JP4177085B2 - フレネルレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレネルレンズに関し、特に背面投射型テレビに用いる透過型スクリーンを構成するフレネルレンズに好適に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
大画面テレビの一つとして背面投射型テレビがある。この背面投射型テレビは、透過型スクリーンの反観察者側に配置した投射装置から、当該透過型スクリーンに対して映像光(投射光)を投射して、観察者に映像を提供するものである。
【0003】
このような背面投射型テレビは、投射装置から投射光を拡大して投射するため、投射装置と透過型スクリーンの距離をある程度確保する必要があり、それゆえ奥行き方向のスペースが大きくなってしまうという問題が生じる。このため、図8に示すように、透過型スクリーンAの面に対して斜め方向に投射装置Eを配置して、当該投射装置Eから投射光を投射するようにして、奥行き方向の小スペース化を図っている。
【0004】
ところが、図8に示す投射系に、透過型スクリーンを構成するフレネルレンズとして、レンズ面と非レンズ面と有する複数の円弧状プリズムを出光側の面(出光面)に備えた従来のフレネルレンズを用いた場合には、次のような不具合が生じる。すなわち、透過型スクリーンの面に対して斜め方向から投射光を投射する場合には、透過型スクリーンへの投射光の入射角θが大きくなるため、レンズ面での投射光の反射量が増え、ひいては透過型スクリーンに映し出される映像が暗くなり観察し難くなるという問題が生じる。
【0005】
この問題を解決するため、透過型スクリーンを構成するフレネルレンズとして、入光側の面(入光面)に直線状に延びる複数の第1のプリズムを、出光面に円弧状に延びる複数の第2のプリズムを備えたフレネルレンズを用いることが有効である(特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、先ず第1のプリズムで、透過型スクリーンに対し斜め方向から投射された投射光を、透過型スクリーンの正面から投射した場合と同様の拡散光線束を示す光に変換した後に、第2のプリズムに供給するので、第2のプリズムのレンズ面における反射を低減し、コントラストの高い映像を提供することができる。
【特許文献1】
特開昭63−30837号公報(第3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示される従来のフレネルレンズを用いて透過型スクリーンを構成した場合でも、以下に説明する問題が生じる。
【0008】
始めに、説明の便宜のため、以下の問題点の説明に用いる投射系の仕様を定義する(図9参照)。先ず、透過型スクリーンの斜め下方に投射装置を配置し、当該投射装置から投射される投射光は、フレネルレンズの最上端に位置する第1プリズム(上端第1プリズム)に入射角70°で入光し、また最下端に位置する第1プリズム(下端第1プリズム)に入射角30°で入光するものとする。また、第1プリズムで全反射した後の光が、プリズム要素の稜線と垂直な面内において、上端第1プリズムで上向き25°、下端第1プリズムで下向に25°となる発散光線束を示すものとする。更に、フレネルレンズを構成する材料の屈折率は1.55とする。以上の前提のもと、以下に問題点を説明する。
【0009】
先ず、下端第1プリズムのレンズ設計について考えると、入射角30°で入光した光を下向き25°で出光させるためには、屈折面と全反射面とのなす角度(頂角度)δを45°とした場合、全反射面とフレネルレンズ面とのなす角度(全反射面角度)βが83.3°、屈折面とフレネルレンズ面とのなす角度(屈折面角度)αが51.7°となる。
【0010】
しかし、この場合、全反射面に到達しない光(迷光)Zが大量に生じ、入光する光に対する正規光X(迷光以外の正規に出光する光をいう)の割合(出光効率)は57%となってしまう(図10参照)。なお、この迷光は2重像等の原因となるので、極力生じさせないようにする必要がある。
【0011】
従って、出光効率を90%とするためには、頂角度δを30°とする必要がある。なお、このとき全反射面角度βは79.3°、屈折面角度αは70.7°となる。
【0012】
次に、上端第1プリズムのレンズ設計について考える。上述のように頂角度δを30°とすると、入射角70°で入光した光を上向き25°で出光させるためには、全反射面角度βが33.5°、屈折面角度αが116.5°となる。
【0013】
しかし、この場合、屈折面角度αが90°を超えてしまうので、金型Cを用いてフレネルレンズを成形する(量産を行なうには金型による成形が必須となる)際に、成形体Wが金型Cにくい込むような状態となり、成形体Wを金型Cから離型することが困難となる(図11参照)。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、迷光による2重像の発生を防止することができ、また製造上の不具合が生じないフレネルレンズを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、光源より投射される光を入光面側から入光して出光面側に出光させるフレネルレンズであって、入光面に配置され、光源より投射される光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面とを備えて直線状に延びるように形成された複数の第1プリズムと、出光面に配置され、全反射面で反射された光を屈折するレンズ面と当該レンズ面同士を接続する非レンズ面とを備えて円弧状に延びるように形成された複数の第2プリズムと、を備え、第1プリズムは、複数の第1プリズムから出光される光線束が第1プリズムの稜線に垂直な平面内で発散光線束となりように形成され、且つ、複数の第1プリズムのうち少なくとも一部の領域に位置する第1プリズムは、屈折面と全反射面とのなす角度である頂角度が其々の第1プリズムより光源に近い側の隣に位置する第1プリズムの頂角度より大きくなるようにフレネルレンズを形成する(請求項1)。
