JP4153950B2 - 付加誘導機能を備えた心電計及び付加誘導心電図導出方法 - Google Patents

付加誘導機能を備えた心電計及び付加誘導心電図導出方法 Download PDF

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Description

本発明は、標準12誘導心電図によっても診断が困難な心筋の部位における虚血性心疾患や急性心筋梗塞等の診断に有効な付加誘導心電図を、演算により簡便かつ適正に得ることができる付加誘導機能を備えた心電計及び付加誘導心電図導出方法に関するものである。
患者の心電図を測定する場合、心電計に接続されている10個の電極を用い、胸部誘導の測定のために6箇所、四肢誘導の測定のために4箇所に、それぞれ電極を装着する。そして、心電計によって、これら10個の電極から検出される心電位に基づき、標準12誘導の四肢6誘導波形(I、II、III、aVR、aVL、aVF)及び標準12誘導の胸部6誘導波形(V1、V2、V3、V4、V5、V6)を演算させ出力している。
一般に、標準12誘導心電図を得るための誘導波形と測定部位における心電位との関係は、次の[表1]に示す通りである。
Figure 0004153950
Figure 0004153950
ただし、vはそれぞれ電極装着位置に検出された電位である。
このように多数の電極を使用して患者の心臓疾患に対する診断を行うことは、設備が完備された病院内等であれば、患者を安静にした状態で可能である。
ところが、例えば、在宅療養や救急医療を行う場合においては、患者の状態から見て多数の電極を使用しかつ各電極を生体の体表面上の適正な位置へそれぞれ装着する余裕がないことが多い。さらに、多数の誘導波形を得るために多チャンネルの信号を伝送することも困難な場合がある。このような場合、一般には、心電図の信号を伝送し得るのは1チャンネル(1つの誘導)程度であり、せいぜい2〜4個の電極を使用して標準12誘導波形の内の幾つかの誘導波形を測定することによって、心臓疾患に対する診断が行われている。
このような観点から、本発明者は、従来より公知の標準12誘導心電図を得るための最小限の誘導数からなる誘導システムのサブセットにより、各種の心臓疾患に対する診断および治療を適正に行うことができる標準12誘導心電図を再構築するための標準12誘導心電図の構築方式および心電図検査装置を開発し、特許出願を行った(特許文献1参照)。
すなわち、上述した特許文献1に記載の標準12誘導心電図の構築方式においては、最小限のチャンネル数からなる誘導システムのサブセットとして、標準12誘導心電図を得る場合の四肢誘導の第I、II誘導と、胸部誘導の2つの誘導であるV1誘導および、V5誘導またはV6誘導とを使用する。これらの誘導により、第III誘導とaV誘導(aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導)が、表1に示す各誘導の固有関係に基づいて演算により求められる。また、胸部誘導の残りの誘導であるV2誘導、V3誘導、V4誘導、V6誘導またはV5誘導は、電位・誘導ベクトル・心臓ベクトルの関係から、演算により求められる。
このようにして得られる標準12誘導心電図は、従来の標準12誘導心電図の誘導システムのサブセットを使用することから、各電極の装着に際してそれぞれ所定部位への位置決めを容易かつ確実に行うことが可能であり、作業に多くの熟練を要することはない。しかも、高精度の標準12誘導心電図を再構築することができ、各種の心臓疾患に対する診断および治療を適正に行うことができる。
しかるに、標準12誘導心電図を、従来の通り、10個の電極を用いて四肢6誘導と胸部6誘導とから得た場合のみならず、上述した特許文献1に記載された方式により高精度の標準12誘導心電図を得た場合においても、例えば心筋梗塞のうち、心筋に血液を送る冠状動脈の閉塞が心筋の前壁、側壁、又は下壁で生じたときには、心電図波形の異常を確認して診断することは比較的容易である。しかし、冠状動脈の閉塞が心筋の後壁で生じたときには、電極の装着部位が後壁から遠いため、心電図波形の感度が低く、冠状動脈の閉塞による心電図波形への影響が反映しにくい。また、標準12誘導心電図の電極装着位置は、ほとんど体表面の左側にあるため、右側心筋に対する感度も低い。そのため、診断において、後壁、右壁、又は右側下壁の冠状動脈の閉塞を見逃す可能性が高い。
特開2002−34943号公報
そこで、従来においては、上述した後壁での心筋梗塞や、肺性心、肺塞栓、右室梗塞、右室肥大、右胸心、その他の右室負荷疾患等についての診断を適正に行うために、胸部誘導の延長線上にある電極装着部位で測定されるV7、V8、V9誘導や、胸部誘導の電極部位と対称的な位置にある電極部位によるV3R、V4R、V5R、V6R誘導からなる付加誘導心電図を得ることが行われている。しかしながら、V7、V8、V9誘導の付加誘導心電図を得るための電極装着位置は、患者の背中等である。患者を安静にしておくためには仰向けに寝かせておく必要があるが、患者の背中等に電極を装着するには患者に無理な姿勢を強いることもあり、また電極の装着が煩雑であるという問題もある。また、V7、V8、V9誘導やV3R、V4R、V5R、V6R誘導の付加誘導心電図は、通常の標準12誘導心電計で測定することはできず、付加誘導測定用の電極を備えた付加誘導心電図測定機能付きの専用の心電計が必要となってしまう。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、12誘導において用いる電極に対してさらに電極を付加的に装着することなく、簡易に付加誘導を得ることにある。また、本発明のもう一つの目的は、12誘導心電図の誘導のうちの一部の誘導から、付加誘導用の電極を装着することなく、簡易に付加誘導を得ることにある。
本発明の上記目的は、12誘導心電図の誘導電位を、又はそのうち少なくとも一部の誘導電位を測定する電位検出器と、電位検出器によって測定された12誘導心電図の誘導電位、又はその一部の誘導電位に基づいて、付加誘導電位を演算する付加誘導電位演算手段とを備える付加誘導機能を備えた心電計を提供することによって達成される。
本発明の好ましい実施形態では、付加誘導電位演算手段は、測定される誘導電位、心臓ベクトル及び誘導ベクトルの関係から、電位検出器によって測定された誘導電位に基づいて心臓ベクトルを求め、その求めた心臓ベクトルを用いて付加誘導電位を演算する。
また、付加誘導電位演算手段は、誘導間の関係を表す伝達係数αを用いて、電位検出器によって測定された誘導電位に基づいて付加誘導電位を演算してもよい。
また、本発明の上記目的を達成するため、12誘導心電図の誘導電位のうち少なくとも一部の誘導電位を測定する第1のステップと、測定された12誘導心電図の誘導電位の誘導電位に基づいて、付加誘導電位を演算する第2のステップとを含む付加誘導心電図導出方法を行うとよい。
この付加誘導心電図導出方法においても、好ましくは、第2のステップにおいて、誘導電位、心臓ベクトル及び誘導ベクトルの関係から、測定された誘導電位に基づいて心臓ベクトルを求め、その求めた心臓ベクトルを用いて付加誘導電位を演算するとよい。
あるいは、第2のステップにおいて、誘導間の関係を表す伝達係数αを用いて、測定された誘導電位に基づいて付加誘導電位を演算してもよい。
