JP4151881B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水がラジエータからシリンダヘッドに供給され、このシリンダヘッド内の冷却水通路からシリンダブロック内の冷却水通路に供給されるエンジンの冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車用エンジンに用いられている冷却装置としては、例えば図4に示すように構成されたものがある。
図4は従来のエンジンの冷却装置の構成を示す図で、同図において、符号1はエンジンを示し、2はこのエンジン1のシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4は冷却装置、5,6,7はこの冷却装置4を構成するラジエータ、冷却水ポンプおよびサーモスタットを示す。
【0003】
前記シリンダブロック2とシリンダヘッドとの内部には、冷却水通路8,9がそれぞれ形成されている。これらの冷却水通路8,9は、エンジン1内で互いに連通されている。
冷却装置4は、前記シリンダブロック2内の冷却水通路8に冷却水ポンプ6によって冷却水を供給し、シリンダヘッド3から導出された冷却水をラジエータ5によって冷却してからシリンダブロック2の冷却水通路8に戻すように構成されている。ラジエータ5の冷却水入口5aと冷却水出口5bとの間は、サーモスタット7を介してバイパス通路10で接続されている。この冷却装置4においては、冷却水の温度がサーモスタット7の設定温度より低い場合はバイパス通路10に冷却水が流され、冷却水の温度が前記設定温度より高い場合には、ラジエータ5に冷却水が流される。
【0004】
このようにラジエータ5またはバイパス通路10を通った冷却水は、冷却水ポンプ6によってシリンダブロック2内の冷却水通路8に供給される。そして、この冷却水は、エンジン1内でシリンダヘッド3内の冷却水通路9に入り、シリンダヘッド3の冷却水出口3aから出てサーモスタット7に入る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように構成された従来の冷却装置4は、シリンダブロック2を冷却した後の冷却水によってシリンダヘッド3が冷却されるものであるから、シリンダヘッド3を効率よく冷却することができないという問題があった。シリンダヘッド3は、燃焼室の天井壁を構成するものであるから、可及的温度が低い冷却水によって冷却されることが望ましい。
【0006】
このような不具合は、例えば特開昭58−162716号公報に開示されているように、シリンダヘッド内の冷却水通路に最初に冷却水を供給する構成を採ることによって、ある程度は解消することができる。この公報に示された冷却装置は、冷却水がシリンダヘッドの冷却水通路からラジエータとラジエータ下流側の冷却水ポンプとを通って前記冷却水通路に戻る循環通路が設けられており、シリンダヘッド内の冷却水通路からエンジン内でシリンダブロックの冷却水通路に冷却水が供給される構成が採られている。
【0007】
前記シリンダヘッド内の冷却水通路は、シリンダヘッドの一側部に形成された冷却水入口を介して冷却水ポンプの冷却水出口に接続されるともに、シリンダヘッドの他側部に形成された冷却水出口を介して冷却水排出用通路に接続されており、気筒毎に形成された連通路を介してシリンダブロック内の冷却水通路に接続されている。
前記冷却水排出用通路は、下流側端部にラジエータ用バイパス通路の第1のサーモスタットが設けられ、この第1のサーモスタットを介してラジエータの冷却水入口とラジエータ用バイパス通路とに接続されている。
【0008】
前記シリンダブロック内の冷却水通路は、シリンダブロックの一側部の冷却水出口を介して前記冷却水排出用通路に接続されている。シリンダブロックの冷却水出口は、第2のサーモスタットが設けられており、冷却水の温度が設定温度より高くなり第2のサーモスタットが開くことによって、冷却水が冷却水排出用通路に流出する。
このように冷却水をシリンダヘッドに直接供給することによって、最も温度が低い状態にある冷却水がシリンダヘッドに供給され、シリンダヘッドを効率よく冷却することができる。