【0016】
これによれば、光源に近い第1プリズムほど頂角度を小さくするので、迷光の発生を防止又は低減して、2重像の発生を防止することが可能となる。
【0017】
なお、頂角度を光源から遠ざかるに従って大きくするように変化させる際に、徐々に大きくするように変化させることが望ましい。これによれば、頂角度がある位置で突然大きく変化することがなく、観察者に違和感を生じさせないようにすることが可能となる。
【0018】
更に、すべての第1プリズムにおいて、其々の第1プリズムにおける頂角度を、その第1プリズムより光源に近い側の隣に位置する第1プリズムにおける頂角度より大きくなるように形成することが望ましい。これによれば、一層確実に迷光の発生を防止又は低減して、2重像の発生を確実に防止することが可能となる。
【0019】
また、上記の課題を解決するために、請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、屈折面とフレネルレンズの面とのなす角度である屈折面角度が90°以下となるように形成することが望ましい(請求項2)。
【0020】
これによれば、屈折面角度を90°以下としたので、金型を用いてフレネルレンズを成形する際に当該成形体が金型にくい込んで離型し難くなることがなく、不具合を生じさせずにフレネルレンズを製造することが可能となる。なお、フレネルレンズの面とは、フレネルレンズをマクロ的に見たときの面、すなわちフレネルレンズの厚み方向と垂直に交わる面をいう。本明細書において、フレネルレンズの面をフレネルレンズ面という場合がある。
【0021】
また、上記の課題を解決するために、請求項1又は2に記載のフレネルレンズにおいて、少なくとも第1プリズムの表面に第1プリズムを形成する材料より屈折率の小さい材料からなるコーティング層を備えて形成することが望ましい(請求項3)。
【0022】
これによれば、フレネルレンズに光が入光する際に、その表面に屈折率の小さい材料からなるコーティング層が配置されているので、入光する光の反射率を下げることができ、フレネルレンズの表面で反射される光によって生じる2重像の発生を防止することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0024】
1.第1のフレネルレンズ
A.第1のフレネルレンズの構成
図1は、出光面側の斜め方向から観た第1のフレネルレンズの斜視図であり、図2は、図1のx−x線断面図である。
【0025】
図1及び2に示すように、フレネルレンズ1は、入光面に第1プリズム群2を、出光面に第2プリズム群3を備えており、当該フレネルレンズ1の入光面側の斜め下方に配置された投射装置Eから投射される投射光Sを、先ず、第1プリズム群2で、フレネルレンズ1の面の略中央から垂直方向に離れた位置に仮想焦点Iをもつ発散光線束を示す光(発散光線束光)Dに変換し、次いで、第2プリズム群3で、フレネルレンズ1の面に略垂直となる平行光線束を示す光(平行光線束光)Pに変換して出光する。
【0026】
図3は、図2の部分拡大図であり、(A)は投射装置Eから遠い部分のフレネルレンズ1を、(B)は投射装置Eに近い部分のフレネルレンズ1を示す。図3に示すように、第1プリズム群2は、水平方向に直線状に延びる断面三角形状の第1プリズム4を垂直方向に規則的に配列して形成される。この第1プリズム4は、投射光Sを屈折する屈折面5と、屈折面5で屈折された光を全反射する全反射面6とを備えている。
【0027】
そして、第1プリズム4は、投射光Sを発散光線束光Dに変換し、また、本発明の効果を発揮させるために、屈折面5及び全反射面6を次のように形成する。なお、屈折面5及び全反射面6は、屈折面角度α、全反射面角度β及び頂角度δにより特定されるので、以下其々について説明する。
【0028】
先ず、全反射面角度βは、投射装置Eに最も近い下端第1プリズム4aで最大となり、投射装置Eから最も遠い上端第1プリズム4bで最小となるように定める。すなわち、下端第1プリズム4aでは、入射光Sの入射角度θが最小となり、また、第1プリズム4からの出光角度γが下向き最大となるので、全反射面角度βを最も大きく設定する。そして、上部に位置する第1プリズム4ほど、入射角度θは大きくなり、また、出光角度γは上向きとなるので、全反射面角度βを徐々に小さくなるよう設定し、上端第1プリズム4bでは、入射角度θが最大となり、また、出光角度γは上向き最大となるので、全反射面角度βを最も小さく設定する。
【0029】