また、本発明に係る付加誘導心電図の導出方法は、10個以下の電極からなる電位検出器により、標準12誘導心電図の標準誘導電位として測定される心電信号に基づいて、標準12誘導心電図以外の付加誘導部位における誘導電位を演算による算出することを特徴とする。
あるいは、本発明に係る付加誘導心電図の導出方法は、10個以下の電極からなる電位検出器により、標準12誘導心電図の標準誘導電位として測定される心電信号に基づいて、電位[V]・誘導ベクトル[L]・心臓ベクトル[H]の関係から、測定された標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号に基づいて心臓ベクトル[H]を求め、その求めた前記心臓ベクトル[H]を用いて、付加誘導心電図の付加誘導電位を演算により算出することを特徴とする。
また、本発明に係る付加誘導心電図の導出方法は、10個以下の電極からなる電位検出器により、標準12誘導心電図の標準誘導電位として測定される心電信号を記憶し、一方予め測定された標準12誘導心電図の標準誘導電位と付加誘導心電図の付加誘導電位とに基づいて付加誘導電位を算出するための伝達係数αを演算設定し、この演算設定された伝達係数αを使用して、標準12誘導心電図の標準誘導電位として測定された心電信号から、付加誘導心電図の付加誘導電位を演算により算出することを特徴とする。
または、本発明に係る付加誘導心電図の導出方法は、電位検出器により標準12誘導心電図として測定される心電信号を記憶し、一方予め測定された標準12誘導心電図の誘導電位と付加誘導心電図の誘導電位とに基づいて付加誘導心電図を算出するためのパラメータを演算設定し、この演算設定されたパラメータにより前記標準12誘導心電図として測定される心電信号から付加誘導心電図の誘導電位を演算により算出することを特徴とする。
または、本発明に係る付加誘導機能を備えた心電計は、標準12心電図の誘導波形を得るため生体の体表面に装着する電極と、各電極からそれぞれ標準12誘導心電図の心電信号を測定する電位検出器と、電位検出器により測定された標準12誘導心電図の心電信号をそれぞれ記憶する心電信号メモリと、心電信号メモリを介して得られる心電信号を入力して標準12誘導心電図の波形処理を行う標準12誘導心電図波形手段と、心電信号メモリを介して得られる心電信号を入力して予め演算設定された演算用パラメータαに基づいて付加誘導心電図の心電信号を演算する付加誘導心電信号演算手段と、付加誘導心電信号演算手段により算出される心電信号を入力して付加誘導心電図の波形処理を行う付加誘導心電図波形出力手段と、標準12誘導心電図波形出力手段と付加誘導心電図波形出力手段とから出力される心電図波形出力をそれぞれ同時に画面表示する表示モニタとを備えたことを特徴とする。
なお、上記の付加誘導心電図の信号電位は、V7〜V9誘導、V3R、V4R、V5R、V6R誘導のうち一部又は全部の誘導を含むことが好適である。
図1は、本発明に係る心電計の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
図2は、図1に示す心電計の動作を示すフローチャート図である。
図3は、第1の実施形態により導出したV7誘導の付加誘導心電図と実測値に基づく付加誘導心電図とを比較するための波形図である。
図4は、第1の実施形態により導出したV8誘導の付加誘導心電図と実測値に基づく付加誘導心電図とを比較するための波形図である。
図5は、第1の実施形態により導出したV9誘導の付加誘導心電図と実測値に基づく付加誘導心電図とを比較するための波形図である。
図6は、本発明に係る心電計の第2の実施形態を示すシステム構成図である。
図7は、図6に示す心電計の動作を示すフローチャート図である。
図8は、本発明に係る心電計の第3の実施形態を示すシステム構成図である。
図9は、図8に示す心電計の動作を示すフローチャート図である。
図10は、本発明に係る心電計の第4の実施形態を示すシステム構成図である。
図11は、図9に示す心電計の動作を示すフローチャート図である。
図12において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V2、V4)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図13において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V2、V5)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図14において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V2、V6)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図15において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V5)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図16において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V6)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図17において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V3、V4)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
図18において、(a)は、標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V3、V5)の実測された波形を示し、(b)は、付加誘導心電図V3R、V4R、V5R誘導の算出された波形及び実測された波形を示し、(c)は、付加誘導心電図V7、V8、V9誘導の算出された波形及び実測された波形を示す。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態は、標準12誘導心電計の電位検出器により標準12誘導心電図の電極装着部位で測定した心電信号を利用して、例えば胸部誘導の延長線上にある電極装着部位におけるV7、V8、V9誘導やV3R、V4R、V5R誘導を含む付加誘導を演算により算出する方法及び装置に関する。
すなわち、第1の実施形態は、12誘導心電計の電位検出器により得られた心電信号から、付加誘導部位における心臓電位(心電図)を演算するため、例えば標準12誘導心電計により得られた8つの心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)から、付加誘導V7、V8、V9及びV3R、V4R、V5Rを演算するというものである。
(誘導ベクトルによる付加誘導心電図の導出方法の原理)
臨床心電図では、誘導理論によって、任意時刻の心臓電源は、位置固定の双極子(Fixed Single Dipole)で表現することができ、任意の誘導個所における電位(V)は次式(1−1)〜(1−3)で求めることができる。
Figure 0004153950
Figure 0004153950
但し、Vは電位マトリックス、Hは心臓ベクトル、Lは誘導ベクトルをそれぞれ示す。
