JP4206840B2 - 鋳造サスペンションメンバ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳造によって形成されると共に、サスペンションアームが取り付けられる第1取付部とステアリングギヤボックスが取り付けられる第2取付部とが連結部を介して連結された鋳造サスペンションメンバ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、サスペンションアームやステアリングギヤボックスを支持するための部材としてサスペンションメンバが配設されている。一般にはサスペンションメンバは鋼板をプレス成形することによって製作されるが、昨今では軽量化の観点からサスペンションメンバをアルミニウム合金等を使って鋳造で製作することに対するニーズが高まっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−115796号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記アルミダイキャストによる鋳造サスペンションメンバによる場合、鋼板のプレス成形品と比べて疲労強度が低いという難点がある。また、アルミ鋳造品のサスペンションメンバは伸びも比較的小さく、更に割れ易いという欠点もある。このような特性があるため、アルミダイキャストによる鋳造サスペンションメンバを用いるに際しては、サスペンションアームを介して路面入力が伝達された場合に発生する応力をなるべく小さくし、サスペンションメンバの特定の部位に応力集中が生じるのを極力避ける必要があった。
【0005】
また、アルミダイキャストによる鋳造サスペンションメンバを用いた場合、電食(接触腐食)の問題が生じる可能性がある。すなわち、仮にサスペンションメンバに取り付けられるサスペンションアーム等の取付ブラケットに鋼板製のものを使用した場合、異種金属同士が接触する構成にすると両者間に電位差が生じるが、この電位差に起因して、或いは、通常、取付ブラケットの端末部(エッジ)には防錆塗料が付着しにくい(塗膜が薄くなりがちである)ことに起因して、サスペンションメンバの腐食が促進される懸念がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、鋳造でサスペンションメンバを構成する場合において応力集中が生じるのを抑制することができ、更には耐電食性に優れた鋳造サスペンションメンバ構造を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、サスペンションアームが取り付けられる第1取付部とステアリングギヤボックスが取り付けられる第2取付部とが連結部を介して連結された鋳造サスペンションメンバ構造であって、前記連結部とは別個独立に、前記第1取付部と前記第2取付部とを連結する連結部材を設けた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1記載の発明において、前記連結部材の端末部の一部又は全部に、当該端末部と前記サスペンションメンバとが非接触状態を維持するように折り曲げ部を設けた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記サスペンションメンバに及び前記連結部材の少なくとも一方に、当該サスペンションメンバに対する当該連結部材の回り止めを成す回り止め部を設けた、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記連結部材はプレート状に形成されており、当該連結部材は、前記サスペンションメンバの前後に配置された一対のクロスメンバのうちフロントクロスメンバの前記第1取付部及び前記第2取付部の車両前方側に配置されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記連結部材は前記第1取付部側では前記連結部に近接して配置される一方で、前記第2取付部側では前記連結部から離間して配置される、ことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、サスペンションメンバには、サスペンションアームが取り付けられる第1取付部と、ステアリングギヤボックスが取り付けられる第2取付部とが設定されており、両者は連結部を介して相互に連結されている。従って、サスペンションアームから荷重が入力されると、当該荷重は連結部に伝達されると共にこの連結部によって荷重を受けることになる。
【0013】
ここで、本発明のサスペンションメンバは鋳造によって形成されているため、プレス成形品と比べた場合、一般には疲労強度が低く割れ易い。しかし、本発明では、上記連結部とは別個独立に第1取付部と第2取付部とを連結部材によって連結したので、サスペンションアームから入力された荷重は当該連結部材によっても支持される。すなわち、元々ある連結部の荷重負担が軽減される。従って、連結部の特定の部位に応力集中が生じるのを抑制することができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、上記連結部材の端末部の一部又は全部に、連結部材の端末部とサスペンションメンバとが非接触状態を維持するように折り曲げ部を設けたので、折り曲げ部を設けた部位ではサスペンションメンバと連結部材とが接触することはない。従って、連結部材をサスペンションメンバとは異なる異種金属材料で構成しても、電食の問題は生じない。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、サスペンションメンバに対する連結部材の回り止めを成す回り止め部を、サスペンションメンバ及び連結部材の少なくとも一方に設けたので、サスペンションアームのサスペンションメンバの第1取付部への取付時に連結部材が空回りするのを防止することができる。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、連結部材はプレート状に形成されており、当該連結部材をサスペンションメンバの前後に配置された一対のクロスメンバのうちフロントクロスメンバの第1取付部及び第2取付部の車両前方側に配置したので、路面干渉時には先に連結部材が路面に干渉する。
