JP4186419B2 - ポリオレフィン樹脂組成物、二軸延伸フィルムおよび包装材 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物、二軸延伸フィルムおよび包装材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機微粉末および脂肪族ジエタノールアミンを含むポリオレフィン樹脂組成物、それからなる二軸延伸フィルムならびに包装材、特にアンチブロッキング性および光学特性に優れたフィルムを得ることができるポリオレフィン樹脂組成物、それからなる二軸延伸フィルムならびに包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン樹脂からなるフィルムのうち特にポリプロピレン二軸延伸フィルムは、耐熱性、表面光沢、強度および剛性などに優れており、包装用素材として広く用いられている。
【0003】
従来、フィルム、特に二軸延伸フィルムに用いられているポリプロピレン樹脂に代表されるポリオレフィン樹脂は、フィルム成形で巻き取った直後のフィルムが余熱で密着したり、袋にした場合にはその口開性が悪化して包装の作業性を低下させるなど、いわゆるブロッキングを生じる場合がある。このようなブロッキングを防止する目的で、ポリプロピレン樹脂には無機微粉末などのアンチブロッキング剤が配合されている。
【0004】
しかし、無機微粉末は表面積が大きく表面活性が高いため分散性が悪く、樹脂中に分散させにくい。特にポリオレフィン樹脂には分散させにくく、無機微粉末が凝集してフィッシュアイとなり、フィルム外観を悪化させる場合があるという問題点がある。
【0005】
アンチブロッキング剤の粒径を大きくすれば分散性は改善されるが、フィルムの透明性が低下するほか、表面平滑性が損なわれ、またアンチブロッキング性も不十分になる。
【0006】
従来、ポリオレフィン樹脂中への無機微粉末の分散性を改善するため分散剤が検討されてきたが、従来のポリオレフィン樹脂組成物における分散性の改善は不十分である。しかも、分散剤を配合したポリオレフィン樹脂組成物からなるフィルムにアルミニウムなどの金属を真空蒸着する場合、分散剤が真空蒸着機内で蒸発し、フィルムへの金属の蒸着性を低下させるという問題点もある。
【0007】
従って、アンチブロッキング剤の分散性が改善され、アンチブロッキング性および外観などに優れたフィルムを得ることができるとともに、金属の真空蒸着性を損なわないポリオレフィン樹脂組成物が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アンチブロッキング性、透明性、外観および光沢に優れるとともに、金属の真空蒸着性を損なわないフィルムを得ることができるポリオレフィン樹脂組成物、それからなる二軸延伸フィルムおよび包装材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のポリオレフィン樹脂組成物、二軸延伸フィルムおよび包装材である。
(1) (A)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
(B)無機微粉末を0.01〜5重量部、および
(C)脂肪族ジエタノールアミンを0.002〜0.2重量部
の割合で含み、
無機微粉末(B)と脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合割合が無機微粉末(B):脂肪族ジエタノールアミン(C)の重量比で5:1〜50:1である
ポリオレフィン樹脂組成物。
(2) ポリオレフィン樹脂(A)がポリプロピレン樹脂である上記(1)記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(3)ポリプロピレン樹脂がプロピレン単独重合体またはプロピレン・エチレンランダム共重合体である上記(2)記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(4) ポリプロピレン樹脂が、ASTM D 1238の方法により230℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分のポリプロピレン樹脂である上記(2)または(3)記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(5) 無機微粉末(B)が酸化ケイ素、アルミナシリケートおよび合成ゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(6) 無機微粉末(B)の平均粒子径が0.1〜10μmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(7) 脂肪族ジエタノールアミン(C)がステアリルジエタノールアミンまたはラウリルジエタノールアミンである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(8) フィルム用である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物を原料とする二軸延伸フィルム。
(10) 上記(9)記載の二軸延伸フィルムからなる包装材。
【0010】
ポリオレフィン樹脂(A)
本発明で使用するポリオレフィン樹脂(A)はα−オレフィンを主成分とする単独重合体、ランダム共重合体またはブロック共重合体が制限なく使用できるが、結晶性ポリオレフィン樹脂が好ましい。上記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセンなどの炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンがあげられる。これらのα−オレフィンは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0011】