【0009】
しかし、この冷却装置は、シリンダヘッドを効率よく冷却できる反面、シリンダブロックが冷却され難くなるという問題があった。これは、シリンダヘッド内の冷却水の一部がシリンダブロック内の冷却水通路に供給され、この冷却水通路を通過してシリンダブロックの冷却水出口から出た後に、シリンダヘッドの冷却水出口から出た他の冷却水と冷却水排出用通路で合流することが原因であると考えられる。すなわち、冷却水がシリンダブロック内の冷却水通路を通るときの抵抗がシリンダヘッドのみを通るときに較べて大きくなり、シリンダブロック内の冷却水通路にシリンダヘッド側から冷却水が流れ込み難くなるからである。
【0010】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、シリンダヘッドを効率よく冷却できるとともに、シリンダブロックに供給される冷却水の供給量を増大させることができるエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係るエンジンの冷却装置は、冷却水がシリンダヘッドの冷却水通路からラジエータとラジエータ下流側の冷却水ポンプとを通って前記冷却水通路に戻る循環通路を有し、前記シリンダヘッドの冷却水通路からシリンダブロックの冷却水通路に冷却水が供給されるエンジンの冷却装置において、前記シリンダブロックの冷却水通路を、開閉弁を介して独立した冷却水通路で前記ラジエータと冷却水ポンプとの間の冷却水通路に接続し、前記ラジエータの冷却水入口と冷却水ポンプの冷却水入口とを接続するラジエータ用バイパス通路を設け、ラジエータの冷却水出口と冷却水ポンプの冷却水入口との間に、前記ラジエータ用バイパス通路のサーモスタットを設け、このサーモスタットは、前記バイパス通路とラジエータの冷却水出口とを選択的に冷却水ポンプに接続する構成とされ、このサーモスタットのハウジングにおける弁体の下流側で冷却水ポンプの冷却水入口に連通する部位に、シリンダブロックの冷却水系に設けられた開閉弁を接続したものである。
【0012】
本発明によれば、シリンダブロックの冷却水系に設けられた開閉弁が閉じている状態では、冷却水は全量がシリンダヘッド内の冷却水通路を通過し、前記循環通路を流れる。前記開閉弁が開いた状態では、シリンダヘッド内の冷却水の一部がシリンダブロック内の冷却水通路に入り、前記開閉弁と独立した通路とを通って冷却水ポンプの冷却水入口側に吸入される。すなわち、開閉弁が開く状態では、シリンダヘッド内に供給された冷却水のうちの一部がシリンダブロックの冷却水通路と開閉弁とを通って冷却水ポンプに吸入され、残部が前記循環通路を流れるようになる。
【0013】
したがって、シリンダブロック内の冷却水通路から開閉弁を通って出た冷却水はラジエータを通ることなく冷却水ポンプに吸入されるから、シリンダブロック内の冷却水通路を有する冷却水系を冷却水が通過するときの抵抗を低減することができる。
【0015】
また、本発明によれば、シリンダブロックの冷却水系を通る冷却水の温度がサーモスタットの開閉に影響を及ぼすようになる。このため、例えば冷却水の温度がサーモスタットの設定温度より低く、前記バイパス通路を冷却水が流れる状態であっても、シリンダブロック内の冷却水の温度が前記設定温度より高くなった場合には、相対的に温度が高い冷却水がシリンダブロックの冷却水系からサーモスタットに入ることによって、サーモスタットの温度が上昇し、冷却水がラジエータを通るようにサーモスタットの開閉状態が切換わる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエンジンの冷却装置の一実施の形態を図1ないし図3によって詳細に説明する。
図1および図2は本発明に係るエンジンの冷却装置の構成を示す図で、図1は第1および第2のサーモスタットが閉じている状態を示し、図2は第1および第2のサーモスタットが開いている状態を示す。図3は第1のサーモスタットを拡大して示す断面図である。
【0017】
