JP4173413B2 - リフトオフ用レジストパターンの形成方法 - Google Patents

リフトオフ用レジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リフトオフ用レジスト材料及びリフトオフ用レジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FED(フィールドエミッションディスプレイ)パネル、GMR(巨大磁気抵抗効果)ヘッド(以下、磁気ヘッドと略記する)等の製造工程においては、いわゆるリフトオフ用レジストパターンを形成することが行われている。
例えば磁気ヘッドの微細構造の製造には、磁性膜をターゲットとするイオン性エッチングが用いられており、例えば、以下のようにして行われている。イオン性エッチングとしては、イオンミーリングが多用されている。図1(a)〜図1(e)に従来の一般的なイオンミーリングの各工程の模式図(側断面図)を示す。
この例は、アルカリ可溶性樹脂を使用してリフトオフ用レジストパターンを形成する方法である(下記特許文献1〜3参照)。
【0003】
まず、図1(a)に示す様に、基板1の上に磁性膜2を積層し、支持体11とする。
ついで、支持体11の上に、アルカリ現像液に対して可溶性のアルカリ可溶性樹脂からなる下層膜3’と、レジスト膜4’とを順次積層する。ついで、レジスト膜4’の上からマスクパターンを介して選択的露光を行う。
ついで、アルカリ現像を行うと、レジスト膜4’の所定の範囲がアルカリ現像される。
その結果、図1(b)に示した様に、上方から見ると、ライン状で、このラインと直交する様に切断した断面の形状が矩形のレジストパターン(上層)4が得られる。
このとき、レジスト膜4’において、アルカリ現像された部分の下に位置する下地膜3’はアルカリ現像液によって一緒に除去されるが、上層4が形成された部分の下に位置する下地膜3’は、当該上層4の周縁近くのみがアルカリ現像液に溶解し、当該上層4の中心部付近は残存する。
その結果、図1(b)に示した様な幅の狭い下地膜3’から形成された下層3と、これより幅の広いレジスト膜4’から形成された上層4とからなる、断面羽子板状(レジストパターン5の断面が支持体11との界面において括れた形状)のリフトオフ用のレジストパターン5が得られる。
【0004】
ついで、レジストパターン5をマスクとしてイオンミーリングを行うと、図1(c)に示した様に、レジストパターン5の周囲の磁性膜2が掘り下げられ、レジストパターン5の下と、その周囲にのみ磁性膜2が残る。
さらにスパッタリングを行うと、図1(d)に示したように、レジストパターン5の上と、磁性膜2の周囲の基板1の上に電極膜6が形成される。
ついで、最後にアルカリ現像液を用いて、下層3を溶解すると、上層4が除去され、図1(e)に示した様に基板1とその上に形成された所定の幅の磁性膜2と、その周囲に形成された電極膜6とからなる磁気ヘッド10を得ることができる。
【0005】
また、支持体の上にレジスト組成物からなるレジスト層を形成し、レジスト組成物のコントラストやアルカリ現像液に対する溶解速度を利用して、1層構造の羽子板状のレジストパターンを形成する方法も提案されている(下記特許文献4〜6参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−92605号公報
【特許文献2】
特開2001−66787号公報
【特許文献3】
特開2002−323775号公報
【特許文献4】
特開平8−69111号公報
【特許文献5】
特開平10−97066号公報
【特許文献6】
特開2001−235872号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リフトオフ用レジストパターンの形成においては、アルカリ可溶性樹脂を使用した場合であっても、1層構造のパターンを形成する場合であっても、図1(b)に示した様に支持体11との界面において括れた部分(下層3)の幅(W)の寸法制御が難しいという問題があった。
なお、本明細書において、下層3、上層4のサイズについては、図1(b)に示した様に、ライン状のパターンに直交方向に切断した羽子板状の断面において、支持体11、下層3、上層4の積層方向を高さ(T)、これに直交する方向を幅(W)と表す。
【0008】
よって、本発明はリフトオフ用レジストパターンの形成において、図1(b)に示した様な、支持体11との界面において括れた部分(下層3)の幅(W)の寸法制御を容易とする技術を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の解決手段により前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、第1の発明は、(1)リフトオフ用レジスト材料を支持体に塗布し、加熱処理を行って下層レジスト膜を形成する工程と、
(2)当該下層レジスト膜の上に、非化学増幅型または化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる上層用レジスト材料を塗布し、加熱処理を行って上層レジスト膜を形成する工程と、
(3)選択的露光を行う工程と、
(4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
(5)アルカリ水溶液による現像処理を行い、レジストパターンの断面が前記支持体との界面において括れた形状を有するレジストパターンを形成する工程、
とを有し、
前記リフトオフ用レジスト材料が、(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、有機溶剤とを含み、加熱すると架橋構造を形成し、ついで前記(C)成分から発生した酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となるものであり、下記(i)、(ii)の一方あるいは両方を満足することを特徴とする、リフトオフ用レジストパターンの形成方法である。
(i)前記(A)成分が(A1)ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂を含み、さらに、当該リフトオフ用レジスト材料が、(B)一般式(I)
【化7】
Figure 0004173413
[式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基、または下記一般式(II)
【化8】
Figure 0004173413
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基を示し、mは0又は1を表す。)
で表される基のいずれかを示す。]
で表される化合物を含む、
(ii)前記(A)成分が、前記(A1)成分と、前記(B)成分との反応生成物を含む。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、まず、本発明のリフトオフ用レジストパターンの形成方法について説明し、さらにこれに適したリフトオフ用レジスト材料について説明する。
(第1の実施形態例)
第1の実施形態例のリフトオフ用レジストパターンの形成方法は、
(1)前記のリフトオフ用レジスト材料を支持体に塗布し、加熱処理を行って下層レジスト膜を形成する工程と、
(2)当該下層レジスト膜の上に、非化学増幅型または化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる上層用レジスト材料を塗布し、加熱処理を行って上層レジスト膜を形成する工程と、
(3)選択的露光を行う工程と、
(4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
(5)アルカリ水溶液による現像処理を行い、レジストパターンの断面が支持体との界面において括れた形状を有するレジストパターンを形成する工程、
