JP4211789B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
このため、機関始動時に燃焼の悪化を防止して機関回転数を安定させるための制御装置が種々提案されている。
本発明は上記問題に鑑み、機関始動時に短時間で機関回転数を目標回転数に収束させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
すなわち、請求項2の発明では、回転数が始動時ピーク回転数到達時に回転数制御を開始するとともに、回転数制御の目標回転数をピーク回転数から基準回転数(最終的な目標回転数)まで徐々に変化させる。始動時ピーク回転数は一般には回転数制御の最終目標回転数(例えば機関暖機のためのファストアイドル回転数)よりもかなり高くなっている。このため、ピーク回転数到達時から回転数制御を開始する場合には、回転数制御開始時に目標回転数と実際の回転数との偏差が大きくなる。このため、ピーク到達時に回転数制御を開始すると上記偏差に基づいて大幅に回転数を下げる方向に制御が行われる。ところが、機関回転数はピーク回転数到達後は自然に低下するため、ピーク回転数到達時に大幅に回転数を低下させる制御を行うと、機関回転数は目標回転数を越えて低下してしまうアンダシュートを生じ、回転数制御開始後の回転数の目標回転数への収束が遅れる場合が生じる。本発明では、回転数制御開始時には目標回転数をピーク回転数に設定し、その後時間とともに徐々に最終的な目標回転数に変化(減少)させるようにしているため、目標回転数と実際の回転数との偏差が過大にならず、回転数制御により短時間で機関回転数を目標回転数に収束させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、更に機関回転数の変化速度を算出する手段を備え、前記ピーク回転数到達後の機関回転数低下開始が検出され、かつ機関始動操作開始後スロットル弁開度がアイドル運転時の開度に保持された状態で前記算出された機関回転数変化速度が予め定めた値以下になったときに前記回転数制御を開始する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置が提供される。
図1は本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の全体構成を示す概略図である。図1において、1は内燃機関本体、2は機関1の吸気通路に設けられたサージタンク、2aはサージタンク2と各気筒の吸気ポートを接続する吸気マニホルド、16はサージタンク2の上流側の吸気通路に配置されたスロットル弁、7は機関1の各気筒の吸気ポートに加圧燃料を噴射する燃料噴射弁である。
なお、上述のスロットル弁開度センサ17、吸気圧センサ3、水温センサ9及び空燃比センサ13、15の出力信号は、後述するECU10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器101に入力される。
上記制御を行うため、ECU10は一定時間毎に実行するA/D変換ルーチンにより、吸気圧センサ3からの吸気圧(PM)信号、スロットル開度センサ17からのスロットル開度(TA)信号、水温センサ9からの冷却水温度(THW)信号をA/D変換して入力する。
更に、ECU10の入出力インターフェイス102は、点火回路110を介して機関1の各点火プラグ111に接続され、機関の点火時期を制御するとともに、駆動回路113を介してスロットル弁16のアクチュエータ16aに接続され、アクチュエータ16aを駆動してスロットル弁16開度を制御している。
本実施形態では、ECU10は機関始動時、すなわち機関始動操作開始(クランキング開始)から機関暖機完了後の安定したアイドル運転が行われるようになるまでの間、機関回転数を予め定めた目標回転数(一般的には機関暖機促進のためのファストアイドル回転数)に維持する始動時回転数制御を行う。通常、機関クランキング開始時には機関の燃料噴射量は冷却水温度と機関回転数とから定まる基本始動時噴射量に吸気温度(大気温度)と大気圧とに応じた補正を加えた量に設定される。そして、クランキング開始後、機関回転数がクランキング回転数より高い所定の回転数(例えば400rpm程度)を越えたあと、(すなわち、各気筒で燃焼が開始され機関が完爆状態になったと判断された後)は燃料噴射量は機関吸入空気量と機関回転数とに応じた基本燃料噴射量に所定の係数を乗じた量に設定される。基本燃料噴射量は、機関燃焼空燃比を理論空燃比に維持するために必要とされる燃料噴射量である。また、上記所定の係数は機関始動時の吸気ポート壁面への噴射燃料の付着や低温による燃料の気化状態の悪化を補償するためのものであり、機関始動時には上記所定の係数は1より大きな値に設定され機関燃焼空燃比は理論空燃比よりリッチ側に設定される。
