JP2002028489A - アルデヒド類吸着分解剤及びその製造方法 - Google Patents

アルデヒド類吸着分解剤及びその製造方法

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JP2002028489A
JP2002028489A JP2000214616A JP2000214616A JP2002028489A JP 2002028489 A JP2002028489 A JP 2002028489A JP 2000214616 A JP2000214616 A JP 2000214616A JP 2000214616 A JP2000214616 A JP 2000214616A JP 2002028489 A JP2002028489 A JP 2002028489A
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aldehyde
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aldehydes
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Seiji Tokuda
省二 徳田
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温付近かつ水蒸気存在下においてアルデヒ
ド類の吸着能に優れ、かつ比較的低温で加熱処理するこ
とにより一旦吸着したアルデヒド類が脱離することなく
分解して、吸着能を回復することができるアルデヒド類
吸着分解剤を提供する。 【解決手段】 周期律表2a族及び3a族から選ばれる
少なくとも1種の元素と、少なくとも1種の遷移金属を
含む無機系化合物からなるアルデヒド類吸着分解剤であ
る。また、周期律表2a族及び3a族から選ばれる少な
くとも1種の元素と、少なくとも1種の遷移金属を含む
金属塩混合溶液から、アルカリと酸をともに用いて沈殿
物を生成し、これを溶液と分離し、さらに酸化処理を行
なうことを特徴とする、アルデヒド類吸着分解剤の製造
方法である。また前記アルデヒド類吸着分解剤が搭載さ
れたことを特徴とする空気浄化フィルタおよび/または
空気清浄機である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、家庭やオフィス、
車室内などの居住空間、および各種工場などで発生する
気相中のアルデヒド類を除去するための吸着分解剤に関
するものであり、空気浄化フィルタ、空気清浄機、エア
コンディショナー、生ごみ処理機、排ガス処理装置など
に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、居住空間の気密化やアメニティ指
向の高まり等により悪臭ガスや有害ガスが問題となるこ
とが多く、なかでもホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、アクロレイン、ノネナール等のアルデヒド類の除去
に対するニーズが大きい。
【0003】これらのアルデヒド類の除去には、通常、
アミン化合物を添着した活性炭がよく用いられるが、こ
れらはその寿命の点で問題があることに加え、アミンは
活性炭上で熱的および経時的な化学変化による失活が起
こりやすく、長期にわたって満足すべき除去性能を発現
することが困難である。
【0004】一方最近、比較的低温でもアルデヒド類を
分解できる脱臭触媒が注目を集めつつあり、貴金属や卑
金属およびそれらの酸化物で構成されるものが数多く提
案されている。例えば特開平6−7678号公報にはA
g、MnO2、NiO、CuO、Fe23、Co34
ら選ばれた少なくとも一種の成分とLi2O、K2O、N
2O、CaOから選ばれた少なくとも一種の酸化物と
を、混合酸化物や化合物の形態で担持させた脱臭触媒
が、また特開平7−155611号公報には、銀化合物
を担持したゼオライト、アルミナで構成される悪臭物質
除去用触媒がそれぞれ開示されており、いずれも常温付
近においてアセトアルデヒドが吸着あるいは分解されて
除去されると記載されている。しかし上記の触媒を構成
する金属酸化物や金属化合物は本来親水性であり、通常
の生活空間のような水蒸気存在下では、アルデヒドより
も水が選択的に吸着するため除去能が急速に低下し、長
期にわたって十分な除去効果を発揮できないという問題
がある。
【0005】このような水蒸気による除去能低下の抑制
を目的としたものとして、触媒成分を疎水性ゼオライト
に担持させた脱臭剤や吸着剤が提案されている。特開平
8−243383号公報には、シリカ/アルミナ比が1
00以上の疎水性ゼオライトに触媒成分として二酸化マ
ンガンと銅化合物を担持した疎水性脱臭剤が開示されて
おり、常温かつ水蒸気存在下においてアセトアルデヒド
を吸着し、その後150℃以上の加熱によって吸着性能
が回復されると記載されている。しかしながら、上記の
疎水性ゼオライトの悪臭ガス吸着機構は物理吸着である
ため、再生処理のための加熱時において、悪臭成分が分
解される前に脱離してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決することを目的とした発明であり、常温付近か
