JP4174104B2 - アセチルアミン化合物の製造方法 - Google Patents

アセチルアミン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアセチルアミン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アセチルアミン化合物は、医薬、農薬等の中間体として有用である。例えば、特開昭62-132838号には、アセチルアミン化合物から、塩酸アムルビシン等のアンスラサイクリン系抗生物質(特開昭60-75473号等)が製造できることが記載されている。
アセチルアミン化合物の製造方法に関しては、例えば、特開昭60-166650号には、エステルにメチルスルフィニルメチルカルバニオンを反応させ、つづいて脱硫化反応を施すことでアセチルアミン化合物が製造されることが記載されている。
【化17】
Figure 0004174104
J. Org. Chem., 54, 3755-3757(1989)およびJ. Am. Chem. Soc., 105, 6517-6518(1983)には、エステルにフェニルスルホニルメチルカルバニオンを反応し、つづいて脱硫化反応を施すことでアセチル化合物が製造されたことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のアセチルアミン化合物の製造で使用されるメチルスルフィニルカルバニオンは、工業的規模の反応スケールで重篤な事故例が報告(安全工学Vol.23 No.5 269〜275(1984))されており、その使用は安全面において問題があった。そこで、このメチルスルフィニルメチルカルバニオンを使用しない安全な製造方法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安全に工業的規模での製造が可能である製造方法について鋭意検討したところ、メチルスルフィニルメチルカルバニオンの代わりにフェニルスルホニルメチルカルバニオンを使用すると、極めて安全に、収率よく、操作上もより簡便にアセチルアミン化合物を製造することができるという知見を得て、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 式1:
【化18】
Figure 0004174104
の化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させて、式2:
【化19】
Figure 0004174104
のスルホン化合物とし、つづいて脱硫化反応を施すことによる、式3:
【化20】
Figure 0004174104
のアセチルアミン化合物の製造方法。
[式中、Wは置換されてもよいC〜Cの直鎖アルキレンを表す。Rはアルキルを表す。Mはアルカリ金属を表す。Arは置換されてもよいアリールを表す。]
【0006】
[2] 式:
【化21】
Figure 0004174104
の化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させて、式:
【化22】
Figure 0004174104
のスルホン化合物とし、つづいて脱硫化反応を施すことによる、[1]記載の式:
【化23】
Figure 0004174104
のアセチルアミン化合物の製造方法。
[式中、R、MおよびArは前記と同義である。X、XおよびXは、独立して、水素原子、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、アミノ、ニトロまたはシアノを表す。]
【0007】
[3] 式a:
【化24】
Figure 0004174104
の化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させて、式b:
【化25】
Figure 0004174104
のスルホン化合物とし、つづいて脱硫化反応を施すことによる、[1]記載の式c:
【化26】
Figure 0004174104
のアセチルアミン化合物の製造方法。
[式中、R、MおよびArは前記と同義である。]
【0008】
[4] 式:M−CHSOArの化合物が、式:Li−CHSOPhの化合物である[1]〜[3]のいずれか記載のアセチルアミン化合物の製造方法。
[5] 式aの化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させて、式bの化合物とし、脱硫化反応を施すことによって、式cのアセチルアミン化合物とし、つづいてアシル化することによる、式d:
【化27】
Figure 0004174104
の化合物の製造方法。
[式中、R、MおよびArは前記と同義である。Rはハロゲン置換されてもよいアルキルまたは置換されてもよいフェニルを表す。]
【0009】
[6] 下記の工程による塩酸アムルビシンの製造方法。
[工程1] 式aの化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させることによって、式bのスルホン化合物を製造する工程
[工程2] 式bのスルホン化合物に、脱硫化反応を施すことによって、式cのアセチルアミン化合物を製造する工程
[工程3] 式cのアセチルアミン化合物をアシル化することによって、式dの化合物を製造する工程
[工程4] 式dの化合物にフタル酸ジクロライドとのフリーデルクラフツ反応を施すことによって、式eの化合物を製造する工程
[工程5] 式eの化合物をアセタール化することによって、式fの化合物を製造する工程
[工程6] 式fの化合物をハロゲン化剤と反応させることによって、式gの化合物を製造する工程
[工程7] 式gの化合物を酸処理することによって、式hの化合物を製造する工程
[工程8] 式hの化合物をグリコシル化することによって、式iの化合物を製造する工程
[工程9] 式iの化合物を加水分解し、塩酸塩化することによって、式jの塩酸アムルビシンを製造する工程
【化28】
Figure 0004174104
[式中、R、R、MおよびArは前記と同義である。RおよびRはそれぞれアルキルを表すか、または一緒になってエチレン、トリメチレンもしくは2,2−ジメチルトリメチレンを表す。]