点火時期回転数制御では機関回転数に基づいて点火時期をフィードバック制御することにより機関回転数を目標回転数に維持する操作が行われる。機関始動時には、前述したように触媒暖機のため機関点火時期は遅角されている。一方、重質燃料を使用したような場合には、空燃比のリーン化等のため気筒内混合気の燃焼速度は低下している。このため、機関点火時期を進角させて燃焼速度の低下を補うことにより気筒での出力トルクが増大し、機関回転数は上昇する。これにより、重質燃料が使用されて機関燃焼が悪化したような場合でも機関回転数を正確に目標回転数に一致させることが可能となる。
以下、本発明の始動時回転数制御の具体的な実施形態について説明する。
(1)第1の実施形態
本実施形態では、機関始動操作(クランキング)開始後、機関に吸入された空気量がスロットル弁下流側の吸気通路容積に等しくなった時点から回転数制御を開始することにより、回転数制御開始のタイミングを適切に設定し、制御開始後短時間で円滑に機関回転数を目標回転数に収束させる。
すなわち、機関停止時にはスロットル弁16下流側の吸気通路圧力は大気圧に等しくなっており、スロットル弁16と各気筒の間の吸気通路には比較的多量の空気が貯留されている。機関が回転を始めると、スロットル弁下流側に貯留された空気は一挙に気筒内に吸入される。このため、機関始動操作開始時にはスロットル弁が全開のときと同様に多量の空気が気筒内に吸入され、機関完爆とともに回転数が急激に上昇するようになる。しかし、スロットル弁下流側に貯留された空気の全量が気筒内に吸入された後は、気筒内にはスロットル弁開度に応じた量の空気しか供給されなくなるため回転数は低下する。このため、機関始動操作開始後、一時的に機関回転数が急上昇して始動時ピーク回転数が生じるようになる。
図3の操作がスタートすると、ステップ301では、それぞれ対応するセンサ6、17で検出された機関回転数NEとスロットル弁開度THAとが読み込まれる。そして、ステップ303では上記NEとTHAとに基づいて現在の吸気体積効率ηVが算出される。体積効率ηVは、実際に機関に吸入される空気量と機関の総排気量との比であり、スロットル弁開度THAと機関回転数NEとの関数となる。本実施形態では、予めスロットル弁開度と機関回転数とを変化させて実際の機関を運転し、機関吸入空気量を実測することにより、ηVの値とTHA、NEとの関係を求めてあり、ECU10のROM104にηVの値をTHAとNEとを用いた数値テーブルとして格納してある。ステップ303では、スロットル弁開度THAと回転数NEとに基づいてこの数値テーブルから体積効率ηVの値が読み出される。
ここで、ηVはステップ303で算出した吸気体積効率、Vdは機関の排気量、NEは機関回転数(RPM)、KTはKT=ΔT/60で表される定数。ΔTは本操作の実行間隔(秒)である。すなわち、本実施形態では、機関1は4サイクル機関とされるため、機関1回転当たりに吸入する空気量は(ηV×Vd/2)で表される。また、NE×KTは本操作を前回実行してから今回本操作を実行するまでの間に機関が何回転したかをあらわしている。従って、(ηV×Vd/2)×NE×KTの値は、前回本操作実行後機関に吸入された空気量(体積)を表すことになる。ΣQの値の初期値は0とされているため、ステップ305を一定時間(ΔT)毎に実行することにより、ΣQの値は現在までの機関吸入空気量の積算値を正確に表すことになる。
(2)第2の実施形態
