JP4160819B2 - 光ファイバ保持部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば2mとか5mのような、数十m以下の比較的短い光ファイバを(以下、単にファイバともいう)保持する光ファイバ保持部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野では、光通信路に用いられる長さの長い光ファイバの他に、長さが2m、3mなどの比較的短い長さの光ファイバが用いられる。このような短い光ファイバは、たとえば、端部にアイソレータやWDMなどのデバイス用コリメータや測定用フェルールを取りつけて用いられる。
【0003】
このような光ファイバは、その製造過程において、ファイバ端部へのコリメータやフェルールの取り付けや端部研磨、端面への反射防止膜の蒸着など、ファイバを2mや3mの長さにしてから諸種の作業を行う必要がある。
【0004】
このような作業や納品における光ファイバの取扱いは、従来、光ファイバを空心の適当な輪状に巻いて、それをスパイラルチューブで束ねたり、テープで止めたりして取扱い、コリメータやフェルールをファイバ端部に取りつけたり、ファイバ端面を研磨するときなど、必要に応じてファイバ端部近傍の一部を引き出して作業をし、納品の時は、空心の輪にしたものをプラスチック製の小さな板にビニールテープではり、ケースに入れて納品していた。また、光ファイバの端面に真空蒸着装置で反射防止膜を形成するときは、真空中で100°Cを超える高温になるため、光ファイバを固定したり保持したりする全ての部品が、この環境下でガスを放出して反射防止膜の膜質に害を与えないものでなければならず、コリメータ取り付けやファイバ端面の研磨作業の時に作業性をよくするために用いていたスパイラルチューブや粘着テープをそのまま用いるのは好ましくなく、光ファイバを保持している部品を外して、真空用部品を用いて光ファイバを保持していた。
【0005】
図30と図31は、このような短い光ファイバの従来の取扱い方法を説明する図である。図31は、前記の短い光ファイバにコリメータやフェルールを取りつけたり、端面を研磨する場合の光ファイバの取扱い方法を説明する図である。図31で、符号101は、たとえば、長さが2.2mの輪状に巻かれたファイバ、102は光ファイバ101の一方の端部に取りつけられたコリメータ、103は光ファイバ101の他方の端部に取りつけられたフェルール、121と122は空心の輪状に巻いた光ファイバ101を輪がほどけないように止めるための、たとえばスパイラルチューブである。
【0006】
従来は、図31に示したように光ファイバを輪状に固定し、作業の必要性に応じて、光ファイバの端部の必要な長さを輪から引き出し、フェルールの取り付けやファイバの端面研磨などの各種作業を行っていた。
【0007】
図30は、加工をした光ファイバを輸送したり納品したりするときの光ファイバの取扱い形を説明する図である。図31で、符号105〜109は、一方の端部にコリメータ102を、他方の端部にフェルール103を取りつけられている光ファイバ101を、空心状の輪にして、保持用の板110に止めるための粘着テープである。加工が終わり完成した光ファイバを、図30のようにして板110に固定したものをケース(図示せず)に入れて運搬したり、納品したりしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
衆知のように、光ファイバは曲げに弱く、しかも堅いため、図31のように中空の輪にして取り扱う場合に、加工などのためにファイバ端部近傍を必要に応じて輪から引き出す場合、輪の径、特にファイバの局部的な曲率半径が小さくなってファイバが折れるのを防がなければならず、輪をスパイラルチューブで止めておいてファイバを引っ張って引き出すのは危険であり、ファイバを止めているスパイラルチューブを外してファイバを所定の長さだけ引き出したり、光ファイバが所定の形状を保って輪になっているように注意を払いつつ、スパイラルチューブをずらしながらファイバを輪から取り外し、所定の長さだけファイバを引き出すなど、ファイバ端部の加工のための準備作業に無駄な時間を多く要するとともに、光ファイバの取扱いにくさによる治具の増加や作業の増加などを生じ、加工コストが高くなってしまうという欠点を有していた。
【0009】
さらに、ファイバ端部近傍の加工においては、ファイバの輪がほぐれてしまったり、光ファイバの引き出す長さを一定にしにくく、加工中にファイバに曲げ応力がかかってファイバが折れてしまうなどにより、加工歩留まりが低くなりがちであった。
【0010】
これらの問題点を解決するため、糸巻きのようなリールに光ファイバを巻き付ける方法や、リールに側面壁や溝を付ける方法などが考案されているが、ファイバの堅さなどのため、リールの直径を大きくしなければならないのみならず、たとえファイバをリールに巻き付けたとしても、ファイバがほぐれやすく加工時間がかかり、ファイバの加工精度も低いなどの欠点を有していたため、使用できなかった。
【0011】
加工精度の向上と加工コストの低減を図るため、このような短いファイバを、たとえば、リールに巻き付けられた1束10kmの光ファイバから2mとか3mの所定の長さに切断し、その一本ずつを取り扱いやすい形にする機械化した工程を考案するなど全く試みられていなかった
【0012】
また、光ファイバ端面に反射防止膜を形成するときは、光ファイバを固定する部品からガスがでると、反射防止膜の強度が弱くなるなど、良好な反射防止膜を形成することができないため、真空蒸着用の固定具を用いていた。そして、従来の光ファイバの保持方法では、光ファイバの形を安定して小型に保持することができないため、一度の蒸着処理で多数の光ファイバの端面に、特性のそろった高品質の反射防止膜を形成させることができなかった。
【0013】
光ファイバの運搬、納品においても、ケースが大型で、実装コストが高く、また、納品された先でのファイバの取扱いにおいても、加工側での課題と類似側の課題を有していた。
【0014】
衆知のように、光通信に用いられる2mとか5mのような数十m以下の光ファイバにはいくつかの形態があり、たとえば、直径0.25mmの光ファイバ素線と称するもの、直径0.9mmの光ファイバ芯線と称するもの、光ファイバ素線を2本並べて樹脂でテープ状に実装した以下において2本テープ芯線とも称するテープ芯線、光ファイバ素線を4本並べて樹脂でテープ状に実装した以下において4本テープ芯線とも称するテープ芯線、光ファイバ素線を8本並べて樹脂でテープ状に実装した以下において8本テープ芯線とも称するテープ芯線、光ファイバ素線を12本並べて樹脂でテープ状に実装した以下において12本テープ芯線とも称するテープ芯線などがある。前記各種のテープ芯線は、たとえば厚みが全て0.3mmで、幅が、4本テープ芯線の場合は1〜1.1mm、8本テープ芯線の場合は2〜2.2mmである。
【0015】
2mとか5mのような、数十m以下の比較的短い光ファイバの加工や納品などにおける光ファイバを保持することに関する前記の如き課題は、これらファイバ素線、芯線、テープ芯線のいずれの場合にも大きな課題となっており、たとえば、テープ芯線では深刻な課題である。
【0016】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光ファイバの加工などの取扱中にファイバの折れや混線を生じず、加工のための準備作業や加工自体が容易で、加工の自動化も可能となり、所定の長さに切ったファイバを保持するのに前記のようにスパイラルチューブで止めたり、粘着テープで貼り付けてたりなどの特別な処置をせずに、たとえば、10cm以下の小さな直径の光ファイバ保持具に保持した状態の光ファイバを作業台上などに置いても、ファイバが自然にほどけることがなく、運搬や納品にも従来のような大型で取りつけコストの高いケースを必要とせず、しかも、ファイバを小型にして保持することが可能な、安価な光ファイバ保持部品を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、前記のような加工や納品上の取扱がし易く、かつ、真空蒸着装置で光ファイバ端面に反射防止膜を形成するときに、同じ保持具を用いてそのまま真空装置に入れてもガスの発生が全く問題にならない光ファイバ保持部品を安価に提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成するためになされたものである。
【0018】
本発明は、多くの特徴を有するものであるが、その1つの典型的なものは、光ファイバ保持部品の光ファイバ収納ユニットを構成する対向して配置された少なくとも一対の側壁の少なくとも1つに弾性体の突起を設け、この突起を適切に構成することによって、後術の各種光ファイバを収納して保持できるようにしたところに大きな特徴を有することである。
【0019】
さらに、本発明の他の大きな特徴は、光ファイバ保持部品を構成する弾性体の材料にフッ素ゴムを用いて、たとえば、光ファイバ保持部品をフッ素ゴムを用いて一体成形し、真空蒸着機の中にも使える小型の光ファイバ保持部品を安価に提供できるところにある。
【0020】
本発明の目的の達成を図るため、本発明は、以下のような特徴を有する多くの形態を可能にしている。以下、本発明の実施の形態例の特徴を説明する。
【0021】
本発明は、 光ファイバを収納し保持することができる光ファイバ保持部品の関するものであり、本発明の光ファイバ保持部品は、光ファイバを巻いて収納することができる少なくとも1つの収納ユニットを有しており、前記収納ユニットは、少なくとも、対向して配置されている一対の側壁と少なくとも1つの前記側壁に配置されている複数の弾性体の突起とを有していることを特徴としている。
【0022】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記収納ユニットは、光ファイバを巻き付けることが出来るリール胴体を有しており、前記リール胴体は、前記対向して配置されている一対の側壁の少なくとも一部に接続あるいは近接して配置されており、前記少なくとも1つの収納ユニットの側壁に配置されている前記突起は、前記少なくとも一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁の、以下において側壁内部ともいう位置、すなわち、その側壁の外周よりも前記収納ユニットの内側すなわち前記側壁上で前記リール胴体に近い方に寄った複数ヶ所の位置に、前記一方の側壁からその側壁に対向して配置されている他方の側壁の方向に向けて突き出している弾性体の突起として形成されており、少なくとも前記一対の側壁と前記弾性体の突起と前記リール胴体とで前記リール胴体に巻き付けられた光ファイバを収納して保持することができる光ファイバ収納部を形成していることを特徴としている。
【0023】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも一つの収納ユニットの前記リール胴体は、光ファイバを巻くことができる胴体部分の外周形状として各種形状を取り得るが、円形または楕円形または多角形であることが特に好ましく、前記少なくとも一つの収納ユニットの前記側壁も各種形状が可能であるが、少なくとも1つの前記側壁の主要部分が平板状で、その側壁の外周形状が円形または楕円形または多角形であることが特に好ましい。
【0024】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記側壁とその側壁に形成されている複数の突起と前記側壁に接続されているリール胴体とが一体に形成されていることを特徴としいいいいている。
【0025】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、複数の前記突起が、その形成されている側壁から突き出している該突起の長さが、該突起の長さ方向の中心線に直交する断面における前記断面の中心を通るように測った径寸法の最大値よりも大きい、たとえば棒状や扁平状などの、以下において細長形状とも称する形状であることを特徴としている。
【0026】
本発明の、細長形状の突起を用いた光ファイバ保持部品の例は、複数の前記弾性体の突起が、前記突起が設けられている位置における側壁表面の法線に対して、前記突起の、以下において長さ方向の中心線とも称する長さ方向の平均的中心軸に相当する仮想の軸が、所定の角度θ1だけ前記光ファイバ収納部の内側に向けて形成されていることを特徴としており、少なくとも1つの収納ユニットに設けられている全ての前記弾性体の突起が、前記突起が設けられている位置における側壁表面の法線に対して、前記突起の長さ方向の中心線が、所定の角度θ1だけ前記光ファイバ収納部の内側に向けて形成されていることが特に好ましい。前記所定の角度θ1の大きさが10度以下である場合に特に顕著な効果をもたらす。。
【0027】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの収納ユニットの側壁に設けられている前記突起の長さ方向の中心線が、前記側壁の外周に沿った一方の方向に所定の角度θ3だけ傾いているように突起が形成されていることを特徴としており、少なくとも1つの収納ユニットの側壁に設けられている全ての前記突起の長さ方向の中心線が、前記側壁の外周に沿った一方の方向に所定の角度θ3だけ傾いているように突起が形成されていることが特に好ましい。そして、前記所定の角度θ3の大きさが10度以下である場合に特に顕著な効果をもたらす。
【0028】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、複数の前記突起が、それが設けられている側壁の中心点と前記突起の付け根部分の中心点と前記突起の中心線上の先端とを含む断面において、前記突起の、その配置されている側壁の径方向外側と内側の輪郭の接線が、前記突起の付け根近傍と前記突起の先端部の前記輪郭の変化の大きい部分を除いて、所定の角度θ2をなして前記突起の先端部分が付け根部分より細くなるように形成されていることを特徴としており、少なくとも1つの収納ユニットの全ての前記突起が、それが設けられている側壁の中心点と前記突起の付け根部分の中心点と前記突起の中心線上の先端とを含む断面において、前記突起の、その配置されている側壁の径方向外側と内側の輪郭の接線が、前記突起の付け根近傍と前記突起の先端部の前記輪郭の変化の大きい部分を除いて、所定の角度θ2をなして前記突起の先端部分が付け根部分より細くなるように形成されていることが特に好ましい。そして、前記所定の角度θ2の大きさが15度以下である場合に特に顕著な効果をもたらす。
【0029】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの収納ユニットの前記弾性体の突起の太さが、前記突起の長さ方向の中央部の平均径が0.4〜2mmであることを特徴としており、少なくとも1つの収納ユニットの全ての前記弾性体の突起の太さが、前記突起の長さ方向の中央部の平均径が0.4〜2mmであることが特に好ましい。
【0030】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの収納ユニットの前記弾性体の突起の先端部形状は、その形成されている側壁の中心を含む断面において、曲率半径が0.2〜1mmの円であることを特徴としている。
【0031】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記突起が、その先端近傍の径が付け根近傍の径よりも細くなっている突起であることを特徴としている。
【0032】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、取扱い易く、高い信頼性を実現する観点から、少なくとも1つの前記弾性体の突起の長さを前記一対の対向して配置されている両方の側壁の間隔の少なくとも4分の1以上の長さにするのが良く、収納する光ファイバの形態により好適値が異なる。
【0033】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記弾性体の突起の長さが前記一対の対向して配置されている両方の側壁の間隔の2分の1以上であることを特徴としている。
【0034】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、光ファイバ素線に用いるには、少なくとも1つの前記弾性体の突起の長さを前記一対の対向して配置されている両方の側壁の間隔よりも0.05〜0.15mm短くするのがよい。
【0035】
本発明の光ファイバ保持部品の例で1つずつの、いわゆる単独の突起の他に、2つの突起の付け根部分の隙間が0または前記両突起の付け根部分の外接円の直径の平均値の2倍より小さい突起対を用いると関連部品の収納に効果大である。
【0036】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも一つの収納ユニットの少なくとも1つの側壁に形成されている前記突起対を形成していない単独の突起の中心位置あるいは突起対の中心位置が、前記収納ユニットの側壁の周方向において等間隔になるように当該突起が配置されていることを特徴としている。
【0037】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも一対の対向して配置されている前記側壁に形成されている弾性体の突起が、前記一対の側壁のうちの片方の側壁にのみ形成されていることを特徴としている。
【0038】
前記一方の側壁にのみ突起が形成されている場合の本発明の光ファイバ保持部品の好ましい例では、前記少なくとも一つの収納ユニットの少なくとも1つの側壁に前記単独の突起と前記突起対のずれか一方または双方が24形成されており、互いに隣り合って形成されている前記単独の突起の中心位置あるいは突起対の中心位置が前記側壁の中心に対して15度の中心角を張るように、当該突起あるいは突起対が配置することが特に好ましい。
【0039】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁に形成されている弾性体の突起が、対向して配置されている前記一対の側壁の、以下において第1の側壁とも称する一方の側壁と以下において第2の側壁とも称する他方の側壁の両方の側壁に形成されていることを特徴としており、前記両方の側壁に形成されている弾性体の突起の少なくとも一対は、前記両方の側壁の対向する位置にそれぞれ配置させることができ、また、対向する位置に配置させずに、たとえば両方の側壁に交互に配置させることもできる。
【0040】
この場合の好ましい突起の長さは、対向する位置にある突起では、両突起の合計の長さを前記両方の側壁の間隔の4分の1以上にするのが好ましく、ファイバの形態により、前記両方の側壁の間隔の2分の1にすることがより高い信頼性を与える。そして、光ファイバ素線の場合には、光信頼性を重視する場合、前記両突起の合計長さが、前記両方の側壁の間隔よりも0.05〜0.15mm短い長さであることが好ましい。対向する位置に配置されず、互いにずれた位置に配置されている突起の場合、ある突起とその最近接の突起の長さの合計値の好適な値は、前期と同様に、前記両方の側壁の間隔の4分の1以上にすると幅の広いテープ芯線に良く、前記両方の側壁の間隔の2分の1以上にすると、幅の狭いテープ芯線にも使うことができ、また、光ファイバ素線に用いるには、前記両方の側壁の間隔よりも0 05〜0.15mm短い値にすると、信頼性の高い光ファイバ保持部品を得るのにと特に好ましい。
