JP4178998B2 - スローアウェイ式ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリル本体の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座に、先端に切刃が形成された略平板状のスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)が着脱可能に装着されたスローアウェイ式ドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のスローアウェイ式ドリルの一例として、例えば特許文献1に開示されているように、ドリル本体の先端面に開口する凹溝状のチップ取付座の底面に丸孔を形成する一方、このチップ取付座に固定されて装着される略平板状のチップの後端面に上記の丸孔に嵌挿可能な軸部を設けていて、この軸部を丸孔に嵌挿するとともに、軸部に形成された切欠部に丸孔の内周から出没する係合部材を係合させることによって、チップをチップ取付座に固定して装着するようにしたものがある。
このようなスローアウェイ式ドリルでは、チップの軸部をチップ取付座の丸孔に嵌挿するだけでチップの装着が可能となっているので、チップの交換作業を容易に行えるという利点を有しているが、チップとドリル本体との接続が軸部を介して行われるのみであるため、ドリル本体に対するチップの位置合わせ(心出し)精度が不十分となって、ワークに対するドリルの加工精度に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0003】
そこで、本出願人は、特願2002−330575号の出願明細書に示すように、チップの一対の外側面に凸部を形成し、チップ取付座の一対の内側面に上記の凸部を噛合可能なガイド溝を形成することにより、チップの一対の外側面をチップ取付座の一対の内側面にそれぞれ対向配置させるのと同時に、これらに形成された凸部とガイド溝とを互いに噛合させるようにして、チップをチップ取付座に固定して装着するものを提案しており、ドリル本体に対するチップの位置合わせ精度を向上することが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−197923号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特願2002−330575号の出願明細書に示されるスローアウェイ式ドリルでは、チップをチップ取付座に固定(クランプ)して装着するためのクランプ手段として、クランプボルトを採用しているのであり、ドリル本体の軸線に直交する断面で見たときに、図9に示すように、ドリル本体1の先端部2に設けられてチップ取付座3を交差している挿通孔4に対して、クランプボルト5が挿通されることによって、チップ6がチップ取付座3に固定されて装着されるようになっている。
この挿通孔4は、凹溝状のチップ取付座3によって二分されるドリル本体1の先端部2のうちの一方(第一先端部2A)及び他方(第二先端部2B)の両方に亘って、チップ取付座3を交差してドリル本体1の直径方向に延びるように形成されたものであり、その延在方向の一方の外周側端部がドリル本体1の第一先端部2Aの外周面に開口させられている。
【0006】
また、挿通孔4において、第一先端部2A内に位置して第一先端部2Aの外周面に開口している部分は、この挿通孔4に挿通されるクランプボルト5の頭部5Aを収容できるように第一先端部2Aの外周面から凹んだ凹部4Aとされ、かつ、第二先端部2B内に位置している部分は、この挿通孔4に挿通されるクランプボルト5の軸部5Bにおける雄ねじ部が螺合させられる雌ねじ部4Bとされている。
そして、クランプボルト5を、第一先端部2Aの外周面に開口している挿通孔4に対して挿通させ、このクランプボルト5における軸部5B(雄ねじ部)を挿通孔4における雌ねじ部4Bにねじ込むことにより、第一先端部2A側及び第二先端部2B側にそれぞれ位置しているチップ取付座3の一対の内側面3A,3Aが互いに近づくように、ドリル本体1の先端部2(第一先端部2A,第二先端部2B)が弾性変形させられる。
これにより、チップ6の一対の外側面6A,6Aがチップ取付座3の一対の内側面3A,3Aで押圧され、チップ6がチップ取付座3に固定されて装着されるのである。
【0007】
しかしながら、上述したようなクランプボルト5を採用したチップ6のクランプでは、ドリル本体1の第一先端部2Aが、クランプボルト5の頭部5Aがこの第一先端部2Aに形成された挿通孔4の凹部4Aを押圧することによって、内側に押し付けられるように弾性変形させられているのに対して、ドリル本体1の第二先端部2Bは、クランプボルト5の軸部5Bがこの第二先端部2Bに形成された挿通孔4の雌ねじ部4Bにねじ込まれることによって、内側に引っ張られるように弾性変形させられているだけであるため、チップ6の一対の外側面6A,6Aをチップ取付座3の一対の内側面3A,3Aでそれぞれ押圧するときの押圧力が互いに不均一なものとなってしまう。
【0008】
つまり、クランプボルト5の頭部5Aにより内側に押し付けられるように弾性変形させられる第一先端部2Aの方が、クランプボルト5の軸部5Bのねじ込みにより内側に引き込まれるように弾性変形させられる第二先端部2Bよりも大きく撓んでしまうために、この撓みの大きい第一先端部2A側に位置するチップ取付座3の内側面3Aでチップ6の外側面6Aを押圧する力の方が、撓みの小さい第二先端部2B側に位置するチップ取付座3の内側面3Aでチップ6の外側面6Aを押圧する力よりも大きくなってしまうのである。