次に、本発明の機関始動時回転数制御の開始操作の別の実施形態について説明する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に回転数制御が可能になると同時に制御を開始することにより、短時間で回転数を目標回転数に収束させるが、第1の実施形態では機関吸入空気量に基づいて制御開始時期を判定していたのに対して、本実施形態では機関回転数に基づいて制御開始時期を判定する点が相違している。
図4、図5は本実施形態の回転数制御開始操作を説明するフローチャートである。図4は、機関の始動操作開始後、機関回転数が始動ピーク回転数に到達したことを検出する検出操作を示すフローチャート、図5は、始動ピーク回転数到達の有無に基づく始動時回転数制御開始操作を示すフローチャートである。図4、図5の操作は、それぞれECU10により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
ステップ401でピーク検出フラグFPの値が1にセットされている場合には、再度ピーク検出を行う必要はないため本操作はステップ403以下を実行することなく終了する。
本実施形態によれば、吸入空気量の積算値を算出することなく簡易に回転数制御の開始時期を判断することが可能となる。
(3)第3の実施形態
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
始動時ピーク回転数到達時に回転数制御を開始すると、制御開始時の回転数はファストアイドル回転数よりかなり高くなっている。このため、制御開始時からファストアイドル回転数を目標回転数として設定すると、回転数制御では実際の回転数を低下させる方向に制御が行われる。一方、ピーク回転数到達後は機関回転数は自然に低下するため、この時期に回転数を大幅に低下させる方向に制御が行われると、回転数がファストアイドル回転数を越えて大幅に低下してしまい、最終的な目標回転数であるファストアイドル回転数に収束するまでに時間を要する場合がある。そこで、本実施形態では始動時ピーク回転数到達時に回転数制御を開始する際には、制御目標回転数を実際の始動時ピーク回転数に設定し、その後徐々に制御目標回転数を最終的な目標回転数であるファストアイドル回転数まで低下させる操作を行う。これにより、ピーク回転数到達後も実際の機関回転数と制御目標回転数との間に大きな偏差が生じないため、回転数を大幅に低下させる制御が行われず、制御開始後短時間で機関回転数が目標回転数に収束するようになる。
図6において操作がスタートすると、ステップ601では、現在回転数制御実行フラグFBが1にセットされているか否かが判定され、FB≠1の場合にはステップ603以下を実行することなく直ちに本操作を終了する。
なお、本実施形態においても、図4、図5の操作が別途行われており、機関が始動ピーク回転数に到達すると同時にFBの値が1にセットされる。また、ステップ603、607のフラグXはステップ605をFBの値が0から1に変化した直後に1回だけ実行するために使用されるフラグである。
図6の操作により、本実施形態では始動時ピーク回転数到達時に回転数制御が開始されるときには、制御目標回転数TNEは実際のピーク回転数NEPに設定され(ステップ605、617)、その後最終目標回転数に実際の回転数が近づくまでは時間とともに比較的大きな速度で減少し(ステップ611、613)、実際の回転数が最終目標回転数NE0に接近した領域では比較的小さな速度で減少して(ステップ615)、最終目標回転数NE0に一致するようになる(ステップ609、619)。
本実施形態では、上記のように制御目標回転数を実際のピーク回転数から最終目標回転数まで徐々に変化させることにより、実際の始動時ピーク回転数のばらつきが生じた場合にも、制御目標回転数と実際の回転数との間に大きな偏差が生じることがなく、短時間で機関回転数を最終目標回転数に収束させることが可能となる。また、本実施形態では実際の機関回転数が最終目標回転数に接近した場合には制御目標回転数の変化速度が小さく設定されるため、回転数のアンダシュートが生じることが防止され最終目標回転数への収束時間が更に短縮されるようになる。
(4)第4の実施形態
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図7は、本実施形態の始動時回転数制御開始操作を説明するフローチャートである。本操作は、ECU10により一定時間毎に実行されるルーチンにより行われる。