【0041】
また、前記対向する位置にない突起の場合、前記第1の側壁に形成されている突起の長さと、その直近で前記第2の側壁上に形成されている突起の長さの合計が、前記両方の側壁の間隔よりも0.05〜0.24mm長い値にすると使いやすく、信頼性の特に高い光ファイバ保持部品を実現することができる。
【0042】
対向する側壁の双方に突起が形成されている本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも一つの収納ユニットの一対の側壁のいずれか一方または双方に形成されている前記単独の突起の中心位置あるいは突起対の中心位置が、それぞれ前記収納ユニットの側壁の周方向において等間隔になるように当該突起が配置されていることを特徴としている。
【0043】
対向する側壁の双方に突起が形成されている本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも一つの収納ユニットの一対の側壁のいずれか一方または双方に前記単独の突起と前記突起対のずれか一方または双方が48形成されていることを特徴としている。
【0044】
対向する側壁の双方に突起が形成されている本発明の光ファイバ保持部品の例は、互いに隣り合って形成されている前記単独の突起の中心位置あるいは突起対の中心位置が前記側壁の中心に対して7.5度の中心角を張るように、当該突起あるいは突起対が配置されていることを特徴としている。
【0045】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記弾性体の突起を有する側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、以下において両側に突起を有する側壁とも称する側壁、すなわちその一方の側と他方の側の両側に前記突起をそれぞれ複数個有する側壁であることを特徴としている。
【0046】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁とその側壁に形成されている複数の突起とリール胴体とが一体に形成されていることを特徴としている。
【0047】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記突起の少なくとも1つが、その配置されている側壁の径方向の寸法よりも前記側壁の外周に沿った方向の寸法が大きい、以下において帯状の突起あるいは帯状突起とも称する形状の突起であることを特徴としている。
【0048】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記帯状の突起の断面積が、その付け根近傍すなわち前記帯状の突起の当該側壁から立ち上がっている部分の近傍におけるよりも突起の先端部近傍における方が小さいことを特徴としている。
【0049】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、、少なくとも1つの前記側壁の同一側に帯状の突起が複数個設けられていることを特徴としている。
【0050】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記側壁の同一側に設けられている帯状の突起の数が4個であることを特徴としている。
【0051】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記側壁の同一側に、以下において突起Aともいう前記帯状の突起と、以下において突起Bともいう帯状でない突起あるいは突起対とが設けられていることを特徴としている。
【0052】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記リール胴体が、前記側壁の一方の側と他方の側の両側に設けられていることを特徴としている。
【0053】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁の一方の側に形成されているリール胴体と他方の側に形成されているリール胴体は、前記側壁の法線方向の寸法が異なることを特徴としている。
【0054】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記弾性体の突起を有する側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、両側に突起を有する側壁、すなわち、その一方の側とその裏側の両側に前記突起をそれぞれ複数個有する側壁であることを特徴としている。
【0055】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記両側に突起を有する少なくとも1つの側壁の一方の側に設けられている突起と他方の側に設けられている突起の間隔が異なることを特徴としている。
【0056】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記両側に突起を有する少なくとも1つの前記側壁の一方の側に設けられている突起と他方の側に設けられている突起の形状と寸法が異なることを特徴としている。
【0057】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、両側に突起を有する少なくとも1つの前記側壁の一方の側には帯状でない突起のみが設けられており、他方の側には少なくとも2つの帯状の突起が設けられていることを特徴としている。
【0058】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、両側に突起を有する少なくとも1つの前記側壁は、その外周部近傍に少なくとも2つの帯状の突起を有することを特徴としている。
【0059】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとも1つの前記両側に突起を有する側壁は、一方の側には帯状でない突起を有し、他方の側には、側壁外周部近傍に少なくとも4つの帯状の突起を有するとともに、前記外周部近傍に設けられた帯状の突起よりもリール胴体に近い方に近接して配置された前記突起対を少なくとも2組有する側壁であることを特徴としている。
【0060】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記両側に突起を有する少なくとも1つの側壁の外周からリール胴体の外周面までの距離、すなわち側壁の幅が、前記側壁の一方の側と他方の側とで異なることを特徴としている。
【0061】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁の両側の幅が、以下において第1の側壁幅とも称する側壁の外周部近傍に帯状でない突起がある側における幅よりも、以下において第2の側壁幅とも称する側壁の外周部近傍に帯状の突起がある側における幅の方が大きいことを特徴としている。
【0062】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁は、4個の切り込み部を有することを特徴としている。
【0063】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記前記切り込み部は、前記突起を有する当該側壁の側にあるリール胴体部まで達していることを特徴としている。
【0064】
以上記載した本発明の光ファイバ保持部品の各特徴は、光ファイバ収納部を構成する側壁に設けた弾性体の突起の各種形態の特徴と側壁およびリール胴体の特徴を中心に説明したが、本発明の光ファイバ保持部品はこれらの各種特徴に狭く限定されるものではなく、技術的に矛盾のない限りにおいて、互いに他のいくつかの特徴を併せもったものであることは、前記説明および以下の説明からも明らかである。
【0065】
本発明の特記すべき点の1つは、従来は、光ファイバの性質上、たとえば直径が2mや5mなどの比較的短い光ファイバを直径8cm以下のリング状に巻回して保持することなど到底無理と考えられていたのを、上記本発明の各種特徴を有する光ファイバ保持部品を用いて、直径8cm以下の、光ファイバの巻き取りや引き出しのし易い、光ファイバ保持部品をうっかりして落下させた場合にも光ファイバの飛び出しを効果的に防ぐことができる、安価な光ファイバ保持部品を実現することができたところにある。
【0066】
つぎに、光ファイバの端面に反射防止膜を蒸着するときにもそのまま使える合成ゴム製の光ファイバ保持部品をつくることに関してその特徴を説明する。
【0067】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも一対の側壁と前記側壁に形成されている突起が、架橋されたフッ素ゴムで形成されていることを特徴としている。
【0068】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品を形成しているフッ素ゴムの硬度が、ショアー(shore)硬度で70〜90であることを特徴としている。
【0069】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品を形成しているフッ素ゴムの硬度が、ショアー(shore)硬度で75〜85であることを特徴としている。
【0070】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムが、ビニリデンフロライド系ゴムまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムであることを特徴としている。
【0071】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムのフッ素含有量が、65〜70%であることを特徴としている。
【0072】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、250〜400℃で1時間以上熱処理されたものであることを特徴としている。
【0073】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、260〜270℃で8〜24時間熱処理されたものであることを特徴としている。
【0074】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品は、光ファイバ保持部品に成形されて後、204〜260℃の環境で後加硫された光ファイバ保持部品であることを特徴としている。
【0075】
これらのフッ素ゴムに関する各特徴は必ずしもこの特徴に狭く限定されるものではなく、装置の都合などによる一部条件の変更も可能であるが、1つの好ましい方法として、前記フッ素ゴムに関する全ての特徴を合わせて実施することにより、真空中でアウトガスの問題にならないフッ素ゴム製の光ファイバ保持部品を得ることができる。
【0076】
以下に、以上に記載した突起、側壁、リール胴体をフッ素ゴムで形成する場合について説明する。
【0077】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとの1つの収納ユニットの前記リール胴体と前記少なくとも一対の側壁と前記側壁に形成されている突起が、架橋されたフッ素ゴムで形成されていることを特徴としている。
【0078】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品を形成しているフッ素ゴムの硬度が、ショアー(shore)硬度で70〜90であることが好ましく、特に、フッ素ゴムのショアー(shore)硬度を75〜85にすることが好ましい。
【0079】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムが、ビニリデンフロライド系ゴムまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムであることを特徴としている。
【0080】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムのフッ素含有量が、65〜70%であることを特徴としている。
【0081】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、250〜400℃で1時間以上熱処理されたものであることを特徴としている。
【0082】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、260〜270℃で8〜24時間熱処理されたものであることを特徴としている。
【0083】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品は、光ファイバ保持部品に成形されて後、204〜260℃の環境で後加硫された光ファイバ保持部品であることを特徴としている。
【0084】
つぎに、本発明の前記弾性体の突起、側壁、リール胴体は、フッ素ゴム以外によってつくることができる。
【0085】
真空蒸着に用いない本発明の光ファイバ保持部品の例は、少なくとの1つの収納ユニットの前記リール胴体と前記少なくとも一対の側壁と前記側壁に形成されている突起が、シリコーンゴムで形成されていることを特徴としている。このような光ファイバ保持部品は安価な製品を提供することを可能にするものである。
【0086】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記シリコーンゴムが、可視光に対して不透明な有色のシリコーンゴムであることを特徴としている。
【0087】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記有色のシリコーンゴムの色は、前記光ファイバ保持部品の識別に利用できるものであることを特徴としている。このようにすることによって、そこに収納されている光ファイバの属性を見やすく表示することができる。
【0088】
つぎに、前記各特徴に代表される多くの特徴を有する本発明の光ファイバ保持部品の構成について、その特徴をさらに詳しく記述する。
【0089】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品が第1の収納ユニットと第2の収納ユニットの少なくとも2つの収納ユニットを有しており、前記第1の収納ユニットは少なくとも一対の対向する側壁のいずれか一方または双方に前記弾性体の突起を有する収納ユニットであることを特徴としている。
【0090】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットは少なくとも一対の対向する側壁のいずれか一方または双方に前記弾性体の突起を有する収納ユニットであることを特徴としている。
【0091】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットは一対の対向して配置された側壁を有しており、前記一対の側壁には前記弾性体の突起が形成されていないことを特徴としている。
【0092】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットの側壁とリール胴体と突起がすべて弾性体で形成されていることを特徴としている。
【0093】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットが、ユニット接合部品によって一体に接合されように構成されていることを特徴としている。
【0094】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記ユニット接合部品が、前記第1の収納ユニットのリール胴体の内側に形成されている穴もしくは空洞部と第2の収納ユニットの内側に形成されている穴もしくは空洞部に挿入して前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットとを保持することによって前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットとを一体に接合する部品であることを特徴としている。
【0095】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットが一体成形された弾性体で一体に形成されていることを特徴としている。
【0096】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットが前記第1の収納ユニットとは異なる材質で形成されていることを特徴としている。
【0097】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットを形成している材質が、収納ユニットに形成された状態で剛体の性質を有する材質であることを特徴としている。
【0098】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第1の収納ユニットを前記第2の収納ユニットと一体になるように着脱可能に取り付けることができる接続部が、前記第2の収納ユニットから延在する形で第2の収納ユニットと一体に形成されていることを特徴としている。
【0099】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第1の収納ユニットと第2の収納ユニットとを接続する接続部の一部に、前記第1と第2の収納ユニットの少なくとも一方に係合する凸部または凹部である取り付け部が形成されており、そこに接続される収納ユニットには、前記取り付け部に係合する凹部または凸部である取り付け係合部が形成されていることを特徴としている。
【0100】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットの対向して配置されている一対の側壁のうちの1つは、前記第1の収納ユニットの一対の側壁のうちの第2の収納ユニット側の側壁の裏側になっている部分であることを特徴としている。
【0101】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第2の収納ユニットが前記第1の収納ユニットの側壁とは別の対向して配置されている一対の側壁を有していることを特徴としている。
【0102】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品が前記第1の収納ユニットまたは前記第2の収納ユニットの2つの収納ユニットの他に第3の収納ユニットを有していることを特徴としている。
