JP4186285B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遷移金属化合物、変性粘土化合物、有機アルミニウム化合物およびルイス塩基性化合物からなるオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンの重合によりポリオレフィンを製造する方法として、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物の組み合わせからなる触媒系を用いることは、すでに知られている。また、カミンスキーらは、メタロセン化合物とメチルアルミノキサンを用いた触媒が、プロピレンを含むオレフィン重合体を製造する際に、高い活性を示すことを特開昭58−19309号公報などに記載している。
【0003】
しかしながら、ここで開示されている触媒系は重合活性には優れるが、触媒系が反応系に可溶性であるために、溶液重合系を採用することが多く、製造プロセスが限定されるばかりか、工業的に有用な物性を示すポリマーを製造するためには、比較的高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要がある。このため、これら触媒系を用いた場合、コスト的な問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する問題等があった。
【0004】
一方、前述の可溶性触媒系をシリカなどの無機酸化物担体に担持させた触媒系が、特開昭60−35006号公報などに開示されている。しかしながら、これらに記載された方法に従ってオレフィンを重合してもメチルアルミノキサンあたりの重合活性は十分でなかった。
【0005】
これらを改善する方法として、例えば特開平4−8704号公報、特開平4−11604号公報、特開平4−213305号公報には、少量のメチルアルミノキサンで予備重合せしめた触媒系を用いて気相重合を行うと優れた重合活性で粒子性状が良好な重合体が得られることが開示されている。しかしながら、メチルアルミノキサンの使用量は少ないものの重合活性はいまだに満足すべきものとはいえず、触媒系の高活性化が望まれていた。
【0006】
また、特開平1−503788号公報には、遷移金属化合物およびアルミノキサンを触媒に用いた高圧高温法によるエチレン/α−オレフィン重合体の製造方法が記載されている。しかし、これらの触媒を産業上大規模に使用することに関しては、前記のようにメチルアルミノキサンを再現性ある形態で合成することが困難である点と、メチルアルミノキサンは高価であるにも拘わらず、十分な活性を得るためには遷移金属化合物に対するメチルアルミノキサンの使用比率を著しく高くしなければならない点が問題点として挙げられる。
【0007】
最近、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物を用いない新しい助触媒が検討されてきており、例えば特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報には、特殊なホウ素化合物が有効な助触媒になることが開示されている。しかし、これらのホウ素化合物は非常に複雑な化合物であり、コストの問題を解消するには至っていない。
【0008】
また、特開平5−301917号公報、特開平7−309907号公報などには、安価な粘土、もしくは無機塩類で処理した粘土などを用いた触媒系が開示されている。しかしながら、これらの触媒系でのオレフィン重合活性は十分とはいえなかった。
【0009】
さらに、特開平7−224106号公報では、粘土鉱物の表面負電荷を積極的に助触媒として利用することを目的として、粘土と有機カチオンとを反応させてなる層間カチオン変性粘土を用いることで高活性な触媒系を得ている。
【0010】
しかし、これらの方法によるオレフィン重合を行った際に、副生成物として低結晶性成分が生成する場合がある。低結晶成分は、得られたオレフィン重合体をラミネート加工した際に、シール強度や印刷剥離強度を低下する物質として問題となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、オレフィン重合において高価な有機アルミニウムオキシ化合物あるいはホウ素化合物を使用することなく、さらには低結晶性成分の生成が抑制されたオレフィン重合用触媒を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、粘土鉱物をその層間にカチオン導入可能な化合物で処理した変性粘土化合物、遷移金属化合物、有機アルミニウム化合物およびルイス塩基性化合物からなるオレフィン重合用触媒を用いることにより、高品質なポリオレフィンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、遷移金属化合物(a)、粘土鉱物(b−1)と周期表15または16族の元素を含んでなるオニウム化合物(b−2)とを反応させた変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒、およびこの触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0014】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】
遷移金属化合物(a)としては、下記一般式(1)または(2)
【0016】
【化12】
【0017】
[式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、R1,R2は各々独立して下記一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)
【0018】
【化13】
【0019】
(式中、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3,R4は各々独立して下記一般式(9)、(10)、(11)、(12)、(13)または(14)
【0020】
【化14】
【0021】
(式中、R7は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R5は下記一般式(15)または(16)
【0022】
【化15】
【0023】
(式中、R8は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M2は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R3およびR4を架橋するように作用しており、mは1〜5の整数であり、m≧2の時R5は同じでも異なっていてもよい。]
で表される周期表4族の遷移金属化合物、下記一般式(17)、(18)、(19)または(20)