そのため、チップ6の強力なクランプは不可能となっており、ひいては、チップ6の切刃振れ精度を悪化させてしまうのであった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、クランプボルトを用いてチップ取付座の一対の内側面でチップの一対の外側面を押圧するときの押圧力を、互いに均一なものとすることができるスローアウェイ式ドリルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端部を二分するようにこのドリル本体の先端面に開口する凹溝状のチップ取付座に、先端に切刃が形成された略平板状のスローアウェイチップが、その一対の外側面を前記チップ取付座の一対の内側面にそれぞれ対向配置させるようにして、前記ドリル本体の先端部に設けられて前記チップ取付座を交差する挿通孔に挿通されたクランプボルトによって、固定されて装着されるスローアウェイ式ドリルであって、前記チップ取付座における前記軸線方向の先端側を向く底面に、前記軸線方向の後端側に向かって延びるスリットが切り込まれていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記スリットが、前記チップ取付座で二分される前記ドリル本体の先端部のうち、前記クランプボルトの頭部で押圧される一方よりも、前記クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方に近づくようにずれて配置されており、かつ、前記スリットの延在方向と前記挿通孔の延在方向とのなす交差角が90゜となる状態から前記スリットの延在方向がドリル回転方向T後方側に向かって角度βだけ回転移動させられた状態となるように形成されており、前記角度βが0°<β≦15°の範囲に設定されており、前記チップ取付座の一対の内側面には、前記軸線方向に沿って延びる複数のガイド溝が形成されており、前記スローアウェイチップの一対の外側面には、前記ガイド溝と噛合可能な複数の凸部が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような本発明では、まず、チップ取付座の底面から後端側に向かって延びるスリットが切り込まれていることにより、チップ取付座で二分されるドリル本体の先端部が、チップ取付座の一対の内側面が互いに近づくように弾性変形させられるときに、これら二分されたドリル本体の先端部のそれぞれの撓み量を大きくして、チップ取付座の一対の内側面でチップの一対の外側面を押圧するときの押圧力を大きく確保することができる。
そして、このスリットが、チップ取付座で二分されるドリル本体の先端部のうち、クランプボルトの頭部で押圧される一方よりも、クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方に近づくようにずれて配置されていることにより、スリットを挟んで両側に位置するドリル本体の断面積の違いが生じるので、クランプボルトの頭部で押圧される一方の先端部が、クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方の先端部よりも撓みにくくなる。
したがって、クランプボルトの頭部で押圧されて撓みの大きくなりがちな一方の先端部の撓みと、クランプボルトの軸部がねじ込まれて撓みの小さくなりがちな他方の先端部の撓みとを、互いに略同量に設定しやすく、二分されたドリル本体のそれぞれに位置させられているチップ取付座の一対の内側面によって、チップの一対の外側面を押圧するときの押圧力を互いに均一なものとすることができる。
また、前記スリットは、前記軸線方向の先端側から見て、前記スリットの延在方向と前記挿通孔の延在方向とのなす交差角が90゜となる状態から前記スリットの延在方向がドリル回転方向T後方側に向かって角度βだけ回転移動させられた状態となるように形成されており、前記角度βが0°<β≦15°の範囲に設定されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図5を参照しながら説明する。
本実施形態によるスローアウェイ式ドリルのドリル本体10は、その後端側部分であるシャンク部(図示略)に対して先端側部分が一段縮径するような、軸線O回りに回転される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
ドリル本体10の先端側部分の外周には、ドリル本体10の先端面11に開口する一対の切屑排出溝12,12が、軸線Oを挟んで互いに反対側に、軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように螺旋状に形成されている。
【0013】
また、ドリル本体10の先端部13には、ドリル本体10の先端面11に開口して後端側に凹むような凹溝状のチップ取付座14が、軸線Oに対する(軸線Oを通る)直径方向に延びるように形成されている。
