JP4186028B2 - 検査輪転印刷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートの検査を行いそのシートに番号や***の印刷を行う検査輪転印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
有価証券等の印刷においては、絵柄を印刷した上へさらに***や番号を追加して印刷することが行われ、この種の印刷物は、絵柄用の印刷機でシートに絵柄を印刷し、その後検査輪転印刷機にて絵柄印刷の良否を検査して合格したシートに対して***や番号を印刷するようにして、管理上の混乱や不良品の発生を避けるようにしている。
【0003】
従来の検査輪転印刷機は、予め絵柄が印刷されたシートを印刷機に供給する給紙部と、シートを保持して周面に巻き付けながら搬送する第1検査胴と、この第1検査胴の周面に対向して設けられ第1検査胴により搬送されるシートを検査する第1検査装置と、前記第1検査胴に対接して設けられ第1検査胴から受け取ったシートを周面に巻き付けながら搬送する第2検査胴と、この第2検査胴の周面に対向して設けられ第2検査胴により搬送されるシートを検査する第2検査装置とを備えた検査部と、この検査部により検査されたシートに対して印刷を行う印刷部と、該印刷部で印刷されたシートを排出する排紙部とから構成されており、第1検査装置でシートの表面、第2検査装置でシートの裏面を検査し、この検査で合格したシートは印刷部へ搬送されそこで***や番号が施され、排紙部へと搬送される。
【0004】
もし、前記検査で印刷不良と判断されたシートは、印刷部へ搬送されるが、そこでは、印刷されずに排紙部へと搬送される。排紙部では検査部での信号に基づき印刷不良のシートを検査で合格したシートとは別の場所に排出するよう制御される。
【0005】
印刷部は、シートを保持して周面に巻き付けながら搬送する圧胴と、この圧胴に対接して設けられ、圧胴で搬送されるシートに対して印刷を行う2つの転写胴と、各転写胴にインキを供給するインキ装置から構成されており、この転写胴を***胴とすればシートに***印刷が施され、転写胴を番号胴とすればシートに番号印刷が施されることになる。
【0006】
この従来の検査輪転印刷機において、検査部から印刷部へシートを搬送する手段は、検査部の胴に周面が対接された紙取胴と、印刷部の胴の周面に対接された給紙胴と、紙取胴及び給紙胴の各々の軸に設けられたスプロケットと、紙取胴側のスプロケットと給紙胴側のスプロケットとの間に張架された搬送チェーンと、この搬送チェーンに一定間隔で支持されシートの先端をつかむ爪竿とから構成されている。
【0007】
また、番号胴は回転駆動される軸と、この軸に固定され外周に複数の番号器を備えた円盤状のマウントリングとから構成され、この番号器を備えたマウントリングはこの軸の軸方向に複数個並設されており、それにより番号胴には円周方向及び軸方向にそれぞれ複数個の番号器が配置されることになり、圧胴により搬送されるシートには天地方向及び左右方向の複数箇所に番号が印刷される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の検査輪転印刷機は、検査部で検査されたシートを印刷部へチェーンに設けられた爪竿で搬送しているため、くわえ換え精度が悪く、検査部で正常と判断されたシートに対して印刷の位置がずれてしまうという問題が生じる。
【0009】
また、印刷部の2つの転写胴のうち一方を***胴とし、他方を番号胴とすると、1回の印刷で***と番号が印刷されるが、ひとつの番号胴のみで番号を印刷することになり、番号印刷される位置が互いに接近している場合、特に、一枚のシートに同じパターンの絵柄が縦横に並び、各絵柄に***と複数の番号を印刷する場合、隣接する番号器を周方向及び軸方向に近づけても、番号器の大きさ以上には近づけられないので、隣接する番号印刷位置の天地方向及び左右方向の極めて狭い間隔(ピッチ)に対応できないことがあり、その際、別の番号印刷機でさらに番号印刷しなければならず、印刷位置のずれが生じる可能性があり印刷精度が悪くなるという問題が生じる。さらに、別の番号印刷機を設置しなければならずスペースやコストの面でも問題がある。また、2つの転写胴の両方を番号胴としても、一枚のシートに多数の番号印刷箇所があり、それらが接近した位置にある場合は、2つの番号胴でも対応できないことがあるし、***を印刷するために別の印刷機が必要であり、印刷精度面及びスペース,コスト面で問題が生じる。
【0010】