【0024】
【化16】
【0025】
[式中、M3は各々独立してチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Zは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、Lはルイス塩基であり、wはルイス塩基Lの数を示しており0≦w≦3であり、JR9 n-1,JR9 n-2はヘテロ原子配位子であり、Jは配位数が3である周期表15族元素または配位数が2である周期表16族元素であり、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、nは元素Jの配位数であり、R10は下記一般式(21)、(22)、(23)、(24)、(25)または(26)
【0026】
【化17】
【0027】
(式中、R13は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R11は下記一般式(27)、(28)、(29)、(30)、(31)または(32)
【0028】
【化18】
【0029】
(式中、R14は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R12は下記一般式(33)または(34)
【0030】
【化19】
【0031】
(式中、R15は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M4は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R11およびJR9 n-2を架橋するように作用しており、rは1〜5の整数であり、r≧2の時R12は同じでも異なっていてもよい。]
で表される周期表4族の遷移金属化合物であることが好適である。
【0032】
前記一般式(1)または(2)で表される化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0033】
前記一般式(17)、(18)、(19)または(20)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドチタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルt−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルトリメチルシランジイルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルt−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルt−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0034】
なお、本発明における遷移金属化合物(a)は、触媒成分として用いる際、2種類以上の遷移金属化合物を用いて重合を行うことも可能である。
【0035】
本発明で用いられる変性粘土化合物(b)は、下記(b−1)と(b−2)との反応生成物である。
【0036】
(b−1)粘土鉱物
(b−2)周期表15または16族の元素を含んでなるオニウム化合物
粘土鉱物(b−1)は、一般にはケイ素のイオンに酸素イオンが配位してできる四面体と、アルミニウム、マグネシウムまたは鉄等のイオンに酸素または水酸化物のイオンが配位してできる八面体とから構成される無機高分子化合物であり、多くの粘土鉱物の骨格構造は電気的に中性ではなく、表面に正または負の電荷を帯びている。この負電荷を補償するために層間にカチオンを有するが、この層間カチオンは他のカチオンとイオン交換が可能である。このため層間カチオンの量はカチオン交換容量(CEC)と呼ばれ、粘土100グラムあたりのミリ当量数(meq)によって表される。CECは粘土によって異なるが、粘土ハンドブック第二版(日本粘土学会編、技報堂出版株式会社発行)によれば、カオリナイト:3〜15meq/100g、ハロイサイト:5〜40meq/100g、モンモリロナイト:80〜150meq/100g、イライト:10〜40meq/100g、バーミキュライト:100〜150meq/100g、縁泥石:10〜40meq/100g、セピオライト・アタパルジャイト:20〜30meq/100gである。本発明において用いられる粘土鉱物(b−1)は、粘土鉱物の表面が負電荷を帯びており、カチオン交換能を有する粘土鉱物である。具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリン鉱物;モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト、テニオライト、ソーコナイト等のスメクタイト族;白雲母、パラゴナイト、イライト等の雲母族;バーミキュライト族;マーガライト、クリントナイト等の脆雲母族;ドンバサイト、クッケアイト、クリノクロア等の縁泥石族;セピオライト・パリゴルスカイトなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることもできる。本発明においては、ここに示した天然の粘土鉱物および人工合成により得られる粘土鉱物が使用可能である。
【0037】
周期表15または16族の元素を含んでなるオニウム化合物(b−2)としては、次の一般式(38)で示される元素の孤立電子対にプロトンが配位結合してなるオニウム化合物が用いられる。
【0038】
[R15nGH]+[A]- (38)
式中、Gは周期表の15族または16族から選ばれる元素であり、具体的にはGが窒素原子であるアンモニウム化合物、リン原子であるホスホニウム化合物、酸素原子であるオキソニウム化合物またはイオウ原子であるスルホニウム化合物である。R15は同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を含む置換基である。具体的な炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどの炭素数1〜20のアルケニル基;フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビフェニル、ナフチルなどの炭素数6〜20のアリール基、ベンジル、フェニルエチルなどの炭素数7〜20のアリールアルキル基が例示される。少なくとも1つのR15は炭素数1〜20の炭化水素基であり、各々のR15は互いに結合していてもよい。Gが15族のときにはn=3であり、Gが16族のときにはn=2である。[A]-は対アニオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化イオンあるいは硫酸イオン等の無機アニオンが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