このチップ取付座14は、軸線O方向の先端側を向いて軸線Oに直交する底面14Aと、底面14Aから屹立するとともに、互いに平行かつ軸線Oに平行で、ドリル本体10の先端面11に交差する一対の内側面14B,14Bとを備えており、底面14Aと内側面14B,14Bとに沿った側面視で、図3に示すように、ドリル本体10の先端面11に向かって「コ」字状に開口するようになっている。
【0014】
詳述すると、チップ取付座14は、ドリル本体10の先端部13において、切屑排出溝12,12の先端側におけるドリル回転方向T前方側を向く壁面同士の間が、軸線Oに対する(軸線Oを通る)直径方向に切り欠かれるようにして形成されたものであり、その延在方向M(上記の軸線Oに対する直径方向)の両端側部分において、切屑排出溝12,12にそれぞれ連通させられている。
【0015】
つまり、軸線Oに対する直径方向に延びるチップ取付座14において、底面14Aは、延在方向Mの両端側に位置する一対の外周側端部がそれぞれドリル本体10の外周面に交差しているのに対し、一対の内側面14B,14Bのそれぞれは、延在方向Mの両端側に位置する一対の外周側端部のうち、ドリル回転方向T前方側に向けられた領域に位置する一方の外周側端部のみがドリル本体10の外周面に交差し、他方の外周側端部がドリル本体10の外周面に達することなく切屑排出溝12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面に交差しているのである。
【0016】
また、このような凹溝状のチップ取付座14がドリル本体10の先端部13に形成されることによって、ドリル本体10の先端部13は、第一先端部13Aと第二先端部13Bとに二分されることとなり、これら第一先端部13Aと第二先端部13Bとの間には、チップ取付座14における底面14Aが位置させられ、かつ、第一先端部13A側には、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのうちの一方が、第二先端部13B側には、一対の内側面14B,14Bのうちの他方が位置させられた状態となる。
【0017】
さらに、ドリル本体10の先端部13には、図3及び図4に示すように、チップ取付座14を交差して軸線Oに対する直径方向に延びるような挿通孔20が設けられており、この挿通孔20は、先端部13を貫通することによって、その延在方向Lの外周側端部がそれぞれ第一先端部13Aの外周面と第二先端部13Bの外周面とに開口させられている。
【0018】
なお、挿通孔20は、チップ取付座14と同じく、軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されているのであるが、その延在方向Lは、軸線O方向の先端側から見て図4に示すように、チップ取付座14の延在方向Mに直交する方向であるチップ取付座14の幅方向Nと平行になるのではなく、このチップ取付座14の幅方向Nに対して斜めに傾斜するようになっている。
とくに、挿通孔20の延在方向Lは、軸線O方向の先端側から見て図4に示すように、軸線Oを通るチップ取付座14の幅方向Nと平行の状態から、ドリル回転方向T前方側に向かって角度α(0゜<α≦30゜)だけ回転移動させられた状態となるように形成されている(挿通孔20の延在方向Lとチップ取付座14の幅方向Nとのなす交差角αが0゜<α≦30゜の範囲に設定されている)。
【0019】
挿通孔20において、第一先端部13A内に位置する部分は、第一先端部13Aの外周面から一定の内径で延在方向Lの内側(軸線Oに対する直径方向の内周側)に向かって一段凹むように延びる凹部21と、この凹部21に連なり、凹部21の内径よりも一段小さい一定の内径で延在方向Lの内側に向かって延びてチップ取付座14の内側面14Bに開口する孔部22とから構成されており、凹部21における孔部22との接続部分は、凹部21の内径が延在方向Lの内側に向かうにしたがい漸次縮径していくようなテーパ面21Aとされている。
【0020】
一方、挿通孔20において、第二先端部13B内に位置する部分は、第二先端部13Bの外周面から一定の内径で延在方向Lの内側(軸線Oに対する直径方向の内周側)に向かって一段凹むように延びてチップ取付座14の内側面14Bに開口する雌ねじ部23とされている(挿通孔20において、第二先端部13B内に位置する部分は、第二先端部13Bの外周面には開口しない止まり穴状とされていてもよい)。
【0021】
そして、本実施形態では、チップ取付座14における軸線O方向の先端側を向く底面14Aに、軸線O方向の後端側に向かって延びるスリット17が、軸線Oと平行になるように切り込まれている。
このスリット17は、その延在方向K(軸線O方向の先端側から見たときに、スリット17が延びる方向)の両端側部分において、切屑排出溝12,12の壁面に交差して、これら切屑排出溝12,12に連通させられている。
【0022】
また、スリット17は、軸線O方向の先端側から見て図4に示すように、軸線Oに対する直径方向に延びているのではなく、第一先端部13Aよりも第二先端部13Bに近づくように、軸線Oからズレ量Xだけずれて配置されている、つまり、スリット17の幅方向中央部を通るスリット17の延在方向Kと軸線Oとの間の距離がズレ量Xとなっているのである。
同じく、軸線O方向の先端側から見て図4に示すように、スリット17の延在方向Kと挿通孔20の延在方向L(この挿通孔20に挿通される後述するクランプボルト40の延在方向)とのなす交差角が約90°に設定されている。
【0023】
