JP4212902B2 - フレネルレンズ、フレネルレンズ成形型、フレネルレンズ製造方法及びフレネルレンズを用いた透過型スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレネルレンズ、フレネルレンズ成形型、フレネルレンズ製造方法及びフレネルレンズを用いた透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
大画面テレビの一つとして背面投射型テレビがある。この背面投射型テレビは、透過型スクリーンの反観察者側に配置した投射装置から、当該透過型スクリーンに対して映像光(投射光)を投射して、観察者に映像を提供するものである。
【0003】
このような背面投射型テレビは、投射装置から投射光を拡大して投射するため、投射装置と透過型スクリーンの距離をある程度確保する必要があり、それゆえ奥行き方向のスペースが大きくなってしまうという問題が生じる。このため、図17に示すように、透過型スクリーンAの面に対して斜め方向に投射装置Eを配置し、当該投射装置Eから投射光を投射するように背面透過型テレビを構成して、奥行き方向の小スペース化を図っている。
【0004】
そして、図17に示すように斜め方向から投射光が投射される透過型スクリーンには、全反射型フレネルレンズが好適に用いられる(特許文献1参照)。この全反射型フレネルレンズは、入光面に複数のプリズムを備えて形成され、投射光を該プリズムの第1面(屈折面)で屈折し、次いで第2面(全反射面)で全反射して出光するものである。
【0005】
このように、全反射型フレネルレンズは、投射光の光路調整に全反射を利用するので、透過型スクリーン(フレネルレンズ)への入射角が大きくなる投射系においても高い透過率を達成することができる。
【特許文献1】
特開昭61−208041号公報(第2−3頁、第6図、第8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記全反射フレンルレンズ(以下、単にフレネルレンズと称する)は、前述したように斜め方向から投射光が投射されるため、一般に、当該投射光のフレネルレンズへの入射角は約35〜75°となる。そして、フレネルレンズの成形材料として、屈折率が約1.45〜1.65の樹脂材料が用いられるのが通常であり、この場合、プリズムの先端角αは約30〜40°、屈折面角γは約78〜90°、全反射面角βは約65〜50°となる(なお、α+β+γ=180°となる。)。
【0007】
ここで、このフレネルレンズにおいて、隣接するプリズムにより形成される谷部の角度δはプリズム先端角αと略同一となるため、フレネルレンズの成形型Dにおける隣り合う成形溝Cにより形成される山部の先端角ωもまたプリズム先端角αと等しく、約30〜40°とかなりの鋭角となる(図18参照)。このため、成形型の山部の先端は曲がり易く、例えば、図19のように山部の先端が反光源側に曲がった成形型においては次のような問題点が生じていた。
【0008】
なお、本明細書において、成形型の光源側とは、フレネルレンズを成形する際にフレネルレンズの使用時に光源に近い側の部分を成形する側をいい、成形型の反光源側とは、フレネルレンズを成形する際にフレネルレンズの使用時に光源から遠い側の部分を成形する側をいう。即ち、成形型の光源側とは、当該成形型が成形するプリズムを単体でみたときに、プリズムの屈折面を成形する側をいい、成形型の反光源側とは、プリズムの全反射面を成形する側をいう。従って、図19において、成形型の成形溝Cにおける図の上側に位置する面がプリズムの全反射面を成形し、図の下側に位置する面がプリズムの屈折面を成形するので、図の上側が成形型Dの反光源側となる。
【0009】
1)フレネルレンズ製造上の問題
即ち、図19に示す成形型を用いてフレネルレンズの成形を行なった場合、成形型に樹脂を充填して硬化させた後、成形型からフレネルレンズ成形体を離型する際に、成形型の山部の先端がフレネルレンズ成形体にくい込むかたちになるため離型が困難となっていた(図20(A)参照)。また、この状態で無理に離型しようとするとフレネルレンズ成形体が破損してしまうこともあった。
【0010】
2)フレネルレンズ使用時の問題
また、図19に示す成形型を用いて成形したフレネルレンズは、成形型の山部の湾曲が転写されるため、図20(B)に示すように谷部が湾曲した形状となる。そして、このように谷部が湾曲したフレネルレンズに斜め方向から投射光を投射した場合、全反射面で全反射された光の一部が湾曲した谷部(湾曲した谷部に位置する屈折面)で再び反射されることにより、迷光Yが生じていた。なお、この迷光Yは、出光面で反射された後、再び屈折面及び全反射面で屈折又は反射され、出光面の正規の出光位置とは異なる位置から遅れて出光されるため、2重像等の原因となっている。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑み為されたもので、その目的とするところは、成形型を用いて成形される際に当該成形型から容易に離型することができ、また、使用時に迷光が生じ難いフレネルレンズ等を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者は、これら課題を解決するため、鋭意研究を行なった結果、成形型の山部の曲がりを制御できることを見出した。そして、当該制御により特定形状を示すようにして製造された成形型を用いれば、上記課題において有利な効果を奏するフレネルレンズを製造することができることを見出した。
【0013】