つ水蒸気存在下においてアルデヒド類の吸着能に優れ、
かつ比較的低温で加熱処理することにより一旦吸着した
アルデヒド類が脱離することなく分解して、吸着能を回
復することができる吸着分解剤およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】本発明者らは、上述の問題を解決すべく鋭
意検討した結果、先ず遷移金属、なかでもマンガン、コ
バルト、ニッケル、銅の群から選ばれる少なくとも1種
以上の金属からなる無機系化合物、好ましくは酸化物が
アルデヒド類に対して化学吸着能を示し、かつ比較的低
温下でも分解活性が認められることを見出した。しかし
ながら、この無機系化合物は従来のものと同様に水蒸気
存在下では絶乾雰囲気に比べて急速に吸着能が低下する
という問題点があった。そこでこれを解決するために種
々検討した結果、前記無機系化合物に周期律表2a族及
び3a族から選ばれる少なくとも1種の金属をさらに複
合化させることにより、分解活性を低下させることな
く、水蒸気存在下における吸着能を向上できることが判
明し、本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、周期律表2a
族及び3a族から選ばれる少なくとも1種の元素を含む
無機系化合物からなるアルデヒド類吸着分解剤である。
【0009】また本発明のアルデヒド類吸着分解剤の好
ましい実施態様は、周期律表2a族及び3a族から選ば
れる少なくとも1種の元素の無機系化合物総量に対する
含有量が酸化物換算で0.1〜10重量%であるアルデ
ヒド類吸着分解剤である。
【0010】また本発明のアルデヒド類吸着分解剤の好
ましい実施態様は、前記無機系化合物が少なくとも1種
の遷移金属を含有するアルデヒド類吸着分解剤である。
【0011】また本発明のアルデヒド類吸着分解剤の好
ましい実施態様は、前記無機系化合物の窒素ガス吸着B
ET法で測定される比表面積が50m2/g以上である
アルデヒド類吸着分解剤である。
【0012】また本発明の好ましい実施態様は、前記ア
ルデヒド類吸着分解剤のいずれかが搭載されたことを特
徴とする空気浄化フィルタおよび/または空気清浄機で
ある。
【0013】また本発明は、無機系化合物からなるアル
デヒド類吸着分解剤の製造方法であって、周期律表2a
族及び3a族から選ばれる少なくとも1種の元素を含む
金属塩混合溶液から、アルカリと酸をともに用いて沈殿
物を生成し、これを溶液と分離し、さらに酸化処理を行
なうことを特徴とする製造方法である。
【0014】また本発明の好ましい実施態様は、前記製
造方法におけるアルカリが炭酸化合物である製造方法で
ある。
【0015】また本発明の好ましい実施態様は、前記製
造方法における酸が蓚酸である製造方法である。
【0016】また本発明の好ましい実施態様は、前記製
造方法における蓚酸の添加量が、モル比で原料金属量に
対して0.1〜1である製造方法である。
【0017】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明は周期律表2a族及び3a族から選ばれる少なくと
も1種の元素を含む無機系化合物からなるアルデヒド類
吸着分解剤である。前記無機系化合物が後述のように遷
移金属の酸化物、複合酸化物である場合、水蒸気が共存
すると絶乾雰囲気に比べて急速にアルデヒド類の吸着能
が低下する。これはアルデヒド類の吸着・分解サイトと
考えられる構造欠陥等では電荷が不均衡な状態となって
おり、アルデヒド類よりも極性の大きな水分子を選択的
に吸着してしまうためと考えられる。これに周期表2a
族及び3a族から選ばれる金属をさらに複合化させる
と、電荷の不均衡な状態が緩和されることにより、水の
吸着能が阻害され、除去対象ガスの吸着が促進されるも
のと推定される。周期表2a族及び3a族から選ばれる
元素としては、特にストロンチウム、バリウム、スカン
ジウム、イットリウム、ランタン、セリウムが好まし
い。
【0018】本発明における周期律表2a族及び3a族
から選ばれる元素の含有量は、無機系化合物総量に対し
て酸化物換算で0.1〜10重量%である。含有量がこ
れよりも少ないと水吸着能の阻害効果が十分ではなく、
逆に含有量がこれよりも多いと、ガス吸着能および分解
活性が低下するため好ましくない。
【0019】本発明のアルデヒド類吸着分解剤を構成す
る無機系化合物は、遷移金属の酸化物、より好ましくは
2種以上の遷移金属の複合酸化物である。遷移金属とし
ては、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛などが挙げられるが、好ましくは、マンガン、
コバルト、ニッケル、銅である。また必要に応じてルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、銀、白金、金などの白
金族金属をこれに複合化あるいは担持してもよい。
【0020】本発明の無機系化合物は沈殿法によって得
ることが出来る。すなわち周期律表2a族および3a族
から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物と少なくと