【0103】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第3の収納ユニットは前記第1の収納ユニットまたは前記第2の収納ユニットに一体に接続される構造に形成されていることを特徴としている。
【0104】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記第3の収納ユニットは対向する一対の側壁を有しており、前記一対の側壁の少なくとも1つは、前記突起を有する側壁であることを特徴としている。
【0105】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、前記光ファイバ保持部品を構成する他の部品とは独立につくられて後に、他の2つの側壁の間にはめ込まれて、2つの収納ユニットを形成することができるように構成されていることを特徴としている。
【0106】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、前記両側に突起を有する側壁であることを特徴としている。
【0107】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも2つの収納ユニットの少なくとも2つの光ファイバ収納部の深さが異なることを特徴としている。
【0108】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記少なくとも2つの収納ユニットの側壁のうちの異なる収納ユニットの間にある側壁のすくなとも1つは、前記切り込み部を有する側壁であることを特徴としている。
【0109】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記側壁の外周の投影寸法が、直径10cmの円の内側にある寸法であることを特徴としている。
【0110】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品の厚みが3mm以下であることを特徴としている。
【0111】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、 長さ5m以内の光ファイバを巻き付けて収納し保持することができる光ファイバ保持部品であって、前記光ファイバ保持部品は、少なくとも、光ファイバを巻き付ける外周形状が円形または楕円形または多角形のリール胴体と、前記リングに接続されあるいは接合されており、かつ、互いに対向して配置されている少なくとも一対の外周形状が円形または楕円形または多角形で平板状の側壁と、前記側壁の外周近傍で、かつ、外周より内側すなわち前記側壁上で前記リール胴体に近い方に寄った位置において、対向配置されている他方の側壁の方向に向けて突き出している弾性体の突起とで、前記リール胴体に巻き付けられた光ファイバを収納し保持することができる光ファイバ収納部を構成しており、前記リール胴体と側壁は中空であることを特徴とする光ファイバの保持部品。
【0112】
以下に、前記各特徴を有する本発明の光ファイバ保持部品より、さらに広範な光ファイバ保持部品をフッ素ゴムで形成した場合について説明する。
【0113】
本発明の光ファイバ保持部品は、光ファイバを巻き付けて収納し保持することができる光ファイバ保持部品であって、前記光ファイバ保持部品が架橋されたフッ素ゴムで形成されていることを特徴としている。
【0114】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムの硬度が、ショアー(shore)硬度で70〜90であることを特徴としている。
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムの硬度が、ショアー(shore)硬度で75〜85であることを特徴としている。
【0115】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムが、ビニリデンフロライド系ゴムまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムであることを特徴としている。
【0116】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムのフッ素含有量が、65〜70%であることを特徴としている。
【0117】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、250〜400℃で1時間以上熱処理されたものであることを特徴としている。
【0118】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記フッ素ゴムは、その製造工程において、260〜270℃で8〜24時間熱処理されたものであることを特徴としている。
【0119】
本発明の光ファイバ保持部品の例は、前記光ファイバ保持部品は、光ファイバ保持部品に成形されて後、204〜260℃の環境で後加硫された光ファイバ保持部品であることを特徴としている。
【0120】
以上、本発明の光ファイバ保持部品の例について、その特徴の一部を説明したが、前記の如く、本発明は後述の如く多くの実施の形態を可能とするものであり、その実施の形態例は、前記各特徴を単独で有する場合といくつか組み合わせた特徴を有する場合がある。
【0121】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は本発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして、本発明の説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、必要な部分だけを図示する場合もあり、本発明の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複する説明を省略することもある。
【0122】
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図であり、図1は光ファイバを巻き付ける前の光ファイバ保持部品の斜視図、図2と図3は、図1の光ファイバ保持具の光ファイバ収納部の各側壁に設けられている弾性体の突起の配置を説明する図で、図2と図3の各側壁はそれぞれ光ファイバ収納部で対向配置されている。図4は図1の光ファイバ保持部品の図3の中心線14の位置で切断したときの、上半分の側面図で、半分だけを示したものである。図5は図4の円で囲んだ部分、すなわち、光ファイバ収納部近傍を拡大した断面図である。
【0123】
図1〜図5で、符号1は光ファイバ保持部品、2と3は対向配置されて光ファイバ収納部を形成している側壁、2a30と3a30は側壁外側部分、5a1〜5a5は側壁2に設けられた弾性体の突起、5b1〜5b5は側壁3に設けられた弾性体の突起、5は図1の突起5a1〜5a3と5b1〜5b3のそれぞれあるいはそれらを総称して表示するときの符号、7は光ファイバ保持部品1のリール胴体の内側部分すなわちリール胴体の内壁、8は内壁7で形成された空間(以下、空洞部ともいう)、6はリール胴体の表面すなわちリール外周部であり後述の光ファイバ収納部10の底面、10は側壁2,3とそこに形成されている突起5と底面6とで形成されている光ファイバの収納部、11〜14は側壁2と3の中心線、θは側壁2および3上においてそれぞれ側壁の中心と各突起とを結んだ各線分がなす角度、すなわち、各側壁上の隣り合った2つの突起が当該側壁の中心に対して張る角度、31〜34は側壁2と3の外側面に設けられた加工部の一例としての凸部、36と35は各側壁2と3の周縁部(以下、側壁の外周部ともいう)、d1〜d7、p1〜p2,t1〜t2、w1〜w2はそれぞれ後述する各図示の部分の寸法である。
【0124】
なお、上記の図1の説明における側壁2と側壁3は、光ファイバ収納部10の内側にあって光ファイバ収納部10を形成している互いに対向して配置されている符号2と3で示した面を表面に有する平板の前記表面を指しているが、説明の都合上、以下の図面および説明において側壁という場合には、前後の説明や図面を参照して重大な誤解のおそれがある場合を除き、たとえば図1を例にとって述べると、図1の符号2,3で示した側壁の面を意味する場合と、図1の符号2a30,3a30で示した側壁2,3の裏側にある側壁2,3の側壁外側部分(以下、外側面ともいう)を意味する場合と、符号2,3で示した面を一方の表面に有し符号2a30,3a30で示した側壁2,3の外側面を他方の面に有する後述する図4で符号2a,3aで示す側壁肉部ともいうべき部分とを含めて側壁2,3と称する場合と、符号2,3,2a,3a,2a30,3a30で示したもの全体を側壁2,3と称する場合と、上記各場合に加えて符号2,3,2a,3a,2a30,3a30で示した部分をリール胴体や空洞部8の位置まで延長した部分も含めて側壁2,3と称する場合もある。そして、説明の都合上特に区別の必要がある場合には、それぞれ区別して使用あるいは混用する場合もある。
【0125】
図1において、光ファイバ保持部品1を構成している側壁2,3,突起5,底面6と内壁7などの全ての構成要素は、本実施の形態例では、フッ素ゴムでつくられている。このフッ素ゴムのフッ素の含有量は65〜70%でショアー(shore)硬度は70〜90(ショアー硬度75〜85が特に好ましい)である。光ファイバ保持部品は光ファイバ保持部品に加工後、204〜260°Cのオーブンの中で後加硫が行われ、真空中で100°C以上の高温になっても、前記の如く、蒸着膜の形成に悪影響を及ぼすガスの発生がないようにしている。
【0126】
光ファイバ保持部品1は上記の如きフッ素ゴムを用いて射出成形加工によって作成される。側壁2と3の内側、すなわち、光ファイバを収納する側には、符号5a1〜5a3、5b1〜5b3で示した弾性体の突起部が設けられ、各突起5a1〜5a3と5b1〜5b3は対向する位置ではなく、突起5a1と5a2の中間に突起5b1が、突起5a2と5a3の中間に突起5b2が設けられているというように、側壁2にある突起と側壁3にある突起は交互に位置するように形成されている。
【0127】
図2は、光ファイバ保持部品1の側壁2について、各突起を説明するための図である。図2は側壁2を外側から見て、全周の半分を書いた図で、中心線11と12の交点が側壁2の中心になっており、各突起5a1,5a2、5a3,・・・は、隣り合う各突起と側壁2の中心を結んだ線分が各15°の角をなすように、たとえば、図2で突起5a3と5a4、突起5a4と5a5と当該側壁の中心をそれぞれ結んだ線分のなす角すなわち中心角が図示のように15°になるように、側壁2の全周を12等分した位置に設けられており、側壁2と一体に成形されている。
【0128】
図3は、保持部品1の側壁3について、各突起を説明するための図である。図3は側壁3を外側から見て、前周の半分を書いた図で、中心線11と12の交点が側壁3の中心になっており、各突起5b1,5b2、5b3,・・・は、隣り合う各突起と当該側壁3の中心を結んだ線分が各15°の角をなすように、たとえば、図3で突起5b3と5b4、突起5b4と5b5がそれぞれと当該側壁の中心とをそれぞれ結んだ線分のなす角が図示のように15°になるように、側壁3の全周を12等分した位置に設けられており、側壁3と一体成形されている。
【0129】
図4は、光ファイバ保持部品1を図2の中心線12(図3の中心線14と重なる位置にある)の位置で切断したものを図の左側から見た側面図である。図4で符号d5は側壁3と2の外周の直径で、d6は光ファイバ収納部10の底面すなわちリール外周部6の直径で、d7は内壁7の直径である。
【0130】
図5は、図4の円Aで囲んだ部分の拡大図で、側壁2と3の外側面に、光ファイバ保持部品を複数重ねた合わせたときにそれらの側壁外側部分が密着してしまうのを防ぐための加工部としての凸部31〜34を設けてある。この加工部の効果により、本発明の光ファイバ保持部品は、たとえば、自動機械により作業を進めるために、光ファイバ保持部品を多数、マガジンなどのケースや棒状物体などに多少圧着気味に装着しても、光ファイバ保持部品同士が密着してしまい、たとえば、1つの光ファイバ保持部品を取り出そうとして、2つの光ファイバ保持部品が取り出されてしまうなどの欠点は生じない。
【0131】
側壁2と3の外周部分の図5に示した断面は半円弧状になっている。側壁2から側壁3の方向に向けて突き出して形成されている突起5と側壁3から側壁2の方向に向けて突き出している突起(図示せず)はそれぞれ側壁2の外周部36あるいは側壁3の外周部35から所定距離だけ内側すなわち底面6の方に寄った位置に各突起の外側面が位置するように形成されている。この側壁2および3の外周部36および35の最外周部と各突起5a1,5a2,5a3、・・・および5b1、5b2,5b3,・・・の間の傾斜面が、光ファイバを保持部品1に光ファイバを巻くときのガイドの役割をし、光ファイバを光ファイバ保持部品1に巻き込んだり必要な長さだけ光ファイバ保持部品1から引き出したりする作業を正確に行えるようにするとともに、作業時間を短くすることに大きく貢献している。
【0132】
寸法d1は側壁2および3の内壁7から側壁の外周部36および35までの寸法で、寸法d2は内壁7から各突起部5a1,5b1などの中心までの寸法で、寸法d3は内壁7から側壁2および3の外側に形成されている突き出し部分すなわち加工部の一例としての凸部31および33の中央までの寸法で、寸法d4は光ファイバ収納部10の深さ、すなわち、側壁2および3の光ファイバ収納部側にある各突起の内側から底面6までの寸法である。寸法w1は光ファイバ保持部品の最大厚味寸法で、寸法w2は光ファイバ保持部品の外側に凸部31〜34を形成していない部分の厚味寸法である。寸法t1とt2は、側壁2と3の外側に形成してある突き出し部分31〜34を形成していない部分の厚味寸法である。
【0133】
突起5の長さは、本発明者の実験結果によれば、光ファイバ収納部の幅寸法、すなわち、光ファイバ収納部10における側壁2と側壁3の間隔の4分の1以上の長さにするのが効果が大きく、光ファイバ保持部品に光ファイバを巻き付けたり、光ファイバ保持部品に巻き付けてある光ファイバを必要な長さだけ引き出したりする時に、作業者が自然に行う動作と感じるような軽い力で前記の作業を行うことができるとともに、光ファイバ保持部品に収納してある光ファイバの端部近傍に、たとえば、コリメータを取りつけるとか、ファイバ端面を研磨するとか、ファイバ端面に反射防止膜を蒸着するなどの種々の処理を行うときに、光ファイバ保持部品に巻き付けられているファイバが解けだしたり外形が変形したりして作業の妨げになるのを防ぐことができる。なお、図4と図5では突起部5の長さが異なる場合の図を示してある。
【0134】
本発明の実施の形態例において、図1〜図5を用いて説明した光ファイバ保持部品の、直径が0.25mmの光ファイバ素線に適用する場合の各部の寸法例として、各寸法の単位をmmとして、d1=4.3,d2=3.74、d3=2、d4=2、d5=73.6φ(φは直径を示す。以下同様)、d6=69φ、d7=65φ、p1−p2=0.5、t1=t2=0.6、w1=2.6、w2=2.2にし、側壁2と3の外周部36と35の図示の断面形状を半径が0.3mmの円形とし、突起部5の長さを側壁2と3の間隔の1/2〜1.5/2、すなわち、光ファイバ収納部の幅の1/2〜1.5/2にとり、突起部5の先端部は、半径が0.25mmの球形になるようにして、前記の如くフッ素ゴムを用いて光ファイバ保持部品を作成したところ、後述の如く、光ファイバの巻き取り収納、諸作業における光ファイバの必要長さの出し入れ、光ファイバ端末部へのコリメータ用部品の取り付け、ファイバ端面研磨など各種作業性が各段に向上し、さらに、反射防止膜を形成するときにも前記同じ光ファイバ保持部品を用いて真空蒸着機の中に装着して蒸着処理を行ってもアウトガスが問題にならず、良質の反射防止膜を形成することができた。なお、図5に符号Bで示した部分は、側壁2と内壁7および側壁3と内壁7の境界部分につけたテーパ部分で、上記寸法の場合、0.5mmにしてある。
【0135】
図6は、前記各寸法と材質で作成した光ファイバ保持部品1に、前記の諸作業の例として、光ファイバ21を巻き取り、光ファイバの一方の端部近傍部分を必要な長さだけ引き出して、フェルール23を取りつけて光ファイバ保持部品1に収納し、次に、光ファイバの他方の端部近傍部分を必要な長さだけ引き出して、コリメータ22を取りつけた状態の図である。
【0136】
衆知の如く、1次被覆を付けた、たとえば線形が250μmの光ファイバは、曲げ変形により折れやすく、しかも、硬いので作業などのため引き出してある部分の光ファイバを引っ張ったり先端を動かしたりすると、従来は光ファイバ保持部材に収納されているファイバに大きな力がかかり、ファイバの輪が乱れて作業に支障を生じていたが、本発明の光ファイバ保持部品では、ある程度の力で光ファイバを引っ張ると、光ファイバ収納部に収納されている光ファイバは、引っ張る程度に応じて所定の長さだけ側壁2と3に設けられている保持バネとしての弾性体の突起5から確実にはずれて光ファイバ保持部品の外部に出るとともに、前記光ファイバ保持部品の外部に引っ張り出された所定の長さ以外のファイバは、光ファイバ保持部品の光ファイバ収納部10の内部にて確実にしかも安全に所定の形状寸法に保たれているので、ファイバに大きな力がかからず、光ファイバが断線したり、光ファイバの輪が乱れて作業に支障を来したりするようなことが全く生じない。
【0137】
そして、本発明の光ファイバ保持部品は、合成ゴムなどの弾力性の樹脂で形成しても、その側壁の外側部分に、すなわち、光ファイバ保持部品の外壁に加工部の例としての凸部31〜34を設けてあるため、多数の光ファイバ保持部品を、自動機械分野でマガジンなどと呼ばれているケースにその外壁を押しつけるように接触させて重ねて収納しても、光ファイバ保持部品同士が密着せず、そこから光ファイバ保持部品を1つだけ取り出そうとしても複数個がでてくるというような自動機械では致命的な障害を引き起こすことがない。
【0138】
図7は、本発明の実施の形態例として、光ファイバ保持部品の側壁2,3および内壁7の一部に切り込み部を設けた例を説明する図である。図7で、符号2a1〜3は側壁2の光ファイバ収納部の位置に設けた切り込み部、7a1〜7a3は内壁7に設けた切り込み部である。
【0139】
切り込み部2a1〜3は、光ファイバ収納部に巻き付けて保持してある光ファイバを束のままで取り出そうとするときや、後述の構造物を光ファイバ保持部品に取り付けるときの、前記構造物と側壁2との係合に利用したり、後述の複数の光ファイバ保持部品を組み合わせた光ファイバ保持部品において一方の光ファイバ収納部から他方の光ファイバ収納部へ光ファイバを移動させるときに利用することができる。側壁2に設けた切り込み部2a1〜3は、側壁2と3の片方に設けてもよく、双方に設けてもよく、また全く設けなくてもよく、いずれの形態にするかは、本発明の光ファイバ保持部品を使用する目的や材質などによって適宜選択する。
【0140】