これらの図において、符号21は、この実施の形態によるエンジンを示す。このエンジン21は、自動車用の水冷式4サイクルエンジンで、本発明に係る冷却装置22によってシリンダヘッド23の内部の冷却水通路24とシリンダブロック25の内部の冷却水通路26とに冷却水が供給される。
シリンダヘッド23内の冷却水通路24は、後述する循環通路27が接続されるとともに、前記シリンダブロック25内の冷却水通路26にエンジン21内の連通路28によって接続されている。
【0018】
前記循環通路27は、シリンダヘッド23の冷却水出口23aに第1の冷却水管31を介して冷却水入口32が接続されたラジエータ33と、このラジエータ33の冷却水出口34に第2の冷却水管35を介して一端部が接続された第1のサーモスタット36と、この第1のサーモスタット36の他端部と前記第1の冷却水管31との間に介装されたバイパス通路形成用の第3の冷却水管37と、前記第1のサーモスタット36に第4の冷却水管38を介して冷却水入口39が接続された冷却水ポンプ40と、この冷却水ポンプ40の冷却水出口41とシリンダヘッド23の冷却水入口23bとを接続する第5の冷却水管42などによって構成されている。前記ラジエータ33と冷却水ポンプ40は、従来の冷却装置に用いられていたものと同等のものであるから、これらの詳細な説明は省略する。前記第1のサーモスタット36によって、請求項2に記載された発明に係るサーモスタットを構成している。
【0019】
第1のサーモスタット36は、図3に示すように、ハウジング43の内部にサーモスタット本体44が設けられ、従来からよく知られているように、サーモスタット本体44に内蔵されたワックス(図示せず)が温度上昇により膨張することによって開く構造のものである。この第1のサーモスタット36が開くことによって、冷却水がラジエータ33から第1のサーモスタット36を通って冷却水ポンプ40に吸入され、第1のサーモスタット36が閉じることによって、冷却水が第3の冷却水管37(バイパス通路)から第1のサーモスタット36を通って冷却水ポンプ40に吸込まれる。すなわち、この第1のサーモスタット36は、第3の冷却水管37(バイパス通路)とラジエータ33の冷却水出口34とを選択的に冷却水ポンプ49に接続する構成とされている。
【0020】
第1のサーモスタット36の前記ハウジング43には、軸線方向(図3においては左右方向)の一端部に前記第2の冷却水管35を接続するための接続用パイプ45が設けられており、ハウジング43の他端部には、前記第3の冷却水管37を接続するための接続用パイプ46が設けられている。また、このハウジング43の軸線方向の中央部には、前記第4の冷却水管38を接続するための接続用パイプ47が一体に形成されており、さらに後述するようにシリンダブロック25から延びる第6の冷却水管48(図1,2参照)を接続するための接続用パイプ49が設けられている。
【0021】
ハウジング43の内部に設けられたサーモスタット本体44は、前記ハウジング43にフレーム51を介して支持されたシリンダ52と、このシリンダ52の内部に設けられたワックスの体積が変化することによって軸線方向に移動する第1の弁体53および第2の弁体54と、これらの弁体53,54を閉方向(図3においては右方向)に付勢する圧縮コイルばね55などによって構成されている。このサーモスタット本体44は、温度上昇により前記ワックスの体積が増大することによって、第1の弁体53と第2の弁体54とが図3に示す全閉位置から圧縮コイルばね55の弾発力に抗して図3の左方向に移動する。
【0022】
第1の弁体53は、ハウジング43の一端部に設けられた前記接続用パイプ45に接続された第1の水室56と、ハウジング43の中央部に形成され前記接続用パイプ47に接続された第2の水室57とを連通する連通口58を開閉するように形成されている。第2の弁体54は、ハウジング43の他端部に設けられた接続用パイプ46に連通する第3の水室59と、前記第2の水室57とを連通する連通口60を開閉するように形成されている。
【0023】