次に、頂角度δは、下端第1プリズム4aで最も小さく、上端第1プリズム4bに近づくにつれ徐々に大ききなるように設定する。すなわち、入射角θが小さく迷光(全反射面6に到達しない光)が最も生じやすい下端第1プリズム4aで頂角度δを小さく設定し、図3示すように第1プリズム4の高さHを一定とした場合に、第1プリズム4のピッチPが小さくなるようにして、迷光を生じ難くする。なお、図3とは異なり、第1プリズム4のピッチPを一定とした場合は、第1プリズム4の高さHが高くなり迷光が生じ難くなる。更に、下部第1プリズム4aから上端第1プリズム4bにかけて徐々に頂角度δを大きくして、後述のように屈折面角度αを90°以下となるようにすることを可能とし、また、設定角度の突然の変化を無くして観察者に違和感を生じさせないようにする。
【0030】
最後に、屈折面角度αは、後述する金型を用いた製造の際に不具合を生じさせないように、90°以下となるように設定する。
【0031】
また、図3に示すように、第2プリズム群3は、円弧状に延びる断面三角形状の第2プリズム7を同心円状に規則的に配列して形成される。この第2プリズム7は、第1プリズム4の全反射面6で全反射された光を屈折するレンズ面8と、隣り合うレンズ面同士を接続する非レンズ面9とを備えている。
【0032】
そして、レンズ面8は発散光線束光Dを屈折して平行光線束光Pとして出光する角度εに形成される。また、非レンズ面9は隣り合うレンズ面8同士を接続するように、フレネルレンズ面に略垂直となるように形成される。
【0033】
B.第1のフレネルレンズの製造方法
次に、上述したフレネルレンズ1を製造する方法について説明する。
【0034】
フレネルレンズ1は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性の樹脂素材を用いて樹脂成形法により成形される。樹脂成形法としては、▲1▼フレネルレンズ1に対応する形状に形成された金型に溶融状態の光透過性樹脂素材を充填して硬化させ、その後離型する方法(キャスティング法)、▲2▼同金型に加熱した光透過性樹脂素材を充填し加圧して成形した後に離型する方法(熱プレス法)、また▲3▼同金型に紫外線硬化型の樹脂素材を充填し、紫外線照射により硬化させた後に離型する方法(紫外線硬化樹脂法)などがあるが、何れも金型で成形した後に成形体を金型から離型する点は共通である。
【0035】
以下、紫外線硬化樹脂法について詳細に説明する。なお、以下では、先ずフレネルレンズ1の入光面側を成形し、次に出光面側を成形する例を示すが、出光面側から成形することも可能である。
【0036】
始めに、フレネルレンズ1の入光面側を成形する。先ず、アルミニウム、黄銅、銅、鋼などの金型用材料をバイト等によりフレネルレンズ1の入光面に対応する形状に彫り込んで形成した第1金型Cを準備する。そして、この第1金型Cに紫外線硬化型樹脂を塗布する。紫外線硬化型樹脂の塗布は、ロールコート法、グラビア法、ディスペンサー法、ダイコート法等により行なえばよい。
【0037】
次いで、塗布した紫外線硬化樹脂の上に、紫外線を透過させる実質的に透明な基板を積層し、加圧ローラ等で加圧して当該基板を紫外線硬化型樹脂に密着させる。そして、積層した基板の上から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させる。
【0038】
次いで、硬化した紫外線硬化樹脂を第1金型Cから離型するが、このとき前述のように屈折面角度αを90°以下としたので、成形体Wが第1金型Cにくい込んで外れないといった不具合を生じることなく離型することができる(図4参照)。
【0039】
次に、フレネルレンズ1の出光面側を成形するが、手順は入光面側と同様であるので、説明は省略する。
【0040】
なお、キャスティング法や熱プレス法で成形する場合も、成形後のフレネルレンズ1を金型から離型する際にくい込み等の不具合を生じさせない点は同様である。
【0041】
C.第1のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
図5は、以上に説明したフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【0042】
図5に示すように、透過型スクリーン10はフレネルレンズ1の出光面側にレンチキュラーレンズ11を配置して形成される。
【0043】
レンチキュラーレンズ11は、入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズ12を設け、当該かまぼこ型レンズ12の表面に光吸収層13を形成し、更に内部に拡散剤14を分散させて形成される。
【0044】
この透過型スクリーン10は、その入光面側の下方に設けた投射装置Eから投射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、前述のようにフレネルレンズ1は、迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーン10に映し出される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない。
【0045】
なお、透過型スクリーン10には、前述のレンチキュラーレンズ11以外にも、公知のレンチキュラーレンズを用いることができ、この場合でも同様の効果が得られる。
【0046】
2.第2のフレネルレンズ