【0010】
[7] 式2のスルホン化合物またはその塩。
[8] 式bのスルホン化合物またはその塩。
【0011】
「C〜Cの直鎖アルキレン」としては、メチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。「置換C〜Cの直鎖アルキレン」の置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ等が挙げられ、置換されてもよいシクロアルカンまたは置換されてもよいベンゼン環が縮環して置換してもよい。
「アルキル」としては、例えばC〜Cの直鎖または分枝鎖のアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルプロピル等が挙げられる。
「アルコキシ」としては、例えばC〜Cの直鎖または分枝鎖のアルコキシが挙げられ、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、2−メチルプロポキシ等が挙げられる。
「シクロアルカン」としては、例えばC〜Cのシクロアルカンが挙げられ、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。「置換シクロアルカン」の置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ等が挙げられる。
「ハロゲン置換されたアルキル」としては、例えばハロゲンが1〜5個置換されたアルキルが挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロプロピル等が挙げられる。
「ハロゲン」としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
「アルカリ金属」としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム等が挙げられる。
「アリール」としては、例えば1〜3環性のアリールが挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル等が挙げられる。「置換アリール」の置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ等が挙げられる。アリールには、置換基が1、2または3以上置換できる。
「置換ベンゼン環」の置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ等が挙げられる。
「スルホン化合物の塩」としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸付加塩、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩等の有機酸付加塩等が挙げられる。
【0012】
式2のスルホン化合物の製造
式1の化合物に、式:M−CHSOArの化合物を反応させることによって、式2のスルホン化合物を製造することができる。
式:M−CHSOArの化合物は、例えばメチルアリールスルホンとアルカリ金属含有塩基をテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒中で反応させることにより調製される。メチルアリールスルホンの使用量としては、例えば式1の化合物に対して1〜10倍モルが挙げられ、好ましくは2〜5倍モルが挙げられる。アルカリ金属含有塩基としては、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムアミド等のアルカリアミド類、n−ブチルリチウム等のアルキルアルカリ金属類、水素化リチウム、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属等が挙げられ、好ましくはリチウムアミドが挙げられる。アルカリ金属含有塩基の使用量としては、例えば式1の化合物に対して1〜40倍モルが挙げられ、好ましくは2〜10倍モルが挙げられる。反応温度としては、0℃から溶媒の沸点付近で行うことができるが、好ましくは50〜80℃付近が挙げられる。
得られた式:M−CHSOArの化合物と式1の化合物との反応は、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。反応温度としては、−10℃から溶媒の沸点付近で行うことができるが、好ましくは50〜90℃付近が挙げられる。式2のスルホン化合物の単離方法としては、例えば1〜20重量%の塩酸でpHを8〜14付近に調整し、結晶化することで単離するか、またはトルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等の溶媒で抽出することにより単離することができる。
【0013】
式3のアセチルアミン化合物の製造
式2のスルホン化合物に脱硫化反応を施すことによって、式3のアセチルアミン化合物を製造することができる。
脱硫化反応の反応試剤としては、例えば亜鉛末還元、アルミニウムアマルガム等が挙げられる。亜鉛末還元による脱硫化反応は、例えば亜鉛末と酢酸の存在下、式2のスルホン化合物をTHF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、およびこれらの混合溶媒中で加熱することによって実施することができる。亜鉛末の使用量としては、例えば式2のスルホン化合物に対して、2〜10倍モルが挙げられる。酢酸の使用量としては、例えば式2のスルホン化合物に対して3〜30倍モルが挙げられる。反応温度としては、室温付近から溶媒の沸点付近で行うことができるが、好ましくは50〜90℃付近が挙げられる。式3のアセチルアミン化合物の単離方法としては、例えば、必要に応じて未反応の亜鉛を濾過し、1〜20重量%の水酸化ナトリウム水溶液等でpHを8〜14付近に調整し、結晶化することで単離するか、またはトルエン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等の溶媒で抽出することにより単離することができる。
