JP4162559B2 - 作業車の作業用伝動構造 - Google Patents

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本発明は、エンジンからの動力をPTO軸に伝達する作業伝動系に油圧式のPTOクラッチとPTOブレーキとを介装し、前記PTOクラッチの切り操作に連動して前記PTOブレーキが制動操作され、前記PTOクラッチの入り操作に連動して前記PTOブレーキが制動解除操作されるように構成してある作業車の作業用伝動構造に関する。
作業車の作業用伝動構造において、エンジンからの動力をPTO軸に伝達する作業伝動系に油圧式のPTOクラッチのみを介装すると、PTOクラッチを切り操作した際に、PTO軸に連結した作業装置がその慣性で作動を継続する不都合が生じる。又、PTOクラッチを多板式に構成した場合には、PTOクラッチを切り操作した際に、そのPTOクラッチを介して作業装置が連れ回りする不都合が生じ易くなる。
そこで、作業伝動系に油圧式のPTOクラッチとPTOブレーキとを介装するとともに、PTOクラッチの切り操作に連動してPTOブレーキが制動操作され、かつ、PTOクラッチの入り操作に連動してPTOブレーキが制動解除操作されるように構成することで、PTOクラッチを入り操作した作業状態では、PTO軸に連結された作業装置の駆動を良好に行えるようにしながら、PTOクラッチを切り操作した非作業状態において、作業装置が、その慣性で作動を継続する不都合や、多板式のPTOクラッチを介して連れ回りする不都合の発生を防止している。
ところで、上記のようにPTOクラッチの切り操作時における作業装置の慣性作動や連れ回りを防止する上において、従来では、PTOブレーキを、PTOクラッチの切り操作に連動して、制動作用部としての単一の摩擦部材を固定側制動部材に圧接して制動する単板式に構成していた(例えば特許文献1参照)。
特開平6−297971号公報(段落番号0009、図3、図4、図13)
近年では、作業能力の向上を図るために、PTO軸で駆動される作業装置として、例えば作業幅の広い耕耘装置や3枚ブレードのモーアなどの出力の大きい作業装置を連結装備することが望まれており、このような要望に応えるためには、その出力の大きい作業装置の慣性作動を確実に防止できる大きい制動力を有するPTOブレーキを装備する必要がある。
しかしながら、上述した単板式のPTOブレーキにおいて制動力の向上を図るためには、その摩擦部材及び固定側制動部材に大径のものを採用する必要があるのに対し、作業伝動系に介装されるPTOブレーキの周りには、作業伝動系の構成部品や、エンジンからの動力を駆動輪に伝達する走行伝動系の構成部品などが近接配備されることから、PTOブレーキの摩擦部材及び固定側制動部材に大径のものを採用することが難しく、大径のものを採用する場合には、PTOブレーキが装備される作業伝動系の伝動軸と、この伝動軸に隣接する作業伝動系や走行伝動系の各伝動軸との軸間距離を大きくするなどの伝動系の配置に大きな変更を加える必要があり、又、その変更に応じた多くの新規部品を手配し、新たな組み付け手順で組み付けを行う必要があることから、伝動系の配置設定などにかなりの労力を要するとともにコストや製造の面で不利になる。
本発明の目的は、伝動系の配置に大きな変更を加えることなく、出力の大きい作業装置の慣性作動や連れ回りを防止できる大きい制動力を有するPTOブレーキを装備できるようにして、コストや製造などの面などで不利にすることなく、出力の大きい作業装置を連結装備することよる作業能力の向上を図れるようにすることにある。
上記の課題を解決するための手段として、本発明では、エンジンからの動力をPTO軸に伝達する作業伝動系に油圧式のPTOクラッチとPTOブレーキとを介装し、前記PTOクラッチの切り操作に連動して前記PTOブレーキが制動操作され、前記PTOクラッチの入り操作に連動して前記PTOブレーキが制動解除操作されるように構成してある作業車の作業用伝動構造において、前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを、多数の摩擦板を備える多板式で、軸に嵌合する内筒と摩擦板を収容する外筒とこれらをクラッチ側とブレーキ側とに二分する隔壁とが一体形成された単一のハウジングを共用する一体型に構成するとともに、前