JP4207235B2 - 蒸気圧縮式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの制御に関するもので、二酸化炭素(CO2 )等の超臨界域で冷媒を使用する蒸気圧縮式冷凍サイクルに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、蒸気圧縮式冷凍サイクルに使用される冷媒の脱フロン対策の1つとして、例えば特公平7−18602号公報に記載のように二酸化炭素(CO2 )を使用した蒸気圧縮式冷凍サイクル(以下、CO2 サイクルと略す。)が提案されている。
【0003】
このCO2 サイクルの作動は、原理的には、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルの作動と同じであり、以下、発明者等の試験調査を踏まえつつ、CO2 サイクルの挙動を説明する。
すなわち、CO2 サイクルの挙動は、図17(CO2 モリエル線図)のA−B−C−D−Aで示されるように、圧縮機で気相状態のCO2 を圧縮し(A−B)、この高温高圧の超臨界状態のCO2 を放熱器(ガスクーラ)にて冷却する(B−C)。そして、減圧器により減圧して(C−D)、気液2相状態となったCO2 を蒸発させて(D−A)、蒸発潜熱により空気等の外部流体から熱を奪って外部流体を冷却する。
【0004】
なお、CO2 は、圧力が飽和液圧力(線分CDと飽和液線SLとの交点の圧力)を下まわるときから、気液2相状態に相変化する。また、Cの状態からDの状態へとゆっくり変化する場合には、CO2 は超臨界状態から液相状態を経て気液2相状態に変化する。
因みに、超臨界状態とは、密度が液密度と略同等でありながら、CO2 分子が気相状態のように運動する状態をいう。
【0005】
しかし、CO2 の臨界温度は約31℃と従来のフロンの臨界温度(例えば、HFC−134aでは101℃)と比べて低いので、夏場等では放熱器側でのCO2 温度がCO2 の臨界温度より高くなってしまう。つまり、放熱器出口側においてもCO2 は凝縮しない(線分BCが飽和液線と交差しない)。
また、放熱器出口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力と放熱器出口側でのCO2 温度とによって決定され、放熱器出口側でのCO2 温度は、放熱器の放熱能力と外気温度とによって決定する。そして、外気温度は制御することができないので、放熱器出口側でのCO2 温度は、実質的に制御することができない。
【0006】
したがって、放熱器出口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出圧力(放熱器出口側圧力)を制御することによって制御可能となる。つまり、夏場等の外気温度(熱負荷)が高い場合には、図17のE−F−G−H−Eで示されるように、放熱器出口側圧力(G点での圧力)を高くして十分な冷凍能力(蒸発過程(H−E)のエンタルピ変化量Δi1 )を確保し、一方、外気温度(熱負荷)が夏場等に比べて低い場合には、図17のA−B−C−Dで示されるように、放熱器出口側圧力(C点での圧力)を低下させて冷凍能力(蒸発過程(D−A)のエンタルピ変化量Δi2 )を低下させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フロンの臨界圧力(例えば、HFC−134aでは4.07MPa)は、CO2 の臨界圧力(7.4MPa)より小さく、かつ、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、周知のごとく、サイクルの最大作動圧力がフロンの臨界圧力を越えることがない。
【0008】
これに対して、CO2 サイクルにおいて、前述のごとく、冷凍能力を増大させるために放熱器出口側圧力を上昇させると、夏場等の外気温度(熱負荷)が高い場合には、サイクルの最大作動圧力がフロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルに比べて、約10倍も高くなってしまう。
このため、圧縮機や放熱器等のサイクルを構成する各機器の耐圧強度を、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルの各機器に比べて高くする必要があるので、各機器の大型化を招いてしまう。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、放熱器内の圧力が冷媒の臨界圧力を越える蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、冷凍能力を損なうことなく、圧縮機等の各機器の大型化を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P1 )まで減圧する第1減圧装置(4)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、第1減圧装置(4)にて減圧された一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、冷却器(5)にて冷却された他方側の冷媒を、第1所定圧力(P1 )より低い第2所定圧力(P2 )まで減圧する第2減圧装置(6)と、第2減圧装置(6)にて減圧された他方側の冷媒を蒸発させ、圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、冷却器(5)にて他方側の冷媒と熱交換した一方側の冷媒を圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路(9)、冷媒流路(9)における冷媒の温度を検出する温度センサ(12)と、冷媒流路(9)における冷媒の圧力を検出する圧力センサ(13)と、温度センサ(12)および圧力センサ(13)からの信号に基づいて第1減圧装置(4)の開度を制御する制御装置(10)とを備え、制御装置(10)は、温度センサ(12)および圧力センサ(13)の検出値から冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出し、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいか否かを判定し、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいときには第1減圧装置(4)の開度を所定量拡大することを特徴とする。
【0011】
これにより、第2減圧装置(6)の入口側における他方側の冷媒の比エンタルピを小さくすることができる。このため、放熱器(2)の出口側の冷媒圧力を上昇させることなく、第2減圧装置(6)の入口側における冷媒の比エンタルピ、すなわち蒸発器(7)の入口側における冷媒の比エンタルピを小さくすることができるので、蒸発器(7)の入口と出口との比エンタルピ差を大きくすることができる。
【0012】