上記化合物のうち、Gが窒素原子、[A]-が塩素イオンに関して、具体的にはメチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩等の脂肪族第一アミンの塩酸塩;ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアミルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩等の脂肪族第二アミンの塩酸塩;トリメチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、トリアミルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩等の脂肪族第三アミンの塩酸塩;アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、ベンジルアミン塩酸塩、ジベンジルアミン塩酸塩、トリベンジルアミン塩酸塩、N−ベンジル−N−エチルアニリン塩酸塩、ジフェニルアミン塩酸塩、α−ナフチルアミン塩酸塩、β−ナフチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン塩酸塩、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩、あるいは上記アンモニウム化合物の[A]-が塩素イオンに代わってフッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンまたは硫酸イオン等で示される、アミン化合物のフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩が例示されるが、これらに限定されるものではない。Gがリン原子、[A]-が臭素イオンに関して、具体的にはトリフェニルホスフィンヒドロブロマイド、トリ(o−トリル)ホスフィンヒドロブロマイド、トリ(p−トリル)ホスフィンヒドロブロマイド、トリ(メシチル)ホスフィンヒドロブロマイド等のホスホニウム化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。Gが酸素原子、[A]-が塩素イオンに関して、具体的にはメチルエーテルの塩酸塩、エチルエーテルの塩酸塩、フェニルエーテルの塩酸塩等のオキソニウム化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。その他にGがイオウ原子であるスルホニウム化合物が例示される。
【0040】
粘土鉱物(b−1)と反応せしめるオニウム化合物(b−2)は、予め単離したものを用いてもよいし、粘土鉱物(b−1)と反応させる際に用いる反応溶媒中において、アミン化合物、ホスフィン化合物、エーテル化合物、スルフィド化合物等のヘテロ原子を含む化合物と、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸あるいは硫酸等のプロトン酸とを接触させたものをそのまま用いてもよい。
【0041】
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述した粘土鉱物(b−1)をオニウム化合物(b−2)で変性した変性粘土化合物(b)を構成成分とする。ここでの変性とは、粘土鉱物(b−1)中に存在する金属イオンの交換性カチオンが、オニウム化合物(b−2)のプロトン酸塩の有機カチオン成分と交換されることであり、変性粘土化合物とはその結果得られた粘土−有機イオン複合体のことを意味する。この変性の際の(b−1)と(b−2)のプロトン酸塩との反応条件は特に制限はなく、また(b−1)と(b−2)のプロトン酸塩の反応量比についても特に制限はないが、(b−1)中に存在するカチオンに対して0.5当量以上の(b−2)のプロトン酸塩と反応させることが好ましく、触媒の高活性化のためには当量以上がさらに好ましい。上述した粘土鉱物(b−1)は、1種類を単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよく、オニウム化合物(b−2)も1種類を単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよい。また、この時用いる反応溶媒としては、水もしくは極性を有する有機溶媒、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン等が例示され、これらの溶媒は単独もしくは混合溶媒として用いることができる。これらのうち、水もしくはアルコールが好ましく用いられる。
【0042】
また、本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(c)は、次の一般式(36)で表される。
【0043】
【化20】
【0044】
[式中、R19は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、その中の少なくとも一つが炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。]
これらの具体的な例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−i−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化ジアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−t−ブチルアルミニウムクロライド、ジアミルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、t−ブチルアルミニウムジクロライド、アミルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドが例示されるが、これらに限定されるものではない。このうち、好ましくはトリアルキルアルミニウムである。
【0045】