しかるに、心臓ベクトルHは心臓の電気活動によって変化し、心臓ベクトルHと誘導ベクトルLの内積は、心電計で測定される心臓電位(心電図)Vである。また、誘導ベクトルLは、特定の人間に対して固有値を持っているから、心臓電位は心臓起電力の空間ベクトルで決めることができる。すなわち、任意誘導の心臓電位は、3つのパラメータで決められる。
従って、標準12誘導心電計の電位検出器においては、8つの心電信号が測定されるので、これらの心電信号を用いて生体の体表面における任意部位の心電図電位を演算することが可能である。例えば、標準12誘導心電計の電位検出器により測定される心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)から、付加誘導V7、V8、V9、V3R、V4R、V5Rを演算する場合、次式(1−4)で表すことができる。
Figure 0004153950
但し、iは付加誘導の誘導番号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)、jは標準12誘導の誘導番号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)を示す。また、αは誘導間の関係を表す伝達係数である。
そこで、式(1−4)により示される方程式におけるパラメータαは、理論的に個人の胴体構造で決められる定数であるが、式(1−4)においては未知数である。そこで、予め標準12誘導のI、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6誘導と、付加誘導のV7、V8、V9、V3R、V4R、V5R誘導を実測して、次式(1−5)にそれぞれ代入し、最小二乗法の解としてパラメータαを求めることが可能である。
Figure 0004153950
但し、A = {αi,j
= {Vs,j
= {Vi,s
Tはベクトルの転置を示し、sはデータサンプルを示す。
このようにして、パラメータαを求めることにより、式(1−4)に基づいて、標準12誘導心電図を導出する心電信号から、直ちに付加誘導であるV7、V8、V9誘導及びV3R、V4R、V5R誘導を容易に求めることができる。
従って、電位検出器により測定される標準12誘導心電図の心電信号により、標準12誘導心電図以外の付加誘導心電図の心電信号を、演算により簡便に誘導することができる。
(付加誘導心電図を導出するための機能を備えた心電計の構成)
図1は、本第1の実施形態における標準12誘導心電図の心電信号から付加誘導心電図の心電信号を導出する付加誘導機能を備えた心電計のシステム構成図である。すなわち、図1において、参照符号10は標準12誘導心電図の心電信号を検出するための電位検出器を示している。この電位検出器10は、標準12誘導心電図の誘導波形を得るための生体の体表面に装着された電極(RA、LA、RL、LL、V1、V2、V3、V4、V5、V6)から計測される心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)を測定するための生体アンプおよびA/D変換器としての機能を有する。
電位検出器10により検出された標準12誘導の各心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)は、心電信号メモリ12に記憶されると共に、標準12誘導心電図波形出力手段14に入力される。また、心電信号メモリ12に記憶された心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)は、付加誘導心電図演算手段16に入力される。付加誘導心電図演算手段16は、入力された心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)と、後述する予めメモリ15に設定された演算用パラメータαとに基づいて、付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9)を演算により算出し、付加誘導心電図波形出力手段18に出力する。
そして、標準12誘導心電図波形出力手段14と付加誘導心電図波形出力手段18とから出力される心電図波形出力は、それぞれ表示モニタ20に入力される。そして、表示モニタ20によって、標準12誘導心電図と付加誘導心電図とが同時に表示される。
ここで、演算用パラメータαは、母集団から得られた平均的モデルの値を用いるとよい。すなわち、電位検出器10によって、標準12誘導の各誘導電位(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)と、付加誘導の各誘導電位(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)とからなる心電信号を複数の患者ないし健常者等の集団から収集し、付加誘導心電図演算手段16にデータベースを構築する。そして、そのデータベースのデータから平均的モデルの演算用パラメータαを付加誘導心電図演算手段16に算出させ、そのαをメモリ15に対して記憶させる。演算用パラメータαの算出に際しては、前述した式(1−5)により、算出することができる。
このように構成される付加誘導機能を備えた心電計のシステム動作につき、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
すなわち、本第1の実施形態における付加誘導機能を備えた心電計においては、最初に電位検出器10により患者の標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)を測定する(STEP−101)。測定された標準12誘導心電図の心電信号は、心電信号メモリ12に記憶される(STEP−102)。次いで、メモリ15に予め設定された演算用パラメータαは、付加誘導心電図演算手段16に入力される(STEP−103)。そして、付加誘導心電図演算手段16は、心電信号メモリ12に記憶された患者の心電信号と演算用パラメータαとに基づいて、付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算により算出する(STEP−104)。この付加誘導心電図演算手段16による付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)の演算は、前述した式(1−4)に基づいて、次式(1−6)〜(1−11)のように算出することができる。
Figure 0004153950
Figure 0004153950
そして、このようにして算出された付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)は、付加誘導心電図波形出力手段18により波形処理(STEP−105)されると共に、心電信号メモリ12に記憶された標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)は、標準12誘導心電図波形出力手段14により波形処理(STEP−106)されて、それぞれ表示モニタ20に入力される。表示モニタ20は、入力された標準12誘導心電図と付加誘導心電図を、表示画面に同時に表示する(STEP−107)。