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを支承する軸に、当該軸と相対回転可能なギヤと相対回転不能なギヤとで構成された一対のギヤを装着し、前記一対のギヤ同士の間に前記ハウジングを配設し、前記PTOクラッチは前記相対回転可能なギヤと一体に形成され外筒の内側に挿入されたインナードラム及び外筒のそれぞれに支持された摩擦板により構成し、前記PTOブレーキを前記内筒に回転自在に支持され制動用のアームを備えたインナードラム及び外筒のそれぞれに支持された摩擦板により構成し、前記相対回転不能なギヤの外径を制動用のインナードラムに備えた前記アームが相対回転不能なギヤの径方向外方を通って外方に延出できるように外筒よりも小径に形成するとともに前記ハウジングの前記隔壁から前記相対回転不能なギヤ側の内筒の長さよりも前記隔壁から前記相対回転不能なギヤ側の外筒の長さを短くして制動用の前記アームを相対回転不能なギヤと外筒との間から外方に延出し、この延出端を固定用の係止部に係止されるように構成してある。
この構成によると、PTOクラッチの切り操作に連動してPTOブレーキが制動操作され、かつ、PTOクラッチの入り操作に連動してPTOブレーキが制動解除操作されることから、PTOクラッチを入り操作した作業状態では、PTO軸に連結された作業装置を良好に駆動させることができ、PTOクラッチを切り操作した非作業状態では、作業装置が、その慣性で作動を継続する不都合や、多板式のPTOクラッチを介して連れ回りする不都合の発生を防止できる。
又、PTOブレーキが多板式であることから、作業能力の向上を図るために、PTO軸で駆動される作業装置として、例えば作業幅の広い耕耘装置や3枚ブレードのモーアなどの出力の大きい作業装置を連結装備した場合であっても、PTOブレーキに装備する摩擦板の枚数を増やすことで、PTOブレーキが装備される作業伝動系の伝動軸と、この伝動軸に隣接する作業伝動系や走行伝動系の各伝動軸との軸間距離を大きくするなどの伝動系の配置に大きな変更を加えることなく、その出力の大きい作業装置の慣性作動を確実に防止できる大きい制動力を得ることができる。
しかも、PTOクラッチとPTOブレーキとを単一のハウジングを共用する一体型に構成することから、それぞれ専用のハウジングを装備する場合に比較して部品点数を削減でき、その分、部品管理や製造などが行い易くなるとともにコストの削減を図れる。又、それらPTOクラッチ及びPTOブレーキの組み付けは、広い作業領域で、単一のハウジングに対するPTOクラッチの複数の摩擦板やPTOブレーキの複数の摩擦板などの取り付けを前もって行った後に、その取り付けによって一体化したPTOクラッチ及びPTOブレーキを作業伝動系に組み付けることで比較的簡単に行え、その上、PTOクラッチとPTOブレーキとを個別に組み付ける場合に比較して、PTOクラッチとPTOブレーキとを円滑に連動させるための連係を容易に行える。
つまり、PTOクラッチを切り操作した非作業状態における作業装置の慣性作動や連れ回りを防止する上において、単にPTOブレーキを装備するだけなく、そのPTOブレーキを、PTOクラッチとともに多板式に構成し、更に、PTOクラッチとハウジングを共用するPTOクラッチとの一体構造とすることで、部品点数の削減や組み付け性の向上が図られた部品管理やコスト及び製造などの面で有利なものにできる上に、出力の大きい作業装置を連結装備して作業能力の向上を図る場合であっても、伝動系の配置に大きな変更を加えることなく、その出力の大きい作業装置の慣性作動や連れ回りを確実に防止できる。
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを、バネの付勢によるその付勢方向へのピストンの移動で、前記PTOクラッチの各摩擦板が離間する一方で前記PTOブレーキの各摩擦板が圧接され、かつ、油圧による前記バネの付勢に抗する方向への前記ピストンの移動で、前記PTOクラッチの各摩擦板が圧接される一方で前記PTOブレーキの各摩擦板が離間するように構成してある。
この構成によると、作動油のリークなどに起因して油圧が低下した場合には、バネの付勢によってPTOクラッチが切り操作され、かつ、PTOブレーキが制動操作されることから作業装置が停止する。これに対し、バネの付勢でPTOクラッチが入り操作され、かつ、PTOブレーキが制動解除操作されるように構成した場合には、作動油のリークなどに起因して油圧が低下すると、バネの付勢によってPTOクラッチが入り操作され、かつ、PTOブレーキが制動解除操作されることから作業装置が作動する。