したがって、冷凍能力を損なうことなく、蒸気圧縮式冷凍サイクルの最大作動圧力を低下させることができるので、圧縮装置(1)等の各機器の大型化を防止することができる。延いては、圧縮装置(1)等の各機器の小型軽量化を図ることができる。また、一方側の冷媒が、吸入圧縮行程の途中に圧縮装置(1)に導かれるので、後述するように、他方側の冷媒が圧縮装置(1)に導かれた時、すなわち、一方側の冷媒が吸入圧縮行程中の圧縮装置(1)内に噴射(インジェクション)された時に、圧縮装置(1)内の冷媒の温度(比エンタルピ)が低下する。このため、噴射後の圧縮装置(1)内の冷媒の状態は、温度が低下した状態における等エントロピ線に沿って変化する。
【0013】
したがって、噴射後の等エントロピ線は、噴射前の等エントロピ線に比べて、比エンタルピに対する勾配(傾き)が大きいので、吸入圧縮行程中の圧縮装置(1)内に冷媒を噴射する本発明は、噴射しないで冷媒を吸入圧縮する場合に比べて、圧縮仕事を小さくすることができる。延いては、蒸気圧縮式冷凍サイクルの成績係数を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、蒸発器(7)の下流側の空気温度(冷却後の空気温度)を検出する空気温度センサ(11)を備え、制御装置(10)は、空気温度センサ(11)の検出値(T 1 )と目標冷風温度(TEO)とを比較し、目標冷風温度(TEO)が空気温度センサ(11)の検出値(T 1 )より大きいときには温度センサ(12)および圧力センサ(13)の検出値から冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出し、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいか否かを判定し、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいときには第1減圧装置(4)の開度を所定量拡大し、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)以下であるときには第1減圧装置(4)の開度を変更せず、目標冷風温度(TEO)が空気温度センサ(11)の検出値(T 1 以下であるときには、冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出することなく第1減圧装置(4)の開度を所定量縮小することを特徴とする
【0015】
請求項3に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P 1 )まで減圧する第1減圧装置(400)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、第1減圧装置(400)にて減圧された一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、冷却器(5)にて冷却された他方側の冷媒を、第1所定圧力(P 1 )より低い第2所定圧力(P 2 )まで減圧する第2減圧装置(6)と、第2減圧装置(6)にて減圧された他方側の冷媒を蒸発させ、圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、冷却器(5)にて他方側の冷媒と熱交換した一方側の冷媒を圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路(9)とを備え、第1減圧装置(400)は、弁開度を調節することにより冷媒流路(9)における冷媒の加熱度を機械的に制御する温度膨張弁(420)を有し、温度膨張弁(420)は、冷媒流路(9)における冷媒の温度を検出する感温筒部(421)を有し、感温筒部(421)で検出された温度により弁開度を調節することを特徴とする。これにより、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P 1 )まで減圧する第1減圧装置(430)と、放熱器(2)から流出した冷媒のうち分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、第1減圧装置(430)にて減圧された一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、冷却器(5)にて冷却された他方側の冷媒を、第1所定圧力(P 1 )より低い第2所定圧力(P 2 )まで減圧する第2減圧装置(600)と、第2減圧装置(600)にて減圧された他方側の冷媒を蒸発させ、圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、冷却器(5)にて他方側の冷媒と熱交換した一方側の冷媒を圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路とを備え、第1減圧装置(430)は、第2減圧装置(600)と蒸発器(7)との間における冷媒の圧力(P L )が上昇すると第1減圧装置(430)の開度を増大させ、第2減圧装置(600)と蒸発器(7)との間における冷媒の圧力(P L )が低下すると第1減圧装置(430)の開度を縮小させることを特徴とする。これにより、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
なお、請求項5に記載のごとく、冷媒として、二酸化炭素を用いてもよい。また、請求項6に記載の発明のごとく、放熱器(2)出口側の冷媒圧力が、放熱器(2)出口側の冷媒温度に応じた所定の目標圧力となるように、第2減圧装置(6)の開度を制御してもよい。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係るCO2 サイクルを車両用空調装置に適用したものであり、1は、電磁クラッチ(図示せず)を介してエンジン(図示せず)から駆動力を得て回転するとともに、後述する蒸発器7から流出するCO2 を吸入圧縮する圧縮装置である。
【0020】
なお、本実施形態に係る圧縮装置1は、特開昭61−79947号公報または特開昭63−243481号公報に記載のように、1台の圧縮機にて2段圧縮することができるものである。
また、2は圧縮装置1で圧縮されたCO2 を外気等との間で熱交換して冷却する放熱器(ガスクーラ)であり、この放熱器2の出口側には、放熱器2から流出したCO2 を2つに分岐させる分岐部3が形成されている。
【0021】
4は分岐部3にて分岐された一方側のCO2 を第1所定圧力P1 まで減圧する第1減圧装置であり、5は、第1減圧装置4で減圧されて低温となったCO2 (以下、噴射CO2 と呼ぶ。)と、分岐部3にて分岐された他方側のCO2 と熱交換して他方側のCO2 (以下、冷凍CO2 と呼ぶ。)を冷却する冷却器である。そして、冷却器5にて冷凍CO2 を冷却して加熱された噴射CO2 は、冷媒流路9を通じて、吸入圧縮行程の途中に圧縮装置1に導かれ、再び放熱器2に向けて吐出される。
【0022】
6は冷却器5にて冷却された冷凍CO2 を、第1所定圧力P1 より低い第2所定圧力P2 まで減圧する第2減圧装置であり、7は第2減圧装置6にて減圧されたCO2 を蒸発させる蒸発器(吸熱器)である。
なお、第1減圧装置4の開度は、後述するように、制御装置10を介して制御されており、第1減圧装置4の開度を制御することにより、冷却器5における、冷凍CO2 を冷却する冷却能力を変化させる能力可変機構を構成している。
【0023】