とを有することを特徴とする方法において、前記工程(2)において、上層用レジスト材料として、非化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いるものである。
【0011】
以下、図1(a)〜図1(e)を利用して説明する。
図1(a)に示した様に、シリコーン基板等の基板1の上に、常法により、金属製の磁性膜2を積層して支持体11とし、前記のリフトオフ用レジスト材料を塗布し、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは130〜160℃、好ましくは30〜180秒、さらに好ましくは60〜120秒の条件で加熱処理を行うと、有機溶剤が除去されて下層レジスト膜13’が形成される[工程(1)]。このとき塗布する膜厚を制御することにより、図1(b)に示した下層13の高さTの寸法制御も行うことができる。
ついで、その上に、非化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる上層用レジスト材料を塗布し、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃、30〜180秒、好ましくは60〜120秒加熱処理を行うと、上層レジスト膜14’が形成される[工程(2)]。
ついで、当該2層のレジスト膜13’、14’に対して選択的露光を行う[工程(3)]。露光波長は、上層用レジスト材料と、下層用レジスト材料の両方が感光する波長とされる。
露光条件は、例えばi線、KrF、ArF等の光や、電子線等を利用することができる。中でも現在、最も汎用的に用いられているi線露光機(ステッパ、スキャナ等)を利用したi線露光は、新たな設備投資を要せず、製造コストの点でメリットがあり好ましい。
下層レジスト膜13’を構成するリフトオフ用レジスト材料は化学増幅型であるため、露光部では、(C)成分から酸成分が発生する。
【0012】
その後、PEB(露光後加熱処理)を行う[工程(4)]。この工程は、下層レジスト膜13’において、(C)成分から発生した酸成分を拡散させるものである。
下層レジスト膜13’を構成するリフトオフ用レジスト材料は化学増幅型であるため、工程(3)において、露光部で(C)成分から発生した酸成分が、工程(4)の加熱処理により拡散する。
そして、加熱時間が長くなるにつれて、この酸成分は徐々に露光部から未露光部に拡散していく。そのため、加熱時間が長くなればなる程、下層レジスト膜13’において、アルカリ水溶液に対して可溶性となる体積が大きくなる。
これに対して、上層用レジスト材料は非化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなるので、工程(4)の加熱処理の有無に関わらず、マスクパターンの露光部に忠実な上層14が得られる(図1(b)参照)。
【0013】
よって、前記工程(4)の加熱条件を調整して、下層レジスト膜13’において、マスクパターンの露光部よりも広い範囲に酸成分が拡散する様にすると、この後アルカリ水溶液による現像を行ったときに、図1(b)に示した様な、下層13の幅Wよりも上層14の幅の方が広い、断面が支持体11との界面において括れた形状を有するレジストパターン15を形成することができる[工程(5)]。
すなわち、前記工程(5)において、現像処理後に残存する前記上層レジスト膜14’からなる上層14の幅が、前記下層レジスト膜13’からなる下層13の幅Wよりも広くなる様に、前記工程(4)において、下層レジスト膜13’中の酸成分の拡散を制御すると、断面羽子板状のレジストパターン15が得られるとともに、幅Wの制御を行うことができる。この加熱条件(温度、時間)と酸成分の拡散との関係は予め実験により求めておくことが好ましい。
なお、前記工程(3)の露光条件によって幅Wは変化するので、この露光条件の制御も有効である。
【0014】
工程(4)の加熱条件は、上層用レジスト材料、リフトオフ用レジスト材料や、パターンのサイズ等によっても異なるが、例えば90〜180℃、好ましくは110〜160℃、30〜180秒、好ましくは60〜120秒とされる。
工程(5)の現像条件は、例えば2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を用い、30〜180秒、さらに好ましくは60秒程度で行われる。
【0015】
下層13、上層14のサイズについては、図1(b)に示した様に、羽子板状の断面において、支持体11、下層13、上層14の積層方向を高さ(T)、これに直交する方向を幅(W)と表す。
下層13の高さTは特に限定されるものではないが、例えば0.2〜3μm程度とされる。また、その幅Wも特に限定されるものではないが、例えば0.4〜10μmとされる。
上層14の高さも特に限定されるものではないが、例えば0.5〜5μm程度とされる。また、その幅も特に限定されるものではないが、例えば0.45〜11μmとされる。
【0016】
なお、この例においては、下層13、上層14は各1層ずつであり、2層構造となっているが、例えば下層13、上層14がそれぞれ2層以上の構造からなっていてもよい。しかしながら、少なくとも下層13は1層構造であることが寸法制御等の点から好ましく、この例の様な下層13、上層14からなる2層構造であることが好ましい。
また、支持体11として、この例においては、基板1の上に磁性膜2を積層した、磁気ヘッド製造用のものを例示したが、これに限定されるものではなく、本発明は、リフトオフ用レジストパターンを形成するすべての用途、例えばFEDパネル、半導体装置や液晶表示装置等の電極形成等に用いることができる。
【0017】
(第2の実施形態例)
第2の実施形態例のリフトオフ用レジストパターンの形成方法が、第1の実施形態例と異なるのは、前記工程(2)において、上層用レジスト材料として化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いる点である。
この上層用レジスト材料を構成する化学増幅型のポジ型レジスト組成物は、例えば(A’)樹脂成分と、(C’)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、有機溶剤を含むものである。
すなわち、この例ではリフトオフ用レジスト材料についても、上層用レジスト材料についても、両方とも化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いる。
【0018】
ここでも図1(a)、図1(b)を利用して説明する。
例えば、前記上層用レジスト材料として、前記リフトオフ用レジスト材料よりも感度の低い材料を用いると、前記工程(3)の露光条件(時間、光、電子線などの放射線の強度、波長等)を制御することにより、前記工程(5)において、現像処理後に残存する上層14の幅が、下層13の幅Wよりも広くなる様に制御することができる。
感度とは、露光量に対する、アルカリ水溶液に対する溶解性が変化する体積の割合のことであって、感度が高い程、同じ露光量でもアルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、可溶性の性質に変化する体積が大きい。
感度は、同一操作条件のもと、選択的露光、現像等の操作を行い、露光部の膜厚が0となる露光量(もしくは露光時間)を測定したり、予め定めた設定寸法のレジストパターンが得られたときの露光量(もしくは露光時間)を測定するなどにより求めることができる。
【0019】
感度は、(C)成分と(C’)成分からのそれぞれの酸の発生効率や(C)成分と(C’)成分のそれぞれの添加量、(A)成分または(A’)成分の種類等に起因する。
【0020】
この例においては、図1(b)に示した様に、前記工程(3)において選択的露光を行うと、下層レジスト膜13’を構成するリフトオフ用レジスト材料よりも、上層レジスト膜14’を構成するレジスト組成物の感度の方が低くなっているので、同じ露光量であっても、工程(4)の熱処理を経てアルカリ水溶液に対して可溶性に変化する体積は下層レジスト膜13’の方が上層レジスト膜14’よりも大きくなる。