つまり、作動油のリークなどに起因して作業装置が不測に作動することを防止できる。
又、バネ及びピストンをPTOクラッチとPTOブレーキとに共用することから、それぞれ専用のものを装備する場合に比較して部品点数を削減でき、その分、部品管理や製造が行い易くなるとともにコストの削減を図れる。
つまり、部品管理やコスト及び製造などの面で更に有利にできる。
図1には作業車の一例であるトラクタの全体側面が示されており、このトラクタは、エンジン1に前部フレーム2やミッションケース3などを連結して主フレーム4を形成し、その主フレーム4にエンジン1からの動力で駆動される左右一対の前輪5と後輪6とを装備し、それら前後の車輪5,6間に前輪操向用のステアリングホイール7や運転座席8などを配備して搭乗運転部9を形成することによって構成されている。
図2に示すように、エンジン1からの動力は、主クラッチ10などを介して走行用の主変速装置として装備された静油圧式無段変速装置11の入力軸12に伝達され、静油圧式無段変速装置11の出力軸13から出力された静油圧式無段変速装置11による変速後の動力が、走行用の副変速装置として装備されたギヤ式変速装置14に伝達され、ギヤ式変速装置14による変速後の動力が、後輪用の差動装置15などを介して左右の後輪6に伝達され、かつ、油圧式の前輪変速装置16及び前輪用の差動装置17などを介して左右の前輪5に伝達される。
つまり、静油圧式無段変速装置11、走行用のギヤ式変速装置14、後輪用の差動装置15、前輪変速装置16、及び前輪用の差動装置17などによって、エンジン1からの動力を走行用として左右の前輪5及び後輪6に伝達する走行伝動系18が構成されている。
静油圧式無段変速装置11の入力軸12にはギヤ式減速装置19が連結されており、静油圧式無段変速装置11の入力軸12に伝達されたエンジン1からの動力が、そのまま入力軸12からギヤ式減速装置19に伝達され、ギヤ式減速装置19による減速後の動力が作業用のギヤ式変速装置20に伝達され、そのギヤ式変速装置20による変速後の動力が、作業動力取り出し用のPTO軸21の一例としてミッションケース3の後端部に配備したリヤPTO軸22に伝達され、かつ、ギヤ式変速装置20からの高速動力が、PTO軸21の一例としてミッションケース3の後底部に配備したミッドPTO軸23に、作業用の補助クラッチ24を介して伝達される。
つまり、静油圧式無段変速装置11の入力軸12、ギヤ式減速装置19、作業用のギヤ式変速装置20、及び補助クラッチ24などによって、静油圧式無段変速装置11の入力軸12から出力された無変速動力を作業用動力としてリヤPTO軸22及びミッドPTO軸23に伝達する作業伝動系25が構成されている。
図2及び図3に示すように、ギヤ式減速装置19は、静油圧式無段変速装置11の入力軸12にスプライン嵌合された第1ギヤ26、第1ギヤ26に噛合する第2ギヤ27、第2ギヤ27を相対回動可能に支持する第1軸28、第1軸28にスプライン嵌合された第3ギヤ29、及び、第1ギヤ26を相対回動可能に支持するとともに第3ギヤ29に噛合する第4ギヤ30が一体形成された第2軸31、などによって構成され、第1軸28における第2ギヤ27と第3ギヤ29との間に、油圧式のPTOクラッチ32とPTOブレーキ33とが介装されている。
PTOクラッチ32は、第2ギヤ27に一体形成されたインナードラム34にスプライン嵌合される駆動側の摩擦板35と、第1軸28と一体回動するハウジング36に一体形成されたアウタードラム37にスプライン嵌合される従動側の摩擦板38とを、それぞれ複数備える多板式に構成されている。PTOブレーキ33は、ハウジング36に相対回転可能に支持されたインナードラム39にスプライン嵌合される制動側の摩擦板40と、ハウジング36に一体形成されたアウタードラム41にスプライン嵌合される被制動側の摩擦板42とを、それぞれ複数備える多板式に構成されている。
