JP4178759B2 - Oa機器用ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンター,ファクシミリ装置等のOA機器に用いられる、現像ローラ,帯電ローラ,転写ローラ,給紙ローラ,除電ローラ,定着ローラ等のOA機器用ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現像ローラ等のOA機器用ローラとしては、例えば、軸体の外周にシリコーンゴムによってベースゴム層が形成され、さらにこのベースゴム層の外周面に、接着剤層を介して、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下「H−NBR」と略す)やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下「NBR」と略す)等のゴム材料(コーティング液)によって塗膜層が形成されたローラが実用化されている。そして、上記ローラには、ベースゴム層から塗膜層が容易に剥離しないよう、例えば、ベースゴム層の外周面にコロナ放電等の処理が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接着剤が塗布されたベースゴム層の上に、上記コーティング液を塗布して塗膜層を形成する際に、上記コーティング液中に接着剤が混入することがあり、この混入が生じると、上記コーティング液からなる塗膜層の性能が低下するといった問題が生じる。また、上記接着剤は失活しやすいため、得られるローラの品質にばらつきが生じやすくなるといった難点がある。さらに、接着剤を塗布する工程が増えることにより、生産コストが高くなるという問題も生じる。
【0004】
他方、H−NBRを用いて塗膜層を形成した場合、塗膜層の硬度が高くなるため、得られるローラの表面にはしわや傷が入りやすくなるといった難点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、接着剤を介さなくても塗膜層の剥離等を充分に防止することができるOA機器用ローラの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のOA機器用ローラは、軸体の外周に、シリコーンゴムを主成分とし、かつその外周面が活性化処理されているベースゴム層が形成され、このベースゴム層の外周面に塗膜層が形成されたOA機器用ローラであって、上記塗膜層が、下記の(A)および(B)を含有するゴム組成物によって形成されているという構成をとる。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(IR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ヒドリンゴム(ECO,CO)およびウレタンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
(B)下記の一般式(1)および(2)のいずれかの式で表されるシランカップリング剤。
【化3】
Y1 −C3 H6 Si(OCn H2n+1)3 …(1)
〔式中、Y1 は、ビニル基,グリシドキシ基,メルカプト基,アミノ基,エポキシ基,イソシアネート基,メタクリル基あるいはこれらの官能基を含むその他の置換基である。また、nは1または2である。〕
【化4】
Y2 −Si(OC2 H4 OCH3 )3 …(2)
〔式中、Y2 は、ビニル基である。〕
【0007】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく、塗膜層形成材料を中心に一連の研究を重ねた。その結果、塗膜層形成材料として水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム以外のゴム材料(但し、フッ素ゴムを除く。)を用いた場合であっても、この塗膜層形成材料に上記特定のシランカップリング剤(B)を配合することにより、シリコーンゴムを主成分とするベースゴム層の活性化処理面に対して、上記シランカップリング剤(B)が化学的に作用し塗膜層を強固に固定するため、塗膜層を形成する際に、従来のような接着剤の塗布が不必要となることを突き止め、本発明に到達した。
【0008】
ここで、本発明において、「活性化処理」とは、コロナ放電,プラズマ放電等によって、ベースゴム層の外周面に化学変化等を生起させる処理のことをいう。
【0009】
特に、上記(B)のシランカップリング剤が、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン,ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン,γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,ビスプロピルトリエトキシシランテトラスルフィド,イソシアン酸プロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも一種である場合、塗膜層がより強固にベースゴム層に結合するようになる。
【0010】
また、上記(A)のゴム材料としてアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)を用いると、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムを用いたときよりも低硬度の塗膜層を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明のOA機器用ローラは、例えば、図1に示すように、軸体1と、この軸体1の外周面に形成されるベースゴム層2と、このベースゴム層2の外周面に形成される塗膜層3とを備えたものである。そして、上記ベースゴム層2の外周面に先に述べたような活性化処理がなされている。
【0013】
上記軸体1としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属製の芯金や、金属製の中空円筒体が用いられる。そして、その金属材料としては、アルミニウム、ステンレス等があげられる。
【0014】
上記軸体1の外周面に形成されるベースゴム層2の主成分であるシリコーンゴムとしては、特に限定されるものではないが、ジメチルシリコーンポリマーに架橋サイトとしてビニル基を付加したものに、ジメチルシリコーンオイルを添加したものを用いることが好ましい。
【0015】
なお、本発明において、シリコーンゴムを主成分とするとは、上記ベースゴム層2がシリコーンゴムのみからなる場合も含む趣旨である。
【0016】
また、上記ベースゴム層2には、上記シリコーンゴムに加えてカーボンブラック等の導電剤を配合することも可能である。
【0017】
上記ベースゴム層2の外周面に形成される塗膜層3は、ゴム材料(A)および特定のシランカップリング剤(B)を含有するゴム組成物によって形成されている。
