JP4190047B2 - 有機化合物の酸化方法およびアルデヒド酸化用触媒 - Google Patents

有機化合物の酸化方法およびアルデヒド酸化用触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒドを触媒に接触させて酸化させるアルデヒドの酸化方法、並びにそれに使用し得る酸化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建物の室内や自動車の車内などにおけるタバコ臭の除去を目的として、空気清浄機や脱臭剤などが使用されている。これらは、タバコ臭の主成分であるアルデヒド(例えばアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド)等を吸着除去等するものであり、各種の吸着材が使用されている。活性炭は各種有機物質を吸着する材料として古くより知られているが、低分子で高極性の有機物(例えばアセトアルデヒド等)は十分吸着することができず、活性炭にアミン類やアスコルビン酸等を担持させて吸着能を高めたものが、種々の有機物を吸着可能な吸着材として用いられている。
【0003】
アミン類を担持させたものとしては、例えば、特開昭56−53744号公報にはアニリンを用いたもの、特開昭60−202735号公報等にはエタノール系アミン等を用いたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アミン類を担持させる技術では、その状態が不安定で、アミン臭を発生することが多く、用いるアミン類の中には有毒なものも含まれているため安全性の問題も生じる。一方、アスコルビン酸を担持させたものでは、アスコルビン酸が昇華性のため使用期間が短くなるという問題がある。また、単にアルデヒド類を吸着させるだけでは、その吸着容量に限界があり、吸着材の交換等が必要になるという欠点もある。
【0005】
一方、アルデヒドを酸化させて脱臭する方法として、通常の酸化マンガン(Mn23 )と銀とを併用するものが、N.Watanabe et al.,Applied Catalysis B,Environmental 8 (1996)405-415 に開示されている。しかしながら、通常の酸化マンガンによる酸化脱臭触媒能には限界があり、例えば、十分な脱臭触媒能を発揮させるには、前記酸化マンガンを高温に維持しなければならないなどの制約を受けざるを得なかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、担持物質の離脱や使用期間、温度の制限などの問題が少なく、しかもアルデヒド類からなるガス状有機化合物の除去効果の高い有機化合物の酸化方法、並びに酸化用触媒を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この目的を達成するため、各種触媒を用いて有機化合物の酸化方法について鋭意研究したところ、触媒として、分子篩構造を有するマンガン酸塩を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、更に研究を進めて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の酸化方法は、過マンガン酸塩化合物の1種以上と2価のマンガン化合物の1種以上とを混合して得られた沈殿を乾燥することで得られる分子篩構造を有するマンガン酸塩に、酸性条件下で、イオン交換により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属イオンを結合させてなる有機化合物酸化用触媒に、アルデヒド類からなるガス状有機化合物を含むガスを接触させて、前記ガス状有機化合物を酸化する点に特徴を有する。
この場合、特に、上記金属イオンが、銀イオン又はコバルトイオンであることが好ましい。
さらに、本願の酸化方法では、100℃以下の条件下において、前記ガス状有機化合物を酸化することが好ましい。
また、本発明の有機化合物酸化用触媒は、アルデヒド類からなるガス状有機化合物を酸化除去する有機化合物酸化用触媒であって、過マンガン酸塩化合物の1種以上と2価のマンガン化合物の1種以上とを混合して得られた沈殿を乾燥することで得られる分子篩構造を有するマンガン酸塩に、酸性条件下で、イオン交換により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属イオンを結合させてなる点に特徴を有する。
この場合、特に、上記金属イオンが、銀イオン又はコバルトイオンであることが好ましい。
【0009】
〔作用効果〕
そして、本発明の酸化方法によると、後述の実施例の結果が示すように、前記触媒として、過マンガン酸塩化合物の1種以上と2価のマンガン化合物の1種以上とを混合して得られた沈殿を乾燥することで得られる分子篩構造を有するマンガン酸塩を用いるため、有機化合物(アルデヒド類、以下同じ)の吸着容量が比較的大きく、また酸化速度が速く、被処理ガス中のマンガン酸塩の除去効果が高い。また、マンガン酸塩自体が不揮発性であり、酸化触媒として機能するため、担持物質の離脱や使用期間の制限などの問題が少ない。