第2のフレネルレンズ21は、第1のフレネルレンズの表面に低屈折率の材料からなるコーティング層22を形成したものである。以下においては、第1のフレネルレンズ1との相違点についてのみ説明する。なお、第1のフレネルレンズ1と同一部分については同一の符号を用いて説明する。
【0047】
A.第2のフレネルレンズの構造
図6は、第2のフレネルレンズ21の厚さ方向の断面図である。図6に示すように、第2のフレネルレンズ21は、第1プリズム4の表面にコーティング層22を備えている。
【0048】
コーティング層22は、第1プリズム4を形成する材料より屈折率の小さい材料で形成される。具体的には、コーティング層22を形成する材料として、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0049】
コーティング層22を備えたフレネルレンズ21は、入光する光の反射量を低減し、特に、後述するようなミラーMを用いた投射系において、ゴースト光の発生を防止する。
【0050】
B.第2のフレネルレンズの製造方法
フレネルレンズ21は、第1プリズム4の表面にコーティング層22を形成して製造される。
【0051】
すなわち、先ず、前述の第1のフレネルレンズ1と同様の方法により、第1プリズム4及び第2プリズム7を備えた成形体を形成する。次いで、当該成形体の第1プリズム4の表面に、前述したフッ素樹脂、シリコーン樹脂等をフローコートやディピングコートにより塗布してコーティング層22を形成して、フレネルレンズ21が完成する。
【0052】
C.第2のフレネルレンズを用いた透過型スクリーン
以上に説明したフレネルレンズ21は、その出光面側に配置したレンチキュラーレンズ11と共に透過型スクリーン31として用いられる。
【0053】
図7は、透過型スクリーン31を用いた投射系を説明する図である。
【0054】
図7に示すように、透過型スクリーン31は、その入光面側の下方に設けた投射装置Eから投射され、次いでミラーMによって反射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、フレネルレンズ21は迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーンに投影される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない点は、第1のフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンと同様である。
【0055】
更に、第2のフレネルレンズ21を用いた透過型スクリーン31は、コーティング層22により投射光の反射を低減するため、透過型スクリーン31の入光面で反射した光YがミラーMで反射して再び透過型スクリーンに入光することにより生じる2重像を防止することができる。
【0056】
3.変形例
以上の実施形態では、第1プリズム4を水平方向に延びるように形成した場合を説明したが、これに限られることなく、第1プリズム4を垂直方向に延びるように形成してもよい。なお、第1プリズム4を垂直方向に延びるように形成した場合は、斜め側面方向に投射装置Eを配置して光を投射することになる。
【0057】
また、以上の実施形態では、フレネルレンズ1,21の全ての第1プリズム4において、投射装置Eに近い側から遠い側にかけて頂頂角度δが徐々に大きくなるように変化させたが、これに限られることなく、一部の領域に位置する第1プリズム4についてのみ上記のように頂角度δを変化させても良い。特に、迷光の生じやすい投射装置Eに近い領域に位置する第1プリズム4についてのみ上記のように頂角度δを変化させた場合、効率よく迷光の発生を防止することができる。
【0058】
また、以上の実施形態では、第2のフレネルレンズ21の第1プリズム4の表面にコーティング層22を形成した場合について説明したが、これに限られることなく、第2プリズム7の表面にもコーティング層22を形成しても良い。この場合、コーティング層22を有効に機能させるためには、第2プリズム7を形成する材料よりも屈折率が小さい材料でコーティング層を形成することが良い。
【0059】
更に、以上の実施形態では、第2プリズム7から出光する光が透過型スクリーン面に垂直な平行光線束光Pとなるように第2プリズム7を形成する場合について説明したが、これに限られることなく、発散光線束光や収束光線束光となるように第2プリズム7を形成しても良い。
【0060】
【実施例】
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチの透過型スクリーンを形成し、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より250mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に400mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)を配置して透過型スクリーンに向かって映像光を投射した。
【0061】
▲1▼フレネルレンズ
入光面に屈折面と全反射面を有して水平方向に直線状に延びる第1プリズムを0.08mmのピッチで形成した。なお、第1プリズムから出光する光が、スクリーンの中心を通りスクリーンに垂直な方向に投射装置側に400mm移動した点に仮想焦点を有する拡散光線束光となるように第1プリズムを形成した。
