JP4155078B2 - ドラグフォイラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱形荷物室を有する車両の運転室上部に設置されるドラグフォイラに関する。
【0002】
【従来の技術】
貨物トラックなどの車両は、運転室の後方に箱形荷物室を有しており、このような車両は箱形荷物室の前面に当てずに空気流を箱形荷物室の上部に導いて走行時の空気抵抗を低減するドラグフォイラ(導風板)を備えている場合が多い。このドラグフォイラはFRP等の樹脂材からなるドラグフォイラ本体を備えており、このドラグフォイラ本体を車両の運転室上部に設置して箱形荷物室の前面に当たる空気流を箱形荷物室の上部に曲線的に導くようになっている。このようにドラグフォイラとしては特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のドラグフォイラは、ドラグフォイラ本体に複数本のサポート部材を備えており、ドラグフォイラ本体の前部に設けられた開口部から、これらサポート部材でドラグフォイラ本体を運転室の上部に固定支持するようになっている。
【0003】
トラック等の車両においては、その車両の所有する会社名の看板や速度を示す表示機等を運転室の上部に装着するものがあるが、このような車両の場合、往々にしてドラグフォイラも装着される場合が多い。
そこで、特許文献2では、これら看板や表示機等を有するドラグフォイラ本体に設けたドラグフォイラが提案されている。特許文献2においてはドラグフォイラ本体の開口部内に光源を備えた看板灯体を装着し、この看板灯体を看板で覆うと共に、ドラグフォイラ本体に締結固定している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3284875号公報
【特許文献2】
実開平5−64080号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のドラグフォイラにおいて、特許文献2に記載のような光源を有する看板灯体を装着しようとした場合、開口部に看板灯体を装着することが考えられるが、この場合、ドラグフォイラ本体と看板灯体との取付強度が課題となる。すなわち、ドラグフォイラ本体は樹脂性であるので、開口部近傍の強度はそれ以外の部位に比べて弱くなる。また、看板灯体は、電装品が装着されるため重い。このような看板灯体を開口部に装着して締結固定すればドラグフォイラ本体に看板灯体を装着することはできる。しかしながら、車両のさまざまな路面を走行するので、走行時に上下振動が発生すると、取付部にその負荷がかかるので、看板灯体の取付強度を十分に強化する必要がある。特許文献2に記載のドラグフォイラにおいて、このような取付強度に関する特別な配慮は成されておらず、ドラグフォイラ本体と表示機を一体化したに過ぎない。
本発明は、ドラグフォイラ本体と看板灯体との取付強度を十分に確保して破損などを防止できるドラグフォイラを提案することを、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を設定するため、車両の運転席上部に設置され空気流を整流させるドラグフォイラ本体と、このドラグフォイラ本体内に設けられ、このドラグフォイラ本体を運転席上部に固定支持する複数のサポート部材とを具備するドラグフォイラにおいて、本願発明者はサポート部材に存在に着目した。サポート部材はドラグフォイラ本体を運転席上部に固定する機能から、十分な強度を有している。
【0007】
そこで、本発明の特徴は、文字及び/または模様が描かれるフロントカバーが装着されて、その背面側から照らす光源を備えた看板灯体を、ドラグフォイラ本体の前部に設けられた開口部に嵌入して、開口部の周縁部に固定すると共に、その裏面部をサポート部材の少なくとも1つにステーを介して締結固定した。このような構成とすることで、看板灯体は、開口部の周縁部とサポート部材とに固定されることになり、取付強度が大幅に向上することになる。
【0008】
看板灯体とサポート部材との間に介在されるステーは、ドラグフォイラ本体内の空間に位置する看板灯体の背面または下面の少なくとも一方に配設すると、看板灯体の正面側から見えないので好ましい。また、このステーの形状は、サポート部材に取り付けられる端部と看板灯体に取り付けられる端部との向きが互いに対向する方向の折り曲げ形状とすると、両部材に対する結合箇所が反対になるので取付時の作業性が良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1において、符号1は車両として貨物トラックを示す。この貨物トラック1の運転室となるキャブ2の後方には、キャブ2のルーフ2aよりも上方に突出する箱形荷物室3が設けられている。運転室の上部となるルーフ2aには、走行時の空気流を箱形荷物室3の前面3aに当てずに箱形荷物室3の上方に導いて走行時の空気抵抗を低減するとともに、表示機能を備えたドラグフォイラ4が備えられている。
