JP4151268B2 - 電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置に係り、特に、電磁駆動弁で構成された吸気弁または排気弁を備える内燃機関の制御に好適な停止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平10−18820号公報に開示されるように、電磁駆動弁で構成された吸気弁および排気弁を備える内燃機関が知られている。この電磁駆動弁は、非通電時には中立位置を保ち、所定の駆動制御を行うことで、閉弁位置、或いは開弁位置を実現することができる。このような内燃機関においては、吸気弁および排気弁の駆動タイミングが自由に制御できるため、それらがカム機構で駆動される場合に比して、様々な制御において高い自由度を確保することができる。
【0003】
ところで、上記従来の内燃機関において、機関の停止が要求されると同時に電磁駆動弁への通電が停止されると、吸気弁および排気弁は、その時点で中立状態、すなわち、半開状態となる。この場合、爆発工程にある気筒では燃焼ガスが吸気系に逆流するという不都合が生じ、また、圧縮行程にある気筒では未燃ガスが吸気系に逆流するといった不都合が生ずる。
【0004】
そこで、上記従来の内燃機関では、機関の停止指令が生じた後、気筒内に残存する燃焼ガスまたは未燃ガスが、排気ガスとして排気系に排出されるまでの間は、電磁駆動弁の駆動制御を継続することとしている。このため、上記従来の内燃機関では、吸気弁および排気弁を電磁駆動弁で構成しているにも関わらず、機関停止時に、燃焼ガスや未燃ガスが吸気系に逆流するといった不都合が生ずるのを確実に防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
内燃機関の運転中は、燃費の改善など様々な要求に応じて吸気弁や排気弁の開閉タイミングが決定される。従って、その開閉タイミングは、必ずしも筒内の残存ガスを掃気するうえで好適なものではない。つまり、上記従来の内燃機関では、燃焼ガスや未燃ガスの逆流を防ぐために、機関の停止指令の後に引き続き電磁駆動弁の制御が行われるが、その制御は、必ずしも掃気に適した規則では行われない。このため、従来の内燃機関では、停止指令が発せられた後、残存ガスの掃気が終了するまでにある程度の時間を要するという問題が生ずる。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、機関停止指令が発せられた後、残存ガスの掃気に適した規則で電磁駆動弁を駆動することにより、その掃気を速やかに終了させることのできる内燃機関の停止制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記の目的を達成するため、吸気弁または排気弁として機能する電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置であって、
内燃機関の運転中に、前記電磁駆動弁を第1の規則に従って駆動する第1駆動手段と、
内燃機関の停止指令後に、前記第1の規則に代えて、前記第1の規則に比して、内燃機関の筒内ガスを高いポンプ効率で掃気することのできる第2の規則で前記電磁駆動弁を駆動する第2駆動手段と、を備え
前記第1の規則は、内燃機関の筒内ガスを前記第2の規則に比して低いポンプ効率で掃気する規則であることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項記載の発明は、請求項記載の内燃機関の停止制御装置であって、
機関回転数を検出する回転数検出手段と、
機関回転数に応じて、前記第2の規則を設定する第2規則設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の内燃機関の停止制御装置であって、
前記電磁駆動弁は、排気弁として機能する排気電磁駆動弁と吸気弁として機能する吸気電磁駆動弁の双方を含み、
少なくとも機関回転数が所定の低回転領域に属している場合は、前記排気電磁駆動弁をピストン下死点で開弁させ、かつ、ピストン上死点で閉弁させ、更に、前記吸気電磁駆動弁をピストン上死点で開弁させ、かつ、ピストン下死点で閉弁させる規則を、前記第2規則とする第2規則固定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の停止制御装置であって、
内燃機関の停止指令の後に、気筒への新たな燃料噴射の開始を禁止する新規噴射禁止手段と、
個々の気筒において、その内部に存在する未燃ガスを燃焼させるための有効点火処理を行う有効点火処理手段と、
個々の気筒において、最後の有効点火処理が実行された後、初めて排気弁が開弁するまでは、前記第1駆動手段を有効とし、その開弁の後は、前記第1駆動手段に代えて前記第2駆動手段を有効とする駆動規則切り替え手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、吸気弁または排気弁として機能する電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置であって、
内燃機関の運転中に、当該内燃機関に多行程運転を行わせる多行程運転手段と、
内燃機関の停止指令後に、当該内燃機関に、前記多行程運転に比して1サイクル中の行程数が少ない少行程運転を行わせる少行程運転手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の停止制御装置であって、
内燃機関の吸気通路の流通抵抗を制御する流通抵抗制御機構と、
内燃機関の停止指令後は、前記流通抵抗が所定値以下となるように、前記流通抵抗制御機構を制御する機構制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示す構成は、内燃機関10を備えている。内燃機関10には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12は、上流側の端部にエアフィルタ16を備えている。エアフィルタ16には、吸気温センサ18が組み付けられている。
