JP4173934B2 - 速度計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体、例えば、車両等の速度を計測するための速度計測装置、または、移動体、例えば、船舶等の対地速度を計測するためのドップラソナー等の速度計測装置に関し、一層詳細には、前記車両等または前記船舶等から送信された超音波が路面または水底(海底)に反射して帰来するエコー波のドップラ周波数成分を計測し、このドップラ周波数成分に基づいて、前記車両等または前記船舶等の速度を得る速度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、移動体である車両には、該車両に搭載されたナビゲーションシステム、ABS装置、サスペンション制御装置等の外部装置において利用される前記車両の速度を計測するための装置(以下、第1の車速計測装置と記す。)が搭載されている。この第1の車速計測装置は、一般に、車両の各車輪に装着された車輪速センサで計測された前記車輪の回転速度に基づいて、車両の速度を求めるように構成されている。
【0003】
ところで、第1の車速計測装置によって求められた車両の速度には、車輪の空気圧の変化、車両の積み荷重量の変化、車輪のサイズ、車輪に生じるスリップ等の影響により誤差が生じる場合がある。従って、前記第1の車速計測装置においては、高い計測精度を得ることが困難な場合が生じていた。
【0004】
そこで、近時、車速計測装置の計測精度をさらに向上させる目的で、超音波ドップラ法を用いて車両の速度を計測する装置(以下、第2の車速計測装置と記す。)の開発・実用化が進められている。
【0005】
図5に、第2の車速計測装置1の構成を示す。この第2の車速計測装置1は、速度vで走行する車両3に装着された超音波送受波器5を有する。この超音波送受波器5は、演算回路7からの信号に基づいて、車両3が走行している路面Aに対して周波数(以下、基準周波数と記す。)faのトーンバースト波Twを、前記車両3の前方に所定の俯角θで送信する。
【0006】
また、超音波送受波器5は、トーンバースト波Twが前記路面Aに反射して帰来する反射エコーRwを受信する。なお、超音波送受波器5における受波ビームは、メインローブMLが俯角θに一致するように設定されている。そして、超音波送受波器5で得られた反射エコーRwに基づく受信信号は演算回路7に供給される。演算回路7は、反射エコーRwの周波数(以下、標的周波数と記す。)fbを求めるとともに、この標的周波数fbと前記基準周波数faとから、車両3の速度vを求める。なお、標的周波数fbと基準周波数faとの差(fb−fa)をドップラ周波数成分Δfとも記す。
【0007】
ここで、車両3の速度vは、音速Cおよび基準周波数faを用いて、標的周波数fb(すなわち、ドップラ周波数成分Δf)の関数として表される。従って、標的周波数fbを得ることにより、前記関数に基づいて車両3の速度vを求めることができる。
【0008】
なお、船舶の対地速度を計測するための装置であるドップラソナーは、第2の車速計測装置1と同様に構成することができる。すなわち、ドップラソナーは、例えば、船底に装着された超音波送受波器を有し、この超音波送受波器から水底(海底)に向けて送信された超音波(トーンバースト波)が前記海底に反射して帰来した反射エコーを受信する。そして、この反射エコーのドップラ周波数成分に基づいて、船舶の対地速度を計測する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の第2の車速計測装置1においては、雨天時等に使用された場合、計測された速度vに誤差が生じるおそれがある。これは、雨天時等のように路面Aが濡れている状況下では、前記路面Aが超音波に対して鏡面に近い状態となるためである。この場合、超音波送受波器5から所定の俯角θで送信されたトーンバースト波Twの大半は路面Aで正反射してしまい、受波ビームのメインローブMLによって前記超音波送受波器5に受信される反射エコーRwのレベルが低くなってしまう。従って、超音波送受波器5において反射エコーRwを確実に受信することは困難となる。
【0010】
このような、雨天時等に発生する問題を回避するためには、低いレベルの反射エコーRwをも確実に受信すべく、演算回路7を構成する受信回路(図示せず)の利得を大きくする方法が考えられる。
【0011】