また、本発明で触媒成分として用いられるルイス塩基性化合物(d)の具体的な化合物としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、3−エチルヘキシルアセタート、3−メトキシブチルアセタート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル、ケイ皮酸エチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、トリアセチン等のエステル類、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トルイジン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、キノリン、イソキノリン等のアミン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ベラトロール、1,2−エポキシプロパン、ジオキサン、トリオキサン、フラン、2,5−ジメチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、クラウンエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ペントキシシラン、テトラ−n−ヘキソキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ノルボニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、4−クロロトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、i−ペンチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−n−ヘキソキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−プロピルエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、i−プロピルメチルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、n−プロピル−i−プロピルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、n−ブチル−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、i−ブチルメチルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、sec−ブチルエチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、t−ブチル−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジイソアミルジメトキシシラン、n−ヘキシル−n−プロピルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、ノルボニルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、sec−ブチルメチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−プロポキシシラン、トリメチル−t−ブトキシシラン、トリメチル−i−ブトキシシラン、トリメチル−n−ブトキシシラン、トリメチル−n−ペントキシシラン、トリメチルフェノキシシラン等のシリルエーテル類、メチルフォスフィン、エチルフォスフィン、フェニルフォスフィン、ベンジルフォスフィン、ジメチルフォスフィン、ジエチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン、メチルフェニルフォスフィン、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、エチルベンジルフェニルフォスフィン、エチルベンジルブチルフォスフィン、トリメトキシフォスフィン、ジエチルエトキシフォスフィン等のフォスフィン類、トリフェニルフォスフィンオキシド、ジメチルエトキシフォスフィンオキシド、トリエトキシフォスフィンオキシド等のフォスフィンオキシド類、アクリロニトリル、シクロヘキサンジニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ジニトロベンゼン等のニトロ化合物類、アセトンジメチルアセタール、アセトフェノンジメチルアセタール、ベンゾフェノンジメチルアセタール、シクロヘキサノンジメチルアセタール等のアセタール類、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン等の炭酸エステル類、1−エトキシ−1−メチルチオシクロペンタン等のチオアセタール類、シクロヘキサンチオン等のチオケトン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
上記した遷移金属化合物(a)、変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)からなる4成分を接触させてオレフィン重合用触媒とするが、この際の触媒構成成分の添加方法あるいは添加順序は特に限定されないが、添加順序は以下のように行うことができる。
【0047】
(1)遷移金属化合物(a)と変性粘土化合物(b)を接触させた後に、有機アルミニウム化合物(c)を加えて、最後にルイス塩基性化合物(d)を加える。
【0048】
(2)変性粘土化合物(b)と有機アルミニウム化合物(c)を接触させた後に、遷移金属化合物(a)を加えて、最後にルイス塩基性化合物(d)を加える。
【0049】
(3)変性粘土化合物(b)と有機アルミニウム化合物(c)とを接触させた後に、遷移金属化合物(a)と有機アルミニウム化合物(c)との接触混合物を添加して、最後にルイス塩基性化合物(d)を加える。
【0050】
(4)遷移金属化合物(a)、変性粘土化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)の3成分を同時に接触させた後に、ルイス塩基性化合物(d)を加える。
【0051】
(5)変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)の3成分を同時に接触させた後に、遷移金属化合物(a)を加える。
【0052】
(6)変性粘土化合物(b)にルイス塩基性化合物(d)を接触させた後に有機アルミニウム化合物(c)を加え、そこへ遷移金属化合物(a)と有機アルミニウム化合物(c)の接触混合物を加える。
【0053】
(7)変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)の3成分を同時に接触させた後に、遷移金属化合物(a)と有機アルミニウム化合物(c)の接触混合物を加える。
【0054】
(8)4成分同時に接触させる。
【0055】