【0016】
エアフィルタ16の下流には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20は、吸気通路12を流れる吸入空気量Gaを検出するセンサである。エアフロメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、アクセル開度とは独立にスロットル開度を制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ24と、スロットルバルブ22が全閉となることでオンとなるアイドルスイッチ26とが配置されている。
【0017】
スロットルバルブ22の下流には、サージタンク28が設けられている。また、サージタンクの更に下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が配置されている。
【0018】
排気通路14には、触媒32が連通している。触媒32は、ある程度の酸素を吸蔵することができ、排気ガス中にHCやCOなどの未燃成分が含まれている場合は、吸蔵している酸素を用いてそれらを酸化し、また、排気ガス中にNOxなどの酸化成分が含まれている場合は、それらを還元し、放出された酸素を吸蔵することができる。内燃機関10から排出される排気ガスは、触媒32の内部で上記の如く処理されることにより浄化される。
【0019】
排気通路14には、また、触媒32の上流に、排気Oセンサ34が配置されている。排気Oセンサ34は、被検出ガス中の酸素濃度に応じて出力を変化させるセンサであり、排気空燃比がリッチとなると、以後、その空燃比がリーンになるまで1V近傍の電圧を発生し、また、排気空燃比がリーンになると、以後、その空燃比がリッチになるまで0.1V程度の電圧を発生するセンサである。
【0020】
尚、本実施形態では、排気通路14に触媒32を設けることとしているが、排気通路14には、触媒32に代えて、または触媒32と共に、NOx吸収材を配置することとしてもよい。また、本実施形態では、排気通路14に排気Oセンサ34を設けることとしているが、排気通路14には、排気Oセンサ34に代えて、または排気Oセンサ34に加えて、空燃比をリニアに検出することのできる空燃比センサを配置することとしてもよい。
【0021】
内燃機関10は、吸気弁36を電磁力で駆動する吸気電磁駆動弁38、および排気弁40を電磁力で駆動する排気電磁駆動弁42を備えている。また、内燃機関10には、先端部を筒内に露出させた点火プラグ44、および機関回転数NEを検出するための回転数センサ46が組み付けられている。
【0022】
吸気電磁駆動弁38は、非通電時には吸気弁36を中立位置、すなわち、半開位置に維持し、外部から供給される駆動信号を受けて、吸気弁36を全開位置および全閉位置に移動させることのできる機構である。同様に、排気電磁駆動弁42は、非通電時には排気弁40を中立位置に維持し、外部から供給される駆動信号を受けて、排気弁40を全開位置および全閉位置に移動させることのできる機構である。
【0023】
本実施形態のシステムは、図1に示すように、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50には、上述した各種センサと共に、イグニッションスイッチ(IGスイッチ)52、およびアクセル開度センサ54が接続されている。上述した燃料噴射弁30、吸気電磁駆動弁38、および排気電磁駆動弁42などは、ECU50により制御されている。更に、点火プラグ44は、ECU50により決定されたタイミングで点火の処理を行う。
【0024】
次に、図2乃至図5を参照して、本実施形態のシステムの動作を説明する。
図2は、本実施形態のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。図2において、♯1〜♯4は、それぞれ内燃機関10の第1気筒〜第4気筒を表している。また、横軸はクランク角に対応しており、Exの記号またはInの記号と共に表示された波形は、それぞれ排気弁40または吸気弁36の開弁プロファイルである。更に、ハッチングを付した長方形の領域、および矢印で表したタイミングは、それぞれ燃料噴射期間、および点火タイミングを表している。
【0025】
図2に示す例において、IGスイッチ52は、♯1気筒の燃料噴射期間中にオフされている。すなわち、このタイミングチャートは、♯1気筒の燃料噴射期間中に内燃機関10の停止指令が発せられた場合を例示している。
【0026】
図2に示す開弁プロファイルのうち、細線で示すものは、高燃費の実現等、内燃機関10を効率的に運転させるための様々な要求を満たすべく決定されるプロファイルである。以下、このプロファイルを決定する規則を「第1の規則」と称す。図2には、第1の規則に従って決定されたプロファイルの例として、下死点(BDC) 前から 上死点(TDC)直後までが開弁期間とされた排気弁40のプロファイル、および上死点(TDC)直前から下死点(BDC)後までが開弁期間とされた吸気弁36のプロファイルが示されている。
【0027】
また、図2に示す開弁プロファイルのうち、太線で示すものは、最も高いポンプ効率でピストンを動作させるためのプロファイルである。以下、このプロファイルを決定する規則を「第2の規則」と称す。図2には、第2の規則に従って決定されたプロファイルの例として、下死点(BDC)から 上死点(TDC)までが開弁期間とされた排気弁40のプロファイル、および上死点(TDC)から下死点(BDC)までが開弁期間とされた吸気弁36のプロファイルが示されている。
【0028】
