JP4183244B2 - 記録装置 - Google Patents

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  • Handling Of Cut Paper (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録用紙の表裏両面に自動的に記録を行う録装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置で自動両面記録を行うものは、いくつかの方式が実施あるいは提案されている。それらは、被記録用紙の表(おもて)面への記録が終了した後、それまでと搬送方向を反転して、被記録用紙を表裏反転装置に送り込み、反転動作終了後に、再び、表面への記録動作時と同じ用紙搬送部にて被記録用紙を搬送し、同じ記録部にて被記録用紙の裏面に記録を行うものである。
【0003】
それらの方式の中で、特許文献1に開示される発明の如く、表裏反転装置内に2本の駆動ローラを配し、搬送経路に沿って被記録用紙の搬送方向を180°転換するものがある。このような構成の、従来の装置では、被記録用紙を、記録済み面を外側になるようにして表裏反転装置内を搬送している。また、1本の主駆動ローラと補助駆動ローラで被記録用紙の搬送方向を180°転換する構成のものも、例えば、特許文献2から公知である。この構成の装置においても、上記の例と同様に、被記録用紙を、記録済み面を外側になるようにして表裏反転装置内を搬送している。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6332068号明細書
【特許文献2】
特開2002−59598号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、被記録用紙の後端が多少波打っていたり、上に反り返っていたりしても、被記録用紙を紙送りローラとピンチローラとのニップ部に容易に引き込むことが可能な記録装置を提供することにある。
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明の記録装置は、被記録用紙を所定の搬送方向に搬送する紙送りローラと、該紙送りローラとともに被記録用紙を挟持するピンチローラと、前記紙送りローラの前記搬送方向下流側において被記録用紙に記録を行う記録部と、該記録部の前記搬送方向下流側において被記録用紙を搬送する排紙ローラと、前記紙送りローラによって前記搬送方向と反対方向に搬送された被記録用紙の表面に接して駆動される両面ローラを有し該被記録用紙の表裏を反転して該被記録用紙を前記記録部に搬送するための反転部と、を備える記録装置であって、前記紙送りローラと前記ピンチローラとで挟持された状態で前記記録部により被記録用紙の表面に記録を行い、該被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとに挟持されない位置でも記録を行った後に、前記紙送りローラと前記ピンチローラとが離間した状態で前記被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとの間を通過するように前記排紙ローラによって前記被記録用紙を前記反対方向に搬送し、その後前記紙送りローラと前記ピンチローラとで前記被記録用紙を挟持して前記反転部に向けて搬送することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に説明する。
【0015】
図1,2は、本発明の実施形態の記録装置の全体構成を示す模式図であり、図1は斜視図、図2は、図1の矢印A方向から見た側断面図である。
【0016】
同図に於いて、1は記録ユニット本体、10は記録ユニット本体1の構造を支えるシャーシであり、2は自動両面ユニット、36は記録ヘッド11のノズル目詰まり防止やインクタンク12を交換する時に使用するメインテナンスユニット、37は被記録用紙を積載し記録動作時に1枚ずつ供給するメインASFである。
【0017】
11はインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、12は記録ヘッドへ供給するインクを蓄えるインクタンク、13は記録ヘッド11およびインクタンク12を保持しており、走査を行うためのキャリッジ、14はキャリッジを支持するガイドシャフト、15はガイドシャフト14と平行に位置し、ガイドシャフトシャフト14と共にキャリッジ13を支持するガイドレール、16はキャリッジを駆動するためのキャリッジベルト、17はプーリを介してキャリッジベルト16を駆動するキャリッジモータ、18はキャリッジ13の位置を検出するためのコードストリップ、20はキャリッジモータ17のプーリと対向してキャリッジベルト16を張架するアイドラプーリである。
【0018】
21は被記録用紙を搬送する紙送りローラであり、22は紙送りローラ21に押圧されて従動するピンチローラ、23はピンチローラ22を回転可能に保持するピンチローラホルダ、24はピンチローラ22を紙送りローラ21に圧接するピンチローラばね、25は紙送りローラ21に固定された紙送りローラプーリ、26は紙送りローラ21を駆動するためのLFモータ、27は紙送りローラの回転角度を検出するためのコードホイールである。
【0019】
29は記録ヘッド11に対向して被記録用紙を支えるプラテン、30は紙送りローラ21と協働して被記録用紙を搬送するための第1排紙ローラ、31は第1排紙ローラ30の下流側に設けられた第2排紙ローラ、32は第1排紙ローラ30に対向して被記録用紙を保持する第1拍車列、33は第2排紙ローラと対向して被記録用紙を保持する第2拍車列、34は第1拍車列32と第2拍車列33を回転可能に保持する拍車ベースである。
【0020】
38はメインASF37の土台となるASFベース、39は積載された被記録用紙に当接し搬送を行う給紙ローラ、40は複数枚の被記録用紙が同時に搬送された時に1枚ずつに分離する分離ローラ、41は被記録用紙を積載し給紙ローラ39方向に付勢するための圧板、42は圧板41上に設けられ、被記録用紙の幅に合わせて任意の位置に固定可能なサイドガイド、44はメインASF37からの被記録用紙通紙方向を1方向に規制するASFフラップである。また、メインASF37には、給紙動作時に給紙ローラ39と分離ローラ40のニップ部より先に進んでしまった被記録用紙先端を所定位置まで戻すための、不図示の戻し爪が設けられている。
【0021】
58はピンチローラホルダ23等をリフトさせるリフトカム軸であり、50はASF遊星ギア49(図9など参照)と契合するリフト入力ギア、51はリフト入力ギア50からの動力を減速しつつ伝達するリフト減速ギア列、52はリフトカム軸58(図3など参照)に直結したリフトカムギア、55はガイドシャフト14を片寄せに(下方に向かって)付勢するガイドシャフトばね、56はガイドシャフト14に取り付けられたガイドシャフトカムR14aまたはガイドシャフトカムL14bが摺動するガイド斜面である。
【0022】
70は被記録用紙先端を紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部へガイドするための通紙ガイド、72は記録ユニット本体1全体を支持するベース、301は制御部の主要部を構成する制御基板である。
【0023】
また、図21は、本実施形態の記録装置全体を制御する制御手段の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図21に於いて、310は本記録装置の制御をつかさどるCPUである。すなわち、CPU310は、ROM311に書き込まれた制御データや制御プログラムに基づき、RAM312に記録データを展開するなどして、所定の処理を行い、各部に制御指令を出力する。CPU310によって制御される動作部には、記録ヘッド11、メインASF37を駆動するASFモータ46、メインテナンスユニット36を駆動するPGモータ302、LFモータ26、CRモータ17などが含まれており、記録ヘッド11はヘッドドライバ307を介して駆動され、各モータは、各モータドライバを介してそれぞれ駆動される。
【0025】
本実施形態では、CPU310は、電気的に接続する仲立ちをするI/F309を介してホスト装置308に接続されており、ホスト装置308から記録データを受け取って、それに応じた画像記録を実施可能である。
【0026】
また、CPU310には、記録装置の各部の状態を検出する検出部が接続されている。検出部には、キャリッジ13に搭載されコードストリップ18を読み取るCRエンコーダセンサ19、シャーシ10に取り付けられコードホイール27を読み取るLFエンコーダセンサ28、メインテナンスユニット36の動作を検知するPGセンサ303、メインASF37の動作を検知するASFセンサ305、PEセンサレバー66(図3など参照)の動作を検知するPEセンサ67、リフトカム軸58の動作を検知するリフトカムセンサ69、自動両面ユニット2の着脱を検知する両面ユニットセンサ130が含まれている。
【0027】
これらの図に示す、本実施形態の記録装置は、一般的なシリアル走査型記録装置であり、大きく分けて、給紙部、用紙搬送部、記録部、記録ヘッドメインテナンス部、自動両面ユニットを有している。
【0028】
給紙部はメインASF(Automatic Sheet Feeder)37からなっており、圧板41上に複数枚積載された被記録用紙(不図示)から記録動作ごとに1枚ずつ被記録用紙を引き出して用紙搬送部に送る働きをする。用紙搬送部は、紙送りローラ21やピンチローラ22などの、被記録用紙を挟持・搬送するローラを有しており、給紙部から給紙された被記録用紙を、記録部によって記録を行う記録領域を通して搬送する働きをする。
【0029】
記録部は、主として、記録ヘッド11と、記録ヘッド11を搭載して被記録用紙搬送方向とは直交する方向に走査するキャリッジ13とから成る。キャリッジ13は、ガイドシャフト14と、シャーシ10の一部であるガイドレール15とによって支持されており、キャリッジモータ17とアイドラプーリ20で張架されたキャリッジベルト16を介して、キャリッジモータ17の駆動力を伝達することによって、往復走査することができる。記録ヘッド11は、インクタンク12と接続する複数のインク流路を持ち、インク流路はプラテン29と対向する面に配された吐出ノズル列まで繋がっている。吐出ノズル列近傍には、吐出ノズルそれぞれに設けられたインク吐出用アクチュエータが配されている。この吐出用アクチュエータとしては、液体の膜沸騰圧力を利用してインクを吐出させる圧力を発生する電気−熱変換素子や、ピエゾ素子等の電気−圧力変換素子などが用いられる。
【0030】
記録ヘッドメインテナンス部は、メインテナンスユニット36からなり、記録ヘッド11のインク吐出ノズルの目詰まり防止や紙粉等による汚れを解消する働きや、インクタンク12を交換する際にインクを吸引する働きをする。このような働きをするため、メインテナンスユニット36は、キャリッジ13の待機ポジションで記録ヘッド11と対向する位置に設置されており、記録ヘッド11のインク吐出ノズル面に接してインク吐出ノズルを保護するキャップ(不図示)や、インク吐出ノズル面をワイピングするワイパ(不図示)や、キャップに接続されキャップ内に負圧を発生させるポンプ(不図示)などを有している。記録ヘッド11の吐出ノズル内のインクを吸い出す際には、キャップを記録ヘッド11の吐出ノズル面に押圧し、ポンプを駆動してキャップ内を負圧とすることでインクを吸引する。また、インク吸引後に吐出ノズル面にインクが付着している場合や、吐出ノズル面に紙粉等異物が付着した場合にそれを取り除くために、ワイパを吐出ノズル面に当接させ平行に移動させる機構なども有している。
【0031】
自動両面ユニット2は、本実施形態では、上述のような各部からなる記録ユニット本体1に着脱可能に構成されており、両面記録を実施する際に、記録部側から用紙搬送部によって搬送された被記録用紙を受け取り、所定の搬送路に沿って搬送することによって、受け取った被記録媒体を反転させて、記録部側へと戻す働きをする。
【0032】
以上が本実施形態の記録装置の概略である。次に、本実施形態の記録装置による、片面の記録動作について説明する。
【0033】
最初に、ホスト装置308からI/F309を介して記録データが送られてくると、この記録データは、RAM312上にデータを格納され、CPU310によって記録動作開始指令が出されて記録動作が開始される。
【0034】
記録動作が開始されると、まず、給紙部において給紙動作が行われる。給紙動作が開始されると、ASFモータ46が正方向に回転し、その動力はギア列を経て圧板41を保持しているカムを回転させる。回転によりカムが外れると、不図示の圧板ばねの作用により、圧板41は給紙ローラ39方向に付勢される。同時に給紙ローラ39は用紙を搬送する方向に回転し、それによって、積載された被記録用紙の1番上のものの搬送が開始される。
【0035】
この際、給紙ローラ39と被記録用紙間の摩擦力および被記録用紙同士の摩擦力の条件により、複数枚の被記録用紙が同時に搬送されてしまうことがある。その場合には、給紙ローラ39に圧接され、被記録用紙搬送方向と逆方向に所定の戻り回転トルクを持った分離ローラ40が作用し、最も給紙ローラ39側にある被記録用紙以外を元の圧板41上に押し戻す働きをする。
【0036】
このようにして1枚の被記録用紙が用紙搬送部へと給紙され、ASF給紙動作が終了すると、カムの動作により分離ローラ40は給紙ローラ39との圧接状態を解除され、所定の距離離間される。この際、不図示の戻し爪が回転し、一番上のものと一緒に搬送され、分離ローラ40によって分離された被記録用紙を確実に圧板41上の所定位置まで押し戻す働きをする。
【0037】
以上のような動作により、被記録用紙を1枚だけ用紙搬送部に搬送する。
【0038】
なお、メインASF37から1枚の被記録用紙が搬送されて行く時、被記録用紙の先端は、不図示のASFフラップばねによって通紙経路を妨げる方向に付勢されているASFフラップ44に当接するが、ASFフラップ44を押し退けて通過する。そして、ASFフラップ44は、当該被記録用紙の記録動作が終了し、被記録用紙の後端がASFフラップ44を通過すると、元の付勢状態に戻り、それによって通紙経路が閉ざされるので、被記録用紙が逆方向に搬送されてもメインASF37側に戻ることはない。
【0039】