さらに、スリット17の底部17Aは、このスリット17を構成する互いに対向した一対の壁面同士が滑らかに接続されるような、軸線O方向の後端側に向かって凹となる断面半円弧状をなしている。
加えて、スリット17の深さY1(スリット17におけるチップ取付座14の底面14Aへの開口部からスリット17における底部17Aの最底までの、軸線O方向に沿った長さ)は、3mm〜15mmの範囲に設定され、スリット17の幅Y2(スリット17を構成する互いに対向した一対の壁面同士の間の、スリット17の延在方向Kに直交する方向に沿った長さ)は、0.1mm〜1mmの範囲に設定されている。
【0024】
ここで、ドリル本体10の先端面11には、この先端面11と切屑排出溝12,12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面との交差稜線部分が切り欠かれるようにして、後述するチップ30のシンニング面31Aと連続する本体側シンニング面11A,11Aが形成されており、ドリル本体10の先端面11に交差するチップ取付座14における一対の内側面14B,14Bは、これら本体側シンニング面11A,11Aにも交差するようになっている。
【0025】
そして、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝15…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の内側面14B,14Bのそれぞれにおいて、本体側シンニング面11A,11Aの(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側が本端側シンニング面11A,11Aに交差する部分)は、上記のガイド溝15…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
【0026】
すなわち、チップ取付座14における一対の内側面14B,14Bのそれぞれには、一対の外周側端部のうちの切屑排出溝12の壁面に交差する他方の外周側端部を含んで(軸線O近傍に位置する)本体側シンニング面11Aの後端側に連なる部分を除く領域、つまり、一対の外周側端部のうちのドリル本体10の外周面に交差する一方の外周側端部を含んでドリル回転方向T前方側に向けられた領域に、上記のガイド溝15…が複数配列されて形成されているのである。
そのため、ドリル本体10を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図2に示すように、一対の内側面14B,14Bと本体側シンニング面11A,11Aとの交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の内側面14B,14Bと本体側シンニング面11A,11Aを除いた先端面11との交差稜線部が、複数のガイド溝15…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
【0027】
なお、ドリル本体10の先端部13には、一対の切屑排出溝12,12間に画成されたドリル本体10の外周面が切り欠かれることによって、ドリル本体10の後端から軸線Oに沿って延びて途中で分岐したクーラント穴が開口するクーラント吐出部16,16が形成されており、穴明け加工の際には、これらのクーラント吐出部16,16を通して切削部位にクーラントが供給される。
【0028】
一方、このようなチップ取付座14に固定されて装着されるチップ30は、超硬合金等の硬質材料により、図5に示すような概略偏5角形の略平板状に形成されたものであり、その略中央部から後端面32までの部分が、チップ30の厚み方向に対して斜めに交差するように切り欠かれることによって、後述するクランプボルト40が挿入される切欠部33が形成されている。
【0029】
また、チップ30の先端面31は、チップ30がチップ取付座14に装着された状態で、軸線Oから外周側に向かうにしたがい漸次後退する二等辺三角形状(V字状)をなすように形成されているとともに、この先端面31と、チップ30の一対の外側面34,34において、ドリル回転方向T前方側を向いてすくい面34A,34Aとされる部分との交差稜線部に、それぞれ切刃35,35が形成されている。
【0030】
ここで、チップ30の先端面31には、チップ装着状態において、この先端面31の中心に位置する軸線O近傍から、一対の外側面34,34のそれぞれにおいてすくい面34Aとこれ以外の部分とが交差する付近までの領域が切り欠かれることによって、軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する一対のシンニング面31A,31Aが形成されている。
これにより、一対のシンニング面31A,31Aと先端面31との交差稜線部に形成されたシンニング切刃部35A,35Aが、切刃35,35の内周端に接続された部分から、先端面31の中心に位置する軸線Oに向けて延びるように配置されている。
【0031】
そして、一対の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で軸線O方向に沿って延びる複数の凸部36…が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されているのであるが、これら一対の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分のそれぞれにおいて、シンニング面31A,31Aの(軸線O方向の)後端側に連なる部分(先端側がシンニング面31A,31Aに交差する部分)は、上記の凸部36…が形成されないで、平坦面状をなすようになっている。