したがって、予め求めた所望の幅Wの下層13が得られる露光条件に基づいて、露光を行い、工程(4)の加熱処理を経て工程(5)の現像処理を行うと、図1(b)に示した様に、下層13の幅Wの方が上層14の幅よりも小さい、羽子板状のレジストパターン15が得られる。
【0021】
この様に、第1、第2の実施形態例のいずれにおいても、下層13を形成するためのリフトオフ用レジスト材料として、化学増幅型のポジ型レジスト組成物を用いているので、工程(3)の露光条件や工程(4)の加熱条件を調整することにより、下層13の幅Wを制御することができる。
また、いずれにおいてもリフトオフ用レジスト材料の感度を変更することにより、同じ露光時間であっても、下層13の幅Wのサイズを変更することができる。
【0022】
なお、第1の実施形態例と、第2の実施形態例のいずれにおいても、図1(b)に示した様に断面羽子板状のリフトオフ用レジストパターン15を形成した後、ついで、レジストパターン15をマスクとしてイオンミーリングを行うと、図1(c)に示した様に、レジストパターン15の周囲の磁性膜2が掘り下げられ、レジストパターン5の下と、その周囲にのみ磁性膜2が残る。
さらにスパッタリングを行うと、図1(d)に示したように、レジストパターン15の上と、磁性膜2の周囲の基板1の上に電極膜6が形成される。
ついで、最後にアッシング(灰化)処理や、剥離液を用いた湿式処理等を用いて、下層13および上層14を除去し、図1(e)に示した様に基板1とその上に形成された所定の幅の磁性膜2と、その周囲に形成された電極膜6とからなる磁気ヘッド10を得ることができる。
【0023】
(リフトオフ用レジスト材料)
下層13を形成するリフトオフ用レジスト材料は、(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、有機溶剤を含み、
加熱すると架橋構造を形成し、
ついで前記(C)成分から発生した酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となる特性を備えたリフトオフ用レジスト材料が好ましい。
この様な材料を用いることにより、前記工程(1)において、下層レジスト膜13’に架橋構造が生じ、固い膜を形成することができる。
その結果、工程(2)において、当該下層レジスト膜13’の上に上層用レジスト材料を塗布して上層レジスト膜14’を形成しても、インターミキシングが生じず、好ましい。
インターミキシングとは、下層レジスト膜13’と上層レジスト膜14’との界面で、それぞれを構成する材料が混ざり合うことである。
【0024】
この様な材料は、例えば特開平6−148889号公報、特開平6−230574号公報、特開2000−292927号公報、特開平8−305025号公報、特表2002−529552号公報等に記載されており、リフトオフ用レジスト材料ではなく、一般的なレジスト材料としては公知である。
具体的には、例えば下記(i)、(ii)の一方あるいは両方を満足するものが好ましい。
(i)前記(A)成分が(A1)アルカリ可溶性樹脂を含み、
さらに、当該リフトオフ用レジスト材料が、(B)一般式(I)
【0025】
【化7】
Figure 0004173413
【0026】
[式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基、または下記一般式(II)
【0027】
【化8】
Figure 0004173413
【0028】
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基を示し、mは0又は1を表す。)
で表される基のいずれかを示す。]
で表される化合物を含む、
(ii)前記(A)成分が、前記(A1)成分と、前記(B)成分との反応生成物を含む。
【0029】
前記(A1)成分は、レジスト組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂であれば特に制限せずに用いることができるが、フェノール性水酸基を有することが、(B)成分との反応性の点から好ましい。
そして、(A1)成分は、ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなることが、下層13の幅W制御の点、インターミキシング防止の点等から好ましい。ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂は、レジスト材料として使用されているものであれば特に制限なく用いることができる。
【0030】
ノボラック樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの少なくとも1種の芳香族ヒドロキシ化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの少なくとも1種のアルデヒド類とを酸性触媒の存在下に縮合させたもの等が挙げられる。
酸触媒としては、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸などが挙げられるが、シュウ酸を用いることが、安価で容易に入手でき好ましい。
【0031】
中でも、芳香族ヒドロキシ化合物として、フェノール、キシレノール(いずれの異性体でもよい)、クレゾール(o−、m−、p−のいずれでもよい)のいずれかひとつ以上を用いたものが、感度、解像性、パターン形状等のトータル的なレジスト特性に優れて好ましい。
【0032】
また、アルデヒド類として、ホルマリンと、嵩高いアルデヒドを用いて合成したものが、耐熱性向上、高感度化の点から好ましい。嵩高いアルデヒドとしては、サリチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド等が挙げられる。このときホルマリンと嵩高いアルデヒドとの比率は、耐熱性向上効果が優れる点から、1/0.1〜0.6(モル比)、特には1/0.2〜0.5(モル比)であると好ましい。
したがって、これら芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒド類の好ましいものを組み合わせたものが特に好ましい。
【0033】
ノボラック樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw、以下、単に質量平均分子量という)は1000〜10000、特には2000〜8000であることがフォト特性(感度、レジストパターンのプロファイル形状)の点から好ましい。
【0034】
また、ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般にレジスト組成物に用いられるものであって、ヒドロキシスチレン構成単位を含んでいれば特に限定するものではない。例えば、ヒドロキシスチレンの単独重合体や、ヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸またはメタクリル酸あるいはその誘導体との共重合体などが挙げられる。
なお、ここで「構成単位」とは、ポリマー中の繰り返し単位(ポリマーの原料であるモノマーから誘導される単位)のことである。
【0035】
ヒドロキシスチレン系樹脂中、ヒドロキシスチレン単位は少なくとも50モル%以上、好ましくは70モル%以上含まれていることが(B)成分の反応性の点から好ましい。
中でも、ヒドロキシスチレン構成単位とその他に少なくともスチレン構成単位を含むコポリマーは、リフトオフ用レジスト材料の高耐熱性、高感度が得られる上、ライン状のレジストパターンの形状改善効果があるため好ましい。この中ではヒドロキシスチレン構成単位と、スチレン構成単位とからなるコポリマーが好ましい。
スチレン構成単位の含有量は、(B)成分との反応性の確保の点、耐熱性向上、感度向上の点から、1〜30モル%が好ましく、5〜15モル%がより好ましい。
【0036】