給紙部から搬送された被記録用紙は、用紙搬送部を構成する紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部に向けて搬送される。このピンチローラ22の中心は、紙送りローラ21の中心に対して、第1排紙ローラ30側に向かう方向に若干のオフセットを持って取り付けられているので、被記録用紙がニップ部へと挿入される接線方向角度は水平より若干傾いている。そこで、用紙先端が的確にニップ部にガイドされるように、ピンチローラホルダ23と通紙ガイド70により形成される通紙経路は、ニップ部に向かって斜め下方に傾斜している。
【0040】
ASF37によって搬送される用紙は、停止状態の紙送りローラ21のニップ部に突き当てられる。この時、メインASF37によって被記録用紙を、紙送りローラ21のニップ部に至るまでの所定通紙経路長よりもやや長い距離分だけ搬送することによって、給紙ローラ39と紙送りローラ21の間で被記録用紙が湾曲する、すなわちループを形成するようにする。これによって、ループが真っ直ぐに戻ろうとする力が生じ、被記録用紙の先端は紙送りローラ21ニップに押圧される。このため、被記録用紙の先端は紙送りローラ21に倣って平行になり、いわゆるレジストレーション取り動作を行うことができる。
【0041】
レジストレーション取り動作完了後、LFモータ26を被記録用紙が正方向(第1排紙ローラ30に向けて進行していく方向)に移動する方向に回転開始する。その後、給紙ローラ39は駆動力が切断され、被記録用紙と連れ回りするようになる。この時点で、被記録用紙は紙送りローラ21とピンチローラ22のみで搬送されるようになる。被記録用紙は所定改行量ずつ正方向に前進させられ、プラテン29に設けられたリブに沿って進行する。被記録用紙の先端は漸次第1排紙ローラ30と第1拍車列32とのニップ、第2排紙ローラ31と第2拍車列33のニップへと達する。この際、紙送りローラ21と第1排紙ローラ30、第2排紙ローラ32はギア列で接続されており、かつこのギア列は、第1排紙ローラ30と第2排紙ローラ31の周速が、紙送りローラ21の周速と実質的に等しくなるように構成されているため、第1排紙ローラ30、第2排紙ローラ32は紙送りローラ21と同期して回転するので、被記録用紙は弛んだり引っ張られたりすることなく搬送される。
【0042】
この被記録用紙の搬送に合わせて、記録部による被記録用紙への記録が行われる。記録動作においては、キャリッジ13がCRモータ17を駆動することによって被記録用紙の搬送方向と交差する方向に移動させられ、記録ヘッド11は、ヘッドドライバ307からの信号がフレキシブルフラットケーブル73を介して伝達されることによって、記録データに応じたインク滴吐出を行う。この際、シャーシ10に張架されたコードストリップ18をキャリッジ13に搭載されたCRエンコーダセンサ19によって読み取ることによって、適切なタイミングで被記録用紙に向けてインク滴を吐出させる制御を行うことができる。このようにして、1ライン分の記録が終了すると、用紙搬送部により、必要量だけ被記録用紙を搬送する。この動作を繰り返して実施することにより、被記録用紙全面にわたる記録動作が可能となる。
【0043】
次に、自動両面ユニット2の構成を含め、両面記録を実施するために、被記録用紙を反転させるための構成について詳細に説明する。本実施形態の記録装置は、シート状の単票紙の表裏に、プリンタ操作者の手を煩わせることなく自動的に記録を行う、いわゆる自動両面記録が可能なことを1つの特徴としている。
【0044】
先ず、図2を参照して、被記録用紙に両面記録を行う際の、被記録用紙の通過経路について説明する。
【0045】
図2に於いて、自動両面ユニット2には、揺動可能に支持され、被記録媒体の通紙方向を決める切替フラップ104、揺動可能に支持され、被記録媒体が自動両面ユニット2から出ていく時に開閉する出口フラップ106、自動両面ユニット2内で被記録用紙を搬送する両面ローラA108、同じく両面ローラB109、両面ローラA108に従動する両面ピンチローラA113、両面ローラB109に従動する両面ピンチローラB112が設けられている。
【0046】
まず、記録動作が開始すると、メインASF37に積載された複数枚の被記録用紙から、給紙ローラ39の作用により1枚ずつ被記録用紙が給紙され、紙送りローラ21へと搬送される。紙送りローラ21とピンチローラ22に挟持された被記録用紙は図2矢印a方向に搬送される。
【0047】
両面記録を実施する場合には、表(おもて)面記録終了後、被記録用紙はメインASF37の下方に設けられた水平パス内を図2矢印b方向に、すなわち、メインASF37の後方に配置されている自動両面ユニット2に向かって搬送される。そして、被記録用紙は水平パスから自動両面ユニット2内に導かれ、切替フラップ104に沿って、図2矢印cで示すように斜め下方に搬送される。
【0048】
次に、被記録用紙は、両面ローラB109と両面ピンチローラB112に挟持されて上方へ、さらにリアカバー103(図13参照)に沿って記録部側へと進行方向を転換され、両面ローラA108と両面ピンチローラA113のニップに到達する。そして、両面ローラA108に両面ピンチローラA113に挟持された被記録用紙は、両面ローラA108に沿って、進行方向を図2矢印dで示すように斜め下方に向けられて搬送されていく。このように、被記録用紙は、周回経路に沿って搬送されて、最終的には180゜進行方向を変えられ、水平パスに戻される。その後、さらに、水平パス内を図2矢印a方向に搬送された被記録用紙は、再び紙送りローラ21とピンチローラ22に挟持され、裏面の記録を実施される。
【0049】
以上のように、表面記録終了後の被記録用紙は、メインASF37下方の水平パスを通って、メインASF37後方にある自動両面ユニット2に搬送され、自動両面ユニット2よって表裏反転されて、紙送りローラ21へと戻される。その後、用紙搬送部による搬送と、記録部による、搬送に合わせた記録動作とを再度実施することによって、被記録用紙の裏面への記録が行なわれ、したがって、この構成によれば、被記録用紙の表裏への記録、すなわち両面記録を自動的に行うことができる。
【0050】
ここで、表面記録時の記録範囲について説明する。記録ヘッド11は、紙送りローラ21と第1排紙ローラ30の間に、インク吐出ノズルが位置する領域Nを有しているが、ノズルへのインク流路配置の都合や、インクを吐出させるアクチュエータへの配線の都合により、紙送りローラ21のニップ部直近にインク吐出ノズル領域Nを配置するのは通常困難であり、このため、図2に示すように、インク吐出ノズル領域Nは、紙送りローラ21のニップ部よりL1だけ下流側に離れた位置にある。よって、被記録用紙が紙送りローラ21とピンチローラ22で挟持されている状態では、被記録用紙の、紙送りローラ21のニップ側の、長さL1の幅の領域には、記録を行うことが出来ない。
【0051】
この表面下端余白領域を少なくするために、本実施形態の記録装置では、紙送りローラ21のニップ部から被記録用紙が離脱し、第1排紙ローラ30および第2排紙ローラ31だけで挟持され搬送されている状態でも、記録動作を続行する。これにより、表面下端余白がゼロになるまでの記録動作が可能である。
【0052】
しかし、この状態から、前述の図2矢印b方向に被記録用紙を搬送しようとすると、紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部へ被記録用紙をガイドする事が出来ずに、いわゆる用紙ジャムが発生する危惧がある。本実施形態では、このような用紙ジャムを回避するために、以下に説明する手段によって、紙送りローラ21からピンチローラ22を離し、すなわちリリースして所定の隙間を作り、その隙間に被記録用紙端部を挿入してから、ピンチローラ22を紙送りローラ21に再度圧接せることにより、図2矢印b方向への被記録用紙のスムーズな搬送を可能としている。
【0053】
次に、本実施形態の記録装置において特徴的なものである、ピンチローラ22のリリース機構、およびPEセンサレバー66のリリース機構、ピンチローラばね24の圧力調整機構、通紙ガイド70の上下機構、およびキャリッジ13の上下機構に関して説明する。
【0054】
前述の如く、被記録用紙を紙送りローラ21とピンチローラ22との間のニップに再度引き込むためにピンチローラ22のリリースを行うが、被記録用紙を再引き込みした後に被記録用紙の表裏反転させるために、本実施形態の記録装置は、その他にも、主として、被記録用紙の逆方向への搬送を良好に行えるようにすることを目的とした幾つかの機構を持っている。
【0055】
このような機構の1つは、PEセンサレバー66のリリース機構である。PEセンサレバー66は、被記録用紙の搬送路中に突出する位置と、搬送路から引っ込む位置の間で揺動可能に取り付けられており、搬送されてくる被記録用紙が当接してPEセンサレバー66を揺動させるのを捉えて、被記録用紙の位置が検出される。このようなPEセンサレバー66は、通常、正方向に進行する被記録用紙が当接した時にスムーズに揺動して、被記録用紙先端や後端の位置の正確な検知が可能となるように、被記録用紙の搬送路中に突出する位置において、被記録用紙紙面に対して所定の角度を持った状態になるように取り付けられている。そのように設定されているため、逆方向に被記録用紙が進行した場合には、被記録用紙端部が引っ掛かってしまったり、搬送中の被記録用紙にPEセンサレバー66の先端が食い込んでしまったりする問題がある。そのため、本実施形態では、被記録用紙の表裏反転工程において、途中まで、PEセンサレバー66を通紙面からリリースしてしまい、被記録用紙に当接しないように構成している。
【0056】
なお、PEセンサレバー66のリリース機構は本発明の趣旨には必須ではなく、他の手段に置き換えることも可能である。即ち、上述のような問題を解決する手段として、PEセンサレバー66先端にコロなどを設け、被記録用紙が逆方向に進行しても、コロが回転することにより、上述のような問題を回避できるようにしもよい。また、PEセンサレバー66の振れる角度を大きく取り、被記録用紙が逆方向に搬送された時には、PEセンサレバー66が通常とは逆方向に充分な角度だけ振れるようにして、上述のような問題を回避する構成としてもよい。
【0057】
もう1つの機構は、ピンチローラばね24の圧力調整機構である。本実施形態では、ピンチローラ22のリリースは、ピンチローラホルダ23全体を回転させることによって実施するようにしている。ピンチローラ22を紙送りローラ21に圧接させている状態では、ピンチローラばね24によってピンチローラホルダ23を押圧しているので、ピンチローラホルダ23をリリース方向に回転させるとピンチローラばね24の圧力は高まる方向に変動する。このため、ピンチローラホルダ23をリリースさせるための負荷が比較的大きなものとなり、また、ピンチローラホルダ23自体にも比較的大きな応力が掛かるなどの弊害が生じる。これを防止するために、ピンチローラホルダ23のリリースの際にピンチローラばね24の圧力を減じる機構を設けている。
【0058】
もう1つの機構は、通紙ガイド70の上下機構である。通常、通紙ガイド70は、メインASF37から搬送される被記録用紙を紙送りローラ21に向かってガイドする際、前述の如く水平から若干角度の付いたLFローラ21ニップ部に円滑に被記録用紙を導くように、搬送の逆方向に向かって水平パスより若干角度が上がった搬送路を形成するように位置している(図2に示す状態)。しかしながら、このままだと、図2矢印b方向に被記録用紙を搬送した場合、被記録用紙は再びメインASF37に向かってガイドされてしまうので、これを防止して円滑に水平パスにガイド出来るように、通紙ガイド70を水平になるように角度を変えた方が好適である。このために、通紙ガイド70を上下させる機構を設けている。
【0059】
最後の1つの機構は、キャリッジ13の上下機構である。この機構は、ピンチローラホルダ23をリリース状態にすると、ピンチローラホルダ23の先端がキャリッジ13へと近付くので、両者が当接して、キャリッジ13が主走査方向に移動する障害となるのを防止するために好ましい機構である。このため、ピンチローラホルダ23のリリース動作に同期して、キャリッジ13を上昇させるようにしている。また、このキャリッジ13の上下機構は他の用途にも適用でき、例えば厚い被記録用紙に記録を行う際に、記録ヘッド11と被記録用紙が接触しないようにするために、記録ヘッド11を待避させる目的で移動させるのにも利用可能である。
【0060】
以下に、上述の5つの機構に関して詳細に説明する。
【0061】
図3は、ピンチローラリリース機構、PEセンサレバーリリース機構、ピンチローラばね圧力調整機構および通紙ガイド上下機構を動作させるリフトカム軸58付近の部分を示す模式的斜視図である。
【0062】
同図に於いて、59はピンチローラホルダ23に当接するピンチローラホルダ押圧カム、60はピンチローラばね24に作用するピンチローラばね押圧カム、61はPEセンサレバー66に当接するPEセンサレバー押圧カム、65は通紙ガイド70に当接する通紙ガイド押圧カムである。62はリフトカム軸58の角度位置検知に用いられるリフトカム軸遮蔽板、69はリフトカム軸遮蔽板62によって透過/遮蔽されるリフトカムセンサである。66は、搬送される被記録用紙に接触して先端や後端を検知するPEセンサレバー、67はPEセンサレバーによって透過/遮蔽されるPEセンサ、68はPEセンサレバー66を所定方向に付勢するPEセンサレバーばねであり、71は通紙ガイド70を所定方向に付勢する通紙ガイドばねである。
【0063】
ピンチローラリリース機構、PEセンサレバーリリース機構、ピンチローラばね圧力調整機構および通紙ガイド上下機構は、リフトカム軸58の回転によって作動させられる。本実施形態の機構では、リフトカム軸58には、ピンチローラホルダ押圧カム59、ピンチローラばね押圧カム60、PEセンサレバー押圧カム61、通紙ガイド押圧カム65がそれぞれ固定されているので、リフトカム軸58の1回転に同期して、それぞれのカムによって各機構が動作させられる構成としている。ここで、リフトカム軸58の初期角度および1回転は、リフトカムセンサ69が、リフトカム軸遮蔽板62によって遮蔽される状態と透過する状態とに推移させられることによって認識している。なお、本発明の趣旨はこれには拘束されず、それぞれの機構を独立に駆動する機構を採用してもよい。
【0064】
次に、それぞれの機構の動作について説明する。