ところで、超音波送受波器5においては、該超音波送受波器5から略真下方向に送信されたトーンバースト波Twの反射エコーRwが、受波ビームのサイドローブSLによっても受信されている。従って、受信回路の利得を大きくした場合、サイドローブSLによって受信された反射エコーRwの影響が受信信号の中で支配的となる。このような受信信号に基づいて車両3の速度vが求められた場合には、速度vの計測精度が低下してしまう不都合があった。
【0012】
また、雨天時等に計測された速度vに誤差が生じる原因として、車両3の前方を走行している他の車両によって巻き上げられる水飛沫の影響があげられる。車両が、例えば、数10km/h以上の速度で走行した場合、該車両の後方には、大量の水飛沫が巻き上げられることとなる。このように、車両3の前方に大量の水飛沫が存在する状況で速度vの計測が行われた場合、上述した濡れた路面Aによって生じる計測誤差の要因(超音波送受波器5において、メインローブMLによって受信される反射エコーRwのレベルの低下や、サイドローブSLによって受信される反射エコーRwの受信信号中における影響の増大)に加えて、さらに、水飛沫に反射して帰来する反射エコーRwによる誤差要因が重畳される。
【0013】
水飛沫からの反射エコーRwの周波数は、トーンバースト波Twの基準周波数faに対して、広い帯域にほぼ均一に分布することが実験的に判っている。このような分布を有する周波数から、路面Aに反射して帰来し、超音波送受波器5においてメインローブMLによって受信された反射エコーRwの標的周波数fbを得るための方法としては、超音波送受波器5で受信される反射エコーRwの周波数の平均値を標的周波数fbとして算出するゼロクス法や、複素自己相関法等が採用可能であるが、このような方法を用いて速度vを求めた場合、計測精度の低下をもたらすおそれがあった。
【0014】
また、上述のドップラソナーがプランクトンなどの海中浮遊物が多い海域で使用された場合、前記第2の車速計測装置1における水飛沫等による影響と同様に、前記プランクトンに反射して帰来する反射エコーの影響によって、計測される船舶の対地速度に誤差が生じるおそれがあった。
【0015】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、計測誤差の要因が存在する様々な条件下においても移動体の速度を安定かつ正確に計測することが可能な速度計測装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る速度計測装置は、超音波を用いて移動体である車両又は船舶の速度を計測する速度計測装置であって、
前記移動体の前方に所定の俯角で超音波を送信する送信手段と、
前記超音波がターゲットである路面又は水底に反射して帰来する超音波エコーを受信して受信情報を得る受信手段と、
前記俯角、前記ターゲットまでの鉛直距離及び音速に基づき前記受信手段からの前記受信情報をサンプリングするタイミングを検出するタイミング検出手段と、
前記タイミングに基づいて前記受信情報をサンプリングし、該受信情報にFFT演算を施すことによりスペクトラム分布を得る第1演算手段と、
前記スペクトラム分布から前記移動体の速度に対応するドップラ周波数成分を抽出する際、大きさが上位2番目までのピークに対応する2つの周波数を求め、高い方の周波数を用いて前記ドップラ周波数成分を抽出する第2演算手段と、
前記ドップラ周波数成分に基づいて、前記移動体の前記ターゲットに対する速度を求める第3演算手段と、
を有することを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0017】
この場合、前記第3演算手段においては、前記ドップラ周波数成分に基づいて新しい速度を求められ、この新しい速度と、同様の処理において前回求められていた古い速度との差が所定値より小さい場合に、前記新しい速度が前記移動体の現在の速度として採用される(請求項2記載の発明)。
【0018】
このため、計測誤差の要因が発生する状況下においても、ターゲットからの超音波エコーに基づいて、移動体の速度を正確に求めることが可能である。従って、計測精度および安定性の大幅な向上が図られる。
【0019】
なお、前記移動体から後方に所定の俯角で超音波を送信する他の送信手段と、該超音波がターゲットに反射して帰来する超音波エコーを受信して受信情報を得る他の受信手段と、をさらに設け、前記前方及び前記後方に所定の俯角でそれぞれ送信した前記超音波のそれぞれの前記超音波エコーに基づいて、前記移動体の前記ターゲットに対するそれぞれの速度を求め、求めたそれぞれの速度の平均値を、前記ターゲットに対する速度とする速度計測装置を構成するようにしてもよい(請求項3記載の発明)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、この発明の一実施の形態が適用された速度計測装置20の構成を示している。なお、この実施の形態においては、主に、速度計測装置20が車両に搭載されている場合について説明する。