本第1の実施形態に基づいて標準12誘導心電図の心電信号から算出したV7、V8、V9誘導からなる付加誘導心電図と、各V7、V8、V9誘導の実測値に基づく付加誘導心電図とを比較した結果は、図3ないし図5に示す通りである。ここで、図3はV7誘導の心電図、図4はV8誘導の心電図、図5はV9誘導の心電図を示している。それぞれ演算結果による心電図(特性波形A)は、実測値による心電図(特性波形B)に近似しており、極めて良好な精度であることが確認される。因みに、臨床において患者ないし健常者等から採用した心電図、54例による統計によれば、演算結果による心電図と実測値による心電図との波形の相関は、全体的に約0.83(83%)であり、またST波の中心点での電位の差を0.1mVとする許容率は、約73%であった。なお、V3R、V4R、V5R誘導についても同様に、実測に対して高い相関を示す付加誘導心電図波形が得られる。
このように、本第1の実施形態における付加誘導心電図の導出方法及び装置によれば、電位検出器により測定される標準12誘導心電図の心電信号により、標準12誘導心電図以外の付加誘導心電図の心電信号を、演算により簡便に誘導することができる。特に後壁や右壁、下壁の心筋に対する心筋梗塞の診断精度の向上に有用である。また、このような導出方法によれば、心電図モニタや、ホルタ心電計の機能を簡便に拡大することができ、例えば後壁や右壁、下壁での心筋梗塞のみならず、肺性心、肺塞栓、右室梗塞、右室肥大、右胸心、その他の右室負荷疾患等についての診断精度の向上を図ることができる。また、これらの心電計を低コストに製造することもできる。
以上、第1の実施形態について説明したが、本発明における付加誘導心電図の導出は、胸部誘導の延長線上に装着される電極部位によるV7、V8、V9誘導や胸部誘導の電極部位と対称的な位置にある電極部位におけるV3R、V4R、V5R、V6R誘導の付加誘導心電図の導出に限定されない。本発明は、他の付加誘導心電図の導出にも応用することができる。また、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更を行うことができる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、伝達係数αを用いずに、誘導ベクトルを利用して付加誘導心電図(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R誘導)を導出する点にある。
(誘導ベクトルによる付加誘導心電図の導出方法の原理)
本第2の実施形態による付加誘導心電図の導出方法の原理は次の通りである。上述のように、臨床心電図では、誘導理論によって、任意時刻の心臓電源は、位置固定の双極子(Fixed Single Dipole)で表現することができ、任意の誘導個所における電位(V)は次式(2−1)〜(2−3)で求めることができる。
Figure 0004153950
但し、Vは電位、Hは心臓ベクトル、Lは誘導ベクトルをそれぞれ示す。
そこで、測定した標準12誘導心電図の誘導電位を式(2−1)に当てはめると次式(2−4)のようになる。
Figure 0004153950
但し、Tはベクトルの転置を示す。
式(2−4)は、一般式L・H=Vを示すものであり、この式(2−4)から心臓ベクトルHを求めると、次式(2−5)が得られる。
Figure 0004153950
上記式(2−5)に基づいて、付加誘導の電位Vは、次式(2−6)により求めることができる。
Figure 0004153950
(付加誘導心電図を導出するための機能を備えた心電計の構成)
図6は、本第2の実施形態における標準12誘導心電図の心電信号から付加誘導心電図の心電信号を導出する心電計のシステム構成図である。本第2の実施形態における心電計が第1の実施形態における心電計と異なるのは、付加誘導心電図演算手段17における付加誘導心電図の演算処理である。すなわち、付加誘導心電図演算手段17は、心電信号メモリ12から心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)が入力されると、誘導ベクトル格納手段13に格納された測定誘導であるI、II、V1、V2、V3、V4、V5、及びV6の誘導ベクトルを読み出し、式(2−4)及び式(2−5)に基づいて心臓ベクトルHを求める。さらに、付加誘導心電図演算手段17は、誘導ベクトル格納手段13から付加誘導の誘導ベクトルLを読み出し、式(2−6)に基づいて、付加誘導心電図(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算する。
次に、図7に示す心電計のフローチャートを参照しつつ、図6に示す心電計の動作について説明する。まず、電位検出器10により患者の標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)を測定する(STEP−201)。測定された標準12誘導心電図の心電信号は、心電信号メモリ12に記憶される(STEP−202)。そして、心電信号メモリ12に記憶された心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)が付加誘導心電図演算手段17に入力される。また、誘導ベクトル格納手段13からは、測定誘導であるI、II、V1、V2、V3、V4、V5、及びV6の誘導ベクトルが付加誘導心電図演算手段17によって読み出され、付加誘導心電図演算手段17に入力される(STEP−203)。すると、付加誘導心電図演算手段17は、I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6の誘導ベクトルを用い、式(2−4)及び式(2−5)に基づいて心臓ベクトルHを求める(STEP−204)。さらに、誘導ベクトル格納手段13から付加誘導の誘導ベクトル(L 、L 、L 、L3R 、L4R 、L5R )が付加誘導心電図演算手段17に入力される(STEP−205)。そのうえで、付加誘導心電図演算手段17は、式(2−6)に基づき、心臓ベクトルHと付加誘導の誘導ベクトルとから付加誘導心電図(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算する(STEP−206)。
このようにして算出された付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)は、付加誘導心電図波形出力手段18に出力され、その付加誘導心電図波形出力手段18によって波形処理されて、表示モニタ20に入力される(STEP−207)。また、心電信号メモリ12に記憶された標準12誘導心電図の心電信号(I、II、V1、V2、V3、V4、V5、V6)は、標準12誘導心電図波形出力手段14に出力され、この標準12誘導心電図波形出力手段14により波形処理されて、それぞれ表示モニタ20に入力される(STEP−208)。表示モニタ20は、入力された標準12誘導心電図及び付加誘導心電図を、表示画面に同時に表示する(STEP−209)。
このように、本第2の実施形態における付加誘導心電図の導出方法及び装置によれば、本第1の実施形態と同様に、電位検出器により測定される標準12誘導心電図の心電信号により、標準12誘導心電図以外の付加誘導心電図の心電信号を、演算により簡便に誘導することができる。特に後壁や右壁、下壁の心筋に対する心筋梗塞の診断精度の向上に有用である。また、このような導出方法によれば、心電図モニタや、ホルタ心電計の機能を簡便に拡大することができ、例えば後壁や右壁、下壁での心筋梗塞のみならず、肺性心、肺塞栓、右室梗塞、右室肥大、右胸心、その他の右室負荷疾患等についての診断精度の向上を図ることができる。また、これらの心電計を低コストに製造することもできる。