【0014】
式dの化合物の製造
式cのアセチルアミン化合物をアシル化することによって、式dの化合物を製造することができる。
アシル化は、特開昭60-166650に記載に従って実施することができる。具体的には、式3のアセチルアミン化合物を、有機塩基の存在下、アシル化剤を反応させることによって実施することができる。アシル化剤としては、例えば、式:R−COOH(Rは前記と同義である。)のカルボン酸の塩化物または無水物等が挙げられる。有機塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、使用量としては、例えば式3のアセチルアミン化合物に対して1〜20倍モルが挙げられる。反応温度としては、室温でも進行するが、溶媒の沸点近く付近まで加温して反応を促進させることもできる。なお、式3のアセチルアミン化合物を単離した後、アシル化してもよいが、前記で得られた式3のアセチルアミン化合物の抽出液に直接アシル化剤と有機塩基を加えてアシル化することもできる。
【0015】
式eの化合物の製造
式dの化合物にフタル酸ジクロライドとのフリーデルクラフツ反応を施すことによって、式eの化合物を製造することができる。
フタル酸ジクロライドとのフリーデルクラフツ反応は、特開昭62-132838に記載に従って実施することができる。具体的には、式dの化合物を、ルイス酸の存在下、フタル酸ジクロライドと共に、有機溶媒中、加熱することによって実施することができる。フタル酸ジクロライドの使用量としては、例えば、式dの化合物に対し、1〜2倍モルが挙げられ、通常は1〜1.2倍モル用いれば十分である。ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、塩化第二鉄、四塩化チタン、塩化第二スズ等が挙げられ、好ましくは塩化アルミニウムが挙げられる。使用量としては、例えば、フタル酸ジクロライドに対して2〜10倍モルが挙げられ、通常は5〜10倍モルが挙げられる。有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。
【0016】
式fの化合物の製造
式eの化合物をアセタール化することによって、式fの化合物を製造することができる。
アセタール化は、特開昭58-29750に記載に従って実施することができる。具体的には、式eの化合物を、通常の方法に従って、酸触媒の存在下、式:ROHおよび式:ROHで表されるアルコールまたはジオールとアセタール化させることによって実施することができる。式:ROHおよび式:ROHで表されるアルコールまたはジオールとして、好ましくは2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
【0017】
式gの化合物の製造
式fの化合物をハロゲン化することによって、式gの化合物を製造することができる。
ハロゲン化は、特開昭58-29750に記載に従って実施することができる。具体的には、式fの化合物を、ハロゲン化剤と反応させることによって実施することができる。ハロゲン化剤としては、例えば、臭素、塩素、N−ブロムコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン等が挙げられる。また、必要に応じてN,N’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等のラジカル開始剤の添加、または可視光線の照射によって、反応を促進することもできる。
【0018】
式hの化合物の製造
式gの化合物を酸処理することによって、式hの化合物を製造することができる。
酸処理は、特開昭58-29750に記載に従って実施することができる。具体的には、例えば、式gの化合物を、酸存在下、含水溶媒中で加水分解することによって、実施できる。酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられる。含水溶媒としては、水だけでもよいが、水と有機溶媒の混合溶媒を用いることもできる。その有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、THF、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
【0019】
式iの化合物の製造
式hの化合物をグリコシル化することによって、式iの化合物を製造することができる。
グリコシル化は、特開昭60-188396に記載に従って実施することができる。具体的には、式hの化合物と2−デオキシ−3,4−ジ−O−アセチル−1−アセトキシ−β−D−エリスロ−ペンタピラノースを、シリルスルホン酸誘導体の存在下、反応させることで、グリコシル化することができる。シリルスルホン酸誘導体としては、例えば、式:(RSi)OSOA(R、RおよびRはアルキルを表す。Aはアルキル、アリール、ポリフルオロアルキルまたは水素原子を表す。)の化合物が挙げられ、好ましくはトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。2−デオキシ−3,4−ジ−O−アセチル−1−アセトキシ−β−D−エリスロ−ペンタピラノースの使用量としては、例えば、式hの化合物に対して、1〜3倍モルが挙げられる。シリルスルホン酸誘導体の使用量としては、例えば、式hの化合物に対して、0.1〜4倍モルが挙げられる。反応溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、エーテル、THF等のエーテル類等が挙げられる。反応温度としては、通常、例えば、-20〜20℃が挙げられる。
【0020】
式jの化合物の製造
式iの化合物を加水分解し、塩酸塩化することによって、式jの化合物を製造することができる。