ヒドロキシスチレン系樹脂の質量平均分子量は1000〜8000、特には2000〜5000であることが、耐熱性、高感度化、架橋剤との反応の安定性の点で好ましい。
(A1)成分は、1種または2種以上の材料を用いることができる。
【0037】
(B)成分は架橋剤である。
したがって、(i)の場合、前記工程(1)において、図1(a)に示した様に、支持体11の上にリフトオフ用レジスト材料を塗布し、加熱すると、(A1)成分の、例えば側鎖のフェノール性水酸基は(B)成分のビニル基と反応し、架橋構造が形成される。そして、これにより、リフトオフ用レジスト材料はアルカリ水溶液に対して難溶性となる。
そして、工程(3)において露光し、露光部において(C)成分から酸成分が発生すると、この酸成分の作用によって上記架橋構造が解裂し、リフトオフ用レジスト材料はアルカリ水溶液に対して可溶性に変化する。
【0038】
(ii)の場合は、予め(A1)成分と(B)成分とを、必要に応じて酸触媒存在下において反応させた反応生成物をリフトオフ用レジスト材料中に配合するものである。
酸触媒としては、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸などが挙げられるが、シュウ酸を用いることが、安価で容易に入手でき好ましい。
【0039】
(A1)成分と(B)成分とを反応させると、通常(B)成分の片方あるいは両方の末端のビニル基が(A1)成分の、例えば側鎖のフェノール性水酸基に結合した構成単位を備えた反応生成物が得られる。
なお、通常は(B)成分の片方の末端のみが結合した構成単位と、両方が結合した部分とがいずれも存在する反応生成物が得られる。
【0040】
そして、工程(1)にて加熱処理を行うと、残存する(B)成分に由来するビニル基が反応し、架橋構造が形成され、(i)の場合と同様の効果が得られる。
当該反応生成物においては、(B)成分のうち、5モル%以上、好ましくは10モル%以上(100モル%でもよい)が、片方の末端のビニル基が(A1)成分の側鎖の水酸基と結合している形態となっていることが、リフトオフ用レジスト材料の塗布性(粘度の調整等)の点から好ましい。この割合はGPCによる分子量測定等により確認することができる。また、反応条件を変更することにより、調整することができる。
【0041】
なお、前記(i)において、(A1)成分と(B)成分との比率は、(A1)成分としてノボラック樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜35質量%の割合で用いられる。1質量%未満では、レジストパターン未露光部の膜減りが大きくなり、レジストパターンのコントラストが低下する傾向があり、50質量%を超えると現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が著しく劣る傾向があり、感度が劣る、パターンが解像しない等の問題を発生する恐れがある。なお、(A1)成分としてヒドロキシスチレン系樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%の割合で用いられる。
また前記(ii)において、(A1)成分と(B)成分との比率は、(A1)成分としてノボラック樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜15質量%、好ましくは4〜8質量%の割合で用いられる。1質量%未満では、レジストパターン未露光部の膜減りが大きくなり、レジストパターンのコントラストが低下する傾向があり、15質量%を超えると現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が著しく劣る傾向があり、感度が劣る、パターンが解像しない等の問題を発生する恐れがある。なお、(A1)成分としてヒドロキシスチレン系樹脂を選択した場合は、望ましくは(A1)成分に対して1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%の割合で用いられる。
【0042】
前記一般式(I)において、Rは置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜10の分岐鎖状、直鎖状、環状のアルキレン基、または前記一般式(II)で表されるものである。なお、当該アルキレン基は主鎖に酸素結合(エーテル結合)を含んでいても良い。一般式(II)中、Rも、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜10の分岐鎖状、直鎖状のアルキレン基であり、当該アルキレン基は、主鎖に酸素結合(エーテル結合)を含んでいても良い。Rとしては、−C−、−COC−、−COCOC−、及び一般式(II)で表されるもの等が好ましく、中でも一般式(II)で表されるものが好ましく、特にRの炭素数が1で、mが1のものが好ましい。
、Rは、前記ノボラック樹脂に関する記載の中で説明したフェノール類、アルデヒド類、ケトン類等から由来される基である。
(B)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
【0043】
前記(ii)の場合、前記(A)成分が、(A2)下記一般式(III)
【0044】
【化9】
Figure 0004173413
【0045】
(式中、Rは前記と同じであり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。)で表される構成単位(a1)を有し、酸の存在下でアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する性質を有するアルカリ可溶性ノボラック樹脂であることが好ましい。
また、このアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、下記一般式(IV)
【0046】
【化10】
Figure 0004173413
【0047】
(式中、R〜R及びnは、前記と同じである。)
で表される分子間架橋部分(a2)を有するものであってもよい。
すなわち、(A2)成分(アルカリ可溶性ノボラック樹脂)は、前記構成単位(a1)と、分子間架橋部分(a2)の一方または両方を有することが好ましい。
【0048】
(A2)成分(アルカリ可溶性ノボラック樹脂)は、好ましくは酸触媒の実質的な不存在下で、ノボラック樹脂と上記(B)成分とを反応させることにより得られるものである。
前記(B)成分がノボラック樹脂の側鎖の水酸基と予め結合していることにより、レジスト塗布液(組成物)の経時変化が抑えられ、感度経時の少ないレジスト材料となる。
そして、(ii)の場合、前記工程(1)において、図1(a)に示した様に、支持体11の上にリフトオフ用レジスト材料を塗布し、加熱すると、(A2)成分の側鎖のフェノール性水酸基は、前記構成単位(a1)の末端ビニル基と反応し、架橋構造が形成される。そして、これにより、リフトオフ用レジスト材料はアルカリ水溶液に対して難溶性となる。
そして、露光によって(C)成分から発生した酸が作用すると、上記架橋構造が解裂し、(A2)成分のアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する。
【0049】
このとき使用するノボラック樹脂としては、(A1)の説明で例示したものと同様のものを用いることができる。
なお、ノボラック樹脂と(B)成分とを反応させる際に、酸成分が反応系中に存在するとレジスト調整後の保存安定性の点で好ましくない。そのため(B)成分と反応させる前に、ノボラック樹脂に含まれる酸成分を除く操作を厳しく行うことが好ましい。なお、酸成分は、例えばノボラック樹脂の合成時に用いる酸触媒等の有機酸であり、ガスクロマトグラフィー等により分析することができる。酸成分の除去方法としては、公知の方法を挙げることができ、例えばイオン交換樹脂の使用、純水洗い、アルカリによる中和などの方法を適用することができる。
そして、(B)成分との反応前のノボラック樹脂中の酸成分の濃度は0.1ppm以下、特に0.01ppm以下にしておくことが好ましい。