これにより、本実施形態では回転数の変化速度が小さくなった時点から回転数制御が開始されるようになり、回転数が短時間で目標回転数に収束するようになる。
(5)第5の実施形態
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
前述したように、始動時ピーク回転数を過ぎると機関回転数は急激に低下する。このため、ピーク回転数通過後まだ回転数が目標回転数より高い状態から回転数制御を開始すると、機関回転数が低下中であるにもかかわらず回転数制御はさらに回転数を低下させる方向に作用してしまい、回転数が過度に低下する場合が生じる。
図8、ステップ801、803は図7、ステップ701、703と同様な回転数制御開始条件成立の有無の判定を示す。また、ステップ805は現在回転数が始動時ピーク回転数を通過したか否かの判定を示す。FPは、別途ECU10により実行される図4と同様な操作により設定されるピーク検出フラグである。ステップ805でFP≠1、すなわち回転数が始動時ピーク回転数到達していない場合には、回転数上昇中に機関回転数が目標回転数に一致したときに回転数制御が開始されてしまうことを防止するためステップ807以下の操作は実行しない。
(6)第6の実施形態
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
以下に、図9から図12を用いて機関燃焼悪化時の回転数制御切り換え操作と、吸気量回転数制御操作及び点火時期回転数操作について具体的に説明する。
図9は、本実施形態の始動時回転数制御操作を説明するフローチャートである。本操作はECU10により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
現在アイドル運転中で、かつ回転数制御実行フラグFBの値が1(実行)にセットされている場合には、次にステップ905に進み、予め定めた基準ピーク回転数NEP0と図4の操作で検出した始動時ピーク回転数NEPとの差DNPを算出する。そして、ステップ907では吸気量回転数制御のフィードバック補正量EQの上限値EQMAXをDNPの値に応じて設定して操作を終了する。
本実施形態では、吸気量回転数制御実行フラグCNが1にセットされると後述の吸気量回転数制御が実行され、点火時期回転数制御実行フラグINが1にセットされると点火時期回転数制御が実行される。なお、吸気量回転数制御実行フラグCNの初期値は1(実行)に設定されている。このため、アイドル運転時にフラグFBの値が1にセットされると(ステップ901、903)、まず吸気量回転数制御が開始されるようになる。
上記により、補正量EQの値を設定後、ステップ1015では補正量EQの値が図9の操作で設定した上限値EQMAXに到達したか否かが判定され、上限値に到達していない場合には、ステップ1017に進み、機関吸入空気量の目標値QTが、QT=QCAL+EQとして算出される。QCALは、機関回転数と運転者のアクセルペダル踏込み量とにより定まる目標吸入空気量である。そして、ステップ1019では算出した機関吸入空気量QTに応じてスロットル弁16の開度が制御される。
すなわち、点火時期回転数制御が実施されると点火時期は一般に進角されるため、排気温度が低下して排気浄化触媒の温度上昇に時間を要するようになる。このため、点火時期回転数制御への切り換えが行われると、排気浄化触媒が活性温度に到達しない状態での機関運転時間が長くなり、全体として機関始動時の排気性状が悪化する傾向になる。本実施形態ではできるだけ吸気量回転数制御で回転数制御を行うようにして排気性状の悪化を防止し、燃焼悪化等により吸気量回転数では回転数を制御できないと判断された場合にのみ点火時期回転数制御への切り換えを行うようにしている。例えば、機関燃焼の悪化が生じて回転数が目標回転数より低下すると吸気量回転数制御では機関回転数を上昇させるためにフィードバック補正量EQは増大設定される。また、EQの値は積分項IDNEの作用により、実際の機関回転数NEが目標回転数より低い値である限り増大を続ける。このため、EQの値がある程度の大きな値に到達した場合には吸気量回転数制御では機関回転数を目標回転数に制御することが困難であると判定できる。そこで、本実施形態ではEQの値がある上限値EQMAXに到達した場合には、吸気量回転数制御によっては燃焼の悪化による回転数の低下を回復できないと判断して点火時期回転数制御への切り換えを行うようにしている。