因みに、第1減圧装置4の開度を拡大すると、減圧後の噴射CO2 と減圧前の冷凍CO2 との温度差は小さくなるが、質量流量が温度差の縮小を上回って増加するので冷却能力は増加する。一方、第1減圧装置4の開度を縮小すると、減圧後の噴射CO2 と減圧前の冷凍CO2 との温度差は大きくなるが、質量流量が温度差の拡大を上回って減少するので冷却能力は減少する。
【0024】
なお、8はCO2 サイクル中の余剰CO2 を蓄えるとともに、蒸発器7から流出したCO2 を気液分離し、気相CO2 のみ流出させて圧縮装置1に液相CO2 が吸入されることを防止するアキュームレータである。また、28、29は放熱器2および蒸発器7での熱交換を促進するファンである。10は、蒸発器7における熱負荷(車室内の空調を行う上で必要とされる冷凍能力)等に応じて第1減圧装置4の開度を制御する制御装置である。なお、この制御装置10には、蒸発器7の下流側の空気温度(冷却後の空気温度)を検出する空気温度センサ11、冷却器5から流出する(加熱された)噴射CO2 の温度(冷媒流路9における冷媒の温度)を検出する温度センサ12、冷却器5から流出する噴射CO2 の圧力(冷媒流路9における冷媒の圧力)を検出する圧力センサ13、室内空気温度を検出する室内温度センサ14、室外空気温度を検出する室外温度センサ15、および人員が希望する室内温度を設定入力する温度設定手段16からの信号と、放熱器2の出口側におけるCO2 の温度を検出する温度センサ17および放熱器2の出口側におけるCO2 の圧力を検出する圧力センサ18からの信号とが入力されている。そして、制御装置10は、これらの信号に基づいて予め設定されたプログラムにより第1減圧装置4および第2減圧装置6の開度を制御する。
【0025】
因みに、図2は本実施形態に係る第1減圧装置4の断面を示しており、41は、放熱器2の流出側に連通する流入口42、および冷却器5の流入側に連通する流出口43が形成されたハウジングである。そして、ハウジング41内には、流入口42側の空間42aと流出口43側の空間43aとを連通させる弁口44が形成されているとともに、弁口44の開度を調節する針状の弁体45が配設されている。
【0026】
また、46は弁体45を移動させて弁口44の開度を調節するステップモータ46であり、ステップモータ46のマグネットロータ46aには雌ねじ部46bが形成され、弁体45には、この雌ねじ部46bにねじ結合する雄ねじ部45aが形成されている。そして、制御装置10は、ステップモータ46を回転させて弁体45を弁体45の軸方向に移動させることにより、弁口44の開度(第1減圧装置4の開度)を全閉状態から全開状態まで連続的に制御する。
【0027】
なお、第2減圧装置6も第1減圧装置4と同様な構造であり、第2減圧装置6のステップモータ(図示せず)を回転させることにより、第2減圧装置6の開度)を全閉状態から全開状態まで連続的に制御する。
また、冷却器5は、図3に示すように、二重円筒構造を有しており、内筒部51には冷凍CO2 が流通し、外筒部52には噴射CO2 が流通している。なお、53は熱交換を促進するためのフィンであり、内筒部51およびフィン53は熱伝導率の大きいアルミニウム等の金属製であり、外筒部52は熱伝導率の小さい金属である。
【0028】
因みに、内筒部51、外筒部52およびフィン53を、アルミニウムにて一体成形(押し出し加工)した場合には、外筒部52での放熱を防止するために外筒部52に対して発泡樹脂等の断熱材にて断熱処理を行うことが望ましい。
次に、第1減圧装置4の作動を図4に示すフローチャートを用いて述べる。
CO2 サイクルの始動スイッチ(図示せず)によりCO2 サイクルが起動すると、各センサ11〜15からの検出値が制御装置10に読み込まれ(ステップ100)、その読み込んだ検出値のうち、室内温度センサ14、室外温度センサ15および温度設定手段16からの信号に基づいて、室内の空調を図るのに必要な目標冷風温度(以下、TEOと略す。)を算出する(ステップ110)。
【0029】
次に、TEOと温度センサ11の検出値(以下、T1 と略す。)と比較し(ステップ120)、TEOがT1 より大きい(TEO>T1 )ときには、熱負荷が大きく冷凍能力が不足しているものとみなすとともに、温度センサ12および圧力センサ13の検出値から冷却器5出口側のCO2 の加熱度(冷媒流路9における冷媒の加熱度。以下、Tisと略す。)を算出する(ステップ130)。
【0030】
そして、Tisが所定の加熱度(以下、この加熱度をTinと略す。)より大きいか否かを判定し(ステップ140)、TinがTisより大きい(Tin>Tis)ときには、第1減圧装置4の開度を所定量拡大し(ステップ150)、その後、ステップ100に戻る。
なお、TinがTis以下であるときには、第1減圧装置4の開度を変更することなくステップ100に戻る。
【0031】
一方、TEOがT1 以下であるときには、第1減圧装置4が全閉状態でないことを確認し(ステップ160)、第1減圧装置4の開度を所定量縮小し(ステップ170)、その後、ステップ100に戻る。
なお、上記Tinの値は、圧縮装置1に液相CO2 が吸入されない程度の加熱度であればよく、本実施形態では、約5℃である。
【0032】
次に、第2減圧装置6の作動を図5に示すフローチャートを用いて述べる。
CO2 サイクルの始動スイッチによりCO2 サイクルが起動すると、温度センサ17からの検出値が読み込まれ(ステップ200)、その読み込んだCO2 温度に対応する圧力が、予めROMに記憶されている温度と圧力との関係(図6参照)から選定され、その選定された圧力(以下、目標第2減圧装置入口圧力と呼ぶ。)はRAM等のメモリで記憶される(ステップ210)。
【0033】
次に、圧力センサ18からの検出値が読み込まれ(ステップ220)、目標第2減圧装置入口圧力とステップ220で取り込んだ圧力(以下、第2減圧装置入口圧力と呼ぶ。)とが比較される(ステップ230)。そして、目標第2減圧装置入口圧力が第2減圧装置入口圧力を上回った場合には、第2減圧装置6の開度を小さくし(ステップ240)、目標第2減圧装置入口圧力が第2減圧装置入口圧力以下の場合には、第2減圧装置6の開度を大きくする(ステップ250)。そして、ステップ200に戻り、以後ステップ200から250まで繰り返す。
【0034】
ここで、図6のグラフについて述べる。「従来の技術」の欄で述べたように、冷凍能力を増加させるためは、放熱器2の出口側圧力を高くする必要がある。しかし、放熱器2の出口側圧力を高くすると、圧縮装置の吐出圧力が高くなるので、圧縮装置の圧縮仕事(圧縮過程のエンタルピ変化量ΔL)が増加する。したがって、蒸発過程(D−A)のエンタルピ変化量Δiの増加量より圧縮過程(A−B)のエンタルピ変化量ΔLの増加量が大きい場合には、CO2 サイクルの成績係数(COP=Δi/ΔL)が悪化する。
【0035】
そこで、例えば放熱器2の出口側でのCO2 温度を40℃として、放熱器2の出口側でのCO2 圧力と成績係数と関係を図7を用いて試算すれば、図8の実線に示すように、圧力P1 (約10MPa)において成績係数が最大となる。同様に、放熱器2の出口側でのCO2 温度を30℃とした場合には、図8の破線で示すように、圧力P2 (約8.0MPa)において成績係数が最大となる。
【0036】