切り込み部2a1〜3は、たとえば、本発明の光ファイバ保持部品を各種の自動加工機や蒸着中での制御などを含む工程に用いる場合の、制御用部品との係合に利用すれば、正確な操作を行うことができる。
【0141】
また、本発明の実施の形態例として説明した、真空中でも使用することができるフッ素ゴムを用いて一体成形加工により製造した光ファイバ保持部品は、側壁などの厚味を薄くつくり、中に収納している光ファイバを束のまま取り出しやすくしたような場合は、光ファイバの各種処理工程中に前記光ファイバ保持部品を取り扱いにくい場合もある。また、光ファイバ保持部品の使用目的によっては、光ファイバ保持部品に反りが生じるおそれを犠牲にしても材質と寸法を選択する場合もある。そのような条件を考慮して、本発明の光ファイバ保持部品の実施の形態の例では、光ファイバ保持部品の内壁と側壁に係合して装着することができる構造物を用いることができる。
【0142】
この構造物としては、特に図示していないが、図1〜5を用いて、各種寸法d1〜d7などの例を示して説明した光ファイバ保持部品に係合する構造物の例をあげると、側壁外側部分に接するように装着することができる中空円板とその中空円板の中側端部に接続されている、前記内壁7に挿入される中空円筒部分とからなる構造物をあげることができる。この構造物の寸法の例として、前記d1〜d7などの各種寸法を例示した光ファイバ保持部品に用いる場合、構造物の前記中空円板は、厚味が0.5mm、外側直径が70mm、内側直径が63mm、前記中空円筒部分の外側直径が65mm、内側直径が63mm(すなわち、中空円筒部分の肉厚が65−63=2mm)、円筒部分の長さ(すなわち、円板からの立ち上がり部分の寸法)が2.6mmで、かつ、円筒の先端部分の長さ0.8mmは、外周が内側へ15度の角度のテーパ状に形成されている。このようにすると、構造物を光ファイバ保持部材の内壁に容易に挿入することができるとともに、中空円板部分を光ファイバ保持部品の側壁外側部分に当接するまで構造物を挿入した段階で、前記内壁の収縮力によって前記円筒部分のテーパになっていない部分、すなわち、中空円板から立ち上がっている1.8mmの部分が特に締め付けられ、確実に位置を保つことができ、この構造物により、光ファイバ保持部品の補強や各種制御用部材との係合などの役割を果たすことができ、一層取扱い易い光ファイバ保持部品にすることができる。
【0143】
図8は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の突起のさらに具体的な例を説明する図である。図8で、符号40〜42は突起で、突起40〜42はそれらが形成されている側壁の外周の接線に対して平行か、あるいは、突起の先端がその付け根部分よりも光ファイバ収納部の前記底面の方向にあるように光ファイバ収納部の内側方向に傾けて形成されているか、当該側壁の法線方向に平行で、かつ、当該側壁に対向して配置されている側壁の方向に向けて形成されている。
【0144】
そして、それらの各突起の配置されている各側壁の法線に対して突起40と42の中心線は所定の角度−θ5だけ、突起41はθ5だけ傾けられて形成されている。この所定の角度θ5は10度以下であることが好ましく、光ファイバの巻き取りや引き出しに操作しやすく、かつ、光ファイバ保持部品の光ファイバ収納部に巻き付けて収納してある光ファイバが、光ファイバ保持部品の取扱中に自然に解けにくく、光ファイバを高い信頼性をもって光ファイバ保持部品に保持しておくことがでる。また、突起40および42は同じ側壁3に形成されており、突起41は突起40および42が形成されている側壁3に対向して配置されている側壁2に形成されている。
【0145】
また、突起40〜42の側壁に対して垂直方向の長さ成分は当該両側壁間の距離の1/4(4分の1)以上であり、特に両側壁間の距離すなわち両側壁の間隔より0.05〜0.15mm短かくすると、光ファイバの巻き付け易さは維持されて、光ファイバ素線を収納したときの耐落下特性に優れ、収納具の信頼性が高い。
【0146】
図8の各突起は側壁の周方向に関して図の下方に傾けて形成されており、図8のように、突起を側壁の周方向の一方向に、たとえば図の下方に傾けて形成することによって、該突起を有する光ファイバ収納部に巻き付けられた光ファイバが自然に解けるのを防ぐための突起の太さを細くすることができるなど突起を柔らかくすることができ、光ファイバを光ファイバ保持部品に収納するときに、光ファイバを容易に収納することが出来る。また、突起の長さを側壁間の距離の半分以上に形成することによって、光ファイバ収納部に巻きつけた光ファイバが自然に解けて光ファイバ収納部の外部に出てしまうことを効果的に防ぐことが出来る。
【0147】
図9は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の突起のさらに他の例を説明する図である。図9において、符号43〜48は突起で、それらが形成されている側壁の外周の接線に対して平行か、あるいは、突起の先端がその付け根部分よりも光ファイバ収納部の前記底面の方向にあるように光ファイバ収納部の内側方向に傾けて形成されているか、当該側壁の法線方向に平行で、かつ、当該側壁に対向して配置されている側壁の方向に向けて形成されている。
【0148】
突起43〜48はそれらが形成されている側壁に対して、側壁の法線に対して突起43,44,47,48の中心線は所定の角度−θ6だけ、突起45,46の中心線は所定の角度θ6だけ傾けられて形成されている。この所定の角度θ6を10度以下にすると特に操作性に優れた収納具を実現することができる。また、突起43,44,47,48は同一側壁上に形成されており、突起43と44、突起47と48は、それぞれ根本が接するか突起の根本、すなわち付け根部分、の間隙が当該各突起の根本の最大径の2倍以下、あるいは突起の根本における当該両突起の外接円の直径の2倍以下であるように近接して形成されている突起対を形成するように形成されている。また、突起45および46は突起43,44,47,48が形成されている側壁に対向して配置されている側壁に配置されており、突起45と46も突起対を形成するように形成されている。また、突起43〜48の長さの当該側壁に垂直な方向の成分は当該側壁間の距離の1/4以上になっており、当該側壁間の距離、すなわち間隔より0.05〜0.15mm短いようにすると、操作し易く、かつ、光ファイバ素線のときにも光ファイバ保持部品を誤って落下させてしまったときに光ファイバが保持部品から一部飛び出してしまうことを防止できるという耐落下特性に優れており、収納具の信頼性も高い。
【0149】
図9のように、突起を側壁の周方向の一方向に、たとえば図の下方に傾けて、すなわち、各突起の根本よりも先端部が図の下方に位置するように傾けて形成することによって、光ファイバを収納具に収納するときに収納しやすくすることが出来る。突起同士の根本を近接させて配置することによって、隣接した突起の間に部品の一部などを引っかけて保持することが出来る。
【0150】
また、突起の長さの当該側壁に垂直な方向成分を側壁間の距離の半分以上に形成することによって、光ファイバ収納部に収納した光ファイバが解けて外部に出てしまうことを効果的に防ぐことが出来る。
【0151】
図8と図9の突起は、本発明の対向して配置されている一対の側壁の双方に配置されており、かつ、前記一対の側壁の周方向において、交互に、すなわち、側壁2に当該突起中のある1本の突起が配置されているとき側壁の周方向で次の突起は側壁3に、その次の突起は再び側壁2にというように配置されている例である。
【0152】
図10と図11は、本発明の光ファイバ保持部品の例における側壁上の突起の配置の例を説明する図である。図中、符号51,53は側壁、54および58〜60は突起、61はそれぞれ2つの突起が近接して配置された突起対である。図10において、突起54は各突起同士が等間隔になるように側壁51上に配置されている。
【0153】
図11において、突起58〜60は側壁53上に、突起59と60は突起の根本が接するように形成され、突起58は他の突起とは接しないように形成されており、突起は突起58のように単独に配置された突起が2つ並んだ後に突起対61が並ぶという順番で繰り返して配置されており、単独に配置された突起同士および単独に配置された突起と突起対61の中心が等間隔になるように配置されている。
【0154】
図12〜16は、本発明の光ファイバ保持部品の例において、前記対向して配置されている一対の側壁のうちの一方の側壁にのみ突起が設けられており、他方の側壁には突起が設けられていない例を説明する図である。
【0155】
図12は、本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の例を説明する断面図である。図12で、符号604は本発明の光ファイバ保持部品、71は本発明の光ファイバ保持部品を構成するリール胴体、72および73はリール胴体71に接続されあるいは接合されあるいは近接して配置されており、かつ、互いに対向して配置されている側壁、76はリール胴体71の側壁72および73の内側の部分のリール外周部、77はリール外周部76と側壁72および73と後述の突起79,80および他の突起(図示せず)とによって形成されている空間部である光ファイバ収納部、78は空洞部、79および80は側壁72に配置され、側壁72から側壁73の方向に向けて突き出している弾性体の突起である。突起79および80はそれらが形成されている側壁の外周の接線に対して平行か、あるいは、突起の先端がその付け根部分よりも光ファイバ収納部の前記底面の方向にあるように光ファイバ収納部の内側方向に傾けて形成されているか、当該側壁の法線方向に平行で、かつ、当該側壁に対向して配置されている側壁の方向に向けて形成されている。
【0156】
突起79,80およびその他の突起(図示せず)の各中心線は、その配置されている位置における側壁72の法線と所定の角度θ7だけ光ファイバ収納部の底面すなわちリール外周部76の方向に向けて傾けて形成されている。
【0157】
この所定の角度θ7は、10度以下が好ましく、操作し易く、信頼性の高い収納具を実現することができる。
【0158】
図12のように、各突起をリール外周部76の方向に傾けて配置することによって、突起の太さを細くすることができ、光ファイバを光ファイバ収納部77のリール外周部76に巻きつけ易くなるとともに、光ファイバ収納部77のリール外周部76に巻きつけられている光ファイバが作業中などに自然に解けて光ファイバ保持部品の外に出てしまうのを効果的に防ぐことが出来る。
【0159】
図13〜図16は図12で説明した光ファイバ保持部品の突起の例を説明する図で、光ファイバ保持部品を突起の外側方向から見た図である。
【0160】
図13で符号90および91は突起で、突起90,91は、その根本の位置において、それらが形成されている側壁に対して垂直に形成されている。突起90および91は同じ側壁72に形成されている。突起90,91の長さは側壁の間隔の1/4以上であり、かつ、前記突起が形成されている側壁に対向する側壁に接する長さ以下に形成されている。
【0161】
図13のように、突起の長さを側壁間の距離の1/4以上で、かつ、側壁の間隔以下に形成することによって、光ファイバが解けて外部に出てしまうことを効果的に防ぐことが出来る。そして、突起の長さを側壁間の距離、すなわち両側壁の間隔より、0.05〜0.15mm短く形成すると、使いやすく、耐落下特性の優れた収納具にすることができる。すなわち、光ファイバを光ファイバ保持部品に巻き付けるときの抵抗力をあまり大きくせずに、光ファイバ保持部品に巻き付けられた光ファイバが、通常の取扱中に、誤って光ファイバ保持部品を落下させてしまった場合でも、光ファイバ保持部品から飛び出してしまうという心配がなく、高い信頼性で光ファイバを光ファイバ保持部品に収納保持しておくことができる。このように形成した光ファイバ保持部品は、光ファイバ素線の場合でも、高い信頼性で光ファイバを保持しておくことができる。
【0162】
図14で符号92〜95は突起で、突起92〜95は、それらが形成されている側壁72に垂直に、側壁72に対向して平行に配置されている側壁73の方向に向けて突出するように形成されている。突起92と93、突起94と95はそれぞれ根本が接するように形成されている突起対である。突起92〜95の長さとその効果および突起対の効果は前記の場合と同様である。
【0163】
図15で、符号96および97は突起で、突起96,97の中心線は、突起の根本における側壁72の外周に平行な面から外にでないように、かつ、それらが形成されている側壁72に対して、側壁の法線に対して所定の角度θ8だけ傾けられて形成されている。この所定の角度θ8を10度以下にすると、使い勝手の良い収納具にすることができる。また、突起96および97は同じ側壁72上に形成されている。また、突起96,97の側壁に対して垂直に測った長さは側壁間の距離の1/4以上であり、かつ、前記突起が形成されている側壁に対向する側壁に接する長さ以下に形成されている。
【0164】
図15のように、突起を側壁の周方向の一方向について、たとえば図の下方に傾けて形成することによって、光ファイバを光ファイバ保持部品に容易に収納することが出来る。また、突起の長さを両側壁の間隔の半分以上で、両側壁の間隔以下に形成することによって、巻きつけた光ファイバが自然に解けて外部に出てしまうことを効果的に防ぐことが出来る。
【0165】
図16において、符号98および99は突起で、突起98,99はそれらが形成されている側壁の法線に対して所定の角度θ9だけ傾けて形成されている。突起98,99は同一側壁72上に形成されており、その当該側壁に垂直な方向成分は側壁間の距離の1/4以上であり、かつ、前記突起が形成されている側壁72に対向する側壁73に接する長さ以下に形成されている。
【0166】
図16のように、突起を側壁の周方向についてたとえば図の下方に傾けて、すなわち、各突起の根本よりも先端部が図の下方に位置するように傾けて形成することによって、光ファイバを収納具に収納するときに、光ファイバを収納しやすくすることが出来る。突起同士の根本を接触させたり、突起の径以下の間隔になるように近接させて配置することによって、隣接した突起の間に部品などを保持することが出来る。また、図13の場合と同様に突起の長さの当該側壁に垂直な方向成分を側壁間の距離の半分以上に形成することによって、光ファイバが解けて外部に出てしまうことを効果的に防ぐことが出来る。
【0167】
また、図13〜図16を用いて説明した突起は、前記図10と図11を用いて説明したような突起の配置にして用いることができる。
【0168】
図17〜図20は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図で、加工部の例としての凸部を3カ所に有する2つの側壁と前記2つの側壁の片方の側壁にのみ突起を有している光ファイバ保持部品の例である。図17は、本発明の光ファイバ保持部品の全体の半分を側壁に対して垂直な方向から見た図、図18は図17の光ファイバ保持部品を図中の直線1A−1Bで切った断面図,図19は本発明の光ファイバ保持部品に光ファイバ素線を複数本並列に並べてテープ状に実装した光ファイバテープ芯線を保持した状態を説明する図で、図18の光ファイバ収納部近傍を拡大した断面図、図20は本発明の光ファイバ保持部品に保持した光ファイバテープ芯線を光ファイバ保持部品から取り出す状態を説明する断面図である。
【0169】
図17〜図20において、符号700は本発明の光ファイバ保持部品、701は光ファイバ保持部品700を構成する弾性体のリール胴体、701aはリール胴体701の外周部分としてのリール外周部、701bは外周部分701aの位置を示す線、707および708はリール胴体701に接続されている弾性体の側壁,702はリール胴体701と側壁707および側壁708の内側に形成されている空洞部分、703A,703B,703C,703D,703E,703F,703G,703H,703I,703J,703K,703L,703Mは側壁707に設けられ側壁707から側壁708の方向へ突起している弾性体の突起(図17では側壁707の裏側にあるために見えない)の位置を示す印で、以下において突起そのものを表す場合もある。また、突起703A,703B,703C,703D,703E,703F,703G,703H,703I,703J,703K,703L,703Mのそれぞれを、あるいは総称して突起703と称することもある。符号704a,705a,706aは側壁707に設けられた加工部としての凸部、704b,705b,706bは側壁708に設けられた加工部としての凸部、また、加工部704aと704b,加工部705aと705bおよび加工部706aと706bは側壁707と708の中間を通る平面に関してそれぞれ対称に配置されており、以下において、対称な位置にある2つ1組の加工部のそれぞれを、あるいは総称して加工部704,加工部705,加工部706とも称する。符号709はリール胴体701および側壁707,708および突起703によって構成される光ファイバ収納部,710は本発明の光ファイバ保持部品に収納された光ファイバで、710aは収納された光ファイバ710の最初に収納された一巻き、710bは光ファイバ710の710a以外の部分である。符号711aは光ファイバ710の最初に収納した一巻き側の終端部である引き出し部、711bは引き出し部711aと反対側の終端部としての引き出し部である。
【0170】
図17と図18で、各突起703は等間隔に位置するようにそしてリール外周部701aからの距離がそれぞれ等しくなるように形成されており、リール胴体701,側壁707,708,突起703および加工部704,705,706はすべて弾性体になるように、合成ゴムを用いて一体成形技術によって一体に形成されている。また、加工部704,705,706は、好適な一例として、側壁の少なくとも一部に、飽和ポリマー表面改質反応性高機能表面処理剤が塗布されて後熱処理された加工が施されている。加工部704はリール胴体701の最も内側すなわち側壁707および708の内周に沿って形成されている。加工部705は側壁707および708上でリール外周部701aよりも外側でかつ突起703が形成されている部分よりも内側に形成されている。加工部706は、加工部706の内周が突起703根本の中心を通っており、かつ、外周が側壁707,708の外周よりはわずかに内側になるように形成されている。
【0171】
突起703は側壁707から側壁708へと突き出して形成されており、側壁707に対して垂直に、もしくは側壁707の法線に対してリール外周部701a側へ測った角度で所定の角度θaだけ傾いて、もしくは側壁707の法線に対して側壁の外周に沿って測った角度で所定の角度θbだけ傾いて、あるいは前記角度θaとθbがともに存在するような傾きに形成されている。前記所定の角度θaとθbの値は、10度以下が光ファイバの収納しやすさと解けにくさの観点から特に好ましい。
【0172】
