JP4170941B2

JP4170941B2 - 模型用エンジンのスターター

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Publication number: JP4170941B2
Application number: JP2004091181A
Authority: JP
Inventors: 直彦大槻
Original assignee: Kyosho Corp
Current assignee: Kyosho Corp
Priority date: 2004-03-26
Filing date: 2004-03-26
Publication date: 2008-10-22
Anticipated expiration: 2024-03-26
Also published as: CN1673518A; TW200531726A; EP1580423A3; CN100487238C; US6968821B2; JP2005273595A; US20050211216A1; TWI248375B; EP1580423A2

Description

この発明は、例えば、模型自動車を走行させるために模型用エンジンを始動させる際に使用する模型用エンジンのスターターに関するものである。

従来の模型用エンジンのスターターは、スリーブ（ハブ）に設けた切欠のピン押し出しガイド面で起動軸（スターターシャフト）に設けたピンを押し出して起動軸を移動させることにより、模型用エンジンのクランクシャフトに設けた連結器（連結ピン）に、連結板（駆動部）に設けた係合凹部を係合させて模型用エンジンを始動させる。
そして、模型用エンジンが始動すると、連結器が係合凹部の面取り部分を利用して抜け出た後、連結板の傾斜面を押すことにより、起動軸を初期の位置へ戻す（移動させる）構成とされている。
実用新案登録第３０９３３３７号公報

従来の上記した模型用エンジンのスターターはスリーブに切欠が設けられているものの、スリーブにはピン押し出しガイド面しか設けられていないので、起動軸を初期の位置へ戻すために連結板の面取り部分および傾斜面を利用する必要がある。
しかしながら、連結板の係合凹部に面取り加工を施し、連結板に傾斜面を設ける加工は難しく、面倒であり、コストアップを招来する。
また、起動軸を初期の位置へ戻す場合、起動軸の初期位置を設定する機構（鋼球、コイルばね、取付ねじ、貫通した収容孔）を設ける必要がある。
しかしながら、この機構は起動軸に貫通した収容孔を設けなければならないので、起動軸の強度を低下させる恐れがあり、さらに、所定の負荷がかかるまで回転軸を回転しないように保持する付勢手段が設けられていないので、スリーブが回転すると同時に起動軸も回転し、模型用エンジンを始動させることができなくなる恐れがある。
また、模型用エンジンをスタートさせた後、連結器によって起動軸がクランクシャフトと一体となって回転する期間があるので、その期間は模型用エンジンにパワーロスが発生する。

この発明の模型用エンジンスターターは前記した課題を解決せんとするもので、請求項１記載の発明は、回転駆動機構と、この回転駆動機構によって回転させられる回転体と、この回転体と一体的に同軸で回転し、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド傾斜溝が設けられたハブと、このハブを回転可能に貫通するスターターシャフトと、このスターターシャフトに取り付けられ、前記ガイド傾斜溝を形成するガイド前面、ガイド後面に沿って前記ハブの軸方向へ移動するピンと、前記スターターシャフトの先端に設けられ、模型用エンジンのクランクシャフトに設けられた連結ピンに係脱する駆動部とを備え、前記ガイド傾斜溝の前記連結ピンから遠いガイド後面は、前記軸心に対して所定角度で傾斜したガイド傾斜後面と、このガイド傾斜後面の前記連結ピン側に連なる前記軸心と平行な平行面とを備えていることを特徴とし、請求項２の手段は、前記した請求項１において、前記スターターシャフトにＤカット部を設け、このＤカット部を含む前記スターターシャフトの周面に摺接するボールを設けるとともに、このボールを前記Ｄカット部を含む前記スターターシャフトの周面へ付勢し、前記駆動部に抵抗が与えられないときに前記ハブと前記スターターシャフトとが一緒に回転するのを防止する付勢手段を設けたことを特徴とし、請求項３の手段は、前記した請求項１において、前記駆動部を突起にしたことを特徴とし、請求項４の手段は、前記した請求項１において、前記回転駆動機構を、前記回転体を回転させるスターターロープと、このスターターロープを引き出すときに前記回転体の周面へ前記スターターロープを巻き戻す付勢力を蓄積する戻しぜんまいばねとで構成したことを特徴とし、請求項５の手段は、前記した請求項１において、前記回転駆動機構を、モーターと、このモーターの回転力を前記回転体へ伝達する伝達機構とで構成したことを特徴とする。