すなわち、この第1のサーモスタット36は、ワックスの温度が低いときには、第1の弁体53が閉状態になってラジエータ33の冷却水出口34に至る冷却水通路を閉じるとともに、第2の弁体54を開状態とし、第3の冷却水管37(バイパス通路)、第3の水室59、第2の水室57、接続用パイプ47、第4の冷却水管38などからなる冷却水通路を通って冷却水ポンプ40に冷却水を吸入させる。
【0024】
一方、冷却水の温度が上昇してワックスが膨張することにより、第2の弁体54が閉状態になって第3の冷却水管37に至る冷却水通路を閉じるとともに、第1の弁体53が開状態になり、第2の冷却水管35、接続用パイプ45、第1の水室56、第2の水室57、接続用パイプ47、第4の冷却水管38などからなる冷却水通路を通って冷却水ポンプ40に冷却水は吸入される。第1のサーモスタット36が開くときの冷却水の温度は、この実施の形態では概ね85℃に設定されている。
【0025】
シリンダブロック25内の冷却水通路26は、図1および図2に示すように、シリンダブロック25の一側部に冷却水出口61が形成され、この冷却水出口61に介装された第2のサーモスタット62と、冷却水出口61から延設された第6の冷却水管48とを介して前記第1のサーモスタット36に接続されている。前記第2のサーモスタット62は、第1のサーモスタット36と同様にワックスの体積変化によって開閉する構造のもので、冷却水の温度が設定温度より低いときに前記冷却水出口61を閉じ、冷却水温度が前記設定温度より高くなったときに前記冷却水出口61を開くように構成されている。この第2のサーモスタット62が開くときの温度は、この実施の形態では概ね105℃に設定されている。この第2のサーモスタット62によって、請求項1に記載された発明に係る開閉弁を構成している。
【0026】
前記第6の冷却水管48の下流側端部は、図3に示すように、前記第1のサーモスタット36の接続用パイプ49に接続されており、第1のサーモスタット36のハウジング43における第1および第2の弁体53,54より下流側で冷却水ポンプ40の冷却水入口39に連通する第2の水室57に接続されている。また、第6の冷却水管48は、途中にオリフィス63が設けられており、第2のサーモスタット62が開いたときの冷却水の流量が所定の流量になるように予め設定される。この冷却装置22においては、シリンダヘッド23内の冷却水通路24を通過する冷却水の流量と、シリンダブロック25内の冷却水通路26を通過する冷却水の流量との割合が最適になるように、前記オリフィス63の開度が設定されている。
【0027】
このように構成された冷却装置22は、暖機運転時などで冷却水の温度が相対的に低いときは、図1に示すように、第1および第2のサーモスタット36,62が閉状態になる。この状態では、冷却水は、図1中に矢印で示すように、シリンダヘッド23内の冷却水通路24に接続された循環通路27を通って全量が循環する。すなわち、このときに冷却水は、シリンダヘッド23の冷却水出口23aから第1の冷却水管31と第3の冷却水管37とを通って第1のサーモスタット36に入り、この第1のサーモスタット36から第4の冷却水管38を通って冷却水ポンプ40に吸入される。そして、冷却水ポンプ40から第5の冷却水管42を通ってシリンダヘッド23の冷却水入口23bに供給され、ここからシリンダヘッド23内の冷却水通路24に入る。
【0028】
このように冷却水が循環することによって、シリンダブロック25内の冷却水通路26を冷却水が通過することがないから、シリンダブロック25の温度が上昇し易くなる。このため、この冷却装置22は、暖機運転に要する時間を短縮することができる。
【0029】
運転状態が継続されることにより、上述した状態から冷却水の温度が上昇し、図2に示すように、第1のサーモスタット36が開く。第1のサーモスタット36が開くことにより、第3の冷却水管37の下流側端部が閉じられ、冷却水は、第1の冷却水管31からラジエータ33と第2の冷却水管35とを通って第1のサーモスタット36に入るようになる。このため、ラジエータ33によって冷却されて相対的に温度が低くなる冷却水が冷却水ポンプ40から第5の冷却水管42を通ってシリンダヘッド23内の冷却水通路24に供給され、シリンダヘッド23が冷却される。