ポリオレフィン樹脂(A)の具体的なものとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ1−ブテン樹脂、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などがあげられる。これらの中では、機械的強度、成形性、透明性、金属の真空蒸着性が優れているので、ポリプロピレン樹脂(以下、ポリプロピレン樹脂(A)と記載する場合がある)が好ましい。
【0012】
ポリプロピレン樹脂(A)としてはプロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体など公知のポリプロピレン樹脂が使用できる。共重合体の場合、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。上記α−オレフィンとしては前記と同じ炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンがあげられる。
ポリプロピレン樹脂(A)としては結晶性ポリプロピレン樹脂、具体的にはプロピレン単独重合体およびプロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましく、特にプロピレン単独重合体が好ましい。
【0013】
ポリプロピレン樹脂(A)としてはASTM D 1238の方法により230℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分のものが望ましい。MFRが0.1〜10g/10分の場合、二軸延伸フィルムを製造する際の延伸前工程のシートの成形性が良好である。
【0014】
またポリプロピレン樹脂(A)としては13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が75%以上、好ましくは75%〜99%のものが望ましい。アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が75%以上の場合、剛性の高いフィルムが得られる。
【0015】
前記アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン樹脂分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖であり、プロピレンモノマー単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。実際には、13C−NMRスペクトルで測定されるメチル炭素領域の全吸収ピーク中に、mmmmピークが占める分率として求めることができる。
【0016】
ポリプロピレン樹脂(A)などのポリオレフィン樹脂(A)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0017】
本発明で使用するポリプロピレン樹脂(A)などのポリオレフィン樹脂(A)は公知の方法で製造することができる。例えば、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含む固体触媒成分(a)、有機アルミニウム(b)および電子供与体(c)からなる触媒系の存在下に、単量体を重合することにより製造することができる。
【0018】
無機微粉末(B)
本発明で使用する無機微粉末(B)はアンチブロッキング剤として配合するものであり、公知の無機化合物の微粉末が制限なく使用できる。無機微粉末(B)の具体的なものとしては、酸化ケイ素、アルミナシリケート、合成ゼオライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、炭酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどがあげられる。これらの中ではアンチブロッキング効果が最も優れ、かつフィルムの光学的特性に及ぼす影響の小さい酸化ケイ素、アルミナシリケートおよび合成ゼオライトが好ましく、特に酸化ケイ素が好ましい。
【0019】
無機微粉末(B)の配合量は前記ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜1重量部、さらに好ましくは0.1〜0.5重量部の割合である。無機微粉末(B)の配合量が0.01〜5重量であるので、本発明のポリオレフィン樹脂組成物からなるフィルムに対してアンチブロッキング効果が発揮されるとともに、フィルムの光学特性および物性は損なわない。
【0020】
無機微粉末(B)の平均粒子径は0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは0.3〜3μmであるのが望ましい。平均粒子径が0.1〜10μmにある場合、アンチブロッキング効果に優れるとともに、フィルムの機械的強度および透明性を低下させない。
【0021】
無機微粉末(B)は、本発明のポリオレフィン樹脂組成物からなるフィルムにおいて、一部がフィルムの表面に存在して、成形時にフィルムに凹凸を形成せしめることにより、アンチブロッキング効果を発揮する。
【0022】
無機微粉末(B)は市販品を使用することもできる。
無機微粉末(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0023】
脂肪族ジエタノールアミン(C)
本発明で使用する脂肪族ジエタノールアミン(C)は無機微粉末(B)の分散剤として配合するものであり、公知の脂肪族ジエタノールアミンが使用できる。具体的なものとして、下記式(1)で表される脂肪族ジエタノールアミン(C)があげられる。