【0017】
請求項5記載の本発明によれば、連結部材は第1取付部側では連結部に近接して配置される一方で、第2取付部側では連結部から離間して配置されるため、サスペンションアームから入力される荷重を安定した状態で支持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図5を用いて、本発明が適用された第1実施形態に係るフロントサスペンションメンバ10について説明する。
【0019】
図5には本実施形態に係るフロントサスペンションメンバ10の全体構成を示す斜視図が示されており、又図1には当該フロントサスペンションメンバ10の要部を示す拡大斜視図が示されている。また、図2には当該フロントサスペンションメンバ10の2−2線に沿う縦断面図が示されており、又図3には当該フロントサスペンションメンバ10の3−3線に沿う横断面図が示されており、更に図4には当該フロントサスペンションメンバ10の4−4線に沿う縦断面図が示されている。
【0020】
図5に示されるように、フロントサスペンションメンバ10は、車両幅方向に沿って前後に平行に配置された一対のフロントサスペンションフロントクロスメンバ12及びフロントサスペンションリヤクロスメンバ14と、車両前後方向に沿って左右に平行に配置された一対のフロントサスペンションサイドメンバ16、18とを含んで構成されており、全体としては平面視で井型形状に形成されている。また、このフロントサスペンションメンバ10は、アルミニウム合金を用いた鋳造(アルミダイキャスト)によって構成されている。
【0021】
上述したフロントサスペンションメンバ10におけるフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前側にはステアリングギヤボックス20(図3参照)が配設されるようになっており、又フロントサスペンションメンバ10における両端部の外側には左右一対のフロントサスペンションアーム22(図2参照)が揺動可能に軸支されるようになっている。
【0022】
より具体的に説明すると、図1に拡大して示されるように、フロントサスペンションメンバ10のフロントコーナー部には、各々プレート状に一体形成された前側取付ベース24及び後側取付ベース26が前後に平行に配置されている。これらの前側取付ベース24及び後側取付ベース26の外側の角部にはボルト挿通孔28が同軸上に形成されており、当該ボルト挿通孔28が形成された部分がフロントサスペンションアーム22を取り付けるための前側アーム取付部30及び後側アーム取付部32とされている。かかる前側アーム取付部30と後側アーム取付部32との間にフロントサスペンションアーム22の内端部に圧入されたブッシュ34(図2参照)が挿入され、ボルト36及びナット38によって揺動可能に取り付けられている。
【0023】
また、上述した前側取付ベース24の内側の角部には、扁平な略円筒形状に形成されると共にステアリングギヤボックス20を取り付けるためのギヤボックス取付部42が一体に形成されている。ギヤボックス取付部42の軸芯部には、ボルト挿通孔43が形成されている。ステアリングギヤボックス20(なお、第2実施形態における図6にステアリングギヤボックス20の全体構成を示す平面図が示されている)は、左右一対のギヤボックス取付部42へボルト44及びナット46によって固定されている。
【0024】
ここまでの構成を総括すると、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、フロントサスペンションメンバ10における「第1取付部」としての前側アーム取付部30と「第2取付部」としてのギヤボックス取付部42とが、車両幅方向に沿って立設状態で配置されたプレート状の「連結部」としての前側取付ベース24によって車両幅方向に相互に連結された構造となっている。
【0025】
ここで、図1〜図4に示されるように、本実施形態では、上述した前側アーム取付部30とギヤボックス取付部42とが、プレス成形によって帯板状に形成された金属製(鋼板製)のプレート(ブレース)48によって相互に連結されている。
【0026】
より具体的に説明すると、プレート48は、フロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前側に垂直に配置されている。このプレート48の外側の端部には前側アーム取付部30に対応して平坦なアーム側取付部50が形成されており、又プレート48の内側の端部にはギヤボックス取付部42に対応して平坦なギヤボックス側取付部52が形成されている。
【0027】