【0065】
図4は、ピンチローラリリース機構およびピンチローラばね圧力調整機構の動作を示す模式的側面図である。
【0066】
図4(a)は、ピンチローラホルダ押圧カム59が初期位置にあり、ピンチローラ22が、紙送りローラ21に標準の圧力で圧接させられた状態にある場合を示している。ピンチローラホルダ23は、ピンチローラホルダ軸23aをシャーシ10の軸受部にて回転自在に支持され、所定角度範囲を揺動可能に構成されている。ピンチローラホルダ23の一端にはピンチローラ22が回転可能に支持されており、ピンチローラホルダ軸23aを挟んで他端側が、ピンチローラホルダ押圧カム60と当接する領域に設定されている。また、ピンチローラばね24は、その一端がピンチローラホルダ23のピンチローラ22側に力点として当接し、他端側がピンチローラばね押圧カム60で支持され、両者の間のばね中心をシャーシ10の支持部により支持された捩りコイルばねである。このような支持形態により、所定圧力でピンチローラ22が紙送りローラ21に圧接させられている。この状態で、図示せざる紙送りローラ21の回転駆動機構を動作させると、紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部に挟持された被記録用紙を搬送することが可能である。
【0067】
図4(b)は、ピンチローラ22はリリース状態であり、ピンチローラばね24は抜重状態である場合を示す図である。即ち、リフトカム軸58の、図4矢印a方向の回動により、ピンチローラホルダ押圧カム59がピンチローラホルダ23に当接することによって、ピンチローラホルダ23は徐々に図4矢印b方向に回動させられ、紙送りローラ21からリリースされている。また、ピンチローラばね押圧カム60はピンチローラばね24との当接面が小半径部となり、これによって、ピンチローラばね24の、ピンチローラ押圧カム60との当接点が、ピンチローラホルダ23との当接点側がピンチローラホルダ23の回動と共に回動する方向と同一方向に回動させられている。そして、ピンチローラばね24の捩り角度θ2が図4(a)の時よりも開いているため、ばね荷重が低減しており、ピンチローラホルダ23には殆ど荷重が掛かっていない状態になっている。これにより、ピンチローラホルダ23を回動させる際、ピンチローラばね24の付勢力が回動の負荷とならないようにし、また、ピンチローラホルダ23に殆ど応力が掛からないようにすることができる。この状態では、紙送りローラ21とピンチローラ22の間には所定量の隙間Hが出来ており、ラフにガイドされた被記録用紙でも、先端を容易にニップ部に挿入することが可能である。
【0068】
図4(c)は、ピンチローラ22が図4(a)と同様に紙送りローラ21に圧接されているが、圧接力が弱い、軽圧接状態とされている場合を示す図である。即ち、図4(b)に示す状態から、リフトカム軸58が更に図4矢印a方向に回転することにより、ピンチローラホルダ押圧カム59とピンチローラホルダ23の当接は解除され、ピンチローラホルダ23は図4矢印c方向に回転して元の状態に戻り、ピンチローラばね押圧カム60はピンチローラばね24との当接面が図4(a)と図4(b)の中間の半径の部分になっている。これにより、ピンチローラばね24の捩り角度θ3は図4(a)よりやや大きい状態となっているので、紙送りローラ21にピンチローラ22を圧接する力が、図4(a)の状態におけるよりもやや小さくなっている。この状態では、通常よりも厚い被記録用紙が紙送りローラ21とピンチローラ22の間に挟持された場合に、ピンチローラばね24の捩り角度が通常よりも大きいために、発生荷重が過大になるのを防止できる。よって、被記録用紙の厚さに応じて、図4(a)に示す状態と、図4(c)に示す状態とに切替を行うことによって、通常の厚さの被記録用紙でも、厚い被記録用紙の場合でも、紙送りローラ21の軸損による回転負荷を平準化出来る。
【0069】
以上の状態を経て、リフトカム軸58を1回転させると、機構は図4(a)の状態に戻り、標準状態となる。
【0070】
次に、図5は、PEセンサレバー上下機構の動作を示す、模式的側面図である。
【0071】
図5(a)は、PEセンサレバー押圧カム61が初期位置にあり、PEセンサレバー66がフリー状態になっている場合を示している。PEセンサレバー66は、シャーシ10の軸受部にPEセンサレバー軸66aの周りに揺動自在に支持されている。この状態では、PEセンサレバー66はPEセンサレバーばね68の作用により図の位置に付勢され、PEセンサレバー66の遮蔽板部がPEセンサ67を遮蔽している状態である。この状態から、被記録用紙がPEセンサレバー66の部分を通過すると、PEセンサレバー66は同図の時計周り方向に回転させられ、PEセンサ67は透過状態となって、被記録用紙がPEセンサレバー66の部分に存在していることを検知出来る。したがって、この遮光および透過状態の推移から、被記録用紙の先端および後端部を検知することができる。
【0072】
図5(b)は、PEセンサレバー66がPEセンサレバー押圧カム61によってロックされた状態を示す図である。即ち、PEセンサレバー押圧カム61の図5矢印a方向への回動により、PEセンサレバー66のカムフォロワ部が押し上げられて、PEセンサレバー66は図矢印b方向へ回動させられている。この状態では、PEセンサレバー66の用紙検知部はピンチローラホルダ23より内側に隠れてしまい、被記録用紙が通紙パスにあっても、被記録用紙とPEセンサレバー66が当接することがない。よって、この状態で被記録用紙を図2矢印b方向に搬送しても、被記録用紙がPEセンサレバー66に当たってジャムしたりすることが無くなる。
【0073】
図6は、通紙ガイド上下機構の動作を示す模式的側面図である。
【0074】
図6(a)は、通紙ガイド70がアップ状態である場合を示す図である。通紙ガイド70は通常通紙ガイドばね71により持ち上げられる方向に付勢されており、図示せざるストッパに突き当たって位置が決まっている。この通紙ガイドばね71の作用により、メインASF37から給紙された被記録用紙が通過する際、通紙ガイド70はこの姿勢を保っている。但し、通常より大きい力が掛かった場合には、通紙ガイド70は、通紙ガイドばね71の力に逆らって下がることも可能な構成である。
【0075】
図6(b)は、通紙ガイド70がダウン状態である場合を示す図である。リフトカム軸58に固定された通紙ガイド押圧カム65が、図6矢印a方向に回転することにより、通紙ガイド押圧カム65が、通紙ガイド70の一部である通紙ガイドカムフォロワ部70aに徐々に当接し、通紙ガイド70は図6矢印b方向に回転させられ、通紙ガイドばね71の力に逆らって押し下げられる。この状態では、通紙ガイド70の通紙パスに面する部分は略水平になり、通紙パスはほぼ完全にストレートになる。これにより、図2で紙送りローラ21よりも図2矢印b方向に用紙が搬送される際も、被記録用紙は水平に搬送され、被記録用紙表面の、既に記録が行われた部分が通紙パス上方に押し付けられることがなくなる。
【0076】
図7は、キャリッジ上下機構を示す模式的斜視図である。
【0077】
同図に於いて、14aはガイドシャフト14に取り付けられたガイドシャフトカムR、14bは同じくガイドシャフト14に取り付けられたガイドシャフトカムL、53はリフトカムギア52と、ガイドシャフトカムR14aに一体のギアをつなぐカムアイドラギアである。
【0078】
ガイドシャフト14は、図1に示すようにシャーシ10の両側板に支持されており、上下方向のガイド長穴(図8など参照)とガイドシャフト14が嵌合し、図7矢印Z方向には自由に動けるが、図7矢印X方向および図7矢印Y方向の移動は規制されている。通常はガイドシャフトばね55によって下方向(矢印Zと反対方向)に付勢されているガイドシャフト14であるが、カムアイドラギア53が回転することによってガイドシャフトカムR14aおよびガイドシャフトカムL14bがガイド斜面56と当接し、ガイドシャフト14自身が回転しながら上下する構成になっている。
【0079】
図8は、キャリッジ上下機構の動作を示す模式的側面図である。
【0080】
図8(a)は、キャリッジ13が、標準位置である第1キャリッジポジションにある場合を示す図である。この状態では、ガイドシャフト14はシャーシのガイド長穴57の下縁に突き当てられて位置が決まっており、ガイドシャフトカムR14aとガイド斜面56は接していない。
【0081】
図8(b)は、キャリッジ13が、第1キャリッジポジションよりも少し高い第2キャリッジポジションに移動させられた場合を示す図である。第1キャリッジポジションからは、リフトカム軸58の回転により、リフトカム軸58に固定されたリフトカムギア52が回転し、リフトカムギア52と契合したカムアイドラギア53を介してガイドシャフトカムRギア14cが回転させられることによって第2キャリッジポジションへの推移が行われる。
【0082】
この時、リフトカムギア52とガイドシャフトカムRギア14cを同じ歯数にしておくと、リフトカム軸58とガイドシャフト14は同じ方向にほぼ同じ角度回転することになる。全く同じ角度で回転しないのは、リフトカムギア52とカムアイドラギア53は回転軸が固定された位置にあるのに対し、ガイドシャフトカムRギア14cは、回転軸たるガイドシャフト14自身が上下動するために、ギア間距離が変動するためである。
【0083】
このように、リフトカム軸58が図8矢印a方向に回転すると、ガイドシャフト14も図8矢印b方向に回転する。この回転により、ガイドシャフトカムR14aおよびガイドシャフトカムL14bが、それぞれ固定した位置にあるガイド斜面56に当接する。この際、ガイドシャフト14の移動方向が前述の如くシャーシ10のガイド長穴57により上下方向のみに規制されているため、キャリジ13は、第1キャリッジポジションから真っ直ぐ上方に第2キャリッジポジションへと移動することになる。この第2キャリッジポジションは、被記録用紙の変形が大きく、第1キャリッジポジションで被記録用紙と記録ヘッド11が当接してしまうような場合にこのポジションに推移させるようにするのにも好適である。
【0084】
図8(c)は、キャリッジ13が、最も高い第3キャリッジポジションにある場合を示す図である。第2キャリッジポジションより更にリフトカム軸58が回転することにより、ガイドシャフトカムR14aおよびガイドシャフトカムL14bのカム面の、より大きな半径の部分がガイド斜面56に当接し、キャリッジ13は更に高い位置に移動させられる。この第3キャリッジポジションは、通常よりも厚みのある被記録媒体を使用する場合に切り替えるのにも好適である。
【0085】
以上が、5つの機構の詳細な説明である。
【0086】
次に、リフトカム軸58の駆動機構について説明する。
【0087】
本実施形態に於いては、リフトカム軸58の駆動源としては、メインASF37を駆動するASFモータ46を用いている。ASFモータ46の回転方向および回転量制御により、適宜メインASF37を動作させたり、リフトカム軸58を動作させたりしている。
【0088】
図9は、リフトカム軸駆動機構を示す模式的斜視図である。同図に於いて、46は駆動源たるASFモータ(ギア類を示すために、上半分を切り取って記載している)、47はASFモータ46に取り付けられたギアの次段に位置するASF振り子アーム、48はASF振り子アーム47の中心に取り付けられたASF太陽ギア、49はASF振り子アーム47の端部に取り付けられ、ASF太陽ギア48と契合するASF遊星ギア、63はリフトカム軸58に固定された振り子ロックカム、64は振り子ロックカムに作用して揺動する振り子ロックレバーである。
【0089】
前述のように、ASFモータ46の回転方向により駆動力伝達方向をリフトカム軸58側とメインASF37側に切り替えており、リフトカム軸58を動作させる場合には、ASFモータ46を図9矢印a方向に回転させる。すると、ASFモータ46に取り付けられたギアがASF太陽ギア48を回転させる。ASF太陽ギア48とASF振り子アーム47は所定の摩擦力を持って互いに回転可能に契合されているので、ASF振り子アーム47は、ASF太陽ギア48の回転方向と同方向に、図9矢印b方向に振れる。すると、ASF遊星ギア49が次段のリフト入力ギア50と契合する。これにより、ASFモータ46の駆動力が、リフト減速ギア列51を介してリフトカムギア52へと伝達される。なお、この時はASF振り子アーム47が図9矢印b方向に振れていることにより、メインASF37を駆動するギア列への駆動力は切断された状態になっている。
【0090】
逆に、メインASF37側を駆動する場合には、ASFモータ37を図9矢印aと反対方向に回転させることにより、前述したのとは逆に、ASF振り子アーム47が図9矢印bと反対方向に振れる。これにより、ASF遊星ギア49とリフト入力ギア50との契合は解除され、ASF振り子アーム47に設けられたもう1つのASF遊星ギア49がメインASF37側のギア列と契合して、メインASF37が駆動される。
【0091】
なお、ASFモータ46は、本実施形態に於いては、いわゆるステッピングモータを使用し、オープンループで制御しているが、DCモータなどにエンコーダを使用してクローズドループ制御としてもよいのは言うまでもない。
【0092】
ここで、駆動力伝達に遊星ギア機構を使用している場合には、被駆動側がマイナスの負荷になった場合、振り子ロックレバー64が動いてギアの契合が外れてしまい、被駆動側が駆動源よりも位相が進んでしまう、いわゆる先回りが起こってしまう可能性がある。これを防止するために、本実施形態では、振り子ロックカム63と振り子ロックレバー64を配している。
【0093】
リフトカム軸58が所定角度範囲にある場合には、振り子ロックカム63のカム面形状により、振り子ロックレバー64は図9矢印c方向に揺動し、振り子ロックレバー64がASF振り子アーム47に契合して、メインASF37を駆動する側に戻れないように固定する。これにより、ASF遊星ギア49はリフト入力ギア50と常時噛み合った状態に保たれるので、ASFモータ46とリフトカム軸58は常に同期して回ることになる。
【0094】
また、振り子ロックカム63が、上述の角度範囲外の所定角度範囲にされると、振り子ロックレバー64が図9矢印cと反対方向に戻り、ASF振り子アーム47のロックが解除されて、ASFモータ46を逆転させれば駆動力の伝達方向をメインASF37側に切り替えることが出来る状態になる。
【0095】