【0024】
【化1】
Figure 0004186419
(式(1)中、R1は炭素数12〜20のアルキル基である。)
【0025】
前記式(1)のR1で示されるアルキル基の具体的なものとしては、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、エイコシル基などがあげられる。これらの中ではステアリル基およびラウリル基が好ましく、特にステアリル基が好ましい。
【0026】
前記式(1)で表される脂肪族ジエタノールアミン(C)の具体的なものとしては、ドデシルジエタノールアミン(ラウリルジエタノールアミン)、トリデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン(ミリスチルジエタノールアミン)、ペンタデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン(パルミチルジエタノールアミン)、ヘプタデシルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン(ステアリルジエタノールアミン)、ノナデシルジエタノールアミン、エイコシルジエタノールアミンなどがあげられる。これらの中ではステアリルジエタノールアミンおよびラウリルジエタノールアミンが好ましく、特にステアリルジエタノールアミンが好ましい。
【0027】
脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合量はポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.002〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.15重量部、さらに好ましくは0.02〜0.1重量部である。脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合量が0.002〜0.2重量部であるので、無機微粉末(B)を容易に均一に分散させることができ、かつポリオレフィン樹脂(A)の物性に影響を及ぼさない。
【0028】
無機微粉末(B)と脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合割合は無機微粉末(B):脂肪族ジエタノールアミン(C)の重量比で5:1〜50:1、好ましくは8:1〜20:1である。無機微粉末(B)と脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合割合が重量比で5:1〜50:1である場合、無機微粉末(B)の分散性が良好で、かつ金属の真空蒸着性を損ないにくい。
【0029】
脂肪族ジエタノールアミン(C)は市販品を使用することもできる。
脂肪族ジエタノールアミン(C)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0030】
従来、脂肪族ジエタノールアミンは帯電防止剤としてポリオレフィン樹脂に配合されることはあるが、無機微粉末の分散剤として配合されたことはない。
【0031】
ポリオレフィン樹脂組成物
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(A)、無機微粉末(B)および脂肪族ジエタノールアミン(C)を必須成分として含むものであるが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて脂肪族ジエタノールアミン(C)以外の公知の帯電防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどの添加剤を配合することができる。
【0032】
前記帯電防止剤としては脂肪族ジエタノールアミン(C)以外の公知の帯電防止剤を使用することができる。帯電防止剤の具体的なものとしては、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪族ジエタノールアミン脂肪酸エステル、脂肪族ジエタノールアミド、アルキルベタインなどがあげらる。なお、これらの帯電防止剤を脂肪族ジエタノールアミン(C)の代わりに配合しても、無機微粉末(B)の分散効果を得ることはできない。
【0033】
脂肪族ジエタノールアミン(C)以外の帯電防止剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.2重量部以下、好ましくは0.1重量部以下であるのが望ましい。帯電防止剤の配合量が0.2重量部を超える場合、金属の真空蒸着性を損なう場合がある。
帯電防止剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0034】
前記酸化防止剤としては公知の酸化防止剤が使用できる。具体的なものとしては、ヒンダードフェノール化合物、イオウ系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物などがあげられる。酸化防止剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。酸化防止剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部であるのが望ましい。
【0035】
前記滑剤としては、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩などがあげられる。滑剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。滑剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部であるのが望ましい。