【0022】
速度計測装置20は、該速度計測装置20全体を制御するとともに、後述する速度vを算出する処理を行う中央演算処理部(演算手段)22と、制御用のプログラムが記憶される記憶手段(メモリ)であるROM24とを有する。中央演算処理部22は、例えば、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等により構成されている。また、速度計測装置20は、振動子等を用いて構成された、超音波を送受信するための送受波器TD1と、該送受波器TD1を介して、単一周波数の超音波であるトーンバースト波Twを送信する処理を行う送信系26と、前記送受波器TD1を介して、前記トーンバースト波Twがターゲット{例えば、車両が走行する路面A(図5参照)}に反射して帰来する反射エコー(超音波エコー)Rwを受信する処理を行う受信系28とを有する。送受波器TD1における送受信の切り換えは、送受切換器30によって行われる。
【0023】
この場合、送信系26と送受波器TD1とによって、トーンバースト波Twの送信手段が構成され、受信系28と前記送受波器TD1とによって、反射エコーRwの受信手段が構成されている。
【0024】
送受波器TD1は、前記した第2の車速計測装置1(図5参照)と同様に、移動体である、例えば、車両等に、トーンバースト波Twの送信方向および受波ビームのメインローブMLが、所定の俯角θ(0<θ<π/2)で前記車両等の前方を指向するように装着されている。また、送受波器TD1の路面Aからの高さをHとする。
【0025】
送信系26は、駆動信号発生回路32および電力増幅回路34を備えている。
【0026】
駆動信号発生回路32は、カウンタ(図示せず)を内蔵しており、中央演算処理部22から供給される、例えば、10MHzの基準信号Srを所定の分周比で分周することにより、送信用駆動信号P1を生成する(図2A参照)。具体的には、駆動信号発生回路32は、中央演算処理部22からコントロール信号Sc1として供給される分周比に基づいて周波数(基準周波数)fa(例えば、fa=200kHz)の信号を生成し、この信号を基準信号Srに同期してパルス変調することにより、パルス幅Ta(例えば、Ta=1ms)、繰り返し周期T0(例えば、T0=10ms)の送信用駆動信号P1を生成する。なお、繰り返し周期T0は、中央演算処理部22からコントロール信号Sc1が出力されるタイミングに基づいて決定される。
【0027】
電力増幅回路34は、駆動信号発生回路32からの送信用駆動信号P1を電力増幅して電気信号Txを生成し、送受切換器30を介して送受波器TD1に供給する。送受波器TD1は、この電気信号Txによって駆動され、路面A(図5参照)に対してトーンバースト波Twを送信する。
【0028】
一方、受信系28は、図1に示すように、帯域フィルタ40、増幅回路42、検波回路44、レベル比較回路46およびA/Dコンバータ48を備えている。
【0029】
送受波器TD1において、路面A(図5参照)に反射して帰来した反射エコーRwが受信されると、この送受波器TD1からは、前記反射エコーRwに応じた電気信号Rxが出力される。帯域フィルタ40は、この電気信号Rxから所定の周波数帯域に属する成分を取り出し(濾波し)、受信信号E1として出力する(例えば、晴天時における受信信号E1を示す図2B参照)。なお、受信信号E1には、路面A(図5参照)から反射し、送受波器TD1に受波ビームのメインローブMLによって受信された反射エコーRwの成分aとともに、電気信号Txのもれによる成分bが含まれている。受信信号E1は増幅回路42で増幅された後、それぞれ、検波回路44およびA/Dコンバータ48に供給される(図1参照)。
【0030】