【0050】
なお、ノボラック樹脂と(B)成分との反応においては、酸触媒を用いなくても反応は進行するので、酸触媒を用いることは必須ではなく、リフトオフ用レジスト材料の保存安定性の点からは、用いない方が好ましい。よって、酸触媒は反応液中に実質的に不存在であることが好ましく、零であることが好ましい。
【0051】
(B)成分と反応させた後の(A2)成分の質量平均分子量は10000〜70000、特には20000〜50000であることが耐熱性等の点から好ましい。
【0052】
具体的には、例えばノボラック樹脂から酸成分を除く操作を行った後、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等の反応に用いる溶剤に溶解し、例えば固形分30質量%程度に調整する。そして、これを昇温し、内温90〜120℃、好ましくは100〜110℃下で攪拌し、架橋剤を少量ずつ滴下する。
0.5〜24時間程度、好ましくは1〜12時間反応後、0.5〜12時間程度、好ましくは1〜6時間、室温にて更に攪拌を行って(A2)成分を得る。その後、溶剤をリフトオフ用レジスト材料の有機溶剤に置換して(A2)成分とリフトオフ用レジスト材料の有機溶剤の混合物とすると好ましい。
【0053】
また、前記(ii)の場合において、
前記(A)成分が、(A3)下記一般式(V)
【0054】
【化11】
Figure 0004173413
【0055】
(式中、Rは、前記と同じである。)
で表される構成単位(a’1)を有し、酸の存在下でアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する性質を有するアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂を含むものであると好ましい。
このアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、さらに下記一般式(VI)
【0056】
【化12】
Figure 0004173413
【0057】
(式中、Rは、前記と同じである。)
で表される分子間架橋部分(a’2)を有していてもよい。
すなわち、(A3)成分(アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂)は、前記構成単位(a’1)と、分子間架橋部分(a’2)の一方または両方を有することが好ましい。
【0058】
(A3)成分(アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂)は、前記(A2)成分において、ノボラック樹脂に代えて、ヒドロキシスチレン系樹脂を用い、これを(B)成分と反応させることにより、合成することができる。
【0059】
ヒドロキシスチレン系樹脂としては、上述の(A1)の場合と同様のものを用いることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂と架橋剤は、通常酸触媒下で反応させる。酸触媒としては、上記ノボラック樹脂の合成の説明で例示したもの等を用いることができる。
酸触媒の使用量は、反応系中の酸濃度が10〜1000ppm、好ましくは100〜500ppmにすることが好ましい。
【0060】
1000ppmを超えると、レジスト調整後の保存安定性の点で好ましくない。また、10ppm未満では、架橋時の触媒作用が働かず、反応が進行しないおそれがある。
酸触媒の使用量を厳密にコントロールするため、(B)成分と反応させる前において、ヒドロキシスチレン系樹脂に含まれる酸成分を除く操作を、必要に応じて行うことが好ましい。酸成分を除く方法は、ノボラック樹脂の場合と同様の方法を適用することができる。
【0061】
また、反応後は、レジスト組成物の保存安定性を損なわないように、同様の酸成分の除去操作を行い、(A3)成分中の酸濃度を、5ppm以下、好ましくは1ppm以下とすることができる。
また、架橋反応が十分進行した後は、架橋反応をコントロールあるいは停止させることを目的にピリジン等の塩基性化合物を用いることもできる。
これは、反応後の樹脂の経時安定化の点から、樹脂固形分に対して1〜5質量%程度用いると好ましい。
【0062】
(A3)の合成方法の一例を具体的に示すと、まず、ヒドロキシスチレン系樹脂を合成後、必要に応じてその酸成分を除去する操作を行った後、例えばγ-ブチロラクトン等の反応に用いる溶剤の溶液とする。
ついで、ヒドロキシスチレン系樹脂に酸触媒を添加し、内温90〜120℃、好ましくは100〜110℃下で攪拌し、(B)成分を少量ずつ滴下する。0.5〜20時間程度、好ましくは1〜12時間反応後、ピリジンを滴下し、0.5〜5時間程度、好ましくは1〜2時間室温にて攪拌した後、2−ヘプタノン等のリフトオフ用レジスト材料の有機溶剤を投入し、溶解させる。
次いでこの溶液を、例えばメタノール/水の溶液で数回洗浄し、酸成分を除去する。2−ヘプタノン等の有機層と分離し、濃縮して残留するメタノール/水を除去すると、(A3)成分と有機溶剤の混合物が得られる。
【0063】
(C)成分
(C)成分としては、特に限定はなく、従来から化学増幅型のポジ型ホトレジスト組成物の材料として知られている光酸発生剤を挙げることができる。
なお、リフトオフ用レジストパターンを形成するプロセスの露光波長によって酸成分を発生するものを選択する。
i線(365nm)を光源に用いたホトリソグラフィは、現在最も汎用的に行われているので、製造コストの面からは、当該i線露光に対する酸発生効率が高い材料が好ましい。
当該(C)成分としては、例えば以下のような化合物が、好ましく用いられる。
【0064】
【化13】
Figure 0004173413
【0065】
【化14】
Figure 0004173413
【0066】
(式中、m’は0又は1;Xは1又は2;Rは、1又はそれ以上のC−C12アルキル基が置換していてもよいフェニル基、ヘテロアリ−ル基等、又は、m’が0の場合はさらにC−Cアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、CN等;R’はC−C12アルキレン基等;RはRと同義等;RはC−C18アルキル基等;R’は、X=1のときRと同義等、X=2のときC−C12アルキレン基、フェニレン基等;R、Rは独立に水素原子、ハロゲン、C−Cアルキル基等;AはS、O、NR等;Rは水素原子、フェニル基等を示す。)で表される化合物(USP 6004724)。具体的には、例えば下記式で表されるチオレン含有オキシムスルホネ−トなどが挙げられる。
【0067】
【化15】
Figure 0004173413
【0068】
また、下記式(4)
【0069】
【化16】
Figure 0004173413
【0070】
(式中、R、Rは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物、又は、該化合物(4)と下記式(5)
【0071】
【化17】
Figure 0004173413
【0072】
(式中、Zは、4−アルコキシフェニル基等を示す。)で表されるビス(トリクロロメチル)トリアジン化合物とを組み合わせたもの(特開平6−289614号公報、特開平7−134412号公報)。