なお、かかる効果を発揮するのは、マンガン酸塩の分子篩構造が、有機化合物の吸着に適した構造であり、その吸着サイトには、金属イオンが存在し、しかも種々の有機化合物を酸化する触媒作用を有しているためと考えられる。
そのため、本発明の方法によれば、100℃程度に加熱するような高温条件ではなく、例えば、室温の程度の低温条件下においても触媒作用を発揮させることができ、極めて取り扱い容易な使用条件での有機化合物酸化を実現できる。
【0010】
前記マンガン酸塩を構成する金属イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムを採用することができ、これらの金属塩は、金属が前記触媒作用を高めるのに大きく寄与し、触媒作用が高いため、酸化速度がより速くなり、見かけの吸着容量が大きくなり、また迅速な処理が可能となる。
【0011】
そのため、本発明の有機化合物酸化用触媒によると、上述したように、有機化合物の吸着容量が大きく、また酸化速度が速く、被処理ガス中の有機化合物の除去効果が高い酸化反応を行うことができる。また、脱臭等に用いる場合に、担持物質の離脱や使用期間の制限などの問題が少ない。また、例えば室温程度の低温条件下においても触媒作用を発揮させることができ、極めて取り扱い容易な有機化合物酸化触媒を提供することができるようになった。
【0012】
前記マンガン酸塩を構成する金属イオンが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれる一種以上であれば、マンガン酸イオンの構成する分子篩構造の孔内に金属イオン結合させた構成となっており、マンガン酸のガス吸着サイトにおいて、金属イオンが酸化触媒能を発揮しやすい構造を形成しているものと考えられ、高い触媒作用を期待することができるとともに、結合イオンの触媒作用が高いため、酸化速度がより速くなり、見かけの吸着容量が大きくなり、また迅速な処理が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔酸化用触媒〕
本発明の有機化合物酸化用触媒は、分子篩構造を有するマンガン酸塩を主成分として含有するものである。このようなマンガン酸塩の調製法や八面体分子篩構造などの詳細については、Y.F.Shen et al.,SIENCE,vol.260 (1993) 511-515 やN.Watanabe et al.,Applied Catalysis B,Environmental 8 (1996)405-415 等に記載されているので、本明細書では概略のみを説明する。
【0014】
調製法については、過マンガン酸塩化合物の1種以上と、2価のマンガン化合物の1種以上とを、例えばpH3以下の酸性水溶液にて攪拌しながら、温度50℃〜150℃の範囲で0.5〜10時間反応させて、沈殿を生じさせる。この沈殿を濾過して、100℃以上(例えば120℃)にて15時間程乾燥させると、分子篩構造を有するマンガン酸塩を得ることができる。
【0015】
用いられる過酸化マンガン化合物としては、例えばLiMnO4 、NaMnO4 、KMnO4 、CsMnO4 、Mg(MnO42 、Ca(MnO42 、Ba(MnO42 などが挙げられる。
また、2価のマンガン化合物としては、例えばMn(NO32 、MnSO4 、MnCl2 、Mn(CH3 COO)2 などが挙げられる。
【0016】
得られるマンガン酸塩は、MnO6 の八面体の鎖状物が端部を共有しつつ、各種大きさのトンネル構造(孔)を形成している。そして、孔内には製法に応じた種類の1価又は2価のカチオンを結合・保持しているが、イオン交換により、カチオン種を変更することができる。
【0017】
孔の大きさは、トンネルを形成する前記鎖状物の数によって決定され、鎖が二本の2×2トンネルタイプ(OMS−2)と鎖が三本の3×3トンネルタイプ(OMS−1)とがよく知られており、前者の大きさは約4.6A、後者の大きさは約6.9Aである。但し、その他のタイプもいくつか知られており、本発明に用いることができる。
【0018】
前述の調製法は、通常はOMS−2を得るための方法であるが、OMS−1を調製する場合、同様の原料を強塩基条件下(例えばpH13以上)で反応させて層状前駆体を得、これを室温で8時間以上エージングしたのちイオン交換し、更に150〜180℃で数日間熱処理することにより得ることができる。
【0019】
本発明の有機化合物酸化用触媒は、上記のようなマンガン酸塩を主成分として含有するものであり、他の触媒を一部混合したり、成形品とするためにバインダー成分を配合したりしてもよい。
【0020】
本発明では、前述のように前記マンガン酸塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれるものが好ましく、特に銀イオンをイオン結合させたものが、反応速度が速いため好ましい。
【0021】
種々の金属塩を形成するには、上記のようにイオン交換法が用いられ、例えば硝酸銀、硝酸コバルト、酢酸コバルトなどの水溶液に八面体分子篩構造を有する酸化マンガンを添加し、50〜95℃程度にて5〜20時間程度イオン交換を行えばよい。
【0022】