以上のようにして、放熱器2の出口側のCO2 温度と成績係数が最大となる圧力とを算出し、この結果を図7上に描けば、図7の太い実線ηmax (以下、最適制御線と呼ぶ。)に示すようになる。
また、発明者等の種々の試験検討によれば、最適制御線ηmax を試算するにあたっては、放熱器2出口側のCO2 圧力がCO2 の臨界圧力より低い場合には、第2減圧装置6の入口側での過冷却度(サブクール)を1℃〜10℃程度とすることが望ましいとの結果を得ており、図6は蒸発器7側の圧力を約3.5MPa(蒸発器温度0℃相当)とし、過冷却度が約3℃となるようにした場合の最適制御線ηmax を直行座標系に描いたものである。
【0037】
因みに、第2減圧装置6の入口と放熱器2の出口との間の圧力損失は無視することができるほど小さいため、第2減圧装置6の入口でのCO2 圧力と放熱器2の出口でのCO2 圧力とは同値とみなしてもよい。
なお、上記作動説明では、第2減圧装置6の開度を縮小拡大させることにより、放熱器2の出口側圧力(第2減圧装置6の入口側圧力)を増減させたが、放熱器2の出口側圧力は、厳密には、第2減圧装置6の開度のみによって決定されるものではなく、第1減圧装置4の開度の影響をも受ける。
【0038】
しかし、CO2 サイクルの最大圧力および最小圧力は、第2減圧装置6の開度によって大きく影響されるため、放熱器2の出口側圧力は、ほぼ第2減圧装置6の開度によって決定されるものとしても実用上問題がない。
次に、本実施形態に係るCO2 サイクルの特徴を述べる。
本実施形態に係るCO2 サイクルでは、噴射CO2 によって冷凍CO2 が冷却されるので、第2減圧装置6の入口側における冷凍CO2 の比エンタルピを小さくすることができる。このため、放熱器2の出口側のCO2 圧力を上昇させることなく、第2減圧装置6の入口側におけるCO2 の比エンタルピ、すなわち蒸発器7の入口側におけるCO2 の比エンタルピを小さくすることができるので、蒸発器7の入口と出口との比エンタルピ差を大きくすることができる(図9参照)。
【0039】
したがって、冷凍能力を損なうことなく、CO2 サイクルの最大作動圧力を低下させることができるので、圧縮装置1等の各機器の大型化を防止することができる。延いては、圧縮装置1等の各機器の小型軽量化を図ることが可能となるので、CO2 サイクルの車両への搭載性を向上させることができる。また、噴射CO2 が、吸入圧縮行程の途中に圧縮装置1に導かれるので、図9に示すように、噴射CO2 が圧縮装置1に導かれた時、すなわち、噴射CO2 が吸入圧縮行程中の圧縮装置1内に噴射(インジェクション)された時に、圧縮装置1内のCO2 の温度(比エンタルピ)が低下する。このため、噴射後の圧縮装置1内のCO2 の状態は、温度が低下した状態における等エントロピ線に沿って変化する。
【0040】
したがって、噴射後の等エントロピ線は、噴射前の等エントロピ線に比べて、比エンタルピに対する勾配(傾き)が大きいので(図7、17参照)、吸入圧縮行程中の圧縮装置1内にCO2 を噴射する本実施形態は、噴射しないでCO2 を吸入圧縮する場合に比べて、圧縮仕事を小さくすることができる。延いては、CO2 サイクルの成績係数を向上させることができる。
【0041】
ところで、CO2 サイクルの成績係数は、蒸発器7の入口側圧力(吸入圧力)、放熱器2の出口側圧力(吐出圧力)および噴射CO2 の圧力等の諸条件によって変化するものである。そこで、発明者等は、CO2 サイクルの実装状態における条件として、蒸発器7の入口側圧力を3.5〜4.2MPa、放熱器2の出口側圧力10MPaとし、噴射CO2 をパラメータとしてCO2 サイクルの成績係数を順次求めたところ、図10に示すように、蒸発器7の入口側圧力によらず、噴射CO2 が約6.5MPaの時に成績係数が最大となることを発見した。
【0042】
したがって、圧縮装置1から吐出されるCO2 の圧力Pd と噴射CO2 の圧力Pi との差圧ΔPd に対する、噴射CO2 の圧力Pi と蒸発器7から流出して圧縮装置1に吸入されるCO2 の圧力Ps との差圧ΔPs の比(ΔPs /ΔPd )が0.6〜0.9となるように噴射CO2 の圧力Pi を選定すれば、高い成績係数を維持しながらCO2 サイクルを運転することができる。
【0043】
因みに、例えば蒸発器7の入口側圧力を3.5MPaとし、噴射CO2 を5.2MPaとした場合の冷凍能力は193.10kJ/kg(46.13kcal/kg)であり、圧縮装置1の圧縮仕事は56.22kJ/kg(13.43kcal/kg)である。同様に、噴射CO2 を6.5MPaとした場合の冷凍能力は163.80kJ/kg(39.13kcal/kg)であり、圧縮装置1の圧縮仕事は46.80kJ/kg(11.18kcal/kg)である。また、噴射CO2 を7.3MPaとした場合の冷凍能力は142.87kJ/kg(34.13kcal/kg)であり、圧縮装置1の圧縮仕事は43.83kJ/kg(10.47kcal/kg)である。
【0044】
そして、発明者等の試算によれば、噴射CO2 を6.5MPaとした場合には、従来の技術に係るCO2 サイクル(放熱器2の出口側の圧力を制御することのみによって冷凍能力を制御するもの)に比べて、成績係数で約20%向上させ得ることを確認している。なお、従来の技術に係るCO2 サイクルの計算条件は、蒸発器7の入口側圧力が3.5MPa、放熱器2の出口側圧力が10MPa、放熱器2の出口側温度が40℃である。
【0045】
また、第1減圧装置4の開度を制御することにより、蒸発器7の入口側におけるCO2 の比エンタルピ(過冷却度)を制御することができるので、電磁クラッチのON−OFF制御や可変容量型の圧縮装置等の手段を用いることなく、CO2 サイクルの冷凍能力を制御することができる。
したがって、電磁クラッチのON−OFF制御に伴う乗員が感じる不快感を低減することができるとともに、可変容量型の圧縮装置を用いることに伴うCO2 サイクルの製造原価上昇を防止することができる。
【0046】
また、本実施形態では、放熱器2の出口側圧力と温度とは、第2減圧装置6によって、最適制御線ηmax で表されるように制御されているので、前述した冷却器5による冷凍能力向上効果と相まって、高い成績係数(効率)を維持しながらCO2 サイクルの冷凍能力の向上を図ることができる。
第2実施形態)本実施形態は、上記温度センサ12および圧力センサ13を廃止したものである。
【0047】
具体的には、図11に示すように、第1減圧装置400として、第1実施形態に係る第1減圧装置4と同様な構造を有する減圧装置部410と、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルに用いられる機械式の温度膨張弁420とを一体化したものである。なお、図11中、421は冷却器5の出口側の温度(冷媒流路9における冷媒の温度)を検出する感温筒部であり、この感温筒部421内には、CO2 等のガスが所定の密度で封入されている。422は弁開度を調節するベローズであり、423は、ベローズ422と一体的に変位する弁体424のリターン用バネである。
【0048】
これにより、冷却器5の出口側の加熱度(冷媒流路9における冷媒の加熱度)は、温度膨張弁420によって機械的に制御されているので、仮に、制御装置10に故障が発生したときであっても、圧縮装置1に液相CO2 が吸入されることを防止することができるので、CO2 サイクルの信頼性を向上させることができる。