トリアジン化合物(4)としては、具体的には、例えば2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−4−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−4−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジプロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。これらのトリアジン化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記トリアジン化合物(4)と所望に応じて組み合わせて用いられる上記トリアジン化合物(5)としては、例えば2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−プロポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−プロポキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−6−カルボキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−6−ヒドロキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−5−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−エトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−5−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−プロポキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。これらのトリアジン化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0073】
また、下記式(6)
【0074】
【化18】
Figure 0004173413
【0075】
(式中、Arは置換又は未置換のフェニル基、ナフチル基;RはC〜Cのアルキル基;nは2又は3の整数を示す。)で表される化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。以上例示した化合物の中でも、特に、[化15]で表される化合物および下記式(7)で表される化合物は、i線に対する酸発生効率に優れるため、好ましく用いられる。
【0076】
【化19】
Figure 0004173413
(C)成分は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0077】
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部、さらには1〜3質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われない場合があり、5質量部をこえると未露光部分の膜減りが発生しやすくなる。
【0078】
(D)成分
本発明のリフトオフ用レジスト材料においては、引置き安定性を高めるために、(D)成分として、塩基性化合物(好ましくはアミン類)を配合することが好ましい。
当該化合物としては、リフトオフ用レジスト材料に対する相容性を有するものであれば良く、特に制限されるものではないが、例えば特願平7−172899号公報に記載の化合物を挙げることができる。
中でも、3級アミンが好ましく、特に、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミンは保存安定性向上の点で好適である。
(D)成分は1種または2種以上の混合して用いることができる。
(D)成分は、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜5.0質量部、特には0.1〜1.0質量部の範囲で配合することが、効果の点から好ましい。
【0079】
有機溶剤
有機溶剤としては、化学増幅型のポジ型レジスト組成物に用いられるものであれば、特に限定せずに用いることができる。
例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート(例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等)、乳酸エステル(例えば乳酸エチル等)等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類;等の非エステル系溶剤が挙げられる。
なおエステル系溶剤は、有機カルボン酸とアルコールとの反応生成物であることから、遊離酸である有機カルボン酸を含有する。そのため、前記の(D)成分を配合しないレジスト組成物、または後述の保存安定剤を配合しないレジスト組成物においては、そのような遊離酸を含有しない非エステル系溶剤を選択することが好ましく、特にケトン類(ケトン系の溶剤)は好ましい。その中でも2−へプタノンは、遊離酸の発生量が比較的少なく、塗膜性、(C)成分の溶解性の点からも好適である。
なお、エステル系溶剤も非エステル系溶剤も、ともに経時的に分解して酸を副生成するが、前記(D)成分の存在下、あるいは後述の保存安定剤の存在下においては、当該分解反応は抑制される。特にエステル系溶剤においてはその効果が顕著であり、当該(D)成分、保存安定剤の存在下においては、むしろエステル系溶剤が好ましく、特にPGMEAは好適である。
なお、上記分解により副生成する酸成分としては、例えば2−ヘプタノンの場合、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等を生じることが確認されている。
【0080】
有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
有機溶剤は、リフトオフ用レジスト材料の固形分の濃度が5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%となる配合量で用いると、塗布性の点から好ましい。
【0081】
本発明のリフトオフ用レジスト材料には、この他、必要に応じて以下の様な保存安定剤を配合すると好ましい。
保存安定剤を配合することにより、溶剤等に由来する酸成分の発生を抑制することができるので、エステル系の溶剤の使用も可能となる。なお、非エステル系溶剤であっても、多少分解して酸成分を発生する場合があるので、保存安定剤を配合することが好ましい。
当該保存安定剤としては、溶剤の分解反応を抑制する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開昭58−194834号公報に記載されているような酸化防止剤を挙げることができる。酸化防止剤としてはフェノール系化合物とアミン系化合物が知られているが、特にフェノール系化合物が好ましく、中でも2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾール及びその誘導体が、エステル系溶剤、ケトン系溶剤の劣化に対して有効であり、商業的に入手可能、かつ安価であって、さらに保存安定効果に優れる点で好ましい。特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、2−ヘプタノンに対する劣化防止効果に極めて優れる。
配合量は、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜3質量部?、特には0.1〜1.0質量部の範囲であることが好ましい。
【0082】
また、本発明のリフトオフ用レジスト材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて相容性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、界面活性剤、現像した像をより一層可視的にするための着色料、より増感効果を向上させるための増感剤やハレーション防止用染料、密着性向上剤などの慣用の添加物を含有させることができる。
【0083】
(上層用レジスト材料)
上層用レジスト材料はポジ型レジスト組成物であれば特に限定せずに用いることができる。
第1の実施形態例で用いられる上層用レジスト材料は、非化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる。