以上説明した機構により、ピンチローラ22のリリース、PEセンサレバー66のロック、ピンチローラばね24の圧力調整、通紙ガイド70の上下動作、キャリッジ13の上下動作が可能となる。なお、以下では、上述の5種類の機構を総称してリフト機構と称する。
【0096】
次に、これらの機構がどのように相関して動作するかを説明する。
【0097】
図10は、キャリッジ13、ピンチローラ22、PEセンサレバー66、通紙ガイド70の動作を示す模式的側面図である。
【0098】
図10(a)は、リフト機構が第1ポジションにある場合を示す図である。この状態では、ピンチローラ22は紙送りローラ21に圧接された状態にあり、PEセンサレバー66はフリー状態にあり、ピンチローラばね24は通常圧力を発生しており、通紙ガイド70はアップ状態にあり、キャリッジ13は第1キャリッジポジションにある。この状態は、通常の被記録用紙を用いた記録動作、あるいは自動両面ユニット2での被記録用紙反転後のレジストレーション取り等に使用される。
【0099】
図10(b)は、リフト機構が第2ポジションにある場合を示す図である。この状態では、ピンチローラ22は紙送りローラ21に圧接された状態にあり、PEセンサレバー66はフリー状態にあり、ピンチローラばね24は通常圧力を発生しており、通紙ガイド70はアップ状態にあり、キャリッジ13は第2キャリッジポジションにある。リフト機構の第1ポジションと比較すると、キャリッジ13の位置が異なるだけである。この状態は、被記録用紙の変形が大きい場合に、被記録用紙と記録ヘッド11が擦れてしまうのを防止するためや、若干厚みのある被記録用紙を使用する場合などに使用される。
【0100】
図10(c)は、リフト機構が第3ポジションにある場合を示す図である。この状態では、ピンチローラ22は紙送りローラ21からリリースされ所定隙間が空いた状態にあり、PEセンサレバー66は上方に待避させられてロックされた状態にあり、ピンチローラばね24は圧接力を弱められた状態にあり、通紙ガイド70はダウン状態にあり、キャリッジ13は最も高い第3キャリッジポジションにある。リフト機構の第2ポジションと比較すると、全ての状態が変化して、通紙パスがストレートに解放され、被記録用紙の、紙送りローラ21のニップへの引き込みが可能となった状態である。この状態は、被記録用紙の表面記録終了後に被記録用紙を図2矢印b方向に搬送する場合や、厚みの厚い被記録媒体を挿入する場合等に使用される。
【0101】
図10(d)は、リフト機構が第4ポジションにある場合を示す図である。この状態では、ピンチローラ22は紙送りローラ21に圧接されており、PEセンサレバー66は上方に待避させられロックされた状態にあり、ピンチローラばね24は若干弱い圧力を発生しており、通紙ガイド70はダウン状態にあり、キャリッジ13は最も高い第3キャリッジポジションにある。リフト機構の第3ポジションと比較すると、ピンチローラ22が圧接状態に戻り、ピンチローラばね24が若干弱い圧力を発生するように変化している。この状態は、自動両面記録時の被記録用紙再引き込み後に自動両面ユニット2に向けて被記録用紙を搬送する場合や、厚みの厚い被記録媒体を使用して記録を行う際に使用される。
【0102】
本実施形態に於いては、記録装置の動作を鑑みて、上記4種類のリフト機構ポジションに限定することで、機構を簡略化している。即ち、リフトカム軸58が1回転する間に、第1ポジション→第2ポジション→第3ポジション→第4ポジション→第1ポジションと循環してポジションが変化するようにしている。なお、本発明の趣旨はこれには拘束されず、それぞれの機構要素が独立して動作する構成としてもよい。また、ピンチローラばね24の圧力調整機構は必須ではなく、ピンチローラホルダ23の剛性が充分に高い場合や、LFモータ26の負荷変動が問題にならない場合などでは省略可能である。また、メインASF37の配置などにより、通紙ガイド70が水平でも上手く紙送りローラ21のニップ部に被記録用紙先端をガイド出来る構成であれば、通紙ガイド70の上下機構は無くてもよい。
【0103】
以上の模式的側面図で説明した内容を更に分かり易くするために、タイミングチャートを用いて再度説明する。図11は、リフト機構の動作状態を示す、タイミングチャートである。図の横軸は、リフトカム軸58の角度を示しており、図の左側に記載した第1ポジションのところから右側に記載した第1ポジションのところまでが360゜の範囲になっている。縦軸には、それぞれの機構要素のポジションを模式的に示している。同図で示される通り、リフトカム軸58を動作させることによって、複数の機構が互いに同期した所定のタイミンングで動作させられる。リフト機構がどの動作状態にあるかは、リフトカム軸58の角度をリフトカムセンサ69で検知することができ、これに基づいて、ASFモータ46の回転角度を制御することによって、複数の機構の動作タイミングを同時に調整することができる。
【0104】
以上が、リフト機構の動作説明である。
【0105】
次に、被記録用紙にどのように自動両面記録するかについて具体的に説明する。
【0106】
図12は、被記録用紙4の表面記録終了後に、被記録用紙4を紙送りローラ21のニップ部に再度引き込む過程を説明する模式的側面図である。
【0107】
図12(a)は、被記録用紙4の表面記録が終了し、被記録用紙4が第1排紙ローラ30と第1拍車列32、および第2排紙ローラ31と第2拍車列33によって挟持されている状態を示している。この時、リフト機構は第1ポジションあるいは第2ポジションの状態にある。前述の如く、この状態まで被記録用紙4を前進させて記録を行うと、被記録用紙4の後端部を記録ヘッド11の吐出ノズル列に対向する位置に導くことができるので、被記録用紙4に後端余白を作ることなく、被記録用紙4の後端部一杯まで記録を行うことが可能である。
【0108】
次に、リフト機構を第3ポジションに移行させ、ピンチローラ22と紙送りローラ21の間に所定量の大きな隙間をあける。これによって、被記録用紙4の後端が多少波打っていたり、上に反り返っていたりしても、紙送りローラ21のニップ位置に容易に引き込むことが可能となる。なお、この時に、ピンチローラホルダ23は、ピンチローラ22が位置する側を上昇させられるが、同時に、キャリッジ3も適当な位置に上昇させられるため、ピンチローラホルダ23とキャリッジ13が干渉することはないので、キャリッジ13は主走査方向のどの位置にあっても構わない。
【0109】
図12(b)は、被記録用紙4を図2矢印b方向に搬送し(以下、この方向に被記録用紙4を搬送することをバックフィードと称する)、ピンチローラ22の下まで移動させて停止している状態を示す図である。本実施形態の記録装置が湿式のインクジェット記録方式を採用しているため、この状態で停止させている。即ち、被記録用紙4の記録済み面(図12での上面)は、記録動作直後であるため、インクで濡れた状態にあり、直ぐにピンチローラ22と紙送りローラ21で圧接してしまうと、ピンチローラ22にインクが転写し、そのインクが、その後の搬送過程で再度被記録用紙4に転写されて、被記録用紙4に汚れを発生させてしまう可能性があるため、圧接しない状態で停止させている。
【0110】
インクがピンチローラ22に転写しないようになるまでの時間、言い換えれば被記録用紙4上に打ち込まれたインクが乾燥するまでの時間は、数々の条件に左右される。即ち、このような条件には、被記録用紙4の種類、使用インクの種類、使用インクの重ね打ち込み方法、使用インクの単位面積あたりの打ち込み量、記録動作を行っている環境の温度、記録動作を行っている環境の湿度、記録動作を行っている環境の気体の流速等が含まれる。
【0111】
概略では、表面にインク受容層を持ち、素早く内部にインクを導ける被記録用紙を用いるとインクは早く乾燥しやすい。また、染料等、インクの粒子が小さく、被記録用紙の内部に浸透しやすいインクを使用すれば、早く乾燥しやすい。また、化学的に反応するインクを使用し、被記録用紙表面に重ねて打ち込むことで固化させるインクシステムとすれば、早く乾燥しやすい。また、単位面積あたりに打ち込むインク量を少なくすれば、早く乾燥しやすい。また、記録動作を行っている環境の温度を高くすれば、早く乾燥しやすい。また、記録動作を行っている環境の湿度を低くすれば、早く乾燥しやすい。また、記録動作を行っている環境の気体の流速を早くすれば、早く乾燥しやすい。
【0112】
以上のように、幾つかの条件により必要な乾燥時間が変化するので、本実施形態に於いては、所定インクシステムを用いて、一般的な使用条件(一般的な被記録用紙、一般的な記録動作環境)で記録を行った際に必要な乾燥時間を標準値とし、この標準値を、予測可能な条件によって調整した時間を乾燥時間とする構成を用いている。
【0113】
この場合の予測可能な条件は、単位面積あたりの打ち込みインク量であるが、その他にも、環境温度検知手段や、環境湿度検知手段、環境風速検知手段等を併用すれば、更に乾燥待機時間を細かく予測することも可能である。このような乾燥時間の調整は、例えば、ホスト装置308から受信したデータをRAM312上に記憶し、単位面積あたりの打ち込みインク量を計算して、その最大値とROM311に記述された所定閾値とを比較して、乾燥待機時間を決定することによって実施することが出来る。即ち、単位面積あたりの打ち込みインク量の最大値が大きい場合は、乾燥待機時間を長くし、逆に小さい場合には、乾燥待機時間を短くすることで、記録パターンに応じて乾燥待機時間を最適化することが出来る。
【0114】
また、記録に使用したインクの種類が、染料系インクであるか、顔料系インクであるかによっても乾燥待機時間が異なるが、染料インクの場合は乾燥し易いために乾燥待機時間を短くし、顔料インクの場合は乾燥しにくい為に乾燥待機時間を長くしてもよい。また、周囲温度が高いときには、乾燥しやすいので、乾燥待機時間を短くし、周囲温度が低いときには、乾燥しにくいので、乾燥待機時間を長くしてもよい。また、周囲湿度が高いときには乾燥しにくいので、乾燥待機時間を長くし、周囲湿度が低いときには乾燥し易いので、乾燥待機時間を短くしてもよい。また、表面にインク受容層を持ち、打ち込まれたインクをすぐに被記録用紙の内部に取り込むことができるような被記録用紙を用いる場合には、被記録用紙表面は乾燥しやすいので、乾燥待機時間を短くし、撥水性の強い被記録用紙を用いる場合には、乾燥しにくいので、乾燥待機時間を長くしてもよい。
【0115】
なお、このような乾燥待機は、図12(a)の状態で行ってもよいが、そうせずに図12(b)の位置まで被記録用紙4をバックフィードした状態で待機する方が好適である。これは、被記録用紙4の変形に起因している。即ち、湿式のインクジェットプロセスで被記録用紙4に記録を行った場合には、被記録用紙4が水分を吸収するために被記録用紙4を構成する繊維が膨張し、被記録用紙4が伸びることがある。記録されるパターンにより、被記録用紙4に比較的大きく伸びる部分とあまり大きく伸びない部分ができる場合があり、そのような場合には、記録後、時間が経過するにつれて、被記録用紙4の紙面に特に顕著に凹凸が生じる。このような凹凸の大きさは、主に被記録用紙4が水分を吸収し始めてからの時間に依存して、時間が経つにつれて大きくなっていき、所定の変形量に収束する。そこで、時間が経って被記録用紙4の端部の変形量が大きくなると、ピンチローラ22を紙送りローラ21から遠ざけてリリースしていても、被記録用紙4の端部がピンチローラ22に干渉してジャムを起こしてしまう危惧が生じる。これを防止するために、記録終了後、被記録用紙4の変形による凹凸が大きくならないうちにバックフィードをして、ピンチローラ22の下まで被記録用紙4を移動させてしまうようにしている。以上の理由により、本実施形態では、図12(b)の位置まで被記録用紙4の表面後端をバックフィードして、被記録用紙4の記録済み部分が乾燥するのを待つ構成としている。
【0116】
図12(c)は、被記録用紙を自動両面ユニット2に向けて搬送している状態を示す図である。被記録用紙4の記録済み部分が乾燥して、ピンチローラ22を圧接しても、ピンチローラ22にインクが転写しない状態になったら、リフト機構を第4ポジションに移行させ、被記録用紙4をピンチローラ22と紙送りローラ21で挟持する。この状態で紙送りローラ21を駆動し、被記録用紙4をバックフィードする。
【0117】
この時、PEセンサレバー66は上方に回転させられロックされているので、PEセンサレバー66の先端が被記録用紙4に食い込んでしまったり、あるいは記録済み部分を擦って、剥がしてしまったりすることはない。また、通紙ガイド70はダウン状態であるので、通紙ガイド70によって形成される通紙面は略水平となっており、自動両面ユニット2に向けて被記録用紙4を真っ直ぐに搬送することができる。
【0118】
なお、本実施形態では、通常通紙ガイド70をアップ状態とするのを基本としているが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、通常通紙ガイド70を通常ダウン状態としてもよい。即ち、リフト機構の通常の待機状態を第3ポジションあるいは第4ポジションとしておき、メインASF37からの給紙動作時に第1ポジションに移行させるように構成することも可能である。このように構成することにより、剛性の強い被記録媒体を排紙ローラ側から挿入する際に、円滑に挿入することが可能となる。
【0119】
以上が、被記録用紙4の表面記録終了から自動両面ユニット2への搬送過程の説明である。
【0120】
次に、自動両面ユニット2内部での被記録用紙4の搬送形態について説明する。
【0121】
図13は、自動両面ユニット2の通紙パスおよび搬送用ローラの設置状態を示す模式的側断面図である。
【0122】
同図に於いて、101は自動両面ユニット2の構造体であり、また、用紙搬送経路の一部を構成している両面ユニットフレーム、102は両面ユニットフレーム101の内部に固定され、用紙搬送経路の一部を構成している内ガイド、103は両面ユニットフレーム101の後方に開閉自在に配され、用紙搬送経路の一部を構成しているリアカバー、105は切替フラップ104を所定方向に付勢する切替フラップばね、107は出口フラップ106を所定方向に付勢する出口フラップばね、110は両面ローラA108のゴム部分である両面ローラゴムA、111は両面ローラB109のゴム部分である両面ローラゴムBである。
【0123】