この発明によれば、スターターシャフトに取り付けたピンを案内するガイド前面、ガイド後面をハブに設けたので、模型用エンジンが始動すると、ピンがガイド前面に沿って移動することにより、駆動部と連結ピンとの係合が素早く解除される。
したがって、模型用エンジンにパワーロスの発生する時期がなくなる。
そして、ガイド傾斜溝の連結ピンから遠いガイド後面に軸と平行な平行面を設けたので、ガイド傾斜溝が開放していなくても、回転駆動機構の駆動力を確実に模型用エンジンのクランクシャフトへ伝達することができる。
また、ボールを付勢手段で付勢してＤカット部を含むスターターシャフトの周面へ押し付けているので、駆動部が模型用エンジンのクランクシャフトに設けられた連結ピンに係合して駆動力を伝達するまで、すなわち、駆動部に抵抗が与えられないときにハブとスターターシャフトとが一緒に回るのを防止できる。
したがって、スターターシャフトを確実に移動させて模型用エンジンを確実に始動させることができる。
また、回転駆動機構を、回転体を回転させるスターターロープと、このスターターロープを引き出すときに回転体の周面へスターターロープを巻き戻す戻しぜんまいばねとで構成したので、スターターロープを引き出して模型用エンジンの始動に失敗した場合、スターターロープへの引き出す力を解除すると、戻しぜんまいばねがスターターロープを回転体の周面へ巻き付けるとともに、ハブを、模型用エンジンを始動させる方向と反対方向へ回転させる。
したがって、ガイド傾斜溝を形成するガイド後面のガイド傾斜後面と対向するガイド前面がピンを初期の位置へ戻すので、再度スターターロープを引き出すことにより、模型用エンジンを始動させることができる。

図１はこの発明の一実施例である模型用エンジンのスターターの分解斜視図、図１に示したハブ、スターターシャフト、ピン、ボールなどを示す拡大斜視図、図３および図４は図１に示した各部品を組み立てて模型用エンジンに取り付けた状態の断面図である。
なお、図３の状態は模型用エンジンを始動させる前の状態を示し、図４は模型用エンジンを始動させている状態を示す。

図１において、模型用エンジンＥを始動させる一実施例のスタータＳは、ハウジング１１と、回転駆動機構３１と、この回転駆動機構３１によって回転させられる回転体としてのプーリー４１と、このプーリー４１と一体的に同軸で回転し、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド傾斜溝５３が設けられたハブ５１と、このハブ５１を回転可能に貫通するスターターシャフト６１と、このスターターシャフト６１に取り付けられ、ガイド傾斜溝５３を形成するガイド前面５４およびガイド後面５５に沿ってハブ５１の軸方向へ移動するピン７１と、スターターシャフト６１の先端に設けられ、模型用エンジンＥのクランクシャフトＣに設けられた連結ピンＰに係脱する駆動部としての突起６４と、スターターシャフト６１に設けたＤカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面に摺接する、ハウジング１１のねじ孔２２に収容されたボール８１と、このボール８１を、Ｄカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面へ付勢し、突起６４に抵抗が与えられないときにハブ５１とスターターシャフト６１とが一緒に回転するのを防止する付勢手段と、Ｏリング９１とで構成されている。