内燃機関10を効率的に運転させるためのバルブタイミングは、ポンプ効率の最大化を目的としたバルブタイミングとは異なる場合がある。すなわち、スロットル全開(WOT時)にはポンプ効率を最大とするバルブタイミングと効率的な運転を実現するためのバルブタイミングとが一致するが、内燃機関10の停止前の一般的状態であるアイドル状態などでは、ポンプ効率を最大とするバルブタイミングとは別に燃費特性を最高とするバルブタイミングが存在する。このため、第1の規則に従って決定されるバルブタイミングと、第2の規則に従って決定されるバルブタイミングとは、一般に異なったものとなる。
【0029】
ところで、本実施形態のシステムでは、IGスイッチ52がオフとされた時点で、新たな気筒への燃料噴射の開始が禁止される。図2に示す例では、IGスイッチ52がオフとされた時点で、♯1気筒の燃料噴射が既に開始されているため、その気筒♯1への燃料噴射は通常通りに実行される。そして、その後他の気筒への燃料噴射が禁止される。以下、図2に示す♯1気筒のように、最後に噴射燃料の供給を受けた気筒を「最終噴射気筒」と称す。
【0030】
本実施形態のシステムは、IGスイッチ52がオフとされた後も、筒内に未燃ガスが残存している気筒に対しては、引き続き点火処理を行う。以下、筒内に未燃ガスが存在する状態で実行される点火処理を「有効点火処理」と称す。つまり、本実施形態のシステムは、少なくとも、最終噴射気筒に噴射された燃料につき有効点火処理が実行されるまでは、内燃機関10における点火処理を継続する。
【0031】
図2に示す例において、♯1気筒については、IGオフの時点で噴射燃料の供給を受けているため、IGオフの後、その燃料を燃焼させるために、1回だけ有効点火処理が実行される。つまり、この例において、♯1気筒については、IGスイッチ52がオフとされた後、♯1気筒を対象として行われる最初の点火処理が、最後の有効点火処理となる。
【0032】
♯3気筒については、IGオフの瞬間に、筒内に未燃ガスは残存していない。また、その後に未燃ガスが筒内に供給されることもない。従って、♯3気筒については、IGオフの後に有効点火処理が実行されることはない。このため、図2に示す例において、♯3気筒については、IGオフの直前に行われた点火処理が最後の有効点火処理となる。
【0033】
♯4気筒および♯1気筒については、IGオフの瞬間に、筒内に未燃ガスが残存している。このため、これらの気筒については、IGオフの後、1回だけ有効点火処理が実行される。従って、図2に示す例において、♯4気筒および♯1気筒については、IGオフの後、初めて実行される点火処理が最後の有効点火処理となる。
【0034】
上述した最後の有効点火処理は、全ての気筒において、通常通りに噴射された燃料に対して行われる。従って、最後の有効点火処理は、全ての気筒において、吸入空気量も通常通りに制御された状態で行われることが望ましい。そこで、本実施形態のシステムでは、IGスイッチ52がオフされた後、吸気弁36の開弁プロファイルを即座には切り替えないこととしている。より具体的には、吸気弁36の開弁プロファイルは、IGスイッチ52がオフされた後も、最後の有効点火処理が実行されていない気筒については第1の規則で決定し、最後の有効点火処理が終了した気筒から、その決定規則を第2の規則に切り替えることとしている。
【0035】
また、内燃機関10において有効点火処理が実行される場合は、その後、如何なるタイミングで排気弁40が開弁するかに応じて、内燃機関10の出力に変化が生ずる。つまり、有効点火処理の後(爆発行程の後)、早期に排気弁40が開弁された場合は、燃焼圧が早期に排出されることにより内燃機関の出力が低下することがある。一方、有効点火処理の後、排気弁の開弁タイミングが遅らされると、燃焼圧が長期に渡って出力に変換されることにより、内燃機関の出力が高まることがある。従って、内燃機関10の出力変動を抑制するためには、最後の有効点火処理が行われた後、排気弁40が開弁されるまでは、その開弁プロファイルが通常の手法で決定されること、つまり、第1の規則で決定されることが望ましい。
【0036】
そこで、本実施形態のシステムは、排気弁40の開弁プロファイルについては、最後の有効点火処理が実行された後、排気弁40が初めて開弁されるまでは、その開弁タイミングを第1の規則で決定することとしている。そして、そのタイミングで開弁された排気弁40を閉弁させるタイミングから、プロファイルの決定規則を第2の規則に切り替えることとしている。
【0037】
本実施形態のシステムでは、吸気弁36および排気弁40の開弁プロファイルの決定規則を、上記の思想に基づいて切り替えることとしている。第1の規則と第2の規則とがこのようにして切り替えられる結果、本実施形態のシステムでは、IGスイッチ52がオフされた後、内燃機関10の出力変動を生じさせることなく、通常のバルブタイミングから、掃気に適したバルブタイミングへの切り替えが可能とされている。
【0038】
図3は、上述した機能のうち、IGオフ後の燃料噴射の停止と、有効点火処理の実行とに関する機能を実現するためにECU50が実行する点火・噴射制御ルーチンのフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、IGスイッチ52がオフされたか否かが判別される(ステップ100)。
【0039】
IGスイッチ52がオフされると、上記ステップ100の条件が成立し、次に、新たな気筒への新規の燃料噴射の実行が禁止される(ステップ102)。
図2に示す例では、本ステップ102の処理により、♯1気筒への燃料噴射が最後の燃料噴射とされる。
【0040】
次いで、噴射燃料の供給を最後に受けた気筒、すなわち、最終噴射気筒が確定される(ステップ104)。
図2に示す例では、本ステップ104の処理により、♯1気筒が最終噴射気筒として確定される。
【0041】
次に、最終噴射気筒の点火が終了したか否か、すなわち、最終噴射気筒に最後に噴射された燃料を燃焼させるための有効点火処理が実行されたか否かが判別される(ステップ106)。
【0042】
図2に示す例では、最終噴射気筒である♯1気筒において点火処理が行われることにより上記ステップ106の条件が成立する。この条件が成立すると、次に、点火制御を終了するための処理が実行される(ステップ108)。
