JP4149372B2 - 始動装置 - Google Patents
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Description
この始動・補機駆動装置はエンジン始動後のエンジン回転中におけるクランク軸から始動装置の連れ回りを防止するために内部にオーバーランニングクラッチを備え、エンジン始動時の回転数以上にて非接触分離する機構を備えている(例えば特許文献1参照)。
その他にもアイドリングスットップ中のエンジン停止直前においても、上記と同様の理由により再始動を行うことが出来なかった。
更にモータへの通電を遮断する回転数、即ちスタータОFF回転数を設定することにより、必要以上の回転数で始動装置を回転させることがないため、ブラシなどの摺動部の摩耗が減少し、始動装置の耐久性が向上する。
以下、この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるエンジン始動装置を含むエンジンアイドルストップシステムの概要を示すブロック図である。図において、エンジン1のクランク軸に接続されたクランクプーリ2にベルト3を介して始動装置4が接続されており、又本システムにおいては、エンジン1の出力軸に接続された自動変速機5及びブレーキシステム6などを備えている。
そして、ECU7には、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのブレーキストロークセンサ8と、車両の加減速状態を検出する車両加減速検出手段9と、エンジン1を制御するためのエンジンECU10と、自動変速機5を制御するAT−ECU11と、エンジン停止中の自動変速機5の作動に必要な油圧を確保するための電動油圧ポンプ12と、エンジン停止中のブレーキ作動に必要な負圧を確保するための電動真空ポンプ13とが接続されている。
また、AT−ECU11には、シフトポジションセンサ14やアクセル操作がなされているか否かを検出するためのアクセルスイッチ15などが接続されている。
保持器26は、片端に鍔部を有する円筒の部材であって、スプラグ24が遊嵌される穴を有し、クラッチアウター22に固定されている。
スプラグ24は、略瓢箪状の板体であって、上側半分に形成された溝にガータスプリング27がはめ込まれている。
上記のように構成されたスプラグ24はディスエンゲージタイプと呼ばれるものであり、スプラグ24の重心Gがスプラグ24とクラッチアウター22の接点αよりも左側にあると遠心力が働いたときスプラグ24はα点を中心にして時計方向に傾く。そのためスプラグ24の高さは低くなり、スプラグ24のクラッチインナー側カム面はクラッチインナー20の軌道面から離れる。
これにより、クラッチアウター22が高速で空転するときスプラグ24の磨耗を減らすことができる。
クラッチアウター22と出力軸21とは一体形成され、同軸度が確保されており、出力軸21はフロントブラケット30に軸受31を介して軸支持されている。このようにフロントブラケット30とセンターブラケット18の同軸度を確保することにより、クラッチインナー20とクラッチアウター22の同軸度を保つことができるような構造となっている。
モータ16は通常始動装置に用いられる直流電動機で構成されており、本発明では遊星歯車機構などからなる内部減速機構を持たない構成を示しているが、減速機構を設けた構成としてもよく、その場合にはモータ16の出力軸17が減速機構部の出力軸となる。
また、この始動装置4は図1に示した電子制御ユニット7により制御されエンジンの始動を行うものである。
本実施形態においては始動装置4をОFFするときの回転数(以下スタータОFF回転数と略す)、即ちモータ16への通電を遮断するときのクラッチインナー20及びクラッチアウター22の回転数をスプラグ24(即ちクラッチアウター22)とクラッチインナー20の再接触時の回転数以下に設定するとともに、この再接触回転数を無負荷最大回転数よりも小さく設定したものである。
ここで、無負荷最大回転数とは、モータ16の無負荷状態におけるクラッチインナー20の回転数が取り得る最大回転数をいう。
更に実線はクラッチアウター22の経時変化を示し、一点鎖線はクラッチインナー20の経時変化を示している。
このとき図4に示すように、スタータOFF回転数が再接触回転数より高い場合には、スプラグ24(クラッチアウター22)とクラッチインナー20が再接触するときのそれぞれの回転数は図4の▲印で示され、クラッチインナー20の回転数がクラッチアウター22の回転数より大きくなっている。