も1種の遷移金属の塩の混合溶液に、アルカリ水溶液と
酸水溶液をともに加えて沈殿物を得、その後これを酸化
処理することにより得ることが出来る。アルカリとして
は炭酸化合物が好ましく、例えば炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等が挙げられる。また酸としては蓚酸がよい。
【0021】本発明の製造方法における蓚酸添加の効果
は主に比表面積の向上である。沈殿剤として炭酸アルカ
リと蓚酸を併用する場合、蓚酸添加量はモル比で原料金
属量に対して0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8で
ある。この範囲であれば蓚酸を添加しない場合に比べ
て、酸化処理後の比表面積が20〜100m2/g程度
向上する。添加量がこれより少ないと効果が十分でな
く、逆に多すぎても比表面積が減少する傾向がある。ま
た炭酸アルカリと蓚酸を加える順序は、両者を同時に、
あるいは片方ずつ交互に、の何れでも構わないが、溶液
の最終的なpHが7.5以上、好ましくは8以上となる
ように炭酸アルカリ添加量で調整することが必要であ
る。このようにして得られた沈殿物は炭酸塩と蓚酸塩の
複合体となり、この特殊な複合組成が吸着分解剤の比表
面積向上に寄与していると推測される。
【0022】本発明の製造方法における酸化処理には、
酸化剤を用いて液相酸化する方法、空気中で焼成する方
法あり、酸化剤としては例えば過マンガン酸カリウムや
過硫酸アンモニウム等が挙げられる。また焼成温度の好
ましい範囲は200〜400℃である。このような製法
により得られる無機系化合物は、大部分が酸化物として
存在する。
【0023】本発明のアルデヒド類吸着分解剤は、窒素
ガス吸着BET法で測定される比表面積が50m2/g
以上、好ましくは100m2/g以上である場合に、吸
着分解能が満足すべきレベルとなる。金属の酸化物、複
合酸化物ではその構造欠陥等がアルデヒド類の吸着、分
解サイトとして働くと考えられ、その数が多いほど吸着
容量および分解活性が大きく、また比表面積も大きくな
る。窒素ガス吸着BET法で測定される比表面積は次の
方法により求めることが出来る。すなわち液体窒素温度
での窒素ガスの吸着等温線を測定し、このデータからB
ET式によって窒素の単分子層吸着量が求められる。窒
素一分子あたりの占有面積は既知であるので、これより
比表面積を算出することが出来る。具体的には、島津製
作所製ASAP2010装置を用いて吸着等温線の測定
を行った後、吸着平衡圧/飽和蒸気圧が0.05〜0.
20の範囲での吸着量データを用いて算出した。
【0024】本発明のアルデヒド類吸着分解剤は、空気
浄化フィルタや空気清浄機に搭載され、家庭やオフィ
ス、車室内などの居住空間、および各種工場などの空気
浄化用途に使用できる。この場合、粉末状、破砕状の吸
着分解剤をそのまま用いてもよいが、適当なバインダー
を添加してペレット状、ダブレット状に成型したり、あ
るいはこれらをハニカム状、シート状、波板状、網状等
の担体に担持して用いることもできる。担体としては、
セラミック、金属箔、ガラス繊維シート、高分子繊維不
織布、ネット、ウレタンシート等の他、通電により自己
発熱が可能な材料を用いることもできる。
【0025】本発明のアルデヒド類吸着分解剤は、主に
化学吸着によってアルデヒド類を吸着し、その後の加熱
によりこれを分解し、吸着能を再生することが可能であ
る。化学吸着の場合、アルデヒド類と吸着剤の間に一種
の化学結合が形成されるため、物理吸着のように加熱時
に一旦吸着したアルデヒド類が容易に脱離するというこ
となはい。本発明の吸着分解剤の使用温度は特に限定す
るものではなく、常温に近い温度での吸着と加熱再生を
繰り返す使用法以外にも、常時加熱しながら連続使用す
ることも可能である。ただし製造時の焼成温度を超える
温度で加熱すると吸着分解剤の特性が変化するため、焼
成温度以下での使用が好ましい。また加熱方法は特に限
定するものではなく、熱風、電熱、赤外線、電磁波等に
よる加熱の他、発熱可能な担体に担持して加熱すること
もできる。
【0026】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0027】(アセトアルデヒドの初期吸着容量評価)
体積0.25ccの吸着分解剤試料を、両側をグラスウ
ールで挟んで内径10mmφのガラスカラムに充填し
た。これにアセトアルデヒド10ppmを含む25℃、
60RH%の空気を400ml/minで連続的に流通
させた。試料の雰囲気温度も25℃とした。試料の入口
・出口側のガスを一定時間毎にサンプリングし、FID
付きガスクロマトグラフにてアセトアルデヒド濃度を測
定し、その比から除去率を算出した。この除去率が5%
以下になるまで流通、濃度測定を続けた。アセトアルデ
ヒド供給量(濃度、流量、温度から計算)に対する除去
率の曲線を積分することによりアセトアルデヒド吸着量
(mg)を求め、これを試料の重量で割ることにより、
吸着容量(mg/g)を算出した。
【0028】(吸着容量の回復率の評価)上記の初期吸
着容量評価後の試料について、加熱による再生処理を行