その結果、以後、全ての気筒において、点火プラグ44への点火電流の供給が停止される。
【0043】
図4は、図2を参照して説明した機能のうち、吸気弁36および排気弁40の開弁プロファイルの決定規則を切り替える機能を実現するためにECU50が実行するバルブタイミング制御ルーチンのフローチャートである。尚、図4に示すルーチンは、個々の気筒毎に実行されるルーチンである。
【0044】
図4に示すルーチンでは、先ず、IGスイッチ52がオフとされたか否かが判別される(ステップ110)。
【0045】
その結果、IGスイッチ52がオフされていないと判別された場合は、内燃機関10を効率的に運転させるべく、吸気弁36および排気弁40の開弁プロファイル決定規則として、第1の規則が選択される(ステップ112)。
【0046】
一方、上記ステップ110において、IGスイッチ52がオフされていると判別された場合は、次に、処理の対象である気筒において、最後の有効点火処理が終了したか否かが判別される(ステップ114)。
【0047】
本実施形態のシステムでは、個々の気筒毎に、点火の履歴と燃料噴射の履歴とを記憶している。上記ステップ114では、具体的には、直近の点火処理の後に燃料噴射が開始されたか否かが判別される。その結果、燃料噴射が開始されていると判別された場合は、当該気筒において、最後の有効点火処理が未だ終了していないと判別される。これに対して、直近の点火処理の後に燃料噴射が開始されていないと判別された場合は、当該気筒において最後の有効点火が終了していると判別される。
【0048】
上記ステップ114において、当該気筒における最後の有効点火処理が未だ終了していないと判別された場合は、引き続き第1の規則を用いるべく上記ステップ112の処理が実行される。一方、最後の有効点火処理が終了していると判別された場合は、次に、その点火処理の後に排気弁40が開弁されたか否かが判別される(ステップ116)。
【0049】
その結果、最後の有効点火処理の後、未だ排気弁40が開弁されていないと判別された場合は、引き続き第1の規則を用いるべく上記ステップ112の処理が実行される。一方、既に排気弁40が開弁されていると判別された場合は、筒内ガスの掃気に適したバルブタイミングを実現すべく、吸気弁36および排気弁40の開弁プロファイルの決定規則として、第2の規則が選択される(ステップ118)。
【0050】
以上説明した図4に示すルーチンが、個々の気筒毎に実行されると、各気筒のバルブタイミングを、図2に示すように、IGスイッチ52がオフとされた後、順次第1の規則で決定されたタイミングから、第2の規則で決定されたタイミングへと切り替えることができる。
【0051】
ところで、本実施形態において、第2の規則は、記述の通り、最も高いポンプ効率でピストンを動作させるためのバルブタイミングである。この規則によれば、例えば機関回転数が十分に低い低回転領域では、排気弁40の開弁時期が下死点(BDC)から 上死点(TDC)までに決定され、また、吸気弁36の開弁時期が上死点(TDC)から下死点(BDC)までに決定される。
【0052】
このような開弁プロファイルによれば、ピストンが下死点から上死点に向かって移動する過程で、無駄なポンプ仕事をすることなく、筒内ガスを排気系に排出することができる。また、ピストンが上死点から下死点に向かって移動する過程で、無駄なポンプ仕事をすることなく吸気系から筒内へ新気を取り込むことができる。このため、上記の開弁プロファイルによれば、個々の筒内に残存する排気ガスを、最も高いポンプ効率で効率的に掃気することができる。
【0053】
ところで、ピストンを最も高いポンプ効率で動作させるためのバルブタイミングは、機関回転数NEに応じて変化する。ECU50は、ポンプ効率を最高とするバルブタイミングと、機関回転数NEとの関係を定めたマップを記憶している。上記ステップ118において、第2の規則が選択された場合、ECU50は、そのマップを参照して、機関回転数NEに基づいて最適なバルブタイミングを決定する。このため、本実施形態のシステムによれば、IGスイッチ52がオフされた時点での機関回転数NEに関わらず、常に最高のポンプ効率で筒内ガスを掃気することができる。
【0054】
図5は、掃気のためのバルブ駆動を適当なタイミングで終了させるためにECU50が実行する弁駆動停止制御ルーチンのフローチャートである。
図5に示すルーチンでは、先ず、最終噴射気筒が確定されたか否かが判別される(ステップ120)。
【0055】
上記ステップ104の処理(図3参照)により最終噴射気筒が確定されると、ステップ120の条件が成立し、次に、先頭気筒の確定処理が行われる(ステップ122)。
先頭気筒は、プロファイルの決定規則の切り替えが、最初に実行される気筒であり、確定された最終噴射気筒に基づいて決定される。例えば、図2に示す例では、最終噴射気筒が♯1気筒と確定され、その確定結果に基づいて、♯3気筒が先頭気筒として確定される。尚、最終噴射気筒が、♯3気筒、♯4気筒、または♯2気筒である場合は、♯4気筒、♯2気筒、または♯1気筒が、それぞれ先頭気筒として確定される。
【0056】
先頭気筒が確定されると、次に、その気筒について実行された掃気サイクル数が所定回数N以上であるか否かが判別される(ステップ124)。
尚、ここでは、吸気弁36が開いて筒内に新気が導入され、その後、排気弁40が開いて、その新気が排出されるまでの一連の流れを1掃気サイクルとする。
【0057】
上記ステップ124の処理は、掃気サイクル数≧Nの条件が成立するまで繰り返し実行される。その結果、上記条件が成立すると、以後、先頭気筒から順に、吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁42の駆動が停止される。すなわち、図2に示す例では、♯3気筒についてN回の掃気サイクルが実行されると、その時点で、♯3気筒の吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁40への電力供給が停止される。そして、以後、♯4気筒、♯2気筒、♯1気筒において順次排気行程が終了する毎に、それらの気筒の吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁40への電力供給が停止される。