突起703の側壁707から側壁708の方向へ垂直に測った高さとしての長さは、側壁707と側壁708の間隔の1/4以上にすることが好ましく、広い用途に用いることができる。そして、その長さを、側壁707と側壁708の間隔の1/2よりも大きく側壁707と側壁708の間隔よりも0.05〜0.15mm短い長さにすると、光ファイバの収納作業がし易いとともに、光ファイバを収納した光ファイバ保持部品を用いて光ファイバにコリメータを取り付けたり、光ファイバの端面に反射防止膜を蒸着したりする諸作業がやりやすくなり、光ファイバを誤って落下させたときにも光ファイバの一部が解けて光ファイバ保持部品の外へ出てしまうのを効果的に防止することができる。
【0173】
図19は、本発明の光ファイバ保持部品に収納されたテープ芯線の光ファイバの状態を説明する模式図である。図19で、光ファイバ710は最初の一巻き710aは側壁708側によった状態で収納されており、光ファイバ710の光ファイバ710の710a以外の部分710bは側壁707側によった状態で収納されている。
【0174】
図20は、図19の状態をさらに詳しく説明する図である。図20で、光ファイバ710の引き出し部711aは光ファイバ収納部709の側壁708側を通って外部に出ており、引き出し部711bは光ファイバ収納部709の側壁707側を通って外部にでている。
【0175】
図17〜図20を用いて説明したような光ファイバ保持部品を使って光ファイバ710を収納する場合は、突起703に光ファイバ710の巻きはじめ部分を押し当てて、突起703を曲げて、光ファイバ収納部709の内部へ光ファイバ710を入れた後、光ファイバ710をリール外周部701bに巻きつけていく。また、光ファイバ収納部709に収納した光ファイバ710を取り出す際は、引き出し部711aまたは引き出し部711bをもって、ほどいて取り出す。
【0176】
このように、図17〜図20を用いて説明したような光ファイバ保持部品を使ってテープ芯線の光ファイバ710を収納した場合、側壁707と側壁708を平行に形成し、それらの間隔をそこの巻き付けて収納するテープ芯線の幅の2倍よりもわずかに広く形成しておくと、引き出し部711aが存在するため、引き出し部711aを引っ張ると光ファイバ710の最初の一巻きである引き出し部710aは側壁708側へ、それ以外の部分はきれいに側壁707に押し当てられた状態になり、光ファイバ710同士が絡まることがない。
【0177】
突起703を適宜柔軟な素材で構成することによって、光ファイバ710をどちらの終端部からでも取り出すことができる。
【0178】
また、加工部704,705,706が存在することにより、本発明の光ファイバ保持部品を重ねて取り扱う際に、光ファイバ保持部品同士がくっつくことの心配が無く、大量の光ファイバを少ないスペースに収納することができる。
【0179】
図21〜図24は、本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図で、加工部としての凸部を2つ有する側壁を2つ有し、両方の側壁に突起を有している例である。図21は、本発明の光ファイバ保持部品の全体の半分を側壁に対して垂直な方向から見た図で、図22は図21の光ファイバ保持部品を直線1C−1Dの部分で切った断面図,図23は図22の光ファイバ収納部付近を拡大した断面図、図24は本発明の光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の製法を説明する断面図である。
【0180】
図21〜図24において、符号750は本発明の光ファイバ保持部品、751は光ファイバ保持部品750を構成する弾性体のリール胴体、751aはリール胴体751の外周部分としてのリール外周部、757および758は弾性体の側壁,752はリール胴体部分750および側壁757,758の中央部分に形成されている空洞部分、753A,753B,753C,753D,753E,753F,753G,753H,753I,753J,753K,753L,753Mは側壁707に設けられた弾性体の突起の位置を示す印で、突起そのものを示す場合もある。また、突起753A,753B,753C,753D,753E,753F,753G,753H,753I,753J,753K,753L,753Mのそれぞれを、あるいは総称して突起753と称することもある。符号754A,754B,754C,754D,754E,754F,754G,754H,754I,754J,754K,754L,754Mは側壁708に設けられた弾性体の突起の位置を示す印で、突起そのものを示す場合もある。また、突起754A,754B,754C,754D,754E,754F,754G,754H,754I,754J,754K,754L,754Mのそれぞれを、あるいは総称して突起754と称することもある。符号755a,756aは側壁757に設けられた加工部としての凸部、755b,756bは側壁708に設けられた加工部としての凸部、また、加工部755aと755bおよび加工部756aと756bは側壁757と758の中間を通る平面に関してそれぞれ対称に配置されており、以下において、対称な位置にある2つ1組の加工部のそれぞれを、あるいは総称して加工部755,加工部756とも称する。符号759はリール胴体751および側壁757,758および突起753,754によって構成される光ファイバ収納部、760はリール胴体751の内周部分に設けられた取り付け部である。また、符号770および771は側壁、772aおよび773aは側壁770に設けられた加工部としての凸部、772bおよび773bは側壁771に設けられた加工部としての凸部、779はリール胴体、774はリール胴体の内周部に設けられた取り付け部、778は後述の符号775〜777で示した部分で構成される側壁771に設けられた突起、775は突起778の先端部、776は突起778の中間部、777は突起778の土台部である。
【0181】
図21と図22で、各突起753同士および各突起754同士は当該側壁の中心を中心とする円周上に等間隔に位置するように形成されており、かつ、たとえば突起753aと突起754aおよび突起754aと突起753bのように、隣り合った突起753と754の間隔は等間隔に配置されている。リール胴体751,側壁757,側壁758,突起753および突起754はすべて合成ゴムを用いた一体成形技術によって一体に形成されている。
【0182】
加工部755,756は側壁の一部を表面処理あるいは熱処理のいずれか一方または双方の処理をして光ファイバ保持部品同士を圧着させても簡単にはくっつかないようにしたものである。加工部755はリール胴体751の最も内側すなわち側壁757および758の内周に沿って形成されており、側壁757および758のリール外周部751aがある部分よりも内側である。加工部756は、加工部756の内周が突起753および754の根本の中心よりもわずかに外側を通っており、かつ、加工部756の外周が側壁757,758の外周よりはわずかに内側に形成されている。
【0183】
突起753は側壁757から側壁758の方へと突き出して形成されており、側壁757に対して垂直に、もしくは側壁757の法線に対してリール外周部751a側へ測った角度で所定の角度θcだけ傾いて、もしくは側壁757の法線に対して側壁の外周に沿って測った角度で所定の角度θdだけ傾いて、あるいは前記角度θcとθdがともに存在するような傾きに形成されている。前記所定の角度θcとθdは、高々10度にすることが好ましく、5〜10度にすることによって、光ファイバの巻き付け収納を弱い力でも簡単に行うことができ、かつ、収納された光ファイバの解れを確実に防止することができる。
【0184】
図23で、取り付け部760は、リール胴体751の内周部分のほぼ中央に設けられている溝で、この溝に、本発明の光ファイバ保持部品を補強するために取り付けるたとえば金属の輪などの構造物を挿入して取り付けることができる。これによって、光ファイバ保持部品のリール胴体が変形しにくくなり、各種の自動機に用いやすくなる。
【0185】
突起753と754は、図23では接触しているようにも見えるが、実際には図21にその位置を示したように互いに離れて形成されている。突起753の側壁757から側壁758の方向へ垂直に測った高さとしての長さは、側壁757と側壁758の間隔の1/4以上にすることが好ましく、広い用途に用いることができる。そして、その長さを、側壁757と758の間隔の1/2よりも大きく側壁757と758の間隔よりも0.05〜0.15mm短い長さにすると、たとえば光ファイバ素線の場合の収納作業がし易いとともに、光ファイバを収納した光ファイバ保持部品を用いて光ファイバにコリメータを取り付けたり、光ファイバの端面に反射防止膜を蒸着したりする諸作業がやりやすくなり、光ファイバを誤って落下させたときにも光ファイバが解けるのを効果的に防止することができる。突起754の長さについても突起753の場合と同様である。この突起753と754の長さの合計を、側壁757と側壁758の間隔よりも0.05〜0.24mm大きい値にすると、作業性がよくかつ信頼性の高い光ファイバ保持部品にすることができ、たとえば、側壁757と側壁758の間隔を0.93mmにしたときに前記両突起の長さの合計値を1.14mmにすると極めて信頼性の高い光ファイバ保持部品を得ることができる。
【0186】
突起の、当該側壁から突き出している方向の断面形状は、突起703のように、棒状の突起で、対向して配置されている一対の側壁のうちの片方の側壁にのみ突起が設けられている場合は、突起の太さは付け根の近傍から先端の近傍までほぼ同じ太さに形成して良く、突起の付け根の近傍は、断面で側壁707の表面から円弧状に立ち上がっており、突起の先端部は半球状になっている。このような形状は、光ファイバの取扱上、作業性を高めるとともに、信頼性を高める効果を発揮する。
【0187】
突起753と754のように、棒状の突起で、対向して配置されている一対の側壁の両方の側壁に突起が設けられている場合は、各突起の太さは、突起の付け根部分から先端部分に向けて徐々に細くなるように形成することが好ましく、たとえば図23の断面図において、突起753の両側の輪郭線分7531と7532が2〜15度の角度を有するように突起753の先端部に進みにつれて細くなり、先端部は、たとえば球面の一部のように丸みを帯びているように形成することが好ましい。突起の立ち上がり部分すなわち付け根部分の近傍は、当該側壁から、たとえば円弧状に丸みを帯びた形状で立ち上がるようにすることが好ましい。このような突起の形状にすることによって、光ファイバを収納しやすくなるとともに、収納部から必要な長さの光ファイバを引き出して前記の諸作業を行うときに、光ファイバを引き出しやすく、しかも引き出した光ファイバが作業中によけいに引き出される危険性が極めて低く、また、誤って落下させたときに光ファイバが飛び出しやすくなる危険性を防止することができる。突起754についても同様である。
【0188】
図24で、加工部772aおよび加工部772bはリール胴体779の内周部すなわち側壁770および側壁771の内周部分からリール胴体779のリール外周部779aの位置にわたって側壁770と側壁771の外側面に設けられている。加工部773aおよび773bは側壁770および側壁771の最外周部分よりもわずかに内側に設けられている。
【0189】
取り付け部774はリール胴体の内周部のほぼ中央に設けられている溝になっている。この用途と硬化は、図23を用いて説明した取り付け部760の場合と同様である。
【0190】
突起778は、図21〜図23を用いて説明した突起の好ましい形状の効果に近い効果を持たせることができ、製造コストを安くすることができる突起のれいである。突起778は、図24のように、土台部777の上に中間部776が形成されており、中間部776の上に先端部775が形成されている。突起778は、側壁770,771およびリール胴体779は一体形成技術によって形成されている。
【0191】
突起778部分を形成するための成形型の作成は、まず土台部777の形状に雌型を加工し、次に、土台部777の中央部を中間部776の形状に雌型を掘り下げ、次に、中間部776の中央部を先端部775の形状に穴を形成して、突起778用の型ができる。このような形状の成型用型は加工が比較的容易なので、製造費の低減が可能になる。そして、このような形状の突起は、突起753,754の特性と全く同じではないが、それに近似した特性を示す。
【0192】
本発明の光ファイバ保持部品は、前記側壁の外周の径方向最大寸法、外周を円形状にした場合はその直径を10cm以下にすることができる。光ファイバを巻き付けて収納する部品は、光ファイバの剛性と折れ易さなどのため、このような小型の光ファイバ巻き付け保存は従来は不可能と考えられていた。しかし、本発明者の検討の結果、その構成に新たな発想を加えることによって、本発明の光ファイバ保持部品の前記側壁の外周の直径を10cm以下はもちろんのこと、8cm以下にすることもできることが実証された。
【0193】
図21〜図23を用いて説明したような本発明の光ファイバ保持部品の例として、リール外周部の直径を6.8cm、リール内周の直径を6.5cm、側壁757と758の外周の直径を7.36cm、側壁757の外側から側壁758の外側までの寸法すなわち光ファイバ保持部品の前記加工部を含まない厚みを2.2mm、前記加工部を含んだ厚みを2.6mm、加工部の幅を0.7mm、側壁757と758の間隔を0.93mm、突起753と754の各付け根の中心からリール胴体の外周面までの距離を1.85mm、突起753と754の付け根部分の直径を0.46mm、突起753と突起754の長さを0.57mm、側壁外周から各突起の中心までの距離を1.1mmにした光ファイバ保持部品を、後述のフッ素ゴムを用いて200個作成し、光ファイバ素線を収納し、前記各種の作業を行ったところ、極めて作業性が良く、端末への光学部品の取り付け、ファイバ端面の研磨、ファイバ端面への反射防止膜の蒸着、納品などの各種作業を同一の光ファイバ保持部品を用いて行うことができた。そして、この作業中、従来大きな問題になっていた光ファイバの折れ断線事故は全く生じなかった。これによって、作業時間は大幅に短縮され、真空蒸着におけるアウトガスの心配もなく良好な反射防止膜を形成することができ、部品コストも大幅に低下させることができた。そして、光ファイバ素線を本発明の光ファイバ保持部品に収納するに当たり、数十個の光ファイバ保持部品を棒状のマガジンに多少圧縮力がかかるように取り付け、巻線機によって自動的に光ファイバの巻き取り収納を行ったところ、前記加工部の効果によって、光ファイバ保持部品同士が密着することもなく自動巻取りを行うことができた。
【0194】
また、光ファイバを手で巻き付けて収納する場合は、光ファイバ素線を巻き付けるため、突起753または突起754に光ファイバの一部を押し当てて、突起753または754を光ファイバ収納部の内側へ曲げて、光ファイバ収納部759の内部へ光ファイバを入れた後、光ファイバをリール外周部751aに巻きつける。
【0195】
このとき、側壁757と側壁758の外周部分の形状を、たとえば、図22および図23の断面図における形状が円弧状の輪郭になるように、側壁の突起のある位置から光ファイバ保持部品の外部の方向にすすむにつれて両側壁の間隔が広くなるように側壁を形成しておくと、この側壁間隔の変化が光ファイバを巻き付けるときのガイドの役割をして、光ファイバ保持部品に光ファイバを巻き付けやすくなるとともに、機械によって光ファイバを光ファイバ保持部品に巻き付けるのに、極めて正確に、高速で巻くことができなど、多大な効果をもたらす。
【0196】
このように光ファイバ保持部品に巻き付けられた光ファイバは、前記のリール外周部および側壁外周の寸法では、もっと大きな径になるように解けようとするが、本発明による光ファイバ収納部の適切な構造、特に弾性体の突起753と754の効果によって、自然に解けることなく、光ファイバ収納部に収納され保持される。しかも、従来のように、光ファイバを一定の形に保持するためにテープなどで強制的に止める必要が無く、また、作業中に光ファイバに引っ張り力がかかっても、光ファイバはリール外周部の直径以下の曲率に曲げられることがなく、従来のような光ファイバの折れ断線を生じない。さらに、作業において、必要以上の長さに光ファイバが引っ張られて引き出されないので、作業における光ファイバの混線もなく、作業スペースも小さくて済む。
【0197】
このように、図21〜図23を用いて説明したような光ファイバ保持部品を使って光ファイバを収納した場合、突起753および突起754を適宜柔軟な素材で構成することによって、光ファイバを比較的容易に取り出すことができる。また、加工部755,756が存在することにより、本発明の光ファイバ保持部品を多数重ねて保管したり、光ファイバ巻き取り機のマガジンに多数装着して光ファイバを巻き取る場合などに、光ファイバ保持部品同士がくっついてしまうことがなく、大量の光ファイバを小さなスペース取り扱うことができることができる。
【0198】
図1〜図23を参照して説明してきた本発明の実施の形態における突起の形状は、図とその説明から、いわゆる棒状や細い板状などのように、細長い形状の突起にあてはまることは明白であるが、同じく図とその説明の一部から、前記細長い形状の突起以外にも本発明を適用できるものであるということができる。本発明では、たとえば、突起が配置されている位置での、前記弾性体の突起の側壁の径方向の寸法(すなわち、突起の厚み)よりも前記側壁の外周に沿った方法の寸法が大きく、かつ、前記側壁の外周に沿った当該側壁の周長よりも短い寸法の突起、すなわち、帯状の突起あるいは帯状突起とも称する形状の弾性体の突起として用いることもできる。
【0199】
この帯状の突起を用いる場合、その側壁外周に沿った寸法は、突起の設けられている位置における側壁の外周に沿った寸法の1/2以下の寸法にすることが、光ファイバの挿入、取り出しの観点から好ましく、特に1/4以下の寸法にしたり、前記細長い突起と併用することが特に好ましい。
【0200】
図25は、図19と図20を用いて本発明の光ファイバ保持部品を説明した際に説明に用いた衆知のテープ芯線光ファイバの例を説明する図で光ファイバの長手方向に対して垂直に切った断面図であえる。図のテープ芯線光ファイバは、光ファイバ素線を4本並列に並べて樹脂被覆で覆ったものである。
【0201】
図25において、符号300はテープ芯線光ファイバ、301〜304は光ファイバ素線、305は被覆、Tpはテープ芯線光ファイバの厚み、Wpはテープ芯線光ファイバの幅である。
【0202】
4芯のテープ芯線として、幅Wpが1〜1.1mm、厚みTpが0.3mmのものを用いて、図17〜図24を用いて説明した本発明の光ファイバ保持部品に収納したところ、光ファイバ収納部の幅、すなわち2つの側壁の間隔を、テープ芯線の幅よりも0.4〜0.6mm広くした時とテープ芯線の幅の2〜2.5倍にしたときに、テープ芯線の巻き取りおよび引き出しが特にスムーズであった。
【0203】
8芯のテープは幅が2〜2.2mmであるが、厚みは0.3mmであり、テープ芯線としては、このほかにも、2芯、12芯のテープなど種々用いられており、それらは、テープの幅は異なるが、厚みは概ね同じにする場合が多い。テープ芯線に用いる場合は、これらのことを考慮することが好ましい。
【0204】