〔第3の実施形態〕
本発明者が提案した特許文献1に記載の発明から、例えば6個の電極からなる電位検出器により、最小限必要なチャンネル数からなる誘導システムのサブセットとして、標準12誘導心電図を得る場合の四肢誘導の第I、II誘導と、胸部誘導の2つの誘導であるV2誘導およびV4誘導とを使用して、(1)第III誘導とaV誘導(aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導)が上記〔表1〕に示す各誘導の固有関係に基づいて演算により求められる。また、(2)胸部誘導の残りの誘導であるV1誘導、V3誘導、V5誘導、V6誘導は、電位[V]・誘導ベクトル[L]・心臓ベクトル[H]の関係から演算により求められる。
そこで、第3の実施形態では、10個以下の電極からなる電位検出器により測定される標準12誘導心電図の標準誘導電位(I、II、V2、V4の心電信号)により、標準12誘導心電図以外の付加誘導心電図の付加誘導電位(V7、V8、V9とV3R、V4R、V5Rの心電信号)を演算により算出する。
この場合、標準12誘導心電図の標準誘導電位としての第I、II誘導の心電信号を検出するため、四肢誘導であれば左右腕部(電極LA、RA)と左右下肢(電極LL、RL)の4個所に電極を装着する。また、運動負荷試験等の場合においては、標準12誘導を修正するメイソン−リカー(Mason−Likar)の修正12誘導としての四肢誘導とし、左右上肢として左右鎖骨遠位端と、左右下肢として左右側腹部との4個所に、それぞれ電極を装着する。なお、電極RLは接地電極とする。さらにまた、標準誘導電位としての胸部誘導の2誘導(V2、V4)の心電信号を測定するためには、例えば第4肋間胸骨左縁位置(V2の心電信号を得る)と左鎖骨中線と第5肋間を横切る水平線との交点位置(V4の心電信号を得る)の2個所に電極を装着する。このように、標準12誘導心電図の誘導システムのサブセット(一部)によって、その他の標準12誘導心電図の誘導電位(心電信号)を、上記〔表1〕に示す各誘導の固有関係に基づいて、あるいは電位ベクトル、誘導ベクトル、及び心臓ベクトルの関係に基づいて、演算により求めることができる。また、修正12誘導のサブセットによって測定した場合にも、同様にして修正12誘導心電図及びその付加誘導心電図を得ることができる。以下、付加誘導心電図の導出方法及び付加誘導機能を備えた心電計の実施形態について、具体的に説明する。
(誘導ベクトルによる付加誘導心電図の導出方法の原理)
本第3の実施形態による付加誘導心電図の導出方法の原理は次の通りである。上述のように、臨床心電図では、誘導理論によって、任意時刻の心臓電源は、位置固定の双極子(Fixed Single Dipole)で表現することができ、任意の誘導個所における電位(V)は次式(3−1)〜(3−3)で求めることができる。
Figure 0004153950
但し、Vは電位、Hは心臓ベクトル、Lは誘導ベクトルをそれぞれ示す。
心臓ベクトルHは位置固定の空間ベクトルであるから、3つの独立パラメータしか持っていない。そこで、空間情報を持つ3つの誘導から、心臓ベクトルHのパラメータを解くことが可能である。しかるに、一旦心臓ベクトルHが分かれば、残りの12誘導における電位も計算により求めることができる。
例えば、標準12誘導心電図の標準誘導電位として、誘導部位(I、II、V2、V4)の心電信号を測定して、付加誘導(V7、V8、V9、V3R、V4R、V )の誘導電位を導出するには、次式(3−4)のように演算処理することができる。
Figure 0004153950
但し、Tはベクトルの転置を示す。
式(3−4)は、一般式L・H=Vを示すものである。従って、この式(3−4)から心臓ベクトルHを求めると、次式(3−5)が得られる。
Figure 0004153950
上記式(3−5)に基づいて、付加誘導の電位Vは、次式(3−6)により求めることができる。
Figure 0004153950
〔付加誘導心電図を導出するための機能を備えた心電計の構成〕
図8は、第3の実施形態における付加誘導心電図を導出する機能を備えた心電計のシステム構成図である。すなわち、図8において、参照符号10Aは標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号を測定するための電位検出器を示す。この電位検出器10Aは、標準12誘導心電図の標準誘導電位を得るための生体の体表面に装着された10個以下の電極、すなわち標準12誘導心電図用電位検出器のサブセット(例えばRA、LA、RL、LL、V2、V4の6個)から心電信号(I、II、V2、V4)を測定するための生体アンプおよびA/D変換器としての機能を有する。
この電位検出器10Aにより検出された標準12誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、心電信号メモリ12Aにそれぞれ記憶されると共に、標準12誘導心電図演算手段14Aに入力される。また、この心電信号メモリ12Aに記憶された心電信号(I、II、V2、V4)は付加誘導心電図演算手段17Aに入力される。すると、付加誘導心電図演算手段17Aは、誘導ベクトル格納手段13Aに格納された測定誘導であるI、II、V2、V4の誘導ベクトルを読み出し、式(3−4)及び式(3−5)に基づいて心臓ベクトル[H]を求める。さらに、付加誘導心電図演算手段17Aは、誘導ベクトル格納手段13Aに格納された誘導付加ベクトル[L](L 、L 、L 、L3R 、L4R 、L5R )を読み取り、式(3−6)に基づいて付加誘導心電図の付加誘導電位としての心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算する。
このようにして、付加誘導心電図演算手段17Aにおいて算出された付加誘導電位としての心電信号は、付加誘導心電図波形出力手段18Aに入力される。また、標準12誘導心電図演算手段14Aにより算出された標準12誘導電位としての心電信号は、標準12誘導心電図波形出力手段20Aに入力される。
そして、標準12誘導心電図波形出力手段20Aと付加誘導心電図波形出力手段18Aとから出力される心電図波形出力は、それぞれ表示モニタ22Aに入力されて、標準12誘導心電図と付加誘導心電図とを、同時に画像表示するように構成される。
このように構成される付加誘導機能を備えた心電計のシステム動作について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、付加誘導機能を備えた心電計においては、電位検出器10Aによって患者の標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号(I、II、V2、V4)が測定される(STEP−301)。測定された標準誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、心電信号メモリ12Aに記憶される(STEP−302)。