即ち、上記の課題を解決するために、本発明のフレネルレンズは、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズであって、一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を前記他のプリズム側へ湾曲させて複数のプリズムを形成したことを特徴とする(請求項1)。
【0014】
これによれば、成形型を用いて成形したフレネルレンズ成形体を当該成形型から離型する際に、成形型の山部がフレネルレンズ成形体にくい込んでしまうことがなく、容易に離型することが可能となる。また、谷部を上記他のプリズムの側(全反射面の一部に被さる方向)に湾曲させてプリズムを形成したので、谷部を逆方向、即ち上記他のプリズム側(屈折面に被さる方向)に湾曲させた場合に生じる、高入射角で入射され全反射面で全反射された光の一部が湾曲した谷部と干渉するという事態を回避することができ、迷光の発生を低減することが可能となる。
【0015】
また、このフレネルレンズにおいて、谷部を湾曲させる際の、プリズムの稜線に垂直となる断面における谷部の頂点の移動量をプリズムのピッチの20%以下とすることが望ましい(請求項2)。
【0016】
これによれば、谷部の頂点の移動量をプリズムのピッチの20%以下としたので、入射角が小さい領域で生じる投射光の光路と湾曲した谷部との干渉を少なくすることができ、迷光の発生量を更に低減することができる。なお、更に望ましくは、プリズムの稜線に垂直となる断面における谷部の頂点の移動量をプリズムのピッチの15%以下とすることが良い。
【0017】
また、このフレネルレンズにおいて、谷部を湾曲させる際の、プリズムの稜線に垂直となる断面における屈折面及び全反射面の湾曲する部分の長さをそれぞれの全長の40%以下とすることが望ましい(請求項3)。
【0018】
これによれば、屈折面及び全反射面で正規の方向と異なる方向に屈折又は反射される光を低減することができる。なお、更に望ましくは、プリズムの稜線に垂直となる断面における屈折面及び全反射面の湾曲する部分の長さをそれぞれの全長の30%以下とすることが良い。
【0019】
また、上記の課題を解決するために、本発明の成形型は、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズを成形するための成形型であって、当該成形型の素材となる型材料をフレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削して製造されたことを特徴とする(請求項4)。
【0020】
これによれば、フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削するので、隣り合う成形溝で形成される山部の先端は光源側に湾曲するため、このように製造された成形型によれば上記のフレネルレンズを成形することができる。従って、当該成形型からフレネルレンズ成形体を離型する際に容易に離型する事ができ、また、当該成形型で成形すれば迷光の発生が少ないフレネルレンズを得ることができる。
【0021】
また、上記の課題を解決するために、本発明のマスター成形型は、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズを成形するための成形型の原版であるマスター成形型であって、当該マスター成形型の素材となる型材料をフレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削して製造されたことを特徴とする(請求項5)。
【0022】
これによれば、マスター成形型に用いて成形型を複製することにより切削の手間をかけずに複数の成形型を製造でき、当該成形型を用いてフレネルレンズを成形する際に上記同様容易にフレネルレンズ成形体を離型することができ、また、当該成形型で成形すれば迷光の発生が少ないフレネルレンズを得ることができる。
【0023】
また、上記の課題を解決するために、本発明のフレネルレンズの製造方法は、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズの製造方法であって、フレネルレンズを成形するための成形型の素材となる型材料を、フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削して成形型を製造する成形型製造工程と、当該成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程と、当該充填した樹脂を成形型から離型する離型工程と、を含むことを特徴とする(請求項6)。
【0024】
これによれば、成形型から樹脂(フレネルレンズ成形体)を容易に離型する事ができるため、効率よくフレネルレンズを製造することができる。また、この製造方法により迷光の発生が少ないフレネルレンズを製造することができる。
【0025】
また、上記の課題を解決するために、本発明のフレネルレンズの製造方法は、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズの製造方法であって、フレネルレンズを成形するための成形型の原版であるマスター成形型の素材となる型材料を、フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削してマスター成形型を製造するマスター成形型製造工程と、マスター成形型を用いて前記成形型を複製する成形型複製工程と、当該成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程と、当該充填した樹脂を成形型から離型する離型工程と、を含むことを特徴とする(請求項7)。
【0026】