例えばノボラック系樹脂とジアゾナフトキノン系の感光剤を有機溶剤に溶解してなるノボラック−ナフトキノン系のレジスト組成物が好ましく、i線(365nm)用のノボラック−ナフトキノン系のレジスト組成物が好ましい。
ノボラック樹脂としては、上述の説明と同様のものを用いることができる。
ジアゾナフトキノン系の感光剤としては、特に制限はなく、従来よりレジストの感光性成分として用いられているナフトキノンジアジドエステル化物の中から任意のものを用いることができる。
有機溶剤としては、特に制限はなく、例えばリフトオフ用レジスト材料において用いられるものと同様のものが使用可能である。
【0084】
第2の実施形態例で用いられる上層用レジスト材料は、化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる。
(A’)樹脂成分としては、かかるレジスト組成物に公知のものから適宜選択して用いることができる。
(C’)放射線の照射により酸成分を発生する化合物(酸発生剤)は、露光波長によって選択され、リフトオフ用レジスト材料に含まれる(C)成分と同じ波長の光によって酸成分を発生するものが選ばれる。
有機溶剤はリフトオフ用レジスト材料について説明したものと同様のものを用いることができる。
【0085】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
シリコン基板の上に、下記の組成からなるリフトオフ用レジスト材料をスピンコートし140℃、90秒の条件でベークし、(B)成分の作用によって架橋構造を形成させて、下層レジスト膜(膜厚0.2μm)とした。
この上に下記の組成からなる上層用レジスト材料をスピンコートし、90℃、90秒の条件でベークし、上層レジスト膜(膜厚1μm)とした。
【0086】
リフトオフ用レジスト材料の組成
(A1)成分: 100質量部
スチレン/ヒドロキシスチレン=15/85(モル比)、Mw=2500のヒドロキシスチレン系樹脂とMw=2500のポリヒドロキシスチレン系樹脂との1:1(質量比)混合物
(B)成分: 50質量部
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
(C)成分: 1.25質量部
上記式()で表される酸発生剤
(D)成分 0.2質量部
トリ−n−デシルアミン
【0087】
上記(A1)〜(D)成分をMAK(メチルアミルケトン)に溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、20質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、リフトオフ用レジスト材料1を調製した。なお、当該レジスト材料1のEop感度(シリコン基板上に0.5μm膜厚でレジスト被膜を形成し、i線露光機(製品名『NSR2005i10D』;ニコン社製)を用いて選択的露光を行い、110℃、60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、次いで2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃、60秒の条件で現像したときに1.5μmL&Sのレジストパターンを設定寸法通りに形成するときに要する露光量)は、80mJであった。
【0088】
上層用レジスト材料の組成
i線ポジ型ホトレジスト組成物であるTDMR−AR87(製品名;東京応化工業(株)製)を用いた。なお、当該上層用レジスト材料のEop感度は、115mJであった。
【0089】
ついで、i線露光機(製品名『NSR2005i10D』;ニコン社製)を用いて、上層用レジスト材料のEop露光量条件(115mJ)で、幅1.5μmの繰返しパターンのマスクを用いて露光した。
ついで、110℃、60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃、60秒の条件で現像した。
その結果下層の高さTが0.2μm、幅Wが0.3μm、上層の高さが1μm、幅が1.5μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0090】
(実施例2)
リフトオフ用レジスト材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A2)成分: 100質量部
m−クレゾール/p−クレゾール=4/6(モル比)と、ホルムアルデヒド/サリチルアルデヒド=1/0.3(モル比)とを用いて常法により縮重合反応を行ってノボラック樹脂(Mw5500)
(B)成分: 50質量部
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
(C)成分: 1.25質量部
上記式()で表される酸発生剤
(D)成分: 0.2質量部
トリ−n−デシルアミン
【0091】
上記(A2)〜(D)成分をMAKに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、20質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、リフトオフ用レジスト材料2を調製した。なお、当該レジスト材料2のEop感度は、100mJであった。
その結果、下層の高さTが0.2μm、幅Wが0.4μm、上層の高さが1μm、幅が1.5μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0092】
(実施例3)
リフトオフ用レジスト材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A3)成分: 100質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤に濃度30質量%になるように上記(A2)ノボラック樹脂を攪拌溶解し、窒素雰囲気下で、内温100〜110℃にした後、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを、樹脂固形分100質量部に対して8質量部に相当する量だけ滴下した。
24時間反応後、12時間以上室温にて後攪拌を行い、その後、MIBKから2−ヘプタノンに溶剤置換を行った。
得られた樹脂の質量平均分子量は25000であった。
(C)成分: 1.25質量部
上記式()で表される酸発生剤
(D)成分 0.2質量部
トリ−n−デシルアミン
【0093】
上記(A3)〜(D)成分をMAKに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、20質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、リフトオフ用レジスト材料3を調製した。なお、当該レジスト材料3のEop感度は、100mJであった。
その結果、下層の高さTが0.2μm、幅Wが0.4μm、上層の高さが1μm、幅が1.5μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0094】
(実施例4)
リフトオフ用レジスト材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。
(A4)成分: 100質量部
ヒドロキシスチレン系樹脂[ヒドロキシスチレン−スチレンコポリマー(スチレン構成単位の含有率:10モル%、質量平均分子量2500)]をイオン交換で精製し、γ−ブチロラクトンで溶剤置換し、30質量%濃度に調整した後、酢酸を樹脂固形分に対し0.1%添加し、窒素雰囲気下で内温100〜110℃下で攪拌をしながら、架橋剤(シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)を樹脂固形分100質量部に対して9.5質量部分滴下した。
滴下時の架橋剤濃度は30質量%(γ−ブチロラクトン溶液中)とした。10時間反応後、ピリジン4gを滴下し、更に室温で1時間攪拌した後、2−ヘプタノンに溶解した。これをメタノール/純水で5回洗浄した後、2−ヘプタノン層を分離しそして濃縮して残留するメタノール/水を除去した。