上記したハウジング１１は、前側ハウジング部分１２と、この前側ハウジング部分１２に対応する後側ハウジング部分２３と、結合筒２９と、前側ハウジング部分１２に後側ハウジング部分２３を固定する固定ねじ３０とで構成されている。
そして、前側ハウジング部分１２は、前側有底半円筒部１３と、この前側有底半円筒部１３に接線方向へ連設された前側半円筒部１７と、この前側半円筒部１７に同軸で連設された前側細径半円筒部１８と、前側有底半円筒部１３と同軸に連設された円柱部１９とで構成されている。
上記した前側有底半円筒部１３には、中心に円柱部１９をも貫通する断面円形の貫通孔１４と、ハウジング１１を模型用エンジンＥへ取り付けるための取付孔１５と、後側ハウジング部分２３を前側有底半円筒部１３に固定するためのねじ孔１６とが設けられている。
また、円柱部１９には、図３および図４に示すように、前側有底半円筒部１３と反対側に貫通孔１４と同軸の円柱状凹部２０と、外周に周回するＯリング収容溝２１と、このＯリング収容溝２１から貫通孔１４へ到達するねじ孔２２とが設けられている。

次に、後側ハウジング部分２３は、後側有底半円筒部２４と、この後側有底半円筒部２４に接線方向へ連設され、前側半円筒部１７に対応する後側半円筒部２７と、この後側半円筒部２７に同軸で連設され、前側細径半円筒部１８に対応する後側細径半円筒部２８とで構成されている。
上記した後側有底半円筒部２４には、図示が省略されているが、後述する戻しぜんまいばね３４の外側係合部３４ａを係止させる戻しぜんまいばね外側係止部（２５）が内周に設けられ、前側有底半円筒部１３に固定するための取付孔２６がねじ孔１６に対応させて設けられている。
なお、結合筒２９の内径は前側細径半円筒部１８と後側細径半円筒部２８とを当接させた外径で、結合筒２９の外径は前側半円筒部１７と後側半円筒部２７とを当接させた外径である。

次に、回転体としてのプーリー４１を回転させる回転駆動機構３１は、プーリー４１に一端が取り付けられ、プーリー４１を回転させるスターターロープ３２と、このスターターロープ３２の他端に取り付けられる把持部３３と、スターターロープ３２を引き出すときにプーリー４１の周面へスターターロープ３２を巻き戻す付勢力を蓄積する戻しぜんまいばね３４とで構成されている。
そして、戻しぜんまいばね３４には、内側にプーリー４１の戻しぜんまいばね内側係止部（４３）に係合する内側係合部３４ａが設けられ、外側にハウジング１１の戻しぜんまいばね外側係止部（２５）に係合する外側係合部３４ｂが設けられている。

次に、回転体としてのプーリー４１には、ハブ５１を回転しないように取り付ける貫通する取付孔４２が中心に設けられ、この貫通孔４２の一方の端（後端）に対応させて戻しぜんまいばね３４の内側係合部３４ａを係止させる戻しぜんまいばね内側係止部（４３）が設けられ、周回するスターターロープ収容溝４４が外周に設けられ、図示が省略されているが、スターターロープ収容溝４４の一部にスターターロープ取付部（４５）が設けられている。

次に、ハブ５１には、スターターシャフト６１が回転可能に貫通する貫通孔５２が中心に設けられ、ガイド傾斜溝５３が設けられている。
そして、ガイド傾斜溝５３は、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド前面（ガイド傾斜前面）５４と、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド後面５５とを有している。
そして、ガイド後面５５は、軸心に対して所定角度で傾斜したガイド傾斜後面５５ａと、このガイド傾斜後面５５ａの連結ピンＰ側に連なる、軸心と平行な平行面５５ｂとを備えている。

次に、スターターシャフト６１には、Ｄカット部６２が軸方向に所定長設けられ、このＤカット部６２の後側にピン７１を取り付ける取付穴６３（非貫通）が設けられるとともに、先端（前端）に突起６４が一体的に設けられている。
そして、突起６４には、連結ピンＰが入る凹部６４ａが設けられている。

次に、付勢手段は、ハウジング１１のねじ孔２２内に収容されたボール８１を、Ｄカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面へ付勢するコイルばね８６と、ねじ孔２２に螺合し、コイルばね８６の付勢力を調整できるねじ８７とで構成されている。