図12(c)の状態から被記録用紙4が自動両面ユニット2に搬送されて来た時、出口フラップ106は出口フラップばね107の作用により図13い示すように、上側の搬送路を塞ぎ、下側の搬送路が開いた位置に付勢されているため、導入路は一意に決まる。したがって、被記録用紙4は図13矢印aで示すように、下側の搬送路へと進行していく。次に、被記録用紙4は切替フラップ104に当たるが、被記録用紙4が、両面記録することができる通常のあまり剛性が高くないものである場合には、切替フラップ104が回転しないように切替フラップばね105の荷重が設定されているため、切替フラップ104と両面ユニットフレーム101の間の通紙経路に沿って斜め下方へと進行する。
【0124】
被記録用紙4は、そのまま進行することによって、記録済み面(表面)が両面ローラB109の両面ローラゴムB111に当接し、未記録面(裏面)が高潤滑性の高分子樹脂でできた両面ピンチローラB113に当接して、両者の間に挟持される。この時、後述する駆動機構により、両面ローラA108および両面ローラB109と紙送りローラ21は、略同一の周速度で回転するように設定されているので、被記録用紙4は、両面ローラB109との間に滑りが生じることもなく搬送されていく。また、周速度が略同一であることにより、被記録用紙4が弛んでしまったり、張力が掛かった状態になってしまったりすることもない。
【0125】
両面ローラB109に沿って進行方向を変えられた後、被記録用紙4はリアカバー103に沿って進行し、同様に両面ローラA108の両面ローラゴムA110と両面ピンチローラA112の間に挟持される。再度、両面ローラA108に沿って進行方向を変えられて、被記録用紙4は図13矢印b方向に搬送される。
【0126】
そのまま被記録用紙4が進行すると、被記録用紙4先端が出口フラップ106に当接する。出口フラップ106は、被記録用紙4自身が出口フラップ106を押し退けて自動両面ユニット2を出ていくことができるように、非常に弱い荷重の出口フラップばね107によって付勢されている。また、自動両面ユニット2内の通紙パス長は、被記録用紙4の進行方向先端が出口フラップ106を出ていく時には、被記録用紙4の進行方向後端は既に出口フラップ106の下を通過するように設定されているので、被記録用紙4自身の先端部と後端部が擦れ合うことはない。
【0127】
なお、詳細な動作についてはフローチャートを参照して後述するが、被記録用紙4の表面に記録を行う際に、紙送りローラ21から両面ローラB109までの距離、あるいは両面ローラA108から紙送りローラ21までの距離より短い被記録用紙や、自動両面ユニット2の出口フラップ106から一周して出口フラップ106まで戻ってくる距離よりも長い被記録用紙が挿入された際には、表面の記録が終了した段階で警告を出し、自動両面ユニット2へ被記録用紙4を搬送することなく排紙してしまうように構成している。このような処理は、PEセンサレバー66を利用して被記録用紙長を測定することによって、自動的に行うことが可能である。
【0128】
ここで、被記録用紙4の記録済み面を両面ローラゴムA110および両面ローラゴムB111側にして搬送する理由について説明する。両面ローラゴムA110や両面ローラゴムB111は駆動側であり、両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113は従動側であり、被記録用紙4は駆動側ローラに追従して搬送され、従動側のローラは被記録用紙4との摩擦力により回転させられることになる。この時、両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113を支持する回転軸の軸損が十分に小さければ問題はないが、何らかの原因で軸損が上昇した場合、被記録用紙4と両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113との間で滑りが生じる可能性がある。被記録用紙4に記録された部分は、ローラとの当接によりインクが転写しない程度には乾燥しているが、擦られた場合には被記録用紙4の表面からインクが剥離してしまう可能性もある。すなわち、もし、被記録用紙4の記録済み面が両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113側に接していて、それらのローラとの間で滑りが生じた場合、記録済み面のインクが剥離してしまう可能性がある。それを防止するために本実施形態では、記録済み面(表側)側に駆動側ローラが当接するようにし、未記録面(裏側)側に従動側ローラが当接する配置としている。
【0129】
また、この配置とする別の理由として以下の理由も挙げられる。即ち、駆動側の両面ローラA108あるいは両面ローラB109は、被記録用紙4の屈曲半径をあまり小さくするのは好ましくないという制約があるため、ある程度以上の直径とするのが好ましく、一方、両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113は小径化することが可能であるので、自動両面ユニット2をコンパクトに設計するためには、両面ピンチローラA112や両面ピンチローラB113を小径に設計することが多い。また、基本的には被記録用紙4の記録済み面からインクがローラ側に転写することはないが、ほんの少量ずつ転写して、記録済み面に当接するローラが徐々にインクで汚れていくことがある。小径化されたローラの場合は、ローラ外周の単位面積の領域が被記録用紙4と接触する頻度が高くなるため、大径のローラに比べて汚れていく速度が速くなるので、小径ローラは汚れに対して不利であると言える。以上のように、装置の小型化とローラの汚れの観点から、本実施形態に於いては、被記録用紙の記録済み面(表側)に当接する側に、直径の大きい両面ローラA108および両面ローラB109が位置する配置としている。
【0130】
更に、この配置とする別の理由として以下の理由も挙げられる。即ち、片方が駆動される一対のローラで被記録用紙を挟持・搬送する場合には、ニップ面積を稼ぐためにどちらかを弾性素材にし、搬送量を正確にするために駆動側を摩擦係数の高い材質、従動側を摩擦係数の低い材質とすることが多い。通常は、比較的低コストで高い摩擦係数を得られ、弾性にも富むゴム類素材を駆動側ローラの構成材質とするのが普通である。また、搬送力を増すために、エラストマー等を含むゴム類の表面に研磨を施し、故意に研磨目の微少な凹凸を付けた構成もよく用いられる。この場合は、従動側を表面の摩擦係数が比較的小さい、高分子樹脂で作るのが一般的である。表面が弾性部材、特に、微少な凹凸の付いたゴム類によって形成されたローラと、表面が非弾性部材、特に、平滑な高分子樹脂によって形成されたローラとを比較した場合、被記録用紙の記録済み面に当接させると、どちらにもインクの汚れが付着するが、弾性部材、特に、微少な凹凸の付いたゴム類はその表面に、特にその凹凸のために汚れを保持し、再度被記録用紙に汚れを転写することは少ないのに対し、非弾性部材、特に、平滑な高分子樹脂は汚れが剥離して被記録用紙に再転写しやすいので、弾性部材からなるローラを被記録用紙の記録済み面に当接させる方が有利であると言える。以上より、本実施形態に於いては、被記録用紙の記録済み面(表側)に当接する側に、弾性部材、特にゴム類素材のローラを配し、未記録面(裏側)に当接する側に、非弾性部材、特に高分子樹脂素材のローラを配するようにしている。
【0131】
以上が、通常の被記録用紙に両面記録を行うための反転動作の説明である。
【0132】
次に、自動両面記録は行わない、剛性の高い被記録媒体に記録を行う場合の自動両面ユニット2の動作を説明する。
【0133】
剛性の高い被記録媒体としては、例えば厚さが2〜3mmあるような厚紙や、円板状や異形の被記録媒体を所定トレイに載せたものを想定することができる。そのような被記録媒体は剛性が高いので、自動両面ユニット2の両面ローラ直径に倣う程には湾曲出来ず、したがって、自動両面記録を行うことはできないが、自動両面ユニット2を記録装置に装着したままの状態でそのような被記録媒体に記録を行いたいという状況はあり得る。被記録媒体の剛性が高い場合には、メインASF37を利用して給紙することもできないので、その場合は、ストレートな通紙パスを用いて、排紙ローラ31,32側から紙送りローラ21側に向かって被記録媒体を給紙する。その際の自動両面ユニット2の動作を以下に説明する。
【0134】
図14は、切替フラップ104の動作を説明する、模式的側断面図である。
【0135】
図14(a)は、前述のような通常の被記録用紙4を使用して自動両面記録を行う場合の状態を示している。この場合、切替フラップばね105は、被記録用紙4の押圧力に抗して切替フラップ104を付勢してストッパに当接させた状態に保つので、被記録用紙4は、前述した、反転させるための通紙パスへとガイドされる。
【0136】
一方、図14(b)は、剛性の高い被記録媒体4’を使用した場合の状態を示している。剛性の高い被記録媒体4’が自動両面ユニット2に搬送されてくると、被記録媒体4’は出口フラップ106の下を通って切替フラップ104に当接する。切替フラップばね105は、剛性の高い被記録媒体4’が挿入され切替フラップ104を押圧すると、切替フラップ104が待避する方向に揺動する程度の荷重に設定されており、このため、剛性の高い被記録媒体4’の進行に従って、切替フラップ104は同図反時計方向に揺動して待避位置へと移動させられる。そのため、剛性の高い被記録媒体4’は、両面ローラA108と両面ローラB109の間に設けられた第2の通紙パスである待避パス131に導かれる。リアカバー103の待避パス131に相当する位置には、穴があけられており、このため、剛性の高い長尺の被記録媒体を使用した場合でも、自動両面ユニット2に干渉して搬送が制限されることがない。
【0137】
なお、本発明の趣旨はこれには拘束されず、すなわち、上下2本の両面ローラの間に待避パス131を設けることは必須ではなく、以下のように構成することも可能である。
【0138】
図22は、略水平パスの上方に、大径の両面ローラを配置して構成した変形例の自動両面ユニット2を示す模式的断面図である。同図に於いて、切替フラップ104は図示せざる切替フラップばねにより図22に示すように、両面ローラA108に沿う搬送経路を形成する位置に付勢されている。この切替フラップばねのばね圧は、切替フラップ104が、剛性の低い通常の被記録用紙が当接した際には回転せず、剛性の高い被記録媒体が当接した際に回転するような荷重に設定されている。よって、剛性の低い被記録用紙の場合は、両面ローラA108の図22矢印c方向への回転により、被記録用紙は図22矢印aで示すように、両面ローラAに沿って上方へ進行するが、剛性の高い被記録媒体の場合は、切替フラップ104は押し退けられて、被記録媒体は図22矢印bで示すように、真っ直ぐに待避パス131へと進行する。これにより、長尺な剛性の高い被記録媒体を使用しても、自動両面ユニット2に干渉して搬送が制限されることがない。
【0139】
以上のように、本実施形態の自動両面ユニット2に於いては、自動両面ユニット2を取り外すことなく、剛性の高くあまり湾曲させることができない被記録媒体への片面記録を行うことも可能である。
【0140】
以上が、2通りの通紙パスを持つ自動両面ユニット2の説明である。
【0141】
次に、自動両面ユニット2のローラ類駆動機構について説明する。
【0142】
図15は、図2とは反対側から見た、自動両面ユニット2のローラ駆動機構を示す模式的側断面図である。
【0143】
同図に於いて、115はLFモータ26から両面太陽ギア116まで動力を伝達する両面伝達ギア列、116は両面振り子アーム117の中心にある両面太陽ギア、117は両面太陽ギア116を回転中心として揺動可能な両面振り子アーム、132は両面振り子アーム117に取り付けられた両面振り子アームばね、118は両面振り子アーム117に回転可能に取り付けられ、両面太陽ギア116と契合した両面遊星ギアA、119は同じく両面遊星ギアBである。121は両面遊星ギアB119と契合する反転ディレイギアA、122は反転ディレイギアAと同軸にある反転ディレイギアB、125は両面ローラA108に固定された両面ローラギアA、126は両面ローラB109に固定された両面ローラギアB、124は2つの両面ローラギアを接続する両面ローラアイドラギアである。120は両面太陽ギア116とアイドラを介して契合するスパイラル溝ギア、127はスパイラル溝ギア120の溝に契合して揺動するストップアーム、128はストップアームをセンタリングするストップアームばねである。また、反転ディレイギアA121と反転ディレイギアB122の間には、後述するように、両者の相対的な回転位置を所定の位置とする向きに付勢力を与える、不図示の反転ディレイギアばねが設けられている。
【0144】
前述の如く、本実施形態では自動両面ユニット2の駆動力は、紙送りローラ21を駆動するLFモータ26より得ている。このような構成にすることにより、紙送りローラ21と両面ローラA108あるいは両面ローラB109とが協働して被記録用紙を搬送する際に、起動停止のタイミング、および被記録用紙搬送速度をほぼ完全に同期することができるので、このような構成は好適なものである。
【0145】
LFモータ26からの駆動力は、両面伝達ギア列115を介して両面太陽ギア116へと伝達される。両面太陽ギア116には、揺動自在な両面振り子アーム117が取り付けられ、更に両面振り子アーム117には両面遊星ギアA118と両面遊星ギアB119が取り付けられている。両面太陽ギア116と両面振り子アーム117の間には、適度な摩擦力が働くように構成されており、このため、両面太陽ギア116の回転に従って両面振り子アーム117が揺動する。
【0146】
ここで、紙送りローラ21が被記録用紙を排紙方向に搬送する方向にLFモータ26を回転させる方向を正方向、自動両面ユニット2側に被記録用紙を搬送する方向の、LFモータ26の回転方向を逆方向とすると、LFモータ26を正方向に回転させた時には、両面太陽ギア116は図15矢印a方向に回転する。両面太陽ギア116の回転に伴って、両面振り子アーム117も基本的に図15矢印a方向に揺動する。すると、両面遊星ギアA118が両面ローラアイドラギア124に契合し、両面ローラアイドラギア124を回転させる。両面ローラアイドラギア124の回転に伴い、両面ローラギアA125が図15矢印c方向へ、同じく両面ローラギアB126が図15矢印d方向へと回転する。図15矢印cおよび図15矢印dは、両面ローラA108および両面ローラB109がそれぞれ被記録用紙を自動両面ユニット2内を搬送する方向である。