【0010】
ドラグフォイラ4は、ルーフ2aに設置されて空気流を整流させるドラグフォイラ本体5と、図3に示すように、ドラグフォイラ本体5内に設けられ、このドラグフォイラ本体5をルーフ2aに固定支持する複数の金属性のサポート部材9,10,11と、ドラグフォイラ本体5の前部5aに設けられた開口部6と、この開口部6に嵌入される看板灯体7と、看板灯体7に装着されるフロントカバー8とを有している。フロントカバー8は、樹脂製であり、図示しない文字及び/または模様が描かれる。
【0011】
ドラグフォイラ本体5は、FRP等の樹脂材で内部に空間を有する流線形状とされている。サポート部材9,10は、矢印Aで示す車両前後方向(以下「車両前後方向A」と記す)に延びていて、矢印Wである車幅方向(以下「車幅方向W」と記す)に間隔おいてドラグフォイラ本体5と一体化されている。サポート部材11は、車幅方向に延びていて、その両端11a,11bがサポート部材9,10に溶接固定されている。
【0012】
開口部6は、看板灯体7の外形と略同一な形状に形成されている。開口部6の周縁部6aは、図4に示すように、本体の前部5aの表面よりもドラグフォイラ本体5内部に向かって窪んでいて、前部5aの表面とに段差を形成している。周縁部6aには、その全周に渡って複数の取付孔6bが形成されている。本形態では、周縁部6aの7箇所に取付孔6bが形成されている。
【0013】
看板灯体7は、図2に示すように、その中央部にドラグフォイラ本体5の内部に向かって突出し、車幅方向Wに延びる光源収納空間7aが形成されている。この光源収納空間7aの周部7bは、看板灯体7の表面よりも低く形成されていて、フロントカバー8の装着部を形成している。周部7bは、フロントカバー8が装着された際に、看板灯体7の表面と面一となるように表面に対して段差をもって形成されている。この周部7bには、フロントカバー8を取り付けるための複数のネジ孔14が形成されている。看板灯体7には、開口部の周縁部6aに形成された取付孔6bとそれぞれ対向するように、複数の取付孔部15が形成されている。
【0014】
光源収納空間7aには、図4に示すように、光源となる電球19がソケット20を介して光源収納空間7aの下面7cに装着されている。この電球19は、車幅方向Wに複数個間隔を持って配設される。光源収納空間7aの背面7cにおける、車幅方向Wに位置する両端7e,7fには、ステー取付部となる孔29が形成されている。
【0015】
図3に示すように、サポート部材11の両端11a,11bには、一対のステー12,12が設けられている。各ステー12は、金属製で図4に示すように、断面C字型のサポート部材11の背面11aに、ボルト13Aとナット16Aでその端部12aが締結固定されている。ナット16Aは背面11aに予め固定しておくと作業性がよい。各ステー12は、図3に示すように、サポート部材11との取付端部12aと看板灯体7との取付端部12bとの向きが互いに対向する方向の折り曲げられた形状である。ここではZ型形状と称する。各ステー12は、看板灯体7を開口部6に嵌入して装着する前に予めサポート部材11に締結しておく。各取付端部12bには、孔12cが形成されている。各取付端部12bには、孔12cの位置に合わせてナット16Bが固定されている。
【0016】
このような構成のドラグフォイラ4の組み付けは、まずドラグフォイラ本体5をルーフ2aの上に乗せて、サポート部材9,10をボルト21とナット23を用いてルーフ2aを構成する金属性のルーフパネル2bに締結固定する。この際ボルト21とルーフパネル2bとの間にはワッシャ22を介在させる。これら取付作業は開口部6から行う。
【0017】
次に電球19が装着された看板灯体7を開口部6へ押し込み、ボルト26を取付孔部15から挿入して取付孔6bに締め付けて周縁部6aに締結固定すると共に、孔29から孔12cへとボルト13Bを挿入し、取付端部12bのナット16Bに締め付け、各ステー12に固定する。そして、この装着された看板灯体7の周部7bにフロントカバー8を乗せ、ネジ孔14にスクリュー17を締めこんでフロントカバー8を看板灯体7へ取り付ける。フロントカバー8の装着に際し、周部7bにゴム製のシール部材を介在させて締め込むと、光源収納空間7aへの水や埃の浸入を防止することができると共に、振動によるガタツキを防止することができる。また、看板灯体7を開口部6へ嵌入させる際に、周縁部6aと取付孔部15との間に、ゴム製でシール部材25を介してボルト26を締め付けるとドラグフォイラ本体5の内部への水や埃の浸入を防止することができると共に、振動によるガタツキを防止することができる。
【0018】
図5は本発明の別な形態を示す。この形態は、ステーの取付位置が、看板灯体7の背面7cから下面7dになったことである。これ以外の基本的構成は上記の形態と同様であるので、一対のステー30の取れ付けに関する構造を中心に説明する。
【0019】