次に、スタータＳの組立について説明する。
ます、前側ハウジング部分１２を構成する円柱部１９側から貫通孔１４内へスターターシャフト６１の突起６４と反対側を挿入する。
そして、ねじ孔２２内へボール８１、コイルばね８６の順で入れ、ねじ孔２２にねじ８７を螺合させることにより、ねじ孔２２からボール８１およびコイルばね８６が抜け出るのを防止するとともに、ボール８１のスターターシャフト６１への付勢力を調整する。
このように、ねじ孔２２内へボール８１、コイルばね８６を入れ、ねじ８７で蓋をした状態で、前側ハウジング部分１２に対してスターターシャフト６１を回転させ、ボール８１をＤカット部６２へ落とし込むと、前側ハウジング部分１２に対してスターターシャフト６１が抜け落ちなくなる。

次に、前側ハウジング部分１２のＯリング収容溝２１にＯリング９１を収容させる。
この状態で、前側ハウジング部分１２の円柱部１９側を模型用エンジンＥへ差し込み、Ｏリング９１で前側ハウジング部分１２と模型用エンジンＥとの間をシールする。
そして、４つの取付孔１５へそれぞれ図示を省略した取付ねじを挿入して取付ねじのねじ部分を模型用エンジンＥのねじ穴に螺合させることにより、前側ハウジング部分１２を模型用エンジンＥに固定する。

次に、円柱部１９および前側有底半円筒部１３を貫通したスターターシャフト６１の取付穴６３へピン７１を、図２に示すように、落ちないように挿入した後、スターターシャフト６１の後側を、ガイド傾斜溝５３の開放部分を前側にして貫通孔５２内へ挿入し、ピン７１をガイド傾斜溝５３内へ挿入し、ハブ５１を前側有底半円筒部１３に当接させる。
この状態で、図１に示すように、スターターロープ収容溝４４にスターターロープ３２を巻き付けたプーリー４１の取付孔４２内へハブ５１を挿入して取り付け、スターターロープ３２のプーリー４１に巻き付けてない部分を前側半円筒部１７、前側細径半円筒部１８内に位置させる。

そして、所定の治具を使用して戻しぜんまいばね３４の内側係合部３４ａをプーリー４１の戻しぜんまいばね内側係止部４４に係止させ、戻しぜんまいばね３４の外側係合部３４ｂを後側有底半円筒部２４の戻しぜんまいばね外側係止部（２５）に係止させるとともに、後側半円筒部２７を前側半円筒部１７に当接させるとともに、後側細径半円筒部２８を前側細径半円筒部１８に当接させる。
この状態では、戻しぜんまいばね３４にスターターロープ３２を巻き戻す付勢力が蓄積されている。

次に、２つの取付孔２６へそれぞれ固定ねじ３０を挿入して固定ねじ３０のねじ部分を前側有底半円筒部１３のねじ孔１６に螺合させることにより、後側ハウジング部分２３を前側ハウジング部分１２に固定する。
そして、結合筒２９内へ当接させた前側細径半円筒部１８と後側細径半円筒部２８とを挿入し、前側細径半円筒部１８と後側細径半円筒部２８とを分離しないように結合筒２９に保持することにより、図３に示すように、スターターＳの組立が終了する。

次に、模型用エンジンＥの始動（動作）について説明する。
まず、図３に示すように、スターターロープ３２がプーリー４１に巻き込まれている状態で、スターターロープ３２を引き出すと、プーリー４１が回転させられることにより、ハブ５１も回転し、戻しぜんまいばね３４にスターターロープ３２を巻き戻す付勢力が蓄積される。
このようにハブ５１が回転しても、スターターシャフト６１はコイルばね８６で付勢されたボール８１によってハブ５１と一緒に回転するのを防止されているので、ピン７１がガイド傾斜後面５５ａで押されて前進、すなわち、模型用エンジンＥの連結ピンＰ側へ移動する。