【0032】
すなわち、チップ30の一対の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分のそれぞれには、チップ装着状態で、(軸線O近傍に位置する)シンニング面31Aの後端側に連なる部分を除く領域、つまり、ドリル回転方向T前方側に向けられるすくい面34Aと反対側に位置してドリル回転方向T後方側に向けられる領域に、上記の凸部36…が複数配列されて形成されているのである。
そのため、チップ装着状態で、チップ30を軸線O方向の先端側から見た先端面視では、図2に示すように、一対の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分とシンニング面31A,31Aとの交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分とシンニング面31A,31Aを除いた先端面31との交差稜線部が、複数の凸部36…の形状が反映されてそれぞれ波形状をなしている。
【0033】
このような構成とされたチップ30は、ドリル本体10の先端部に形成された凹溝状のチップ取付座14に対し、チップ30の厚み方向がチップ取付座14の幅方向N(チップ取付座14の延在方向Mに直交する方向)に対して平行となる状態で、軸線O方向の後端側へ向かってスライドさせられることによって挿入される。
また、このチップ30の挿入は、チップ取付座14の内側面14B,14Bに形成されたガイド溝15…に、チップ30の外側面34,34に形成された凸部36…を噛合させつつ行われる。
【0034】
これにより、チップ30の後端面32が、チップ取付座14の底面14Aに対向配置させられて互いに密着させられ、かつ、チップ30の外側面34,34におけるすくい面34A,34Aが、それぞれ切屑排出溝12,12内に開放されてドリル回転方向T前方側に向けられるとともに、チップ30の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分が、それぞれチップ取付座14の内側面14B,14Bに対向配置させられる。
【0035】
このとき、チップ30の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分のうちで、ドリル回転方向T後方側を向いて複数の凸部36…が形成された部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、ドリル回転方向T前方側を向いて複数のガイド溝15…が形成された部分と、それぞれ対向配置させられ、凸部36…とガイド溝15…とが互いに噛合させられた状態となっている。
さらに、このとき、チップ30の外側面34,34におけるすくい面34A,34A以外の部分のうちで、シンニング面31A,31Aの後端側に連なる平坦面状の部分は、チップ取付座14の内側面14B,14Bのうちで、本体側シンニング面11A,11Aの後端側に連なる平坦面状の部分と、それぞれ対向配置させられ、これら平坦面状の部分の先端側に連なるシンニング面31A,31Aと本体側シンニング面11A,11Aとが連続した状態となっている。
【0036】
そして、ドリル本体10の先端部13に設けられて、チップ取付座14をその幅方向Nに対して斜めに傾斜するように交差した挿通孔20に対し、クランプボルト40が、チップ取付座14に挿入されたチップ30の切欠部33を貫通するようにして、挿通孔20における第一先端部13Aの外周面への開口部から挿通される。
【0037】
クランプボルト40は、その後端に位置して一定の外径を有する略円柱状をなす頭部41と、この頭部41の先端側に連なり、頭部41の外径よりも一段小さい一定の外径を有する略円柱状をなして先端側一部分が雄ねじ部43とされる軸部42とから構成された略多段円柱状をなすものであり、頭部41における軸部42との接続部分は、頭部41の外径が先端側に向かうにしたがい漸次縮径していくようなテーパ面41Aとされている。
【0038】
このクランプボルト40が、上記のようにして挿通孔20に挿通され、クランプボルト40の軸部42における雄ねじ部43が挿通孔20における雌ねじ部23にねじ込まれると、頭部41が挿通孔20における凹部21内に収容されるとともに、頭部41におけるテーパ面41Aと凹部21におけるテーパ面21Aとが互いに対向配置された状態となる。
そのまま、クランプボルト40の軸部42における雄ねじ部43を、挿通孔20における雌ねじ部23にねじ込んでいくことにより、クランプボルト40の頭部41におけるテーパ面41Aが、挿通孔20の凹部21におけるテーパ面21Aに密着して、このテーパ面21Aを挿通孔20の延在方向Lの内側に向けて押し付けるような力を作用させ、かつ、クランプボルト40の軸部42における雄ねじ部42が、挿通孔20の雌ねじ部23にねじ込まれて、この雌ねじ部23を挿通孔20の延在方向Lの内側に向けて引っ張るような力を作用させるのである。
【0039】