検波回路44は、増幅回路42からの受信信号E1を全波整流することにより、直流検波信号Sdに変換する。レベル比較回路46は、検波回路44からの直流検波信号Sdの電圧値V(Sd)を所定の基準電圧Vrefと比較し、前記電圧値V(Sd)が前記基準電圧Vrefを上回っている間のみハイレベルとなる受波検出ゲート信号G1(図2C参照)を中央演算処理部22に対して出力する。中央演算処理部22は、コントロール信号Sc1を出力した時点から受波検出ゲート信号G1の立ち上がり時点までの時間を計測することにより、送受波器TD1からトーンバースト波Twが送信されてから反射エコーRwが受信されるまでの時間T1を求める。なお、受波検出ゲート信号G1は、受信信号E1に電気信号Txのもれによる成分bが含まれている場合にもハイレベルとなるが、中央演算処理部22は、この電気信号Txのもれに基づく受波検出ゲート信号G1の変化をコントロール信号Sc1の出力時点に基づいて予測し、時間T1を求める処理においては考慮しないようにする。
【0031】
A/Dコンバータ48は、中央演算処理部22から供給されるコントロール信号Sc2に従って、増幅回路42からの受信信号E1をデジタルのデータである受信データ(受信情報)D(E1)に変換し、中央演算処理部22に供給する。このコントロール信号Sc2によって、中央演算処理部22において受信データD(E1)のサンプリングを開始するタイミングT2が指示される(図2D参照)。すなわち、中央演算処理部22は、タイミングT2を検出するためのタイミング検出手段として機能する。
【0032】
この場合、タイミングT2は、送受波器TD1の路面Aからの高さHと、トーンバースト波Twを送信する俯角θとに基づいて求められた時間に、送受波器TD1が装着される、例えば、車両等の上下動の影響による前記時間の変動を考慮した値を加算することにより求められる(図5参照)。
【0033】
具体的には、タイミングT2は、次の(1)式に基づいて求められる。
【0034】
T2=2×H/(C×sinθ)−0.25×10-3[sec] …(1)
ただし、Cは音速であり、送受波器TD1の周囲温度tを用いて次の(2)式に基づいて求められる。
【0035】
C=331.6+0.61×t[m/s] …(2)
なお、周囲温度tは、送受波器TD1の近傍に設けられたサーミスタ50によって計測される(図1参照)。具体的には、サーミスタ50で得られた周囲温度tに基づく温度信号(電圧)Stは、A/Dコンバータ52を介して温度データD(t)として中央演算処理部22に供給される。なお、サーミスタ50の一方の端子は、該サーミスタ50にバイアスを与えるための抵抗器Rを介して電源に接続されており、他方の端子は接地されている。
【0036】
中央演算処理部22は、温度データD(t)に基づいて周囲温度tを求める。この場合、中央演算処理部22に温度データD(t)を取り込むタイミングは、該中央演算処理部22からA/Dコンバータ52に供給されるコントロール信号Sc3によって指示される。
【0037】
また、中央演算処理部22からA/Dコンバータ48に供給されるコントロール信号Sc2によって、前記中央演算処理部22における受信データD(E1)のサンプリング間隔ΔT(この実施の形態においては、ΔT=1.5μs)と、サンプリングポイント数N(例えば、N=1024ポイント)が指示される(図2D参照)。サンプリングポイント数Nは、サンプリング間隔ΔTに基づいて設定される。
【0038】
中央演算処理部22は、これらタイミングT2、サンプリング間隔ΔTおよびサンプリングポイント数Nに基づいて、受信データD(E1)のサンプリングを行う。このようにタイミングT2、サンプリング間隔ΔTおよびサンプリングポイント数Nを設定することにより、送受波器TD1に受波ビームのメインローブMLによって受信される路面Aからの反射エコーRwを、受信データD(E1)として確実にサンプリングすることができる(図2Bおよび図2D参照)。
【0039】
中央演算処理部22は、サンプリングした受信データD(E1)にFFT(高速フーリエ変換)処理(FFT演算とも記す。)を施すことにより、図3Aに示すスペクトラム分布を求める。このスペクトラム分布は、0.651kHz{=1/(1024×1.5×10-6)kHz}の間隔で、0〜333kHz(=512×0.651kHz)の周波数帯域にわたって分布するように設定される。
【0040】
例えば、晴天時におけるスペクトラム分布には、受信信号E1の成分a(図2B参照)に対応するピークPaが存在する。このため、このピークPaにおける周波数f1を求めることにより、路面A(図5参照)から反射し、送受波器TD1に受波ビームのメインローブMLによって受信された反射エコーRwの周波数(標的周波数)fbがfb=f1として得られる。
【0041】