(第3実施形態)本実施形態は、図12に示すように、アキュームレータ8を廃止し、第2減圧装置6の出口側に第2減圧弁6から流出したCO2 を液相CO2 と気相CO2 とに分離して蓄えるレシーバ(タンク手段)19を配設し、かつ、レシーバ19から流出した液相CO2 を減圧するとともに、圧縮装置1の入口側(蒸発器7の出口側)でのCO2 の過熱度が所定値となるようにCO2 の質量流量を調節する第3減圧装置20を配設したものである。
【0049】
なお、第3減圧装置20の基本構造は、フロンを使用した従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルの温度膨張弁と同様な構造を有しており、蒸発器7の出口側に配設された感温筒21内の圧力に応じて機械的に第3減圧装置20の開度を調節している。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0050】
ところで、CO2 サイクルに限らず、通常、蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用される圧縮装置では、圧縮装置の小型化および構造を簡単なものとするため、圧縮装置内の摺動部に潤滑油を圧送するオイルポンプを有していないものが多い。そして、このオイルポンプを有していない圧縮装置では、摺動部の潤滑を図るために冷媒中に潤滑油を混合しているので、潤滑油は、冷媒とともにサイクル内を循環している。
【0051】
また、液相CO2 が吸入されることによる圧縮装置の損傷を防止するため、上記公報(特公平7−18602号公報)記載の発明では、蒸発器(14)の出口側に液相CO2 と気相CO2 とを分離して気相CO2 のみを圧縮装置(10)に向けて流出させるアキュームレータ(16)を配設している。このため、気相CO2 に比べて密度が大きい潤滑油は、アキュームレータ(16)内に滞留してしまう。
【0052】
そこで、上記公報記載の発明では、圧縮装置(10)での潤滑油不足を防止するため、アキュームレータ(16)にて気液分離とともに分離された、潤滑油をアキュームレータ(16)の重力方向下方部位から取り出して(潤滑油は液相CO2 より密度が大きい)、潤滑油を圧縮装置(10)の入口側およびアキュームレータ(16)の出口側に戻している。なお、括弧内の符号は、上記公報に記載の発明に対応する符号である。
【0053】
これに対して、本実施形態では、圧縮装置1の入口側での過熱度を所定値とすることにより、液相CO2 が圧縮装置1に吸入されることを防止しているので、上記公報に記載の発明のように、蒸発器6の出口側にアキュームレータ(16)を配設する必要がない。さらに、蒸発器6の出口側にてアキュームレータ(16)でCO2 が気液分離されていないので、流速の大きい気相CO2 流れとともに潤滑油が圧縮装置1に吸入されて十分な量の潤滑油を圧縮装置1に供給することができる。
【0054】
したがって、本実施形態によれば、液相CO2 が吸入されることによる圧縮装置1の損傷、および潤滑油不足による圧縮装置1の焼き付きを防止しつつ、CO2 サイクルの効率を高く維持することができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1、2減圧装置4、6を機械的に制御することにより、CO2 サイクルの部品点数の低減を図ったものである。
【0055】
すなわち、図13中、430は本実施形態に係る第1減圧装置であり、この第1減圧装置430は、蒸発器7側の圧力PL (第2減圧装置600と蒸発器7との間における冷媒の圧力)に応じて第1減圧装置430の開度を調節するものである。具体的には、図14に示すように、蒸発器7側の圧力PL を、圧力応動部材をなす薄膜状のダイヤフラム431とハウジング432とによって形成された第1圧力室433に導くとともに、この第1圧力室433と反対側のダイヤフラム431の面に、呼吸穴434を介して作用する大気圧と、連接棒435を介して作用するコイルバネ(弾性部材)436の弾性力とを作用させたものである。
【0056】
また、連接棒435は、CO2 が流通する流路437に設けられた弁口438を貫通しており、連接棒435のうち弁口438に対応する部位には、弁口438を開閉する球状の弁体部439が形成されている。なお、コイルバネ436の弾性力と大気圧による力との和(以下、この和を閉弁力Fs と呼ぶ。)は、弁口438の開度が小さくなるように弁体部439に作用しており、一方、蒸発器7側の圧力PL による力(以下、この力を開弁力Fo と呼ぶ。)は、ダイヤフラム431を挟んで閉弁力Fs に対向する力を弁体部439に作用させている。
【0057】
したがって、第1減圧装置430は、蒸発器7における熱負荷とともに蒸発器7側の圧力PL が上昇すると、開弁力Fo が大きくなり、開弁力Fo が閉弁力Fs に打ち勝って第1減圧装置430の開度を増大させて噴射CO2 量を増大させる。
一方、熱負荷が低下すると、開弁力Fo が小さくなり、閉弁力Fs が開弁力Fo に打ち勝って第1減圧装置430の開度を縮小させて噴射CO2 量を減少させる。
【0058】
なお、本実施形態では、圧縮装置1に液相CO2 が吸入されることを防止すべく、冷却器5の出口側にもアキュームレータ8を配設しているが、第2、5実施形態と同様に、第1減圧装置430の下流側(冷却器5の下流側も含む)に温度膨張弁420を配設してもよい。
また、600は、本実施形態に係る第2減圧装置であり、この第2減圧装置600は、図13に示すように、冷却器5から蒸発器7に至るCO2 流路601内に配置されている。
【0059】
そして、この第2減圧装置600の構成部品のうち、球面状の弁カバー610とダイヤフラム611とにより密閉空間612が形成されており、この密閉空間612内には、CO2 が、後述する弁口617が閉じた状態の密閉空間612内体積に対して、約600kg/m3 の密度で封入されている。なお、602は、放熱器2から流出し、かつ、冷却器5を通過する前のCO2 が流通するCO2 流路である(図13参照)。
【0060】
613は弁ハウジング部であり、614は、CO2 流路601内のうち放熱器2側(冷却器5側)の空間615と蒸発器7側の空間616とを仕切る隔壁部である。この隔壁部614には弁口617が開口しており、この弁口617は弁体部618によって開閉されている。
また、弁体部618は、ダイヤフラム611の変位に機械的に連動して可動するようにように、連接棒619を介してダイヤフラム611に連結するとともに、コイルバネ620の弾性力によって弁口617を閉じるように押し付けられている。
【0061】
さらに、密閉空間612内の圧力は、ダイヤフラム611および連接棒619を介して弁口617を閉じる向きの力を弁体部618に作用させているため、弁口617の開度は、コイルバネ620の弾性力および密閉空間612内の圧力による力の和と、空間615内の圧力との差圧によって決定する。
なお、621はコイルバネ620の初期荷重を調整するスペーサで、このスペーサ621によってコイルバネ620が調整され、弁体部618には所定の初期荷重が作用している。因みに、本実施形態では、コイルバネ620の初期荷重は、ダイヤフラム611での圧力換算で約1MPaである。