これによれば、成形型から樹脂(フレネルレンズ成形体)を容易に離型する事ができるため、効率よくフレネルレンズを製造することができる。また、この製造方法により迷光の発生が少ないフレネルレンズを製造することができる。更に、切削の手間をかけずに複数の成形型を製造できるので、フレネルレンズの製造が一層容易となる。
【0027】
また、上記の課題を解決するために、本発明の透過型スクリーンは、入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備え、一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を他のプリズム側へ湾曲させて複数のプリズムを形成したフレネルレンズと、当該フレネルレンズの出光面側に配置したレンチキュラーレンズと、を備えたことを特徴とする(請求項8)。
【0028】
これによれば、フレネルレンズでの迷光の発生を低減するため、迷光に起因して生じる2重像等を防止することができ、良質な映像を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0030】
1.第1実施形態
以下、1)フレネルレンズの構成、2)フレネルレンズの製造方法、3)フレネルレンズを用いた透過型スクリーンの順で説明する。
【0031】
1)フレネルレンズの構成
始めに、本実施形態に係るフレネルレンズの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るフレネルレンズ1の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、フレネルレンズ1は、入光面に円弧状に伸びるプリズム2を複数備えて形成される。プリズム2は、フレネルレンズ1の延長面上に位置する点Pを中心とした同心円上に配列され、各プリズム2の配列間隔(ピッチ)は、観察者からプリズム2が視認されないよう1.0mm以下、望ましくは0.1mm程度に設定される。
【0032】
図2は、フレネルレンズ1の厚さ方向の断面図である。図2に示すように、プリズム2は、入射光Sを屈折する屈折面3と、屈折面3で屈折された光を全反射する全反射面4とを備えて、断面略三角形に形成される。
【0033】
ここで、フレネルレンズ1に入射される投射光Sの入射角は、フレネルレンズ1の各位置で異なるため、それぞれ位置での投射光Sの入射角に応じて各プリズムの形状を変化させる必要がある。この場合、プリズムの先端角αを固定して全反射面角β及び屈折面角γを変化させても良いし、又は先端角α、反射面角度β及び屈折面角γの全てを変化させても良い。
【0034】
また、プリズム2は、一のプリズム2Aと当該プリズム2Aの全反射面側の隣に位置する他のプリズム2Bとで形成される谷部5がプリズム2Aの方向に湾曲するように、それぞれ形成される。
【0035】
ここで、谷部5をプリズム2Aの方向に湾曲させるようにプリズム2を形成する際に、谷部5の頂点5Tの移動量Wがプリズム2のピッチPの20%以下、望ましくは15%以下となるようにプリズム2を形成すると良い(図3参照)。
【0036】
また、谷部5をプリズム2Aの方向に湾曲させるようにプリズム2を形成する際の、屈折面3及び全反射面4を湾曲させる部分の長さM3,M4をそれぞれの全長L3,L4の40%以下、望ましくは30%以下となるようにプリズム2を形成すると良い(図4参照)。
【0037】
このように形成したフレネルレンズ1が示す有利な点について、以下に説明する。
【0038】
先ず、比較のため、本実施形態のフレネルレンズと逆の方向に谷部を湾曲させたフレネルレンズ11における投射光の光路について、図5及び図6を用いて説明する。図5はフレネルレンズ11の投射光の入射角が大きくなる(例えば50°となる)部分における投射光の光路を示した図であり、また図6はフレネルレンズ11の投射光の入射角が小さくなる(例えば45°となる)部分における投射光の光路を示した図である。
【0039】
図5に示すように、フレネルレンズ11の投射光の入射角が大きくなる部分においては、屈折面3の中央部及び起端側に入光する投射光S2及びS3は、それぞれ屈折面3で屈折された後、全反射面4で全反射されて出光面Eから正規光Xとして出光される。しかし、屈折面3の先端側に入光する投射光S1は、屈折面3で屈折された後、全反射面4で全反射され、更に、湾曲した谷部5に位置する屈折面3で斜め方向に反射されて迷光Yとなる。
【0040】
また、図6に示すように、フレネルレンズ11の投射光の入射角が小さくなる部分においては、屈折面3の先端部及び中央部に入光する投射光S1及びS2は、それぞれ屈折面3で屈折された後、全反射面4で全反射されて出光面Eから正規光Xとして出光される。しかし、屈折面3の起端側に入光する投射光S3は、屈折面3で屈折された後、全反射面4には到達せずに迷光Yとなる。
【0041】
このように、本実施形態のフレネルレンズと逆の方向に谷部を湾曲させたフレネルレンズ11では、投射光の入射角が小さくなる部分においても、大きくなる部分においても迷光Yが生じることとなる。
【0042】
次に、本実施形態のフレネルレンズ1における投射光の光路について、図7及び図8を用いて説明する。図7はフレネルレンズ1の投射光の入射角が大きくなる(例えば50°となる)部分における投射光の光路を示した図であり、また図8はフレネルレンズ1の投射光の入射角が小さくなる(例えば45°となる)部分における投射光の光路を示した図である。
【0043】
図7に示すように、フレネルレンズ1の投射光の入射角が大きくなる部分においては、屈折面3の先端部、中央部及び起端側に入光する投射光S1、S2及びS3は、いずれも、それぞれ屈折面3で屈折された後、全反射面4で全反射されて出光面Eから正規光Xとして出光される。
【0044】