ところで、雨天時等の路面Aが濡れている状況下では、トーンバースト波Twの大半は前記路面Aで正反射してしまう(図5参照)。このため、図2Eに示すように、受信信号E1に含まれる、路面A(図5参照)から反射し、送受波器TD1に受波ビームのメインローブML(図5参照)によって受信された反射エコーRwの成分aのレベルが低下してしまう。また、これとは相対的に、送受波器TD1に受波ビームのサイドローブSL(図5参照)によって受信される反射エコーRwの成分cのレベルが上昇する。
【0042】
この場合、反射エコーRwのスペクトラム分布には、図3Bに示すように、成分a(図2E参照)に対応するピークPaに加えて、成分c(図2E参照)に対応するピークPcが存在する。ピークPcにおける周波数f0は、トーンバースト波Twの基準周波数faとほぼ同じ値(f0=fa)となる。このように、スペクトラム分布に複数のピークPa、Pcが存在する場合には、大きさが最大のピークPaまたはPcに基づいて標的周波数fbを得ることは困難である。
【0043】
また、送受波器TD1の前方を走行する車両によって水飛沫が巻き上げられている状況下では、トーンバースト波Twは前記水飛沫によって反射されてしまう。このため、受信信号E1には、前記水飛沫に反射して帰来する反射エコーRwの成分dが含まれる(図2F参照)。水飛沫に反射して帰来する反射エコーRwの周波数は広い帯域に分布するため、図3Cに示す反射エコーRwのスペクトラム分布には、成分d(図2F参照)に対応する複数のピークPd1、Pd2等が存在する。この場合にも、大きさが最大のピークPa、PcまたはPd1、Pd2等に基づいて標的周波数fbを得ることは困難である。
【0044】
以下、中央演算処理部22において、図3A(晴天時)、図3Bまたは図3C(雨天時)に示したスペクトラム分布から、標的周波数fbとしてピークPaにおける周波数f1を抽出するとともに、この標的周波数fbに基づいて移動体(車両)の速度vを算出するための処理方法について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
まず、ステップS1において、コントロール信号Sc2で設定したタイミングT2、サンプリング間隔ΔTおよびサンプリングポイント数Nに基づいて、受信データD(E1)のサンプリングが行われる。続いて、ステップS2において、サンプリングした受信データD(E1)に対してFFT演算を施すことにより、反射エコーRwのスペクトラム分布(図3A〜図3C参照)が得られる。
【0046】
次いで、ステップS3において、スペクトラム分布から、大きさが上位2番目までのピークPa、Pc等が抽出され、このピークPa、Pc等における周波数f1、f0等が求められる。そして、ステップS4において、このうち、値が大きい(高い)方の周波数(この場合、f1)を標的周波数fbの第1候補と判定し(fb=f1)、次の(3)式に基づいて、速度計測装置20が搭載される車両等の推定速度v0を算出する。
【0047】
v0=Δf×C/{(2×fa+Δf)×cosθ} …(3)
ここで、Δfはドップラ周波数成分を示し、Δf=fa−fbで求められる。また、Cは音速であり、前記(2)式に基づいて求められる。
【0048】
前記ステップS4で求められた推定速度v0は、ステップS5において、新しい速度v(new)として中央演算処理部22の、例えば、図示しないメモリに格納される{v(new)←v0}。これに先だって、前回の処理において求められていた新しい速度v(new)は、古い速度v(old)としてメモリに格納される{v(old)←v(new)}。
【0049】
次に、ステップS6において、新しい速度v(new)と古い速度v(old)との差Δv{Δv=v(new)−v(old)}が求められる。続いて、ステップS7において、ステップS6で求められた差Δvと所定値vr(例えば、vr=5km/h)との比較を行い、Δv<vrである場合には、ステップS8において、新しい速度v(new)が移動体(車両)の現在の速度vとして採用される{v←v(new)}。ステップS7において、Δv≧vrであると判定された場合には、新しい速度v(new)を現在の速度vとしては採用せず、ステップS1の処理に戻る。
【0050】
上記のステップS1〜S8で求められた速度vは、図1に示すように、速度データD(v)として中央演算処理部22から出力され、車両に搭載されたナビゲーションシステム、ABS装置、サスペンション制御装置等の外部装置に供給される。
【0051】
上記したように、この実施の形態においては、速度vを得るためのステップS1〜S8の処理は、スペクトラム分布から、車両の速度vに対応する標的周波数fb(すなわち、ドップラ周波数成分Δf)を抽出するための、一種の周波数フィルタとして機能している。従って、ドップラ周波数成分Δfに基づいて、車両の速度vを正確に求めることができる。