さらに、プレート48は、アーム側取付部50の内端及びギヤボックス側取付部52の外端の二箇所で折り曲げられている(図3参照)。これにより、プレート48を介してフロントサスペンションアーム22及びステアリングギヤボックス20が組付けられた状態では、ギヤボックス取付部42の側で車両前後方向に所定の距離D(図3参照)だけプレート48が前側取付ベース24から離間して配置されている。
【0028】
加えて、プレート48のギヤボックス側取付部52以外の周縁部(上縁部、下縁部、外縁部)には、円弧面形状の折り曲げ部54が一体に形成されている。これにより、プレート48の各折り曲げ部54の端末部は、前側取付ベース24の前端面に対して非接触の状態で維持(保持)されるようになっている。
【0029】
また、上述したギヤボックス取付部42の外周部には、上下一対の突起状の回り止めリブ40、41が立設されている。図1及び図4に示されるように、上側の回り止めリブ40の先端部がプレート48の上縁側の折り曲げ部54の内側面に面接触状態で当接することにより、又下側の回り止めリブ41の先端部がプレート48の下縁側の折り曲げ部54の内側面に面接触状態で当接することにより、ボルト締結時にプレート48がフロントサスペンションメンバ10に対して相対回転するのを阻止している。
【0030】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0031】
車両走行時、フロントサスペンションメンバ10には、路面入力によってフロントサスペンションアーム22を介して荷重F(図3参照)が入力される。ここで、本実施形態では、フロントサスペンションアーム22が取り付けられる前側アーム取付部30と、ステアリングギヤボックス20が取り付けられるギヤボックス取付部42とはフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前側取付ベース24を介して相互に連結された構造を前提としているため、入力された荷重Fは前側取付ベース24に伝達される。このため、ギヤボックス取付部42への接続部位である図3のP線矢視部に応力集中が生じる。
【0032】
ところで、本実施形態のフロントサスペンションメンバ10は鋳造によって形成されているため、プレス成形品と比べた場合、一般には疲労強度が低く割れ易い。しかし、本実施形態では、前側取付ベース24とは別個独立に前側アーム取付部30とギヤボックス取付部42とをプレス成形によって構成されたプレート48によって連結したので、フロントサスペンションアーム22から入力された荷重Fは当該プレート48によっても支持される。すなわち、前側取付ベース24のP線矢視部では荷重負担がFよりも小さいFsとなり、プレート48の荷重負担はFよりも小さくFsよりも大きいFpとなる。つまり、元々ある疲労強度が低い方の前側取付ベース24の荷重負担が軽減される。その結果、本実施形態によれば、鋳造でフロントサスペンションメンバ10を構成する場合において、前側取付ベース24の特定の部位(P線矢視部)に応力集中が生じるのを抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、前側取付ベース24とは別個独立に前側アーム取付部30とギヤボックス取付部42とをプレス成形によって構成されたプレート48によって連結したので、万一前側取付ベース24に破損等が生じたとしても、プレート48による両者の連結状態は解除されないので、フロントサスペンションアーム22がフロントサスペンションメンバ10から脱落するのを防止することができる。
【0034】
さらに、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、プレート48の上縁部、下縁部、及び外縁部に折り曲げ部54を設定したので、プレート48の端末部とフロントサスペンションメンバ10のフロントサスペンションフロントクロスメンバ12とが非接触状態を維持する。従って、本実施形態のようにフロントサスペンションメンバ10をアルミ合金の鋳造製とし、プレート48を異種材料である鋼板製としても、電食の問題は生じない。その結果、本実施形態によれば、フロントサスペンションアーム22からの入力Fに対する応力集中の問題を解消することができるのみならず、耐電食性を向上させることができる。
【0035】
さらに、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、フロントサスペンションフロントクロスメンバ12におけるギヤボックス取付部42の外周部にプレート48の回り止めを成す一対の回り止めリブ40、41を一体に形成したので、フロントサスペンションアーム22の前側アーム取付部30及び後側アーム取付部32への組付時(ボルト36の締結時)にプレート48が空回りするのを防止することができる。その結果、本実施形態によれば、フロントサスペンションアーム22のフロントサスペンションメンバ10への組付作業性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、プレート48をフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前側アーム取付部30及びギヤボックス取付部42のギヤボックス取付部42の前面側に配置したので、路面干渉時には先にプレート48が路面に干渉する。このため、フロントサスペンションメンバ10に割れ等の損傷が生じるのを防止することができる。
【0037】