また、誘導ベクトル格納手段13Aからは、測定誘導であるI、II、V2、及びV4の誘導ベクトルが付加誘導心電図演算手段17Aによって読み出され、付加誘導心電図演算手段17Aに入力される(STEP−303)。さらに、付加誘導心電図演算手段17Aは、これらI、II、V2、及びV4の誘導ベクトルを用い、心電信号メモリ12Aに記憶された患者の心電信号(I、II、V2、V4)に基づいて、誘導に関する電位[V]・誘導ベクトル[L]・心臓ベクトル[H]の関係を示す式(3−4)及び式(3−5)から、心臓ベクトル[H]を演算する(STEP−304)。また、誘導ベクトル格納手段13Aから付加誘導の誘導ベクトル(L 、L 、L 、L3R 、L4R 、L5R )が付加誘導心電図演算手段17Aに入力される(STEP−305)。そのうえで、付加誘導心電図演算手段17Aは、式(3−6)に基づき、心臓ベクトル[H]と付加誘導の誘導ベクトルとから付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算する(STEP−306)。
一方、心電信号メモリ12Aに記憶された標準誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、標準12誘導心電図演算手段14Aに入力されて、標準12誘導心電図の誘導電位(I、II、III、V1、V2、V3、V4、V5、V6、aVR、aVL、aVF)が演算により算出される。ここで、V1、V3、V5、V6誘導は、電位ベクトル、誘導ベクトル、及び心臓ベクトルの関係に基づいて、STEP−304において求めた心臓ベクトル[H]と、誘導ベクトル(L 、L 、L 、L )とを用いて演算される。そして、標準12誘導心電図演算手段14Aにより演算された標準12誘導心電図の誘導電位は、標準12誘導心電図波形出力手段20Aにより波形処理され、表示モニタ22Aに入力される(STEP−307)。
そして、付加誘導心電図演算手段17Aにより算出された付加誘導心電図の付加誘導電位としての心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)は、付加誘導心電図波形出力手段18Aにより波形処理され、表示モニタ22Aに入力される(STEP−308)。さらに、波形処理された付加誘導心電図波形出力及び標準12誘導心電図波形出力は、表示モニタ22Aの表示画面に同時に表示される(STEP−309)。
〔第4の実施形態〕
〔誘導間の関係(伝達係数α)を利用する付加誘導心電図の導出方法〕
心臓の双極子モデルに基づいた誘導理論は、今日最も臨床応用に用いられる理論である。任意の誘導個所における電位(V)は次式(4−1)〜(4−3)で求めることができる。
Figure 0004153950
Figure 0004153950
但し、Vは電位マトリックス、Hは心臓ベクトル、Lは誘導ベクトルをそれぞれ示す。
上述のように、この誘導理論によると、任意の誘導部位における心臓電位は、3つのパラメータによって決められる。従って、3つ以上の体表面における任意の部位の心電図電位は、相互に相関性を有している。すなわち、一部の誘導電位は、他の誘導電位の線形的組合せにより表現することができる。例えば、次式(4−4)に示す関係が得られる。
Figure 0004153950
〔但し、iは付加誘導部位の誘導番号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)、jは標準12誘導の標準誘導電位の誘導番号(I、II、V2、V4)を示している。αは誘導間の関係を表わす伝達係数である。〕。なお、理論的に伝達係数αは、個人の胴体構造で決められた定数であるが、上記式(4−4)においては未知数である。しかし、予め各誘導部位の誘導電位(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5RとI、II、V2、V4)を実測して、上記式(4−4)から次式(4−5)に示すように、伝達係数αを逆に求めることも可能である。
Figure 0004153950
但し、A = {αi,j
= {Vs,j
= {Vi,s
iは付加誘導部位の誘導番号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)、jは標準12誘導の標準誘導電位の誘導番号(I、II、V2、V4)を示し、sはデータサンプルを示す。
このようにして、一旦伝達係数αを求めたら、即座に上記式(4−5)により、標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号(I、II、V2、V4)から、付加誘導心電図の付加誘導電位(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を求めることができる。
本実施形態において、特定個人の付加誘導を演算するためには、予め特定個人の伝達係数αを求め、これをデータとして蓄積しておいて、演算に使用することが理想的であり、これにより精度の高い演算結果を得ることができる。しかしながら、最初にこの個人の伝達係数αを求めて、データとして蓄積しておき随時演算に使用できるようにすることは、現実的ではない場合がある。そこで、この場合には、ヒトの平均的モデルの伝達係数αを求めて、データとして蓄積しておき随時演算に使用できるようにする。このため、例えば集団検診のように多くの人から心電図の測定を行い、標準12誘導のうち四肢誘導の2誘導I、IIと胸部誘導の2誘導V2、V4と、付加誘導電位V7、V8、V9、V3R、V4R、V5Rとからなる心電信号を収集して、演算用伝達係数αを算出するためのデータベースを構築する。そして、このデータベースに蓄積された集団全体のデータを上記式(4−5)に適用し、平均的なα値を求めると共に、このαの値を、付加誘導電位を演算するための演算手段に出力する所要のメモリに記憶しておく。
なお、上述した実施形態においては、付加誘導心電図の導出に際して、胸部誘導の延長線上にある電極部位におけるV7、V8、V9誘導、及び胸部誘導の電極部位と対称的な位置にある電極部位におけるV3R、V4R、V5R誘導について説明したが、これらに限定されることはなく、他の付加誘導心電図の導出にも応用することができる。また、上述した実施形態において、標準誘導電位であるI、II、V2、及びV4誘導から、付加誘導心電図を演算したが、これに限られず、他の標準12誘導の四肢2誘導と胸部2誘導との各種組み合わせも可能である。特に、I、II、V2、及びV5誘導の組み合わせ、I、II、V2、及びV6誘導の組み合わせ、I、II、V1、及びV4誘導の組み合わせ、I、II、V1、及びV5誘導の組み合わせ、及びI、II、V1、及びV6誘導の組み合わせは十分な実用性がある。
次に、第4の実施形態において述べた付加誘導心電図の導出方法に基づいて、付加誘導心電図および標準12誘導心電図を表示モニタに同時に画面表示することができるように構成した付加誘導機能を備えた心電計について説明する。
〔付加誘導心電図を導出するための機能を備えた心電計の構成〕
図10は、第4の実施形態における付加誘導心電図を導出する機能を備えた心電計のシステム構成図である。すなわち、図10において、参照符号10Aは標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号を測定するための電位検出器を示す。この電位検出器10Aは、標準12誘導心電図の標準誘導電位を得るための生体の体表面に装着された10個以下の電極、すなわち標準12誘導心電図用電位検出器のサブセット(例えばRA、LA、RL、LL、V2、V4の6個)から心電信号(I、II、V2、V4)を測定するための生体アンプおよびA/D変換器としての機能を有する。