したがって、挿通孔20における凹部21が内部に形成された第一先端部13Aは、図4中矢印▲1▼で示すように、挿通孔20における凹部23が内部に形成された第二先端部13Bは、図4中矢印▲2▼で示すように、それぞれ、挿通孔20の延在方向Lの内側に向かって互いに近づくように弾性変形させられることとなる。
そして、チップ取付座14の一対の内側面14B,14Bがチップ30の一対の外側面34,34をそれぞれ強固に押圧した状態となり、互いに噛合させられる凸部36…及びガイド溝35…同士も強固に密着させられて、チップ30がチップ取付座14に固定されて装着される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のスローアウェイ式ドリルでは、チップ取付座14の底面14Aにスリット17が切り込まれているため、チップ取付座14の一対の内側面14B,14Bが互いに近づくように、クランプボルト40でドリル本体10の第一先端部13Aと第二先端部13Bとが弾性変形させられるときには、このスリット17の底部17Aが、これら第一先端部13A及び第二先端部13Bの弾性変形時の支点となる。
そのため、スリット17を切り込んでいない場合と比較して、第一先端部13A及び第二先端部13Bが弾性変形するときの支点が、軸線O方向の後端側へずらされるのであり、これら第一先端部13A及び第二先端部13Bの撓み量を十分に大きく確保して、チップ取付座14の内側面14B,14Bでチップ30の外側面34,34を押圧するときの押圧力を高めることができる。
【0041】
また、スリット17は、その延在方向Kが、挿通孔20の延在方向L(クランプボルト40の延在方向)に対して約90°の交差角をもって交差するようになっていることから、クランプボルト40で第一先端部13A及び第二先端部13Bをそれぞれ挿通孔20の延在方向Lの内側に向かって弾性変形させるときに、これら第一先端部13A及び第二先端部13Bが弾性変形しやすくなり、チップ取付座14の内側面14B,14Bでチップ30の外側面34,34を押圧するときの押圧力がより高められる。
【0042】
また、スリット17の底部17Aが、軸線O方向の後端側に向かって凹となる断面半円弧状とされているから、クランプボルト40で第一先端部13A及び第二先端部13Bが弾性変形させられたときに生じる応力集中を緩和することが可能となっている。
なお、応力集中を緩和することのできるスリット17の底部17Aの形状としては、このような断面半円弧状をなすようなものに限定されず、例えば、図6(a)に示すように、スリット17の幅Y2よりも大きい幅(スリット17の延在方向Kに直交する方向に沿った長さ)を有する断面円形状をなす底部17Aや、図6(b)に示すように、同じくスリット17の幅Y2よりも大きい幅を有する断面長円形状の底部17Aなど種々のものが考えられるが、いずれの場合にも、その底部17Aの幅が、5mm以下に設定されていることが好ましい。
【0043】
さらに、スリット17の深さY1を3mm〜15mmの範囲に設定し、スリット17の幅Y2を0.1mm〜1mmの範囲に設定して、適切な形状のスリット17を形成したことから、第一先端部13Aと第二先端部13Bとの撓み量をそれぞれ大きくして、チップ取付座14の内側面14B,14Bでチップ30の外側面34,34を押圧するときの押圧力を十分に高めることが可能でありながらも、ドリル本体10の剛性を損ねてしまうといった不具合が生じない。
【0044】
そして、本実施形態では、スリット17が、軸線O方向の先端側から見て、第一先端部13Aよりも第二先端部13Bに近づくように、軸線Oからズレ量Xだけずれて配置されており、このスリット17を挟んで両側に位置するドリル本体10の軸線Oに直交する断面での断面積について、第一先端部13A側に位置する部分の方が、第二先端部13B側に位置する部分よりも大きくなっている。
【0045】
したがって、クランプボルト40の頭部41で押圧されることで、挿通孔20の延在方向Lの内側に向けて押し付けられるように弾性変形させられて、撓みの大きくなりがちな第一先端部13Aを撓みにくくし、かつ、クランプボルト40の雌ねじ部43がねじ込まれることで、挿通孔20の延在方向Lの内側に向けて引っ張られるように弾性変形させられて、撓みの小さくなりがちな第二先端部13Bを撓みやすくなることになり、これら第一先端部13Aの撓みと第二先端部13Bの撓みとを、互いに略同量に設定することが可能となる。
【0046】
このため、第一先端部13A側に位置させられたチップ取付座14の内側面14Bと第二先端部13B側に位置させられたチップ取付座14の内側面14Bとにより、チップ30の一対の外側面34,34を押圧するときの押圧力が互いに均一なものとなり、チップ30をチップ取付座14に対して強固に固定(クランプ)して、その切刃振れ精度を高い状態に維持することができる。
【0047】
ここで、上記のスリット17のズレ量Xは、スローアウェイ式ドリルの種々の形状に対応して、第一先端部13Aの撓みと第二先端部13Bの撓みとを、互いに略同量に設定することができるよう適宜調節されるべきものであるが、例えば、スリット17の深さが5mm、幅が0.7mmの場合において、切刃35の外径D(切刃35の軸線O回りの回転軌跡がなす外径)が15mmとなっているときには、ズレ量Xが0.5mm程度に設定されるべきであり、また、切刃35の外径Dが25mmとなっている場合には、ズレ量Xが0.8mm程度に設定されるべきものとなっている。