加水分解・塩酸塩化は、特開昭60-75473に記載に従って実施することができる。具体的には、例えば、式iの化合物の加水分解は、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン等の有機塩基の存在下、含水溶媒中で行うことができる。含水溶媒としては、水だけでもよいが、水と有機溶媒の混合溶媒を用いることもできる。その有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、THF、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。塩酸塩化は、通常の方法で実施できる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
実施例1
(-) −2−アセチル−2−トリフロロアセチルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン
▲1▼ 無水THF36.3g、リチウムアミド1.64gの懸濁液にメチルフェニルスルホン5.35gを加えた後、60℃で2時間反応させ、フェニルスルホニルメチルカルバニオンを調製した。この反応液に、公知法(特開平1ー41134号公報)で製造した(-)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル4.54gと無水THF18.2gの溶液を10分かけて滴下し、同温度で1時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、3%塩酸139g、トルエン54gを加え、分液した。トルエン層は3%塩酸46gで再度抽出した。得られた水層を合せ、メタノール24.8gを添加した後、30%苛性ソーダ水でpH8.0とし、析出する結晶を濾取、減圧乾燥し、(+)−2−アミノ−2−(フェニルスルホニル−1−オキソ)エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン6.33gを得た。
mp:175.0〜175.5℃
[α] 25+14.4°(C=1.0,CHCl
H-NMR(300MHz,CDCl,δppm) 1.77(1H, dddd, J=2.0, 4.7, 6.0, 13.4Hz), 1.87(1H, ddd, J=6.6, 10.6, 13.4Hz), 2.62(1H, ddd, J=6.0, 10.6, 17.4Hz), 2.68(1H, dd, J=2.0, 17.2Hz), 2.81(1H, d, J=17.2Hz), 2.82(1H, ddd, J=4.7, 6.6, 17.4Hz), 3.73(3H, s), 3.75(3H, s), 4.56(1H, d, J=13.7Hz), 4.77(1H, d, J=13.7Hz), 6.61(2H, s), 7.55(2H, brt, J=7.1Hz), 7.65(1H, tt, J=1.9, 7.1Hz), 7.93(2H, brd, J=7.1Hz)
【0023】
▲2▼ ▲1▼で得た(+)−2−アミノ−2−(フェニルスルホニル−1−オキソ)エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン6.58g、粉末亜鉛3.31gおよびトルエン65.8gの懸濁液に、酢酸6.09gを60℃で滴下後、同温度で2時間反応させた。反応終了後に不溶物を濾過し、濾液を3%塩酸水90gで抽出、更に3%塩酸30gで再抽出した。得られた水層を混合した後、30%苛性ソーダ水でpH13.0に調整後、トルエン100gで3回抽出した。トルエン層を合せたのち、部分濃縮し、(-)−2−アミノ−2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレンのトルエン溶液57.5gを得た。
【0024】
▲3▼ ▲2▼で得た(-)−2−アミノ−2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレンのトルエン溶液57.5gにトルエン30g、ピリジン3.34g、および無水トリフロロ酢酸4.03gを加え、20℃で2時間反応させた。反応液を70℃に温め、水30gで1回、15%硫酸水30gで2回、5%重曹水15gで1回、次いで20%食塩水30g1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を濃縮残渣が49gとなるように濃縮した。濃縮残渣を5〜10℃で2時間冷却後、析出する結晶を濾取、乾燥し、(-)−2−アセチル−2−トリフロロアセチルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレンを4.53gを得た。
mp:171〜173℃
[α] 25−127.3°(C=1.0,CHCl
IR:KBr法(cm- ) 3314, 3073, 2937, 2903, 2837, 1722, 1601, 1552, 1481, 1438, 1353, 1261, 1221, 1114, 1082, 1063, 1017, 946, 856, 795, 716, 614
【0025】
実施例2
( ± ) −2−アセチル−2−トリフロロアセトアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレンの製造
▲1▼ 公知法(特開平1ー41134号公報)で製造した(±)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル3.00gを用い、実施例1の▲1▼と同様に反応を行い、(±)−2−アミノ−2−(フェニルスルホニル−1−オキソ)エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン4.26gを得た。
mp:148〜150℃
【0026】
▲2▼ ▲1▼で得た(±)−2−アミノ−2−(フェニルスルホニル−1−オキソ)エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン1.50gを用い、実施例1の▲2▼、▲3▼と同様に脱硫化及びアシル化反応を行い、(±)−2−アセチル−2−トリフルオロアセトアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン1.09gを得た。
mp:177〜178℃