また、図8に示すように、フレネルレンズ1の投射光の入射角が小さくなる部分においては、屈折面3の先端部及び中央部に入光する投射光S1及びS2は、それぞれ屈折面3で屈折された後、全反射面4で全反射されて出光面Eから正規光Xとして出光される。そして、屈折面3の起端側に入光する投射光S3は、屈折面3で屈折された後、全反射面4に達するが、このとき投射光S3が到達する位置の全反射面4は湾曲しているため光源側に傾いた方向に全反射され、当該傾く角度によって、正規光X’又は迷光Yとなる。
【0045】
ここで、前述のとおり、谷部5の頂点5Tの移動量Wをプリズム2のピッチPの20%以下、望ましくは15%以下としたので、投射光S3が全反射面4で全反射された後、谷部5に干渉されて生ずる迷光Yを最小限に抑えることができる。
【0046】
例えば、投射光Sの入射角が45°となるプリズム2における、移動率(ピッチPに対する移動量Wの割合)に対する迷光Yの発生率の関係を図9(A)に示す。図9(A)によると、移動量Wが20%を超えると迷光Yの発生率が10%以上となり、フレネルレンズ1を後述する透過型スクリーンに用いた場合に2重像が鮮明となり映像を極端に劣化させてしまう。しかし、移動量Wを20%以下にすれば、同2重像を映像の観察に影響しない程度まで抑えることができ、更に移動量Wを15%以下にすれば、迷光Yの発生率を5%以下にでき、同2重像を殆ど気にならない程度まで抑えることができる。
【0047】
また、前述のとおり、屈折面2及び全反射面3を湾曲させる部分の長さM3,M4をそれぞれの全長L3,L4の40%以下、望ましくは30%以下としたので、投射光S3が到達する全反射面4が湾曲していることにより生ずる迷光Yを最小限に抑えることができる。
【0048】
例えば、投射光Sの入射角が45°となるプリズム2における、湾曲率(全長Lに対する湾曲させる部分の長さMの割合)に対する迷光Yの発生率の関係を図9(B)に示す。図9(B)によると、湾曲率が40%を超えると迷光Yの発生率が10%以上となり、フレネルレンズ1を後述する透過型スクリーンに用いた場合に2重像が鮮明となり映像を極端に劣化させてしまう。しかし、湾曲率を40%以下にすれば、同2重像を映像の観察に影響しない程度まで抑えることができ、更に湾曲率を30%以下にすれば、迷光Yの発生率を5%以下にでき、同2重像を殆ど気にならない程度まで抑えることができる。
【0049】
このように、本実施形態のフレネルレンズ1では、投射光Sの入射角が大きくなる部分において迷光Yは生じることがなく、また、投射光Sの入射角が小さくなる部分において迷光Yが生じることがあるものの、それを最小限に抑えることができる。
【0050】
以上に説明したように、本発明のフレネルレンズ1は、これとは逆の方向に谷部を湾曲させたフレネルレンズ11に比べて迷光Yの発生を格段に低減できる。
【0051】
なお、以上では入光面に円弧状に延びるプリズム2を複数備えたフレネルレンズ1について説明したが、図10に示すような入光面に直線状に延びるプリズム2’を複数備えた、いわゆるリニアフレネルレンズ1’にも本発明は適用可能であり、この場合も前記フレネルレンズ1と同様の作用効果を奏する。
【0052】
2)フレネルレンズの製造方法
次に、フレネルレンズ1の製造方法について説明する。
【0053】
A)成形型の製造方法
始めに、フレネルレンズ1の成形に用いる成形型Dの製造方法について説明する。
【0054】
ここでは、先ず、プリズム2の先端角αを固定して全反射面角β及び屈折面角γを変化させて各プリズム2を形成したフレネルレンズ1の製造に用いる成形型Dについて説明する。
【0055】
成形型Dは、型材料Mをプリズム2に対応する形状に切削して製造される。なお、型材料Mとしては、鋼材等の変形し難い材料を用いても良いが、変形し難い材料を用いた場合は後述するバイトBでの切削時にバイトBが破損し易く、バイトBが破損した場合切削を初めからやり直す必要が生じて生産性を著しく低下させてしまうため、アルミニウム、銅、ニッケル等の切削性の良い材料を用いるのが望ましい。
【0056】
型材料Mの切削は、例えば、正面旋盤に板状の型材料Mを取り付けて回転させ、バイトBを型材料Mに押し当てて行なわれる。このとき、バイトBの先端角度τはプリズム2の先端角αと同角度にする。
【0057】
そして、本実施形態に係る成形型Dでは、型材料MをバイトBで切削する場合に、フレネルレンズ1の使用時に光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝Cから順に切削する。この場合の型材料Mの切削手順について図11を用いて説明する。
【0058】
先ず、フレネルレンズ1の使用時に光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝C1を切削するため、型材料Mの当該プリズム2に対応する位置にバイトBを配置する(図11(A))。このとき、バイトBは、その切削面が当該プリズム2の全反射面角β及び屈折面角γを示すように配置される。次いで、バイトBを上記配置角度を保った状態で型材料Mに押し込んでいき、型材Mを切削していく(図11(B))。そして、バイトBでの切削幅Hがプリズム2の幅と等しくなったら、バイトBの押し込みを止め(図11(C))、バイトBを型材料Mから抜き出す(図11(D))。このように、光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝C1の切削が完了すると、このプリズム2の光源Eから遠い側の隣に位置するプリズム2に対応する成形溝C2を切削する(図11(E))。このように、光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝Cから、光源Eから遠いプリズム2に対応する成形溝Cへと順に切削していき、型材料Dを製造する。