このスリット17の適切なズレ量Xは、切刃35の外径Dが大きくなるのにしたがい、比例の関係で大きくなっていくものであり、例えば、切刃35の外径Dに対して1%〜10%(好ましくは1%〜5%)の範囲内でズレ量Xを適宜設定することによって、第一先端部13Aの撓みと第二先端部13Bの撓みとを略同量に設定しやすくなる(上述の例では、スリット17のズレ量Xを、切刃35の外径Dに対して約3%に設定している)。
【0048】
また、本実施形態のスローアウェイ式ドリルでは、チップ取付座14の内側面14B,14Bに形成された軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝15…に、チップ30の外側面34,34に形成された複数の凸部36…を噛合させつつ、チップ30をチップ取付座14に対して軸線O方向の後端側へ向けてスライドさせて挿入するだけで、チップ30を容易に装着することが可能となっている。そして、これらの凸部36…とガイド溝15…とが互いに噛合されることによってセレーション構造が構成されていることから、ドリル本体10のチップ取付座14に対するチップ30の位置合わせ精度を向上させることができ、ワークに対するドリルの加工精度も良好に保つことができる。
【0049】
加えて、上記のようなセレーション構造を構成したことによって、チップ30とチップ取付座14との接触面積を増大させて、このチップ30の取付剛性を向上させる効果や、ドリル本体10が軸線O回りに回転させられてワークに穴明け加工を施す際でも、チップ30の位置ズレを抑制し、ドリル本体10の回転力を効率よく確実に伝達するという効果を得ることもできる。
【0050】
さらに、本実施形態では、チップ30の外側面34,34においてシンニング面31A,31Aの後端側に連なる部分が平坦面状をなし、かつ、チップ取付座14の内側面14B,14Bにおいて本体側シンニング面11A,11Aの後端側に連なる部分も平坦面状をなしているため、チップ30のシンニング面31Aとドリル本体10の本体側シンニング面11Aとの接続部分は、先端面視で直線状をなすこととなり、凸部36…とガイド溝15…とが互いに噛合されてなる波形状のセレーション構造が、シンニング面31Aと本体側シンニング面11Aとの接続部分に現れることがない。
したがって、穴明け加工の際に、シンニング切刃部35から生成された切屑が、シンニング面31Aから本体側シンニング面11Aを経て流出していく過程でも、これらシンニング面31Aと本体側シンニング面11Aとの接続部分で引っかかるといった現象が生じにくく、ドリル本体10の擦過が助長されたり、切屑排出性が悪化したりすることがない。
【0051】
なお、本実施形態においては、軸線O方向の先端側から見て、スリット17の延在方向Kと挿通孔20の延在方向L(クランプボルト40の延在方向)とのなす交差角が、約90゜に設定されているが、これに限定されることはなく、スリット17の延在方向Kと挿通孔20の延在方向Lとのなす交差角は、図7に示す第一変形例や図8に示す第二変形例のように、90゜±15゜の範囲内で設定されていればよい。
【0052】
図7に示す第一変形例では、軸線O方向の先端側から見たときに、スリット17の延在方向Kと挿通孔20の延在方向L(クランプボルト40の延在方向)とのなす交差角が90゜となる状態から、スリット17の延在方向Kがドリル回転方向T前方側に向かって角度β(0゜<β≦15゜)だけ回転移動させられた状態となるように、このスリット17が形成されている。
【0053】
本第一変形例によれば、クランプボルト40で第一先端部13A及び第二先端部13Bを弾性変形させると、スリット17の延在方向Kが上記のように傾斜しているために、第一先端部13Aは、図7中矢印▲1▼で誇張して示すように、第二先端部13Bは、図7中矢印▲2▼で誇張して示すように、それぞれ、ドリル回転方向Tの前方側に向かって傾斜しつつ挿通孔20の延在方向Lの内側に向かって互いに近づくように弾性変形させられることとなる。
そのため、チップ取付座14の内側面14B,14Bが、チップ30の外側面34,34を、チップ取付座14の幅方向Nに概ね沿って押圧することが可能となり、上記の凸部36とガイド溝15とを確実かつ強固に密着させ、チップ30の切刃振れ精度を良好に保つことができるという効果を得る。
【0054】
図8に示す第二変形例では、軸線O方向の先端側から見たときに、スリット17の延在方向Kと挿通孔20の延在方向L(クランプボルト40の延在方向)とのなす交差角が90゜となる状態から、スリット17の延在方向Kがドリル回転方向T側に向かって角β(0゜<β≦15゜)だけ回転移動させられた状態となるように、このスリット17が形成されている。
【0055】
本第二変形例によれば、クランプボルト40で第一先端部13A及び第二先端部13Bを弾性変形させると、スリット17の延在方向Kが上記のように傾斜しているために、第一先端部13Aは、図7中矢印▲1▼で誇張して示すように、第二先端部13Bは、図7中矢印▲2▼で誇張して示すように、それぞれ、ドリル回転方向Tの後方側に向かって傾斜しつつ挿通孔20の延在方向Lの内側に向かって互いに近づくように弾性変形させられることとなる。
そのため、チップ取付座14の内側面14B,14Bが、チップ30の外側面34,34を、軸線Oに対する直径方向の内側に向かうにしたがい大きくドリル回転方向T後方側に向かう方向に概ね沿って押圧することが可能となり、上記の凸部36を構成する2つの側面のうちの一方とガイド溝15を構成する2つの側面のうちの一方とを強固に密着させて、これによっても、チップ30の切刃振れ精度を良好に保つことができるという効果を得る。