本発明においては、トンネル骨格を形成する金属であるマンガンを他の金属で一部置換することも可能であり、周期表の3A、4A、5A、6A、7A、8A、1B、及び2Bの遷移金属から1種以上が選択される。また、水和物も各種存在し、いずれも本発明に用いることができる。
【0023】
〔酸化方法〕
本発明のアルデヒドの酸化方法は、アルデヒドを前述の触媒に接触させて酸化させるものである。具体的な反応法は、通常の触媒接触酸化反応に従って、各種の装置を用いて行うことができる。例えば、アルデヒドを含有する気体を、触媒を充填したカラムや、ハニカム状に成形した触媒に流通させたり、流動を積極的に生じさせずに気体と触媒の接触を行う方法など、いずれの方式も採用することができる。特にタバコ臭を除去するためには、空気清浄機にハニカム状に成形して、あるいは、織布・不織布・紙等に含浸させてして組み込むのが好ましい。
【0024】
反応条件としては、高温で反応を行うほど反応速度が速くなり、例えば後述の実施例の条件で定常状態にて、25℃での反応率(除去率)が約12%の場合に、55℃での反応率が約22%、100℃での反応率が約98%になっている。
【0025】
なお、触媒の使用量や接触時間などは、原料気体の流量やアルデヒド濃度などに応じて、適宜決定される。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の具体的な構成と効果を示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
製造例1
フラスコ中にて、過酸化マンガン化合物であるKMnO4 40重量部と、2価のマンガン化合物であるMnSO4 60重量部とを、イオン交換水400重量部に混合し、これに硫酸を添加してpH=2.0に調整し、攪拌しながら、温度100℃で1時間反応させて、沈殿を生じさせた。この沈殿を濾過して、イオン交換水で洗浄し、120℃にて15時間程乾燥させて、本発明の八面体分子篩構造を有するマンガン酸カリウムを得た。(本願発明に至る前段階の物質)。
なお、このマンガン酸カリウムの構造は、図7に示すXRDチャートから、ホランダイト鉱に酷似しており、OMS−2構造のマンガン酸塩であることが分かった。
【0028】
製造例2
製造例1で得られたマンガン酸塩を用いて、次のような操作により、銀イオンを八面体分子篩構造の孔内にイオン結合させた酸化マンガンを得た。(本願発明品)。
即ち、フラスコ中に、硝酸銀21重量部とイオン交換水400重量部とを入れて水溶液とし、これにマンガン酸塩100重量部を加えた後、90℃で12時間かけてイオン交換を行った。これを濾紙で濾過し、イオン交換水で洗浄した後、120℃にて15時間乾燥して、本願に係る銀イオン交換酸化マンガンを得た。
なお、イオン交換の確認は、濾液中の銀イオン残存濃度の化学定量分析により行った。
【0029】
実施例1−1
製造例2で得られた本願発明に係る銀イオン交換マンガン酸塩を用いて、図1に示す試験装置に組み込み、反応温度を変えながら、経過時間に対応するアセトアルデヒド除去率を測定した。
即ち、用いた試験装置は、ボンベ3には1000ppmのアセトアルデヒドを含む窒素ガスが、ボンベ4には空気が入っておりフイルター6,5、バルブV1〜V7を経由して、反応系に適当な濃度のガスを流通させることができるようになっている。反応管1は温度調整が可能で、内部に触媒2が充填され、反応ガスまたはバイパスガスは、オートサンプラー7より、ガスクロマトグラフ装置8内に導入され、ガス濃度が測定される。
【0030】
測定条件として、前記マンガン酸塩を成形して1〜2mmにしたもの0.35gだけ反応管1に充填し、アセトアルデヒド濃度が100ppm、ガス流量が10L/hrになるように、バイパスを利用して各パルブV1〜V4の開度を調整した。
反応は、50℃で900分間、100℃で120分間、75℃で280分間、を連続して行った。その際にアセトアルデヒドが試験装置を破過する出口濃度の経時変化を図2に示す。
【0031】
図2の結果は、下記の知見を示すものである。
反応当初にアセトアルデヒドの出口濃度が0に近いのは、アルデヒドが主に吸着によりほとんど捕捉されているためであり、反応時間が100分を超えると吸着飽和によって徐々に出口濃度が上昇する。反応時間が600分を超えると出口濃度はほぼ一定(約77ppm)になるが、これは、定常状態での出口濃度を示し、反応速度の指標となるものである。900分で反応温度を100℃にすると、出口濃度が2ppm程度に急激に低下するのは、触媒反応の反応速度が速くなり、吸着済みのアルデヒドが急速に酸化分解されたためである。つまり、より高温では吸着能は低下するはずだからである。1020分で反応温度を75℃にすると、徐々に出口濃度が上昇し、1300分を超えると除去率はほぼ一定(約60ppm)になり、定常状態での反応率を示す。
【0032】
参考例
実施例1−1において、本願に係る銀イオン交換マンガン酸塩を製造する前段階の物質である、製造例1により製造されたマンガン酸カリウムを用い、連続的に反応温度を変える代わりに、反応温度は一定にして、種々の反応温度(25℃,55℃,100℃)で反応を行う以外は、すべて実施例1−1と同様にしてアセトアルデヒドの反応率の経時変化を参考として調べた(図3参照)。また、室温におけるアセトアルデヒドの除去能の経時変化については、通常の脱臭剤との比較を参考として行った(図4参照)。