【0059】
このように光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝Cから順に切削して製造された成形型Dが示す有利な点について以下に説明する。
【0060】
即ち、図12(A)に示すように、光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝C1が切削された後、これより光源Eから遠いプリズム2に対応する成形溝C2を切削する際に、バイトBの切削面に対して垂直方向(図に示すAの方向)に押し圧力が加わる。そして、この押し圧力により山部Qが成形型Dの光源E側に湾曲する(図12(B))。なお、前述したように型材料Mとしてアルミニウム等の切削性の良い材料が一般に用いられるため、これらの材料は変形し易く、湾曲が生じ易い。従って、図12(C)に示すように、各山部Qが光源E側に湾曲するように成形型Dを形成することができる。
【0061】
このように、各山部Qが光源E側に湾曲するように形成された成形型Dを用いて、フレネルレンズ1を成形した場合、後述するように、成形型Dからフレネルレンズ成形体を容易に離型することができる。また、成形型Dを用いて製造されたフレネルレンズ1は前述のように、迷光Yの発生を低減できる。
【0062】
なお、比較のため、これとは逆の順序で型材料M’を切削した場合を図13に示した。即ち、光源Eから遠いプリズム2に対応する部分が成形溝C2された後、これより光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝C1を切削する際に、バイトBの切削面に対して垂直方向(図に示すA’の方向)に押し圧力が加わり(図13(A))、この押し圧力により山部Q’が光源Eから遠いプリズム2に対応する部分側へ湾曲する(図13(B))。従って、成形型D’の各山部Q’は、図13(C)に示すように、光源Eと逆側に湾曲することとなる。このように、各山部Q’が光源Eと逆側に湾曲するように形成された成形型D’を用いてフレネルレンズ成形した場合、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、成形型D’からのフレネルレンズ成形体の離型が困難となり、また、製造されたフレネルレンズは迷光Yを多大に発生させることとなる。
【0063】
なお、以上では、プリズム2の先端角αを固定して全反射面角β及び屈折面角γを変化させて各プリズム2を形成したフレネルレンズ1の製造に用いる成形型Dについて説明したが、プリズム2の先端角α、反射面角度β及び屈折面角γの全てを変化させて各プリズム2を形成したフレネルレンズ1の製造に用いる成形型Dの場合も同様である。
【0064】
この場合は、図14に示すように、プリズム2の先端角より小さい先端角を有するバイスBを用いて、屈折面3に対応する部分の切削(図14(A))、全反射面4に対応する部分の切削(図14(B))と順に行なっていけばよい。この場合も、光源Eに近いプリズム2に対応する成形溝C1を切削した後、これより光源Eから遠いプリズム2に対応する成形溝C2を切削する際に、矢印A方向に押し圧力が加わり、山部Qが光源E側に湾曲するように成形型Dを形成することができる(図14(C))。
【0065】
また、以上では、入光面に円弧状に延びるプリズム2を複数備えたフレネルレンズ1を成形する成形型Dついて説明したが、入光面に直線状に延びるプリズム2’を複数備えた、いわゆるリニアフレネルレンズ1’を成形する成形型Dの場合も同様である。
【0066】
この場合は、例えば、板状の型材料Mを支持ロールに巻きつけ、当該支持ロールに巻きつけた板状の型材料Mを旋盤に取り付けて回転させ、バイトBを用いて各プリズム2’に対応する成形溝Cを切削するが、この点を除けば上記と同様であり、上記と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0067】
B)フレネルレンズの製造方法
次に、紫外線硬化樹脂を用いたフレネルレンズ1の製造方法について、図15を用いて説明する。図15はフレネルレンズ1の製造工程を示す図である。
【0068】
先ず、前述の方法により成形型Dを製造する(ステップS1:成形型製造工程)。詳細は前述のとおりであるので、繰り返しの説明は省略する。
【0069】
次に、成形型Dに紫外線硬化樹脂を充填する(ステップS2:樹脂充填工程)。即ち、ロールコート法、グラビア法、ディスペンサー法、ダイコート法等により、ステップS1で製造した成形型Dに紫外線硬化型樹脂を充填する。
【0070】
次に、成形型Dに充填した紫外線硬化樹脂上に基板を積層する(ステップS3:基盤積層工程)。即ち、ステップS2において成形型Dに充填した紫外線硬化樹脂の上に紫外線を透過させる材料で形成された基板を積層し、更に加圧ローラで加圧して紫外線硬化型樹脂と基板とを密着させる。
【0071】
次に、紫外線硬化樹脂を硬化する(ステップS4:樹脂硬化工程)。即ち、成形型Dに充填した状態の紫外線硬化樹脂に基板の上から紫外線を照射して、当該紫外線硬化樹脂を硬化させる。
【0072】
最後に、硬化した紫外線硬化樹脂を離型する(ステップS5:離型工程)。ここでは、ステップ4で硬化させた紫外線硬化樹脂、即ちフレネルレンズ成形体を成形型Dから離型する。このとき、成形型Dの山部Qは、前述のとおり光源E側に湾曲しているため、離型が容易となる。
【0073】
即ち、フレネルレンズ1の屈折面角γは全反射面角βより大きいため、フレネルレンズ成形体を成形型Dから離型する際には、全反射面4側(光源Eと逆側)から徐々に離型していくが、このとき成形型Dの山部Qが光源E側に湾曲しているため、山部Qの先端がフレネルレンズ成形体に引っかかることなく、スムーズに離型することが可能となる。