なお、以上図1〜図24を用いて主な特徴を説明したような対向配置された側壁と少なくとも1つの前記側壁の外周部近傍に形成された突起を有する光ファイバ収納部を有するものを以下において、第1の収納ユニットとも称する。
【0205】
つぎに、図1〜図24を用いて説明した側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有する光ファイバ収納部を有する第1の収納ユニットを1つと他の光ファイバ収納部を有する第2の収納ユニットを1つ有する例について説明する。
【0206】
図26は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の例を説明する断面図で、図1〜図24を用いて説明したように、板状で少なくとも一対が対向して配置されており、その外周部の間から光ファイバを挿入して収納することができる光ファイバ収納部を構成する要素となっている、前記側壁の少なくとも一方の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有する光ファイバ収納部を2つを組み合わせた形の光ファイバ保持部品の例である。
【0207】
図26で、符号613は本発明の光ファイバ保持部品、171はリール胴体、172,173はリール胴体171に接続あるいは接合あるいは近接して配置されており、かつ、互いに対向して配置されている側壁、174aおよび174bは側壁172から側壁173の方向に向けて、側壁172から突き出して形成されている弾性体の突起で、以下、突起174a,174bおよび図示していないが側壁172の外周部近傍に設けられているその他の突起のそれぞれを、あるいは総称して突起174とも称する。また、符号175はリール胴体171のリール外周部、176はリール外周部175と側壁172および173と突起174によって作られた空洞部である第1の光ファイバ収納部、183は符号171〜176の部分で構成される第1の収納ユニット、177はリール胴体、178および179はリール胴体177に接続あるいは接合あるいは近接して配置されており、かつ、互いに対向されて配置されている側壁、180aおよび180bは側壁178から側壁179の方向に向けて、側壁178から突き出している弾性体の突起である。突起180a,180bおよび図示していないが側壁178の外周部近傍に設けられているその他の突起を総称して突起180とも称する。また、符号181はリール胴体177のリール外周部、182はリール外周部181と側壁178および179および突起180によって作られた空洞部である第2の光ファイバ収納部、184は符号177〜182の部分で構成される第2の収納ユニット、185は第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184を接合するためのユニット接合部品、186は収納ユニット184をユニット接合部品185に装着するための取り付け部、187は収納ユニット183をユニット接合部品185に装着するための取り付け部、188は第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184との隙間部分である。なお、隙間部分188は光ファイバ保持部品の用途によって形成するものである。
【0208】
第1の収納ユニット183には主として光ファイバを巻きつけて収納し、光ファイバに取り付けられている部品を第2の収納ユニット184に収納し、第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184の間を側壁173および179に設けられた切り込み部を介して光ファイバを往き来させることが出来る。符号189は側壁172,173,178,179とリール胴体171および177の中心部にあるユニット接合部品185の中心部に形成されている空洞部である。
【0209】
図26において、リール胴体171,側壁172および173,突起174,リール外周部175を有する第1の収納ユニット183およびリール胴体177,側壁178および179、突起180、リール外周部181を有する第2の収納ユニットはシリコーンゴムやフッ素ゴムなどのゴムによって作られている。また、第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184はユニット接合部品185によって一体になって接合されている。ユニット接合部品185はプラスチックによって作られている。
【0210】
図26の側壁172,173,178,179の少なくとも1つの側壁に図7を用いて説明したような切り込み部を有する側壁を用いて構成した光ファイバ保持部品を用いて光ファイバを収納する場合、たとえば、側壁173と179に切り込み部を有する側壁を用いると、第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184の一方に光ファイバを巻きつけ、必要に応じて光ファイバを、側壁173および179に設けられた前記切り込み部を介して一方の収納ユニット側から他方の収納ユニット側に移動させ、一方の収納ユニットに光ファイバを収納し、他方の収納ユニットに光ファイバの端末部の部品や光ファイバの途中に取り付けられている部品を収納することができ、一層小型の取扱い易い光ファイバ保持部品にすることができる。
【0211】
なお、図26を用いて説明したような本発明の光ファイバ保持部品の例に用いる側壁は、図7を用いて説明した側壁以外の側壁も用いることができることは本発明の説明から明らかである。図7を用いて説明した切り込み部のある側壁の切り込み部の好適な例として、切り込み部2a1〜2a3の幅すなわち各切り込み部の一端から多端までの寸法は、当該側壁の中心に対して張る中心角で15°以上にし、切り込み部の数を1〜4個にすると、ゴム製の側壁を用いた場合に、光ファイバを巻きつけ易く、光ファイバの取扱中の断線を防ぐことができ、さらに光ファイバ保持部品の形状を保ち易いなど特に好ましい。そして、図26の例では、切り込み部のある側壁173,179の切り込み部の位置を一致させて構成支えることが好ましい。また、第1の収納ユニット183と第2の収納ユニット184の各光ファイバ収納部の深さが異なるように各リール胴体の厚みを変えて構成することにより、光ファイバとその付属部品の収納を一層効果的に行うことができる。
【0212】
図27は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の例を説明する断面図で、図1〜図24を用いて説明した側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有する光ファイバ収納部を1つと側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体を有しない光ファイバ収納部を1つ有する例である。
【0213】
図27で、符号614は本発明の光ファイバ保持部品、191はリール胴体、192および193はリール胴体191に接続あるいは接合されており、かつ、互いに対向して配置されている側壁、194aおよび194bは側壁192から側壁193の方向に向けて、側壁192から突き出している弾性体の突起である。以下、突起194a,194bおよび図示していないが、側壁192の外周部近傍に設けられている突起194aおよび突起194b同様のその他の突起のそれぞれを、あるいは総称して突起194とも称する。符号195はリール胴体191のリール外周部、196はリール外周部195と側壁192および193と突起194によって作られた空洞部である第1の光ファイバ収納部、190は符号191〜195の部分を有する第1の収納ユニット、200はリール胴体197と側壁198と側壁199とで構成される第1の収納ユニット190に接続あるいは接合された第2の光ファイバ収納部、201はリール胴体197と側壁198,199を有する第2の収納ユニット、202は第1の収納ユニット190と第2の収納ユニット201を接合するためのユニット接合部品、203は第2の収納ユニット201を接続部品202に装着するための取り付け部、204は収納ユニット190を接続部品202に装着するための取り付け部、205は第1の収納ユニット190と第2の収納ユニット201との隙間部分、197aはリール胴体197のリール外周部である。隙間部分205は光ファイバ保持部品の用途に応じて形成する。
【0214】
図27において、リール胴体191,側壁192および193,突起194,リール外周部195を有する第1の収納ユニット190は合成ゴムによって作られており、リール胴体197,側壁198,側壁199を有する第2の収納ユニット201はプラスチックによって作られている。また、第1の収納ユニット190と第2の収納ユニット201は接合部品202によって一体に接合されている。
【0215】
図27の側壁192,193,198,199の少なくとも2つの側壁に図7および図26を用いて説明したような側壁と同様に切り込みが入っている側壁を用いて光ファイバ保持部品を構成し、図示していないが、リール胴体191とリール胴体197の内側部分すなわち内壁は同一形状同一内径にして、リール胴体197の厚みをリール胴体191の厚みより薄くすると、光ファイバを主として第1の収納ユニット190に収納し、端末部や途中の付属部品がある場合にはその付属部品を第2の収納ユニット201に収納すると、一層小型にしかもとり扱いやすい光ファイバ保持部品にすることができる。側壁の切り込み部の特徴やその活用方法は図26に場合と同様にすることができる。
【0216】
図27のように構成された光ファイバ保持部品を用いて、光ファイバを光ファイバ保持部品614に収納した場合、リール外周部195に巻きつけられた外側に広がろうとする光ファイバは突起194によって押さえられて、自然に解けることなく、光ファイバ収納部196に収納される。
【0217】
図28は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図で、図1〜図24を用いて説明した側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有する光ファイバ収納部を1つと側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体を有しない光ファイバ収納部を1つ有する例で、第1の収納ユニットと第2の収納ユニットを、合成ゴム材のような材料を型に流し込んで成形する一体成形技術を用いて、一体に成形した例である。
【0218】
図28で、符号615は本発明の光ファイバ保持部品、211はリール胴体、212および213ならびに217はリール胴体211と一体に形成されており、かつ、互いに対向配置されている側壁、214aおよび214bは側壁212から側壁213の方向に向けて、側壁212から突き出している弾性体の突起である。突起214aおよび214b、ならびに、図示していないが、突起214aおよび214bと同様に側壁212の外周部近傍において、側壁213の方向に突き出して形成されているその他の突起のそれぞれを、あるいは総称して突起214とも称する。また、符号215aはリール胴体211の側壁212と側壁213の間の第1のリール外周部、216はリール外周部215aと側壁212および213と突起214とによって形成された空洞部である第1の光ファイバ収納部としての光ファイバ収納部、215bはリール胴体211の側壁213と217の間の第2のリール外周部、218は側壁213と側壁217とリール外周部215bとで構成された第2の光ファイバ収納部、219は符号211〜214,および215aの部分を有する第1の収納ユニット、220は符号213,215b、217の部分で構成される第2の収納ユニットである。第1の収納ユニット219と第2の収納ユニットの使い方その効果は図26や図27の場合と同様である。少なくとも1つの側壁に切り込み部(図示せず)を設けると好ましいことも図26や図27の場合と同様である。221はリール胴体211の中央部分に形成されている空洞部分である。
【0219】
図29は本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図で、図1〜図24を用いて説明した側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有する光ファイバ収納部を2つと前記2つの光ファイバ収納部の間に側壁の外周部近傍に前記の如き弾性体の突起を有しない光ファイバ収納部を1つ有する例である。
【0220】
図29で、符号612は本発明の光ファイバ保持部品、141は本発明の光ファイバ保持部品612を構成する第1のリール胴体、142および143はリール胴体141に接続あるいは接合されており、かつ、互いに対向して配置されている側壁、144aおよび144bは側壁142から側壁143の方向に向けて側壁142から突き出している弾性体の突起で、突起144a,144bおよび図示していないが、側壁142の外周部近傍に設けられている突起144aや144bと同様の役割を有するその他の突起のそれぞれを、あるいは総称して突起144とも称する。また、符号145はリール胴体141のリール外周部、146はリール外周部145と側壁142および143とおよび突起144によって作られた空洞部である第1の光ファイバ収納部、153は符号141〜145の部分を有する第1の収納ユニット、147は本発明の光ファイバ保持部品を構成する第2のリール胴体、148および149はリール胴体147に接続あるいは接合されており、かつ、互いに対向して配置されている側壁、150aおよび150bは側壁148から側壁149の方向に向けて側壁148から突き出して形成されている弾性体の突起である。突起150a,150bおよび図示していないが、側壁148の外周部近傍に設けられているその他の突起のそれぞれを、あるいは総称して突起150とも称する。また、符号151はリール胴体147のリール外周部、152はリール外周部151と側壁148および149と突起150によって作られた空洞部である第3の光ファイバ収納部、154は符号147〜151の部分で構成される第3の収納ユニット、160はリール胴体155と側壁156と側壁157とで構成される第2の光ファイバ収納部、161はリール胴体155と側壁156および157と接合部分158および159を有し、収納ユニット153および154と接続あるいは接合された第2の収納ユニット、158は第2の収納ユニット161と第1の収納ユニット153との接合部分、159は第2の収納ユニット161と第3の収納ユニット154との接合部分、162は第3の収納ユニット154を第2の収納ユニット161に取り付けるための取り付け部、163は第1の収納ユニット153と第3の収納ユニット154を第2の収納ユニット161に取り付けるための取り付け部、164は第1の収納ユニット153と第2の収納ユニット161との隙間部分、165は第3の収納ユニット154と第2の収納ユニット161との隙間部分である。なお、隙間部分164,165は設けなくて良い場合と光ファイバ保持部品の用途によって適宜設けると良い場合がある。
【0221】
第1の収納ユニット153と第2の収納ユニット161の間は側壁143および157に設けられた、たとえば図7で説明したような、切り込み部を介して光ファイバを往き来させることができ、第3の収納ユニット154と第2の収納ユニット161の間は側壁149および156の互いに対応する位置(すなわち、同じ位置)に設けられた切り込み部を介して光ファイバを往き来することが出来る。
【0222】
符号166は側壁142,143,148,149,156、157の中心部分にあるリール胴体155の中心部に形成されている空洞部である。リール胴体141とリール胴体147とリール胴体155の厚みは同じであっても良いが、たとえば、中間部にフィルタなどの光学部品を取り付けて、前記光学部品の両端に適当な長さの第1と第2の光ファイバを取り付け、第1と第2の光ファイバの前記光学部品に取り付けられている端部と反対側の端部にはコネクタが取り付けられているというような光ファイバを光ファイバ保持部品612に巻き付けて保持する場合には、第1と第3の収納ユニットには主として両端部にある第1と第2の光ファイバを巻き付けて収納し、各収納ユニットの間にある側壁に設けられた切り込み部を介して光ファイバを収納ユニット間で移動させ、第2の収納ユニットに前記光学部品などを収納するようにすれば、従来では全く期待できなかった小型で高信頼性の、使い勝手の良い、余長処理用の光ファイバ保持部品として用いることができる。この場合、第2の収納ユニットの光ファイバ収納部の側壁間隔を他の収納ユニットのそれより広くしたり、第2の収納ユニットの光ファイバ収納部の深さを深く(すなわち、リール胴体の厚みを薄く)形成することによって、光学部品やコネクタなどをコンパクトに収納することができる。
【0223】
図29において、リール胴体141,側壁142および143,突起144,リール外周部145を有する第1の収納ユニット153、および、リール胴体147,側壁148および149,突起150,リール外周部151を有する第3の収納ユニット154は合成ゴムによって作られており、リール胴体155,側壁156および157,取り付け部158および159を有する第2の収納ユニット161はプラスチックによって作られている。また、用途によっては、第2の収納ユニットをアルミニウム、チタン合金、マグネシウム合金、ステンレス鋼などの金属で構成すると効果的である。
【0224】
第1の収納ユニット153および第3の収納ユニット154と第2の収納ユニット161は取り付け部158および159によって一体に接合されている。
【0225】
第1の収納ユニット153と第3の収納ユニット154は、同一の形状の収納ユニットを第2の収納ユニット161に関して対称になるように対向して配置されており、このようにすることにより製造コストを低減させることができる。
【0226】
図29のように構成された、第1および第2の収納ユニットの側壁の外周直径が75mmでリール外周部の直径が69mmの光ファイバ保持部品を用いて、光ファイバを光ファイバ保持部品に収納した場合、リール外周部145や151に巻きつけられた外側に広がろうとする光ファイバは、突起144や150によってそれぞれ押さえられて、自然に解けることなく光ファイバ収納部146や152に収納され保持される。
【0227】
また、図29を用いて説明したような本発明の光ファイバ保持部品の例に用いる側壁として、図7を用いて説明した側壁以外の側壁も当然用いることができることは前述ならびに後述の説明により明白である。また、特に、ゴム製の側壁において、図7の切り込み部の数を1〜4個にすると、光ファイバを巻きつけ易くさらに形状を保ち易いなど特に好ましい。
【0228】
次に、本発明に用いることができるフッ素ゴムの製造に関して、その例を説明する。本発明の実施の形態例で使用するフッ素ゴムは、架橋されたフッ素ゴムであり、その製造過程において後述するような高温で熱処理を施され、たとえば、下記のようなフッ素ゴム配合物(A1)、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A2)などが用いられる。