【0062】
次に、第2減圧装置600の作動を述べる。
密閉空間612内には、約600kg/m3 でCO2 が封入されているので、密閉空間612内圧と温度とは、図7に示される600kg/m3 の等密度線に沿って変化する。したがって、例えば密閉空間612内温度が20℃の場合には、その内圧は約5.8MPaである。また、弁体部618には、密閉空間612内圧とコイルバネ620の初期荷重とが同時に作用しているので、その作用圧力は約6.8MPaである。
【0063】
したがって、放熱器2側の空間615の圧力が6.8MPa以下の場合には、弁口617は弁体部618によって閉止され、また、放熱器2側の空間615の圧力が6.8MPaを越えると、弁口617は開弁する。
同様に、例えば密閉空間612内温度が40℃の場合には、密閉空間612内圧は図7より約9.7MPaであり、弁体部618に作用する作用力は約10.7MPaである。したがって、放熱器2側の空間615の圧力が10.7MPa以下の場合には、弁口617は弁体部618によって閉止され、また、放熱器2側の空間615の圧力が10.7MPaを越えると、弁口617は開弁する。
【0064】
ところで、図7から明らかなように、超臨界域での600kg/m3 の等密度線は、前述の最適制御線ηmax にほぼ一致する。したがって、本実施形態に係る第2減圧装置600は、放熱器2の出口側圧力を、ほぼ最適制御線ηmax に沿った圧力まで上昇させるので、超臨界域においてもCO2 サイクルを効率良く運転させることができる。
【0065】
また、臨界圧力以下では、600kg/m3 の等密度線は、最適制御線ηmax からのズレが大きくなるが、凝縮域なので密閉空間612の内圧は、飽和液線SLに沿って変化する。そして、コイルバネ620によって弁体部618に初期荷重が与えられているので、約10℃の過冷却度を有する状態に制御される。したがって、臨界圧力以下であっても、CO2 サイクルを効率良く運転させることができる。
【0066】
なお、密閉空間612内に封入されるCO2 密度は、実用的には、CO2 温度が0℃での飽和液密度からCO2 の臨界点での飽和液密度までの範囲とすることが望ましく、具体的にCO2 では、450kg/m3 〜950kg/m3 である。
以上に述べた本実施形態の作動からも明らかなように、第1〜3実施形態と同様に、CO2 サイクルの成績係数を高く維持しつつ、CO2 サイクルの冷凍能力の向上を図ることができるとともに、CO2 サイクルの部品点数の低減を図ることができるので、CO2 サイクルの信頼性を向上を図りつつ、製造原価低減を図ることができる。
【0067】
ところで、上述の作動説明からも明らかなように、本実施形態に係る第2減圧装置600の密閉空間612内温度は、放熱器2出口側温度(CO2 流路602内の温度)に対して時間差無しに連動して変化することが望ましい。したがって、本実施形態では、前述のごとく、弁カバー610および弁ハウジング613部をCO2 流路602内に配設している。
【0068】
また、弁カバー610および弁ハウジング613部等はできるだけ熱伝導量を大きくするために熱伝導率の大きく、かつ、厚みの薄いものが望ましい。そこで、本実施形態では、弁カバー610および弁ハウジング613部は真鍮製とし、ダイヤフラム611、弁体部618、コイルバネ620およびスペーサ621はステンレス製としている。また、CO2 流路602内のCO2 と弁カバー610との熱伝達率を向上させるために、フィンや凹凸等を設けてもよい。
【0069】
(第5実施形態)
第4実施形態では、圧縮装置1に液相CO2 が吸入されることを防止すべく、冷却器5の出口側にアキュームレータ8を配設したが、本実施形態は、このアキュームレータ8を廃止したものである。
すなわち、本実施形態に係る第1減圧装置430は、図16に示すように、冷却器5の出口側の加熱度を所定値(本実施形態では約5℃)を下回らないように第1減圧装置430の開度を制御する加熱度制御部431と、蒸発器7における熱負荷に応じて第1減圧装置430の開度を制御する負荷応答部432とから構成されている。以下、本実施形態に係る第1減圧装置430の構造について述べる。
【0070】
先ず、加熱度制御部431について述べる。
433は、冷却器5の出口側に配設されて冷却器5の出口側のCO2 温度を感知する感温筒であり、434は噴射CO2 の流路435に形成されて上流側と下流側とを仕切る隔壁部である。また、隔壁部434には、上流側と下流側と連通させる弁口436が形成されており、この弁口436の開度は、感温筒433内の圧力変動(温度変化)に応じて変位するダイヤフラム(圧力応動部材)437に連動して変位する弁体438によって調節されている。
【0071】
なお、ダイヤフラム437を挟んで、一方側の空間437aは感温筒433内と連通し、他方側の空間437bは、弁口436より下流側の流路435に連通している。そして、空間437a内の圧力は、ダイヤフラム437を介して弁口436開度が大きくなる向きに作用し、空間437b内の圧力は、後述するコイルバネ442の弾性力とともに、弁口436開度が小さくなる向きに作用している。
【0072】
次に、負荷応答部432について述べる。
439は、蒸発器7の空気下流側(または蒸発器7のCO2 出口側)に配設されて蒸発器7の熱負荷を感知する感温筒であり、この感温筒439内には、CO2 、フロンまたはプロパンガス等のガスが所定の密度にて封入されているとともに、蛇腹状のベローズ440内と連通している。
【0073】
そして、ベローズ440の伸縮方向一端側(紙面下側)には、ベローズ440の伸縮とともに変位する第1プレート441が配設され、伸縮方向他端側(紙面上側)には、コイルバネ442を介して第2プレート443が配設されている。そして、この第2プレート443と弁体438とは連結しており、コイルバネ442は、弁口436を閉じる向きに弁体438を押圧する弾性力を第2プレート443に対して作用させている。
【0074】
なお、ベローズ440の伸縮方向他端側は、第1減圧装置430のハウジング444の一部に固定されており、ベローズ440が伸長するほどコイルバネ442の弾性力が小さくなり、冷却器5の出口側での加熱度が小さくなる。
因みに、445は、流路435内の圧力が、ベローズ440が配設された空間に作用することを防止するOリングである。
【0075】
次に、第1減圧装置430の作動を述べる。
蒸発器7の熱負荷が大きくなり、感温筒439内の圧力が上昇すると、ベローズ440の伸長にともなって第1プレート441が変位し、コイルバネ442の弾性力が小さくなり、弁口436(第1減圧装置430)が開いていき、冷却器5の出口側での加熱度が小さくなっていく。そして、さらに蒸発器7の熱負荷が大きくなると、第1プレート441がハウジング444に接触するので、最小の加熱度が機械的に制限される。
【0076】
一方、蒸発器7の熱負荷が小さくなり、感温筒439内の圧力が降下すると、ベローズ440が収縮してコイルバネ442の弾性力が大きくなって加熱度が大きくなっていく。そのため、噴射CO2 の流量が減少し、蒸発器7の入口と出口との比エンタルピ差が小さくなる。
(第6実施形態)