また、上記4成分の接触は不活性ガス雰囲気下、各成分に関して不活性な溶媒中で行われる。具体的にはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素化合物あるいはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を例示することができる。上記の有機溶媒の他に、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン含有化合物を使用することも可能である。接触の際の温度は、−50℃から溶媒の沸点の範囲を用いることができる。好ましくは室温以上溶媒の沸点以下の範囲である。
【0056】
また、触媒系において遷移金属化合物(a)に対する変性粘土化合物(b)の量は、遷移金属化合物(a)が反応するのに十分な量の変性粘土化合物(b)の量であれば特に制限はないが、遷移金属化合物(a)に対する変性粘土化合物(b)中のカチオン量が1〜10000倍モルが好ましい。1倍モル未満だと十分な活性が得られず、10000倍モルを越えると触媒成分当たりの活性が低くなり、ポリマー中の灰分除去の必要性が生じる。また、有機アルミニウム化合物(c)の量は特に限定されないが、好ましくは遷移金属化合物(a)の100000倍モル以下であり、これを越える量であると脱灰の工程を考慮する必要が生じる。触媒の安定化および触媒毒の排除の観点を考えあわせると有機アルミニウム化合物(c)を1〜10000倍モルの範囲で使用することが好ましい。さらに、遷移金属化合物(a)に対するルイス塩基性化合物(d)の量は特に限定されないが、0.01〜1000倍モルが好ましい。0.01倍モル未満だと十分な効果が得られず、重合反応を阻害しない点で1000倍モル以下が好ましい。
【0057】
本発明におけるオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合は、通常の重合方法、すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重合、塊状重合のいずれにも使用できる。重合時、溶媒を用いるときは、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン等が挙げられ、また、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどの重合時に供されるオレフィンそれ自身を溶媒として用いることもできる。
【0058】
本発明において重合に供されるオレフィンはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、スチレン等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン、シクロブテン等の環状オレフィン等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また重合を行う際、これらのうちの1種を用いた単独重合、さらには2種以上用いた共重合を行うこともできる。
【0059】
本発明の方法を用いてポリオレフィンを製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100(溶液プロセスにおいてはポリマーの融点以上)〜300℃、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は0.5〜3500kg/cm2Gの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるポリオレフィンは、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0061】
なお、重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
【0062】
本発明で得られたオレフィン重合体のMFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238 条件Eに準ずる方法にて測定を行い、密度は、JIS K6760に準ずる方法にて測定を行った。
【0063】
オレフィン重合体の融点の測定は、DSC(SEIKO社製 DSC200)を用いて、200℃で5分保持したサンプルを0℃まで冷却させた後に、10℃/分で昇温させたときの結晶溶融ピークを測定することで算出した。
【0064】
オレフィン重合体中に含まれる低結晶性成分量の測定は、サンプル1gをキシレン200mlに完全に溶解させ、その後冷蔵庫(庫内温度約8℃)で12時間静置後、ろ過して得られたろ液の溶媒をドライアップして残った成分を低結晶性成分として算出した。
【0065】
実施例1
[変性粘土化合物の調製]
300mlフラスコ中、N,N−ジメチルアニリンの塩酸塩(3.0g、19mmol)を充分に脱気した水150mlに溶解した。攪拌下、高純度ヘクトライト9.5g(商品名ラポナイトRD、ラポルテ社製、イオン交換容量;100meq/100g)を添加した後、24時間攪拌した。これをろ過した後、水およびエタノールで洗浄し、室温で減圧乾燥して変性粘土化合物を得た。
【0066】
[触媒懸濁液の調製]
300mlシュレンクに、上記で得られた変性粘土化合物1.0gをトルエン61.6mlに懸濁させた後、フタル酸ジイソブチル0.1ml(400μmol)を加え、12時間攪拌した。そこへトリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)5.6mlを加え、1時間攪拌した。別途、50mlシュレンクに、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド 26.8mg(40μmol)、トルエン10ml、トリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)2.8mlからなる溶液を調製し、これを上記変性粘土化合物の懸濁液に加え、1時間攪拌することにより触媒懸濁液を得た。
【0067】
[溶液重合]
1lのオートクレーブを窒素置換した後、C9〜C13飽和炭化水素系溶媒(IPソルベント1620(出光石油化学社製))600mlおよび1−ヘキセン70mlを加え、エチレンによりオートクレーブの内圧を21kgf/cm2に調節し、オートクレーブの温度を170℃にした。次に、上記の方法で合成した触媒懸濁液2.5ml(Zr換算で1.25μmol)をデカン10mlに希釈することにより得られた触媒懸濁液を圧力35kgf/cm2の窒素を用いることにより全量オートクレーブに加え、重合を開始した。そして、内温が190℃に達した時点で、未反応のエチレンを除去することにより反応を終了させた。105℃の温度に調節した真空乾燥機内において、得られた反応溶液より溶媒を除去することにより32gのポリマーを得た。得られたポリマーの性状を表1に示す。
【0068】
実施例2
[触媒懸濁液の調製]