この電位検出器10Aにより検出された標準12誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、心電信号メモリ12Aにそれぞれ記憶されると共に、標準12誘導心電図演算手段14Aに入力される。また、この心電信号メモリ12Aに記憶された心電信号(I、II、V2、V4)は付加誘導心電図演算手段16Aに入力され、付加誘導心電図の付加誘導電位としての心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)が演算により算出される。
そして、後に詳述するように、予めメモリ15Aに設定された演算用伝達係数αを使用して、測定された標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号(I、II、V2、V4)に基づいて、付加誘導心電図の付加誘導電位としての心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を、上記式(4−1)により算出する。
このようにして、付加誘導心電図演算手段16Aにおいて算出された付加誘導電位としての心電信号は、付加誘導心電図波形出力手段18Aに入力される。また、標準12誘導心電図演算手段14Aにより算出された標準12誘導電位としての心電信号は、標準12誘導心電図波形出力手段20Aに入力される。
そして、標準12誘導心電図波形出力手段20Aと付加誘導心電図波形出力手段18Aとから出力される心電図波形出力は、それぞれ表示モニタ22Aに入力されて、標準12誘導心電図と付加誘導心電図とが、同時に画像表示される。
しかるに、付加誘導心電図演算手段16Aは、電位検出器10Aによって、標準12誘導のうち四肢誘導の2誘導I、IIと胸部誘導の2誘導V2、V4と、付加誘導電位V7、V8、V9、V3R、V4R、V5Rとからなる心電信号を多数の患者ないし健常者等から収集して、平均的モデルの演算用伝達係数αを算出するためのデータベースを構築し、そのデータベースを用いて算出された演算用伝達係数αをメモリ15Aに記憶させる。この場合、演算用伝達係数αは、式(4−5)により算出することができる。
このように構成される付加誘導機能を備えた心電計のシステム動作について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、付加誘導機能を備えた心電計においては、電位検出器10Aによって患者の標準12誘導心電図の標準誘導電位としての心電信号(I、II、V2、V4)が測定される(STEP−401)。測定された標準誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、心電信号メモリ12Aに記憶される(STEP−402)。
次に、メモリ15Aに予め設定された演算用伝達計数αが、付加誘導心電図演算手段16Aに入力され(STEP−403)、心電信号メモリ12Aに記憶された心電信号(I、II、V2、V4)も付加誘導心電図演算手段16Aに入力されると、付加誘導心電図演算手段16Aは、心電信号(I、II、V2、V4)及び伝達計数αに基づいて、付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)を演算する(STEP−404)。なお、この付加誘導心電図演算手段16Aによる付加誘導心電図の心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)の演算は、式(4−4)に基づいて、次のように算出することができる。
Figure 0004153950
Figure 0004153950
心電信号メモリ12Aに記憶された標準誘導電位の心電信号(I、II、V2、V4)は、標準12誘導心電図演算手段14Aにも入力されて、標準12誘導心電図の誘導電位(I、II、III、V1、V2、V3、V4、V5、V6、aVR、aVL、aVF)が演算により算出される(STEP−405)。ここで、誘導電位V1、V3、V5、V6は、電位ベクトル、誘導ベクトル、及び心臓ベクトルの関係に基づいて演算により求める。
また、付加誘導心電図演算手段16Aにより算出された付加誘導心電図の付加誘導電位としての心電信号(V7、V8、V9、V3R、V4R、V5R)は、付加誘導心電図波形出力手段18Aにより波形処理され、表示モニタ22Aに入力される(STEP−406)。標準12誘導心電図演算手段14Aにより算出された標準12誘導心電図の誘導電位としての心電信号(I、II、III、V1、V2、V3、V4、V5、V6、aVR、aVL、aVF)は、標準12誘導心電図波形出力手段20Aにより波形処理(STEP−407)され、表示モニタ22Aに入力される(STEP−407)。さらに、波形処理された付加誘導心電図波形出力及び標準12誘導心電図波形出力は、表示モニタ22Aの表示画面に同時に表示される(STEP−408)。
この第4の実施形態に基づいて測定された標準12誘導の標準誘導電位である心電信号(I、II、V1〜V6)と、付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導及びV3R、V4R、V5R誘導との波形図は、図12〜図18に示す通りである。なお、第3の実施形態によっても同様の出力波形が得られる。
すなわち、図12(a)は、ある患者から測定された心電信号(I、II、V2、V4)の波形を示している。図12(b)は、心電信号(I、II、V2、V4)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図12(c)は、心電信号(I、II、V2、V4)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図13(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V2、V5)の波形を示している。図13(b)は、心電信号(I、II、V2、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図13(c)は、心電信号(I、II、V2、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図14(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V2、V6)の波形を示している。図14(b)は、心電信号(I、II、V2、V6)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図14(c)は、心電信号(I、II、V2、V6)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図15(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V1、V5)の波形を示している。