そして、図４に示すように、突起６４がクランクシャフトＣに当接して連結ピンＰに係合し、連結ピンＰが突起６４の凹部６４ａ内に収まると、ピン７１が平行面５５ｂに当接し、スターターシャフト６１に負荷がかかるので、プーリー４１およびハブ５１とともにスターターシャフト６１も回転し、クランクシャフトＣを回転させ、模型用エンジンＥを始動させる。
なお、模型用エンジンＥが始動すると、クランクシャフトＣの回転がハブ５１の回転よりも速くなるので、すなわち、ハブ５１の回転がクランクシャフトＣの回転よりも遅くなるので、ピン７１がガイド傾斜溝５３のガイド前面（ガイド傾斜前面）５４に案内されることにより、スターターシャフト６１を強制的にクランクシャフトＣから離れる方向へ移動（後退）させ、突起６４を連結ピンＰに係合しないように強制的に初期位置へ引き離す。

したがって、模型用エンジンＥが始動した後にスターターロープ３２を引き出す力を解除すると、戻しぜんまいばね３４に蓄積された付勢力でスターターロープ３２はプーリー４１に巻き取られ、次の模型用エンジンＥの始動に備える。
なお、模型用エンジンＥの始動に失敗した場合、戻しぜんまいばね３４に蓄積された付勢力でスターターロープ３２をプーリー４１に巻き取る際、ハブ５１が模型用エンジンＥを始動させる方向と反対方向へ回転させられることにより、ピン７１がガイド傾斜溝５３のガイド前面（ガイド傾斜前面）５４に案内され、スターターシャフト６１を強制的にクランクシャフトＣから離れる方向へ移動（後退）させて初期の位置へ戻すので、次の模型用エンジンＥの始動に備えることができる。

上述したように、この発明の一実施例によれば、スターターシャフト６１に取り付けたピン７１を案内するガイド前面（ガイド傾斜前面）５４、ガイド後面５５をハブ５１に設けたので、模型用エンジンＥが始動すると、ピン７１がガイド前面５４に沿って移動することにより、突起６４と連結ピンＰとの係合が素早く解除される。
したがって、模型用エンジンＥにパワーロスの発生する時期がなくなる。
そして、ガイド傾斜溝５３の連結ピンＰから遠いガイド後面５５に軸と平行な平行面５５ｂを設けたので、回転駆動機構３１の駆動力を確実に模型用エンジンＥのクランクシャフトＣへ伝達することができる。

また、ボール８１をコイルばね８６およびねじ８７で付勢してＤカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面へ押し付けているので、突起６４が模型用エンジンＥのクランクシャフトＣに設けられた連結ピンＰに係合して駆動力を伝達するまで、すなわち、突起６４に抵抗が与えられないときにハブ５１とスターターシャフト６１とが一緒に回るのを防止できる。
したがって、スターターシャフト６１を確実に移動させて模型用エンジンＥを確実に始動させることができる。

また、回転駆動機構３１を、プーリー４１を回転させるスターターロープ３２と、このスターターロープ３２を引き出すときにプーリー４１の周面へスターターロープ３２を巻き戻す戻しぜんまいばね３４とで構成したので、スターターロープ３２を引き出して模型用エンジンＥの始動に失敗した場合、スターターロープ３２への引き出す力を解除すると、戻しぜんまいばね３４がスターターロープ３２をプーリー４１の周面へ巻き付けるとともに、ハブ５１を、模型用エンジンＥを始動させる方向と反対方向へ回転させる。
したがって、ガイド傾斜溝５３を形成するガイド後面５５のガイド傾斜後面５５ａと対向するガイド前面（ガイド傾斜前面）５４がピン７１を初期の位置へ戻すので、再度スターターロープ３２を引き出すことにより、模型用エンジンＥを確実に始動させることができる。