【0229】
フッ素ゴム配合物(A1)としては、下記のようなフッ素ゴムに必要により加硫剤、加硫助剤、酸捕捉剤、充填剤などが配合されたフッ素ゴム配合物が挙げられる。
【0230】
フッ素ゴムとしては、従来公知のものが広く用いられるが、ビニリデンフロライド系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、フルオロホスファゼン系ゴムなどが挙げられる。
【0231】
ビニリデンフロライド系ゴムとして、具体的には、たとえば、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合ゴム(例:DDE社製バイトンA−200)、ビニリデンフロライドとペンタフルオロプロピレンとの共重合ゴム、ビニリデンフロライドとクロロトリフルオロエチレンとの共重合ゴム、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とテトラフルオロエチレン(TFE)の三元共重合ゴム(例:DDE社製バイトンB、バイトンF、GF)などが挙げられ、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴムとしては、たとえば、テトラフルオロエチレン(TFE)とプロピレン(Pr)との共重合ゴム(例:旭硝子製アフラス)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムとしては、たとえば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合物に少量の架橋用モノマーを共重合してなるゴムが挙げられ、フルオロホスファゼン系ゴムとしては、たとえば、ジクロロホスフォニトリルの三量体を熱分解してなる長鎖ゴム(PNClと含フッ素アルコラートとを反応させて得られるゴムが挙げられ、フルオロシリコーン系ゴムとしては、たとえば、メチルトリフルオロプロピルシロキサンとビニルメチルシロキサンとの共重合ゴムが挙げられる。このようなフッ素ゴムのうちでは、ビニリデンフロライド系ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムが好ましい。
【0232】
加硫剤の例としては、アミン系加硫剤(a)、ポリオール系加硫剤(b)、パーオキサイド系加硫剤(c)、トリアジン系加硫剤(d)が挙げられ、アミン系加硫剤(a)として具体的には、たとえばヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン・カルバメートなどが挙げられ、ポリオール系加硫剤(b)としては、ビスフェノールAF、4,4’−ジヒドロキシルジフェニルなどが挙げられ、パーオキサイド系加硫剤(c)としては、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂製パーブチルP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(日本油脂製パーヘキサ25B)、ジクミルペルオキシド(日本油脂製パークミルD)、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日本油脂製パーヘキシン25B)、ベンゾイルペルオキシド(日本油脂製ナイパーB)などが挙げられ、トリアジン系加硫剤(d)としては、トリアジンが挙げられる。
【0233】
加硫助剤としては、具体的には、たとえばトリアリルイソシアヌレート(日本化成製タイク)、エチレングリコール・ジメタクリレート(三新化学サンエステルEG)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(三新化学サンエステルTMP)、多官能性メタクリレートモノマー(精工化学製ハイクロスM)、多価アルコールメタクリレートおよびアクリレート、メタクリル酸の金属塩などが挙げられる。
【0234】
酸捕捉剤(受酸剤)としては、二価金属の酸化物、水酸化物またはこれらの二価金属化合物と弱酸金属塩との混合物が挙げられる。二価金属としては、具体的にはマグネシウム、カルシウム、鉛、亜鉛などが挙げられる。これらの金属は、酸化物、または水酸化物として、あるいはこれら金属化合物とステアリン酸、安息香酸、炭酸、しゅう酸、亜リン酸などのような弱酸の金属塩との混合物として用いられる。
【0235】
このような酸捕捉剤として、さらに具体的には、たとえばCa(OH)、MgOなどが挙げられる。加硫促進剤としては、例えば、第四級ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩、8−アルキル(又はアラルキル)−1,8−ジアザ−バイシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンの第四級アンモニウム塩、アミノホスフィン酸誘導体などが挙げられる。
【0236】
充填剤としては、具体的には、たとえばカーボンブラック、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム(タルク)、ケイ酸アルミニウム(クレー)などが挙げられる。
【0237】
このようなフッ素ゴム配合物では、フッ素ゴム100重量部に対して、加硫剤は0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で、加硫助剤は、1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部の量で、酸捕捉剤は1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部の量で、加硫促進剤は0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜2重量部の量で、充填剤は1〜100重量部、好ましくは5〜40重量部の量で用いられる。
【0238】
上記のようなフッ素ゴム配合物を調製するには、上記のフッ素ゴムに上記のような量で加硫剤などの各種成分を配合し、たとえばロールにて混練すればよい。なお、このようなフッ素ゴム配合物として、具体的には、たとえば(イ)ビニリデンフロライド系ゴム、アミン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ロ)ビニリデンフロライド系ゴム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ハ)ビニリデンフロライド系ゴム、パーオキサイド系加硫剤、加硫助剤および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ニ)テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、ポリオール系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤からなるフッ素ゴム配合物、(ホ)テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴム、トリアジン系加硫剤、酸捕捉剤、加硫促進剤および充填剤からなるフッ素ゴム配合物などが挙げられる。
【0239】
フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A2)は、室温付近の温度では、ゴム弾性を示し、また加熱によって塑性流動性を示し、エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性セグメントとを含んでおり、これらの内で少なくとも一方は含フッ素ポリマー鎖セグメントである。
【0240】
このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーとしては、従来公知のものが広く用いられるが、たとえば下記のようなフッ素ゴム成分(エラストマー性ポリマー鎖セグメント)とフッ素樹脂成分(非エラストマー性ポリマー鎖セグメント)とからなるエラストマーが挙げられる。
【0241】
エラストマー性ポリマー鎖セグメントとしては、(i)フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンまたはペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体であって、共重合体100モル%中にフッ化ビニリデン単位が40〜90モル%、ヘキサフルオロプロピレンまたはペンタフルオロプロピレン単位が5〜50モル%、テトラフルオロエチレン単位が0〜35モル%の量で含有されているもの、あるいは(ii)パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン三元共重合体であって、共重合体100モル%中にパーフルオロアルキルビニルエーテル単位が15〜75モル%、テトラフルオロエチレン単位が0〜85モル%、フッ化ビニリデン単位が0〜85モル%の量で含有されているものなどが挙げられ、これら(i)および(ii)は通常、その分子量が3万〜120万程度である。
【0242】
非エラストマー性ポリマー鎖セグメントとしては、(iii)フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体であって、共重合体100モル%中に、フッ化ビニリデン単位が0〜100モル%、テトラフルオロエチレン単位が0〜100モル%のもの、あるいは(iv)エチレンとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1またはパーフルオロアルキルビニルエーテルとの多元共重合体であって、共重合体100モル%中に、エチレン単位が40〜60モル%、テトラフルオロエチレン単位が60〜40モル%、ヘキサフルオロプロピレンなどの単位が0〜30モル%のものが挙げられ、これら(iii)および(iv)は通常、その分子量が3000〜40万程度である。このフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーに関しては、特開昭53−3,495号公報、特願昭60−109,141号明細書などに詳細に記載されている。
このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーでは、エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性ポリマー鎖セグメントとの比率は重量比で通常、40〜95:60〜5程度である。
【0243】
またこのようなフッ素ゴムとフッ素樹脂との共重合体すなわちフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーは、たとえばダイエルサーモ(ダイキン工業製)などの商品名で市販されている。
【0244】
このフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーから予備成形体を得るには常法に従えばよい。たとえばこのエラストマーを所望形状の金型に充填し加熱し冷却すればよい。この際、上記の加硫剤、充填剤などを前記エラストマー中に通常、添加する必要はないが、場合により、ポリオール、パーオキサイドなどの加硫剤を用いてもよい。
【0245】
このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーから得られた予備成形体を放射線にて三次元架橋すると所望の架橋されたフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーが得られる。
【0246】
またこのように予備成形体を放射線架橋する際には、通常、3〜300KGray、好ましくは70〜200KGrayの放射線が照射される。放射線としては、X線、ガンマ線、電子線、陽子線、重陽子線、アルファ線、ベータ線等が用いられる。
【0247】
高温熱処理によるアウトガスの放出のため、たとえば、上記のようなフッ素ゴム配合物(A1)の架橋物あるいはフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A2)の架橋物を250℃以上400℃以下の温度で1時間以上、好ましくは260℃〜270℃の温度で、8〜24時間熱処理する。なおこのような温度範囲および時間を超えてフッ素ゴムを熱処理するとフッ素ゴムが熱分解するか劣化してしまう。また、250℃未満の温度では架橋されたフッ素ゴム中の揮発成分が充分に放出・除去されず、高真空中に置かれた場合に放出ガス量の多いようなフッ素ゴムが得られてしまう。このような熱処理をされたフッ素ゴムでは、常温(25℃)で1×10−5〜1×10−8Torrの減圧雰囲気下で12時間保持した後の単位表面積当りのアウトガス放出量は1×10−7Torr・l/sec・cm以下、好ましくは5×10−8Torr・l/sec・cm以下である。アウトガスとしては、用いられたフッ素ゴムの種類、加硫方法などにより変化し一概に決定されないが、たとえばハイドロカーボン、水、ベースポリマーの低分子量成分、フッ化水素などが挙げられる。
【0248】
なおフッ素ゴム配合物の場合、上記のような温度で上記のような時間、熱処理する前に二次加硫してもよく、二次加硫しなくともよい。本発明に用いるにあたり、上記のようなフッ素ゴムの架橋物の高温処理を行う前に、あるいは上記のようなフッ素ゴムの高温処理を行った後、上記のようなフッ素ゴムを100Torr以下、好ましくは1Torr以下の圧力で減圧処理してもよい。このような減圧処理は、通常25〜400℃、好ましくは100〜200℃の温度で、0.1時間以上、好ましくは10時間以上行われる。なお100Torr以上では、減圧処理の効果が充分に発揮されない。なお減圧処理時の圧力が低いほど、処理時間が短くてもよく、また処理温度が低くてもよい。
【0249】
また本発明に用いるにあたり、上記のようなフッ素ゴムの高温処理に先立ちあるいは高温処理後、架橋されたフッ素ゴムを溶剤と接触させてもよい。このような架橋されたフッ素ゴムと溶剤とを接触させるには、架橋されたフッ素ゴムを溶剤に浸漬するなどすればよい。このように架橋されたフッ素ゴムと溶剤とを接触させると、真空雰囲気下での使用時に揮発してくるような成分を予め放出・除去することができ、真空条件下での使用時に揮発してくる放出ガス(アウトガス)量を一層少なくすることができる。
【0250】
溶剤としては、有機溶剤、無機溶剤、混合溶剤などが挙げられる。有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、アルコールなどの極性溶剤、ベンゼン、トルエンなどの無極性溶剤が挙げられる。このような有機溶剤の内では極性溶剤が好ましく用いられる。このような極性溶剤を用いると、架橋されたフッ素ゴムに浸透しやすいため抽出されやすい。
【0251】
無機溶剤としては、水などが挙げられる。混合溶剤としては、水−アセトン混合溶剤、水−アルコール混合溶剤などが挙げられる。これらの溶剤のうちでは環境汚染の問題を有しない水が好ましく用いられる。
【0252】
水のうちでは純水が好ましく、特に25℃で測定した比抵抗値が10×104Ω・cm以上の純水が好ましい。なお、このような溶剤と架橋されたフッ素ゴムとの接触時間などは、架橋されたフッ素ゴムの組成、使用される溶剤の種類、濃度などにより変動するが、たとえば、上記のような純水を用いる場合には、25℃以上の温度、好ましくは95〜100℃の温度に加熱した純水と、0.1時間以上、好ましくは0.3〜5時間程度、上記の架橋されたフッ素ゴムとを接触させればよい。
【0253】
以上のようにすれば、真空雰囲気下での使用時に、放出ガスが少ないような架橋されたフッ素ゴムが得られる。
【0254】
以下、本発明に用いることができるフッ素ゴムをさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら狭く制限されるものではない。
【0255】
例1:下記のような成分組成のフッ素ゴム配合物を調製する。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンからなる二元系フッ素ゴム(フッ素ゴム100モル%中に、フッ化ビニリデン単位は77モル%、ヘキサフルオロプロピレン単位は23モル%の量で含有されており、フッ素ゴムの平均分子量は100,000である。)
フッ素ゴム……100重量部酸化マグネシウム……3重量部カーボンブラック……30重量部水酸化カルシウム……6重量部加硫促進剤(第四級アンモニウム塩)……1重量部加硫剤(ビスフェノールAF)……フッ素ゴムに1重量%の量で配合。
【0256】
このようなフッ素ゴム配合物を金型にて、30Kgf/cmの加圧下170℃の温度で10分間、一次加硫する。次いで、この一次加硫物を大気圧下250℃の温度で16時間高温熱処理する。
【0257】
得られた熱処理物は、常温で1×10−7〜1×10−8Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が4.8×10−8Torr・l/sec・cmであった。
【0258】
例2:例1において、得られた一次加硫物を、大気圧下270℃の温度で16時間高温熱処理した以外は実施例1と同様にして熱処理物を得た。
得られた熱処理物は、常温で1×10−7〜1×10−8Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が2.3×10−8Torr・l/sec・cmであった。
【0259】
比較例1:例1において、得られた一次加硫物から直接成形体を得た。得られた成形体は、常温で1×10−5〜1×10−6Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が4.1×10−6Torr・l/sec・cmであった。
【0260】
比較例2:例1において、得られた一次加硫物を大気圧下230℃の温度で24時間熱処理した以外は実施例1と同様にして熱処理物を得た。
得られた熱処理物は、常温で1×10−6〜1×10−7Torrの雰囲気下で12時間後のOリング表面積当りのアウトガス放出量が2.2×10−7Torr・l/sec・cmであった。
【0261】
以上の例1,例2,比較例1,比較例2の説明からわかるように、本発明に用いることができる例1と例2のフッ素ゴムのガス放出量は、比較例1,比較例2より圧倒的に少ないことがわかる。
【0262】
以上、本発明に用いることができるフッ素ゴムの例について説明した。このようなフッ素ゴムを用いて前記本発明の光ファイバ保持部品を構成する弾性体の突起、側壁、リール胴体などをつくれば、20m以下の比較的短い光ファイバを収納して、前記のような、光ファイバにコリメータやフィルタなどの光学部品などを取り付けたり、光ファイバの端面を研磨したりするなどの大気圧中の作業を行いやすい光ファイバ保持部品を得ることができるうえに、真空蒸着機の中で光ファイバの端面に反射防止膜をつけるような真空中の高温環境下における作業にも、アウトガスによる蒸着膜の品質低下を心配せずに、本発明の光ファイバ保持部品に当該光ファイバを収納保持して真空蒸着機内にセットし、蒸着を行うことができる。