ハウジング36は、第1軸28にスプライン嵌合する内筒43と、各アウタードラム37,41が形成される外筒44と、それらをクラッチ側とブレーキ側とに二分する隔壁45とが一体形成された構造で、クラッチ側のアウタードラム37とブレーキ側のアウタードラム41とが径方向の大きさが等しい同形に形成され、そのクラッチ側に軸心方向に相対摺動可能に嵌合されるピストン46と隔壁45との間に、第1軸28に形成された油路47を介して作動油が給排される油室48が形成され、その内筒43には、ピストン46を隔壁45に向けて付勢する押しバネ49が外嵌されている。
ピストン46は、その外周部50がPTOクラッチ32の各摩擦板35,38に対して作用するように形成され、その外周部50には、隔壁45に穿設された複数の連通孔51に相対摺動可能に内嵌挿通される複数のピン52が一体装備され、これらのピン52がPTOブレーキ33の各摩擦板40,42に対して作用するようになっている。
PTOクラッチ32のインナードラム34とPTOブレーキ33のインナードラム39とは、径方向の大きさが等しい同形に形成されている。
以上の構成から、PTOクラッチ32及びPTOブレーキ33は、押しバネ49の付勢でその付勢方向にピストン46が移動すると、PTOクラッチ32の各摩擦板35,38が、そのピストン46の押圧による圧接が解除されて相対回転可能に離間する一方で、PTOブレーキ33の各摩擦板40,42が、ピストン46の各ピン52により押圧されて相対回転不能に圧接される。逆に、油室48への作動油の供給による昇圧で、押しバネ49の付勢に抗する方向にピストン46が移動すると、PTOクラッチ32の各摩擦板35,38が、そのピストン46により押圧されて一体回転する状態に圧接される一方で、PTOブレーキ33の各摩擦板40,42が、各ピン52の押圧による圧接が解除されて相対回転可能に離間する。
つまり、PTOクラッチ32の切り操作に連動してPTOブレーキ33が制動操作され、かつ、PTOクラッチ32の入り操作に連動してPTOブレーキ33が制動解除操作されることから、PTOクラッチ32を入り操作した作業状態では、リヤPTO軸22に連結される図外の耕耘装置などの作業装置や、ミッドPTO軸23に連結される図外のモーアなどの作業装置を良好に駆動させることができ、又、PTOクラッチ32を切り操作した非作業状態では、リヤPTO軸22に連結される図外の耕耘装置などの作業装置や、ミッドPTO軸23に連結される図外のモーアなどの作業装置が、その慣性で作動を継続する、あるいは、多板式のPTOクラッチ32を介して連れ回りする、といった不都合の発生を防止できる。
しかも、作動油のリークなどに起因して油圧が低下した場合には、押しバネ49の付勢によって、PTOクラッチ32が切り操作されるとともにPTOブレーキ33が制動操作されて作業装置が停止するようになっており、これによって、押しバネ49の付勢でPTOクラッチ32が入り操作されるとともにPTOブレーキ33が制動解除操作されるように構成した場合に生じる虞のある、作動油のリークなどに起因して油圧が低下した際に、バネの付勢によるPTOクラッチ32の入り操作とPTOブレーキ33の制動解除操作とが行われて作業装置が不測に作動する不都合を未然に回避できる。
又、PTOクラッチ32及びPTOブレーキ33を多板式にすることで、それらの径方向での大型化を抑制しながら、それらを伝動能力や制動力の高いものに構成でき、その結果、それらをギヤ式減速装置19の第1軸28に、ギヤ式減速装置19における第1軸28と第2軸31との軸間距離を大きくするなどの変更を加えることなく簡単に装備できるとともに、作業能力の向上を図るために、各PTO軸22,23で駆動される作業装置として、例えば作業幅の広い耕耘装置や3枚ブレードのモーアなどの出力の大きい作業装置を連結装備する場合であっても、それらの作業装置を良好に駆動させることができる上に、それらの作業装置の慣性作動を確実に防止できる。
その上、PTOクラッチ32及びPTOブレーキ33を、単一のハウジング36を共用する一体型で、単一のピストン46と押しバネ49とを共用する状態に構成することで、それぞれ専用のものを装備する場合に比較して部品点数を削減でき、更に、PTOクラッチ32とPTOブレーキ33とのアウタードラム37,41同士及びインナードラム34,39同士を径方向の大きさが等しい同形に形成することで、PTOクラッチ32の駆動側の摩擦板35とPTOブレーキ33の制動側の摩擦板40とに共通の摩擦板を使用でき、又、PTOクラッチ32の従動側の摩擦板38とPTOブレーキ33の被制動側の摩擦板42とに共通の摩擦板を使用でき、結果、部品管理や製造などが行い易くなるとともにコストの削減を図れる。