そこで、本発明は、シートの受け渡し精度を高めると共に一回の印刷で様々な種類の番号印刷を可能にして印刷精度の向上が図れ、且つ別個に印刷機を用いることを不要としてコストを大幅に削減できる検査輪転印刷機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る検査輪転印刷機は、シートを保持し周面へ巻き付けながら搬送する第1検査胴と、該第1検査胴の周面に対向して設けられ同第1検査胴により搬送されるシートを検査する第1検査装置と、前記第1検査胴に対接して設けられ同第1検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2検査胴と、該第2検査胴の周面に対向して設けられ同第2検査胴により搬送されるシートを検査する第2検査装置とを備えた検査部と、前記検査部により検査されたシートに対して印刷を行う印刷部と、を備えた検査輪転印刷機において、前記印刷部は、前記第2検査胴に対接して設けられ同第2検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第1圧胴と、該第1圧胴により搬送される前記シートに対して***を印刷する***胴と、前記第1圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第1及び第2番号胴と、前記第1圧胴に対接して設けられ同第1圧胴から受け取った前記シートを搬送する渡し胴と、該渡し胴に対接して設けられ同渡し胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2圧胴と、該第2圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第3及び第4番号胴と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
これによれば、検査部で表面及び裏面を検査されたシートは第2検査胴から印刷部の第1圧胴へ受け渡され、そこで***印刷及び第1及び第2の番号印刷が施される。その後シートは渡し胴を介して第2圧胴に受け渡され、そこで第3及び第4の番号印刷が施される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る検査輪転印刷機を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
[実施例]
図1は本発明の一実施例を示す検査輪転印刷機の概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、検査輪転印刷機は、給紙部1と検査部2と印刷部3と排紙部4とその他の付属装置とで構成されている。
【0016】
本実施例は絵柄が印刷されたシートに連続番号と***を追刷する検査輪転印刷機を例示しており、給紙部1には、絵柄が複数個印刷された多数のシート5を積載する紙積台6が設けられている。そして、紙積台6上のシート5を図示しないサッカ装置で一枚づつ吸引してフィーダボード7上へ送り出し、スイング装置8により渡し胴9を介して検査部2に給紙するようになっている。
【0017】
前記検査部2は、シート5を保持し周面へ巻き付けながら搬送する第1検査胴10と、該第1検査胴10の周面に対向して設けられ同第1検査胴10により搬送されるシート5を検査する第1検査装置としての表面検査用カメラ11と、前記第1検査胴10に対接して設けられ同第1検査胴10から受け取った前記シート5を周面に巻き付けながら搬送する第2検査胴12と、該第2検査胴12の周面に対向して設けられ同第2検査胴12により搬送されるシート5を検査する第2検査装置としての裏面検査用カメラ13とを備える。
【0018】
前記印刷部3は、前記第2検査胴12に対接して設けられ同第2検査胴12から受け取ったシート5を周面に巻き付けながら搬送する第1圧胴14と、該第1圧胴14により搬送される前記シート5に対して***を印刷する***胴15と、前記第1圧胴14により搬送される前記シート5に対して番号を印刷する第1及び第2番号胴16,17と、前記第1圧胴14に対接して設けられ同第1圧胴14から受け取った前記シート5を搬送する渡し胴18と、該渡し胴18に対接して設けられ同渡し胴18から受け取った前記シート5を周面に巻き付けながら搬送する第2圧胴19と、該第2圧胴19により搬送される前記シート5に対して番号を印刷する第3及び第4番号胴20,21とを備えている
【0019】
図示例では、前記第1圧胴14と第2圧胴19とが渡し胴18を介して床面に対して垂直方向に配設されている。また、前記第1圧胴14と第2圧胴19及び第1検査胴10と第2検査胴12の直径は、前記第1〜第4番号胴16,17,20,21の直径の2倍になっている。
【0020】
また、前記***胴15と第1〜第4番号胴16,17,20,21は、各々の軸端部が図示しない駆動手段により回動される偏心軸受(図示せず)で支持されて、それぞれ対応する第1圧胴14と第2圧胴19に対して着脱可能になっており、前記表面検査用カメラ11又は裏面検査用カメラ13により不良シートを検出した際には、図示しない制御手段により、その不良シートの通過時に圧胴から離脱し通過後対接するように構成されている。