【0058】
上記の処理によれば、全ての気筒において、N回の掃気サイクルを実行することができる。ここで、N回は、筒内の排気ガスを掃気するうえで必要十分な回数として予め定められた回数である。このため、本実施形態のシステムによれば、内燃機関10の停止時に、全ての気筒において、筒内ガスを確実に掃気することができる。
【0059】
ところで、IGスイッチ52がオフとされた後、筒内ガスを排気ガスから新気に入れ替えるために実行すべき掃気サイクル数は、その時点での排気管圧力に応じて変化する。すなわち、IGスイッチ52がオフとされた時点で高い排気管圧力が生じている場合は、各気筒から排気通路14へ排気ガスが流出し難いため、排気管圧力が低い場合に比して、筒内ガスの掃気に多くの掃気サイクルが必要となる。
【0060】
図6は、上記の要求に応えるべくECU50が実行する弁駆動停止制御ルーチンの変形例のフローチャートである。尚、図6において、上記図5に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0061】
図6に示すルーチンは、ステップ120の処理に先立って、ステップ130〜134の処理が実行される点を除き、図5に示すルーチンと同様である。すなわち、図6に示すルーチンでは、先ず、IGスイッチ52がオフされたか否かが判別される(ステップ130)。
【0062】
その結果、IGスイッチ52がオフされたと判別された場合は、次に、その時点の吸入空気量GAが検出される(ステップ132)。
吸入空気量GAには、内燃機関10の運転状態が反映されている。より具体的には、吸入空気量GAは、内燃機関10から排出される排気ガスの圧力、すなわち、排気管圧力と相関を有している。従って、本ステップ132で検出された吸入空気量GAは、IGスイッチ52がオフとされた時点の排気管圧力の特性値として扱うことができる。
【0063】
図6に示すルーチンでは、次に、上記ステップ132で検出された吸入空気量GAに基づいて所定回数Nが設定される(ステップ134)。
ECU50は、吸入空気量GAとの関係で、すなわち、排気管圧力との関係で、筒内ガスを掃気するために必要な掃気サイクル数を定めたマップを記憶している。本ステップ134では、そのマップを参照して、排気管圧力に対応する所定回数Nが設定される。
【0064】
以後、このようにして設定された所定回数Nを用いて、ステップ120〜126の処理が実行される。この場合、IGスイッチ52がオフとされた瞬間に、高い排気管圧力が生じている場合には、その排気管圧力が低い場合に比して、掃気サイクル数を増やすことができる。従って、図6に示す変形例によれば、IGスイッチ52がオフされた時点での内燃機関10の運転状態に関わらず、常に無駄なく掃気サイクルを実行することができる。
【0065】
ところで、上述した実施の形態1では、IGスイッチ52がオフとされた場合に、筒内ガスを掃気するための処理を実行することとしているが、その処理を行うべきタイミングは、この例に限定されるものではない。例えば、停車時にアイドリングを停止する機能を備えたエコラン車両、或いは内燃機関とモータとを併用するハイブリッド車両などにおいては、IGスイッチ52がオフされた場合のみならず、内燃機関に対して停止指令が発せられる毎に上述した掃気のための処理を実行することとしてもよい。
【0066】
また、上述した実施の形態1では、第2の規則で決定されるバルブタイミングが、機関回転数NEに基づいて決定されることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第2の規則で決定されるバルブタイミングは、常に、下死点から上死点までを排気弁40の開弁時期とし、上死点から下死点までを吸気弁36の開弁時期とするものであってもよい。
【0067】
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ112で選択された第1の規則に従って吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁40を駆動することにより前記請求項1記載の「第1駆動手段」が、上記ステップ118で選択された第2の規則に従って吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁40を駆動することにより前記請求項1記載の「第2駆動手段」が、それぞれ実現されている。
【0068】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、回転数センサ46の出力に基づいて機関回転数NEを検出することにより前記請求項記載の「回転数検出手段」が、その回転数NEに基づいて第2の規則を設定することにより前記請求項記載の「第2規則設定手段」が、それぞれ実現されている。
【0069】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、第2の規則に従って、図2に例示する開弁プロファイルを設定することにより前記請求項記載の「第2規則固定手段」が実現されている。
【0070】
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記請求項記載の「新規噴射禁止手段」が、上記ステップ108の処理により点火制御が終了されるまで、所定のタイミングで有効点火処理を実行することにより前記請求項記載の「有効点火処理手段」が、上記ステップ110〜118の処理を実行することにより前記請求項記載の「駆動規則切り替え手段」が、それぞれ実現されている。
【0071】
実施の形態2.