なった。具体的には、吸着後の試料にアセトアルデヒド
等を含まない60RH%の清浄空気を400ml/mi
nで連続的に流通させた状態で試料を昇温し、そのまま
120℃で1時間保持した。その後、再生処理後の試料
について、前記と同様の方法によりアセトアルデヒドの
吸着容量を評価し、初期吸着容量に対する再生処理後の
吸着容量の比から、吸着容量回復率を計算により求め
た。
【0029】(アセトアルデヒド脱離有無の判定)上記
の再生処理中、吸着したアセトアルデヒドが脱離するか
どうかを次のようにして調べた。試料通過後の再生ガス
全量をアセトアルデヒド捕集溶液(2,4−ジニトロフ
ェニルヒドラジンのリン酸溶液)を入れたガス吸収瓶に
通して濃縮した。1時間の再生処理終了後に捕集溶液を
分液漏斗に移し、これに一定量のクロロホルムを加えて
激しく振り混ぜ、静置後クロロホルム層を取り出してこ
れをガスクロマトグラフで分析した。試料通過後の再生
ガス中にアセトアルデヒドが含まれる場合、アセトアル
デヒド−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンのピーク
が観測され、アセトアルデヒドの脱離ありと判断した。
【0030】(比表面積の測定方法)窒素ガス吸着BE
T法による比表面積の測定は、島津製作所製ASAP2
010装置により行った。試料重量は0.2〜0.8g
程度とし、測定前の前処理として120℃で3時間減圧
乾燥した。測定窒素圧力はP/P0=0.05〜0.2
0の範囲で9点とした。
【0031】(実施例1)硫酸銅五水和物6gと硫酸コ
バルト七水和物22g、および硝酸ストロンチウム0.
6gを蒸留水500mlに溶解しA液とした。これとは
別に蓚酸二水和物6gを水200mlに溶解しB液とし
た。この仕込量で金属元素に対する蓚酸のモル比は約
0.5である。A液を室温にて攪拌しながら、20%炭
酸ナトリウム水溶液を前記金属塩溶液のpHが8.5に
なるまで滴下し、引き続きB液を徐々に加えた。その後
さらに20%炭酸ナトリウム水溶液を前記金属塩溶液の
pHが9になるまで滴下し沈殿物を得た。この状態で約
30分間攪拌を続けて沈殿物を熟成させた。その後沈殿
物を吸引濾過により分別し、次いで約70℃の温水約2
リットルで洗浄した。これを120℃で乾燥後、280
℃で3時間焼成した。得られた無機系化合物を粉砕して
実施例1の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定し
た比表面積は191m2/gであった。
【0032】(比較例1)実施例1において、硝酸スト
ロンチウム0.6gを添加しない以外は実施例1と全く
同様の手順により無機系化合物を作製し、これを比較例
1の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した比表
面積は185m2/gであった。
【0033】(比較例2)実施例1において、20%炭
酸ナトリウム水溶液の代わりに20%水酸化ナトリウム
水溶液を用いる以外は実施例1と全く同様の手順により
無機系化合物を作製し、これを比較例2の試料とした。
窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積は27m2
gであった。
【0034】(比較例3)実施例1において、沈殿物生
成工程において蓚酸を添加せず、20%炭酸ナトリウム
水溶液のみを加えて沈殿物を生成させた。溶液の最終p
H、その後の手順は実施例1と全く同様にして無機系化
合物を作製し、これを比較例3の試料とした。窒素ガス
吸着BET法で測定した比表面積は145m2/gであ
った。
【0035】(比較例4)実施例1において、B液を組
成を蓚酸二水和物25gを水400mlに溶解したもの
に変更した。この仕込量で金属元素に対する蓚酸のモル
比は約2である。これ以外は実施例1と全く同様にして
無機系化合物を作製し、これを比較例4の試料とした。
窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積は42m2
gであった。
【0036】(比較例5)硝酸銅五水和物2.4gと硝
酸コバルト七水和物9gを蒸留水30mlに溶解し金属
塩溶液とした。これを疎水性ゼオライト(シリカ/アル
ミナ比=400)6gに含浸し、120℃で乾燥、次い
で280℃で焼成した。こうして得られた銅・コバルト
酸化物担持疎水性ゼオライト(担持量21重量部)を比
較例5の試料とした。窒素ガス吸着BET法で測定した
比表面積は180m2/gであった。
【0037】これらの試料について、上述の方法でアセ
トアルデヒド初期吸着容量、再生処理後の吸着容量回復
率、およびアセトアルデヒド脱離の有無を評価した。実
施例1は初期吸着容量が大きく、かつ120℃の再生処
理により吸着能が回復することが確認された。再生処理
中にアセトアルデヒドの脱離が認められなかったことか
ら、吸着能の回復はアセトアルデヒドの分解によるもの
と判断できる。一方、比較例1、比較例2及び比較例4
は初期吸着容量がかなり小さく、そのため再生後の吸着
容量回復率を評価するには至らなかった。また比較例3
では実施例1に比べて比表面積が小さく、これにより初