【0263】
以上説明したようなフッ素ゴムを用いて製造した光ファイバ保持部品は、本発明の、極めて大きな効果を発揮する、特に好ましい実施の形態である。
【0264】
しかしながら、本発明は、これに狭く限定されるものではない。すなわち、20m以下の、たとえば、2m、3m、5mといった光ファイバの処理作業は、真空処理を伴わないものも多い。たとえば、真空処理を行う前や、真空処理を行った後や、完成品の持ち運び、機械化された作業への使用など、真空処理を含まない工程においても光ファイバを小型に収納して使いたい場合がある。このような場合に、従来は、前記の如く、適切な光ファイバ保持部品がないため、比較的短い光ファイバの取扱に困っていた。このような場合には、前記フッ素ゴムを用いた光ファイバ保持部品を用いることもできるが、さらに安価な、あるいは性質の異なる光ファイバ保持部品が望まれる場合がある。
【0265】
こような要求にも本発明は応えることができるものである。本発明の光ファイバ保持部品は、前記の弾性体部分の材料として、シリコーンゴムを用いて形成することができる。シリコーンゴムを用いることにより、真空環境における本発明の前記効果を除き、本発明の実施の形態例として説明した前記の諸効果を発揮する本発明の光ファイバ保持部品を安価に提供することができる。
【0266】
また、本発明の光ファイバ保持部品の構成要素に、金属を用いることができる。たとえば、ステンレスを用いてリール胴体の内周に入れる補強用の構造物をつくったり、アルミニウム、チタン合金、マグネシウム合金などを用いて光ファイバ収納ユニットをつくったりすることができる。このような金属を用いることにより、本発明の光ファイバ保持部品の範囲を一層広くすることができるとともに、寿命の長いものをつくることができる。
【0267】
本発明の光ファイバ保持部品に収納して大きな効果を発揮する光ファイバの形態は、前記のように、直径0.25mmの細い光ファイバ素線はもとより、光ファイバ芯線、テープ芯線など、広い範囲の光ファイバがあり、各種の形態の光ファイバの収納に本発明の光ファイバ収納部品を用いたところ、前記の多大なる効果を発揮する結果を得た。
【0268】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバ保持部品は、長さが数十m以内の、たとえば2m、3m、5mなどのいわゆる余長処理と称されているような、比較的短い光ファイバを、小型に、取扱い易く、引き出しや巻き込みが容易で、作業中にも断線することなく、落下にも強く、高い信頼性で所定の小型の形状に保って保持することができ、しかも、光ファイバ端面への反射防止膜の形成など真空中でも使用することができるという大きな効果をもたらすものである。そして、本発明の光ファイバ保持部品は、複数個を多少圧力をかけて重ねても互いが密着してとれにくくなることがないため、本発明の光ファイバ保持部品を用いることにより、製造工程の機械化や自動化を実現することができる。
これらの効果から、本発明の光ファイバ保持部品は、光通信に代表される光ファイバを用いた広い範囲の工業分野に利用されるもので、たとえば、光通信に用いられる比較的短い光ファイバの前記各種作業、保管、移動などに広く用いることができるもので、長さが2m、3m、5mなどといった光ファイバ余長処理に広く用いることができ、これらの工業分野の発展に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ保持部品の実施の形態例の斜視図である。
【図2】 本発明の光ファイバ保持部品の突起の配置を説明する図である。
【図3】 本発明の光ファイバ保持部品の突起の配置を説明する図である。
【図4】 本発明の光ファイバ保持部品の一部を示す側面図である。
【図5】 本発明の光ファイバ保持部品の光ファイバ収納部近傍の拡大図である。
【図6】 本発明の光ファイバ保持部品に光ファイバを収納した状態を説明する図である。
【図7】 本発明の光ファイバ保持部品の他の実施の形態を説明する図である。
【図8】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の例を説明する図である。
【図9】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の例を説明する図である。
【図10】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の配置の例を説明する図である。
【図11】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の配置の例を説明する図である。
【図12】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の例を説明する断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の例を説明する図である。
【図14】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図である。
【図15】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図である。
【図16】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図である。
【図17】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図である。
【図18】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図19】 本発明の光ファイバ保持部品に光ファイバを収納した状態を説明する図である。
【図20】 本発明の光ファイバ保持部品に収納した光ファイバを取り出す状態を説明する断面図である。
【図21】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する図である。
【図22】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図23】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図24】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品の側壁に設けられた突起の製法を説明する断面図である。
【図25】 テープ芯線光ファイバの例を説明する断面図である。
【図26】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図27】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図28】 発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図29】 本発明の実施の形態例としての光ファイバ保持部品を説明する断面図である。
【図30】 光ファイバの従来の取扱い方法を説明する図である。
【図31】 光ファイバの従来の取扱い方法を説明する図である。
【符号の説明】
1,604,612,613,614,615,700,750:光ファイバ保持部品
2,3,51,53,72,73,142,143,148,149,172,173,192,193,177,178,212,213,217,707,708,757,758,770,771:側壁
2a,3a:側壁内部
2a30,3a30:側壁外側部分
2a1〜3,7a1〜3:切り込み部
5,5a1〜5,5b1〜5,40〜42,43〜48,54,58〜60,79,80,90,91,92〜95,96,97,98,99,144,144a,144b,150,150a,150b,174,174a,174b,180,180a,180b,194,194a,194b,214,214a,214b,703,703A,703B,703C,703D,703E,703F,703G,703H,7031,703J,703K,703L,703M,753,753A,753B,753C,753D,753E,753F,753G,753H,753I,753J,753K,753L,753M,754,754A,754B,754C,754D,754E,754F,754G,754H,754I,754J,754K,754L,754M,778:突起
6,76,145,151,175,181,195,215a,215b,701a,751a:リール外周部
7:リール胴体の内側部分
8,78,166,189,221,702,752(空洞部分):空洞部
10,77,146,152,160,176,182,196,200,216,218,709,759:光ファイバ収納部
11〜14:中心線
21,101,710:光ファイバ 710aと710bは光ファイバの一部
22,102:コリメータ
23,103:フェルール
31〜34,704a,704b,705b,705a,706a,706b,755a,755b、756a,756b,772a,772b,773a,773b:加工部
35,36:側壁の外周部 図5に符号Bで示した部分
61:突起対
71,141,147,171,177,191,211,701,751,779:リール胴体
105〜109:粘着テープ
110:板
121,122:スパイラルチューブ
153,154,161,183,184,190,201,219,220:収納ユニット
158,159:接合部分
162,163,186,187,203,204,760,774:取り付け部
164,165,185,202:ユニット接合部品
188,205:隙間部分
300:テープ芯線光ファイバ
301〜304:光ファイバ素線
305:被覆
701b:指示線
711a,711b:引き出し部
775:先端部
776:中間部
777:土台部
A:拡大図示部分
B:テーパ面
d1〜d7,p1,p2,t1,t2,w1,w2,Tp,Wp:寸法
θ、θ1〜7:角度

Claims (24)

  1. 光ファイバを収納可能な少なくとも一つの収納ユニットを有する光ファイバ保持部品であって、
    前記光ファイバ保持部品は、光ファイバを巻いて収納することができる少なくとも1つの収納ユニットを有しており、
    前記収納ユニットは、
    少なくとも対向して配置されている一対の側壁と、
    光ファイバを巻いて収納状態に保持するとともに収納状態の光ファイバをほどいて取り出し可能とするために、前記側壁に主たる突起がその付け根部分の直径の2倍以上の所定の間隔で配設された、弾性体により形成された複数の突起(以下、「単独の突起」とも言う。)と、
    光ファイバを巻き付けることが出来るリール胴体とを有しており、
    前記収納ユニットの側壁に配置されている前記突起は、前記一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁の外周よりも前記収納ユニットの内側の位置に複数ヶ所、前記一方の側壁に対向して配置されている他方の側壁の方向に向けて突き出している弾性体の突起として形成されており、複数の前記突起は、形成されている側壁から突き出している該突起の長さが、該突起の長さ方向の中心線に直交する断面における前記断面の中心を通るように測った径寸法の最大値よりも大きい、以下において細長形状とも称する形状であり、少なくとも1つの前記弾性体の突起の長さが前記一対の対向して配置されている両方の側壁の間隔の4分の1以上であり、両方の側壁の間隔よりも短く、
    前記収納ユニットの前記リール胴体と前記少なくとも一対の側壁と前記側壁に形成されている突起が、架橋されたフッ素ゴム又はシリコンゴムで形成されていることを特徴とする光ファイバ保持部品。
  2. 前記収納ユニットの前記リール胴体と前記少なくとも一対の側壁と前記側壁に形成されている突起が、硬度が、ショアー(shore)硬度で75〜85の架橋されたフッ素ゴムで形成されていることを特徴とする請求項記載の光ファイバ保持部品。
  3. 前記収納ユニットの少なくとも一つの前記側壁と前記側壁に形成されている突起が、可視光に対して不透明な有色のシリコーンゴムであることを特徴とする請求項記載の光ファイバ保持部品。
  4. 前記収納ユニットの複数の前記弾性体の突起の太さは、前記突起の長さ方向の中央部の平均径が0.4〜2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  5. 前記側壁の外周の投影寸法が、直径10cmの円の内側にある寸法であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  6. 前記側壁に形成されている弾性体の突起が、対向して配置されている前記一対の側壁の、以下において第1の側壁とも称する一方の側壁と以下において第2の側壁とも称する他方の側壁の両方の側壁に形成されており、前記第1の側壁に形成されている突起と、前記第2の側壁上で前記側壁の周方向において前記第1の側壁に形成されている突起の直近に形成されている前記第2の側壁上の突起の長さの合計が、前記両方の側壁の間隔の2分の1よりも長いことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  7. 少なくとも一対の対向して配置されている前記第1と第2の側壁のそれぞれに形成されている弾性体の突起が、前記第1の側壁に形成されている弾性体の突起と前記第2の側壁に形成されている弾性体の突起が、前記側壁の周方向において交互に配置されるように形成されていることを特徴とする請求項記載の光ファイバ保持部品。
  8. 前記弾性体の突起が前記第1と第2の側壁の一方の側壁にのみ形成されている場合は、少なくとも1つの前記弾性体の突起の長さが前記一対の対向して配置されている両方の側壁の間隔よりも0.05〜0.15mm短い長さであり、前記第1と第2の側壁のそれぞれに形成されている場合は、前記第1の側壁に形成されている突起と、その直近に形成されている前記第2の側壁上の突起の長さの合計が、前記両方の側壁の間隔よりも0.05〜0.15mm短い長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  9. 少なくとも1つの前記側壁が切り込み部を有する側壁であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  10. 前記切り込み部は、前記突起を有する当該側壁の側にあるリール胴体部まで達している切り込み部であることを特徴とする請求項記載の光ファイバ保持部品。
  11. 前記収納ユニットの少なくとも1つの前記側壁の主要部分が平板状であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  12. 複数の前記弾性体の突起が、前記突起が設けられている位置における側壁表面の法線に対して、前記突起の、以下において長さ方向の中心線とも称する長さ方向の平均的中心軸に相当する仮想の軸が、10度以下の所定の角度θ1だけ前記光ファイバ収納部の内側に向けて形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  13. 前記収納ユニットの側壁に設けられている前記突起の長さ方向の中心線が、前記側壁の外周に沿った一方の方向に、10度以下の所定の角度θ3だけ傾いているように突起が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  14. 複数の前記突起は、それが設けられている側壁の中心点と前記突起の付け根部分の中心点と前記突起の中心線上の先端とを含む面で切った断面において、前記突起の、その配置されている側壁の径方向外側と内側の輪郭の接線が、前記突起の付け根近傍と前記突起の先端部の前記輪郭の変化の大きい部分を除いて、15度以下の所定の角度θ2をなして前記突起の先端部分が付け根部分より細くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  15. 2つの前記弾性体の突起が、当該側壁におけるその突起の付け根部分の隙間がないかまたは前記両突起の付け根部分の外接円の直径の平均値の2倍より小さい状態の隙間になるように形成されている場合に、その2つの突起を突起対と定義して、前記少なくとも一つの収納ユニットの少なくとも1つの側壁に前記単独の突起と前記突起対の双方が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  16. 前記弾性体の突起を有する側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、以下において両側に突起を有する側壁とも称する側壁、すなわちその一方の側と他方の側の両側に前記突起をそれぞれ複数個有する側壁であることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  17. 前記両側に突起を有する側壁の一方の側に形成されているリール胴体と他方の側に形成されているリール胴体は、前記側壁の法線方向の寸法が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  18. 前記両側に突起を有する少なくとも1つの側壁の一方の側に設けられている突起と他方の側に設けられている突起はその間隔と形状と寸法のうちの少なくとも1つが異なることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  19. 前記光ファイバ保持部品が、複数の収納ユニットを有しており、異なる収納ユニットの間にある側壁に少なくとも1つの切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  20. 前記複数の収納ユニットの少なくとも一つは一対の対向して配置された側壁を有しており、前記一対の側壁には前記弾性体の突起が形成されていないことを特徴とする請求項19記載の光ファイバ保持部品。
  21. 前記それぞれの収納ユニットが異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項19または請求項20記載の光ファイバ保持部品。
  22. 前記少なくとも2つの収納ユニットの少なくとも2つの光ファイバ収納部の深さが異なることを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  23. 前記光ファイバ保持部品の外壁に凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
  24. 前記収納ユニットの突起の先端部はほぼ半球状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれかに記載の光ファイバ保持部品。
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