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは、実施の形態1の構成を用いて、ECU50に、図8に示すルーチンを更に実行させ、かつ、図5に示すルーチンに代えて図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0072】
図7は、本実施形態のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、図7に示すタイミングチャートは、スロットルバルブ22が全開とされるタイミングが加えられている点を除き、図2に示すタイミングチャートと同様である。
【0073】
本実施形態のシステムは、実施の形態1の場合と同様に、IGスイッチ52がオフとされた後に、第2の規則で決定されたバルブタイミングを用いて筒内ガスの掃気処理が行われる。この際、筒内ガスは、吸気管圧力が大気圧に近いほど効率的に掃気することができる。そこで、本実施形態では、IGスイッチ52がオフとされた後、適当なタイミングでスロットルバルブ22を全開状態とすることとしている。
【0074】
ところで、本実施形態のシステムでは、IGスイッチ52がオフとされた後も、最終噴射気筒においては、有効点火処理を前提とした吸気行程が実行される。この吸気行程では、最終噴射気筒に、通常通りの吸入空気量が吸入されることが望ましい。つまり、最終噴射気筒において、有効点火処理を前提とした吸気行程が実行されている間は、スロットル開度が通常通りに制御されていることが望ましい。
【0075】
そこで、本実施形態では、IGスイッチ52がオフとされた後、即座にはスロットルバルブ22を全開とせず、最終噴射気筒の吸気行程が終了した後に、スロットルバルブ22を全開とすることとしている。このため、図2に示す例では、最終噴射気筒である♯1気筒の吸気弁36が閉じられる時期と同期して、スロットルバルブ22が全開状態とされている。このような処理によれば、IGスイッチ52がオフとされた後に、内燃機関10の出力を変動させることなく、通常運転から掃気サイクルへの切り替えをスムーズに行うことができる。
【0076】
図8は、スロットルバルブ22に関する上記の機能を実現するためのECU50が実行するスロットル制御ルーチンのフローチャートである。
図8に示すルーチンでは、先ず、上記ステップ104の処理(図3参照)により最終噴射気筒が確定されたか否かが判別される(ステップ140)。
【0077】
IGスイッチ52がオフとされ、最終噴射気筒が確定されると、上記ステップ140の条件が成立する。この条件が成立すると、次に、最終噴射気筒の吸気弁36が開弁状態から閉弁状態に移行したか否か、すなわち、最終噴射気筒において、有効点火処理を前提とした最後の吸気行程が終了したか否かが判別される(ステップ142)。
吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁42には、吸気弁36または排気弁40のリフト位置を検知するためのリフト位置センサが組み込まれている。ECU50は、そのリフト位置センサの出力に基づいて、本ステップ142の判別処理を実行する。
【0078】
上記ステップ142の条件が成立すると、スロットルバルブ22を全開状態とする処理が実行される(ステップ144)。
この処理が実行されると、吸気通路12の通気抵抗が十分に小さくなり、吸気管圧力は実質的に大気圧となる。このため、以後の掃気サイクルでは、全ての気筒において高いポンプ効率が実現され、効率的に筒内ガスの掃気が行われる。
【0079】
図8に示すルーチンでは、次に、全ての気筒について吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁42の駆動が停止されたか、すなわち、全ての気筒について所望の掃気サイクルが完了したか否かが判別される(ステップ146)。
【0080】
その結果、上記ステップ146の条件が成立すると判別されると、スロットルバルブ22への通電が停止される(ステップ148)。
【0081】
図9は、本実施形態において、ECU50が、掃気のためのバルブ駆動を終了させるために実行する弁駆動停止制御ルーチンのフローチャートである。尚、図9において、上記図5に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0082】
図9に示すルーチンは、ステップ120および122の処理が、ステップ150および152の処理に置き換えられている点を除き、図5に示すルーチンと同一である。
すなわち、図9に示すルーチンでは、先ず、吸気負圧が実質的に0となったか否か、すなわち、大気圧となったか否かが判別される(ステップ150)。
尚、吸気負圧は、吸気通路に吸気圧センサを設けて実測することとしても、或いは、エアフロメータ20により検出される吸入空気量GAから公知の手法で推定することとしてもよい。
【0083】
本実施形態のシステムでは、既述した通り、IGスイッチ52がオフとされた後、スロットルバルブ22が全開状態とされる。このため、吸気負圧は、IGスイッチ52がオフとされた後、やがて実質的に0となる。そして、吸気負圧が実質的に0となると、上記ステップ150の条件が成立し、次に、先頭気筒を確定する処理が実行される(ステップ152)。
本ステップ152では、具体的には、上記ステップ150の条件が成立した後、次に吸気弁36が開かれる気筒が先頭気筒として確定される。上記の処理によれば、吸気負圧が実質的に0となった後、初めて吸気行程が実行される気筒を先頭気筒として確定することができる。
【0084】
以後、上記ステップ152で確定された気筒を先頭気筒として、図5に示すルーチンと同様に、ステップ124および126の処理が実行される。その結果、全ての気筒において、吸気負圧が実質的に0となった後、所定回数N回の掃気サイクルが実行される。このような処理によれば、IGスイッチ52がオフとされた後、全ての気筒において、効率的かつ確実に、筒内に残存する排気ガスを新気に入れ替えることができる。
【0085】
ところで、上述した実施の形態2においては、IGスイッチ52がオフとされた後、スロットルバルブ22を全開状態としているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、スロットルバルブ22は、効率的な掃気が可能な程度に吸気通路12の通気抵抗が低下するように開弁されればよい。
【0086】
また、上述した実施の形態2においては、IGスイッチ52がオフとされた後、吸気負圧が大気圧に近づくことに着目して、バルブ駆動の停止を図9に示すルーチンで制御することとしているが、その停止を制御する手法はこれに限定されるものではない。すなわち、本実施形態においても、図5に示すルーチンに従ってバルブ駆動の停止を制御することとしてもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態2においては、スロットルバルブ22が電子制御式であることから、スロットルバルブ22を開くことで吸気通路12の通気抵抗を下げることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、スロットルバルブ22が、アクセル開度と連動して開閉する機械式のものである場合は、スロットルバルブ22と並列に公知のアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)を設けて、このISCVを電子的に開弁させることにより、吸気通路12の通気抵抗を下げることとしてもよい。更に、スロットルバルブ22が機械式である場合は、停止中における閉固着を防止する機構として知られているオープナーをスロットルバルブ22に組み込み、そのオープナーを利用して通気抵抗の低減を図ることとしてもよい。
【0088】
尚、上述した実施の形態2においては、電子制御式のスロットルバルブ22、或いは、機械式のスロットルバルブ22と併設されるISCVまたはオープナーが、前記請求項記載の「流通抵抗制御機構」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ144の処理を実行することにより前記請求項記載の「機構制御手段」が実現されている。
【0089】
実施の形態3.