このように再接触時にスプラグ24(クラッチアウター22)に対してクラッチインナー20の回転数が大きい場合には、スプラグ24は衝撃を受けることとなり、スプラグ24の破損の原因となり、又衝撃音が発生することにより、騒音の問題が発生する。
更に再接触回転数を無負荷最大回転数よりも小さく設定することにより、スプラグ24がクラッチインナー20と再接触する回転数の範囲が制限され、小さくなることにより、クラッチインナー20及びスプラグ24の磨耗が少なくなり、耐久性が向上する。
更にモータ16への通電を遮断する回転数、即ちスタータОFF回転数を設定することにより、必要以上の回転数で始動装置4を回転させることがないため、ブラシなどの摺動部の摩耗が減少し、始動装置4の耐久性が向上する。
図6はこの発明の実施の形態2によるアイドルストップ中のクラッチインナー20及びクラッチアウター22の回転数と時間の関係を示す図である。図において、実線aはクラッチアウター22の変化を示し、一点鎖線bはクラッチインナー20の変化を示しており、C点よりブレーキを踏んで減速している状態となり、D点でエンジンが停止する。
ここでアイドルストップとは、走行中信号待ちなどで車が止まると自動的にエンジンを切ることをいう。
上記のようにクラッチインナー20が回転していない状態でスプラグ24とクラッチインナー20が接触するようになるので、スプラグ24に衝撃が加わらないようになり、スプラグ24の耐久性が向上することになる。
又再始動時にスプラグ24が衝撃を受けないため、ワンウェイクラッチ25の耐久性が向上する。
更に再始動時に衝撃音の発生がないため、騒音を軽減することができる。
図7はこの発明の実施の形態3によるアイドリング時のクラッチアウター22の回転数と時間の関係を示す図である。図において、実線dはアイドリング時におけるクラッチアウター22の変化を示しているものであり、クラッチアウター22の回転数は常に再接触回転数よりも大きく設定されている。
図8はこの発明の実施の形態4によるクラッチインナー20及びクラッチアウター22の回転数と時間との関係を示す図である。
本実施形態においては、エンジン回転数またはクラッチアウター回転数を検知して、エンジン(クラッチアウター22)が逆回転している場合には、クラッチインナー20の再始動を禁止するようにしたものである。
更に再始動の禁止の条件をエンジンの逆回転でなく、図8に示すように正回転時の一定回転数以下になったときに再始動を禁止するようにしてもよい。
本実施形態においては、モータ16の端子電圧を検知することにより、モータ16が発電機として動作されているか否かを判定するものである。
車輌の走行中またはアイドリング中にモータ16からの発電が検知された場合には、モータ16が発電機として動作していることとなり、ワンウェイクラッチ25の異常を検知することができる。
このようにワンウェイクラッチ25の異常を早期に検出することにより、装置の耐久性の向上を図ることができる。
22 クラッチアウター、24 スプラグ、25 ワンウェイクラッチ、28 プーリ。
Claims (5)
- モータの回転をワンウェイクラッチを介してエンジン側へ伝達する機構を備え、上記ワンウェイクラッチは上記モータの出力軸に連結されたクラッチインナーと、プーリに連結されたクラッチアウターと、上記クラッチインナーとクラッチアウターの間に配置されたスプラグとを有する始動装置において、上記モータへの通電を遮断するときの上記ワンウェイクラッチの回転数を上記スプラグと上記クラッチインナーの再接触回転数以下に設定するとともに、この再接触回転数を無負荷最大回転数よりも小さく設定したことを特徴とする始動装置。
- アイドルストップ中のエンジン停止直後に上記クラッチアウターの回転数が上記スプラグと上記クラッチインナーの再接触回転数に到達してから上記クラッチインナーの回転を始めるようにしたことを特徴とする請求項1記載の始動装置。
- アイドリング時の上記クラッチアウターの回転数を、上記スプラグと上記クラッチインナーの再接触回転数よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の始動装置。
- 上記クラッチアウターが逆回転している場合には上記クラッチインナーの再始動をしないようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の始動装置。
- 上記モータの端子電圧を検知し、その端子電圧から上記ワンウェイクラッチの異常を検知することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の始動装置。
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