図11は、図9、ステップ907で設定されるEQMAXの値を示す図である。図11に示すように、EQMAXの値はDNPが負の値の領域では(機関始動時ピーク回転数NEPが基準回転数NEP0より高い場合)比較的大きな正の一定値EQMAX0に設定される。またEQMAXの値はDNPが正の値の領域ではDNPが大きいほど低減され、DNPが予め定めた値DNP1以上では0に設定される。
図12において、操作がスタートすると、ステップ1201では点火時期回転数制御実行フラグINの値が1にセットされているか否かが判定される。本操作は、フラグINの値が1にセットされた場合にのみ実行される。これにより、図10の吸気量回転数制御操作でフラグINの値が1にセットされると直ちに吸気量回転数制御から点火時期回転数制御への切り換えが行われる。
また、本実施形態では機関点火時期AOPは上記DNE、IDNE、DDNEを用いて、
AOP=EACAL+K3+β1×DNE+β2×IDNE+β3×DDNE
−EACAT
として設定される。そして、ステップ1215では、上記により設定した点火時期AOPは点火回路110にセットされ、本操作は終了する。
次に、点火時期開始時のステップ進角量K3について説明する。
ステップ進角量K3は一定値として設定しても良いが、本実施形態では、燃焼の悪化の程度に応じてK3の値を設定するようにしている。すなわち、燃焼悪化の程度が大きければ点火時期回転数制御開始時の機関回転数の低下も大きくなっており、回転数の上昇速度を大きく設定する必要がある。本実施形態では、燃焼悪化の程度、すなわちピーク回転数差DNPの値がが大きいほどステップ進角量K3の値を大きく設定するようにして、回転数の上昇を早めている。
図13に示すように、ステップ進角量K3は、DNPの値が負の領域では0に設定され、DNPの値が0から所定値DNP2の間では直線的に増大し、DNPの値がDNP2以上の領域では一定値となるように設定される。これにより、ステップ進角量K3は燃焼の悪化が大きいほど大きな値に設定されるようになる。
(7)第7の実施形態
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
この場合、フィードバック制御定数を一定値に固定していると、フィードバック補正量が必ずしも最適に設定されず、目標回転数への収束が遅くなる場合が生じる。
本実施形態では、フィードバック制御定数のうち積分項係数α2、β2を実際の回転数変化傾向に応じて変化させるようにしている。積分項は、回転数差の積算値であるため、回転数差が変化しても積分項自身の変化は比較的小さい。このため、比例項、微分項に較べて積分項には回転数の変化傾向が反映されにくくなっている。従って、回転数変化傾向に応じてフィードバック制御定数を変化させる場合には、積分項係数を回転数変化傾向に応じて変化させ、積分項への回転数変化傾向の反映の度合いを大きくすることが回転数の収束時間を短縮する上で最も効果的なためである。なお、当然ながら比例項、微分項についても回転数変化傾向に応じて変化させるようにすれば更に大きな効果が得られる。
第6の実施形態では、積分項IDNEは回転数差DNEの積算値ΣDNEとして算出され、フィードバック補正量算出の際にIDNEに一定の係数α2、β2を乗じていた。すなわち、図10の吸気量回転数制御の場合についていえば、フィードバック補正量EQは、(1)EQ=α1×DNE+α2×IDNE(=ΣDNE)+α3×DDNEとして算出されていた。これに対して、本実施形態では、積分項IDNEは予め積算の際にDNEにα2を乗じておき、Σ(α2×DNE)として算出し、その代わりにフィードバック補正量EQは、(2)EQ=α1×DNE+IDNE(=Σ(α2×DNE))+α3×DDNEとして算出される。(1)式と(2)式とは、α2が一定値である場合には同一になる。