【0074】
なお、フレネルレンズ1の製造は、上述した紫外線硬化樹脂法に限られることなく、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性の樹脂素材を用いて、▲1▼フレネルレンズ1に対応する形状に形成された成形型Dに溶融状態の光透過性樹脂素材を充填して硬化させ、その後離型する方法(キャスティング法)、▲2▼同成形型Dに加熱した光透過性樹脂素材を充填し加圧して成形した後に離型する方法(熱プレス法)等により製造することができる。これらの製造方法による場合でも、フレネルレンズ成形体を成形型Dから容易に離型できる点は、前述の紫外線硬化樹脂法の場合と同様である。
【0075】
3)フレネルレンズを用いた透過型スクリーン
図16は、以上に説明したフレネルレンズ1を用いた透過型スクリーンの全体構成を示す斜視図である。
【0076】
図16に示すように、透過型スクリーン21はフレネルレンズ1の出光面側にレンチキュラーレンズ22を配置して形成される。
【0077】
レンチキュラーレンズ22は、入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズ23を設け、当該かまぼこ型レンズ23の表面に光吸収層24を形成し、更に内部に拡散剤25を分散させて形成される。
【0078】
この透過型スクリーン21は、その入光面側の下方に設けた投射装置Eから投射された映像光Sを投影して、観察者に提供する。このとき、前述のようにフレネルレンズ1は、迷光を生じさせないか又は生じさせたとしてもその量は小さいので、透過型スクリーン21に映し出される映像は、全体に明るさが均一で、また2重像などの映像劣化を生じることもない。
【0079】
なお、透過型スクリーン21には、前述のレンチキュラーレンズ22以外にも、公知のレンチキュラーレンズを用いることができ、この場合でも同様の効果が得られる。
【0080】
2.他の実施形態
上記実施形態では、成形型の素材となる型材料を切削して成形型を製造し、当該成形型を用いてフレネルレンズを成形する場合について説明したが、これに限られることはなく、型材料を切削して製造したマスター成形型を用いて複製により成形型を製造し、当該成形型を用いてフレネルレンズを成形するようにしても良い。
【0081】
この場合、先ず、型材料をフレネルレンズに対応する形状に切削して、マスター成形型を製造する。このとき、マスター成形型の谷部は、第1実施形態の成形型Dと同様に、谷部が光源側に湾曲した形状に製造される。
【0082】
次いで、例えば電鋳法等により、マスター成形型の表面にニッケル等の第1形成層を形成する。そして、第1形成層はマスター成形型から剥離され、マザー成形型となる。次いで、例えば電柱法により、マザー成形型の表面にニッケル等の第2形成層を形成する。そして、第2形成層はマザー成形型から剥離され、必要により裏打ちを施されて成形型となる。
【0083】
このように形成された成形型は、マスター成形型と同一形状に形成されるため、第1実施形態の成形型Dと同様に、谷部が光源側に湾曲した形状に製造される。
【0084】
従って、当該成形型を用いてフレネルレンズを成形する場合、第1実施形態と同様に、成形型から容易にフレネルレンズ成形体を離型することができる。また、当該成形型により成形されたフレネルレンズは、第1実施形態と同様に、迷光を低減することができる。更に、マスター成形型を用いて成形型を複製するため、複数の型材料を容易に製造することができ、フレネルレンズの製造を容易にすることができる。
【0085】
また、この成形型により成形されたフレネルレンズを用いて透過型スクリーンを形成することができることは、もちろんであり、この場合も第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0086】
【実施例】
1)実施例
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチの透過型スクリーンを形成し、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点からスクリーンに垂直な方向に400mm移動した地点に投射装置(プロジェクタ)を配置して透過型スクリーンに向かって映像光を投射した。
【0087】
▲1▼フレネルレンズ
入光面に屈折面と全反射面を有して円弧状に延びるプリズムを0.11mmのピッチで複数形成した。これら複数のプリズムは、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点を中心とする同心円上に配置した。従って、半径が最小となるプリズムの半径は312mmとなり、半径が最大となるプリズムの半径は1188mmとなる。
【0088】
また、このフレネルレンズの成形には、型材料を半径312mmのプリズムに対応する成形溝から半径1188mmのプリズムに対応する成形溝に向けて順に切削して形成した成形型を用いた。従って、成形型の山部は、全体的に光源側に湾曲したが、詳細には、バイトの切れ味が良い段階で切削した成形溝(半径312〜500mmのプリズムに対応する成形溝)の山部は光源側に僅かに湾曲し、その後に切削した成形溝(半径500〜1188mmのプリズムに対応する成形溝)の山部は徐々に大きく湾曲した。そして、この成形型で成形されたフレネルレンズは、成形型の山部の湾曲に対応するように谷部が湾曲されて形成された。
【0089】
このように、山部が光源側に湾曲した成形型を用いてフレネルレンズを成形したので、スムーズに離型することができた。
【0090】
▲2▼レンチキュラーレンズ