さらに、本実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造では、プレート48を途中二箇所で折り曲げることにより、プレート48をフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の前端面から距離D(図3参照)だけ離間(オフセット)させたので、フロントサスペンションアーム22から入力される荷重Fを安定した状態で支持することができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
以下、図6〜図10を用いて、第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0039】
図6には、本実施形態に係るフロントサスペンションメンバ10の全体構成を示す平面図が示されている。また、図7には、当該フロントサスペンションメンバ10が配設された状態を車両側方から見た概略側面図が示されている。さらに、図8には、図7の8線矢視部の拡大図が示されている。
【0040】
これらの図から解るように、本実施形態では、フロントサスペンションメンバ10自体の構成に特徴があるのではなく、フロントサスペンションメンバ10の周辺構造に特徴がある。なお、本実施形態のフロントサスペンションメンバ10も、前述した第1実施形態と同様に鋳造品とされている。
【0041】
具体的に説明すると、フロントサスペンションメンバ10におけるフロントサスペンションフロントクロスメンバ12の下方には、平板状のプロテクタ60が配設されている。図6に示されるように、プロテクタ60は、フロントサスペンションフロントクロスメンバ12の下方に配置される帯状の本体部62と、本体部62の長手方向(組付状態では車両幅方向)の中間部から車両前方側へ延出された略「凹」字形状の延出部64と、によって構成されている。延出部64は、ステアリングギヤボックス20の下方に配置されている。さらに、延出部64の二股に分かれた先端部は、スタビライザ66(図8参照)へ向かって延びていくように(概ねスタビライザ66と面一になるように)所定の傾斜角度で屈曲されている(以下、この部分を「反り形状部64A」と称す)。
【0042】
一方、ステアリングギヤボックス20及びスタビライザ66の下方には、平板状のエンジンアンダカバー68が配設されている。このエンジンアンダカバー68の後部68Aは、上述したプロテクタ60の延出部64の下面側にオーバーラップした状態で配置されている。
【0043】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0044】
図9に示されるように、車両走行時に車両前部下面が路面や縁石等の干渉物70に干渉した場合、エンジンアンダカバー68の前後方向の中間部は、スタビライザ66に当接するまで持ち上げられる。その一方で、エンジンアンダカバー68の後部68Aはプロテクタ60の延出部64の下方に潜り込んでいるので、エンジンアンダカバー68の後部68Aはプロテクタ60の反り形状部64Aの傾斜に合致する程度に押し上げられる。
【0045】
こうしてスタビライザ66とプロテクタ60の反り形状部64Aとの間に出来た滑り台状の傾斜部72の下面を図示の如く干渉物70が摺動していくことにより、干渉物70がステアリングギヤボックス20やフロントサスペンションメンバ10に強干渉するのを避けることができる。
【0046】
なお、上述した本実施形態では、スタビライザ66とプロテクタ60の反り形状部64Aとの間に滑り台形状の傾斜部72が形成される構成を採ったが、これに限らず、図10に示されるように、スタビライザ66に替えてクロスメンバ74を利用してもよいし、その他の部材を利用してもよい。
【0047】
〔第1実施形態の補足説明〕
上述した第1実施形態では、フロントサスペンションメンバ10に対して本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造を適用したが、これに限らず、リヤサスペンションメンバに本発明を適用することも可能である。
【0048】
また、上述した第1実施形態では、プレート48を前側取付ベース24から所定距離Dだけ離間させて配設したが、これに限らず、前側取付ベース24に密着した状態でプレートに相当する部材を配設してもよい。この場合でも、荷重負担は分担されるので、前側取付ベース24の応力集中を回避する効果はある程度期待できる。
【0049】
さらに、上述した第1実施形態では、プレート48の上縁部、下縁部、及び外縁部に折り曲げ部54を設定したが、これに限らず、プレート48の全周に亘って折り曲げ部54を設定してもよい。
【0050】
また、上述した第1実施形態では、ギヤボックス取付部42の外周部に上下一対の回り止めリブ40、41を一体に設ける構成を採ったが、必ずしも一体に設ける必要はなく、回り止め部をギヤボックス取付部42とは別体で設けてもよい。さらに、突起状の回り止めリブ40、41に替えて、例えば、ギヤボックス取付部42の外周面に略直角三角形状の凹部を所定の間隔で形成しておくと共に、プレート48には当該凹部に弾性的に係合する切起こし等による係合突起を設けることで、回り止め部を構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、鋳造によって形成されると共に、サスペンションアームが取り付けられる第1取付部とステアリングギヤボックスが取り付けられる第2取付部とが連結部を介して連結される構成において、連結部とは別個独立に、第1取付部と第2取付部とを連結する連結部材を設けたので、連結部の荷重負担を軽減することができ、その結果、鋳造でサスペンションメンバを構成する場合において応力集中が生じるのを抑制することができるという優れた効果を有する。