300mlシュレンクに、実施例1と同様の方法により調製した変性粘土化合物1.0gをトルエン61.6mlに懸濁させた後、フタル酸ジイソブチル10.7ml(40mmol)を加え、12時間攪拌した。未反応のフタル酸ジイソブチルを除去するために、得られた懸濁液の溶液部分を除去して、そこへ新たにトルエン61.6mlを加えた。さらに、トリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)5.6mlを加え、1時間攪拌した。別途、50mlシュレンクに、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド 26.8mg(40μmol)、トルエン10ml、トリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)2.8mlからなる溶液を調製し、これを上記変性粘土化合物の懸濁液に加え、1時間攪拌することにより触媒懸濁液を得た。
【0069】
[溶液重合]
1lのオートクレーブを窒素置換した後、C9〜C13飽和炭化水素系溶媒(IPソルベント1620(出光石油化学社製))600mlおよび1−ヘキセン70mlを加え、エチレンによりオートクレーブの内圧を21kgf/cm2に調節し、オートクレーブの温度を170℃にした。次に、上記の方法で合成した触媒懸濁液2.5ml(Zr換算で1.25μmol)をデカン10mlに希釈することにより得られた触媒懸濁液を圧力35kgf/cm2の窒素を用いることにより全量オートクレーブに加え、重合を開始した。そして、内温が190℃に達した時点で、未反応のエチレンを除去することにより反応を終了させた。105℃の温度に調節した真空乾燥機内において、得られた反応溶液より溶媒を除去することにより32gのポリマーを得た。得られたポリマーの性状を表1に示す。
【0070】
実施例3
[触媒懸濁液の調製]
300mlシュレンクに、実施例1と同様の方法により調製した変性粘土化合物1.0gをトルエン61.6mlに懸濁させた後、ジフェニルジメトキシシラン9.1ml(40mmol)を加え、12時間攪拌した。未反応のジフェニルジメトキシシランを除去するために、得られた懸濁液の溶液部分を除去して、そこへ新たにトルエン61.6mlを加えた。さらに、トリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)5.6mlを加え、1時間攪拌した。別途、50mlシュレンクに、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド 26.8mg(40μmol)、トルエン10ml、トリエチルアルミニウム(1.44mol/l、トルエン溶媒)2.8mlからなる溶液を調製し、これを上記変性粘土化合物の懸濁液に加え、1時間攪拌することにより触媒懸濁液を得た。
【0071】
[溶液重合]
1lのオートクレーブを窒素置換した後、C9〜C13飽和炭化水素系溶媒(IPソルベント1620(出光石油化学社製))600mlおよび1−ヘキセン70mlを加え、エチレンによりオートクレーブの内圧を21kgf/cm2に調節し、オートクレーブの温度を170℃にした。次に、上記の方法で合成した触媒懸濁液2.5ml(Zr換算で1.25μmol)をデカン10mlに希釈することにより得られた触媒懸濁液を圧力35kgf/cm2の窒素を用いることにより全量オートクレーブに加え、重合を開始した。そして、内温が190℃に達した時点で、未反応のエチレンを除去することにより反応を終了させた。105℃の温度に調節した真空乾燥機内において、得られた反応溶液より溶媒を除去することにより30gのポリマーを得た。得られたポリマーの性状を表1に示す。
【0072】
比較例1
触媒懸濁液の調製時に、フタル酸ジイソブチルを用いなかった以外は実施例1と同様の方法により触媒懸濁液の調製および重合を行い、32gのポリマーを得た。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
以上に例示した実施例および比較例は、本発明の特異性を示すものである。すなわち、遷移金属化合物(a)、オニウム化合物で変性した変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)からなるオレフィン重合用触媒を用いることによって、高品質なオレフィン重合体を製造することが可能であることが判る。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の触媒を用いることで、低結晶性成分の生成を抑制することができ、得られたオレフィン重合体をラミネート加工した際に、シール強度や印刷剥離強度の低下を抑制することができ、高品質なオレフィン重合体を得ることができる。
Claims (10)
- 下記一般式(35)
で表される周期表4族の遷移金属化合物(a)、粘土鉱物(b−1)と周期表15または16族の元素を含んでなるオニウム化合物(b−2)とを反応させた変性粘土化合物(b)、有機アルミニウム化合物(c)およびルイス塩基性化合物(d)からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。 - 変性粘土化合物(b)が、粘土鉱物(b−1)に含まれる交換性カチオンの50〜100%がオニウム化合物(b−2)のカチオン成分で交換されたものであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
- オニウム化合物(b−2)が、芳香族アミン化合物の塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒。
- オニウム化合物(b−2)が、脂肪族アミン化合物の塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒。
- ルイス塩基化合物(d)が、カルボン酸エステル化合物もしくはシリルエーテル化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- ルイス塩基化合物(d)が、芳香族カルボン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- ルイス塩基化合物(d)が、フタル酸ジイソブチルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒。
- 得られるポリマーの融点以上300℃以下の温度、0.5〜3000barの圧力の下で、重合または共重合することを特徴とする請求項9に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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