JP4206003B2 - 炉内キャリアロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板表面に塗布された樹脂を乾燥させる樹脂乾燥炉の内部に設置される炉内キャリアロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
制振鋼板や潤滑鋼板を製造する際には、鋼帯表面に樹脂を塗布し、これを樹脂乾燥炉で乾燥する工程がある。図2に示すように、従来から樹脂乾燥炉10の内部には追従回転型の炉内キャリアロール11が設置されており、また出口側にはステアリングロール12とテンションメータロール13が設置されている。樹脂が塗布された鋼帯は炉内キャリアロール11に支持され、ステアリングロール12により蛇行を矯正されながら10m/分程度の低速度で炉内を通過する間に、500℃前後の高温で乾燥される。
【0003】
このための炉内キャリアロール11として、通常は一体型の中空金属ロールが用いられていた。また特許文献1に示すように、炉内キャリアロール11として中空セラミックロールが用いられることもある。しかし、これらの従来型の炉内キャリアロールはいずれも、重量が大きいために起動トルクも大きい。このため、鋼帯の厚みが0.4mm以下の薄物となったような場合には、鋼帯の走行に追従して炉内キャリアロール11が円滑に回転することができず、鋼帯表面にスリ疵が多発するという問題があった。特に鋼帯の幅がロール幅よりも狭くなった場合には炉内キャリアロールに与えられる駆動力がさらに小さくなるため、このような問題が発生し易かった。なお、ロール全体を薄肉化すれば起動トルクを低下させることができるが、高温の炉内で強度を保持することができない。
【0004】
またこのような一体型のロールは、高温の炉内で自重によりカテナリ曲線を描いて変形することが避けられず、ロール表面が水平面とならない。このため炉内キャリアロール11上を走行する鋼帯が蛇行し易いという問題もあった。
【特許文献1】
特開平10−183260号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決し、十分な高温強度を維持しつつ、搬送される鋼帯の走行に追従して自由に回転することができ、スリ疵が発生することのない炉内キャリアロールを提供するためになされたものである。また本発明の他の目的は、高温下においても中央部に水平面を維持できる樹脂乾燥炉の炉内キャリアロールを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の樹脂乾燥炉の炉内キャリアロールは、外端部が炉壁の軸受により支持された一対の水冷軸を、鋼帯表面に塗布した樹脂を乾燥させる樹脂乾燥炉の内部に相対向させて設け、これらの水冷軸の内端部間を筒体により接続して冷却水路を形成するとともに、この筒体の外周には、両端部がセラミックベアリングにより前記水冷軸に支持された、搬送される鋼帯の最大幅に対応する長さを備えた中空セラミックロールを、回転自在に設けたことを特徴とするものである。なお、中空セラミックロールが軽量のものであり、その起動トルクを小さくすることが好ましい。
【0007】
【発明の効果】
本発明の炉内キャリアロールは、炉壁の軸受により回転自在に支持された一対の水冷軸上に更に中空セラミックロールを回転自在に設けたものであるから、鋼帯との接触により中央部の中空セラミックロールのみを軽く追従回転させることができる。このため薄物の鋼板を搬送する場合にも、スリ疵が発生することがない。
【0008】
また本発明の炉内キャリアロールは、内部が水冷構造となっているために500℃前後の炉内に設置しても強度が低下することがなく、しかも中央部の中空セラミックロールはセラミックベアリングにより一対の水冷軸上に搭載されているので、水冷軸のカテナリが中空セラミックロールに影響しにくく、高温下においても中央部に水平面を維持することができる。
【0009】
また仮にセラミックベアリングが焼き付いた場合には、中空セラミックロールは水冷軸とともに回転することとなるので、炉外から容易に異常発生を知ることができる。このため直ちに対応策を講ずることができ、スリ疵の大量発生をなくすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の炉内キャリアロールの断面図であり、1は樹脂乾燥炉の左右の炉壁、2は炉壁1に固定された軸受3により回転自在に支持された一対の水冷軸である。軸受3は通常のボールベアリングまたはローラベアリングであり、各水冷軸2の外端部を回転自在に軸支している。水冷軸2は例えばS45Cなどの金属からなるもので、その中心には冷却水路4が形成されている。
【0011】