【0018】
上記ゴム材料(A)としては、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムおよびフッ素ゴム以外のものが用いられ、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(IR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ヒドリンゴム(ECO,CO),ウレタンゴムが用いられる。なかでも、低硬度の点等から、NBRが好適に用いられる。
【0019】
上記特定のシランカップリング剤(B)としては、下記の一般式(1)および(2)のいずれかの式で表されるものがあげられる。
【0020】
【化5】
Y1 −C3 H6 Si(OCn H2n+1)3 …(1)
〔式中、Y1 は、ビニル基,グリシドキシ基,メルカプト基,アミノ基,エポキシ基,イソシアネート基,メタクリル基あるいはこれらの官能基を含むその他の置換基である。また、nは1または2である。〕
【0021】
【化6】
Y2 −Si(OC2 H4 OCH3 )3 …(2)
〔式中、Y2 は、ビニル基である。〕
【0022】
上記一般式(1)で表されるシランカップリング剤としては、好ましくは、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン,γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,ビスプロピルトリエトキシシランテトラスルフィド,イソシアン酸プロピルトリエトキシシランがあげられる。また、上記一般式(2)で表されるシランカップリング剤としては、好ましくは、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シランがあげられる。なお、これらのシランカップリング剤は、単独であるいは二種以上併せて用いられる。そして、これらのなかでも、導電性に影響を与えないという点で、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが、より好適に用いられる。
【0023】
上記特定のシランカップリング剤(B)の配合割合は、特に限定されるものではないが、ゴム材料(A)100重量部(以下、「部」と略す)に対して0.01〜15部の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは0.1〜5部の範囲である。すなわち、上記特定のシランカップリング剤(B)の含有量が0.01部未満では、特定のシランカップリング剤(B)の効果が充分に発揮されず層間剥離を生じやすくなる傾向がみられ、逆に15部を超えると、形成される塗膜層3の硬度が高くなりすぎる傾向がみられるからである。
【0024】
なお、上記塗膜層3形成材料であるゴム組成物には、上記(A)および(B)に加えて、導電剤,発泡剤,架橋剤,架橋促進剤,オイル等を適宜配合しても差し支えない。
【0025】
また、上記塗膜層3形成材料は、有機溶剤に溶解等することにより、コーティング液として使用に供される。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、上記塗膜層3形成材料に対する溶解性の点で、上記有機溶剤としてメチルエチルケトンを用いることが好ましい。そして、このようにして得られるコーティング液は、粘度を0.005〜6Pa・sにすることが、塗工性等の点で好ましい。
【0026】
本発明のOA機器用ローラは、例えば、つぎのようにして製造することができる。
【0027】
すなわち、まず、前記ベースゴム層2形成材料用の各成分をニーダー等の混練機で混練してベースゴム層2形成材料を調製し、これを、図2に示すように、下蓋15をセットした金属製の軸体(芯金)1と円筒型16との間の空隙部に注型する。ついで、上蓋17を円筒型16に外嵌し、このローラ型全体を加熱して上記ベースゴム層2形成材料を加硫した後(150〜220℃×20分)、ローラ型から取り出して、ベースゴム層2を形成する。このようにして形成されたベースゴム層2の外周面を、コロナ放電処理を施すことによって活性化させる。
【0028】
一方、ゴム材料(A)、シランカップリング剤(B)および必要に応じて導電剤等の成分を配合したものを有機溶剤とともにニーダー等の混練機で混練して、塗膜層3形成材料(コーティング液)を調製する。
【0029】
つぎに、上記コーティング液を、上記コロナ放電処理がなされたベースゴム層2の外周面に塗布する。この塗工法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレー法、ローラコート法等の従来の方法が適用できる。そして、塗工後、乾燥および加熱処理を行うことによりベースゴム層2の外周面に塗膜層3を形成する。このようにして、図1に示すような2層構造のOA機器用ローラを得ることができる。このようにして得られたOA機器用ローラにおいて、ベースゴム層2の厚みは、通常、0.5〜10mmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは1〜5mmである。また、上記塗膜層3の厚みは1〜100μmの範囲に設定することが好ましく、特に好ましくが好ましくは3〜30μmである。
【0030】
なお、上記活性化処理は、コロナ放電処理に限定されるものではなく、例えばプラズマ放電処理等によって行うことも可能である。
【0031】
また、本発明のOA機器用ローラは、2層構造に限定されるものではなく、例えば、上記塗膜層3の外周面に、さらに表層を形成しても差し支えない。
【0032】
本発明のOA機器用ローラは、例えば、現像ローラ,帯電ローラ,転写ローラ,給紙ローラ,除電ローラ,定着ローラ等に適用することができる
【0033】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0034】
【実施例1】
〔ベースゴム層形成材料の調製〕
X−34−424 A/B(シリコーンゴム、信越化学工業社製)100部と、X−34−387 A/B(シリコーンゴム、信越化学工業社製)100部とを混合分散して、ベースゴム層形成材料を調製した。
【0035】
〔塗膜層形成材料の調製〕
NBR(ニポールDN401、日本ゼオン社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(A−189、日本ユニカー社製)1部と、ステアリン酸(ルナックS30、花王社製)0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、サンセラーCZ−G(三新化学社製)1.07部と、ノクセラーBZ−P(大内新興化学社製)0.49部と、粉末硫黄1部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。
【0036】
〔ロ−ルの作製〕