図５はこの発明の他の実施例である模型用エンジンのスターターの分解斜視図である。

図５において、模型用エンジンＥを始動させる他の実施例のスタータＳは、ハウジング１１１と、回転駆動機構１３１と、この回転駆動機構１３１によって回転させられる回転体としての歯車１４１と、この歯車１４１と一体的に同軸で回転し、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド傾斜溝５３が設けられたハブ５１と、このハブ５１を回転可能に貫通するスターターシャフト６１と、このスターターシャフト６１に取り付けられ、ガイド傾斜溝５３を形成するガイド前面５４およびガイド後面５５に沿ってハブ５１の軸方向へ移動するピン７１と、スターターシャフト６１の先端に設けられ、模型用エンジンＥのクランクシャフトＣに設けられた連結ピンＰに係脱する駆動部としての突起６４と、スターターシャフト６１に設けたＤカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面に摺接する、ハウジング１１１のねじ孔１２２に収容されたボール８１と、このボール８１を、Ｄカット部６２を含むスターターシャフト６１の周面へ付勢し、突起６４に抵抗が与えられないときにハブ５１とスターターシャフト６１とが一緒に回転するのを防止する付勢手段（コイルばね８６、ねじ８７）と、Ｏリング９１とで構成されている。

なお、ハウジング１１１、回転駆動機構１３１および歯車１４１を除いたハブ５１〜Ｏリング９１は、図１〜図４と同じ構成なので、その詳しい説明を省略する。
そして、ハウジング１１１におけるハウジング１１と同じ機能を有するものには、ハウジング１１の対応する符号を付してその説明を省略する場合がある。

上記したハウジング１１１（１１）は、平板状の前側ハウジング部分１１２（１２）と、この前側ハウジング部分１１２に対応する後側有底筒部分１２３（２３）と、前側ハウジング部分１１２に後側有底筒部分１２３を固定する固定ねじ１３０（３０）とで構成されている。
そして、前側ハウジング部分１１２には、円柱部１１９（１９）が設けられている。
上記した前側ハウジング部分１１２には、円柱部１１９をも貫通する断面円形の貫通孔１１４（１４）と、ハウジング１１１を模型用エンジンＥへ取り付けるための取付孔１１５（１５）と、後側有底筒部分１２３を前側ハウジング部分１１２に固定するためのねじ孔を有するボス１１６（１６）とが設けられている。
また、円柱部１１９には、図示が省略されているが、後側有底筒部分１２３と反対側に貫通孔１１４と同軸の円柱状凹部（１２０）（２０）と、外周に周回するＯリング収容溝（１２１）（２１）と、このＯリング収容溝（１２１）から貫通孔１１４へ到達するねじ孔（１２２）（２２）とが設けられている。
なお、１１７は、ねじ孔１２２が設けられた位置よりも後側の貫通孔１１４に軸方向へ移動しない状態で取り付けられるベアリングを示し、貫通孔１１４からのスターターシャフト６１が挿入される。

次に、後側有底筒部分１２３には、後側有底筒部分１２３を前側ハウジング部分１１２に固定するためのねじ孔１２６（２６）がねじ孔１１６に対応させて設けられている。

次に、回転駆動機構１３１（３１）は、前側ハウジング部分１１２に取り付けられたモーター１３２と、このモーター１３２の回転力を歯車１４１へ減速して伝達する伝達機構１３３とで構成されている。

次に、回転体としての歯車１４１には、ハブ５１を回転しないように取り付ける貫通する取付孔１４２（４２）が設けられている。

この実施例におけるスタータＳの組立、模型用エンジンＥの始動（動作）について説明は、先の実施例と同様になるので、その説明をする。
そして、この実施例においても、先の実施例と同様な効果を得ることができる。

上記した実施例では、組立を容易に行えるように、ガイド傾斜溝５３の一端（前端）を開放させた例を示したが、ガイド傾斜溝を閉じた状態に形成してもよい。
なお、ガイド傾斜溝を閉じた状態に形成した場合は、ピン７１を、ガイド傾斜溝から取付穴６３へ挿入して取り付ければよい。
また、突起６４をスターターシャフト６１に一体的に設けて強度を確保した例を示したが、駆動部の強度が確保できれば、別体構成のものをスターターシャフト６１に取り付けてもよい。