これらの一対の水冷軸2は対向位置に設けられており、その内端部間を筒体5により接続して両側の水冷軸2の冷却水路4,4を連結し、全体を水冷構造としている。筒体5も例えばSS400などの金属材からなるものである。
【0012】
この筒体5の外周位置には、中空セラミックロール6が設けられている。中空セラミックロール6は軽量で耐熱性を備えたものとし、例えば窒化珪素系セラミックなどからなるものとする。樹脂乾燥炉に使用するので、樹脂の付着を防止するためにロール表面をフッ素樹脂コーティングしておくことが好ましい。
【0013】
この中空セラミックロール6の両端部は、耐熱性のセラミックベアリング7により各水冷軸2に支持されている。このため中空セラミックロール6は、水冷軸2に対して回転自在となっている。なお、中空セラミックロール6の長さは搬送される鋼帯の最大幅に対応させれば十分であり、高温強度を維持できる範囲内においてできるだけ軽量化することにより、その起動トルクを150g以下とすることが好ましい。
【0014】
このように構成された炉内キャリアロールは、中空セラミックロール6の部分で鋼帯を支持し搬送するものであるが、中空セラミックロール6は従来のロールよりもはるかに軽量で慣性が小さいため、搬送される鋼帯に追従して容易に回転する。このため鋼帯が中空セラミックロール6の表面でスリップすることがなく、鋼帯の表面にスリ疵が発生することがない。しかも炉内キャリアロールの全体はカテナリを描くとしても、その中央部の中空セラミックロール6は水平を保ち易く、鋼帯の蛇行発生を防止することもできる。
【0015】
また仮にセラミックベアリング7に異常が生じた場合には、中空セラミックロール6が水冷軸2に対して回転できなくなるが、水冷軸2も軸受3により回転自在に支持されているため、水冷軸2が中空セラミックロール6とともに回転し始める。このため中空セラミックロール6の回転が停止することはなく、スリ疵の発生が抑制される。しかもこのように水冷軸2が回転し始めたことは炉外から容易に監視することができるので、直ちに補修することができ、スリ疵が大量発生することはない。
【0016】
本発明の炉内キャリアロールは水冷軸2に冷却水路4が形成されているため、高温の炉内においても水冷軸2は十分な強度を維持することができる。またロール内部から冷却水が漏れて炉内に水蒸気が侵入すると品質に悪影響を及ぼすが、本発明ではロールが二重構造となっているので、仮に冷却水路4から冷却水が漏れたとしても中空セラミックロール6によりカバーされ、直ちに炉内に侵入することはない。
【0017】
【実施例】
潤滑鋼板の製造ライン中の樹脂乾燥炉に設置された炉内キャリアロールを、従来型ロールから本発明のロールに変更した。従来型ロールはS45Cからなる中空ロールであり、その重量は103kg、起動トルクは2.5N(250g)、回転トルクは4Nのものである。なお炉内温度は500℃、鋼帯は厚さ0.4mmの薄物であり、その搬送速度は10m/分である。従来型ロールを用いて潤滑鋼板の製造を行っていた期間中は、月間10トン程度のスリ傷が発生していた。
【0018】
これに対して本発明のロールは図1に示すとおりの構造のものであって、その重量は51kg、起動トルクは1N、回転トルクは2Nである。本発明のロールを使用し始めた後は、それまで月間10トン程度発生していたスリ傷がゼロとなった。
【0019】
本発明の炉内キャリアロールは、制振鋼板や潤滑鋼板の製造ラインに設置された樹脂乾燥炉に適したものであるが、それ以外にも温度が600℃以下の低速搬送型の加熱炉に広く適用することができる。また搬送物は必ずしも鋼板に限定されるものではなく、その他の金属板や樹脂板などの搬送ロールとしても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉内キャリアロールの断面図である。
【図2】炉への取り付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 炉壁
2 水冷軸
3 軸受
4 冷却水路
5 筒体
6 中空セラミックロール
7 セラミックベアリング
10 樹脂乾燥炉
11 炉内キャリアロール
12 ステアリングロール
13 テンションメータロール
Claims (1)
- 外端部が炉壁の軸受により支持された一対の水冷軸を、鋼帯表面に塗布した樹脂を乾燥させる樹脂乾燥炉の内部に相対向させて設け、これらの水冷軸の内端部間を筒体により接続して冷却水路を形成するとともに、この筒体の外周には、両端部がセラミックベアリングにより前記水冷軸に支持された、搬送される鋼帯の最大幅に対応する長さを備えた中空セラミックロールを、回転自在に設けたことを特徴とする樹脂乾燥炉の炉内キャリアロール。
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