【0052】
請求項2記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1記載の発明において、上記連結部材の端末部の一部又は全部に、当該端末部とサスペンションメンバとが非接触状態を維持するように折り曲げ部を設けたので、折り曲げ部を設けた部位ではサスペンションメンバと連結部材とが接触するのを避けることができ、その結果、サスペンションアームからの入力に対する応力集中の問題を解消することができるのみならず、耐電食性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0053】
請求項3記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、サスペンションメンバ及び連結部材の少なくとも一方に、当該サスペンションメンバに対する当該連結部材の回り止めを成す回り止め部を設けたので、サスペンションアームの組付時に連結部材が空回りするのを防止することができ、その結果、サスペンションアームの第1取付部への組付が容易になるという優れた効果を有する。
【0054】
請求項4記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、連結部材はプレート状に形成されており、当該連結部材をサスペンションメンバの前後に配置された一対のクロスメンバのうちフロントクロスメンバの第1取付部及び第2取付部の車両前方側に配置したので、路面干渉時に先に連結部材を路面に干渉させることができ、その結果、サスペンションメンバが路面干渉によって損傷を受けるのを防止することができるという優れた効果を有する。
【0055】
請求項5記載の本発明に係る鋳造サスペンションメンバ構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、連結部材は第1取付部側では連結部に近接して配置される一方で、第2取付部側では連結部から離間して配置されるため、サスペンションアームから入力される荷重を安定した状態で支持することができ、その結果、サスペンションメンバの連結部にかかる負荷を最小限に抑えることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る鋳造サスペンションメンバ構造の要部を示す拡大斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿う縦断面図である。
【図3】図1の3−3線に沿う横断面図である。
【図4】図1の4−4線に沿う縦断面図である。
【図5】図1のフロントサスペンションメンバの全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係るフロントサスペンションメンバの全体構成を示す平面図である。
【図7】図6に示されるフロントサスペンションメンバが配設された状態を車両側方から見た概略側面図である。
【図8】図7の8線矢視部の拡大側面図である。
【図9】縁石等に干渉したときの作用を説明するための図8に対応する拡大側面図である。
【図10】変形例を示す図8に対応する拡大側面図である。
【符号の説明】
10 フロントサスペンションメンバ
12 フロントサスペンションフロントクロスメンバ(フロントクロスメンバ)
14 フロントサスペンションリヤクロスメンバ(クロスメンバ)
20 ステアリングギヤボックス
22 フロントサスペンションアーム
24 前側取付ベース(連結部)
30 前側アーム取付部(第1固定部)
40 回り止めリブ(回り止め部)
41 回り止めリブ(回り止め部)
42 ギヤボックス取付部(第2固定部)
48 プレート(連結部材)
54 折り曲げ部
Claims (5)
- 鋳造によって形成されると共に、サスペンションアームが取り付けられる第1取付部とステアリングギヤボックスが取り付けられる第2取付部とが連結部を介して連結された鋳造サスペンションメンバ構造であって、
前記連結部とは別個独立に、前記第1取付部と前記第2取付部とを連結する連結部材を設けた、
ことを特徴とする鋳造サスペンションメンバ構造。 - 前記連結部材の端末部の一部又は全部に、当該端末部と前記サスペンションメンバとが非接触状態を維持するように折り曲げ部を設けた、
ことを特徴とする請求項1記載の鋳造サスペンションメンバ構造。 - 前記サスペンションメンバ及び前記連結部材の少なくとも一方に、当該サスペンションメンバに対する当該連結部材の回り止めを成す回り止め部を設けた、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鋳造サスペンションメンバ構造。 - 前記連結部材はプレート状に形成されており、
当該連結部材は、前記サスペンションメンバの前後に配置された一対のクロスメンバのうちフロントクロスメンバの前記第1取付部及び前記第2取付部の車両前方側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鋳造サスペンションメンバ構造。 - 前記連結部材は前記第1取付部側では前記連結部に近接して配置される一方で、前記第2取付部側では前記連結部から離間して配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の鋳造サスペンションメンバ構造。
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