本実施形態は、図18に示すように、第1減圧装置4をキャピラリチューブのごとく、開度が固定された固定絞り40として、本発明に係るCO2 サイクルを構成したものである。
【0077】
以下、固定絞り40の開度について述べる。
図19、20は、圧縮機1の回転数および蒸発器7での熱負荷が一定とした場合の第1減圧装置4(固定絞り40)の開度と成績係数および冷凍能力との関係を示すグラフである。
そして、図20からも明らかなように、第1減圧装置4の開度を大きくしていくと、噴射CO2 の質量流量が増大して、噴射CO2 および冷凍CO2 間の熱交換量が増大するため、冷凍CO2 の比エンタルピが小さくなり冷凍能力が増大する。
【0078】
しかし、所定開度を超えて第1減圧装置4の開度が大きくなると、中間圧(第1減圧装置4出口側の圧力)の上昇とともに噴射CO2 の温度も上昇するため、噴射CO2 および冷凍CO2 間の温度差が小さくなり、噴射CO2 および冷凍CO2 間の熱交換量が縮小して冷凍能力の増加率が小さくなる。
したがって、図19に示すように、所定開度を超えて第1減圧装置4の開度が大きくなると、圧縮仕事の増加率が冷凍能力の増加率を上回り、成績係数が悪化していく。
【0079】
また、第1減圧装置4を固定絞り40とし、放熱器2および蒸発器7内の圧力を一定とすれば、圧縮機1の回転数の増大ととも中間圧が低下するので、噴射CO2 および冷凍CO2 間の熱交換量が増大し、圧縮機1の入口側における噴射CO2 の比エンタルピ(図21のb点)が大きくなる。一方、圧縮機1の回転数が低下すると、中間圧が上昇して圧縮機1の入口側における噴射CO2 の比エンタルピ(図21のa点)が小さくなる。
【0080】
したがって、エンジン回転数が最も小さくなるアイドリング時において成績係数が最大となり、かつ、この状態で圧縮機1の入口側における噴射CO2 が気相冷媒となるように、固定絞り40の開度を設定すれば、圧縮機1に液相CO2 が流入することを防止できるので、圧縮機1(CO2 サイクル)の信頼性を向上させることができる。
【0081】
なお、エンジン回転数の上昇とともに成績係数および冷凍能力の増加率は低下するものの、エンジン回転数の上昇とともに冷凍CO2 の質量流量は増加しているため、冷凍能力そのものは増大しているので、実用上は問題が無い。むしろ、過剰な冷凍能力が発生することを防止できるので、電磁クラッチのON−OFFの回数を減らすことでき、乗員に不快感を与えることを防止できる。
【0082】
なお、本実施形態では、機械式の第2減圧装置600を使用したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、電気式の第2減圧装置6を用いてもよい。
(その他の実施形態)
上記第2実施形態では、冷却器5の冷却能力を制御すべく、弁体45を軸方向に移動させて全閉状態から全開状態まで連続的に変化させていたが、ステップモータ46等からなる減圧装置部410に換えて、単純なON−OFF電磁弁としてもよい。
【0083】
すなわち、夏場等の大きな冷凍能力を必要とするときは、上記電磁弁を開き、一方、冬場や除湿運転時等の大きな冷凍能力を必要としないときには、上記電磁弁を閉じる。これにより、第1減圧装置の構造および制御が簡単になるので、CO2 サイクルの製造原低減を図ることができるとともに、CO2 サイクルの信頼性を向上させることができる。
【0084】
また、上記電磁弁の開閉は単純なON−OFF制御であったが、必要とされる冷凍能力に応じて上記電磁弁の開閉時間を制御(デューティ制御)してもよい。この場合、必要とされる冷凍能力が大きいほど、上記電磁弁の開時間を増加させればよい。
また、第1実施形態における第1減圧装置4に代えて、単純な開閉電磁弁にてデューティ制御してもよい。
【0085】
また、上述の実施形態では、1台の圧縮装置1を用いて2段圧縮を行っていたが、2台の圧縮機を用いて2段圧縮を行ってもよい。なお、この場合、蒸発器7側(低圧側)の圧縮機の容量(VS )に対する、放熱器2側(高圧側)の圧縮機の容量(Vd )の比(Vd /VS )を0.8〜1とすると、差圧ΔPd に対する差圧ΔPs の比(ΔPs /ΔPd )を0.6〜0.9としたものと同等とすることができる。
【0086】
また、1台の圧縮機で、蒸発器7側(低圧側)の作動室と、放熱器2側(高圧側)の作動室との2種類の作動室を有して2段圧縮を行うものにおいて、前述のごとく、蒸発器7側(低圧側)の作動室の体積(VS ’)に対する、放熱器2側(高圧側)の作動室の体積(Vd ’)の比(Vd /VS )が0.8〜1となるようにしてもよい。
【0087】
また、本発明は、CO2 を使用した蒸気圧縮式冷凍サイクルに使用が限定されるものではなく、例えば、エチレン、エタン、酸化窒素等の超臨界域で使用する冷媒を用いた蒸気圧縮式冷凍サイクルにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るCO2 サイクルの模式図である。
【図2】第1減圧装置の断面図である。
【図3】冷却器の断面図である。
【図4】第1減圧装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】第2減圧装置の作動を示すフローチャートである。
【図6】目標圧力と減圧装置入口側温度との関係を示すグラフである。
【図7】CO2 のモリエル線図である。
【図8】成績係数(COP)と放熱器出口側圧力との関係を示すグラフである。
【図9】CO2 サイクルの作動を示すサイクル線図である。
【図10】噴射CO2 の圧力と成績係数との関係を示すグラフである。
【図11】第2実施形態に係る第1減圧装置の断面図である。
【図12】第3実施形態に係るCO2 サイクルの模式図である。
【図13】第4実施形態に係るCO2 サイクルの模式図である。
【図14】第4実施形態に係る第1減圧装置の断面図である。
【図15】第4実施形態に係る第2減圧装置の断面図である。
【図16】第5実施形態に係る第1減圧装置の断面図である。
【図17】CO2 のモリエル線図である。
【図18】第6実施形態に係るCO2 サイクルの模式図である。
【図19】成績係数と第1減圧装置の開度との関係を示すグラフである。
【図20】冷凍能力と第1減圧装置の開度との関係を示すグラフである。
【図21】第6実施形態に係るCO2 サイクルのモリエル線図である。
【符号の説明】
1…圧縮装置、2…放熱器、3…分岐部、4…第1減圧装置、
5…冷却器、6…第2減圧装置、7…蒸発器、8…アキュームレータ。

Claims (6)

  1. 冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、
    前記圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P1 )まで減圧する第1減圧装置(4)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、前記第1減圧装置(4)にて減圧された前記一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、
    前記冷却器(5)にて冷却された前記他方側の冷媒を、前記第1所定圧力(P1 )より低い第2所定圧力(P2 )まで減圧する第2減圧装置(6)と、