【0147】
LFモータ26を逆方向に回転させた時には、両面太陽ギア116は図15矢印b方向に回転する。両面太陽ギア116の回転に伴って、両面振り子アームも図15矢印b方向へ揺動する。すると、両面遊星ギアB119が反転ディレイギアA121に契合する。
【0148】
反転ディレイギアA121と反転ディレイギアB122は、互いに相対するスラスト面から突起がそれぞれ突出しており、反転ディレイギアB122を固定して考えた時、反転ディレイギアA121を1回転させると突起同士が噛み合うようになっており、それによって、クラッチの役割を果たしている。両面遊星ギアB119が反転ディレイギアA121に契合する前は、反転ディレイギアA121と反転ディレイギアB122の間は、反転ディレイギアばね123によりそれぞれの突起同士が離れる方向に付勢されているため、反転ディレイギアA121が回転開始してから略一回転した後に、反転ディレイギアB122が回転開始する。したがって、LFモータ26が逆転方向に回転開始してから、反転ディレイギアB122が回転開始するまでには、一定の時間がかかり、この時間の間、両面ローラA108および両面ローラB109は停止した状態となり、すなわち、ディレイ期間が生じる。
【0149】
反転ディレイギアB122が回転すると、両面ローラアイドラギア124を介して、両面ローラギアAを図15矢印c方向へ、両面ローラギアBを図15矢印d方向へと回転させる。これは、LFモータ26を正方向に回転させたときの回転方向と同じ方向である。したがって、この機構によれば、LFモータ26の回転方向に係わらず、両面ローラA108および両面ローラB109を常に被記録用紙を所定の向きに搬送する方向に回転させることができる。
【0150】
ここで、スパイラル溝ギア120の作用について説明する。スパイラル溝ギア120には、外周にギア面が形成され、片方の端面に、最内周および最外周に無限軌道を備えた螺旋状の溝からなるカムが形成されている。このスパイラル溝ギア120は、本実施形態に於いては、アイドラギアを介して両面太陽ギア116と直結しており、したがって、両面太陽ギア116と同方向に同期して回転する。
【0151】
スパイラル溝ギア120の溝には、ストップアーム127の一部であるフォロワーピン127aが契合しており、したがって、ストップアーム127はスパイラル溝ギア120の回転に伴って揺動する。例えば、スパイラル溝ギア120が図15矢印e方向に回転すると、フォロワーピン127aは、螺旋溝内を案内されることによって内周に引き込まれ、このため、ストップアーム127は図15矢印g方向に揺動する。そのままスパイラル溝ギア120が図15矢印e方向に回転し続けると、フォロワーピン127aはやがて最内周の無限軌道に入り、したがって、ストップアーム127の揺動は所定位置で停止する。逆に、スパイラル溝ギア120が図15矢印f方向に回転すると、フォロワーピン127aは外周に向けて移動させられ、したがって、ストップアーム127は図15矢印h方向に揺動する。この場合も同様に、スパイラル溝ギア120が図15矢印f方向に回転し続けると、フォロワーピン127aは最外周の無限軌道に入り、ストップアーム127の揺動は所定位置で停止する。なお、スパイラル溝ギア120の回転方向が変わった時に、フォロワーピン127aが最外周および最内周の無限軌道から螺旋状溝に円滑に移動するように、ストップアーム127の移動範囲中央付近をセンターとしてセンタリングする力を加えるストップアームばね128がストップアーム127に取り付けられている。
【0152】
このような動作をするストップアーム127は、両面振り子アーム117に取り付けられた両面振り子アームばね132に作用する。両面振り子アームばね132は、両面振り子アーム117に取り付けられ、ストップアーム127方向に伸びた弾性部材である。そして、両面振り子アームばね132の先端は、常にストップアーム127よりもスパイラル溝ギア120の中心側に位置している。
【0153】
このような構成によって、LFモータ26が正方向に回転した時に、次のような作用が生じる。
【0154】
即ち、LFモータ26を逆方向に回転させて、被記録用紙4を自動両面ユニット2に搬送し、表裏反転させて紙送りローラ21に戻した時、ストップアーム127は、そのフォロワーピン127aが、スパイラル溝ギア120の最外周の無限軌道上を回転している状態となっている。その後、LFモータ26を正方向に回転させて裏面の記録を行っている際には、ストップアーム127のフォロワーピン127aは、スパイラル溝ギア120の内周に向かって移動する。LFモータ26が正方向に回転している時は、両面振り子アーム117は図15矢印a方向に揺動して動力伝達しているので、ストップアーム127は、そのフォロワーピン127aが内周に向かって移動する方向に揺動している途中で、両面振り子アームばね132と当接する。更にLFモータ26を正方向に回転させると、ストップアーム127は更に内周に移動して両面振り子アームばね132を弾性変形させる。
【0155】
この際、両面振り子アーム117の位置は、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の歯面同士が噛み合った状態で圧力角方向に作用する力、および、両面太陽ギア116との摩擦力による、両面振り子アーム117を図15矢印a方向に揺動させる力と、両面振り子アームばね132の反発力の力のバランスで決まることになる。本実施形態の場合は、ストップアーム127が、そのフォロワーピン127aがスパイラル溝ギア120の最内周の無限軌道に入った状態に揺動しても、両面振り子アームばね132が弾性変形されるのみで、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124間の動力伝達が継続して行われるように、両面振り子アームばね132の反発力は比較的小さく設定している。また、LFモータ26の動作が間欠的な動作であり、すなわち、回転・停止を繰り返したとしても、停止状態の時でさえ、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の歯面同士は重なったままとなり、両者の噛み合いが外れることはない。
【0156】
しかし、被記録用紙4の裏面の記録が終了して、自動両面ユニット2への駆動伝達が不要になったら、駆動を切断した方が、LFモータ26の負荷を低減できるので好ましい。そこで、駆動伝達を切断したい場合は以下の操作を行う。即ち、ストップアーム127が最内周の無限軌道に入っていて、両面振り子アームばね132が弾性変形している状態で、少しだけLFモータ26を逆方向に回転させる。すると、両面振り子アームばね132の反発力によって両面振り子アーム117は図15矢印b方向に回る方向に力をくわえられているところで、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の歯面同士の重なりによって止めている状態から、歯面同士の重なりを外す方向の回転を与えることになるので、両面振り子アーム117は一気に図15矢印b方向へと回転する。これによって、LFモータ26を両面ローラギアA125、両面ローラギアB126から切り離して、その負荷を減らすことができる。
【0157】
上記のようにして、一度、両面振り子アーム117が図15矢印b方向へと回転してしまうと、弾性変形していた両面振り子アームばね132が元の形状に戻る。この状態から、LFモータ26を正方向に回転させた場合には、両面振り子アームばね132とストップアーム127が干渉するため、両面振り子アーム117は揺動できず、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124が噛み合う位置ことはない。よって、この状態からは、所定量のLFモータ26の逆方向回転を経ないかぎり、自動両面ユニット2内の両面振り子アーム117以降に駆動力は伝達されない。
【0158】
両面振り子アーム117までの駆動は、単にギア列を回転させるだけなので、LFモータ26に掛かる負荷は僅少であり、自動両面ユニット2が付いていない場合の負荷と殆ど差がない。なお、ストップアーム127が最内周の無限軌道にある状態から、LFモータ26が逆方向に回転した場合には、両面振り子アームばね132とストップアーム127の間には何も作用を及ぼさないので、前述の如く反転ディレイギアA121へ駆動伝達を行うことが出来る。
【0159】
以上が、自動両面ユニット2のローラ類駆動機構の概略である。
【0160】
次に、自動両面ユニット2のローラ類駆動機構の動作の詳細についてフローチャートを参照して説明する。
【0161】
図16は、図15の自動両面ユニット2のローラ類駆動機構を、各動作状態にある状態で示す模式的側断面図である。また、図20は自動両面記録の動作シーケンスを示すフローチャートである。以下に、フローチャートに沿って自動両面記録動作を説明する。
【0162】
自動両面記録が開始されると、S1で被記録用紙4の給紙が行われる。例えば、メインASF37などから紙送りローラ21に向けて、被記録用紙4が供給される。
【0163】
次に、S2で、表(おもて)面の記録が行われる。これは、片面のみの記録の場合と同様の動作である。この時のローラ類駆動機構の状態は、図16(a)に示す状態である。
【0164】
図16(a)は、自動両面ユニット2の駆動機構を初期化後に、LFモータ26が正方向に回転している状態を示している。即ち、自動両面記録時の表面記録動作中や、自動両面記録を使用しない通常の記録動作中などの状態を示している。ストップアーム127のフォロワーピン127aは、スパイラル溝ギア120の最内周の無限軌道にあり、したがって、両面振り子アーム117は、図15矢印a方向に揺動しようとするとストップアーム127に当接して、それ以上回転出来ず、両面遊星ギアA118が両面ローラアイドラギア124に契合することはない。したがって、LFモータ26からの駆動力が両面ローラギアA125および両面ローラギアB126に伝達されることはなく、このため、両面ピンチローラA112あるいは両面ピンチローラB113の圧力を受け、軸損の発生している両面ローラA108あるいは両面ローラB109を回転させる不用な負荷が加わることはないので、LFモータ26の受ける負荷は最小限にすることができる。
【0165】
次に、表面記録が終了した時点で、S3において、PEセンサ67によって記録用紙後端が検知されたかどうかを確認する。この時、まだPEセンサ67が被記録用紙4有りを検知していたら、まだ被記録用紙4の表面後端を検知出来ていないので、S4で、LFモータ26をそのままさらに正方向に回転させ、被記録用紙4を、その表面後端がPEセンサレバー66を通過して更に少し行った位置p2にくるまで移動させる。
【0166】
次に、S5で、PEセンサ67が被記録用紙4の表面先端を検知してから表面後端を検知するまでに被記録用紙4を搬送した量から、被記録用紙4の長さを計算する。前述のように、被記録用紙4の長さが所定長L1よりも短い場合は、紙送りローラ21から両面ローラB109、あるいは両面ローラ108から紙送りローラ21までの搬送時に、被記録用紙4の先端がローラに届かなくなってしまうため、自動両面記録動作から除外することが必要である。また、被記録用紙4の長さが所定長L2よりも長い場合は、被記録用紙の記録済み面同士が紙送りローラ21から自動両面ユニット2までの通紙パス中で交差してしまうことになり、好ましくないので、自動両面動作から除外することが必要である。これらの条件で、自動両面動作から除外する必要があることが判定された場合は、S6に進み、LFモータ26を正方向に回転させて、そのまま被記録用紙4を排紙してしまうとともに、給紙エラーの警告を出力する。
【0167】
一方、上記の条件から、被記録用紙の長さが両面記録を行うのに適していることが判定された場合には、次にS7に進み、リフト機構を第3ポジションとしてピンチローラ22をリリースする。
【0168】
次に、S8で、被記録用紙4の表面後端が、既にピンチローラ22近傍の位置p1よりも下流側まで搬送されてしまっているかどうかを確認する。既に下流側まで送られてしまっている場合には、ピンチローラ22を圧接状態に戻した時に、確実に紙送りローラ21とピンチローラ22に挟持されるように、S9で、表面後端がp1にくるまで、LFモータ26を逆方向に回転させてバックフィードする。この時のローラ類駆動機構の状態が、図16(b)に示す状態である。また、S2からS8の間は、なるべく動作が中断されないようにし、前述の如く、被記録用紙4が変形する前にS9を実施することが望ましい。なお、表面後端がp1より上流側にある場合は、そのままピンチローラ22を圧接すれば確実に被記録用紙を挟持することが可能なので、そのままS10に進む。
【0169】
図16(b)は、LFモータ26の逆方向の回転を開始した直後の状態を示している。即ち、自動反転ユニット2のローラ類駆動機構は、自動両面記録の表面記録終了後にバックフィードを開始した直後(図12(e)の状態)や、メインASF37からの給紙後の頭出し量調整のためにLFモータ26を逆転させた場合などにこの状態となる。
【0170】
この時は、両面振り子アーム117が図15矢印b方向に揺動しようとするのを妨げるものは何もないので、両面遊星ギアB119が反転ディレイギアA121に契合する。それに伴い、反転ディレイギアA121は回転開始するが、略1回転するまでは反転ディレイギアB122には駆動力が伝達されないので、両面ローラアイドラギア124は回転せず、両面ローラA108および両面ローラB109は動作しない。よって、この状態でもまだLFモータ26が受ける負荷は少ない状態である。
【0171】
このような状態を設定しているのは、自動両面記録時に被記録用紙4をバックフィードさせた時に、紙送りローラ21から両面ローラB109までは距離があるので、被記録用紙4の先端が両面ローラB109に到達するまでは、両面ローラB109を回転させる必要がないためである。また、前述の如く、通常記録時の頭出し量調整時などに、不要に両面ローラA108あるいは両面ローラB109が回転しないようにすることもできる。
【0172】
次に、S10で被記録用紙4の表面に記録済みのインクが乾燥するまで待機する時間を設ける。必要な乾燥時間は、前述のように幾つかの要因により変動するので、乾燥待機時間t1は可変のパラメータとすることが可能である。具体的には、被記録用紙の種類、インクの種類、インクの重ね打ち込み方法、インクの単位面積あたりの打ち込み量、環境温度、環境湿度、環境風速等の条件を勘案してt1を決定する。