次に、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは、実施の形態1または実施の形態2の構成を用いて、ECU50に、図11に示すルーチンを更に実行させることにより実現することができる。
【0090】
図10は、本実施形態のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、図10に示すタイミングチャートは、掃気処理の開始された気筒では、吸気行程と排気行程とが繰り返される2行程運転が開始される点を除き、図7に示すタイミングチャートと同様である。
【0091】
本実施形態のシステムは、実施の形態1または2の場合と同様に、IGスイッチ52がオフとされた後に、第2の規則で決定されたバルブタイミングを用いて筒内ガスの掃気処理が行われる。ここで、実施の形態1または2では、掃気処理の実行中も、吸気電磁駆動弁38および排気電磁駆動弁42は、4行程運転を前提としたパターンで駆動される。
【0092】
つまり、実施の形態1または2では、掃気処理が開始された後も、排気行程に続いて吸気行程が実行された後に、吸気弁36および排気弁40が閉じられた状態で圧縮行程と膨張行程とが行われ、その後に再び排気行程が実行される。掃気処理が開始された後は、筒内で燃料の燃焼は行われない。従って、この場合は、圧縮行程および膨張行程を実行する実益はない。
【0093】
本実施形態のシステムでは、吸気弁36および排気弁40が電磁駆動されているため、それらがカム駆動されている場合とは異なり、内燃機関10の運転行程数を変化させることができる。より具体的には、吸気弁36および排気弁40を、4行程運転に対応したパターンで駆動することも、2行程運転に対応したパターンで駆動することも可能である。
【0094】
そこで、本実施形態では、IGスイッチ52がオフとされ、掃気処理が開始された後は、吸気弁36および排気弁40の駆動パターンを切り替えて、吸気行程と排気行程とが繰り返し実行される2行程モードで内燃機関10を動作させることとしている。この場合、圧縮行程および膨張行程が省略され、ピストンの上下動が、全て筒内ガスの掃気に利用されるため、内燃機関10が4行程モードで動作する場合に比して、ポンプ仕事を増やし、掃気効率を高めることができる。
【0095】
図11は、上記の機能を実現すべくECU50が実行するバルブタイミング制御ルーチンのフローチャートである。尚、図11に示すルーチンは、個々の気筒毎に実行されるルーチンである。
【0096】
図11に示すルーチンでは、先ず、IGスイッチ52がオフされたか否かが判別される(ステップ160)。
【0097】
その結果、IGスイッチ52がオフされていないと判別された場合は、内燃機関10を通常の手法で運転させるべく、多行程運転モードが選択される(ステップ162)。
この場合、ECU50は、実現すべき多行程運転(例えば4行程運転)に対応したパターンで、吸気弁36および排気弁40を駆動する。
【0098】
一方、上記ステップ160において、IGスイッチ52がオフされていると判別された場合は、次に、処理の対象である気筒において、最後の有効点火処理が終了したか否かが判別される(ステップ164)。
より具体的には、直近の点火処理の後に燃料噴射が開始されたか否かが判別される。その結果、燃料噴射が開始されていると判別された場合は、当該気筒において、最後の有効点火処理が未だ終了していないと判別される。これに対して、直近の点火処理の後に燃料噴射が開始されていないと判別された場合は、当該気筒において最後の有効点火が終了していると判別される。
【0099】
上記ステップ164において、当該気筒における最後の有効点火処理が未だ終了していないと判別された場合は、多行程運転モードを継続させるべく、上記ステップ162の処理が実行される。一方、最後の有効点火処理が終了していると判別された場合は、次に、効率的な掃気を可能とすべく、少行程運転モードが選択される(ステップ166)。
この場合、ECU50は、実現すべき少行程運転(例えば2行程運転)に対応したパターンで、吸気弁36および排気弁40を駆動する。
【0100】
以上説明した通り、図11に示すルーチンによれば、個々の気筒において、最後の有効点火処理が終了し、掃気処理を開始すべき状況が形成されると、その時点で、内燃機関10の運転モードを多行程運転モードから少行程運転モードに切り替えることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1または2の場合に比して、更に高いポンプ効率を実現して、効率的な掃気を実現することができる。
【0101】
ところで、上述した実施の形態3は、多行程運転を4行程運転とし、また、少行程運転を2行程運転として説明を行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、多行程運転は、6行程運転など、4行程運転以外であってもよく、また、少行程運転は、その多行程運転より1サイクル中の行程数の少ない運転であればよい。
【0102】
また、上述した実施の形態3においては、実施の形態1または2の機能、すなわち、吸気弁36や排気弁40の開弁プロファイルの決定規則を第1の規則から第2の規則に切り替える機能と、内燃機関10の運転行程数を切り替える機能とを組み合わせて用いることを前提としているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、後者の機能は、前者の機能から切り離して、独立に用いることとしてもよい。
【0103】
尚、上述した実施の形態3においては、ECU50が、上記ステップ162の処理を実行することにより前記請求項6記載の「多行程運転手段」が、上記ステップ166の処理を実行することにより前記請求項6記載の「少行程運転手段」が、それぞれ実現されている。
【0104】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、内燃機関の運転中は、内燃機関を運転するうえで好適な第1の規則に従って電磁駆動弁を駆動し、内燃機関の停止指令後は、筒内ガスの掃気に好適な、ポンプ効率の高い第2の規則に従って電磁駆動弁を駆動することができる。
【0106】
請求項記載の発明によれば、筒内ガスを掃気するための第2の規則を、機関回転数に基づいて、効率的な掃気を実現し得る規則に設定することができる。
【0107】