入光面に垂直方向に直線状に延びるかまぼこ型レンズを0.143mmのピッチで形成した。レンチキュラーレンズの厚さは1mmとして、レンチキュラーレンズの水平拡散半値角が25°、垂直拡散半値角が10°となるように、内部に拡散剤を分散させた。
【0091】
また、かまぼこ型レンズの表面に厚さ20μmの光吸収層を設けた。光吸収層の吸収率は40%とした。
【0092】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、スクリーン全体で明るさが均一で、迷光による2重像等の映像の劣化がなく良好な映像を観察することができた。
【0093】
2)比較例
以下に示すフレネルレンズとレンチキュラーレンズを用いてスクリーンサイズが50インチの透過型スクリーンを形成し、実施例と同様の地点に投射装置(プロジェクタ)を配置して透過型スクリーンに向かって映像光を投射した。
【0094】
▲1▼フレネルレンズ
入光面に屈折面と全反射面を有して円弧状に延びるプリズムを0.11mmのピッチで複数形成した。これら複数のプリズムは、スクリーンの水平方向の中央で且つスクリーンの下端より312mm下がった点を中心とする同心円上に配置される。従って、半径が最初となるプリズムの半径は312mmとなり、半径が最大となるプリズムの半径は1188mmとなる。
【0095】
また、このフレネルレンズの成形には、型材料を、上記実施例とは逆に半径1188mmのプリズムに対応する成形溝から半径312mmのプリズムに対応する成形溝に向けて順に切削して形成した成形型を用いた。従って、成形型の山部は、全体的に反光源側に湾曲した。そして、この成形型で成形されたフレネルレンズは、成形型の山部の湾曲に対応するように谷部が湾曲されて形成された。
【0096】
このように、山部が反光源側に湾曲した成形型を用いてフレネルレンズを成形したので、離型が困難であった。また、離型後時に樹脂割れが生じて、一部のプリズムが脱落した。更に、離型後の成形型に曲がりが生じた。
【0097】
▲2▼レンチキュラーレンズ
実施例と同じレンチキュラーレンズを用いた。
【0098】
以上のように、形成した透過型スクリーンに投射装置から映像光を投射して、透過型スクリーンに映し出された映像を観察したところ、プリズムが脱落したところで映像不良が生じ、また、迷光による2重像が発生した。
【0099】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のフレネルレンズによれば、成形型を用いて成形したフレネルレンズ成形体を当該成形型から離型する際に、成形型の山部がフレネルレンズ成形体にくい込んでしまうことがなく、容易に離型することが可能となる。また、谷部を上記他のプリズムの側(全反射面の一部に被さる方向)に湾曲させてプリズムを形成したので、谷部を逆方向、即ち上記他のプリズム側(屈折面に被さる方向)に湾曲させた場合に生じる、低入射角で入射され全反射面で全反射された光の一部が湾曲した谷部と干渉するという事態を回避することができ、迷光の発生を低減することが可能となる。
【0100】
また、本発明のフレネルレンズにおいて、谷部の頂点の移動量をプリズムのピッチの20%以下とすることにより、入射角が大きくなる領域で生じる投射光の光路と湾曲した谷部との干渉を少なくすることができ、迷光の発生を更に低減することができる。
【0101】
また、本発明のフレネルレンズにおいて、屈折面及び全反射面を湾曲させる範囲をそれぞれの全長の40%以下とすることにより、屈折面及び全反射面で正規の方向と異なる方向に屈折又は反射される光を低減することができ、ひいては迷光の発生を更に低減することができる。
【0102】
また、本発明の成形型によれば、フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削するので、隣り合う成形溝で形成される山部の先端は光源側に湾曲するため、このように製造された成形型によれば上記のフレネルレンズを成形することができる。従って、成形型からフレネルレンズ成形体を離型する際に容易に離型する事ができ、また、この成形型で成形すれば迷光の発生が少ないフレネルレンズを得ることができる。
【0103】
また、本発明のマスター成形型によれば、フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置するプリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置するプリズムを成形する成形溝に向かって順に切削するので、隣り合う成形溝で形成される山部の先端は光源側に湾曲するため、このように製造されたマスター成形型を用いて複製された成形型によれば上記のフレネルレンズを成形することができる。従って、成形型からフレネルレンズ成形体を離型する際に容易に離型する事ができ、また、この成形型で成形すれば迷光の発生が少ないフレネルレンズを得ることができる。
【0104】
また、本発明のフレネルレンズの製造方法によれば、成形型から樹脂(フレネルレンズ成形体)を容易に離型する事ができるため、効率よくフレネルレンズを製造することができる。また、この製造方法により迷光の発生が少ないフレネルレンズを製造することができる。
【0105】
また、本発明の透過型スクリーンによれば、フレネルレンズでの迷光の発生を低減するため、迷光に起因して生じる2重像等を防止することができ、良質な映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明のフレネルレンズの厚さ方向の断面図である。
【図3】本発明のフレネルレンズの谷部の湾曲量を説明する図である。
【図4】本発明のフレネルレンズの谷部の湾曲範囲を説明する図である。