【0062】
ここで、第1プリズムの頂角度は、下端第1プリズムで30°、上端第1プリズムで55°とし、その間の第1プリズムは下端第1プリズムから距離に比例して順次大きくなるように設定した。
【0063】
また、出光面にレンズ面と非レンズ面を有して円弧状に延びる第2プリズムを0.112mmのピッチで同心円状に形成した。第2プリズムの焦点距離は400mmとし、出光する光が平行光線束光となるようにした。
【0064】
なお、第1プリズム4及び第2プリズム7は屈折率が1.55となる材料を用いて形成した。
【0065】
▲2▼レンチキュラーレンズ
入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズを0.143mmのピッチで形成した。レンチキュラーレンズの厚さは1mmとして、レンチキュラーレンズの水平拡散半値角が25°、垂直拡散半値角が10°となるように、内部に拡散剤を分散させた。
【0066】
また、かまぼこ型レンズの表面に厚さ20μmの光吸収層を設けた。光吸収層の吸収率は40%とした。
【0067】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、スクリーン全体で明るさが均一で、迷光による2重像等の映像の劣化がなく良好な映像を観察することができた。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、光源に近い側の頂角度を小さくなるように入光面の第1プリズムを形成するため、迷光の発生を防止又は低減することができ、従って、迷光による2重像の発生を防止することができる。
【0069】
また、屈折面角度を90°以下となるように第1プリズムを形成するため、金型からフレネルレンズ成形品を取り外す際に、第1プリズム部が金型にくい込んでしまうことがなく、従って、不具合なくフレネルレンズを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のフレネルレンズの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のx−x線断面図である。
【図3】(A)は本発明の第1のフレネルレンズにおける投射装置から遠い部分の部分拡大図であり、(B)は本発明の第1のフレネルレンズにおける投射装置に近い部分の部分拡大図である。
【図4】本発明の第1のフレネルレンズを成形する金型からの離型を説明する図である。
【図5】本発明のフレネルレンズを用いた透過型スクリーンを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2のフレネルレンズの厚さ方向の断面図である。
【図7】本発明の第2のフレネルレンズを用いた透過型スクリーンの投射系の一例を示す図である。
【図8】斜め方向から光を投射する投射系を示す図である。
【図9】従来のフレネルレンズの問題点の説明に用いる投射系を説明する図である。
【図10】従来のフレネルレンズでの迷光の発生を説明する図である。
【図11】従来のフレネルレンズの製造上の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズ
2 第1プリズム群
3 第2プリズム群
4 第1プリズム
5 屈折面
6 全反射面
7 第2プリズム
8 レンズ面
9 非レンズ面
α 屈折面角度
β 全反射面角度
δ 頂角度
E 投射装置
S 映像光(投射光)
D 発散光線束光
P 平行光線束光

Claims (3)

  1. 光源より投射される光を入光面側から入光して出光面側に出光させるフレネルレンズであって、
    前記入光面に配置され、前記光源より投射される光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折された光を全反射する全反射面とを備えて直線状に延びるように形成された複数の第1プリズムと、
    前記出光面に配置され、前記全反射面で反射された光を屈折するレンズ面と当該レンズ面同士を接続する非レンズ面とを備えて円弧状に延びるように形成された複数の第2プリズムと、を備え、
    前記第1プリズムは、前記複数の第1プリズムから出光される光線束が前記第1プリズムの稜線に垂直な平面内で発散光線束となりように形成され、
    且つ、前記複数の第1プリズムのうち少なくとも一部の領域に位置する前記第1プリズムは、前記屈折面と前記全反射面とのなす角度である頂角度が其々の当該第1プリズムより前記光源に近い側の隣に位置する前記第1プリズムの前記頂角度より大きくなるように形成された、
    ことを特徴とするフレネルレンズ。
  2. 請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、
    前記屈折面と当該フレネルレンズの面とのなす角度である屈折面角度が90°以下となるように形成されたことを特徴とするフレネルレンズ。
  3. 請求項1又は2に記載のフレネルレンズにおいて、
    少なくとも前記第1プリズムの表面に当該第1プリズムを形成する材料より屈折率の小さい材料からなるコーティング層を備えて形成されたことを特徴とするフレネルレンズ。
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