【0173】
次に、S11でリフト機構を第4ポジションとする。これにより、紙送りローラ21とピンチローラ22によって再度被記録用紙4を挟持する。
【0174】
次に、S12で乾燥待機時間t2を設けている。これは、S10でt1時間の乾燥待機を実施した場合には実施しなくてもよく、この場合には、t2=0として次のステップに進むようにすればよい。t2時間の乾燥待機を必要とするのは、例えば、被記録用紙4の後端部に記録動作を行っておらず、余白部分が存在している場合で、その時は直ぐに余白部分にピンチローラ22を圧接するように制御しても、何ら支障がないので、S10では、t1=0として乾燥待機を実施せず、このS12でt2時間の乾燥待機を実施する。すなわち、S10で乾燥待機を実施しない場合には、S11の後、そのまま直ぐに被記録用紙4をバックフィードすると、まだ乾燥していないインクがピンチローラ22に転写してしまう可能性があるので、ステップS12でt2時間の乾燥待機を実施する。
【0175】
次に、S13で、LFモータ26を逆方向に回転させ、被記録用紙4を所定量x1だけバックフィードする。このステップで被記録用紙4を自動両面ユニット2まで搬送し、表裏反転させる。このステップが終了すると、裏面先端は紙送りローラ21より少し手前まで戻ってきている。この際のローラ類駆動機構の状態が、図16(c)に示す状態である。
【0176】
図16(c)は、図16(b)に示す状態から更にLFモータ26を逆方向に回転させ続けた場合の状態を示している。即ち、被記録用紙4をバックフィードして自動両面ユニット2で反転させている間の状態である。図16(b)の状態以降、反転ディレイギアA121が略1回転すると、反転ディレイギアA121のスラスト方向に突出した突起が、これに対向して設けられた、反転ディレイギアB122の突起に契合し、反転ディレイギアA121と反転ディレイギアB122が一体となって回転を始める。反転ディレイギアB122は両面ローラアイドラギア124と常時契合しているので、反転ディレイギアB122が回転し始めると、両面ローラアイドラギア124および両面ローラギアA125、両面ローラギアB126が回転する。これにより、両面ローラA108は図15矢印c方向に、両面ローラB109は図15矢印d方向にそれぞれ回転する。
【0177】
次に、裏面先端を紙送りローラ21とピンチローラ22のニップに挟持させる際の、いわゆるレジストレーション動作について説明する。先ず、S14で現在使用している被記録用紙4が剛性の弱い薄い用紙か、剛性の強い厚い用紙かによって、制御を切り替える。被記録用紙4の剛性の判断は、プリンタドライバ等でユーザが設定する記録用紙種類に依って行ってもよいし、被記録用紙4の厚みを測定する検知手段を使用して判断してもよい。なお、ここで制御を2つに分けるのは、被記録用紙4の剛性により、被記録用紙4を撓ませてループを作った際の挙動が異なるからである。
【0178】
先ず、比較的剛性の弱い、薄い被記録用紙4の場合を説明する。図18は、薄い被記録用紙4を使用した場合の裏面先端レジストレーション動作を示す模式的側断面図である。S13でのLFモータ26の逆方向回転により、図18(a)に示す用紙反転搬送が行われる。S13が終了すると、被記録用紙4の裏面先端は、おおよそ通紙ガイド70近辺に戻ってきている。薄い被記録用紙4の場合は、次にS15に進む。S15では、リフト機構を動作させて、第1ポジションに移行させる。これにより、通紙ガイド70を上昇させる。図18(b)はS15が終了した時の状態を示している。前述のように、紙送りローラ21中心に対して、ピンチローラ22中心は若干のオフセットを持って第1排紙ローラ30側に配置されているので、紙送りローラ21とピンチローラ22のニップは、被記録用紙4が搬送されてくる略水平線に対して若干の角度を持っている。レジストレーション動作前に通紙ガイド70を上昇位置に戻すことにより、被記録用紙4裏面先端をこの傾いたニップ部に円滑に導くことが可能となる。
【0179】
次に、S16で、LFモータ26を逆方向に回転させ、被記録用紙4を紙送りローラ21方向に更に搬送する。
【0180】
次に、S17で、PEセンサ67によって被記録用紙4裏面先端が検知されたかどうかを判定する。裏面先端を検知出来た時点で、S18に進む。
【0181】
次に、S18で、PEセンサ67による裏面先端検知位置から紙送りローラ21までの距離より、少しだけ長い距離x2だけ被記録用紙4を搬送する。これにより、被記録用紙4の裏面先端は紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部まで到達し、更に余分に搬送されることによって、被記録用紙4が撓んで、ループが形成される。図18(c)は、S18が終了した状態を示している。通紙ガイド70を上昇位置としたことにより、通紙パスの高さ方向の隙間は少なくなっているが、被記録用紙4の剛性が比較的低いので、容易にループを形成することができ、このループが真っ直ぐに戻ろうとする力によって押されるので、被記録用紙4裏面先端部は、逆転を続ける紙送りローラ21とピンチローラ22のニップ部に倣って、紙送りローラ21と平行になり、すなわち、いわゆるレジストレーション動作が完了する。
【0182】
次に、S19で、LFモータ26の回転方向を正方向回転に転じ、被記録用紙4裏面先端をニップ部に挟持し、所定距離x3だけ搬送して、裏面記録開始の準備を完了する。
【0183】
次に、比較的剛性の強い、厚い被記録用紙4の場合を説明する。図19は、厚い被記録用紙4を使用した場合の裏面先端レジストレーション動作を示す模式的側断面図である。図19(a)は、図18(a)と同様にS13の途中の状態を示し、図18(b)はS13が終了した状態を示している。
【0184】
次に、S20で、通紙ガイド70は下降位置としたまま、LFモータ26を逆方向に回転させ、S13の完了時点での、被記録用紙4裏面先端の位置から紙送りローラ21のニップまでの距離より少しだけ長い距離x4だけ被記録用紙4を搬送する。これによって、薄い被記録用紙4の場合と同様に、被記録用紙4裏面先端は逆転している紙送りローラ21のニップ部に到達し、更に余分に搬送されることによって、被記録用紙4にループが形成されるので、被記録用紙4裏面先端は紙送りローラ21と平行になり、レジストレーション動作が完了する。図19(c)は、S20が終了した状態を示している。
【0185】
次に、S21で、LFモータ26の回転方向を正方向回転に転じ、被記録用紙4裏面先端をニップ部に挟持し、所定距離x3だけ搬送して、裏面記録開始の準備をする。
【0186】
なお、S19あるいはS21にて、それまで逆方向回転していたLFモータ26が、正方向回転に回転方向を転じる。この時、両面振り子アーム117は、図15矢印a方向へと揺動する。すると、両面遊星ギアB119と反転ディレイギアA121との契合が外れる。LFモータ26の逆方向回転時は、反転ディレイギアA121と反転ディレイギアB122は、前述のように、両者の間に挟まれた捩りコイルばねである反転ディレイギアばね124が圧縮され、突起によって契合された状態になっているおり、反転ディレイギアA121がフリー状態になることにより、反転ディレイギアばね124が伸張するため、反転ディレイギアA121は略1回転反転し初期状態に戻る。
【0187】
次に、S22で、リフト機構を第1ポジションとし、裏面記録開始の準備を完了する。
【0188】
ここで、厚い被記録用紙4を使用する場合に、レジストレーション動作を行う間、通紙ガイド70を下降状態としている理由を説明する。薄い被記録用紙4の場合と同様に、図18(c)の様にしてループを生成しようとした場合、被記録用紙4の剛性が強い場合には、被記録用紙4は、紙送りローラ21のニップ部に到達する前からピンチローラホルダ23に沿って搬送される。このため、被記録用紙4がニップ部に到達した後に更に搬送してループを生成しようとしても、既にループ生成スペースが無くなっており、すなわち、被記録用紙4の上面がピンチローラホルダ23に接した状態になっているので、それ以上、上方に向かって撓むことはできず、ループが生成されない。
【0189】
このようにループが生成されない場合には、上手くレジストレーションが取れない場合があり得る。また、ループが生成されないと、両面ローラA108と紙送りローラ21間で同時に挟持された被記録用紙4にたるみが出来ない。一方、本実施例のように、両面ローラ類駆動機構に両面振り子アーム117の様な機構を用いる場合、S20でLFモータ26を逆転させた後、S21でLFモータ26を正転させた際には、両面ローラA108および両面ローラB109を回転させるまでの間に、両面振り子アーム117が揺動する時間が必要になり、その期間は両面ローラA108および両面ローラB109は停止した状態となる。一方、紙送りローラ21はダイレクトにLFモータ26と接続されているため、このような停止期間は生じないので、用紙搬送速度に矛盾が生じてしまう。この際、被記録用紙4のたるみが有れば、S21で紙送りローラ21側のみが回転する際には、被記録用紙4のたるみが取れることで用紙搬送速度の矛盾を吸収出来るが、たるみがない場合は、用紙搬送速度の矛盾を吸収出来ずに、紙送りローラ21側が被記録用紙4を無理やり搬送しようとするが、被記録用紙4後方は両面ローラA108に挟持されているために実際には搬送されないという事態が発生することがある。これにより、被記録用紙4裏面先端の搬送量が狂ってしまい、想定よりも短い裏面上端余白となってしまうことがある。
【0190】
以上のような不都合が生じないようにするために、本実施形態では、厚い被記録用紙を搬送する場合には、通紙ガイド70を下降位置にしたままとすることで、この被記録用紙の高さ方向の隙間を充分に取り、ループ生成スペースを確保している。これにより、剛性の比較的高い厚い被記録用紙4を使用した場合にも、良好なレジストレーション動作を行うことができる。
【0191】
次に、S23で、被記録用紙4の裏面の記録動作を行う。この時は、大抵の場合、被記録用紙4裏面後端部は、まだ両面ローラA108に挟持されている。そのままで両面ローラA108の回転を停止させてしまうと、被記録用紙4を後方に引っ張る負荷となってしまうため、用紙搬送精度が悪化する恐れがあり、好ましくない。よって、少なくとも被記録用紙4裏面後端部が両面ローラA108に挟持されている間は、両面ローラA108の駆動は継続するように構成している。この時の両面ローラ類駆動機構の状態が、図16(d)に示す状態である。
【0192】
図16(d)は、被記録用紙4の反転動作後、LFモータ26が正方向に回転している最中の、自動両面ユニット2のローラ類駆動機構の動作状態を示している。即ち、図16(c)の状態からLFモータ26が回転方向を正方向に転じると、両面振り子アーム117は図15矢印a方向に揺動する。この時、ストップアーム127は、図15矢印h方向に揺動しており、両面振り子アーム117が図15矢印a方向に揺動してきても、両面振り子アームばね132がストップアーム127に当接することがないので、両面遊星ギアA118が両面ローラアイドラギア124に契合し、駆動力が伝達される。
【0193】
その後、LFモータ26の正方向回転を継続させると、フォロワーピン127aがスパイラル溝ギア120に導かれて内周に向けて移動し、ストップアーム127が図15矢印g方向に揺動する。揺動していく途中で、ストップアーム127は両面振り子アームばね132に当接し、両面振り子アームばね132を変形させていく。この両面振り子アームばね132の変形による反力で、両面振り子アーム117には図15矢印b方向へ揺動させる力が働くが、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124間で駆動力を伝達している間には、ギア歯面同士が噛み合うことによって生じる力の方が強いために、両面遊星ギアA118と両面アイドラギア124の契合は外れずに、駆動は継続される。図16(d)は、この状態を示している。また、前述の如く、回転・停止を伴う間欠駆動を行った場合でも、ギアの歯面同士が重なっているために、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の契合が外れることはない。
【0194】
更に被記録用紙4裏面の記録動作を継続し、LFモータ26を正方向回転させていくと、フォロワーピン127aはスパイラル溝ギア120の最内周部に到達する。この時の両面ローラ類駆動機構の状態が、図16(e)に示す状態である。この時は、両面振り子アームばね132は最大変位した状態になるが、それでもギア歯面同士が噛み合うことによって生じる力が、両面振り子アーム117を揺動させる力よりも大きくなるように両面振り子アームばね132の荷重を設定してあるので、LFモータ26を正方向に回転させ続ける限りギア同士の契合は外れない。以上で被記録用紙4裏面への記録動作が終了すると、S24に進む。
【0195】
次に、S24で、被記録用紙4を不図示の排紙トレイ上に排出する、排紙動作を実施する。排紙動作は、LFモータ26の正方向回転を継続することにより実施することができ、被記録用紙4は、最終的に、LFモータ26によって回転させられている第2排紙ローラ31によって記録ユニット本体1外へと搬送される。
【0196】
次に、S25で裏面先端絶対位置のチェックを実施する。これは、短い被記録用紙4を用いた場合、フォロワーピン127aがスパイラル溝ギア120の最内周まで到達しないことがあるために実施するものである。この場合には、S24に処理を戻して、LFモータ26を所定長分だけさらに回転させる。これによって、被記録用紙4の裏面記録動作が終了した時には、フォロワーピン127aが必ずスパイラル溝ギア120の最内周までくるようにしている。
【0197】
次に、S26で、両面ローラ類駆動機構の初期化を実施する。前述のように、両面振り子アームばね132は、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の契合によってチャージされた状態に保持されているので、LFモータ26を微少量だけ逆方向に回転させるだけで契合が外れる。即ち、LFモータ26を逆方向回転させると、両面振り子アーム117が図15矢印b方向に揺動しようとするため、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の契合は外れ、チャージされていた両面振り子アームばね132が元に戻る力で、両面振り子アーム117は、図15矢印b方向に一気に揺動する。