図15(b)は、心電信号(I、II、V1、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図15(c)は、心電信号(I、II、V1、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図16(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V1、V6)の波形を示している。図16(b)は、心電信号(I、II、V1、V6)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図16(c)は、心電信号(I、II、V1、V6)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図17(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V3、V4)の波形を示している。図17(b)は、心電信号(I、II、V3、V4)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図17(c)は、心電信号(I、II、V3、V4)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
図18(a)は、別の患者から測定された心電信号(I、II、V3、V5)の波形を示している。図18(b)は、心電信号(I、II、V3、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV3R、V4R、V5R誘導の各波形と、その同じ患者から実測されたV3R、V4R、V5R誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。図18(c)は、心電信号(I、II、V3、V5)により算出された付加誘導心電図としてのV7、V8、V9誘導の各波形(細い実線で示す)と、その同じ患者から実測されたV7、V8、V9誘導の各波形(実測波形は太い実線で示し、演算により算出された波形と重なる部分は細い実線で示す)を示している。この結果、第4の実施形態に基づいて算出して得られた付加誘導心電図の波形と、実測して得られた付加誘導心電図の波形とは、極めて近似していることが確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態において、標準12誘導心電図(修正12誘導心電図を含む)の標準誘導電位のうち、四肢誘導から第I、II誘導を選択して測定し、胸部誘導から2つの誘導を選択して測定し、これらの誘導から付加誘導心電図を求めた。しかし、本発明はこのような誘導の選択に限られず、適宜電極を選択して、四肢誘導については第I、III誘導の組合せまたは第II、III誘導の組合せを選択してもよい。このとき、胸部誘導については、勿論、V1〜V6誘導から適宜組み合わせて選択することができる。また、本発明は、メイソン−リカー(Mason−Likar)の修正12誘導における四肢誘導を適用して、運動負荷試験等の場合における修正12誘導心電図の付加誘導心電図を得ることができる。また、本発明に係る付加誘導を演算する機能は、病院施設等で稼働している心電計に付加することも可能であり、心電計のオプション機能として販売することもできる。さらには、この付加誘導を演算する機能は、心電図に加えて他の生体情報を計測する生体情報モニターにも付加することもできる。その他、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことが可能である。
本発明によれば、付加誘導用の電極を患者に装着することなく、簡易に付加誘導を演算し、導出することができる。

Claims (5)

  1. 12誘導心電図における誘導電位V、VII、V〜V に対応付けてそれぞれ設定されている測定誘導ベクトルおよび付加誘導電位を算出するための付加誘導ベクトルを格納する誘導ベクトル格納手段と、
    12誘導心電図における四肢誘導および胸部誘導の誘導電位を含んだ誘導電位V、VII、V〜Vを測定する電位検出器と、
    前記電位検出器によって測定された前記12誘導心電図の誘導電位に基づいて、付加誘導電位を演算する付加誘導電位演算手段とを備え、
    前記付加誘導電位演算手段は、前記電位検出器によって測定された前記誘導電位および前記誘導ベクトル格納手段に格納されている測定誘導ベクトルから8つの連立方程式を導出し、当該連立方程式を用いて心臓ベクトルを求め、その求めた前記心臓ベクトルおよび前記誘導ベクトル格納手段に格納されている付加誘導ベクトルを用いて前記付加誘導電位を演算することを特徴とする付加誘導心電機能を備えた12誘導心電計。
  2. 前記誘導ベクトル格納手段は、12誘導心電図における誘導電位V、VII、V〜V、V3R〜V5Rに対応付けてそれぞれ設定されている測定誘導ベクトルL 、LII 、L 〜L および付加誘導ベクトルL7 〜L9 、L3R 〜L5R を格納し、
    前記付加誘導電位演算手段は、前記電位検出器によって測定された前記誘導電位および前記誘導ベクトル格納手段に格納されている測定誘導ベクトルを
    Figure 0004153950
    (Tはベクトルの転置を示す)
    Figure 0004153950
    に当てはめて、心臓ベクトルhx、hy、hzを求めることを特徴とする請求項1に記載の付加誘導機能を備えた12誘導心電計。
  3. 前記付加誘導電位は、V〜V誘導、V3R、V4R、V5R、V6R誘導のうち少なくともいずれか一つの誘導を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の付加誘導機能を備えた12誘導心電計。
  4. 標準12心電図の誘導波形を得るため生体の体表面に装着される電極と、
    前記付加誘導電位演算手段により算出される誘導電位を入力して付加誘導心電図の波形処理を行う付加誘導心電図波形出力手段と、
    標準12誘導心電図の波形処理を行う標準12誘導心電図波形出力手段と、
    前記標準12誘導心電図波形出力手段と前記付加誘導心電図波形出力手段とから出力される心電図波形出力をそれぞれ同時に画面表示する表示モニタと
    を備え、
    前記電位検出器は、前記各電極から誘導電位を測定することを特徴とする請求1〜3のいずれか一項に記載の付加誘導機能を備えた12誘導心電計。
  5. 12誘導心電図における誘導電位V、VII、V〜V に対応付けてそれぞれ設定されている測定誘導ベクトルおよび付加誘導電位を算出するための付加誘導ベクトルL7 〜L9 、L3R 〜L5R を格納する誘導ベクトル格納手段を備える12誘導心電計における付加誘導心電図演算方法において、
    測定されて得られた、12誘導心電図における四肢誘導および胸部誘導の誘導電位を含んだ誘導電位V、VII、V〜Vに基づいて、付加誘導電位を演算する付加誘導電位演算ステップとを備え、
    前記付加誘導電位演算ステップは、測定された12誘導心電図の誘導電位、ならびに前記誘導ベクトル格納手段に格納されている測定誘導ベクトルから8つの連立方程式を導出し、当該連立方程式を用いて心臓ベクトルを求め、その求めた前記心臓ベクトルおよび前記誘導ベクトル格納手段に格納されている付加誘導ベクトルを用いて前記付加誘導電位を演算することを特徴とする付加誘導心電図の導出方法。
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