IR:KBr法(cm-1) 3314, 2950, 2835, 1717, 1697, 1558, 1481, 1440, 1355, 1257, 1191, 1164, 1105, 1069, 1037, 868, 791, 714
【0027】
実施例3
(-) −2−アミノ−2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレンの製造
実施例1の▲1▼で得た(+)−2−アミノ−2−(フェニルスルホニル−1−オキソ)エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン3.29g、粉末亜鉛1.66gおよびトルエン33gの懸濁液に、酢酸3.05gを60℃で滴下後、同温度で2時間反応させた。反応後不溶物を濾過し、濾液を3%塩酸水45gで抽出、更に3%塩酸15gで再抽出した。得られた水層を混合した後、30%苛性ソーダ水でpH13.0に調整後、トルエン50gで3回抽出した。トルエン層を合せたのち、減圧濃縮した。濃縮残渣をジエチルエーテルより結晶化し、(-)−2−アミノ−2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ジメトキシナフタレン1.37gを得た。
mp:81〜82℃
[α]−20.0°(C=1.0,CHCl
IR:KBr法(cm-1)3362, 2909, 2837, 1703, 1601, 1470, 1360, 1334, 1253, 1130, 1084, 989, 967, 944, 867, 840, 797, 748, 718, 593
【0028】
【発明の効果】
本発明方法によれば、公知方法と比較し、安全であり、収率がよく、操作上もより簡便に、アセチルアミン化合物を製造することができる。

Claims (7)

  1. メチルフェニルスルホンとリチウムアミドを反応させることにより、式:Li−CH2SO2Phの化合物を調製し、式:
    Figure 0004174104
    の化合物に、上記で得られた式:Li−CH2SO2Phの化合物を反応させて、式:
    Figure 0004174104
    のスルホン化合物とし、つづいて、亜鉛末および酢酸の存在下に脱硫化反応を施すことによる、式:
    Figure 0004174104
    のアセチル化合物の製造方法。
    [式中、Rはアルキルを表す。]
  2. メチルフェニルスルホンとリチウムアミドを反応させることにより、式:Li−CH2SO2Phの化合物を調製し、式:
    Figure 0004174104
    の化合物に、上記で得られた式:Li−CH2SO2Phの化合物を反応させて、式:
    Figure 0004174104
    のスルホン化合物とし、亜鉛末および酢酸の存在下に脱硫化反応を施すことによって、式:
    Figure 0004174104
    のアセチル化合物とし、つづいてアシル化することによる、式:
    Figure 0004174104
    の化合物の製造方法。
    [式中、Rはアルキルを表す。R1はハロゲン置換されてもよいアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロおよびシアノから選ばれる1、2または3以上の置換基で置換されてもよいフェニルを表す。]
  3. メチルフェニルスルホンとリチウムアミドを反応させる際の反応温度が50〜80℃の範囲である、請求項1または2の製造方法。
  4. 脱硫化反応を、スルホン化合物に対して2〜10倍モルの亜鉛末および3〜30倍モルの酢酸の存在下に行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 式:
    Figure 0004174104
    の化合物に、式:Li−CH2SO2Phの化合物を反応させて、式:
    Figure 0004174104
    のスルホン化合物とし、つづいて、亜鉛末および酢酸の存在下に脱硫化反応を施すことによる、式:
    Figure 0004174104
    のアセチル化合物の製造方法。
    [式中、Rはアルキルを表す。]
  6. 下記の工程による塩酸アムルビシンの製造方法。
    [工程1] 式aの化合物に、メチルフェニルスルホンとリチウムアミドを反応させることにより調製した式:Li−CH2SO2Phの化合物を反応させることによって、式bのスルホン化合物を製造する工程
    [工程2] 式bのスルホン化合物に、亜鉛末および酢酸の存在下に脱硫化反応を施すことによって、式cのアセチル化合物を製造する工程
    [工程3] 式cのアセチル化合物をアシル化することによって、式dの化合物を製造する工程
    [工程4] 式dの化合物にフタル酸ジクロライドとのフリーデルクラフツ反応を施すことによって、式eの化合物を製造する工程
    [工程5] 式eの化合物をアセタール化することによって、式fの化合物を製造する工程
    [工程6] 式fの化合物をハロゲン化剤と反応させることによって、式gの化合物を製造する工程
    [工程7] 式gの化合物を酸処理することによって、式hの化合物を製造する工程
    [工程8] 式hの化合物をグリコシル化することによって、式iの化合物を製造する工程
    [工程9] 式iの化合物を加水分解し、塩酸塩化することによって、式jの塩酸アムルビシンを製造する工程
    Figure 0004174104
    [式中、Rはアルキルを表す。R1はハロゲン置換されてもよいアルキル、またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロおよびシアノから選ばれる1、2または3以上の置換基で置換されてもよいフェニルを表す。R2およびR3はそれぞれアルキルを表すか、または一緒になってエチレン、トリメチレンもしくは2,2−ジメチルトリメチレンを表す。]
  7. [工程2]の脱硫化反応を、スルホン化合物に対して2〜10倍モルの亜鉛末および3〜30倍モルの酢酸の存在下に行うことを特徴とする、請求項の製造方法。
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