つぎに、軸体1としてSUS303製芯金(直径10mm)を準備し、この外周面に接着剤を塗布したものを、ローラ型内部にセットし、上記軸体とローラ型内周面の間の空隙部に上記ベースゴム層2形成材料であるコンパウンドを注型し(図2参照)、加熱加硫(180℃×1時間)させた後、脱型して、さらに2次加硫処理(200℃×4時間)することにより軸体1の外周にベースゴム層2(厚み5mm)を形成した。このようにして得られたベースゴム層2付き軸体1を上記金型から脱型し、上記ベースゴム層2外周面に、高周波電源装置を用い、コロナ放電を発生させ、電極との距離3mm、角度90度にて10秒間コロナ処理を行った。そして、上記処理がなされたベースゴム層2の外周面に、上記塗膜層形成材料からなるコーティング液を塗布後、乾燥および加熱処理を行うことによりベースゴム層2の外周面に塗膜層3(厚み5μm)を形成し、2層構造のローラを得た(図1参照)。
【0037】
【実施例2】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランに代えて、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(A−187、日本ユニカー社製)を5部配合する以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0038】
【実施例3】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの配合割合を15部に変更する以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0039】
【実施例4】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの配合割合を0.01部に変更する以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0040】
【実施例5】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの配合割合を20部に変更する以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0041】
【実施例6】
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの配合割合を0.005部に変更する以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0042】
【実施例7】
ACM(デンカER3400、電気化学社製)100部と、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(A−174、日本ユニカー社製)5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、Diak♯1 1部と、ソクシノールDT(住友化学社製)2部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0043】
【実施例8】
BR(ニポールBR1220NM、日本ゼオン社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、サンセラーCZ−G(三新化学社製)1.07部と、ノクセラーBZ−P(大内新興化学社製)0.49部と、粉末硫黄1部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0044】
【実施例9】
IR(クラプレンIR−10、クラレ社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、サンセラーCZ−G 1.07部と、ノクセラーBZ−P 0.49部と、粉末硫黄1部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0045】
【実施例10】
ヒドリンゴム(エピクロマーCG102、ダイソー社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、ハイドロタルサイトDHT−4A(協和化学工業社製)5部と、サンセラーCZ−G 1.07部と、ノクセラーBZ−P 0.49部と、粉末硫黄1部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0046】
【実施例11】
SBR(タフデン2000R、旭化成社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、アセチレンブラック30部と、ノクセラーDM−P(大内新興化学社製)1.5部と、ノクセラーTRA(大内新興化学社製)0.6部と、粉末硫黄0.43部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0047】
【実施例12】
CR(ネオプレンWRT、昭和電気・デュポン社製)100部と、ビスプロピルトリエトキシシランテトラスルフィド(A−1289、日本ユニカー社製)5部と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、酸化マグネシウム(キョーワマグ♯150、協和化学社製)4部と、アセチレンブラック30部と、サンセラー22C(三新化学社製)1部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0048】
【実施例13】
ウレタンゴム(UN278、坂井化学工業社製)100部と、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部と、アセチレンブラック30部と、ステアリン酸亜鉛1部と、ノクセラーDM−P 4部と、粉末硫黄1部と、キュラセン1部と、ソクシノールM−P(住友化学社製)2部とを混合分散させて、塗膜層形成材料であるゴム組成物を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0049】
【比較例1】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0050】
【比較例2】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例7と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0051】
【比較例3】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例8と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0052】