すなわち、α2の値はDNEとDDNEとの値に応じて設定されるが、本実施形態では実際にはDNEとDDNEの各組合せに応じて最適なα2(点火時期回転数制御の場合にはβ2)の値を実験等により設定しておき、DNEにα2を乗じた値QIDNE(=α2×DNE)をDNEとDDNEとを用いた数値マップの形でECU10のROM104に格納してある。そして、図10の操作実行毎に算出したDNEとDDNEとの値を用いて、この数値マップから積分項の増減量としてQIDNE(=α2×DNE)の値を読み出し、上記(2)式を用いてフィードバック補正量EQの値を、EQ=α1×DNE+IDNE(=ΣQIDNE)+α3×DDNEとして算出するようにしている。
図18において、横軸は回転数差DNE(=NE0−NE)を、縦軸はその辺か率DDNEを、それぞれ表している。また、図18において直線N1は回転数差DNE=0(目標回転数と実際の回転数とが一致している状態)、直線N2はDDNE=0(機関回転数が安定している状態)、をそれぞれ表している。更に、直線Iは後述するように、QIDNE=0となる状態であり、本実施形態では、DNE=0、DDNE=0の点を通り傾きが45度の右下がりの直線として与えられている。
例えば、図18、C点では、DNEの値が負の比較的大きい値になっているため、回転数が目標回転数より大きく上回っている。このため、回転数は低下傾向にあるものの、回転数の低下速度を多少大きくして回転数が早く目標回転数に到達するようにすることが好ましい。そこで、この場合には、QIDNEの値は比較的小さい負の値に設定される。一方、D点ではDNEの値が負の比較的小さい値になっているため、回転数は目標回転数より高いものの、比較的目標回転数に近い値になっている。しかも、DDNE>0であるため回転数差は縮小(回転が低下)しつつある。このため、IDNEの値が大きいままだとオーバシュートを生じ、回転数が目標回転数を越えて低下してしまう可能性がある。そこで、D点ではQIDNEの値は比較的小さい正の値に設定し、IDNEの値を緩やかに増大させるようにする。
また、図18の直線I上の点では、回転数差DNEと差の変化傾向DDNEとの影響が互いに相殺するため、積分項IDNEの値は増減せずに前回の値をそのまま保持するようにする。このため、この線上の点ではQIDNE=0に設定される。このため、直線IはQIDNEが正になる領域と負になる領域との境界線になっている。また、本実施形態では制御を安定させるために、直線Iから一定の距離内の領域(図18に斜線で示す領域)を設け、この領域内ではQIDNEの値を0に設定して、DNEとIDNEとの値が変化してもIDNEの値が増減しないようにしている。
このように、フィードバック制御定数(α2、β2)の値を回転数差DNEとその変化率DDNEとに応じて操作実行毎に設定することにより、フィードバック補正量が回転数の変化傾向に応じて適切に設定されるようになり、回転数の目標回転数への収束時間が短縮されるようになる。
(8)第8の実施形態
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図12で説明したように、点火時期回転数制御中は機関点火時期AOPは、機関冷却水温度から定まる基本点火時期EACAL(図12の例ではEACAL+K3)とフィードバック補正量(図12の例ではβ1×DNE+β2×IDNE+β3×IDNE)との和に触媒暖機遅角量(−EACAT)を加えた量として設定される。触媒暖機遅角量EACATは、機関始動時に排気温度を上昇させ排気浄化触媒を短時間で活性化温度まで到達させるために設けられており、機関始動操作開始後徐々に増大し、その後緩やかに減少して始動操作開始後所定時間経過後に0になるように変化する。
図14は、RFの機関始動操作開始後の時間変化を示す図である。
図15は、本実施形態の触媒暖機遅角量制御操作を説明するフローチャートである。本操作は、ECU10により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
なお、本実施形態では点火時期回転数制御の開始とともに触媒暖機遅角量の減少を開始しているが、例えば燃焼の悪化が比較的少ないため点火時期回転数制御が開始されても点火時期があまり大きく進角されない場合がある。このような場合には触媒暖機遅角量を早期に減衰させてしまうと触媒暖機が遅れるために、全体として排気性状が悪化する可能性がある。このため、例えば点火時期回転数制御の開始と同時に触媒暖機遅角量の減少を開始するのではなく、点火時期回転数制御により点火時期がある程度以上進角されたとき、すなわち燃焼の悪化の程度がある程度大きいと判断されたときから触媒暖機遅角量の減少を開始するようにしてもよい。