得られた樹脂の質量平均分子量は85563であった。
(C)成分: 1.25質量部
上記式()で表される酸発生剤
(D)成分 0.2質量部
トリ−n−デシルアミン
【0095】
上記(A4)〜(D)成分をMAKに溶解し、さらに界面活性剤としてXR−104(大日本インキ社製)を450ppm配合し、20質量%濃度の溶液に調整した。これを孔径0.1μmのメンブランフィルターにてろ過し、リフトオフ用レジスト材料4を調製した。なお、当該レジスト材料4のEop感度は、80mJであった。
その結果、下層の高さTが0.2μm、幅Wが0.3μm、上層の高さが1μm、幅が1.5μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0096】
(実施例5)
実施例1において、上層用レジスト材料をi線化学増幅型ポジ型ホトレジストであるTDMR−AR68(製品名;東京応化工業(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして実験を行った。なお、当該上層用レジスト材料のEop感度は、200mJであった。
その結果、下層の高さTが0.2μm、幅Wが0.3μm、上層の高さが1μm、幅が1.8μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0097】
(実施例6)
実施例1において、リフトオフ用レジスト材料の膜厚を0.5μmに代えた以外は実施例1と同様にして実験を行った。
その結果、下層の高さTが0.5μm、幅Wが0.6μm、上層の高さが1μm、幅が1.5μmのレジストパターンが形成された。
また、上層のレジストパターンは矩形の形状を呈し、下層とのミキシング現象は確認されなかった。
【0098】
(比較例1)
実施例1において、リフトオフ用レジスト材料の代わりに、上記(A2)樹脂をMAKに溶解し、20質量%濃度としたアルカリ可溶性樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして実験を行った。
その結果、下層の高さTが0.2μm、幅Wが1.2μm、上層の高さが1μm、幅が1.7μmのレジストパターンが形成された。
また、上層と下層との間でインターミキシング現象により、上層のレジストパターンがテーパー形状を呈してしまった。
【0099】
以上の結果より、本発明に係る実施例では、リフトオフ用レジストパターンの下層のサイズを調整可能であることが明らかとなった。
また、インターミキシングも生じなかった。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、リフトオフ用レジストパターンにおいて、下層の寸法制御が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜図1(e)はリフトオフ用レジストパターンとその利用方法を説明した図である。
【符号の説明】
11・・・支持体、
13・・・下層、
13’・・・下層レジスト膜、
14・・・上層、
14’・・・上層レジスト膜、
15・・・レジストパターン。

Claims (8)

  1. (1)リフトオフ用レジスト材料を支持体に塗布し、加熱処理を行って下層レジスト膜を形成する工程と、
    (2)当該下層レジスト膜の上に、非化学増幅型または化学増幅型のポジ型レジスト組成物からなる上層用レジスト材料を塗布し、加熱処理を行って上層レジスト膜を形成する工程と、
    (3)選択的露光を行う工程と、
    (4)PEB(露光後加熱処理)を行う工程と、
    (5)アルカリ水溶液による現像処理を行い、レジストパターンの断面が前記支持体との界面において括れた形状を有するレジストパターンを形成する工程、
    とを有し、
    前記リフトオフ用レジスト材料が、(A)樹脂成分と、(C)放射線の照射により酸成分を発生する化合物と、有機溶剤とを含み、加熱すると架橋構造を形成し、ついで前記(C)成分から発生した酸成分の作用により、アルカリ水溶液に対して難溶性の性質から、アルカリ水溶液に対して可溶性の性質となるものであり、下記(i)、(ii)の一方あるいは両方を満足することを特徴とする、リフトオフ用レジストパターンの形成方法。
    (i)前記(A)成分が(A1)ノボラック樹脂および/またはヒドロキシスチレン系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂を含み、さらに、当該リフトオフ用レジスト材料が、(B)一般式(I)
    Figure 0004173413
    [式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基、または下記一般式(II)
    Figure 0004173413
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数1〜10のアルキレン基を示し、mは0又は1を表す。)
    で表される基のいずれかを示す。]
    で表される化合物を含む、
    (ii)前記(A)成分が、前記(A1)成分と、前記(B)成分との反応生成物を含む。
  2. 前記反応生成物が、(A2)下記一般式(III)で表される構成単位(a1)を有する樹脂である、または、前記構成単位(a1)と下記一般式(IV)で表される分子間架橋部分(a2)とを有する樹脂であることを特徴とする請求項1記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法。
    Figure 0004173413
    [式中、Rは前記と同じであり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。]
    Figure 0004173413
    [式中、R〜R及びnは、前記と同じである。]
  3. 前記反応生成物が、(A3)下記一般式(V)で表される構成単位(a’1)を有する樹脂である、または、前記構成単位(a’1)と下記一般式(VI)で表される分子間架橋部分(a’2)とを有する樹脂であることを特徴とする請求項1記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法。
    Figure 0004173413
    [式中、Rは、前記と同じである。]
    Figure 0004173413
    [式中、Rは、前記と同じである。]
  4. 前記(C)成分がi線(365nm)の照射により酸成分を発生する化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法
  5. 前記リフトオフ用レジスト材料が、(D)塩基性化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法
  6. 前記リフトオフ用レジスト材料が、前記(D)成分を、前記(A)成分100質量部に対し、0.01〜5質量部配合してなることを特徴とする請求項5に記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法
  7. 前記リフトオフ用レジスト材料と前記上層用レジスト材料は、ともにある特定波長の光の照射でアルカリ水溶液に可溶性を示すポジ型の材料であって、前記工程(3)における選択的露光は、当該特定波長の光の照射により行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法。
  8. 前記上層用レジスト材料は、i線(365nm)用のノボラック−ナフトキノン系のレジスト材料であり、前記特定波長は、i線(365nm)であることを特徴とする請求項に記載のリフトオフ用レジストパターンの形成方法。
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