この発明の一実施例である模型用エンジンのスターターの分解斜視図である。図１に示したハブ、スターターシャフト、ピン、ボールなどを示す拡大斜視図である。図１に示した各部品を組み立てて模型用エンジンに取り付けた状態の断面図である。図１に示した各部品を組み立てて模型用エンジンに取り付けた状態の断面図である。この発明の他の実施例である模型用エンジンのスターターの分解斜視図である。

符号の説明

Ｓスターター
１１ハウジング
１２前側ハウジング部分
１３前側有底半円筒部
１４貫通孔
１５取付孔
１６ねじ孔
１７前側半円筒部
１８前側細径半円筒部
１９円柱部
２０円柱状凹部
２１Ｏリング収容溝
２２ねじ孔
２３後側ハウジング部分
２４後側有底半円筒部
２６取付孔
２７後側半円筒部
２８後側細径半円筒部
２９結合筒
３０固定ねじ
３１回転駆動機構
３２スターターロープ
３３把持部
３４戻しぜんまいばね
３４ａ内側係合部
３４ｂ外側係合部
４１プーリー（回転体）
４２取付孔
４４スターターロープ収容溝
５１ハブ
５２貫通孔
５３ガイド傾斜溝
５４ガイド前面
５５ガイド後面
５５ａガイド傾斜後面
５５ｂ平行面
６１スターターシャフト
６２Ｄカット部
６３取付穴
６４突起（駆動部）
６４ａ凹部
７１ピン
８１ボール
８６コイルばね（付勢手段）
８７ねじ（付勢手段）
９１Ｏリング
１１１ハウジング
１１２前側ハウジング部分
１１４貫通孔
１１５取付孔
１１６ボス
１１７ベアリング
１１９円柱部
１２０円柱状凹部
１２１Ｏリング収容溝
１２２ねじ孔
１２３後側有底筒部分
１２６取付孔
１３０固定ねじ
１３１回転駆動機構
１３２モーター
１３３伝達機構
１４１歯車（回転体）
１４２取付孔
Ｅ模型用エンジン
Ｃクランクシャフト
Ｐ連結ピン

Claims

回転駆動機構と、
この回転駆動機構によって回転させられる回転体と、
この回転体と一体的に同軸で回転し、軸心に対して所定角度で傾斜するガイド傾斜溝が設けられたハブと、
このハブを回転可能に貫通するスターターシャフトと、
このスターターシャフトに取り付けられ、前記ガイド傾斜溝を形成するガイド前面、ガイド後面に沿って前記ハブの軸方向へ移動するピンと、
前記スターターシャフトの先端に設けられ、模型用エンジンのクランクシャフトに設けられた連結ピンに係脱する駆動部とを備え、
前記ガイド傾斜溝の前記連結ピンから遠いガイド後面は、前記軸心に対して所定角度で傾斜したガイド傾斜後面と、このガイド傾斜後面の前記連結ピン側に連なる前記軸心と平行な平行面とを備えていることを特徴とする模型用エンジンのスターター。
前記スターターシャフトにＤカット部を設け、このＤカット部を含む前記スターターシャフトの周面に摺接するボールを設けるとともに、このボールを前記Ｄカット部を含む前記スターターシャフトの周面へ付勢し、前記駆動部に抵抗が与えられないときに前記ハブと前記スターターシャフトとが一緒に回転するのを防止する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項１記載の模型用エンジンのスターター。
前記駆動部を突起にしたことを特徴とする請求項１記載の模型用エンジンのスターター。
前記回転駆動機構を、前記回転体を回転させるスターターロープと、このスターターロープを引き出すときに前記回転体の周面へ前記スターターロープを巻き戻す付勢力を蓄積する戻しぜんまいばねとで構成したことを特徴とする請求項１記載の模型用エンジンのスターター。
前記回転駆動機構を、モーターと、このモーターの回転力を前記回転体へ伝達する伝達機構とで構成したことを特徴とする請求項１記載の模型用エンジンのスターター。