【0056】
また、本実施形態においては、軸線O方向の先端側から見て、挿通孔20の延在方向Lが、チップ取付座14の幅方向Nに対して斜めに傾斜するようになっているが、これに限定されることはなく、挿通孔20の延在方向Lが、チップ取付座14の幅方向Nと平行になっていてもよい(挿通孔20の延在方向Lとチップ取付座14の幅方向Nとのなす交差角αが0゜になる)。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、まず、チップ取付座の底面にスリットが切り込まれていることにより、チップ取付座で二分されるドリル本体の先端部が、チップ取付座の一対の内側面が互いに近づくように弾性変形させられるときに、これら二分されたドリル本体の先端部のそれぞれの撓み量を大きくして、チップ取付座の一対の内側面でチップの一対の外側面を押圧するときの押圧力を大きく確保することができる。
そして、スリットが、チップ取付座で二分されるドリル本体の先端部のうち、クランプボルトの頭部で押圧される一方よりも、クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方に近づくようにずれて配置されていることにより、スリットを挟んで両側に位置するドリル本体の断面積の違いが生じるので、クランプボルトの頭部で押圧される一方の先端部が、クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方の先端部よりも撓みにくくなっている。
したがって、クランプボルトの頭部で押圧されて撓みの大きくなりがちな一方の先端部の撓みと、クランプボルトの軸部がねじ込まれて撓みの小さくなりがちな他方の先端部の撓みとを、互いに略同量に設定しやすく、二分されたドリル本体のそれぞれに位置させられているチップ取付座の一対の内側面によって、チップの一対の外側面を押圧するときの押圧力を互いに均一なものとすることができ、チップの強固なクランプ(固定)が可能となるとともに、切刃振れ精度を良好に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの側面図である。
【図2】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの先端面図である。
【図3】 図1におけるA方向矢視図である。
【図4】 図1におけるB−B線断面図である。
【図5】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの側面図である。
【図6】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルにおけるスリットの変形例を示す要部拡大説明図である。
【図7】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの第一変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの第二変形例を示す断面図である。
【図9】 従来のスローアウェイ式ドリルの断面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
13 先端部
13A 第一先端部
13B 第二先端部
14 チップ取付座
14B 内側面
17 スリット
20 挿通孔
30 チップ
34 外側面
40 クランプボルト
41 頭部
42 軸部
O 軸線
T ドリル回転方向

Claims (1)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端部を二分するようにこのドリル本体の先端面に開口する凹溝状のチップ取付座に、先端に切刃が形成された略平板状のスローアウェイチップが、その一対の外側面を前記チップ取付座の一対の内側面にそれぞれ対向配置させるようにして、前記ドリル本体の先端部に設けられて前記チップ取付座を交差する挿通孔に挿通されたクランプボルトによって、固定されて装着されるスローアウェイ式ドリルであって、前記チップ取付座における前記軸線方向の先端側を向く底面に、前記軸線方向の後端側に向かって延びるスリットが切り込まれていて、前記軸線方向の先端側から見たときに、前記スリットが、前記チップ取付座で二分される前記ドリル本体の先端部のうち、前記クランプボルトの頭部で押圧される一方よりも、前記クランプボルトの軸部がねじ込まれる他方に近づくようにずれて配置されており、かつ、前記スリットの延在方向と前記挿通孔の延在方向とのなす交差角が90゜となる状態から前記スリットの延在方向がドリル回転方向T後方側に向かって角度βだけ回転移動させられた状態となるように形成されており、前記角度βが0°<β≦15°の範囲に設定されており、前記チップ取付座の一対の内側面には、前記軸線方向に沿って延びる複数のガイド溝が形成されており、前記スローアウェイチップの一対の外側面には、前記ガイド溝と噛合可能な複数の凸部が形成されていることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
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