【0021】
また、前記第1〜第4番号胴16,17,20,21は、図示しない回転軸上にマウントリングを介して円周方向に複数の番号器を備えた通常のもので、軸端部に設けた数字送り機構に駆動されて番号胴の1回転ごとに数字が送られるとともに、前記不良シートの検出時には、その不良シートの通過時にのみ数字送りが停止されるように構成されている。
【0022】
図中22は、インキ壺と多数のローラ群とからなり***胴15にインキを供給するインカーで、23a及び23bは、同じくインキ壺と多数のローラ群とからなり第1及び第2番号胴16,17と第3及び第4番号胴20,21にそれぞれインキを供給するインカーである。
【0023】
図示例では、前記***用のインカー22は、本機フレーム24上に載置される。また、番号用のインカー23a及び23bは、移動フレーム25に支持されて各番号胴16,17,20,21を操作する(番号器の取付,取外し,洗浄,位置合わせ等)時は後方に退避し得るようになっている。
【0024】
そして、前記第2圧胴19には排紙胴26が対接されており、これと同軸上のスプロケット27と、排紙部4終端のスプロケット28との間には、左右一対の排紙チェーン29が張架されていると共に、左右の排紙チェーン29間に一定間隔で支架された爪軸上には複数個の排紙爪30が並設されており、第2圧胴19の爪にくわえられたシート5を排紙胴26と協働して受け取り、排紙チェーン29の搬送とともにこれを排紙部4へ搬送し、三つのパイル31a,31b,31c上へ選択的に排出するようになっている。尚、前段の二つのパイル31a,31bは正常なシート5を排出するもので、後段の一つのパイル31cは不良シートを排出するものである。
【0025】
このように構成されるため、給紙部1から検査部2に送られたシート5は、先ず第1検査胴10で表面検査用カメラ11により表面を検査された後、第2検査胴12に受け渡され、ここで裏面検査用カメラ13により裏面を検査される。
【0026】
次に、シート5は、第2検査胴12から直接印刷部3の第1圧胴14へ受け渡され、そこで***胴15による***印刷と第1番号胴16及び第2番号胴17による第1及び第2の番号印刷が施される。
【0027】
次に、シート5は、渡し胴18を介して第2圧胴19に受け渡され、そこで第3番号胴20及び第4番号胴21による第3及び第4の番号印刷が施される。
【0028】
次に、シート5は、排紙胴26に受け渡され、ここから排紙チェーン29により排紙部4へ搬送され、最前段のパイル31a上に排出される。この最前段のパイル31aが満載になったら、次の段のパイル31b上に排出され、この間最前段のパイル31aは機外に搬出されて空のパイル31aと交換され、次の排出に備える。
【0029】
以上は、シート5は正常な絵柄が印刷されている場合であるが、例えば絵柄がだぶって印刷されたりするなどの不良シートが検査部2へ供給されると、その不正箇所がシート5の表面、裏面のいずれにあっても、表面検査用カメラ11及び裏面検査用カメラ13のいずれかがこれを検出する。
【0030】
そしてこの際、制御手段により、前記不良シートの通過時にのみ、前記***胴15と第1〜第4番号胴16,17,20,21が第1圧胴14及び第2圧胴19から離脱されると共に、第1〜第4番号胴16,17,20,21にあっては、その番号器の数字送りが停止されることは前述したとおりである。
【0031】
このように本実施例では、検査部2から印刷部3へのシート5の受け渡しが胴間で行われるため、受け渡し精度が高く、従って印刷精度が向上する。
【0032】
また、1回の印刷で***と番号印刷が可能となり、さらに番号印刷については番号印刷する位置に制限されることなく、様々な種類の番号印刷が可能になるので、印刷精度が向上する。また、別個に印刷機を用いることがないので、設置スペースを確保する必要がなく、コストが大幅に削減される。
【0033】
また、本実施例では、前記第1圧胴14と第2圧胴19とが渡し胴18を介して床面に対して垂直方向に配設されているので、第1〜第4番号胴16,17,20,21が床面に対して垂直に配設され、第1〜第4番号胴16,17,20,21の取付,取外し作業、洗浄作業、位置合わせ作業が容易になる。
【0034】
また、前記第1圧胴14と第2圧胴19及び第1検査胴10と第2検査胴12の直径は、前記第1〜第4番号胴16,17,20,21の直径の2倍になっているので、シート5が裏面検査用カメラ13で検査される位置を通過し、***胴15で印刷される位置までの間で印刷の良否が確実に判断され、装置の誤作動が防止される。