【0036】
前記スリップ剤としては、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のアミド、あるいは飽和または不飽和脂肪酸のビスアマイドなどがあげられる。これらの中ではエルカ酸アミドおよびエチレンビスステアロアマイドが好ましい。スリップ剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量部であるのが望ましい。
【0037】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は無機微粉末(B)が凝集することなく均一に分散しているので、アンチブロッキング性に優れるとともに、透明性、外観および光沢などの光学特性に優れたフィルムを得ることができる。しかも、フィルムに金属を真空蒸着する場合、添加剤が真空蒸着機内で蒸発して真空蒸着性を低下させることはない。このため本発明のポリオレフィン樹脂組成物はフィルムの原料、特に二軸延伸フィルムの原料として好適に使用することができる。
【0038】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法で製造することができる。例えば、各成分を前記割合となるようにヘンシェルミキサーまたはタンブラーミキサーなどにより混合し、一軸または二軸押出機などで溶融混練することにより製造することができる。
【0039】
二軸延伸フィルム
本発明の二軸延伸フィルムは前記本発明のポリオレフィン樹脂組成物を原料とする二軸延伸フィルムである。延伸倍率は特に制限されないが、縦方向が通常2〜6倍、横方向が通常3〜10倍である。またフィルムの厚さは特に制限されないが、通常10μm〜80μmである。
【0040】
本発明の二軸延伸フィルムは単層で使用することもできるし、他の樹脂または金属などを積層した積層体として使用することもできる。積層体の場合、本発明の二軸延伸フィルムを外層側に用いるのが好ましい。
【0041】
本発明の二軸延伸フィルムは金属を真空蒸着するための減圧下で揮発する成分が少ないので、金属の真空蒸着性は損なわれず、蒸着適性に優れている。従って、その特性を生かして食品包装、繊維包装などの包装材の用途に好適に利用することができる。
【0042】
本発明の二軸延伸フィルムは公知の方法で製造することができる。例えば、まず前記本発明のポリオレフィン樹脂組成物を押出機で溶融した後、Tダイより押し出し、冷却ロールによりシート状に冷却固化する。次いで、このシートを多数の加熱ロールにより縦方向に予熱、延伸し、続いて予熱部、延伸部および熱処理部からなる加熱炉により横方向に延伸し、必要に応じてコロナ処理などを実施して巻き取ることにより製造することができる。
【0043】
本発明の包装材は前記本発明の二軸延伸フィルムからなる包装材であり、例えば食品包装、繊維包装などの包装材として好適に利用することができる。具体的には、カップ麺、菓子、野菜包装等の食品包装;Yシャツ、Tシャツ、パンティーストッキング等の繊維包装などの包装材として好適に利用することができる。またフィルムに金属蒸着を施した場合は、特に防湿性、酸素バリア性を必要とするポテトチップス等の食品の包装に好適に利用することができる。
【0044】
本発明の包装材はアンチブロッキング性に優れているので、袋状の包装材として使用する場合、口開性に優れ、包装作業を効率よく行うことができる。また本発明の包装材は透明性に優れているので、包装後にも被包装物を視認することができる。さらに本発明の包装材は外観および光沢に優れているので、商品価値を高く維持することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、無機微粉末および脂肪族ジエタノールアミンを特定量含んでいるので、アンチブロッキング性、透明性、外観および光沢に優れるとともに、金属の真空蒸着性を損なわないフィルムを得ることができる。
本発明の二軸延伸フィルムは上記ポリオレフィン樹脂組成物を原料としているので、アンチブロッキング性、透明性、外観および光沢に優れるとともに、金属の真空蒸着性は損なわれない。
本発明の包装材は上記二軸延伸フィルムからなっているので、アンチブロッキング性、透明性、外観および光沢に優れているため、包装作業を効率よく行うことができ、しかも包装後は被包装物を視認することができるとともに、商品価値を高く維持することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について説明する。各実施例で使用した原料は次の通りである。
・ポリプロピレン樹脂(A−1)
プロピレン単独重合体
MFR(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)=2g/10分
アイソタクチックペンタッド分率=93%
密度=0.904g/cm3
【0047】
・酸化ケイ素(B−1)
平均粒子径=3μm
ミズカシルP527、水沢化学社製、商標
・ステアリルジエタノールアミン(C−1)
アーモスタット310、(株)ライオン製、商標
【0048】
実施例1
前記ポリプロピレン樹脂(A−1)100重量部、前記酸化ケイ素(B−1)0.3重量部、前記ステアリルジエタノールアミン(C−1)0.03重量部、酸化防止剤としてテトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン(イルガノックス1010、日本チバガイギー社製、商標)0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部をヘンシェルミキサーで混合し、その後二軸押出機(65mmφ)に投入し、200℃でスクリュー回転数200rpmで混練し、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを得た。