各ステー30は金属製で、図3に示すサポート部材9,10の先端部9a、10aに、サポート部材9,10とのそれぞれの取付端部30bが、ルーフパネル2bと一緒にボルト21とナット23によって締結固定される。各ステー30は、サポート部材9,10の取付端部30bと看板灯体7との取付端部30aとの向きが互いに対向する方向の折り曲げられた形状である。ここではZ型形状と称する。各ステー30は、ルーフパネル2bから開口部6に向かって延びていて、本形態では、看板灯体7の下面7dに当接する長さとされている。各取付端部30aには孔32cが、下面7dには孔32cと対向するように孔49がそれぞれ形成されている。
【0020】
本形態の場合、看板灯体7を開口部6へ押し込み、ボルト26を取付孔部15から挿入して取付孔6bに締め付けて周縁部6aに締結固定すると共に、孔49から孔32cへとボルト31を挿入し、取付端部30aのナット32に締め付け、各ステー30に固定する。そして、この装着された看板灯体7の周部7bにフロントカバー8を乗せ、ネジ孔14にスクリュー17を締めこんでフロントカバー8を看板灯体7へ取り付ける。
【0021】
このように、フロントカバー8が装着されて、その背面側から照らす電球19を備えた看板灯体7を、ドラグフォイラ本体5の前部5aに設けられた開口部6に嵌入し、開口部の周縁部6aに固定すると共に、その裏面部7Aをサポート部材11や、サポート部材9,10にステー12あるいはステー30を介して締結固定するので、看板灯体7が、開口部6の周縁部6aと各サポート部材とに固定されることになる。すなわち、看板灯体7は、周縁部6aだけではなく、強度のある各サポート部材によってそれぞれ支持されるので、周縁部6aにかかる負荷が低減し、ドラグフォイラ本体5と看板灯体7との取付強度を高められ、周縁部6a等の破損などを防止することができる。
【0022】
各本形態において、光源は光源収納空間7aの底部、すなわち看板灯体7の下面7dに配設したが、背面7dに配設するようにしても良い。光源としては電球19ではなく蛍光灯を用いても良い。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、フロントカバーが装着されて、その背面側から照らす光源を備えた看板灯体を、ドラグフォイラ本体の前部に設けられた開口部に嵌入して、開口部の周縁部に固定すると共に、その裏面部をサポート部材にステーを介して締結固定したので、看板灯体が、開口部の周縁部とサポート部材とに固定されるため、ドラグフォイラ本体と看板灯体との取付強度が十分に確保され、破損などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるドラグフォイラが車両へ装着された状態を示す斜視図である。
【図2】看板灯体の基本構成を示す斜視図である。
【図3】ドラグフォイラ本体内のサポート部材の配置構成とステーとの関係を示す平面図である。
【図4】看板灯体の背面をサポート部材に取り付けた形態の構造を示す拡大断面である。
【図5】看板灯体の下面をサポート部材に取り付けた形態の構造を示す拡大断面である。
【符号の説明】
1 車両
2 運転席
2a 運転席上部
4 ドラグフォイラ
5 ドラグフォイラ本体
5a ドラグフォイラ本体の前部
6 開口部
6a 開口部の周縁部
7 看板灯体
7c 看板灯体の背面
7d 下面
7A 裏面部
8 フロントカバー
9,10,11 複数のサポート部材
12,30 ステー
12a,30b サポート部材との取付端部
12b,30a 看板灯体との取付端部
19 光源
16B,32 締結部材
Claims (3)
- 車両の運転席上部に設置され、ルーフの略前端から略後端まで延び、空気流を整流させるドラグフォイラ本体と、前記ドラグフォイラ本体内に設けられ、このドラグフォイラ本体を前記運転席上部に固定支持する複数のサポート部材とを具備するドラグフォイラにおいて、
前記ドラグフォイラ本体の前部に設けられた開口部と、前記開口部に嵌入され、光源を収納した光源収納空間を有し、前記光源収納空間に取付孔部を有するとともに、外周部が前記開口部周縁と締結固定する看板灯体と、前記サポート部材と前記看板灯体との間に介装され、前記取付孔部と対向した位置に、上記看板灯体と前記サポート部材とを連結するための締結部材を固着したステーと、前記光源収納空間を覆い文字及び/または模様が描かれ前記光源により背面側から照らされ前記看板灯体に締結固定するフロントカバーとを備えたことを特徴とするドラグフォイラ。 - 請求項1記載のドラグフォイラにおいて、
前記ステーは、前記看板灯体の背面または下面の少なくとも一方に配設されたことを特徴とするドラグフォイラ。 - 請求項1または2記載のドラグフォイラにおいて、
前記ステーは、前記サポート部材との取付端部と前記看板灯体との取付端部との向きが互いに対向する方向の折り曲げられた形状であることを特徴とするラグフォイラ。
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