【0030】
一方、シリンダブロック25内の冷却水通路26は、第2のサーモスタット62が閉じている状態ではシリンダヘッド23側から冷却水が入ることがないから、この冷却水通路26内の冷却水の温度は、シリンダブロック25の温度上昇に追従するように上昇する。シリンダブロック25内の冷却水の温度が上昇して第2のサーモスタット62が開くことにより、前記冷却水通路26内の冷却水が第6の冷却水管48を通って第1のサーモスタット36内に入るとともに、シリンダヘッド23内の冷却水通路24からシリンダブロック25内の冷却水通路26に冷却水が新たに供給される。
すなわち、シリンダブロック25内の冷却水通路26を通過した冷却水は、シリンダヘッド23の冷却水出口23aから出た冷却水とは別の経路を通って第1のサーモスタット36内に入り、前記循環通路27を流れる冷却水と混合されて前記冷却水ポンプ40に吸入され、シリンダヘッド23内の冷却水通路24に供給される。
【0031】
第2のサーモスタット62は、シリンダブロック25内の冷却水の温度に基づいて開閉するから、暖機運転時に第1のサーモスタット36が閉じている状態(第3の冷却水管37を冷却水が流れる状態)であっても開くことがある。第1のサーモスタット36が閉じている状態で第2のサーモスタット62が開くことにより、シリンダブロック25内の相対的に温度が高い冷却水が第1のサーモスタット36に入り、第1のサーモスタット36が温度上昇によって開く。この結果、循環通路27の冷却水の温度が相対的に低いにもかかわらず、第1のサーモスタット36が開き、冷却水がラジエータ33を通って冷却されるようになる。
【0032】
したがって、この実施の形態によるエンジンの冷却装置22によれば、第2のサーモスタット62が開く状態では、シリンダヘッド23内に供給された冷却水のうちの一部がシリンダブロック25の冷却水通路26から第2のサーモスタット62、第6の冷却水管48、第1のサーモスタット36および第4の冷却水管38とを通って冷却水ポンプ40に吸入され、残部がシリンダヘッド23の冷却水出口23aから前記第1の冷却水管31に流出するようになる。
【0033】
このため、シリンダブロック25内の冷却水通路26から第2のサーモスタット62を通って出た冷却水は、ラジエータ33を通ることなく冷却水ポンプ40に吸入されるから、シリンダブロック25内の冷却水通路26を有する冷却水系を冷却水が通過するときの流路抵抗を低減することができる。この結果、シリンダブロック25を流れる冷却水の流量が増大するようになり、シリンダブロック25の冷却効率を向上させることができた。
【0034】
この実施の形態で示したように、第1のサーモスタット36が約85℃で開き、第2のサーモスタット62が約105℃で開くように設定することによって、中負荷運転時の冷却水温度がシリンダヘッド23の冷却水出口23aで約110℃付近の最適な温度に維持されるようになった。このため、この冷却装置22を用いることによって、実用運転域での燃焼改善が図られ、燃費が向上するとともに、HCの排出量を低減することができた。
【0035】
また、シリンダブロック25から延びる第6の冷却水管48が第1のサーモスタット36に接続されているから、シリンダブロック25の冷却水系を通る冷却水の温度が第1のサーモスタット36の開閉に影響を及ぼすようになる。このため、前記冷却水が第3の冷却水管37(バイパス通路)を流れる状態であっても、シリンダブロック25内の冷却水の温度が上昇して第2のサーモスタット62が開くことにより、相対的に温度が高い冷却水が第6の冷却水管48から第1のサーモスタット36に入って第1のサーモスタット36の温度が上昇し、冷却水がラジエータ33を通るように第1のサーモスタット36の開閉状態が切換わる。すなわち、第1のサーモスタット36がエンジンの状態に適合するように精度よく開く。
【0036】