(9)第9の実施形態
本実施形態では、第8の実施形態と同様に点火時期回転数制御実施時に触媒暖機遅角量を低減する操作を行うが、第8の実施形態では一律に触媒暖機遅角量EACATを減少させていたのに対して本実施形態では燃焼の悪化の程度に応じてEACATを減少させる点が相違している。
そこで、本実施形態では前述した機関始動時のピーク回転数NEPの基準ピーク回転数NEP0からの偏差(DNP=NE0−NEP)を燃焼悪化程度のパラメータとして用い、燃焼悪化が大きいとき(DNPが大きいとき)には触媒暖機遅角量の減少が大きく、燃焼悪化が小さい時に(DNPが小さいとき)には触媒暖機遅角量の減少が小さくなるように触媒暖機遅角量を調整している。
図16において操作がスタートすると、ステップ1601では、まず、触媒暖機遅角量EACATが、EACAT=RF×EACATBASEとして算出される。そして、ステップ1603では、現在点火時期回転数制御が実行されているか否かが点火時期回転数制御実行フラグINの値に基づいて判定される。現在点火時期回転数制御が実行されていない場合(IN≠1の場合)には、本操作は直ち終了する。この場合、触媒暖機遅角量はステップ1601で設定された通常の値になる。一方、現在点火時期回転数制御が実行されている場合(IN=1の場合)には、次にステップ1605で、機関始動時に検出された始動時ピーク回転数NEPの予め定めた基準ピーク回転数NEP0からの偏差DNPに基づいて、触媒暖機遅角量の低減係数K4(K4≦1)が決定される。そして、ステップ1607では、ステップ1601で算出された通常時のEACATの値に係数K4を乗じた値を触媒暖機遅角量EACATとしてセットして操作を終了する。
また、本実施形態ではピーク回転数差DNPに応じて係数K4を設定しているが、点火時期回転数操作開始後のフィードバック補正量(図12の例では、β1×DNE+β2×IDNE+β3×DDNE)は点火時期回転数操作による進角量を表している。そこで、このフィードバック補正量の値に応じて、図17と同様な関係を用いてK4の値を設定するようにすることも可能である。
5、6 クランク角センサ
10 電子制御ユニット(ECU)
16 電子制御スロットル弁
110 点火回路
Claims (4)
- 機関始動時に機関回転数を予め定めた目標回転数にフィードバック制御する回転数制御を行う内燃機関の制御装置であって、
機関始動操作開始後に機関回転数が始動時のピーク回転数に到達した後に低下を開始したことを検出する手段を備え、機関始動操作開始後スロットル弁開度がアイドル運転時の開度に保持された状態で前記ピーク回転数到達後に機関回転数が低下を開始したことが検出されたときに前記回転数制御を開始する、内燃機関の制御装置。 - 更に、前記回転数制御を開始したときから前記目標回転数を前記ピーク回転数から予め定めた基準回転数まで時間の経過とともに徐々に変化させる目標回転数設定手段を備えた、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標回転数設定手段は、前記回転数制御開始後、実際の機関回転数の前記基準回転数からの偏差が予め定めた値より小さくなった場合には、前記偏差が予め定めた値より大きい場合に較べて前記目標回転数の時間変化率が、小さくなるように前記目標回転数を変化させる、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 更に機関回転数の変化速度を算出する手段を備え、前記ピーク回転数到達後の機関回転数低下開始が検出され、かつ機関始動操作開始後スロットル弁開度がアイドル運転時の開度に保持された状態で前記算出された機関回転数変化速度が予め定めた値以下になったときに前記回転数制御を開始する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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