【比較例4】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例9と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0053】
【比較例5】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例10と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0054】
【比較例6】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例11と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0055】
【比較例7】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例12と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0056】
【比較例8】
シランカップリング剤を配合しないこと以外は実施例13と同様にして、塗膜層形成材料を調製した。そして、実施例1と同様のベースゴム層形成材料を調製し、さらに実施例1と同様の製法により、ローラを作製した。
【0057】
このようにして得られた各ローラについて、ベースゴム層と塗膜層との層間接着力および塗膜層の表面硬度を下記の方法に従って測定し、評価した。その結果を後記の表1〜表3に示した。
【0058】
〔層間接着力〕
図3(a)に示すように、ローラの塗膜層3に対し、その外周に沿って、破線Xで示される幅2.5cmの切り込みを入れ、さらに、上記塗膜層3に対して芯金方向に切り込み(破線Y)を入れて、そこから塗膜層3を少し剥がし、図3(b)に示すように、剥がされた塗膜層3の端部をAGSオートグラフ(シマヅ社製)で垂直に引き上げて(矢印Z方向)、その引張り強度を測定した。そして、引張り強度が3N以上のものを○、1N以上3N未満のものを△、1N未満のものを×として表示した。
【0059】
〔表面硬度〕
上記ローラに形成された塗膜層3の表面硬度を、マイクロゴム硬度計MD−1型(高分子計器社製)を用いて測定し、評価した。すなわち、MD−1が45°未満のものを◎、45°以上47°未満のものを○、47°以上49°未満のものを△、49°以上のものを×として表示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
上記表1〜表3の結果から、実施例品はいずれも、ベースゴム層2と塗膜層3との層間接着力に優れており、かつ塗膜層3の表面硬度も良好であることがわかる。これに対して、比較例品は、層間接着力あるいは表面硬度のいずれかの評価に劣るものであることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明のOA機器用ローラは、シリコーンゴムを主成分とするベースゴム層の活性化処理面に、特定のゴム材料(A)および特定のシランカップリング剤(B)を含有するゴム組成物からなる塗膜層が形成され構成されている。すなわち、本発明では、上記特定のシランカップリング剤(B)の化学的作用によって、ベースゴム層の活性化処理面と塗膜層とが強固に合一体化するため、上記ベースゴム層の活性化処理面に対して接着剤を塗布しなくても、塗膜層の剥がれや破れ等の発生を防止できる。また、上記接着剤の塗布工程が不要となるため、工程の省略化を実現することができる。
【0065】
特に、上記(B)のシランカップリング剤が、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン,ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン,γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,ビスプロピルトリエトキシシランテトラスルフィド,イソシアン酸プロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも一種である場合、塗膜層がより強固にベースゴム層に結合するようになるため、OA機器用ローラとして特に好適なものとなる。
【0066】
また、上記(A)のゴム材料としてNBRを用いた場合、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムを用いたときよりも低硬度の塗膜層を得ることができるため、OA機器用ローラとして特に好適なものとなる。
【0067】
本発明のOA機器用ローラは、例えば現像ローラとして電子写真複写機に組み込み使用すると、画質の低下が防止され、高画質の複写画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のOA機器用ローラの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のOA機器用ローラの製法を示す説明図である。
【図3】(a)はローラの側面図であり、(b)はローラの塗膜層の層間接着力の測定方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 ベースゴム層
3 塗膜層
Claims (3)
- 軸体の外周に、シリコーンゴムを主成分とし、かつその外周面が活性化処理されているベースゴム層が形成され、このベースゴム層の外周面に塗膜層が形成されたOA機器用ローラであって、上記塗膜層が、下記の(A)および(B)を含有するゴム組成物によって形成されていることを特徴とするOA機器用ローラ。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(IR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ヒドリンゴム(ECO,CO)およびウレタンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
(B)下記の一般式(1)および(2)のいずれかの式で表されるシランカップリング剤。
- 上記(B)のシランカップリング剤が、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン,ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン,γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,ビスプロピルトリエトキシシランテトラスルフィド,イソシアン酸プロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のOA機器用ローラ。
- 上記(A)のゴム材料が、アクリロニトリル−ブタジエンゴムである請求項1または2記載のOA機器用ローラ。
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