を取得した。
実施例3 改変型クレアチニンアミドヒドロラーゼの評価1
実施例2で取得した変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼ(CNHM1、CNHM2、CNHM3、CNHM4、CNHM5、CNHM6、CNHM7、CNHM8、CNHM9)および比較例1で取得した各種クレアチニンアミドヒドロラーゼをそれぞれ、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)中に1.67U/mlになるように加え、前述した活性測定法によりクレアチニンアミドヒドロラーゼを測定した。その結果を表1に示す。表1から判るように本発明のクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は改変前と比べてKm値が小さくなっていることが確認された。
実施例1ないし3中、クレアチニンアミドヒドロラーゼの活性測定は以下のようにして行った。なお、本発明の酵素活性の定義は、下記条件下に1分間に1μモルのクレアチンを生成する酵素量を1単位(U)とする。
反応混液組成
R1
0.58M HEPES pH8
0.005% 4アミノアンチピリン
0.015% フェノール
60U/mlクレアチンアミジノヒドロラーゼ
12U/ml ザルコシンオキシダーゼ
6U/ml ペルオキシダーゼ

R2
0.25M クレアチニン
0.27N HCl

R1:200μlに、R2:60μl及び酵素液10μlを加え、37℃で10分間反応させ、505nmの吸光度変化をHITACHI7060型自動分析装置を用いて測定した。
下記表1に本発明の新規なクレアチンアミジノヒドロラーゼと野生型クレアチンアミジノヒドロラーゼのクレアチンに対するKm値をまとめた。表1からも明らかなように本発明の新規なクレアチンアミジノヒドロラーゼが野生型クレアチンアミジノヒドロラーゼに比べて、Km値が低下したことが判る。
Figure 0004214264
実施例4 クレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を使用したクレアチニン測定試薬の反応性評価
実施例2で取得した変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼ(CNHM1)100U/mLを上記第二試薬に添加して、液状クレアチニン測定試薬(本発明試薬)を調整した。対象としてシュードモナス・プチダ由来野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼ(商品コード:CNH−311、東洋紡社製)100U/mLを上記第二試薬に添加して、液状クレアチニン測定試薬(比較例試薬)を調整した。
本発明試薬と比較例試薬の反応性を5mg/dLのクレアチニンを測定して比較した。図1に示すように本発明試薬はエンドポイントに達する時間が短くなっていた。

実施例5 野生型と同一反応性を示すクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体の添加量
実施例2で取得した変異型クレアチニンアミドヒドロラーゼ(CNHM1)100U/mLを上記第二試薬に添加して、液状クレアチニン測定試薬(本発明試薬)を調整した。
対象としてシュードモナス・プチダ由来野生型クレアチニンアミドヒドロラーゼ(商品コード:CNH−311、東洋紡社製)400U/mLを上記第二試薬に添加して、液状クレアチニン測定試薬(比較例試薬)を調整した。
本発明試薬と比較例試薬の反応性を5mg/dLのクレアチニンを測定して比較した。図2に示すように本発明試薬のクレアチニンアミドヒドロラーゼ添加Unitは比較例試薬のクレアチニンアミドヒドロラーゼの1/4で同一の反応性であった。

実施例4および5中、5mg/dlクレアチニンを次の組成を有する第一試薬及び第二試薬を用いて下記方法により測定した。

第一試薬
50mM MOPS緩衝液(pH7.5)
10mM NaCl
0.1% トリトンX−100
0.14g/l TOOS
60U/ml クレアチンアミジノヒドロラーゼ (東洋紡社製CRH−221)
16U/ml ザルコシンオキシダーゼ (東洋紡社製SAO−351)

第二試薬
50mM MOPS緩衝液(pH7.5)
0.1% トリトンX−100
10U/ml ペルオキシダーゼ (東洋紡社製PEO−301)
0.6g/l 4−アミノアンチピリン

略号は以下を意味する。
TOOS: N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン

測定方法
日立7060形自動分析機を用いた。試料6μLに第一試薬270μL添加し、37℃にて5分間インキュベーションし、第一反応とした。その後第二試薬90μL添加し5分間インキュベーションし、第ニ反応とした。第一反応および第二反応の吸光度を液量補正した各吸光度の差をとる2エンドポイント法で546nmにおける吸光度を測定した。
クレアチニン濃度未知試料のクレアチニン濃度の算出は、精製水および5mg/dLクレアチニン水溶液の吸光度より算出して求めた。
本発明によれば、基質との親和性が向上したクレアチニンアミドヒドロラーゼを得ることができる。このクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体は、クレアチニン測定試薬に利用できる。また、本発明により、クレアチニンの定量において、使用酵素量を従来の1/4に減らすことができ、また従来と同等の使用量であれば反応がエンドポイントに達する時間が短いため、測定時間を短縮でき処理検体数を増加させることができる。
図1は、本発明試薬と比較例試薬の反応性評価結果を示す。●;本発明製剤,○;比較例製剤 図2は、本発明試薬と比較例試薬の反応性評価結果を示す。●;本発明製剤,○;比較例製剤

Claims (10)

  1. 配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の122位のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されているクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
  2. 配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の179位のグリシンがセリンまたはアラニンに置換されているクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
  3. 配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の180位のグリシンがアラニンまたはセリンに置換されているクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
  4. 配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列の181位のバリンがイソロイシンに置換されているクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体をコードする遺伝子。
  6. 請求項に記載の遺伝子を含むベクター。
  7. 請求項に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
  8. 請求項に記載の形質転換体を培養し、該培養物からクレアチニンアミドヒドロラーゼを採取するクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体の製造法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を含むクレアチニン測定用試薬。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載されるクレアチニンアミドヒドロラーゼ改変体を用いるクレアチニン測定方法。
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