【0049】
上記ポリプロピレン樹脂組成物のペレットをスクリュー押出機を用いて溶融し、マルチマニホールド型多層Tダイから樹脂温度250℃、冷却ロール温度50℃で押し出し、厚さ1mmのポリプロピレン樹脂シートを得た。このシートを縦方向に5倍、135℃に加熱した延伸ロールで延伸し、次いで160℃の熱風を循環させたテンター内で横方向に10倍延伸し、170℃で5秒間固定して二軸延伸フィルムを得た。
【0050】
上記二軸延伸フィルムから試験片を採取し、フィルムに発生した白点数(無機微粉末の凝集体で、目視で確認可能な異物の数)を数えた。またアルミニウムの蒸着性を評価した。結果を表1に示す。
【0051】
実施例2および実施例3
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(C−1)の配合量を表1に示す割合に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0052】
実施例4
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(C−1)の代わりにラウリルジエタノールアミン(C−2)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0053】
比較例1
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(C−1)を配合しなかった以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0054】
比較例2
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(C−1)の配合量を0.25重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0055】
比較例3
実施例1において、ステアリルジエタノールアミン(C−1)の代わりにステアリルモノグリセリドを使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004186419
【0057】
表1の注
*1 ステアリルジEA:ステアリルジエタノールアミン
*2 ラウリルジEA:ラウリルジエタノールアミン
*3 ステアリルジEAMS:ステアリルジエタノールアミンモノグリセリド
*4 酸化防止剤:テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
*5 アルミニウム蒸着性:
○:良好(蒸着強度が高い)
△:やや良好
×:不良(蒸着強度が低い)
【0058】
表1の結果からわかるように、無機微粉末および脂肪族ジエタノールアミンを特定量配合した実施例1〜実施例4はいずれも白点数およびアルミニウム蒸着性に優れている。
これに対して、脂肪族ジエタノールアミンを配合しない比較例1は白点数が多く分散性に劣り、脂肪族ジエタノールアミンの配合量が多い比較例2はアルミニウム蒸着性に劣っている。比較例3は比較例1に比べて白点数は少ないが、実施例と比べると白点数は多い。

Claims (10)

  1. (A)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
    (B)無機微粉末を0.01〜5重量部、および
    (C)脂肪族ジエタノールアミンを0.002〜0.2重量部
    の割合で含み、
    無機微粉末(B)と脂肪族ジエタノールアミン(C)の配合割合が無機微粉末(B):脂肪族ジエタノールアミン(C)の重量比で5:1〜50:1である
    ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. ポリオレフィン樹脂(A)がポリプロピレン樹脂である請求項記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. ポリプロピレン樹脂がプロピレン単独重合体またはプロピレン・エチレンランダム共重合体である請求項記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. ポリプロピレン樹脂が、ASTM D 1238の方法により230℃、2.16kg荷重の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分のポリプロピレン樹脂である請求項または記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 無機微粉末(B)が酸化ケイ素、アルミナシリケートおよび合成ゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないしのいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 無機微粉末(B)の平均粒子径が0.1〜10μmである請求項1ないしのいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  7. 脂肪族ジエタノールアミン(C)がステアリルジエタノールアミンまたはラウリルジエタノールアミンである請求項1ないしのいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  8. フィルム用である請求項1ないしのいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物を原料とする二軸延伸フィルム。
  10. 請求項記載の二軸延伸フィルムからなる包装材。
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