除去能は、各温度において、0.35gの触媒(または脱臭剤)に100ppmのアセトアルデヒド含有空気を10L/hで供給した時の、出口濃度(破過曲線)によって評価した。
図3によれば、前記マンガン酸塩は、室温においても高い除去能を示すとともに高温ほど高い活性を示していることが分かる(活性炭系脱臭剤では、高温になるほど性能が低下している)。
図4の結果が示すように、前記マンガン酸塩については、高い有機物除去性能を有することが分かり、しかも300分後においても高い性能を維持していることが分かる。
なお、用いた触媒又は吸着材は、次のとおりである。
Mn−OMS:製造例1で得られたマンガン酸カリウ
BET比表面積約200m2 /g
ACF(OG):活性炭繊維,大阪ガス(株)製(比較品)
BET比表面積約1000m2 /g
活性炭(N):ナカライテスク(株)製1組品M8T1311(比較品)
BET比表面積約1000m2 /g
尚、単なる二酸化マンガンについては、各種活性炭よりも高い出口濃度しか示しておらず、マンガン酸塩の分子篩構造を有する特徴が、触媒機能に大きく寄与していることが分かる。
【0033】
実施例1−2
実施例1−1において、連続的に反応温度を変える代わりに、反応温度は一定(25℃)にして、種々の触媒又は吸着材を用いて反応を行う以外は、すべて実施例1−1と同様にしてアセトアルデヒドの出口濃度の経時変化を調べた。
なお、用いた触媒又は吸着材は、次のとおりである。
Ag−Mn−OMS:製造例2で得られたマンガン酸銀(本発明品)
BET比表面積約200m2 /g
ACF(OG):活性炭繊維,大阪ガス(株)製(比較品)
BET比表面積約1000m2 /g
その結果を図5に示す。
図5の結果が示すように、比較品では比表面積が大きいにも係わらず、反応の初期から出口濃度が上昇し始め、200分又は250分で出口濃度が90ppm以上になった。これに対して、本発明品は反応初期に150分まで出口濃度がほぼ0に維持されるとともに、定常状態において、入力ガス濃度よりも低い出口濃度(100ppmにたいして90ppm)を維持できる。
【0034】
実施例1−3
実施例1−1において、連続的に反応温度を変える代わりに、反応温度は一定(25℃)にして、600分経過後に24時間ガス供給を停止して放置した後、さらに反応温度(25℃)で反応を行う以外は、すべて実施例1−1と同様にしてアセトアルデヒドの除去率の経時変化を調べた。
その結果を図6に示す。
図6の結果が示すように、600分経過時には除去率が約10%で一定になっているが、24時間の放置で、除去率が50%にまで回復している。これは、放置中に吸着されたアルデヒドが酸化・除去され、その分だけ新たに吸着能が回復したためだと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた試験装置の概略構成図
【図2】 実施例1−1における除去率の経時変化を示す図
【図3】 参考例における除去能の経時変化を示す図
【図4】 参考例における除去能の経時変化を示す図
【図5】 実施例1−2における除去率の経時変化を示す図
【図6】 実施例1−3における除去率の経時変化を示す図
【図7】 製造例1におけるOMS−2のXRD解析構造を示す図
【符号の説明】
1 反応管
2 触媒
8 ガスクロマトグラフ装置

Claims (5)

  1. 過マンガン酸塩化合物の1種以上と2価のマンガン化合物の1種以上とを混合して得られた沈殿を乾燥することで得られる分子篩構造を有するマンガン酸塩に、酸性条件下で、イオン交換により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属イオンを結合させてなる有機化合物酸化用触媒に、
    アルデヒド類からなるガス状有機化合物を含むガスを接触させて、前記ガス状有機化合物を酸化する有機化合物の酸化方法。
  2. 前記金属イオンが、銀イオン又はコバルトイオンである請求項1に記載の有機化合物の酸化方法。
  3. 100℃以下の条件下において、前記ガス状有機化合物を酸化する請求項1又は2に記載の有機化合物の酸化方法。
  4. アルデヒド類からなるガス状有機化合物を酸化除去する有機化合物酸化用触媒であって、
    過マンガン酸塩化合物の1種以上と2価のマンガン化合物の1種以上とを混合して得られた沈殿を乾燥することで得られる分子篩構造を有するマンガン酸塩に、酸性条件下で、イオン交換により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、銀、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル、クロムよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の金属イオンを結合させてなる有機化合物酸化用触媒。
  5. 前記金属イオンが、銀イオン又はコバルトイオンである請求項4に記載の有機化合物酸化用触媒。
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