上述した実施の形態では、第1のサーモスタット36と第2のサーモスタット62とをワックス式のサーモスタットによって構成する例を示したが、これらのサーモスタットは、電動式のものでもよい。特に第2のサーモスタット62は、温度変化に対応して通路を開閉するものであれば、どのような弁によって形成しても同等の効果を奏する。また、第2のサーモスタット62は、冷却水温度の他に、シリンダブロック25の壁面の温度をセンサによって検出する構造でもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シリンダブロック内の冷却水通路から開閉弁を通って出た冷却水はラジエータを通ることなく冷却水ポンプに吸入されるから、シリンダブロック内の冷却水通路を有する冷却水系を冷却水が通過するときの流路抵抗を低減することができる。このため、シリンダヘッド内の冷却水通路に相対的に温度が低い冷却水が流入する構成を採りながら、シリンダブロック内の冷却水通路を冷却水が流れ易くなる。
【0038】
したがって、シリンダヘッドを効率よく冷却できるとともに、シリンダブロックを流れる冷却水の流量を増大させることができるようになるから、シリンダヘッドとシリンダブロックとを確実に冷却することができるエンジンの冷却装置を提供することができる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、シリンダブロックの冷却水系を通る冷却水の温度がサーモスタットの開閉に影響を及ぼすようになる。このため、例えば冷却水の温度がサーモスタットの設定温度より低く、前記バイパス通路を冷却水が流れる状態であっても、シリンダブロック内の冷却水の温度が前記設定温度より高くなった場合には、相対的に温度が高い冷却水がシリンダブロックの冷却水系からサーモスタットに入ることによって、サーモスタットの温度が上昇し、冷却水がラジエータを通るようにサーモスタットの開閉状態が切換わる。
したがって、サーモスタットが精度よく開くようになるから、信頼性が高いエンジンの冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジンの冷却装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明に係るエンジンの冷却装置の構成を示す図である。
【図3】 サーモスタットを拡大して示す断面図である。
【図4】 従来のエンジンの冷却装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
21…エンジン、22…冷却装置、23…シリンダヘッド、24,26…冷却水通路、25…シリンダブロック、27…循環通路、31…第1の冷却水管、33…ラジエータ、35…第2の冷却水管、36…第1のサーモスタット、37…第3の冷却水管、38…第4の冷却水管、40…冷却水ポンプ、42…第5の冷却水管、43…ハウジング、44…サーモスタット本体、48…第6の冷却水管、53…第1の弁体、54…第2の弁体、56…第1の水室、57…第2の水室、59…第3の水室、62…第2のサーモスタット。

Claims (1)

  1. 冷却水がシリンダヘッドの冷却水通路からラジエータとラジエータ下流側の冷却水ポンプとを通って前記冷却水通路に戻る循環通路を有し、前記シリンダヘッドの冷却水通路からシリンダブロックの冷却水通路に冷却水が供給されるエンジンの冷却装置において、前記シリンダブロックの冷却水通路を、開閉弁を介して独立した冷却水通路で前記ラジエータと冷却水ポンプとの間の冷却水通路に接続し、
    前記ラジエータの冷却水入口と冷却水ポンプの冷却水入口とを接続するラジエータ用バイパス通路を設け、ラジエータの冷却水出口と冷却水ポンプの冷却水入口との間に、前記ラジエータ用バイパス通路のサーモスタットを設け、このサーモスタットは、前記バイパス通路とラジエータの冷却水出口とを選択的に冷却水ポンプに接続する構成とされ、このサーモスタットのハウジングにおける弁体の下流側で冷却水ポンプの冷却水入口に連通する部位に、シリンダブロックの冷却水系に設けられた開閉弁を接続してなるエンジンの冷却装置。
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