そして、PTOクラッチ32及びPTOブレーキ33は、広い作業領域において、単一のハウジング36に、ピストン46、各摩擦板35,38,40,42、押しバネ49、第2ギヤ27、インナードラム39、及び、第1軸28などを取り付けることで比較的簡単に構成でき、その第1軸28に第3ギヤ29を装着した後、第2ギヤ27がミッションケース3側の第1ギヤ26に噛合し、第3ギヤ29がミッションケース3側の第4ギヤ30に噛合する状態に、第1軸28をミッションケース3に支持させることで、作業伝動系25に比較的簡単に組み付けることができる。又、これによって、各摩擦板35,38,40,42などを交換する際の作業性の向上を図れる。
図3及び図4に示すように、PTOブレーキ33のインナードラム39には、ミッションケース3に向けて延出するアーム53が備えられ、ミッションケース3には、そのアーム53が接当するのに伴って、その接当方向へのインナードラム39の回転を阻止し、かつ、そのアーム53が接当するまでの設定角度範囲内でのインナードラム39の回動を許容する係止部54が突出形成されている。
つまり、PTOブレーキ33を備えることで、リヤPTO軸22やミッドPTO軸23に連結される作業装置の慣性作動や連れ回りを防止しながらも、PTOブレーキ33の制動状態では、インナードラム39のアーム53がミッションケース3の係止部54に接当するまでの設定角度範囲内で、リヤPTO軸22及びミッドPTO軸23を回動させられるようになっており、これによって、リヤPTO軸22やミッドPTO軸23に作業装置の入力軸を連結する際に、それらの回転位相が合致せず、又、作業装置の入力軸の回動操作が困難な場合であっても、リヤPTO軸22やミッドPTO軸23を回動操作することで、リヤPTO軸22及びミッドPTO軸23の回転位相を作業装置の入力軸の回転位相に合致させることができ、リヤPTO軸22やミッドPTO軸23に作業装置の入力軸を簡単に連結できることから、作業装置の装着を容易に行える。
図2、図3及び図5に示すように、PTOクラッチ32に対する作動油の流動状態を切り換える作業用の電磁弁55は、前輪変速装置16に対する作動油の流動状態を切り換える前輪変速用の電磁弁56と、アンロード用の電磁弁57とを一体装備する一体型に構成され、搭乗運転部9に配備したPTOスイッチ58がオン操作されると、そのソレノイド59に通電されて、PTOクラッチ32の油室48に作動油を供給する状態に切り換えられる。又、PTOスイッチ58がオン操作された場合には、リレー60を介してアンロード用の電磁弁57のソレノイド61にも通電されて、アンロード用の電磁弁57が、PTOクラッチ32及び前輪変速装置16に対する油圧回路内の圧力を上昇させる状態に切り換えられる。その結果、PTOクラッチ32の油室48に作動油が供給されて、PTOクラッチ32が入り操作されるとともにPTOブレーキ33が制動解除操作される。
一方、前輪変速用の電磁弁56は、前輪5の操舵角を検出する操舵角センサ62により、前輪5の設定角以上の操舵が検出されと、その検出に基づく制御装置63の制御作動で、そのソレノイド64に通電されて、前輪変速装置16に作動油を供給する状態に切り換えられる。又、前輪変速用の電磁弁56のソレノイド64に通電される場合には、リレー60を介してアンロード用の電磁弁57のソレノイド61にも通電されて、アンロード用の電磁弁57が、PTOクラッチ32及び前輪変速装置16に対する油圧回路内の圧力を上昇させる状態に切り換えられる。その結果、前輪変速装置16に作動油が供給されて、前輪変速装置16が、前輪5を増速させる状態に切り換え操作される。
つまり、作業用と前輪変速用とアンロード用の各電磁弁55〜57を一体化し、かつ、単一のアンロード用の電磁弁57やリレー60を、PTOクラッチ操作用と前輪変速装置操作用とに兼用させることで、作業用と前輪変速用とアンロード用の各電磁弁55〜57を独立構造とし、PTOクラッチ操作用と前輪変速装置操作用のそれぞれ専用のアンロード用の電磁弁57やリレー60を装備する場合に比較して、部品点数の削減や組み付け性の向上を図ることができ、部品管理やコスト及び製造などの面で有利になる。