【図5】本発明との比較に係るフレネルレンズの投射光の入射角が大きくなる部分における投射光の光路を説明する図である。
【図6】本発明との比較に係るフレネルレンズの投射光の入射角が小さくなる部分における投射光の光路を説明する図である。
【図7】本発明のフレネルレンズの投射光の入射角が大きくなる部分における投射光の光路を説明する図である。
【図8】本発明のフレネルレンズの投射光の入射角が小さくなる部分における投射光の光路を説明する図である。
【図9】(A)はプリズムの谷部の移動量Wに対する迷光Yの発生率の関係を示す図であり、(B)はプリズムの谷部の湾曲率(全長Lに対する湾曲させる部分の長さM)に対する迷光Yの発生率の関係を示す図である。
【図10】本発明の別のフレネルレンズの全体構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の成形型の切削手順を示す図である。
【図12】本発明の成形型が示す有利な点を説明する図である。
【図13】本発明との比較に係る成形型が示す不利な点を説明する図である。
【図14】本発明の別の成形型の切削手順を説明する図である。
【図15】本発明のフレネルレンズの製造工程を示す図である。
【図16】本発明の透過型スクリーンの構成を示す斜視図である。
【図17】透過型スクリーンに対して斜め方向からの投射する投射系を示す図である。
【図18】成形型の山部の先端角を説明する図である。
【図19】従来の成形型を説明する図である。
【図20】(A)は従来の成形型を用いてフレネルレンズを成形する際の問題点を説明する図であり、(B)は従来の成形型を用いて成形したフレネルレンズの使用時における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズ
2 プリズム
3 屈折面
4 全反射面
5 谷部
α 先端角
β 全反射面角
γ 屈折面角
D 成形型
E 投射装置
S 映像光(投射光)
X 正規光
Y 迷光
Claims (6)
- 入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備えたフレネルレンズであって、
一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を前記他のプリズム側へ湾曲させて前記複数のプリズムを形成したことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1に記載のフレネルレンズにおいて、
前記谷部を湾曲させる際の、前記プリズムの稜線に垂直となる断面における前記谷部の頂点の移動量を前記プリズムのピッチの20%以下としたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 請求項1に記載のフレンルレンズにおいて、
前記谷部を湾曲させる際の、前記プリズムの稜線に垂直となる断面における前記屈折面及び前記全反射面の湾曲する部分の長さをそれぞれの全長の40%以下としたことを特徴とするフレネルレンズ。 - 入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備え、一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を前記他のプリズム側へ湾曲させて前記複数のプリズムが形成されたフレネルレンズの製造方法であって、
前記フレネルレンズを成形するための成形型の素材となる型材料を、前記フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置する前記プリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置する前記プリズムを成形する成形溝に向かって順に切削して前記成形型を製造する成形型製造工程と、
当該成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程と、
当該充填した樹脂を前記成形型から離型する離型工程と、
を含むことを特徴とするフレネルレンズの製造方法。 - 入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備え、一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を前記他のプリズム側へ湾曲させて前記複数のプリズムが形成されたフレネルレンズの製造方法であって、
前記フレネルレンズを成形するたの成形型の原版であるマスター成形型の素材となる型材料を、前記フレネルレンズの使用時において光源に近い側に位置する前記プリズムを成形する成形溝から同光源から遠い側に位置する前記プリズムを成形する成形溝に向かって順に切削して前記マスター成形型を製造するマスター成形型製造工程と、
前記マスター成形型を用いて前記成形型を複製する成形型複製工程と、
当該成形型に樹脂を充填する樹脂充填工程と、
当該充填した樹脂を前記成形型から離型する離型工程と、
を含むことを特徴とするフレネルレンズの製造方法。 - 入光する光を屈折する屈折面と当該屈折面で屈折した光を全反射する全反射面とを有する複数のプリズムを入光面に備え、一のプリズムの屈折面と当該一のプリズムの屈折面側に隣接する他のプリズムの全反射面とで形成される谷部を前記他のプリズム側へ湾曲させて前記複数のプリズムを形成したフレネルレンズと、
当該フレネルレンズの出光面側に配置したレンチキュラーレンズと、
を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
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