【0035】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シートを保持し周面へ巻き付けながら搬送する第1検査胴と、該第1検査胴の周面に対向して設けられ同第1検査胴により搬送されるシートを検査する第1検査装置と、前記第1検査胴に対接して設けられ同第1検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2検査胴と、該第2検査胴の周面に対向して設けられ同第2検査胴により搬送されるシートを検査する第2検査装置とを備えた検査部と、前記検査部により検査されたシートに対して印刷を行う印刷部と、を備えた検査輪転印刷機において、前記印刷部は、前記第2検査胴に対接して設けられ同第2検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第1圧胴と、該第1圧胴により搬送される前記シートに対して***を印刷する***胴と、前記第1圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第1及び第2番号胴と、前記第1圧胴に対接して設けられ同第1圧胴から受け取った前記シートを搬送する渡し胴と、該渡し胴に対接して設けられ同渡し胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2圧胴と、該第2圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第3及び第4番号胴と、を備えているので、シートの受け渡し精度を高めると共に一回の印刷で様々な種類の番号印刷を可能にして印刷精度の向上が図れ、且つ別個に印刷機を用いることを不要としてコストを大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す検査輪転印刷機の概略構成図である。
【符号の説明】
1 給紙部
2 検査部
3 印刷部
4 排紙部
5 シート
6 紙積台
7 フィーダボード
8 スイング装置
9 渡し胴
10 第1検査胴
11 表面検査用カメラ
12 第2検査胴
13 裏面検査用カメラ
14 第1圧胴
15 ***胴
16 第1番号胴
17 第2番号胴
18 渡し胴
19 第2圧胴
20 第3番号胴
21 第4番号胴
22 ***用インカー
23a,23b 番号用インカー
24 本機フレーム
25 移動フレーム
26 排紙胴
27,28 スプロケット
29 排紙チェーン
30 排紙爪
31a,31b,31c パイル
Claims (1)
- シートを保持し周面へ巻き付けながら搬送する第1検査胴と、該第1検査胴の周面に対向して設けられ同第1検査胴により搬送されるシートを検査する第1検査装置と、前記第1検査胴に対接して設けられ同第1検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2検査胴と、該第2検査胴の周面に対向して設けられ同第2検査胴により搬送されるシートを検査する第2検査装置とを備えた検査部と、
前記検査部により検査されたシートに対して印刷を行う印刷部と、
を備えた検査輪転印刷機において、
前記印刷部は、
前記第2検査胴に対接して設けられ前記第2検査胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第1圧胴と、
前記第1圧胴により搬送される前記シートに対して***を印刷する***胴と、前記第1圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第1及び第2番号胴と、
前記第1圧胴に対接して設けられ前記第1圧胴から受け取った前記シートを搬送する渡し胴と、
前記渡し胴に対接して設けられ前記渡し胴から受け取った前記シートを周面に巻き付けながら搬送する第2圧胴と、
前記第2圧胴により搬送される前記シートに対して番号を印刷する第3及び第4番号胴と、
を備えていることを特徴とする検査輪転印刷機。
Priority Applications (1)
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JP25629098A JP4186028B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 検査輪転印刷機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25629098A JP4186028B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 検査輪転印刷機 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25629098A Expired - Lifetime JP4186028B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | 検査輪転印刷機 |
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