請求項記載の発明によれば、少なくとも機関回転数が所定の低回転領域に属している場合は、下死点で排気弁を開けて、上死点でその排気弁を閉じると共に吸気弁を開弁し、更に、その後下死点でその吸気弁を閉じることができる。低回点領域では、このようなバルブタイミングを用いることで、最も高いポンプ効率を実現し、効率的に筒内ガスを掃気することが可能となる。
【0108】
請求項記載の発明によれば、個々の気筒において、最後の有効点火処理が実行された後、初めて排気弁が開弁するまでは、第1の規則で電磁駆動弁を駆動することができる。最後の有効点火処理の後、初めて排気弁が開弁するまでは、バルブタイミングが内燃機関の出力に影響を与える。一方、その開弁の後は、筒内で燃焼が起こらないため、内燃機関の出力がバルブタイミングに影響を受けることはない。従って、本発明によれば、バルブタイミングが内燃機関の出力に影響を与える間は第1の規則を用い、その影響が生じなくなった後は第2の規則を用いることにより、ドライバビリティを悪化させることなく迅速な掃気終了を可能とすることができる。
【0109】
請求項記載の発明によれば、内燃機関の運転中は、内燃機関を運転するうえで好適な多行程運転のモードを採用し、内燃機関の停止指令後は、筒内ガスを迅速に掃気する上で好適な少行程運転モードに切り替えることができる。
【0110】
請求項記載の発明によれば、内燃機関の停止指令後に、吸気通路の流通抵抗を小さくして、掃気がし易い状態を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。
【図2】 本発明の実施の形態1のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態1において実行される点火・噴射制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態1において実行されるバルブタイミング制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態1において実行される弁駆動停止制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態1において実行される弁駆動停止制御ルーチンの変形例のフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態2のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態2において実行されるスロットル制御ルーチンのフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態2において実行される弁駆動停止制御ルーチンのフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態3のシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態3において実行されるバルブタイミング制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
22 スロットルバルブ
30 燃料噴射弁
36 吸気弁
38 吸気電磁駆動弁
40 排気弁
42 排気電磁駆動弁
44 点火プラグ
50 ECU (Electronic Control Unit)

Claims (6)

  1. 吸気弁または排気弁として機能する電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置であって、
    内燃機関の運転中に、前記電磁駆動弁を第1の規則に従って駆動する第1駆動手段と、
    内燃機関の停止指令後に、前記第1の規則に代えて、前記第1の規則に比して、内燃機関の筒内ガスを高いポンプ効率で掃気することのできる第2の規則で前記電磁駆動弁を駆動する第2駆動手段と、を備え
    前記第1の規則は、内燃機関の筒内ガスを前記第2の規則に比して低いポンプ効率で掃気する規則であることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  2. 機関回転数を検出する回転数検出手段と、
    機関回転数に応じて、前記第2の規則を設定する第2規則設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の停止制御装置。
  3. 前記電磁駆動弁は、排気弁として機能する排気電磁駆動弁と吸気弁として機能する吸気電磁駆動弁の双方を含み、
    少なくとも機関回転数が所定の低回転領域に属している場合は、前記排気電磁駆動弁をピストン下死点で開弁させ、かつ、ピストン上死点で閉弁させ、更に、前記吸気電磁駆動弁をピストン上死点で開弁させ、かつ、ピストン下死点で閉弁させる規則を、前記第2規則とする第2規則固定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の停止制御装置。
  4. 内燃機関の停止指令の後に、気筒への新たな燃料噴射の開始を禁止する新規噴射禁止手段と、
    個々の気筒において、その内部に存在する未燃ガスを燃焼させるための有効点火処理を行う有効点火処理手段と、
    個々の気筒において、最後の有効点火処理が実行された後、初めて排気弁が開弁するまでは、前記第1駆動手段を有効とし、その開弁の後は、前記第1駆動手段に代えて前記第2駆動手段を有効とする駆動規則切り替え手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の停止制御装置。
  5. 吸気弁または排気弁として機能する電磁駆動弁を備えた内燃機関の停止制御装置であって、
    内燃機関の運転中に、当該内燃機関に多行程運転を行わせる多行程運転手段と、
    内燃機関の停止指令後に、当該内燃機関に、前記多行程運転に比して1サイクル中の行程数が少ない少行程運転を行わせる少行程運転手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
  6. 内燃機関の吸気通路の流通抵抗を制御する流通抵抗制御機構と、
    内燃機関の停止指令後は、前記流通抵抗が所定値以下となるように、前記流通抵抗制御機構を制御する機構制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の停止制御装置。
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