【0052】
特に、雨天時等のように計測誤差の要因が発生する状況下においても、速度vを正確に求めることが可能であるため、ゼロクス法や、複素自己相関法等の計測方法を用いた場合に比べて、計測精度および安定性の大幅な向上が図られる。
【0053】
なお、この発明は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採用することができる。
【0054】
例えば、車両の前方に対して超音波(トーンバースト波Tw、反射エコーRw)を送受信する送受波器TD1に加えて、車両の後方に対して超音波を送受信する他の送受波器を設けるようにした、いわゆる、2ビーム方式を採用するようにしてもよい。前記他の送受波器は、車両の後方に所定の俯角(例えば、θ)でトーンバースト波を送信するとともに、該トーンバースト波が路面に反射して帰来する反射エコーを受信する。
【0055】
そして、送受波器TD1および他の送受波器のそれぞれにおいて受信された反射エコーRwに基づいて速度v1、v2を求め、これら速度v1、v2の平均値を算出することにより、車両の速度vが得られる。この場合、車両の傾きや上下動により発生する計測誤差の要因を大幅に削減することができる。このような効果は、後述するように、速度計測装置20が船舶等に搭載されている場合にも同様に得ることができる。
【0056】
また、送受波器TD1の路面Aからの高さH(図5参照)が既知でない場合には、中央演算処理部22において、受波検出ゲート信号G1に基づいて求められた時間T1を用いて学習処理を行うことにより、前記高さHを求めるようにしてもよい。なお、学習処理を行うにあたっては、路面Aが乾燥したアスファルトである場合に求められた時間T1を用いることが好ましい。
【0057】
さらに、前記ステップS7、S8において、(3)式で求められた推定速度v0の新しい値{新しい速度v(new)}と古い値{古い速度v(old)}との差Δvに基づいて現在の速度vを得る処理に代えて、車両の車輪に設けられた車輪速センサで計測された車両の速度v′と、前記(3)式で求められた推定速度v0との差分Δv′をとり、この差分Δv′が前記速度v′または前記推定速度v0に対して15%以内である場合に、前記推定速度v0を現在の速度vと判定する処理を行うようにしてもよい。この場合、速度計測装置20には、前記車輪速センサからの信号を入力するための手段が設けられる。
【0058】
なお、前記ステップS7、S8における処理に加えて、現在の速度vの確定/非確定を前記速度v′に基づいて選択する処理を行うようにしてもよい。
【0059】
さらにまた、ステップS3における処理、すなわち、スペクトラム分布から大きさが上位2番目までのピークを抽出し、これらのピークにおける周波数を求める処理に代えて、大きさが上位n番目(n≧3、n:整数)までのピークを抽出し、これらのピークにおける周波数を求める処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS4においては、各ピークにおける周波数のうち、値が大きい(高い)方の周波数を標的周波数fbの第1候補として求め、推定速度v0を算出する処理に代えて、前記各ピークにおける周波数を標的周波数fbの第1〜第nの候補として算出された候補としての推定速度v0のうち、例えば、車輪速センサで計測された前記速度v′に最も近いものを該ステップS4で求めるべき推定速度v0として選択する処理が行われる。
【0060】
この実施の形態では、主に、速度計測装置20が車両に搭載されている場合について説明しているが、この車両としては、自動車の他、鉄道車両等も含まれる。また、この速度計測装置20は、船舶等に搭載することも可能である。
【0061】
この場合、送受波器TD1から送信されたトーンバースト波Twは、水底(海底)に反射して反射エコーRwとして帰来し、前記送受波器TD1に受信される。すなわち、速度計測装置20においては、速度vとして、該速度計測装置20が搭載される船舶等の対地速度が求められる。
【0062】