ちなみに、図2に示すように、前輪変速装置16は、押しバネ65の付勢で、増速クラッチ66が切り操作され、シフト部材67が第1ギヤ68に噛合することで、その第1ギヤ68と第2ギヤ69とを介して左右の前輪5に伝動する通常状態に切り換えられ、かつ、油圧で、押しバネ65の付勢に抗して、シフト部材67と第1ギヤ68との噛合が解除され、増速クラッチ66が入り操作されることで、増速用の第3ギヤ70と第4ギヤ71とを介して左右の前輪5に伝動する増速状態に切り換えられるように構成されている。
〔別実施例〕
以下、本発明の別実施例を列記する。
〔1〕作業車としては草刈機や田植機などであってもよい。
〔2〕作業車としては、リヤPTO軸22又はミッドPTO軸23のみを装備するものであってもよく、又、PTO軸21の一例として、作業車の前部に配備されるフロントPTO軸を装備するものであってもよい。
〔3〕PTOクラッチ32とPTOブレーキ33とを、作業伝動系25におけるギヤ式減速装置19の第1軸28上以外の箇所に配備するようにしてもよい。
〔4〕PTOクラッチ32の切り操作及びPTOブレーキ33の制動操作を油圧で行うように構成してもよい。
〔5〕PTOクラッチ32の駆動側の摩擦板35とPTOブレーキ33の制動側の摩擦板40、及び、PTOクラッチ32の従動側の摩擦板38とPTOブレーキ33の被制動側の摩擦板42とに、それぞれ異なる形状の摩擦板を使用するようにしてもよい。
トラクタの全体側面図 トラクタの伝動構成を示す要部の縦断側面図 PTOクラッチ及びPTOブレーキの構成を示す要部の縦断側面図 PTOブレーキの構成を示す要部の縦断正面図 PTOクラッチ及び前輪変速装置操作用の各電磁弁に対する電気回路図
符号の説明
1 エンジン
21 PTO軸
25 作業伝動系
32 PTOクラッチ
33 PTOブレーキ
35 摩擦板
36 ハウジング
38 摩擦板
40 摩擦板
42 摩擦板
46 ピストン
49 バネ

Claims (2)

  1. エンジンからの動力をPTO軸に伝達する作業伝動系に油圧式のPTOクラッチとPTOブレーキとを介装し、前記PTOクラッチの切り操作に連動して前記PTOブレーキが制動操作され、前記PTOクラッチの入り操作に連動して前記PTOブレーキが制動解除操作されるように構成してある作業車の作業用伝動構造であって、
    前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを、多数の摩擦板を備える多板式で、軸に嵌合する内筒と摩擦板を収容する外筒とこれらをクラッチ側とブレーキ側とに二分する隔壁とが一体形成された単一のハウジングを共用する一体型に構成するとともに、前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを支承する軸に、当該軸と相対回転可能なギヤと相対回転不能なギヤとで構成された一対のギヤを装着し、前記一対のギヤ同士の間に前記ハウジングを配設し、前記PTOクラッチは前記相対回転可能なギヤと一体に形成され外筒の内側に挿入されたインナードラム及び外筒のそれぞれに支持された摩擦板により構成し、前記PTOブレーキを前記内筒に回転自在に支持され制動用のアームを備えたインナードラム及び外筒のそれぞれに支持された摩擦板により構成し、前記相対回転不能なギヤの外径を制動用のインナードラムに備えた前記アームが相対回転不能なギヤの径方向外方を通って外方に延出できるように外筒よりも小径に形成するとともに前記ハウジングの前記隔壁から前記相対回転不能なギヤ側の内筒の長さよりも前記隔壁から前記相対回転不能なギヤ側の外筒の長さを短くして制動用の前記アームを相対回転不能なギヤと外筒との間から外方に延出し、この延出端を固定用の係止部に係止されるように構成してある作業車の作業用伝動構造。
  2. 前記PTOクラッチと前記PTOブレーキとを、バネの付勢によるその付勢方向へのピストンの移動で、前記PTOクラッチの各摩擦板が離間する一方で前記PTOブレーキの各摩擦板が圧接され、かつ、油圧による前記バネの付勢に抗する方向への前記ピストンの移動で、前記PTOクラッチの各摩擦板が圧接される一方で前記PTOブレーキの各摩擦板が離間するように構成してある請求項1に記載の作業車の作業用伝動構造。
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