【0198】
この時の両面ローラ類駆動機構の状態が、図16(f)に示す状態である。この状態では、両面振り子アームばね132の姿勢は元に戻っているので、この状態からLFモータ26を正方向に回転させた場合、両面振り子アーム117は図15矢印a方向に揺動しようとするが、フォロワーピン127aがスパイラル溝ギア120の最内周近傍に入っているため、両面振り子アームばね132がストップアーム127に当接し、両面遊星ギアA118は両面ローラアイドラギア124に契合できない。更にLFモータ26を正方向回転させても、フォロワーピン127aはスパイラル溝ギア120の最内周を回転し続けるので、両面ローラA108および両面ローラB109が駆動されることはない。
【0199】
このようにして、ストップアーム127、両面振り子アーム117は初期状態に戻される。また、前述の如く、反転ディレイギアA121は、S19あるいはS21で既に初期化されているので、このS26をもって、両面ローラ類駆動機構の各部全ての初期化が完了する。
【0200】
以上で、自動両面記録動作が終了する。連続で自動両面記録動作を実施する場合は、同じシーケンスを繰り返せばよい。
【0201】
なお、本実施形態では、両面振り子アームばね132の作用で、両面振り子アーム117とストップアーム127の間に弾性的な力が作用する構成を示したが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、以下のように構成することも可能である。
【0202】
図17は、図16の変形例のローラ駆動機構の、図16と同様の時期の動作状態を示す模式的斜視図である。図17の両面振り子アーム117は、図16における両面振り子アームばね132の代わりに、弾性の少ない腕を持っており、その腕とストップアーム127が、動作過程で当接する位置関係に配置されている。以下に、この構成での動作を簡単に示す。
【0203】
図17(a)から図17(c)までの動作は、図16(a)から図16(c)の動作と同様であるので省略する。
【0204】
図17(d)は、ストップアーム127がスパイラル溝ギア120の内周方向に移動してきて、両面振り子アーム117の腕と当接した状態を示している。この状態から、LFモータ26の正方向回転を継続させると、両面振り子アーム117の腕は、図のg方向に揺動するストップアーム127によって押され、両面振り子アーム117には、図15矢印b方向に回転させる力が働く。この力は、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の契合を外そうとする方向に働く。契合を外そうとする力は、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の歯面間に働く圧力およびギアの歯面の弾性および滑り力と釣り合うが、両面振り子アーム117の腕には余り弾性がないので、フォロワーピン127bが内周に動くに従いやがて契合を外そうとする力の方が大きくなり、歯面間の力に打ち勝って、両面遊星ギアA118と両面ローラアイドラギア124の契合は強制的に解除される。契合が解除されると同時に、両面ローラA108および両面ローラB109の回動は停止する。図17(e)は、この状態を示している。
【0205】
なお、このローラの回動を停止させるタイミングは、S23の中で、被記録用紙4の裏面後端が両面ローラA108を通過した後の適当な時期になるように設定する。ギアの契合解除以降は、LFモータ26が正方向回転しても、ストップアーム127によって両面振り子アーム117が図15矢印a方向に揺動するのを妨げられるので、次に所定量LFモータ26が逆方向に回転するまで、自動両面ユニット2は駆動されない。また、図16に示した実施形態と同様に、反転ディレイギアA121もS19あるいはS21に於いてなされているので、この時点で自動両面ユニット2のローラ類駆動機構初期化は完了している。この変形例によれば、裏面の記録動作中に、LFモータ26に両面ローラA108および両面ローラB109を回転させる負荷がかからないようにすることができ、LFモータ26の回転負荷を低減させることが可能となる。以上が、自動両面ユニット2のローラ類駆動機構の変形例である。
【0206】
以上が、動作シーケンスを示したフローチャートに沿った、自動両面記録動作の説明である。
【0207】
【発明の効果】
発明にかかる録装置によれば、被記録用紙の後端が多少波打っていたり、上に反り返っていたりしても、被記録用紙を紙送りローラとピンチローラとのニップ部に容易に引き込むことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録装置の全体構成を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る記録装置の全体構成を示す模式的側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る記録装置のピンチローラ圧接離間機構を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録装置のピンチローラ圧接離間機構を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録装置のPEセンサ上下機構を示す模式的断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る記録装置の通紙ガイド上下機構を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る記録装置のガイドシャフト上下機構を示す模式的斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る記録装置のガイドシャフト上下機構を示す模式的断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る記録装置のリフトカム駆動機構を示す模式的斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る記録装置のリフト機構の各ポジションを説明する模式的側断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る記録装置のリフト機構の動作状態を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係る記録装置において、被記録用紙を自動反転ユニット側へと搬送している状態を示す模式的断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る記録装置の自動両面ユニットの構成を示す模式的断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る記録装置の自動両面ユニット内のフラップの動作を示す模式的断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る記録装置の自動両面ユニット駆動機構を示す模式的側断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る記録装置の自動両面ユニット駆動機構の動作遷移を示す模式的側断面図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る記録装置の変形例の自動両面ユニット駆動機構の動作遷移を示す模式的断面図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る記録装置のリフト機構の動作過程を示す模式的側面図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る記録装置のリフトカム機構の他の動作過程を示す模式的側面図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る記録装置の自動両面記録動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態に係る記録装置の、制御部の概略構成を示す模式的ブロック図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る記録装置の変形例の自動反転ユニットを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 記録ユニット本体
2 自動両面ユニット
4 被記録用紙
10 シャーシ
11 記録ヘッド
12 インクタンク
13 キャリッジ
14 ガイドシャフト
14a ガイドシャフトカムR
14b ガイドシャフトカムL
14c ガイドシャフトカムRギア
15 ガイドレール
16 キャリッジベルト
17 キャリッジモータ
18 コードストリップ
19 CRエンコーダセンサ
20 アイドラプーリ
21 紙送りローラ
22 ピンチローラ
23 ピンチローラホルダ
23a ピンチローラホルダ軸
24 ピンチローラばね
25 紙送りローラプーリ
26 LFモータ
27 コードホイール
28 LFエンコーダセンサ
29 プラテン
30 第1排紙ローラ
31 第2排紙ローラ
32 第1拍車列
33 第2拍車列
34 拍車ベース
36 メインテナンスユニット
37 メインASF
38 ASFベース
39 給紙ローラ
40 分離ローラ
41 圧板
42 サイドガイド
44 ASFフラップ
46 ASFモータ
47 ASF振り子アーム
48 ASF太陽ギア
49 ASF遊星ギア
50 リフト入力ギア
51 リフト減速ギア列
52 リフトカムギア
53 カムアイドラギア
55 ガイドシャフトばね
56 ガイド斜面
57 ガイド長穴
58 リフトカム軸
59 ピンチローラホルダ押圧カム
60 ピンチローラばね押圧カム
61 PEセンサレバー押圧カム
62 リフトカム軸遮蔽板
63 振り子ロックカム
64 振り子ロックレバー
65 通紙ガイド押圧カム
66 PEセンサレバー
66a PEセンサレバー軸
67 PEセンサ
68 PEセンサレバーばね
69 リフトカムセンサ
70 通紙ガイド
70a 通紙ガイドカムフォロワ部
71 通紙ガイドばね
72 ベース
73 フレキシブルフラットケーブル
101 両面ユニットフレーム
102 内ガイド
102a 内ガイドスリット
103 リアカバー
103a リアカバースリット
104 切替フラップ
105 切替フラップばね
106 出口フラップ
107 出口フラップばね
108 両面ローラA
109 両面ローラB
110 両面ローラゴムA
111 両面ローラゴムB
112 両面ピンチローラA
113 両面ピンチローラB
115 両面伝達ギア列
116 両面太陽ギア
117 両面振り子アーム
118 両面遊星ギアA
119 両面遊星ギアB
120 スパイラル溝ギア
121 反転ディレイギアA
122 反転ディレイギアB
123 反転ディレイギアばね
124 両面ローラアイドラギア
125 両面ローラギアA
126 両面ローラギアB
127 ストッパアーム
127a フォロワーピン
128 ストッパアームばね
130 両面ユニットセンサ
131 待避パス
132 両面振り子アームばね
301 制御基板
302 PGモータ
303 PGセンサ
305 ASFセンサ
306 インク残検センサ
307 ヘッドドライバ
308 ホスト装置
309 I/F
310 CPU
311 ROM
312 RAM

Claims (4)

  1. 被記録用紙を所定の搬送方向に搬送する紙送りローラと、該紙送りローラとともに被記録用紙を挟持するピンチローラと、前記紙送りローラの前記搬送方向下流側において被記録用紙に記録を行う記録部と、該記録部の前記搬送方向下流側において被記録用紙を搬送する排紙ローラと、前記紙送りローラによって前記搬送方向と反対方向に搬送された被記録用紙の表面に接して駆動される両面ローラを有し該被記録用紙の表裏を反転して該被記録用紙を前記記録部に搬送するための反転部と、を備える記録装置であって、
    前記紙送りローラと前記ピンチローラとで挟持された状態で前記記録部により被記録用紙の表面に記録を行い、該被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとに挟持されない位置でも記録を行った後に、前記紙送りローラと前記ピンチローラとが離間した状態で前記被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとの間を通過するように前記排紙ローラによって前記被記録用紙を前記反対方向に搬送し、その後前記紙送りローラと前記ピンチローラとで前記被記録用紙を挟持して前記反転部に向けて搬送することを特徴とする記録装置。
  2. 前記被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとの間を通過するように前記排紙ローラによって前記被記録用紙を前記反対方向に搬送し、所定時間待機した後に前記紙送りローラと前記ピンチローラで前記被記録用紙を挟持して前記反転部に向けて搬送することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとに挟持されない位置で前記記録部により前記被記録用紙の後端に余白が残るように記録を行い、次いで前記紙送りローラと前記ピンチローラとが離間した状態で前記被記録用紙の後端が前記紙送りローラと前記ピンチローラとの間を通過するように前記排紙ローラによって前記被記録用紙を前記反対方向に搬送し、その後前記紙送りローラと前記ピンチローラとで前記被記録用紙の余白部を挟持した状態で所定時間待機した後に前記被記録用紙を前記反転部に向けて搬送することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記記録部はインクを吐出して被記録用紙に記録を行うインクジェット記録ヘッドを有し、被記録用紙の記録済みのインクが乾燥するまで待機することを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
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