また、海中にプランクトンなどの浮遊物が多い海域で対地速度の計測が行われた場合には、帯域フィルタ40からの受信信号E1の波形は、図2Eに示した波形に類似する。さらに、スペクトラム分布は、図3Cに示した分布に類似する。すなわち、速度計測装置20においては、プランクトンなどの海中浮遊物を路面A上の水飛沫と同様に計測誤差の要因として処理し、船舶等の対地速度を正確に計測することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る速度計測装置によれば、超音波エコーを受信して得られた受信情報にFFT演算を施すことによって得られたスペクトラム分布から、移動体の速度に対応するピークにおける周波数を抽出し、この周波数に基づいて前記速度を求めるようにしている。従って、計測誤差の要因が存在する様々な条件下においても移動体の速度を安定かつ正確に計測することが可能な速度計測装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態が適用された速度計測装置を示すブロック図である。
【図2】図2Aは、図1に示した速度計測装置を構成する送受波器から送信されるトーンバースト波に対応する送信用駆動信号を示す波形図であり、
図2Bは、前記送受波器で受信された反射エコーに対応する受信信号を示す波形図であり、
図2Cは、前記送受波器において反射エコーが受信されたことを表す受波検出ゲート信号を示す波形図であり、
図2Dは、前記速度計測装置を構成する中央演算処理部において、受信データをサンプリングするタイミングを示す波形図であり、
図2Eは、路面が濡れている状況下における前記受信信号を示す波形図であり、
図2Fは、トーンバースト波の送信方向に水飛沫が存在する状況下における前記受信信号を示す波形図である。
【図3】図3Aは、図2Bに示した受信信号に対応するスペクトラム分布を示す図であり、
図3Bは、図2Eに示した受信信号に対応するスペクトラム分布を示す図であり、
図3Cは、図2Fに示した受信信号に対応するスペクトラム分布を示す図である。
【図4】図1に示した速度計測装置を構成する中央演算処理部において、送受波器で受信された反射エコーの受信データに基づいて移動体の速度を求めるための処理を示すフローチャートである。
【図5】従来の技術に係る第2の車速計測装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
20…速度計測装置 22…中央演算処理部(演算手段)
30…送受切換器 32…駆動信号発生回路
34…電力増幅回路 40…帯域フィルタ
42…増幅回路 44…検波回路
46…レベル比較回路 48、52…A/Dコンバータ
TD1…送受波器 Tw…トーンバースト波
Rw…反射エコー P1…送信用駆動信号
E1…受信信号
Claims (3)
- 超音波を用いて移動体である車両又は船舶の速度を計測する速度計測装置であって、
前記移動体の前方に所定の俯角で超音波を送信する送信手段と、
前記超音波がターゲットである路面又は水底に反射して帰来する超音波エコーを受信して受信情報を得る受信手段と、
前記俯角、前記ターゲットまでの鉛直距離及び音速に基づき前記受信手段からの前記受信情報をサンプリングするタイミングを検出するタイミング検出手段と、
前記タイミングに基づいて前記受信情報をサンプリングし、該受信情報にFFT演算を施すことによりスペクトラム分布を得る第1演算手段と、
前記スペクトラム分布から前記移動体の速度に対応するドップラ周波数成分を抽出する際、大きさが上位2番目までのピークに対応する2つの周波数を求め、高い方の周波数を用いて前記ドップラ周波数成分を抽出する第2演算手段と、
前記ドップラ周波数成分に基づいて、前記移動体の前記ターゲットに対する速度を求める第3演算手段と、
を有することを特徴とする速度計測装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記第3演算手段は、前記ドップラ周波数成分に基づいて新しい速度を求め、この新しい速度と、同様の処理において前回求められていた古い速度との差が所定値より小さい場合に、前記新しい速度を前記移動体の現在の速度として採用することを特徴とする速度計測装置。 - 請求項1または2記載の装置において、
前記移動体から後方に所定の俯角で超音波を送信する他の送信手段と、該超音波がターゲットに反射して帰来する超音波エコーを受信して受信情報を得る他の受信手段と、をさらに設け、
前記前方及び前記後方に所定の俯角でそれぞれ送信した前記超音波のそれぞれの前記超音波エコーに基づいて、前記移動体の前記ターゲットに対するそれぞれの速度を求め、求めたそれぞれの速度の平均値を、前記ターゲットに対する速度とする
ことを特徴とする速度計測装置。
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