期吸着容量が小さくなっている。実施例1と比較例3を
比べると、蓚酸添加効果が明らかである。比較例5は加
熱再生処理においてアセトアルデヒドの脱離が認められ
た。吸着したアセトアルデヒドが分解する前に昇温過程
において脱離したものと考えられる。
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上述べたように本発明のアルデヒド類
吸着分解剤は、低温かつ水蒸気存在下においてアルデヒ
ド類の吸着能に優れている。且つ吸着後に比較的低温で
加熱処理することにより、一旦吸着したアルデヒド類が
脱離することなく分解し、吸着能を回復することができ
る。したがって通常の生活空間のように水蒸気が存在
し、高温処理が困難な環境においても長期にわたって優
れた除去能を維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B01J 20/06 B01D 53/36 G Fターム(参考) 4C080 AA05 AA09 BB02 CC02 JJ03 KK08 MM02 QQ12 4D048 AA19 AB03 BA18X BA19X BA28X BA35X BA37X BA38X BA41X EA04 4G066 AA12B AA15B AA16B AA26B AA27B AA43D AA47A AA53A AB07D BA26 BA36 CA02 CA52 DA03 FA03 FA05 FA22 FA37 GA02 GA06 GA18 4G069 AA02 AA08 AA09 BB04A BB04B BB06A BB06B BC08A BC12B BC12C BC31A BC31B BC38A BC42B BC42C BC43B BC43C BC62A BC62B BC62C BC65A BC67B BC67C BC68B BC68C CA01 CA10 CA17 EC02X EC03X EC03Y EC04X EC05X FB09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表2a族及び3a族から選ばれる
    少なくとも1種の元素を含む無機系化合物からなるアル
    デヒド類吸着分解剤であって、前記元素の無機系化合物
    総量に対する含有量が酸化物換算で0.1重量%以上、
    10重量%以下であることを特徴とするアルデヒド類吸
    着分解剤。
  2. 【請求項2】 前記無機系化合物が少なくとも1種の遷
    移金属を含有することを特徴とする請求項1記載のアル
    デヒド類吸着分解剤。
  3. 【請求項3】 前記無機系化合物がマンガン、コバル
    ト、ニッケル、銅から選ばれる少なくとも1種の元素を
    含有することを特徴とする請求項1乃至2記載のいずれ
    かのアルデヒド類吸着分解剤。
  4. 【請求項4】 窒素ガス吸着BET法で測定される比表
    面積が50m2/g以上であることを特徴とする請求項
    1乃至3記載のいずれかのアルデヒド類吸着分解剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のアルデヒド類吸着
    分解剤のいずれかが搭載されたことを特徴とする空気浄
    化フィルタおよび/または空気清浄機。
  6. 【請求項6】 無機系化合物からなるアルデヒド類吸着
    分解剤の製造方法であって、周期律表2a族及び3a族
    から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属塩混合溶
    液から、アルカリと酸をともに用いて沈殿物を生成し、
    これを溶液と分離し、さらに酸化処理を行なうことを特
    徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】 前記製造方法におけるアルカリが、炭酸
    化合物であることを特徴とする請求項6記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記製造方法における酸が、蓚酸である
    ことを特徴とする請求項6乃至7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記製造方法における蓚酸の添加量が、
    モル比で原料金属量に対して0.1以上1.0以下であ
    ることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008029689A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Toyobo Co Ltd アルデヒド類ガス除去フィルター
JP2017086977A (ja) * 2013-07-25 2017-05-25 三菱電機株式会社 脱臭装置
JP2018103386A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 大日本印刷株式会社 臭気吸着性能を有する積層体およびそれを用いた包装袋

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