    前記第2減圧装置(6)にて減圧された前記他方側の冷媒を蒸発させ、前記圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、
    前記冷却器(5)にて前記他方側の冷媒と熱交換した前記一方側の冷媒を前記圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路(9)
    前記冷媒流路(9)における冷媒の温度を検出する温度センサ(12)と、
    前記冷媒流路(9)における冷媒の圧力を検出する圧力センサ(13)と、
    前記温度センサ(12)および前記圧力センサ(13)からの信号に基づいて前記第1減圧装置(4)の開度を制御する制御装置(10)とを備え、
    前記制御装置(10)は、前記温度センサ(12)および圧力センサ(13)の検出値から前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出し、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいか否かを判定し、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が前記所定の加熱度(Tin)より大きいときには前記第1減圧装置(4)の開度を所定量拡大することを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  2. 前記蒸発器(7)の下流側の空気温度(冷却後の空気温度)を検出する空気温度センサ(11)を備え、
    前記制御装置(10)は、
    前記空気温度センサ(11)の検出値(T 1 )と目標冷風温度(TEO)とを比較し、
    前記目標冷風温度(TEO)が前記空気温度センサ(11)の検出値(T 1 )より大きいときには前記温度センサ(12)および前記圧力センサ(13)の検出値から前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出し、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が所定の加熱度(Tin)より大きいか否かを判定し、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が前記所定の加熱度(Tin)より大きいときには前記第1減圧装置(4)の開度を所定量拡大し、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)が前記所定の加熱度(Tin)以下であるときには前記第1減圧装置(4)の開度を変更せず、
    前記目標冷風温度(TEO)が前記空気温度センサ(11)の検出値(T 1 以下であるときには、前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度(Tis)を算出することなく前記第1減圧装置(4)の開度を所定量縮小することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  3. 冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、
    前記圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P1 )まで減圧する第1減圧装置(400)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、前記第1減圧装置(400)にて減圧された前記一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、
    前記冷却器(5)にて冷却された前記他方側の冷媒を、前記第1所定圧力(P1 )より低い第2所定圧力(P2 )まで減圧する第2減圧装置(6)と、
    前記第2減圧装置(6)にて減圧された前記他方側の冷媒を蒸発させ、前記圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、
    前記冷却器(5)にて前記他方側の冷媒と熱交換した前記一方側の冷媒を前記圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路(9)とを備え
    前記第1減圧装置(400)は、弁開度を調節することにより前記冷媒流路(9)における冷媒の加熱度を機械的に制御する温度膨張弁(420)を有し、
    前記温度膨張弁(420)は、前記冷媒流路(9)における冷媒の温度を検出する感温筒部(421)を有し、前記感温筒部(421)で検出された温度により前記弁開度を調節することを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  4. 冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮装置(1)と、
    前記圧縮装置(1)から吐出された圧縮冷媒を冷却し、内部の圧力が冷媒の臨界圧力を越える放熱器(2)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒を分岐させる分岐部(3)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された一方側の冷媒を第1所定圧力(P1 )まで減圧する第1減圧装置(430)と、
    前記放熱器(2)から流出した冷媒のうち前記分岐部(3)にて分岐された他方側の冷媒のみを、前記第1減圧装置(430)にて減圧された前記一方側の冷媒と熱交換させて冷却する冷却器(5)と、
    前記冷却器(5)にて冷却された前記他方側の冷媒を、前記第1所定圧力(P1 )より低い第2所定圧力(P2 )まで減圧する第2減圧装置(600)と、
    前記第2減圧装置(600)にて減圧された前記他方側の冷媒を蒸発させ、前記圧縮装置(1)に向けて流出させる蒸発器(7)と、
    前記冷却器(5)にて前記他方側の冷媒と熱交換した前記一方側の冷媒を前記圧縮装置(1)の吸入圧縮行程の途中に導く冷媒流路とを備え
    前記第1減圧装置(430)は、前記第2減圧装置(600)と前記蒸発器(7)との間における冷媒の圧力(P L )が上昇すると前記第1減圧装置(430)の開度を増大させ、前記第2減圧装置(600)と前記蒸発器(7)との間における冷媒の圧力(P L )が低下すると前記第1減圧装置(430)の開度を縮小させることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  5. 冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  6. 前記放熱器(2)出口側の冷媒圧力が、前記放熱器(2)出口側の冷媒温度に応じた所定の目標圧力となるように、前記第2減圧装置(6)の開度を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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